JP7179550B2 - セラミックス回路基板およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

セラミックス回路基板およびそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Description

実施形態は、概ね、セラミックス回路基板およびそれを用いた半導体装置に関する。
近年、半導体素子の高出力化が行われ、動作補償温度(ジャンクション温度)の高温化が進んでいる。ジャンクション温度が150℃程度であったものが170~200℃になっている。これに伴い半導体素子を搭載するセラミックス回路基板についても、高温でのTCT特性(耐熱サイクル特性)が求められている。
国際公開第2017/056360号公報(特許文献1)では、セラミックス基板と銅板を活性金属ろう材層を介して接合したセラミックス回路基板が開示されている。特許文献1ではセラミックス回路基板のTCT特性を向上させるために、銅板端部からの活性金属ろう材層のはみ出し部を設けている。これにより、特許文献1のセラミックス回路基板はTCT特性を向上させている。
また、セラミックス回路基板に半導体素子を実装した半導体装置は、絶縁性確保のために樹脂モールドされている。ジャンクション温度の上昇に伴い、モールド樹脂を起点とした破壊モードが生じていた。特開2006-179538号公報(特許文献2)には、モールド樹脂による破壊モードを改善するために樹脂のヤング率を制御していた。特許文献2のように、モールド樹脂のヤング率を制御することにより、破壊モードに対する改善は見られた。
しかしながら、特許文献1のセラミックス回路基板を用いたとしても、ジャンクション温度が高温になるに従い、モールド樹脂を起点とした破壊モードが生じていた。また、特許文献2のように2種類のモールド樹脂を使うものはコストアップの要因となっていた。
国際公開第2017/056360号公報 特開2006-179538号公報
半導体装置は、実装基板上に配置される。樹脂モールドは、半導体装置を覆うように設けられている。特許文献1のセラミックス回路基板を用いた場合、モールド樹脂を起点とした破壊モードが裏金属板の周囲で起きていた。特許文献1は、ろう材はみ出し部を設けている。ろう材はみ出し部を設けるためには、裏金属板の沿面距離が必要であった。裏金属板に沿面距離が存在すると、樹脂モールドした際に十分に樹脂が充填されず気泡が形成され易かった。気泡が存在すると、樹脂はがれの原因となった。これにより、裏金属板の周囲でモールド樹脂による破壊が生じていた。
本発明は、このような問題に対応するためのものであり、樹脂モールドに適したセラミックス回路基板を提供するものである。
実施形態にかかるセラミックス回路基板は、セラミックス基板の一方の面に回路用金属板、もう一方の面に放熱用金属板を接合したセラミックス回路基板において、放熱用金属板の沿面距離の90%以上が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内であり、セラミックス基板側面の中心から回路用金属板側の最大高さ粗さRzをRz1、セラミックス基板側面の中心から放熱用金属板側の最大高さ粗さRzをRz2としたとき、|Rz1-Rz2|≦10μmであることを特徴とするものである。
実施形態にかかるセラミックス回路基板は裏金属板の沿面距離の90%以上が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内にしていることから、樹脂モールドした際に裏金属板周辺に気泡が形成されるのを抑制することができる。また、セラミックス基板側面の上側と下側の最大高さ粗さRzの差を小さくしている。これにより、樹脂モールドのはがれを防ぐことができる。
実施形態にかかるセラミックス回路基板の一例を示す図。 実施形態にかかるセラミックス回路基板の別の一例を示す図。 実施形態にかかる半導体装置の一例を示す図。
実施形態にかかるセラミックス回路基板は、セラミックス基板の一方の面に回路用金属板、もう一方の面に放熱用金属板を接合したセラミックス回路基板において、
放熱用金属板の沿面距離の90%以上が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内であり、
セラミックス基板側面の中心から回路用金属板側の最大高さ粗さRzをRz1、セラミックス基板側面の中心から放熱用金属板側の最大高さ粗さRzをRz2としたとき、|Rz1-Rz2|≦10μmであることを特徴とするものである。
図1に実施形態にかかるセラミックス回路基板の一例を示した。図中、1はセラミックス回路基板、2はセラミックス基板、3はセラミックス基板側面、3Aはセラミックス基板側面の中心から回路用金属板側、3Bはセラミックス基板側面の中心から放熱用金属板側、4は回路用金属板、5は放熱用金属板、6はろう材層(回路用金属板側ろう材層)、7はろう材層(放熱用金属板側ろう材層)、Tは放熱用金属板の沿面距離、である。
