JP7178106B2 - 防カビシートの製造方法及び包装材 - Google Patents

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Description

本発明は、カビの発生を抑制することができる防カビシートの製造方法及び包装材に関する。
近年、日本国内で流通する、生活必需品、家具、又は洋服、靴、小物などの服飾品は、海外で生産されるものが多くあり、海外で生産された後に日本に輸入される。当該服飾品は、例えば東南アジア諸国から輸入されるものも多いが、そのような地域の気候は高温多湿の傾向にあるため保管上の問題がある。すなわち、東南アジア諸国から服飾品の国内への輸入は海上輸送されることがほとんどであり、輸送には1ヶ月程度の期間を要し、その間、服飾品はコンテナ内に保管されることとなる。そして、コンテナ内の高温多湿の環境に起因し、服飾品にカビが発生することがあり、商品としての価値が損なわれるといった問題があった。
上記のような服飾品などは、通常、フィルムシートが被せられたり、ビニール袋に入れられたりするが、フィルムシートやビニール袋などは汚れ防止や、品質保持が目的であり、カビを防止する効果はほとんどない。そこで、フィルムシートなどに防カビ効果を付与することにより、服飾品のカビ防止を図ることが考えられる。例えば、特許文献1には、防カビ剤、バインダー樹脂及び油脂成分を含む防カビ層を含む防カビシートが開示されている。
特開2015-193606号公報
特許文献1に記載の防カビシートは、基材シート上に、防カビ剤、バインダー樹脂及び油脂成分を含む防カビ層を形成したものであり、防カビ層を形成するための組成物の調製から基材シートへの塗工、乾燥までの工程を要する。また、基材シートの一部又は全面に防カビ層を設けるものであり、材料コスト及び製造コストの点において不利である。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、カビの発生を抑制することができる包装材、及びその包装材に用いる防カビシートを低コストで簡単に製造することができる製造方法を提供することにある。
前記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)防カビ剤を含む印刷インキと、基材シートとを準備する工程Aと、
印刷インキを用い、前記基材シートに文字、図形及び模様のうちの少なくとも1種を凹版印刷により印刷する工程Bと、
を含む、防カビシートの製造方法。
(2)印刷インキが、水性インキの場合には前記防カビ剤を1~5質量%含み、溶剤インキの場合には防カビ剤を5~8質量%含む、前記(1)に記載の防カビシートの製造方法。
(3)凹版印刷に用いる凹版の、文字、図形及び模様に対応する印刷インキを保持する凹部の深さ(版深)が15~25μmである、前記(1)又は(2)に記載の防カビシートの製造方法。
(4)工程Bにおいて、印刷インキによる印刷領域の総面積が、基材シート全体の面積の50~100%となるように印刷する、前記(1)~(3)のいずれかに記載の防カビシートの製造方法。
(5)防カビ剤を含む印刷インキにより、文字、図形及び模様のうちの少なくとも1種が基材シートの表面に印刷されている防カビシートを含む包装材。
(6)印刷インキによる印刷領域の総面積が、基材シート全体の面積の50~100%である、前記(5)に記載の包装材。
(7)防カビシートが袋状に形成されている、前記(5)又は(6)に記載の包装材。
(8)袋状に形成された防カビシートの内側面に印刷インキによる印刷領域を有し、該印刷領域の総面積が、防カビシートの内側面全体の面積の50~70%である、前記(7)に記載の包装材。
本発明によれば、カビの発生を抑制することができる包装材、及びその包装材に用いる防カビシートを低コストで簡単に製造することができる製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態の包装袋の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、実施例2(a)及び比較例2(b)の評価試験結果を示す図面代用写真である。
<防カビシートの製造方法>
本実施形態の防カビシートの製造方法は、防カビ剤を含むインキと、基材シートとを準備する工程Aと、前記印刷インキを用い、基材シートに文字、図形及び模様のうちの少なくとも1種を凹版印刷により印刷する工程Bと、を含むことを特徴としている。
以下に、各工程について説明する。
[工程A]
工程Aは、防カビ剤を含む印刷インキと、基材シートとを準備する工程である。
(印刷インキ)
