JP5920958B1 - 紙用塗料、ヒートシール性を有する紙製品、紙製包装容器、及び、紙製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートシール部における優れた抗菌性、及びヒートシール後のポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートに対して優れた接着強度を得ることができるヒートシール用紙作製用塗料、ヒートシール用紙製品、ヒートシール用紙製包装容器、及びヒートシール用紙製品の製造方法を提供する。【解決手段】ヒートシール用紙作製用塗料は、抗菌剤と、酢酸ビニル系樹脂と、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂とを含有し、紙の表面に塗布されるものである。ヒートシール用紙作製用塗料は、流動パラフィンと、ショ糖脂肪酸エステルとをさらに含有することが好ましい。また、ヒートシール用紙製品は、上記塗料の硬化膜が紙の表面に形成されたものである。【選択図】なし
Description
本発明は、紙用塗料、ヒートシール性を有する紙製品、紙製包装容器、及び、紙製品の製造方法に関する。
ヒートシール用紙製品は、紙表面の両端をヒートシールすることで容易に袋を形成できる。そのため、例えば、ファーストフード店やコンビニエンスストア等の店頭において食品を包装する際の袋として従来より使用されている。このような袋として用いられるヒートシール用紙製品には、ヒートシール性以外にも、様々な機能を有するものが使用されている。
例えば、特許文献1には、酢酸ビニル等の樹脂から形成されたヒートシール部を有するヒートシール用紙製品が開示されており、該文献に記載されたヒートシール用紙製品が、耐水性・耐油性、通気性等において優れるものであることが記載されている。
しかしながら、ヒートシール用紙製品には、抗菌性も求められるところ、特許文献1に記載されたヒートシール用紙製品は、ヒートシールする部分(以下、本明細書において「ヒートシール部」ということがある。)に抗菌処理がされているものではないため、抗菌性を有しない。
他方、紙表面のヒートシール部に抗菌処理を施そうとしても、抗菌剤をその表面に維持することが困難であるため、ヒートシール部において十分な抗菌性を獲得しつつ、ヒートシール性も兼ね備えるのは、難しいという問題がある。
また、例えば、紙製品のヒートシール部を、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等の透明性を有する樹脂とヒートシールさせて容器を形成することで、容器の中身が外側から視認可能となる。そのため、紙製品のヒートシール部が、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等の樹脂とヒートシール可能であれば、容器の中身(例えば、惣菜袋に入れられるような食品等)を視認させたい場合に有用である。このように、ヒートシール用紙製品には、紙製品が備えるヒートシール部同士をヒートシールさせるのみでなく、紙製品のヒートシール部を、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートにヒートシールすることが求められることもある。
しかしながら、特許文献1に記載されたような酢酸ビニルにより形成されたヒートシール部を備える紙製品は、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートにヒートシールさせても、十分な接着強度が得ることができない。
したがって、ヒートシール部において十分な抗菌性を得つつ、ヒートシール性も兼ね備え、特に、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートにヒートシールさせても、十分な接着強度が得ることができるヒートシール用紙製品が必要である。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、ヒートシール部における優れた抗菌性、及びヒートシール後のポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートに対して優れた接着強度を得ることができるヒートシール用紙作製用塗料、ヒートシール用紙製品、ヒートシール用紙製包装容器、及びヒートシール用紙製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ヒートシール用紙作製用塗料において、酢酸ビニル樹脂と所定の熱可塑性樹脂を配合することで、抗菌性と併せて、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに対しても十分な接着強度が両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 抗菌剤と、
酢酸ビニル系樹脂と、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂と、
を含有し、紙の表面に塗布されるヒートシール用紙作製用塗料。
酢酸ビニル系樹脂と、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂と、
を含有し、紙の表面に塗布されるヒートシール用紙作製用塗料。
(2) 流動パラフィンと、ショ糖脂肪酸エステルと、をさらに含有する、(1)に記載のヒートシール用紙作製用塗料。
(3) 前記酢酸ビニル系樹脂の含有量が、前記塗料の全質量に対して1.0質量%以上10質量%以下である、(2)に記載のヒートシール用紙作製用塗料。
(4) 前記抗菌剤が、銀ゼオライトである、(1)から(3)のいずれかに記載のヒートシール用紙作製用塗料。
(5) 以下の一般式(1)で示される化合物を含む分散剤をさらに含有する(4)に記載のヒートシール用紙作製用塗料。
(6) 23℃における粘度が、70cP以上である、(1)から(5)のいずれかに記載のヒートシール用紙作製用塗料。
(7) 請求項1から6のいずれかに記載のヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜が紙の表面に形成されたヒートシール用紙製品。
(8) JIS H8690附則書1「走査型電子顕微鏡による厚さ試験方法」に準じて測定した前記硬化膜の平均膜厚が1μm以上6μm以下である、(7)に記載のヒートシール用紙製品。
(9) ポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂に対するヒートシールに用いられる(7)又は(8)に記載のヒートシール用紙製品。
(10) 低融点ポリエチレン系樹脂に対するヒートシールに用いられる(7)又は(8)に記載のヒートシール用紙製品。
(11) (7)から(10)のいずれかに記載の紙製品で形成されたヒートシール用紙製包装容器。
(12) 前記紙製品で袋状に形成された(11)に記載のヒートシール用紙製包装容器。
(13) ヒートシール用紙製品の製造方法であって、
(1)から(7)いずれかに記載の塗料を紙表面に塗布する塗布工程と、
前記塗料を硬化させる硬化工程と、を有する製造方法。
(1)から(7)いずれかに記載の塗料を紙表面に塗布する塗布工程と、
前記塗料を硬化させる硬化工程と、を有する製造方法。
(14) 前記塗料から形成された硬化膜と、該硬化膜がヒートシール可能なヒートシール対象面とをヒートシールする工程をさらに有する、(13)に記載の製造方法。
(15) 前記ヒートシール対象面は、ポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂により構成されている、(14)に記載の製造方法。
(16) 前記ヒートシール対象面は、低融点ポリエチレン系樹脂により構成されている、(14)に記載の製造方法。
(17) 前記塗布を、JIS H8690附則書1「走査型電子顕微鏡による厚さ試験方法」に準じて測定した前記塗料から形成された硬化膜の平均膜厚が1μm以上6μm以下となるように行う、(13)から(16)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、ヒートシール部における優れた抗菌性、及びヒートシール後のポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートに対して優れた接着強度を得ることができるヒートシール用紙作製用塗料、ヒートシール用紙製品、ヒートシール用紙製包装容器、及びヒートシール用紙製品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ヒートシール用紙作製用塗料>