セラミックス回路基板1は、セラミックス基板2の一方の面に回路用金属板4、もう一方の面に放熱用金属板5を有している。便宜上、回路用金属板4を表金属板、放熱用金属板を裏金属板と呼ぶ。また、図1はろう材層6およびろう材層7を介して金属板を接合したものを例示している。後述するようにセラミックス回路基板は、ろう材層を介して金属板を接合したものであることが好ましい。また、図1では回路用金属板4を1つ設けたものを例示したものである。実施形態にかかるセラミックス回路基板は複数の回路用金属板4を設けてもよいものである。また、複数の回路用金属板4を設ける場合、少なくとも1つの金属板に半導体素子を実装するものとする。
放熱用金属板5はセラミックス基板2の端部からの沿面距離Tの90%以上が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内になっている。また、放熱用金属板5のセラミックス基板2の端部からの沿面距離Tは、単に「放熱用金属板の沿面距離」と呼ぶものとする。また、放熱用金属板の沿面距離Tの100%とは、放熱用金属板の外周すべての沿面距離を示す。また、沿面距離Tがマイナスとは、セラミックス基板の端部から内側に放熱用金属板の端部があることを示す。沿面距離Tがプラスとはセラミックス基板の端部から外側に放熱用金属板の端部があることを示す。つまり、沿面距離Tがマイナスだと放熱用金属板はセラミックス基板より小さいことを示す。逆に、沿面距離Tがプラスだと放熱用金属板はセラミックス基板より大きいことを示す。また、沿面距離Tが0mmであると、放熱用金属板とセラミックス基板は同じサイズであることを示す。
放熱用金属板の沿面距離Tの90%以上が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内であるということは、沿面距離Tを小さくしていることを示す。これにより、樹脂モールドした際に沿面距離領域に気泡が形成されるのを抑制することができる。沿面距離Tを小さくすることにより、モールド樹脂がセラミックス基板の裏側に入り込む領域を小さくすることができるためである。
また、TCT試験を行った際に、セラミックス基板の裏面のクラック発生を抑制できる。セラミックス基板と金属板の熱応力は材質の熱膨張率の差で生じる。特に、接合端部で大きくなる。沿面距離Tを小さくすることにより、樹脂モールドされTCT試験が行われた際にセラミックス基板部分の曲げモーメントが抑制され、接合端部の熱応力を小さくすることができる。またTが小さいことで、樹脂の剥がれ抑制にもつながる。
また、放熱用金属板の沿面距離の100%が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内であることが好ましい。また、放熱用金属板の沿面距離の100%が-0.05mm以上0mm以下の範囲内であることが好ましい。また、放熱用金属板の沿面距離が0mmであることが好ましい。
また、放熱用金属板の沿面距離Tの測定方法は、セラミックス回路基板を裏面方向から工具顕微鏡で20倍に拡大して測定するものとする。また、樹脂モールドした半導体装置の状態で測定する場合はX線CTを用いるものとする。
また、セラミックス基板側面の中心から回路用金属板側の最大高さ粗さRzをRz1、セラミックス基板側面の中心から放熱用金属板側の最大高さ粗さRzをRz2としたとき、|Rz1-Rz2|≦10μmであることを特徴としている。
最大高さ粗さRzとは、JIS-B-0601(2013)で最大高さ粗さRzと定義されているものを示す。また、図1に示したように、セラミックス基板2側面の中心から回路用金属板側の側面領域を3Aとする。セラミックス基板2側面の中心から放熱用金属板側の側面領域を3Bとする。側面領域3Aの最大高さ粗さRzをRz1、側面領域3Bの最大高さ粗さRzをRz2とする。実施形態にかかるセラミックス回路基板は|Rz1-Rz2|≦10μmであることを特徴としている。最大高さ粗さRzとは、粗さ曲線の最も大きな山と最も大きな谷の合計値である。
|Rz1-Rz2|≦10μmであるということは、セラミックス基板側面の最大高さ粗さRzの差が小さいことを示す。セラミックス基板2側面にRzの差があると、モールド樹脂との密着性にばらつきが生じる。樹脂モールドした半導体装置をTCT試験すると、密着性の弱い部分から樹脂がはがれる現象が生じることが分かった。また、最大高さ粗さRzは粗さ曲線の最も大きな山と最も大きな谷の合計値である。最大高さ粗さRzはアンカー効果を得るために重要なファクターである。
例えば、セラミックス回路基板を多数個取りする場合、ライン状やドット条のスクライブ加工を施す。スクライブ加工痕に沿って基板を分割していく。分割後のセラミックス基板の側面はスクライブ加工痕とそうでないところで最大高さ粗さが異なる。この結果、|Rz1-Rz2|が10μmを超える値となっていた。
また、|Rz1-Rz2|≦4μmとすることが好ましい。Rz1とRz2の差が小さいほどモールド樹脂との密着性のばらつきを低減することができる。