印刷インキは、凹版印刷に用いられるインキ(グラビアインキ)に少なくとも防カビ剤を添加したものである。印刷インキは、溶剤インキであってもよいし、水性インキであってもよい。印刷インキは、例えば、凹版印刷又はグラビア印刷用のインキとして市販されているものに対して防カビ剤を添加して得たものを使用することができる。市販の印刷インキとして、溶剤インキとしては、「YS-10インキ」(大阪印刷インキ製造(株)と山進社印刷(株)との共同開発品)、他メーカーの白インク、などが挙げられる。水性インキとしては、「YSインキ」(上記と同じ共同開発品)などが挙げられる。
本実施形態の製造方法においては、印刷インキを用いて文字、図形及び模様のうちの少なくとも1種の形態を印刷するのであり、その観点からは、印刷インキは視認可能な色であることが好ましいが、防カビ効果のみが目的の場合には透明でも構わない。
印刷インキに酸化チタンや酸化タングステン(WO)を添加すると、消臭、防臭、抗菌、殺菌など、光触媒としての機能を付与することができる。白色のグラビアインキの場合、白色顔料として酸化チタンを含むものが多いが、光触媒として酸化チタンを添加する場合には、白色顔料として用いる場合よりも多量(30質量%以上)が必要となる。
その他、印刷インキには、本発明の効果を阻害しない限り、希釈溶剤、インキ助剤など各種添加剤などが含まれてもよい。
防カビ剤としては、印刷インキに添加し得るものであれば特に限定はなく、無機抗菌剤、有機抗菌剤、有機無機混合抗菌剤などを用いることができ、それぞれ、市販されているものを用いることができる。一例としては、山進社印刷(株)製、SAN-N-DS、(株)ジャパンナノコート製、防カビ剤 光触媒剤AS-VT-W10などが挙げられる。
印刷インキ中の防カビ剤の含有量は、防カビ効果を十分に発揮する観点から、水性インキの場合は1~5質量%が好ましく、溶剤インキの場合は5~8質量%が好ましい。
防カビ剤を含む印刷インキの調製は以下のようにして行うことができる。すなわち、防カビ剤が印刷インキに溶解する場合は、印刷インキの温度を適宜調節しつつ、当該印刷インキに防カビ剤を添加して攪拌して溶解すればよい。同様に、防カビ剤が印刷インキに不溶の場合は、印刷インキの温度を適宜調節しつつ、当該印刷インキに防カビ剤を添加して、必要に応じて分散機を用いた分散処理を行えばよい。
(基材シート)
基材シートしては、吸湿性が低い樹脂製のシートが好ましい。当該樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン-6、ナイロン-66などのポリアミド系樹脂、などが挙げられる。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」と呼ぶ。)及び高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」と呼ぶ。)のいずれも用いることができる。そして、水性インキを用いる場合、十分な防カビ効果を得るためにはLDPEの基材シートを用いることが好ましい。一方、溶剤インキを用いる場合においては、LDPEの基材シート及びHDPEの基材シートのいずれも十分に防カビ効果が得られる。
また、ポリプロピレンとしては、無延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が挙げられる。
基材シートの色については特に限定はない。印刷インキを用いて印刷された文字、図形、模様を目立たせるためには、基材シートの色と印刷インキの色とが補色の関係となるようにするなど、それぞれの組合せを適宜設定することが好ましい。
基材シートの大きさについても特に限定はなく、被包装物の大きさ又は用途に応じて適宜設定することができる。
印刷インキにも基材シートにも、有機物の汚れや所定の添加物などを含むと、それらがカビの栄養源となり得るため、防カビ効果が低減することが危惧される。従って、そのような汚れ及び添加物は含まないことが好ましい。当該添加物としては、カビの栄養源となるもの全般が挙げられるが、例えば、澱粉、糖類、タンパク質などが挙げられる。
[工程B]
工程Bは、印刷インキを用い、基材シートに文字、図形及び模様のうちの少なくとも1種を凹版印刷により印刷する工程である。
工程Bにおいては、基材シートに対する印刷手法として特に凹版印刷(グラビア印刷)を採用している。凹版印刷に用いる凹版は、印刷インキを保持するための一定の深さの凹部を有し、その凹部に十分な量の印刷インキが保持される。その結果、凹版印刷により基材シートには十分な量の印刷インキが印刷され、ひいては基材シートの表面に十分な量の防カビ剤が付与され、十分な防カビ効果を発揮することができる。また、基材シートに付与される防カビ剤の量は、凹版における、文字、図形及び模様に対応する凹部の深さ(版深)又はその面積に応じて調整可能である。