本発明に係るヒートシール用紙作製用塗料(以下、紙用塗料と略称する)は、抗菌剤と、酢酸ビニル系樹脂と、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂とを含有する。後述するように、この紙用塗料を紙表面に塗布し、紙表面に紙用塗料の硬化膜を形成することで、熱溶着により互いに接着する、いわゆるヒートシール性を有するヒートシール用紙を製造することができる。そして、この紙用塗料が塗布・硬化されて製造されたヒートシール用紙は、ヒートシール部における接着強度に優れ、抗菌性(カビ菌に対する防カビ性を含む場合もある)に優れる。本発明の紙用塗料は、このように、紙の表面に塗布し、硬化膜を形成することで、ヒートシール用紙を作製するために用いられるものである。
本発明に係るヒートシール用紙作製用塗料(以下、紙用塗料と略称する)は、抗菌剤と、酢酸ビニル系樹脂と、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂とを含有する。後述するように、この紙用塗料を紙表面に塗布し、紙表面に紙用塗料の硬化膜を形成することで、熱溶着により互いに接着する、いわゆるヒートシール性を有するヒートシール用紙を製造することができる。そして、この紙用塗料が塗布・硬化されて製造されたヒートシール用紙は、ヒートシール部における接着強度に優れ、抗菌性(カビ菌に対する防カビ性を含む場合もある)に優れる。本発明の紙用塗料は、このように、紙の表面に塗布し、硬化膜を形成することで、ヒートシール用紙を作製するために用いられるものである。
[酢酸ビニル系樹脂]
本発明の紙用塗料は、酢酸ビニル系樹脂を含有する。「酢酸ビニル系樹脂」とは、構成モノマーとして酢酸ビニルモノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。
本発明の紙用塗料は、酢酸ビニル系樹脂を含有する。「酢酸ビニル系樹脂」とは、構成モノマーとして酢酸ビニルモノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。
酢酸ビニル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、酢酸ビニル系樹脂の含有量が過小であると、接着強度が弱くなる。また、酢酸ビニル系樹脂の含有により、紙用塗料の粘性が増すため、抗菌剤が硬化膜内部に埋もれることなく表面に露出して抗菌性の機能を発現しやすくしていると考えられている。よって、接着強度及び抗菌性の機能をより向上させるという観点において、酢酸ビニル系樹脂の含有量は、全質量に対して1.0質量%以上であることが好ましく、より好ましくは2.0質量%以上である。また、後述する流動パラフィンとショ糖脂肪酸エステルとを含むことで、本発明の紙用塗料は、優れた耐油性、耐水性も得ることができるが、この際、酢酸ビニル系樹脂の含有量を抑えることで、特に、ヒートシール部における耐水性及び耐油性を向上させることができる。このことから、酢酸ビニル系樹脂の含有量は、全質量に対して15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%未満である。また、酢酸ビニル系樹脂の含有量の上限が上述の範囲にあることにより、ヒートシール部における耐水性及び耐油性のみならず、硬化膜面における耐水性及び耐油性に優れる。そのため、本発明の紙用塗料からヒートシール用紙製品を形成する場合、ヒートシール部のみならず、紙全体に塗布しても、紙全体に耐水性及び耐油性を付与することができる。また、酢酸ビニル系樹脂の含有量が過大であると、紙用塗料を紙表面に塗布しにくくなることから、酢酸ビニル系樹脂の含有量は、全質量に対して15質量%以下であることが好ましい。
本発明において、酢酸ビニル系樹脂の含有量は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により、以下の分析条件により測定する。また、塗料中の酢酸ビニル系樹脂の濃度は、検量線法により算出する。
カラム:TSKgel ODS−80Ts (東ソー社製)
移動相:アセトニトリル−クロロホルム混合溶媒
検出器:紫外可視分光検出器
カラム温度:40℃〜50℃
試料濃度:1mg/mL
リテンションタイム:2.5分付近
カラム:TSKgel ODS−80Ts (東ソー社製)
移動相:アセトニトリル−クロロホルム混合溶媒
検出器:紫外可視分光検出器
カラム温度:40℃〜50℃
試料濃度:1mg/mL
リテンションタイム:2.5分付近
また、本発明に係る紙用塗料は、流動パラフィンと、ショ糖脂肪酸エステルとを含有することが好ましい。流動パラフィンは、耐水性、耐油性に優れる。一方、流動性パラフィンは、一般に水溶性樹脂との相溶性が低く、水溶性樹脂に分散しにくい特性を有するが、紙塗料に含まれるショ糖脂肪酸エステルの作用により、酢酸ビニル系樹脂等の水溶性樹脂と十分に混合され分散される。このため、本発明に係る紙用塗料は、紙に優れた耐水性と耐油性とを付与することができる。あるいは、流動パラフィンに代えて、シリコン系オイルを用いることができ、又は、紙用塗料に、流動パラフィンに加えて、シリコン系オイルを含有させてもよい。耐水性、耐油性を付与できる観点から、流動パラフィンを用いることが好ましい。
なお、一般的な界面活性剤を流動パラフィンとともに混合する(通常、ホモジナイザーを用いて約10000rpm以上の回転数での撹拌による)と、多量の泡が発生し、撹拌機器から外部への漏出が懸念されるため、消泡剤を併用することが必須である。しかし、ショ糖脂肪酸エステルは、流動パラフィンとともに混合されても発泡を高度に抑制するため、消泡剤の必要量を低減(消泡剤を使用しなくてもよい)でき、紙用塗料の製造コスト低減及び安全性向上が期待できる。また、ショ糖脂肪酸エステル自体が安全性に優れるため、食品を包装する紙製包装容器を製造する場合等において、特に有利である。
流動パラフィンの種類は特に限定されないが、食品向けの包装容器等として耐え得る耐熱性の観点から、ノルマルパラフィン、イソパラフィン及びシクロパラフィンのいずれか1種以上であることが好ましい。
流動パラフィンの含有量は、特に限定されないが、過小であると、耐水性及び耐油性を充分に付与することが困難であり、過大であると、塗料からなる膜を紙製品に形成するのが困難である。よって、流動パラフィンの含有量は、紙用塗料に含まれる全樹脂の固形分含有量に対し、1質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5質量%〜45質量%、最も好ましくは10質量%〜42質量%である。
ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられ、これらの1種単独又は2種以上を組み合わせて使用し得る。
ショ糖脂肪酸エステルは、用いる流動パラフィンの特性によって異なるが、流動パラフィン及び抗菌剤の分散性をより向上できる点で、HLB値が6以下であるショ糖脂肪酸エステルが好ましい。このようなショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖の中の2〜5の水酸基が脂肪酸でエステル化されたものが挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、用いるショ糖酸脂肪酸エステル、流動パラフィン及び抗菌剤の特性に応じて適宜設定されてよいが、流動パラフィン及び抗菌剤の分散性を向上させる観点で、紙用塗料の全質量に対し、0.35質量%以上が好ましく、0.35質量%以上0.8質量%以下がより好ましい。また、紙用塗料に含有される水溶媒の希釈率を考慮すると、流動パラフィンの固形分含有量に対して5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
[熱可塑性樹脂]
本発明の紙用塗料は、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂(以下、本明細書において、「本発明の熱可塑性樹脂」と略称することがある。)を含有する。「(メタ)アクリル系樹脂」とは、構成モノマーとして(メタ)アクリル酸モノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。「ポリエチレン系樹脂」は、構成モノマーとしてエチレンモノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。「ポリプロピレン系樹脂」は構成モノマーとしてプロピレンモノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。本発明の熱可塑性樹脂における「基本骨格」とは、本発明の熱可塑性樹脂において、これら(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を構成するモノマーが、本発明の熱可塑性樹脂中の全構成モノマーのうち60モル%以上(好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)を構成していることを意味する。(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、アクリルメチル基等のアクリル基にアルキル基を付加させた構造や、カルボキシル基の水素をアルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換された構造にすることができる。