また、Rz1およびRz2は0.3μm以上20μm以下であることが好ましい。Rz1およびRz2が0.3μm未満であると平坦になりすぎてアンカー効果が不十分となる可能性がある。また、Rz1およびRz2が20μmを超えて大きいと、樹脂が谷の奥まで入り難くなり、気泡が形成され易くなる。基板側面に気泡が存在すると、樹脂はがれの原因となる可能性がある。このため、Rz1およびRz2は0.3μm以上20μm以下、さらには3μm以上15μm以下が好ましい。
また、セラミックス基板2側面の最大高さ粗さRzを|Rz1-Rz2|≦10μmかつ0.3μm以上20μm以下にすることにより、セラミックス基板2の強度を向上させることができる。セラミックス基板側面のRzにばらつきがあると、セラミックス基板の強度にばらつきが生じやすい。例えば、ハーフスクライブ加工では、セラミックス基板側面の半分までスクライブ痕が形成される。この場合、スクライブ痕を上向きまたは下向きにすることにより、セラミックス基板の強度が変わる。言い換えると、実施形態にかかるセラミックス回路基板は基板側面のRzが所定の範囲内になっている。このため、基板の方向性による強度の低下が発生しない。また、基板側面のRzを所定の範囲にすることにより、強度の向上も図ることができる。
また、最大高さ粗さRzの測定方法は、セラミックス基板2側面を厚さ方向に測定するものとする。基板側面の横方向に沿って測定するものとする。側面領域3Aの横方向に任意の5mm分、測定する。同様に、側面領域3Bの横方向に任意の5mm分、測定する。それぞれ側面4つ分測定し、その中で最も大きな|Rz1-Rz2|値をセラミックス回路基板の|Rz1-Rz2|値とする。また、Rz1およびRz2の値はいずれも0.3μm以上20μm以下であることが好ましい。
また、セラミックス基板2としては、窒化珪素基板、窒化アルミニウム基板、酸化アルミニウム基板、アルジル基板などが挙げられる。例えば、セラミックス基板の板厚は、0.2~0.8mmである。例えば、窒化珪素基板の熱伝導率は50W/m・K以上、3点曲げ強度は600MPa以上である。例えば、窒化アルミニウム基板の熱伝導率は150W/m・K以上、3点曲げ強度は300~550MPaである。例えば、酸化アルミニウム基板の熱伝導率は20~40W/m・K、3点曲げ強度は400~500MPaである。
また、アルジル基板は酸化ジルコニウムを含有した酸化アルミニウム基板のことである。
アルジル基板の熱伝導率は20~40W/m・K、3点曲げ強度は450~600MPaである。窒化珪素基板は、強度が高いので基板を0.33mm以下の薄型化が可能である。窒化アルミニウム基板は熱伝導率が高い。また、酸化アルミニウム基板及びアルジル基板の熱伝導率は低いが、これらの基板は安価である。セラミックス基板の種類は、目的に合わせて適宜選択できる。また、窒化珪素基板および窒化アルミニウム基板は、窒化物系セラミックスと呼ぶ。酸化アルミニウム基板およびアルジル基板は酸化物系セラミックスと呼ぶ。
また、セラミックス基板2は、熱伝導率50W/m・K以上、3点曲げ強度600MPa以上の窒化珪素基板であることが好ましい。前述のように強度が高い基板であれば、薄型化できる。薄型化により、熱抵抗を下げることができる。また、熱伝導率は80W/m・K以上の窒化珪素基板であることが好ましい。熱伝導率を高くすることにより、熱抵抗を下げることができる。
また、3点曲げ強度が600MPa以上のセラミックス基板を使うことにより、金属板を厚くしても高信頼性を維持することができる。金属板を厚くすることにより、通電容量の向上、インダクタンスの低減、および放熱性の向上を図ることができる。この点からも、熱伝導率50W/m・K以上、3点曲げ強度600MPa以上の窒化珪素基板であることが好ましい。
また、回路用金属板および放熱用金属板の厚さが0.1mm以上であることが好ましい。金属板の厚さが0.1mm未満であると、通電容量が稼げない。通電容量が稼げないとハイパワーの半導体素子を搭載し難くなる。また、金属板の厚さは0.1mm以上、さらには0.5mm以上が好ましい。金属板の厚さの上限は特に限定されるものではないが3mm以下が好ましい。金属板の厚さが3mmを超えると、後述するような接合体を切断する製造方法を適用するのが困難となる可能性がある。
また、回路用金属板および放熱用金属板は銅板(Cu板)またはアルミニウム板(Al板)が好ましい。銅板には銅合金が含まれるものとする。また、アルミニウム板にはアルミニウム合金が含まれるものとする。銅は熱伝導率が約400W/m・Kである。アルミニウムは熱伝導率が約240W/m・Kである。いずれもセラミックス基板の熱伝導率よりも高い。このため、銅板またはアルミニウム板を厚くすることにより放熱性を向上させることができる。
また、放熱用金属板5側面の最大高さ粗さRzは0.3μm以上20μm以下の範囲内であることが好ましい。放熱用金属板5の側面のRzを所定の値とすることにより、モールド樹脂との密着性を向上させることができる。
また、金属板はろう材層を介して接合したものであることが好ましい。