なお、凹版印刷は公知であり、前記印刷インキを用いての基材シートへの凹版印刷は定法に従って行うことができる。
凹版印刷に用いる凹版においては、文字、図形及び模様に対応する印刷インキを保持する凹部の深さが15~25μmであることが好ましい。当該凹部の深さが15~25μmであることにより、防カビ効果を発揮しうる適量の印刷インキが基材シートに印刷される。凹版の凹部はシリンダ彫刻又はレーザー彫刻を用いて形成することができる。
印刷する文字、図形及び模様は、所望により適宜設定することができる。文字としては、例えば、商品名や防カビ効果を有する旨の表示などが挙げられる。また、図形及び模様としては、縞模様 市松模様 千鳥格子などが挙げられる。さらに、文字、図形及び模様は、それらのうちの複数を組み合わせることもできる。なお、印刷する図形にはベタ(ベタ印刷)をも含む。つまり、基材シート全面を印刷領域としてもよい。
また、文字、図形及び模様は、それら自体が印刷インキにより形成されてもよいし、文字、図形及び模様が抜き部として形成されるベタ印刷としてもよい。
工程Bにおいて、印刷インキによる印刷領域の総面積が、基材シート全体の面積の50~100%となるように印刷することが好ましい。そのように印刷することにより、防カビシートに十分な防カビ効果を付与することができる。100%未満の場合には、ベタで塗工する場合と比較して印刷インキを節約することができる。
工程Bにおいて、基材シートへの印刷は片面のみでよいが、必要に応じて両面に印刷することができる。
本実施形態の防カビシートは、以下の示すように包装材として使用する他、シートそのままの状態、折りたたんだ状態、又は乱雑に丸めた状態で用いることができる。そのような状態の防カビシートを、防カビ対象物(服飾品など)と接触又は近接させた状態とすることによりカビの発生を抑制することができる。
<包装材>
本実施形態の包装材は、防カビ剤を含む印刷インキにより、文字、図形及び模様のうちの少なくとも1種が基材シートの表面に印刷されている防カビシートを含むことを特徴とする。
本実施形態の包装材における防カビシートは、上述の本実施形態の防カビシートの製造方法により製造される防カビシートと同等である。従って、上述の本実施形態の防カビシートの製造方法で説明した内容が本実施形態の包装材における防カビシートの内容としてそのまま妥当する。以下、当該防カビシートを含む本実施形態の包装材について説明する。
本実施形態の包装材の形状としては、シート状、袋状などが挙げられる。シート状の包装材は、例えば、防カビシートをそのまま、防カビ対象物の外周を幾重にも巻き付けるといった形態で使用することができる。また、袋状の包装材は、防カビシートを袋状に形成(加工)することで得られる。防カビシートを袋状に加工する手段としては、ビニールシートなどを袋状に加工する公知の手段を適用することができる。
本実施形態の包装材において、十分な防カビ効果を発揮するという観点から、印刷インキによる印刷領域の総面積が、基材シート全体の面積の50~100%であることが好ましい。
袋状の包装材においては、内容物に対するカビを防止する観点から、印刷インキによる印刷領域は内側面に設けることが好ましい。つまり、袋状の包装材を作製するに際し、印刷後の基材シートを、印刷領域を内側にした状態で袋状に加工することが好ましい。そして、その場合、当該印刷領域の総面積は、防カビ効果を十分に発揮しつつ、印刷インキを節約する観点から、内側面全体の面積の50~70%とすることが好ましい。
図1にその一例を示す。図1に示す袋状の包装材10は、袋状に加工された防カビシート12の内側に印刷領域14が形成されてなり、印刷領域14の総面積は包装材10の内側面全体の70%である。つまり、包装材10の内側の一方の面は全面が印刷領域であり、他方の面はその40%の面積が印刷領域であり、包装材10の内側面全体の70%の面積が印刷領域をなす。
なお、袋状の包装材においては、OPPフィルム又はCPPフィルムを用い、溶断シールにより熱融着を行い、ヘッダー付きのものにテープを貼付できるように加工してもよい。
本実施形態の包装材において、基材シートの透明度が高い場合には、文字、図形及び模様などが鏡像となるように印刷してもよい。この場合、基材シートを、印刷面の反対側から透かすことにより正像を視認することができる。例えば、本実施形態の包装材が袋状の場合、その内容物に対して防カビ効果を発揮するには、内側面に印刷領域を設けることを要する。その場合、鏡像印刷することにより、外側から文字などを正像として視認することができるようになる。
本実施形態の包装材の対象となる被包装物としては特に限定はないが、例えば、上述したように生活必需品、家具、電化製品、あるいは洋服、靴、小物などの服飾品などが挙げられる。