本発明の紙用塗料は、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂(以下、本明細書において、「本発明の熱可塑性樹脂」と略称することがある。)を含有する。「(メタ)アクリル系樹脂」とは、構成モノマーとして(メタ)アクリル酸モノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。「ポリエチレン系樹脂」は、構成モノマーとしてエチレンモノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。「ポリプロピレン系樹脂」は構成モノマーとしてプロピレンモノマーを90モル%以上(例えば、92モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、100モル%等)含む樹脂を意味する。本発明の熱可塑性樹脂における「基本骨格」とは、本発明の熱可塑性樹脂において、これら(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を構成するモノマーが、本発明の熱可塑性樹脂中の全構成モノマーのうち60モル%以上(好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)を構成していることを意味する。(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、アクリルメチル基等のアクリル基にアルキル基を付加させた構造や、カルボキシル基の水素をアルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換された構造にすることができる。
本発明の紙用塗料において、本発明の熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有するものであれば、特に限定されない。特に、ポリエチレン系樹脂や、ポリエチレンフタレート系樹脂に対する接着強度に優れることから、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
本発明の紙用塗料における本発明の熱可塑性樹脂の含有量は、特に限定されないが、例えば、紙用塗料全体の質量に対して、5質量%以上50質量%以下であってもよい。特に、ポリエチレン系樹脂や、ポリエチレンフタレート系樹脂に対する接着強度に優れることから、本発明の熱可塑性樹脂の含有量は、紙用塗料全体の質量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることが最も好ましい。
本発明の紙用塗料において、上記本発明の熱可塑性樹脂は、基本骨格を構成するモノマー以外のモノマーを有してもよく、有さなくてもよい。例えば、そのようなモノマーとしては、スチレン、アクリルニトリル等が挙げられる。
[抗菌剤]
抗菌剤の種類は特に限定されないが、抗菌性及び防カビ性に優れることから、銀系抗菌剤を用いることが好ましい。銀系抗菌剤として、ゼオライト粒子、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、リン酸塩粒子等を担体として、これらの担体粒子に銀化合物を担持させた銀担持抗菌剤のほか、炭酸銀等が挙げられる。抗菌剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、抗菌剤は防カビ性を有してもよい。
抗菌剤の種類は特に限定されないが、抗菌性及び防カビ性に優れることから、銀系抗菌剤を用いることが好ましい。銀系抗菌剤として、ゼオライト粒子、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、リン酸塩粒子等を担体として、これらの担体粒子に銀化合物を担持させた銀担持抗菌剤のほか、炭酸銀等が挙げられる。抗菌剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、抗菌剤は防カビ性を有してもよい。
銀担持ゼオライト粒子の例として、「ゼオミック」(シナネンゼオミック社製)が挙げられる。「ゼオミック」は、米国食品医薬品局(FDA)に食品接触物質(Food Contact Substance Notification FCN000047)として認可され、全食品の包装樹脂に適応できるという実績がある。
本発明の紙用塗料中の抗菌剤の含有量は、特に限定されないが、過小であると抗菌性を発現しにくく、過大であると紙用塗料の粘性が上がり、塗料中に抗菌剤のダマ(かたまり)が生じやすくなり、紙用塗料を紙表面に均一に塗工しにくくなる。よって、抗菌剤の含有量は、紙用塗料の全質量に対し、10質量%以上1質量%以下であることが好ましく、4質量%以上8質量%以下がより好ましい。
抗菌剤の平均粒径は、特に限定されないが、走査電子顕微鏡を用いてJIS H 7804法に準じて測定した平均粒径が0.5μm以上4μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上3μmである。抗菌剤の平均粒径が小さすぎると、紙用塗料の硬化膜の表面に抗菌剤が現れず、充分な抗菌性が得られない可能性があるため、好ましくない。抗菌剤の平均粒径が大きすぎると、紙に対して薄く塗った場合、塗膜の厚さに対して抗菌剤が塗膜中に沈み込む量が少なくなりすぎるために抗菌剤の保持力が低下し、抗菌剤が脱落しやすくなる。また抗菌剤の平均粒径が大きすぎると、抗菌剤が紙用塗料中で沈降しやすくなり、好ましくない。
[防カビ剤]
本発明の紙用塗料は、防カビ剤をさらに含有するものであってもよい。防カビ剤の種類は、特に限定されないが、安息香酸エステル、オルトフェニルフェノール、ジフェニル等が挙げられる。中でも、人体への安全性の観点から、防カビ剤は、安息香酸エステルであることが好ましい。防カビ剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の紙用塗料は、防カビ剤をさらに含有するものであってもよい。防カビ剤の種類は、特に限定されないが、安息香酸エステル、オルトフェニルフェノール、ジフェニル等が挙げられる。中でも、人体への安全性の観点から、防カビ剤は、安息香酸エステルであることが好ましい。防カビ剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
防カビ剤として安息香酸エステルを使用する場合、安息香酸エステルは、炭素数が2以下のアルコール(メタノール、エタノール)に溶解させたものを、紙用塗料に配合することによって、安息香酸エステルが、紙用塗料中の水に溶解させやすくなる。安息香酸エステルの溶媒として、炭素数が3以上のアルコール(プロパノール、ブタノール等)を用いると、安息香酸エステルが紙用塗料中の水に溶けにくい。炭素数2以下のアルコールとしては、エタノール、メタノールが挙げられるが、人体への安全性を考慮して、アルコールはエタノールが好ましい。
〔その他の成分〕
本発明に係る紙用塗料は、上記で述べた成分の他に、酢酸ビニル系樹脂以外の水溶性樹脂、分散剤、分散媒等、及び他の成分を含むものであってもよく、含まないものであってもよい。
本発明に係る紙用塗料は、上記で述べた成分の他に、酢酸ビニル系樹脂以外の水溶性樹脂、分散剤、分散媒等、及び他の成分を含むものであってもよく、含まないものであってもよい。
[水溶性樹脂]
水溶性樹脂は、所定の粘性を有するため、紙用塗料に粘性が付与され、例えば、印刷機の印刷用ロールに濡れやすくなる。これにより、紙の表面に塗料が均一に塗布されるので、紙に耐水性等を充分に付与できる。
水溶性樹脂は、所定の粘性を有するため、紙用塗料に粘性が付与され、例えば、印刷機の印刷用ロールに濡れやすくなる。これにより、紙の表面に塗料が均一に塗布されるので、紙に耐水性等を充分に付与できる。