金属板が銅板である場合、活性金属ろう材層であることが好ましい。活性金属ろう材は、Ag、Cuおよび活性金属を必須成分として含有する。AgとCuは共晶となる組合せである。AgCu共晶が形成されることにより、セラミックス基板と銅板の接合強度を向上させることができる。また、活性金属は、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)から選ばれる1種又は2種以上である。活性金属の中ではTiが好ましい。活性金属はセラミックス基板と反応して強固な接合を行うことができる。窒化物系セラミックスとは活性金属窒化物相を形成する。例えば、活性金属にTiを用いた場合、窒化チタン(TiN)相が形成される。また、酸化物セラミックスとは活性金属酸化物相を形成する。例えば、活性金属にTiを用いた場合、酸化チタン(TiO)相が形成される。また、活性金属は金属単体であってもよいし、水素化物として添加しても良い。
また、必要に応じ、活性金属ろう材には、Sn(錫)またはIn(インジウム)を添加しても良い。SnおよびInは、活性金属ろう材の融点を下げることができる。このため、接合温度を下げることができる。低温での接合は、接合体の残留応力を減少させることができる。残留応力の低減は、接合体の熱サイクル信頼性の向上に有効である。
また、必要に応じ、活性金属ろう材には、C(炭素)を添加しても良い。炭素を添加することにより、ろう材の流動性を抑制できる。そのため、ろう材層の厚さをより均一にできる。
また、活性金属ろう材において、Agの含有量は40wt%以上80wt%以下、Cuの含有量は15wt%以上45wt%以下、活性金属の含有量は1wt%以上12wt%以下、Sn(またはIn)の含有量は0wt%以上20wt%以下、Cの含有量は0wt%以上2wt%以下であることが好ましい。Ag、Cu、Ti、Sn(またはIn)、およびCの含有量の合計は、100wt%とする。また、活性金属ろう材にSnまたはInを添加する際は、SnまたはInの含有量が5wt%以上であることが好ましい。SnとInの両方を添加する場合はその合計の含有量が5~20wt%の範囲内であることが好ましい。また、活性金属ろう材に炭素を添加するときは、炭素の含有量が0.1wt%以上2wt%以下であることが好ましい。
金属板がAl板である場合、活性金属ろう材はAl(アルミニウム)を主成分として含むことが好ましい。また、Alろう材に、Si(珪素)またはMg(マグネシウム)から選ばれる少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。SiまたはMgは0.01wt%以上20wt%以下、残部Alの範囲が好ましい。
また、ろう材層の厚さは10μm以上60μm以下が好ましい。ろう材層の厚さが10μm未満であると接合強度が不足する可能性がある。また、60μmを超えて厚いと、それ以上の効果が得難くなる。また、コストアップの要因となる可能性がある。
また、セラミックス基板と回路用金属板および放熱用金属板はろう材層を介して接合されており、放熱用金属板側のろう材層の沿面距離が-0.1mmを超えて0mm以下であることが好ましい。これは放熱用金属板側のろう材層はセラミックス基板側面から突出していないことを示している。また、放熱用金属板端部から、ろう材層はみ出し部は0μm以上10μm以下であることが好ましい。放熱用金属板側のろう材はみ出し部を小さくすることにより、モールド樹脂の気泡が形成されるのを抑制できる。ろう材はみ出し部は、活性金属ろう材ペーストを熱処理して形成されるものである。その表面は微小な凹凸を有しており、気泡が形成され易いためである。
図2に実施形態にかかるセラミックス回路基板の別の一例を示した。図中、1はセラミックス回路基板、2はセラミックス基板、4は回路用金属板、5は放熱用金属板、6はろう材層(回路用金属板側ろう材層)、7はろう材層(放熱用金属板側ろう材層)、である。
図2は沿面距離Tが0mmのものを示したものである。
また、放熱用金属板側のろう材層の沿面距離が-0.1mmを超えて0mm以下であるということは、ろう材層7がセラミックス基板2の側面からはみ出ていないことを示す。この構造により、樹脂モールドしたときの気泡の形成を抑制することができる。また、セラミックス基板2の側面のRzを制御する効果を得易くなる。
また、放熱用金属板5の側面は垂直形状であることが好ましい。垂直形状とは、放熱用金属板の側面が厚み方向にまっすぐになっている形状を示す。垂直形状とすることにより、樹脂モールドした際に気泡が形成されるのを抑制することができる。また、放熱用金属板5側面のRzを0.3μm以上20μm以下にしたときに、モールド樹脂との密着性を向上させ易くなる。
また、回路用金属板4の側面は、垂直形状であってもよいし、傾斜形状であってもよい。また、ろう材層6は回路用金属板4からはみ出ていることが好ましい。ろう材はみ出し部を有することにより、熱応力を緩和することができる。ろう材はみ出し部の長さは、0μm以上100μm以下が好ましい。また、回路用金属板4のろう材はみ出し部は0μm以上10μm以下であることが好ましい。回路用金属板4のろう材はみ出し部を小さくすることにより、モールド樹脂に気泡が形成されるのを抑制することができる。