以下、実施例により本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
まず、水性インキ(大阪印刷インキ製造(株)製、YSインキ(大阪印刷インキ製造(株)と山進社印刷(株)との共同開発品)1000gに対して、防カビ剤(山進社印刷(株)製 SAN-N-DS(有機抗菌剤))を30g添加し、防カビ剤を2.9質量%含む印刷インキを調製した。また、基材シートとして、1000cm×3000mのポリエチレンフィルム(HDPE)を準備した。
次いで、グラビア印刷機に上記印刷インキをセットし、上記基材シートに対して、一部を抜き文字(「防カビ MADE IN JAPAN」)とした全面ベタ印刷をした。なお、グラビア印刷機にセッティングした版胴(凹版)の凹部の深さ(版深)は18μmであった。以上のようにして防カビシートを作製した。なお、印刷インキによる印刷領域の総面積は、基材シート全体の面積の98%であった。
[比較例1]
実施例1で用いた基材シートに対して印刷インキによる印刷を行わず、そのままの状態で以下の評価試験を行った。
(評価)
実施例1で得られた防カビシート、及び比較例1の基材シートを用いて以下のカビ抵抗性試験を行った。
まず、下記表1に示す無機塩寒天培地成分をシャーレ内において121℃で20分の加熱処理を施し、0.01%の水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6.0~6.5に調整した。その後、以下の培養条件で評価を行った。
<培養条件>
培養器:温度・湿度サーモスタット付きサーキュレーター
温度:28~30℃
湿度:85%RH以上
培養期間:28日間
Figure 0007178106000001
ビニール袋内に包容されたワイシャツを用意し、そのビニール袋内に防カビシート(比較例1は基材シート)と、上記のように無機塩寒天培地を生成したシャーレを投入した。次いで、上記培養条件の下、28日間、シャーレ内のカビの発生について観察を行った。そして、培養日数が7日間、14日間、21日間、及び28日間の場合において、シャーレ内の培地全体に対するカビが発育した面積の比率を算出した。算出面積に基づき、全く菌が発生してない場合を「0」、発育面積の比率が10%未満の場合を「1」、10%以上30%未満の場合を「2」、30%以上60%未満の場合を「3」、60%以上の場合を「4」として評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0007178106000002
表2より、実施例1においては、28日間経過後もカビの発生が認められなかったことが分かる。これに対して、比較例1においては、経時的にカビが増加していることが分かる。
[実施例2、比較例2]
まず、水性インキ(YSインキ(大阪印刷インキ製造(株)と山進社印刷(株)との共同開発品))1000gに対して、防カビ剤(山進社印刷(株)製、SAN-N-DS(有機抗菌剤))を30g添加し、防カビ剤を2.9質量%含む印刷インキを調製した。また、基材シートとして、50mm×50mm×0.02mm(厚さ)のポリエチレンフィルム(LDPE)を準備した。
次いで、グラビア印刷機に上記印刷インキをセットし、上記基材シートに対して、一部を抜き文字(「防カビ MADE IN JAPAN」)とした全面ベタ印刷をした。なお、グラビア印刷機にセッティングした版胴(凹版)の凹部の深さは20μmであった。以上のようにして防カビシートを作製した。なお、印刷インキによる印刷領域の総面積は、基材シート全体の面積の98%であった。
「JIS Z 2911:2010かび抵抗性試験方法 附属書A(規定)プラスチック製品の試験」の方法Aに準じて評価試験を行った。ただし、防カビシート(シート)の清浄化は行わず、試験はかび接種区分のみで行った。4週間後の状態を撮影した写真を図2(a)に示す。
[比較例2]
印刷インキによる印刷を行わず、実施例2で示した基材シートをそのまま用い、実施例2と同じ評価試験に供した。4週間後の状態を撮影した写真を図2(b)に示す。
図2(a)、(b)より、実施例2においては、目視できるカビの発生が認められなかったのに対し、比較例2は斑点状にカビが発生していることが分かる。
[実施例3]
まず、水性インキ(YSインキ(大阪印刷インキ製造(株)と山進社印刷(株)との共同開発品))1000gに対して、防カビ剤(山進社印刷(株)製、SAN-N-DS(有機抗菌剤))を30g添加し、防カビ剤を2.9質量%含む印刷インキを調製した。また、基材シートとして、100mm×100mm×0.03mm(厚さ)のポリエチレンフィルム(LDPE)を準備した。