水溶性樹脂は、塗料において従来使用されているいずれの水溶性樹脂であってもよく、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、水溶性ワニス、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SB樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、ブタジエン樹脂、又はこれらの混合物等が挙げられる。中でも、紙表面で硬化した際に粘着性を示さないために、薄紙表面に成膜した後に、ロール状に紙を巻く工程において紙同士が接着しにくいことや、成膜後の膜が透明であるために、紙用塗料を食品の包装紙に対して使用する場合、下地である包装紙の印刷や色調を損なわないことから、水溶性樹脂は、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂及びアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
[分散剤]
本発明の抗菌剤として、銀担持ゼオライト粒子を用いた場合に、ヒートシール性を付与しながらも抗菌性(特に、ヒートシール部における抗菌性)も付与することができることから、式(1)で示される分散剤をさらに含有することが好ましい。また、銀担持ゼオライト粒子は、銀イオンの触媒作用によって紙用塗料が短時間でゲル化又は固化することから、塗料を常時流動させたり、塗料を頻繁に製造し直したりする必要があり、製造コストが嵩む。この観点においても、本発明の紙用塗料は、式(1)で示される分散剤をさらに含有することが好ましい。
本発明の抗菌剤として、銀担持ゼオライト粒子を用いた場合に、ヒートシール性を付与しながらも抗菌性(特に、ヒートシール部における抗菌性)も付与することができることから、式(1)で示される分散剤をさらに含有することが好ましい。また、銀担持ゼオライト粒子は、銀イオンの触媒作用によって紙用塗料が短時間でゲル化又は固化することから、塗料を常時流動させたり、塗料を頻繁に製造し直したりする必要があり、製造コストが嵩む。この観点においても、本発明の紙用塗料は、式(1)で示される分散剤をさらに含有することが好ましい。
この分散剤の分子内のポリエチレングリコール構造と、銀ゼオライト中の銀イオンとで錯体が形成される。これにより、液体に分散された状態では、銀イオンが有する樹脂硬化作用が弱められる。しかも、プロピレングリコール基が親水基として作用し、銀ゼオライト自体の水分散性が向上する。よって、この紙用塗料は、紙に、ヒートシール性を付与しながらも抗菌性(特に、ヒートシール部における抗菌性)も付与することができる。また、紙用塗料の寿命がより長期化するので、製造コストを低減できる。さらに、紙用塗料を流動させる循環装置のような機構を設ける必要がないため、従来の印刷機を使用できる。
また、インク等で印刷処理されていると、紙表面が疎水性になるため、紙用塗料の紙表面への濡れ性が低下し、これにより紙用塗料が紙表面に均一に塗布されず、均一な塗膜を形成するのが困難になることが懸念される。一方、疎水性表面への濡れ性のみを追求すると、銀ゼオライトの紙用塗料中での分散性が低下し、これにより、ヒートシール部において抗菌性を発揮しにくくなり、また、均質な塗膜を形成するのが困難になることが懸念される。しかし、式(1)で示される分散剤は分子内にポリエチレングリコール構造及びアセチレングリコール構造を兼ね備えるので、ポリエチレングリコール構造によって、水と疎水性の紙表面との相溶性が向上するため、疎水性の紙表面への紙用塗料の濡れ性を向上できる。また、アセチレングリコール構造によって、銀ゼオライトの水への分散性が向上する。これにより、紙表面が疎水性であっても、ヒートシール性を付与しながらも抗菌性(特に、ヒートシール部における抗菌性)を付与でき、さらに、均一かつ均質な塗膜を形成できる。
なお、一般式(1)におけるm又はnが小さすぎると、水と疎水性の紙表面との相溶性が充分に向上しないために、疎水性の紙表面への紙用塗料の濡れ性を充分に向上できないことが懸念される。そこで、m又はnは4以上であることが好ましい。これにより、ヒートシール性を付与しながらも抗菌性(特に、ヒートシール部における抗菌性)を付与でき、さらに、疎水性の紙表面への紙用塗料の濡れ性を充分に向上でき、より均一な塗膜を形成できる。
[分散媒]
エタノール等の低沸点アルコールの添加量を変化させると、紙用塗料の粘性が増減する。よって、エタノールの添加量を適宜設定することで、所望の粘性を有する紙用塗料が製造され、紙に均一量の紙用塗料を容易に印刷できる。また、エタノール等の低沸点アルコールは、塗布後に短い時間で乾燥するため、長時間の乾燥による紙製品の反り返り等を抑制できる。
エタノール等の低沸点アルコールの添加量を変化させると、紙用塗料の粘性が増減する。よって、エタノールの添加量を適宜設定することで、所望の粘性を有する紙用塗料が製造され、紙に均一量の紙用塗料を容易に印刷できる。また、エタノール等の低沸点アルコールは、塗布後に短い時間で乾燥するため、長時間の乾燥による紙製品の反り返り等を抑制できる。
また、紙用塗料が塗布された紙製品に分散媒が残存していると、包装対象の特性(特に食品の味や香り)を損なうことが懸念される。しかし、エタノール等の低沸点アルコールによれば、速乾性を有しかつ人体への毒性がないので、紙製品への残存を抑制できるとともに、安全性を向上できる。
〔紙用塗料の粘度〕
紙用塗料の粘度は特に限定されるものでないが、粘度が低すぎると、印刷機の印刷用ロール状に均一に濡れない場合があり、紙の表面に紙用塗料を均一に塗布できない場合ある。粘度が高すぎると、紙塗料の流動性が大きく低下し、やはり紙の表面に紙用塗料を均一に塗布できない場合がある。よって、JIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度が70cP以上であることが好ましく、70cP以上250c以下であることが好ましく、80cP以上120cP以下であることがより好ましい。
紙用塗料の粘度は特に限定されるものでないが、粘度が低すぎると、印刷機の印刷用ロール状に均一に濡れない場合があり、紙の表面に紙用塗料を均一に塗布できない場合ある。粘度が高すぎると、紙塗料の流動性が大きく低下し、やはり紙の表面に紙用塗料を均一に塗布できない場合がある。よって、JIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度が70cP以上であることが好ましく、70cP以上250c以下であることが好ましく、80cP以上120cP以下であることがより好ましい。
<ヒートシール用紙製品の製造方法>
本発明に係るヒートシール用紙製品は、上述した紙用塗料を紙表面に塗布する塗布工程と、前記紙用塗料を硬化させる硬化工程とから製造することができる。紙の種類としては、紙の種類は特に限定されるものでなく、コートボール紙、和紙、純白ロール紙(食品用途の紙)、クラフト紙等が挙げられる。
本発明に係るヒートシール用紙製品は、上述した紙用塗料を紙表面に塗布する塗布工程と、前記紙用塗料を硬化させる硬化工程とから製造することができる。紙の種類としては、紙の種類は特に限定されるものでなく、コートボール紙、和紙、純白ロール紙(食品用途の紙)、クラフト紙等が挙げられる。
[塗布手順]
紙用塗料の塗布は、紙の表面に抗菌効果が付与される限りにおいて、その方法は特に限定されない。例えば、含浸、印刷用ロール等による転写、スプレーによる散布等が挙げられる。
紙用塗料の塗布は、紙の表面に抗菌効果が付与される限りにおいて、その方法は特に限定されない。例えば、含浸、印刷用ロール等による転写、スプレーによる散布等が挙げられる。
[硬化手順]
紙用塗料の硬化は、熱風乾燥、活性エネルギー線照射といった従来公知の種々の方法で行われてよい。このうち、活性エネルギー線(例えば、遠赤外線)照射は、熱による紙製品の損傷を抑制できる点で好ましい。
紙用塗料の硬化は、熱風乾燥、活性エネルギー線照射といった従来公知の種々の方法で行われてよい。このうち、活性エネルギー線(例えば、遠赤外線)照射は、熱による紙製品の損傷を抑制できる点で好ましい。
紙用塗料から形成された硬化膜の平均膜厚は特に限定されるものではないが、過小すぎると、接着強度が低下し、耐水性・耐油性も低下してしまう。よって、接着強度、耐水性・耐油性をより向上できることから、硬化膜の平均膜厚は、0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上、さらにより好ましくは2μm以上であることが好ましい。一方、硬化膜の平均膜厚が過大すぎると、紙用塗料を硬化させる硬化工程で乾燥時間が多くかかり過ぎてしまうことから、硬化膜の平均膜厚は20μm以下が好ましく、より好ましくは6μm以下、さらにより好ましくは5μm以下である。また、硬化膜の平均膜厚が過大すぎると、使用する薬剤の量が多くなり、製造原価が高くなり過ぎてしまうことから、硬化膜の平均膜厚は5μm以下が好ましい。なお、硬化膜の平均膜厚は、JIS H8690附則書1「走査型電子顕微鏡による厚さ試験方法」に準じて測定した平均膜厚とする。