また、回路金属板4の側面は傾斜形状を有することが好ましい。傾斜形状を有することにより、熱応力を緩和することができる。回路用金属板4は半導体素子などを実装するために用いられる。また、配線やリードフレームを接続したりもする。回路用金属板4は発熱する部材を載せる金属板となる。このため、傾斜形状またはろう材はみ出し部を設けることが好ましい。なお、回路用金属板4が設けられた面は表面となる。樹脂モールドするときは、樹脂を上から注入するため回路用金属板に傾斜形状を設けていても気泡を形成する原因とはならない。
また、必要に応じ、回路用金属板4または放熱用金属板5の表面に金属被膜を設けるものとする。金属被膜としてはニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)から選ばれる1種を主成分とするものが好ましい。
以上のようなセラミックス回路基板は半導体素子を実装した半導体装置に好適である。また、樹脂モールドされた半導体装置であることが好ましい。
図3に、樹脂モールドされた半導体装置の一例を示した。図中、10は半導体装置、11は半導体素子、12実装基板、13はモールド樹脂、である。図3は図2に示したセラミックス回路基板1に半導体素子を実装したものである。
半導体素子は、IGBTチップなどのパワー素子が挙げられる。また、ジャンクション温度が150℃以上、さらには170℃以上のものが好ましい。また、半導体素子はPbフリーはんだで接合することが好ましい。PbフリーはんだとしてはSn-Ag-Cu系のものが挙げられる。
また、必要な箇所に配線を設けるものとする。配線は、ボンディングワイヤ、リードフレームなどが挙げられる。また、必要に応じ、電極を設けるものとする。
また、ボンディングワイヤは直径100~700μmであることが好ましい。実施形態にかかる半導体装置はモールド樹脂のはがれを抑制している。モールド樹脂のはがれが生じると、セラミックス回路基板の割れ等の原因となる。さらに、ボンディングワイヤの断線の原因ともなる。実施形態にかかる半導体装置は、モールド樹脂のはがれを抑制しているためボンディングワイヤの断線を防ぐことができる。言い換えると、ボンディングワイヤを有し、かつ、樹脂モールドした半導体装置に有効である。
また、半導体装置10は実装基板12に接合されている。実装基板12はヒートシンクベースや筐体などである。ヒートシンクベースとしては、Cuベース、AlSiCベースなどが挙げられる。半導体装置10の放熱用金属板5と実装基板12をはんだなどで接合するものとする。
また、モールド樹脂13は、絶縁性を有する有機物である。粘性のある有機物を充填し、
硬化させたものである。有機物としては、熱硬化型樹脂や光硬化型樹脂が挙げられる。このような樹脂としてはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂が挙げられる。また、粘性のある有機物としてはポッティングゲルも挙げられる。
また、モールド工程は、トランスファー方式、コンプレッション方式など様々な方法が適用される。また、ポッティングゲルを使ったモールド方法もある。近年は、量産性の良さから、トランスファー方式が使われている。トランスファーモールドは、プランジャー内で加熱して樹脂を軟化させ、軟化した樹脂を金型内に流し込んで硬化させる方法である。軟化した樹脂を使うので、複雑形状である半導体装置の隙間まで樹脂を充填し易い。また、モールド樹脂の固化を一度に行うため、量産性・生産性に優れている。その一方で、金型内で樹脂を充填していくため、セラミックス基板の裏面側まで隙間無く充填されているかの確認はできずにいた。
例えば、窒化珪素基板の線膨張係数は2~3×10-6/K程度である。また、エポキシ樹脂の線膨張係数は40~70×10-6/K程度である。窒化珪素基板とエポキシ樹脂の線膨張係数は20倍程度違っている。線膨張係数の違いは、樹脂はがれの原因となりやすい。
実施形態にかかるセラミックス回路基板は放熱用金属板の沿面距離Tを小さくしているため、セラミックス基板の裏面側で気泡が形成され難い。また、セラミックス基板の側面の最大高さ粗さRzを制御することにより、モールド樹脂とのアンカー効果も得ている。このため、ジャンクション温度が150℃以上と高い半導体素子を実装しても樹脂はがれを抑制できる。
次に実施形態にかかるセラミックス回路基板の製造方法について説明する。実施形態にかかるセラミックス回路基板は、上記構成を有していればその製造方法については限定されるものではないが歩留り良く得るための方法として次のものが挙げられる。
まず、セラミックス基板を用意する。セラミックス基板は、窒化珪素基板、窒化アルミニウム基板、酸化アルミニウム基板、アルジル基板などが挙げられる。また、セラミックス基板のサイズは、予め目的とする縦横サイズにしたものを用いても良いし、多数個取りするための大型サイズを用いても良い。量産性を向上させるためには大型サイズの基板を用いることが好ましい。また、セラミックス基板は熱伝導率50W/m・K以上かつ3点曲げ強度600Mpa以上の窒化珪素基板が好ましい。このような窒化珪素基板は厚さ0.33mm以下の薄型化ができる。薄い基板であると、後述する接合体の切断工程を行い易くなる。
次に金属板を用意する。金属板は銅板またはアルミニウム板が挙げられる。金属板の厚さは0.1mm以上3mm以下、さらには0.4mm以上2mm以下が好ましい。金属板の厚さが0.1mm未満であると通電容量が稼げない。また、3mmを超えて厚いと接合体の切断工程が難しくなる可能性がある。