次いで、グラビア印刷機に上記印刷インキをセットし、上記基材シートに対して、実施例1と同様にして印刷をした。ただし、グラビア印刷機にセッティングした版胴(凹版)は、凹部の深さ(版深)が20μmのものを用いた。以上のようにして防カビシートを作製した。なお、印刷インキによる印刷領域の総面積は、基材シート全体の面積の98%であった。
[実施例4]
まず、溶剤インキ(YS-10インキ(大阪印刷インキ製造(株)と山進社印刷(株)との共同開発品))1000gに対して、防カビ剤(山進社印刷(株)製、SAN-FHO(有機抗菌剤))を80g添加し、防カビ剤を7.4質量%含む印刷インキを調製した。また、基材シートとして、100mm×100mm×0.03mm(厚さ)のポリエチレンフィルム(LDPE)を準備した。
次いで、上記基材シートに対し、上記溶剤インキを用い、実施例3と同様にして印刷を行った。
[実施例5]
まず、溶剤インキ(YS-10インキ(大阪印刷インキ製造(株)と山進社印刷(株)との共同開発品))1000gに対して、防カビ剤(山進社印刷(株)製、SAN-FHO(有機抗菌剤))を80g添加し、防カビ剤を7.4質量%含む印刷インキを調製した。また、基材シートとして、100mm×100mm×0.03mm(厚さ)のポリエチレンフィルム(HDPE)を準備した。
次いで、上記基材シートに対し、上記溶剤インキを用い、実施例3と同様にして印刷を行った。
[比較例3]
実施例1で用いた基材シートに対して印刷インキによる印刷を行わず、そのままの状態で以下の評価試験を行った。
(評価)
実施例3~5で得られた防カビシート、及び比較例3の基材シートを用いて以下のカビ抵抗性試験を行った。
30mm×30mm×0.7mm(厚さ)の綿布片を準備し、この綿布片に、 「JIS Z 2911:2018かび抵抗性試験方法 附属書A(規定)プラスチック製品の試験」の方法Aに規定される混合胞子懸濁液を噴霧した。次いで、その布片を一晩風乾することで水分を蒸発させた後、上記防カビシート(比較例3は基材シート)で包み込み、50mm×50mm×3mm(厚さ)のガラス板上に載置した。そして、上記方法Aに規定される条件下で4週間培養した。ただし、無機塩寒天培地は用いなかった。培養後、布片を取り出し、布片の表面についてカビの発育割合を評価した。具体的には、以下の評価基準に従い評価した。
(評価基準)
0:肉眼及び顕微鏡下でカビの生育は認められない。
1:肉眼でカビの発育が認められないが、顕微鏡下では明らかに確認できる。
2:肉眼でカビの発育が認められ、発育部分は試料(基材シート)の全面積の25%未満である。
3:肉眼でカビの発育が認められ、発育部分は試料(基材シート)の全面積の25%以上50%未満である。
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料(基材シート)の全面積の50%以上である。
5:菌糸の発育は激しく、試料(基材シート)全体を覆っている。
評価結果を表3に示す。
Figure 0007178106000003
表3より、実施例3~5においては、肉眼でも顕微鏡下でもカビの生育が認められなかったのに対して、比較例3においては、カビの菌糸が肉眼で観察できるほどよく発育し、発育部分の面積が基材シート全面積の50%以上に及んだ。
以上の結果から、本実施形態の防カビシートのよりカビの発生が抑制されることが示された。従って、当該防カビシートを用いて作製される包装材も同等のカビ抑制効果を発揮すると考えられる。
10 包装袋
12 防カビシート
14 印刷領域

Claims (2)

  1. 防カビ剤を含む印刷インキとして、前記防カビ剤を1~5質量%含む水性インキ又は前記防カビ剤を5~8質量%含む溶剤インキと、基材シートとして低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンの基材シートとを準備する工程Aと、
    前記印刷インキを用い、前記基材シートに縞模様、市松模様又は千鳥格子を凹版印刷により印刷する工程Bと、を含み、
    前記印刷インキが水性インキの場合、基材シートとして低密度ポリエチレンの基材シートを選択し、
    前記印刷インキが溶剤インキの場合、低密度ポリエチレンの基材シート又は高密度ポリエチレンの基材シートを選択し、
    前記凹版印刷に用いる凹版の、縞模様、市松模様又は千鳥格子に対応する印刷インキを保持する凹部の深さ(版深)が15~25μmである、防カビシートの製造方法。
  2. 前記工程Bにおいて、前記印刷インキによる印刷領域の総面積が、前記基材シート全体の面積の50%以上100%未満となるように印刷する、請求項1に記載の防カビシートの製造方法。
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