また、本発明に係るヒートシール用紙製品は、紙用塗料から形成された硬化膜と、該硬化膜がヒートシール可能なヒートシール対象面とをヒートシールする工程をさらに有することにより、様々な用途に応じた後述する包装容器等の形状とすることができる。
ヒートシール用紙製品は、上述した紙用塗料から形成される硬化膜同士のヒートシールに限らず、例えば、ヒートシール対象面は、ポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂により構成されていてもよい。ポリエチレン系樹脂としては、接着強度に優れていることから、低融点ポリエチレン系樹脂が好ましく用いられる。低融点ポリエチレン系樹脂の低融点は、通常、50〜110℃であるが、50〜100℃であることが好ましく、60〜90℃であることがより好ましい。また、本発明の紙用塗料は、該紙用塗料から形成される硬化膜同士の接着強度においても優れる。よって、ヒートシール対象面は、本発明の紙用塗料から形成される硬化膜であることも好ましい。また、ヒートシール対象面のポリエチレン系樹脂の密度や、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の密度は、限定されるものではないが、通常、ポリエチレン系樹脂の密度が0.85〜0.9g/cm3であるのに対し、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の密度は、1.2〜1.4g/cm3である。このように、ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、ポリエチレン系樹脂より密度が高いため、ヒートシール対象面をポリエチレンテレフタレート系樹脂により構成したヒートシール用紙製品は、接着強度に加え、それ自身の強度も高くなる。よって、ヒートシール対象面をポリエチレンテレフタレート系樹脂により構成したヒートシール用紙製品は、から揚げ等の突起物を収容する袋として用いた場合、穴が開きにくくなる。このように、ヒートシールの接着強度と、自身の強度の両方において優れることから、ヒートシール対象面は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂により構成されることが好ましい。
なお、上記紙には、文字、模様、色彩を印字してもよい。印字内容としては、例えば、包装される内容物の情報が挙げられ、具体的には、包装される食品の絵柄、商品名、生産地、流通者等が挙げられる。印刷は、硬化膜が形成される面とは反対側の面に印刷してもよいし、硬化膜が形成される面に印刷したい場合には、塗膜の特性(特に抗菌性)を発揮できるよう、紙用塗料の塗布の前に行われてもよいが、これに限られず、紙用塗料の硬化の後に行われてもよい。いずれの態様においても、紙への印刷は、発泡スチロールへの印刷と異なり、容易に行うことができる。
〔ヒートシール用紙製品〕
本発明に係るヒートシール用紙製品は、上述した紙用塗料の硬化膜が紙の表面に形成されたものである。なお、「紙の表面」とは、紙の表面裏面を区別するものではなく、いずれか一方の面を意味するものである。この硬化膜の平均膜厚は、上述したように、特に限定されるものではないが、0.5μm以上20μm以下となるように行うことが好ましく、より好ましくは、1μm以上6μm以下、さらにより好ましくは2μm以上5μm以下である。
本発明に係るヒートシール用紙製品は、上述した紙用塗料の硬化膜が紙の表面に形成されたものである。なお、「紙の表面」とは、紙の表面裏面を区別するものではなく、いずれか一方の面を意味するものである。この硬化膜の平均膜厚は、上述したように、特に限定されるものではないが、0.5μm以上20μm以下となるように行うことが好ましく、より好ましくは、1μm以上6μm以下、さらにより好ましくは2μm以上5μm以下である。
本発明に係るヒートシール用紙製品は、2枚のヒートシール用紙製品の硬化膜面同士を対向させて重ね、市販のヒートシーラーにより加熱することで溶着接着することができる。また、上述の通り、本発明に係るヒートシール用紙製品のヒートシール対象面は、同じ組成からなる硬化膜に限られず、例えば、ポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂であってもよい。よって、本発明に係るヒートシール用紙製品は、接着強度に優れていることから、ポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂に対するヒートシールに好適に用いられる。低融点ポリエチレン系樹脂の低融点は、通常、50〜110℃であるが、50〜100℃であることが好ましく、60〜90℃であることがより好ましい。また、本発明の紙用塗料は、該紙用塗料から形成される硬化膜同士の接着強度においても優れることから、ヒートシール用紙製品に形成された硬化膜面同士をヒートシールすることも好ましい。
[ヒートシール用紙製包装容器]
本発明に係るヒートシール用紙製包装容器は、例えば、上述したヒートシール用紙製品を長方形状にカットした後二つ折りにし、折り目に隣接する両端部をヒートシールすることにより、袋状包装容器を容易に製造することができる。このように、本発明に係るヒートシール用紙製包装容器は、上述した紙用塗料からなる硬化膜を有することにより、高い加工性を有しながらも、紙袋としての性能を担保できる接着強度を有していることから、袋状が好適である。また、このヒートシール用紙製包装容器は、基材が紙であるため、廃棄も容易である。さらに、このようなヒートシール用紙製包装容器は、上述の通り、ヒートシール性を有しながらも抗菌性に優れており、さらに、流動パラフィンやショ糖脂肪酸エステルを配合し、酢酸ビニル系樹脂の配合量を抑えることで、耐水性及び耐油性にも優れていることから、食品を入れる包装容器、例えば、スーパーやコンビニエンスストア等の店舗向けの惣菜袋等に好ましく用いることができる。これら店舗では、提供者が自ら食品をヒートシール用紙製包装容器に収容し梱包することができるうえ、抗菌性を確保できることから、大変利便性が高い。
本発明に係るヒートシール用紙製包装容器は、例えば、上述したヒートシール用紙製品を長方形状にカットした後二つ折りにし、折り目に隣接する両端部をヒートシールすることにより、袋状包装容器を容易に製造することができる。このように、本発明に係るヒートシール用紙製包装容器は、上述した紙用塗料からなる硬化膜を有することにより、高い加工性を有しながらも、紙袋としての性能を担保できる接着強度を有していることから、袋状が好適である。また、このヒートシール用紙製包装容器は、基材が紙であるため、廃棄も容易である。さらに、このようなヒートシール用紙製包装容器は、上述の通り、ヒートシール性を有しながらも抗菌性に優れており、さらに、流動パラフィンやショ糖脂肪酸エステルを配合し、酢酸ビニル系樹脂の配合量を抑えることで、耐水性及び耐油性にも優れていることから、食品を入れる包装容器、例えば、スーパーやコンビニエンスストア等の店舗向けの惣菜袋等に好ましく用いることができる。これら店舗では、提供者が自ら食品をヒートシール用紙製包装容器に収容し梱包することができるうえ、抗菌性を確保できることから、大変利便性が高い。
また、上述したヒートシール用紙製品はヒートシール対象面が上述した紙用塗料からなる硬化膜に限定されないことから、ヒートシール用紙製包装容器の一部を、例えば透明性を有するポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂の硬化膜からなるフィルムにより構成してもよい。これにより、包装容器の中身、例えば、惣菜袋内の食品を視認することができ、消費者に安心感を与え、利便性が高い。また、上記で述べた通り、ポリエチレン系樹脂の密度や、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の密度は、限定されないが、通常、ポリエチレン系樹脂の密度が0.85〜0.9g/cm3であるのに対し、ポリエチレンテレフタレート樹脂の密度は、1.2〜1.4g/cm3である。このため、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の硬化膜からなるフィルムの強度は、ポリエチレン系樹脂の硬化膜からなるフィルムの強度よりも大きい。よって、ポリエチレン系樹脂の硬化膜からなるフィルムにより構成したヒートシール用紙製包装容器は、接着強度に優れるのみならず、包装容器内に、から揚げ等の突起物があるものを入れた場合でも、フィルムに穴が開きにくいため、包装容器の信頼性に優れる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、33.8gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例1に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、33.8gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例1に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