また、回路用金属板に使う表金属板はセラミックス基板の縦横サイズと同じであっても良いし、予めパターン形状に加工されたものを用いてもよい。また、放熱用金属板に使う裏金属板はセラミックス基板と縦横サイズと同じであることが好ましい。また、放熱用金属板のサイズは、予め目的とする沿面距離Tとなるものであってもよい。また、多数個取りする場合は、多数個取りする前のセラミックス基板と同じ縦横サイズの金属板を用いることが好ましい。
次にろう材を用意する。ろう材は活性金属ろう材であることが好ましい。金属板が銅板であるとき、活性金属ろう材は、Ag、Cuおよび活性金属を必須成分として含有するものとなる。また、活性金属は、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)から選ばれる1種又は2種以上である。また、必要に応じ、活性金属ろう材には、Sn(錫)またはIn(インジウム)を添加しても良い。また、必要に応じ、活性金属ろう材には、C(炭素)を添加しても良い。炭素を添加することにより、ろう材の流動性を抑制できる。そのため、ろう材層の厚さをより均一にできる。
また、活性金属ろう材において、Agの含有量は40wt%以上80wt%以下、Cuの含有量は15wt%以上45wt%以下、活性金属の含有量は1wt%以上12wt%以下、Sn(またはIn)の含有量は0wt%以上20wt%以下、Cの含有量は0wt%以上2wt%以下であることが好ましい。Ag、Cu、Ti、Sn(またはIn)、およびCの含有量の合計は、100wt%とする。また、活性金属ろう材にSnまたはInを添加する際は、SnまたはInの含有量が5wt%以上であることが好ましい。SnとInの両方を添加する場合はその合計の含有量が5~20wt%の範囲内であることが好ましい。また、活性金属ろう材に炭素を添加するときは、炭素の含有量が0.1wt%以上2wt%以下であることが好ましい。
金属板がAl板であるとき、活性金属ろう材はAl(アルミニウム)を主成分として含むことが好ましい。また、Alろう材に、Si(珪素)またはMg(マグネシウム)から選ばれる少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。SiまたはMgは0.01wt%以上20wt%以下、残部Alの範囲が好ましい。
活性金属ろう材の成分を混合し、ペーストにする。活性金属ろう材ペーストをセラミックス基板上に塗布する。ろう材層の厚さは10μm以上60μm以下となるように活性金属ろう材ペーストを塗布するものとする。
塗布した活性金属ろう材層上に、金属板を配置する。その後、加熱接合工程を行う。加熱温度は例えば600~900℃の範囲であることが好ましい。また、真空中(1×10-3Pa以下)で行うことが好ましい。この工程により、セラミックス基板と金属板を接合した接合体が作製される。
次に、回路用金属板(表金属板)を目的とするパターン形状に加工する工程を行うものとする。パターン形状への加工はエッチング加工が好ましい。エッチング加工であれば、金属板側面の傾斜形状やろう材はみ出し部の調整を行い易い。また、予めパターン形状に加工した表金属板を接合してもよいものとする。
次に、放熱用金属板の沿面距離Tを調整する工程を行うものとする。大型基板を用いている場合、接合体を切断加工することが有効である。切断加工は、切断刃やレーザを使って行うものが挙げられる。また、切断刃はダイサーのブレードが挙げられる。接合体を切断することにより、放熱用金属板の沿面距離Tが0mmのものを多数個取りできる。
また、セラミックス基板にスクライブ加工を施さずに接合体を切断することが好ましい。この方法により、セラミックス基板側面の最大高さ粗さRzを|Rz1-Rz2|≦10μmにすることができる。
従来、接合体を分割するときは、セラミックス基板にスクライブ加工を施していた。スクライブ加工は、基板の半分くらいにスクライブ痕を設けるハーフスクライブ方式やドットスクライブ方式が使われている。このような方式であると、セラミックス基板側面の|Rz1-Rz2|が10μmを大きな値となってしまう。
例えば、セラミックス基板の側面を研磨して|Rz1-Rz2|≦10μmにする方法もある。しかしながら、接合体の側面を研磨すると、セラミックス基板よりも金属板の方が柔らかいことから、金属板の方が多く削除されてしまう。このため、沿面距離Tが-0.1mm以下になってしまう可能性がある。言い換えると、スクライブ加工する方式では、沿面距離Tを-0.1mmを越えて+0.05mm以下のセラミックス回路基板を多数個取りすることは難しいのである。
なお、予め目的とするサイズのセラミックス基板2を用意する場合は、セラミックス基板側面を研磨してスクライブ痕を削除する方法を適用しても良いものとする。この場合、セラミックス基板側面を研磨する工程が増える分、コストアップとなる。
以上の工程により、実施形態にかかるセラミックス回路基板を製造することができる。