実施例1に係るヒートシール用紙作製用塗料の酢酸ビニル系樹脂の含有量は、塗料全体の質量に対し1.25質量%である。また、実施例1に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、123.2cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に実施例1に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、実施例1に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚3.2μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<実施例2>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、67.6gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例2に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、67.6gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例2に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
実施例2に係るヒートシール用紙作製用塗料の酢酸ビニル系樹脂の含有量は、塗料全体の質量に対し2.5質量%である。また、実施例2に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、102.4cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に実施例2に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、実施例2に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚3.1μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<実施例3>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、132.5gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例3に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、132.5gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例3に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
実施例3に係るヒートシール用紙作製用塗料の酢酸ビニル系樹脂の含有量は、塗料全体の質量に対し4.9質量%である。また、実施例3に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、98.6cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に実施例3に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、実施例3に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚2.9μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<実施例4>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、270.2gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例4に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、270.2gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例4に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
実施例4に係るヒートシール用紙作製用塗料の酢酸ビニル系樹脂の含有量は、塗料全体の質量に対し10質量%である。また、実施例4に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、111.0cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に実施例4に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、実施例4に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚3.3μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<実施例5>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、321.7gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度44.0% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例5に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、水分散アクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度40% T&K TOKA製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、321.7gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度44.0% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例5に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
実施例5に係るヒートシール用紙作製用塗料の酢酸ビニル系樹脂の含有量は、塗料全体の質量に対し15質量%である。また、実施例5に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、118.4cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に実施例5に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、実施例5に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚3.3μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<実施例6>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、ポリエチレン樹脂水分散エマルジョン(固形分濃度30%丸芳化学製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、67.6gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例6に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、ポリエチレン樹脂水分散エマルジョン(固形分濃度30%丸芳化学製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、67.6gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例6に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