セラミックス回路基板に半導体素子を実装して、半導体装置を製造することができる。半導体素子は、回路用金属板4に実装される。また、半導体素子をPbフリーはんだを使って実装することが好ましい。また、半導体素子は、複数個設けてもよいものとする。
また、配線を設ける工程を行う。配線はボンディングワイヤ、リードフレームなどが挙げられる。また、必要に応じ、電極を設けるものとする。
次に、樹脂モールド工程を行う。また、モールド工程は、トランスファー方式、コンプレッション方式など様々な方法が適用される。また、ポッティングゲルを使ったモールド方法もある。放熱用金属板5表面が樹脂で覆われないように樹脂モールド工程を行うものとする。また、モールド樹脂から配線がでるようにモールド工程を行うものとする。
近年は、量産性の良さから、トランスファー方式が使われている。トランスファーモールドは、プランジャー内で加熱して樹脂を軟化させ、軟化した樹脂を金型内に流し込んで硬化させる方法である。軟化した樹脂を使うので、複雑形状である半導体装置の隙間まで樹脂を充填し易い。また、モールド樹脂の固化を一度に行うため、量産性・生産性に優れている。
また、コンプレッション方式は、金型に直接、樹脂を注入し、溶融した後に半導体装置を浸し入れて樹脂成形する樹脂封止方法である。金型に必要な分だけ樹脂を注入するため、樹脂の使用効率は高い。また、樹脂の流動性を抑制しているため、ボンディングワイヤの断線を抑制できる。
また、ポッティング方式は、樹脂を垂らしてモールドする方式である。モールドしたい箇所に樹脂を垂らすことができるので、部分的なモールド構造を形成したいときに有効である。その一方で、量産性は低い。
実施形態にかかるセラミックス回路基板は、放熱用金属板の沿面距離Tを0mm以上0.1mm未満と小さくしてあるので、セラミックス基板裏側の樹脂モールドの気泡形成を抑制できる。このため、樹脂モールドした半導体装置が熱応力による樹脂はがれを抑制できる。
次に、実装基板12と放熱用金属板5を接合する。接合工程は、はんだ、ろう付け、接着剤などを用いることができる。
なお、モールド工程を行った後に実装基板12に半導体装置を接合したものを例示したが、実装基板12に接合した後、モールド工程を行っても良いものとする。
(実施例)
(実施例1~12、比較例1~4)
セラミックス基板として表1に示したものを用いた。また、縦横サイズは170mm×150mmに統一した。
Figure 0007179550000001
また、金属板として銅板またはAl板を用意した。金属板とセラミックス基板の接合は活性金属ろう材を用いて接合した。
銅板とセラミックス基板の接合は、Ag(60wt%)-Cu(27wt%)-Sn(10wt%)-Ti(3wt%)からなる活性金属ろう材を用いた。ろう材層厚さを30μmにして、真空中(1×10-3Pa以下)、830℃で加熱接合した。
また、Al板とセラミックス基板の接合は、Al(99wt%)-Si(1wt%)からなる活性金属ろう材を用いた。ろう材層厚さを30μmにして、真空中(1×10-3Pa以下)、630℃で加熱接合した。
この工程により接合体を作製した。また、放熱用金属板の縦横サイズはセラミックス基板と同じものを用いた。回路用金属板は予めパターン形状に加工したものを用いた。回路用金属板の側面は傾斜形状とし、ろう材はみ出し部の長さは表2に示した値とした。
次に、接合体を縦50mm×横30mmに切断分割加工した。また、必要に応じ、放熱用金属板の側面をエッチング加工して、沿面距離Tを調整した。この工程により、実施例にかかるセラミックス回路基板を製造した。
比較例として、比較例1および比較例4はセラミックス基板にハーフスクライブ加工して分割加工を施した。また、比較例1~4は裏金属板をエッチング加工して沿面距離Tをー0.2mmまたはー0.3mmにしたものを用意した。
また、実施例1~8および比較例1~4はレーザにより切断加工した。また、実施例9~12はダイサーにより切断加工したものである。
以上の工程により、実施例および比較例にかかるセラミックス回路基板を用意した。沿面距離Tおよび放熱用金属板のろう材はみ出し部長さは工具顕微鏡で20倍に拡大して確認した。また、Rz1およびRz2はセラミックス基板側面を横方向に沿って測定した。各側面を測定し、その中で最も大きな値を示した。また、RzはJIS-B-0601に準じて測定した。
その結果を表2に示す。
Figure 0007179550000002
実施例1、3~6、8~9、11~12は放熱用金属板側面のRzは1~10μmの範囲内であった。一方、実施例2、7、10および比較例1~4の放熱用金属板側面のRzは0.1μm以下であった。これは金属板の側面をエッチング加工したためである。
実施例および比較例にかかるセラミックス回路基板に対し、半導体素子を実装した。半導体素子の実装は、Sn-Ag-Cu系Pbフリーはんだを使って接合した。また、直径400μmのAl線を使ってボンディングワイヤを行った。また、リードフレームを2本接合した。
次に、樹脂モールド工程を行った。実施例1~6、実施例9~12および比較例1~4はトランスファーモールドにより樹脂モールドを行った。実施例7はポッティング方式により樹脂モールド工程を行った。また、実施例8はコンプレッション方式により樹脂モールド工程を行った。いずれも、リードフレームの端部がモールド樹脂から出るような形状とした。また、放熱用金属板の裏面はモールド樹脂で覆わなかった。
次に、放熱用金属板を実装基板(ヒートシンクベース)に接合した。この工程により、樹脂モールドを有する半導体装置を作製した。
得られた半導体装置のモールド樹脂中の気泡(ボイド)の有無を調べた。また、樹脂モールドを有する半導体装置のTCT特性を調べた。
気泡の有無はX線CTにより測定した。放熱用金属板側面の周囲および回路用金属板の側面の周囲に気泡が確認できるか否かで判断した。
また、TCT試験は、-40℃×30分→室温(25℃)×10分→175℃×30分→室温(25℃)×10分を1サイクルとし、1000サイクル行った。TCT試験前と試験後の耐電圧を測定した。耐電圧の測定は、表裏の金属板間の耐電圧(1分間保持で絶縁破壊が起きる電圧)を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0007179550000003
表から分かる通り、実施例にかかる半導体装置は耐電圧の低下が小さかった。これは、モールド樹脂に気泡の形成が抑制されているためである。また、セラミックス基板側面の最大高さ粗さRzを制御しているため、樹脂とのアンカー効果が向上しているためである。
なお、気泡の有無は、X線CT画像により、気泡が確認されなかったもの(検出限界以下)を気泡「なし」で示した。また、X線CT画像で小さな気泡の影が映ったものを「ややあり」とした。はっきり気泡が確認できたものを「あり」と表示した。
それに対し、比較例は沿面距離Tが-0.1mm以下と大きいため、裏金属板側に気泡が形成されていた。加えて|Rz1-Rz2|も大きいため、TCTにより樹脂剥がれを誘発し、耐電圧が低下した。また、ろう材はみ出し部が10μmを超えて大きいと、モールド樹脂に気泡が形成され易かった。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1…セラミックス回路基板
2…セラミックス基板
3…セラミックス基板側面
3A…セラミックス基板側面の中心から回路用金属板側の側面領域
3B…セラミックス基板側面の中心から放熱用金属板側の側面領域
4…回路用金属板
5…放熱用金属板
6…ろう材層(回路用金属板側ろう材層)
7…ろう材層(放熱用金属板側ろう材層)
T…放熱用金属板の沿面距離
10…半導体装置
11…半導体素子
12…実装基板
13…モールド樹脂

Claims (11)


  1. セラミックス基板の一方の面に回路用金属板、もう一方の面に放熱用金属板を接合したセラミックス回路基板において、 放熱用金属板の沿面距離の90%以上が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内であり、 セラミックス基板側面の中心から回路用金属板側の最大高さ粗さRzをRz1、セラミ ックス基板側面の中心から放熱用金属板側の最大高さ粗さRzをRz2としたとき、|Rz1-Rz2|≦10μmであり、前記側面は切断分割加工によってえられたことを特徴とするセラミックス回路基板。
  2. 放熱用金属板の沿面距離の100%が-0.1mmを越えて+0.05mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板。
  3. 放熱用金属板の沿面距離の100%が-0.07mm以上0mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のセラミックス回路基板。
  4. 放熱用金属板の沿面距離が0mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  5. Rz1およびRz2は0.3μm以上20μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  6. 回路用金属板および放熱用金属板の厚さが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  7. セラミックス基板と回路用金属板および放熱用金属板はろう材層を介して接合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  8. 放熱用金属板の側面の最大高さ粗さRzは0.3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  9. セラミックス基板が、熱伝導率50W/m・K以上、3点曲げ強度600MPa以上の窒化珪素基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のセラミックス回路基板に半導体素子を実装したことを特徴とする半導体装置。
  11. 樹脂モールドされていることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
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