実施例6に係るヒートシール用紙作製用塗料の酢酸ビニル系樹脂の含有量は、塗料全体の質量に対し2.5質量%である。また、実施例6に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、106.5cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に実施例6に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、実施例6に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚3.2μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<実施例7>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、ポリプロピレン水分散エマルジョン(固形分濃度30%丸芳化学製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、67.6gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例7に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、ポリプロピレン水分散エマルジョン(固形分濃度30%丸芳化学製)564gに混合した撹拌した後、先に調合した流動性パラフィンワックスエマルジョンを加えて、通常の撹拌方法にて撹拌し、均一に分散させた。その後、67.6gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度27.5% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、実施例7に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
実施例7に係るヒートシール用紙作製用塗料の酢酸ビニル系樹脂の含有量は、塗料全体の質量に対し2.5質量%である。また、実施例7に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、103.2cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に実施例7に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、実施例7に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚3.2μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<比較例1>
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、均一に分散させた。その後、564gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度40% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、比較例1に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
蒸留水30gと流動性パラフィン38gを混合し、そこへショ糖脂肪酸エステル(DKエステル 第一工業製薬製)を3.3g加えてから、80℃にてホモジナイザーを用いて毎分2万回転で1分間撹拌することで流動性パラフィンワックスエマルジョンを得た。
次に、銀系抗菌剤8g(シナネンゼオミック社製)と分散剤(サーフィノール 日信化学工業製)0.1gと蒸留水33gを混合撹拌し、均一に分散させた。その後、564gの酢酸ビニル水溶液(固形分濃度40% ビニブラン 日信化学工業製)を加えて、撹拌することで、比較例1に係るヒートシール用紙作製用塗料を得た。
比較例1に係るヒートシール用紙作製用塗料は、熱可塑性樹脂として酢酸ビニル系樹脂のみを用いている。比較例1に係るヒートシール用紙作製用塗料のJIS K 5600−2−3法に準じて測定した23℃における粘度は、286.5cPである。
次に印刷試験機バーコーター(4番)を用いて、紙表面に比較例1に係るヒートシール用紙作製用塗料を塗布した後、120℃で3秒間、ついで7秒間送風乾燥させることで、比較例1に係るヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜(平均膜厚3.8μm)が形成されたヒートシール用紙製品を得た。
<接着強度の評価>
ヒートシーラー(岩崎電気製作所製 NL−202J)を用いて、1から10段階あるシール設定目盛の3.5目盛にセットして、実施例1〜7及び比較例1に係る硬化膜同士のヒートシールを行った。また、実施例1〜7及び比較例1に係る硬化膜とポリエチレンフィルム(融点:118℃、表中、PEフィルムと表記する)とのヒートシールを行った。さらに、実施例1〜7及び比較例1に係る硬化膜とポリエチレンテレフタレートフィルム(表中、PETフィルムと表記する)とのヒートシールを行った。これら実施例及び比較例のヒートシール部について、引っ張り試験器を用い、温度25℃、相対湿度60%の環境下にて剥離試験を行い、接着強度を評価した。その結果を下記の表1に示す。評価基準は、下記の通りとする。ここで、基材とは、硬化膜が形成されたヒートシール用紙製品、若しくはポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムのいずれかをさすものである。
◎:基材同士が破断する接着強度
○:部分的に基材同士が破断する接着強度
△:基材までは破断しない接着強度
×:軽く引っ張るとヒートシール部が剥がれる程度の接着強度
××:接着性なし
ヒートシーラー(岩崎電気製作所製 NL−202J)を用いて、1から10段階あるシール設定目盛の3.5目盛にセットして、実施例1〜7及び比較例1に係る硬化膜同士のヒートシールを行った。また、実施例1〜7及び比較例1に係る硬化膜とポリエチレンフィルム(融点:118℃、表中、PEフィルムと表記する)とのヒートシールを行った。さらに、実施例1〜7及び比較例1に係る硬化膜とポリエチレンテレフタレートフィルム(表中、PETフィルムと表記する)とのヒートシールを行った。これら実施例及び比較例のヒートシール部について、引っ張り試験器を用い、温度25℃、相対湿度60%の環境下にて剥離試験を行い、接着強度を評価した。その結果を下記の表1に示す。評価基準は、下記の通りとする。ここで、基材とは、硬化膜が形成されたヒートシール用紙製品、若しくはポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムのいずれかをさすものである。
◎:基材同士が破断する接着強度
○:部分的に基材同士が破断する接着強度
△:基材までは破断しない接着強度
×:軽く引っ張るとヒートシール部が剥がれる程度の接着強度
××:接着性なし
<耐水性・耐油性の評価>
実施例1〜5に係るヒートシール用紙製品の硬化膜面上に0.5μLの水道水からなる水滴と、0.5μLの食用油からなる油滴とをそれぞれ滴下し、水滴と油滴の染み込み状態を観察した。また、実施例1〜5に係るヒートシール用紙製品の塗工面同士をヒートシールして袋状とし、袋内部からヒートシール部に向けて、0.5μLの水道水からなる水滴と、0.5μLの食用油からなる油滴とをそれぞれ滴下し、5分後と1時間後における水滴と油滴の染み込み状態を観察した。その評価結果を表2に示す。評価基準は、下記の通りとする。
◎:水滴及び油滴共に染み込みが確認できない場合
○:水滴又は油滴の込み跡はうっすらあるが裏側までは抜けていない場合
△:水滴又は油滴の込み跡がはっきり見えて裏にも極わずかに抜けている場合
×:水滴又は油滴が裏側まで抜けてしまい手につく状態
実施例1〜5に係るヒートシール用紙製品の硬化膜面上に0.5μLの水道水からなる水滴と、0.5μLの食用油からなる油滴とをそれぞれ滴下し、水滴と油滴の染み込み状態を観察した。また、実施例1〜5に係るヒートシール用紙製品の塗工面同士をヒートシールして袋状とし、袋内部からヒートシール部に向けて、0.5μLの水道水からなる水滴と、0.5μLの食用油からなる油滴とをそれぞれ滴下し、5分後と1時間後における水滴と油滴の染み込み状態を観察した。その評価結果を表2に示す。評価基準は、下記の通りとする。
◎:水滴及び油滴共に染み込みが確認できない場合
○:水滴又は油滴の込み跡はうっすらあるが裏側までは抜けていない場合
△:水滴又は油滴の込み跡がはっきり見えて裏にも極わずかに抜けている場合
×:水滴又は油滴が裏側まで抜けてしまい手につく状態
表2の結果から、酢酸ビニル系樹脂の含有量が紙用塗料の全質量に対して1.0質量%以上10質量%以下含有する実施例1〜5に係るヒートシール用紙製品では、いずれも耐水性と耐油性が付与されていることが確認された。特に酢酸ビニル系樹脂の含有量が1.0質量%以上5質量%未満である実施例1〜3に係るヒートシール用紙製品では、特に優れた耐水性と耐油性(特に、ヒートシール部における耐水性と耐油性)が付与されていることが確認された。また、硬化膜面上において、耐水性と耐油性を付与できることから、ヒートシール部だけでなく、紙全体に本発明の紙用塗料を塗っても、好適に使用できることが確認された。
<抗菌性の評価>
実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品、及び抗菌加工が施されていないヒートシール用紙製品について、JIS Z 2801に基づき、抗菌性の評価を行った。具体的には、まず、実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品を湿熱滅菌(121℃、15分間)した後、各紙(4cm×4cm)の片面に所定量の黄色ブドウ球菌、大腸菌、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)を接種し、フィルムで密着させた。続いて、35度にて24時間保持した後、各ヒートシール用紙製品上の金数を測定した。実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品についての結果を表3に、抗菌加工が施されていないヒートシール用紙製品についての結果を表4に示す。
実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品、及び抗菌加工が施されていないヒートシール用紙製品について、JIS Z 2801に基づき、抗菌性の評価を行った。具体的には、まず、実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品を湿熱滅菌(121℃、15分間)した後、各紙(4cm×4cm)の片面に所定量の黄色ブドウ球菌、大腸菌、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)を接種し、フィルムで密着させた。続いて、35度にて24時間保持した後、各ヒートシール用紙製品上の金数を測定した。実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品についての結果を表3に、抗菌加工が施されていないヒートシール用紙製品についての結果を表4に示す。
表3及び表4の結果から、抗菌加工が施されていないヒートシール用紙製品については、各種菌の増加が確認されたのに対し、実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品についてはいずれも優れた抗菌性が確認された。これらの結果から、抗菌性を発現するに当たり、酢酸ビニル系樹脂と、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格とする熱可塑性樹脂を用いるのが有用であることがわかる。
<防カビ性の評価>
実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品について、JIS A 2911(カビ抵抗試験(A)法)に基づき、防カビ性の評価を行った。その結果、以下の5種混合カビについて、4週間後の肉眼及び顕微鏡下でのカビの発育は認められなかった。この結果から、防カビ性を発現するに当たり、酢酸ビニル系樹脂と、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格とする熱可塑性樹脂を用いるのが有用であることがわかる。
・Aspergillus niger
・Penicillium funiculosum
・Paecilomyces variotii
・Gliocladium virens
・Chaetomium globosum
実施例1〜7に係るヒートシール用紙製品について、JIS A 2911(カビ抵抗試験(A)法)に基づき、防カビ性の評価を行った。その結果、以下の5種混合カビについて、4週間後の肉眼及び顕微鏡下でのカビの発育は認められなかった。この結果から、防カビ性を発現するに当たり、酢酸ビニル系樹脂と、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格とする熱可塑性樹脂を用いるのが有用であることがわかる。
・Aspergillus niger
・Penicillium funiculosum
・Paecilomyces variotii
・Gliocladium virens
・Chaetomium globosum
Claims (17)
- 抗菌剤と、
酢酸ビニル系樹脂と、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂と、
を含有し、
前記酢酸ビニル系樹脂の含有量が、前記塗料の全質量に対して1.0質量%以上10質量%以下であり、紙の表面に塗布されるヒートシール用紙作製用塗料。 - 抗菌剤と、
酢酸ビニル系樹脂と、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂と、
を含有し、
前記酢酸ビニル系樹脂の含有量が、前記塗料の全質量に対して1.0質量%以上5質量%未満であり、紙の表面に塗布されるヒートシール用紙作製用塗料。 - 抗菌剤と、
酢酸ビニル系樹脂と、
ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂と、
を含有し、紙の表面に塗布されるヒートシール用紙作製用塗料。 - 流動パラフィンと、ショ糖脂肪酸エステルと、をさらに含有する、請求項1から3のいずれかに記載のヒートシール用紙作製用塗料。
- 前記抗菌剤が、銀ゼオライトである、請求項1から4のいずれかに記載のヒートシール用紙作製用塗料。
- 23℃における粘度が、70cP以上である、請求項1から6のいずれかに記載のヒートシール用紙作製用塗料。
- 請求項1から7のいずれかに記載のヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜が紙の表面に形成されたヒートシール用紙製品。
- 抗菌剤と、
酢酸ビニル系樹脂と、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の繰り返し単位を基本骨格として有する熱可塑性樹脂と、
を含有し、紙の表面に塗布されるヒートシール用紙作製用塗料の硬化膜が紙の表面に形成されたヒートシール用紙製品であって、
ポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂に対するヒートシールに用いられるヒートシール用紙製品。 - JIS H8690附則書1「走査型電子顕微鏡による厚さ試験方法」に準じて測定した前記硬化膜の平均膜厚が1μm以上6μm以下である、請求項8又は9に記載のヒートシール用紙製品。
- 融点が50〜110℃である低融点ポリエチレン系樹脂に対するヒートシールに用いられる請求項8から10のいずれかに記載のヒートシール用紙製品。
- 請求項8から11のいずれかに記載の紙製品で形成されたヒートシール用紙製包装容器。
- 前記紙製品で袋状に形成された請求項12に記載のヒートシール用紙製包装容器。
- ヒートシール用紙製品の製造方法であって、
請求項1から7いずれかに記載の塗料を紙表面に塗布する塗布工程と、
前記塗料を硬化させる硬化工程と、を有する製造方法。 - ヒートシール用紙製品の製造方法であって、
請求項1か7いずれかに記載の塗料を紙表面に塗布する塗布工程と、
前記塗料を硬化させる硬化工程と、
前記塗料から形成された硬化膜と、該硬化膜がヒートシール可能なヒートシール対象面とをヒートシールする工程を有し、
前記ヒートシール対象面は、ポリエチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂により構成されている、製造方法。 - 前記ヒートシール対象面は、融点が50〜110℃である低融点ポリエチレン系樹脂により構成されている、請求項15に記載の製造方法。
- 前記塗布を、JIS H8690附則書1「走査型電子顕微鏡による厚さ試験方法」に準じて測定した前記塗料から形成された硬化膜の平均膜厚が1μm以上6μm以下となるように行う、請求項14から16のいずれかに記載の製造方法。
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