JP7176692B2 - 高温形状記憶合金、その製造方法、それを用いたアクチュエータおよびエンジン - Google Patents
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全体を100原子%とすると、
前記Pdと前記Ptとの合計:35原子%より多く55原子%未満、
前記Zr:0.1原子%以上15原子%未満、および、
前記X:0.1原子%以上15原子%未満
を満たし、残部が前記Tiおよび前記不可避不純物であり、これにより上記課題を解決する。
前記Pdと前記Ptとが合わせて45原子%以上55原子%以下であり、残部が前記Tiと前記不可避不純物とからなる合金に対して、前記Tiの一部が、前記Zrで、全体組成に対して、0.1原子%以上15原子%未満の範囲で置換され、前記Pdおよび/または前記Ptの一部が、前記Xで、全体組成に対して、0.1原子%以上15原子%未満の範囲で置換されていてもよい。
永久歪みが0%であってもよい。
マルテンサイト変態温度(マルテンサイト終了温度Mf)は、200℃以上600℃以下の温度範囲を満たしてもよい。
前記Zrは、2原子%以上12原子%以下の範囲を満たしてもよい。
前記Zrは、3原子%以上10原子%以下の範囲を満たしてもよい。
前記Xは、2原子%以上12原子%以下の範囲を満たしてもよい。
前記Xは、3原子%以上10原子%以下の範囲を満たしてもよい。
前記Ptは、5原子%以上40原子%以下の範囲を満たしてもよい。
前記Ptは、15原子%より多く27原子%以下の範囲を満たしてもよい。
前記Pdは、10原子%以上45原子%以下の範囲を満たしてもよい。
前記Pdは、18原子%以上27原子%以下の範囲を満たしてもよい。
変態温度以下においてB19型斜方晶を有してもよい。
本発明による上述の高温形状記憶合金の製造方法は、少なくとも上述の組成を満たすTi、Pd、Pt、ZrおよびX(XはNiおよび/またはCoである)を含有する溶製材を、マルテンサイト変態温度以上のB2型立方晶領域の温度以上、前記高温形状記憶合金の液相を生じる温度より100℃を下回る温度までの範囲内で熱処理するステップを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記熱処理するステップは、前記溶製材に20%以上90%以下の範囲の圧縮変形を施してもよい。
前記熱処理した熱処理材を、50MPa以上400MPa以下の応力下で10回以上加圧・熱サイクル試験を行うステップをさらに包含してもよい。
前記熱処理するステップは、前記溶製材を、700℃以上1300℃以下の温度範囲で15分以上24時間以下の時間熱処理してもよい。
本発明による高温形状記憶合金を用いた高温形状記憶合金アクチュエータは、前記高温形状記憶合金は、上述の高温形状記憶合金であり、これにより上記課題を解決する。
本発明によるアクチュエータを備えたエンジンは、前記アクチュエータは上述の高温形状記憶合金アクチュエータであり、これにより上記課題を解決する。
前記エンジンは、ジェットエンジン、自動車用エンジン、船舶用エンジンおよび飛翔体用エンジンからなる群から選択されてもよい。
本願発明者らは、TiPd化合物およびTiPt化合物に着目し、鋭意研究を行った。Ti(チタン)とPd(パラジウム)との二元系状態図によると、Pdの割合が45原子%以上55原子%以下の組成範囲でTiPd化合物が安定に存在することが確認でき、Pdの好ましい組成範囲は45~55原子%であることがわかる。同様に、TiとPt(白金)との二元系状態図によると、Ptの割合が48原子%以上52原子%以下の組成範囲でTiPt化合物が安定に存在することが確認できる。
PdとPtとの合計:35原子%より多く55原子%未満、
Zr:0.1原子%以上15原子%未満、および、
X:0.1原子%以上15原子%未満
を満たし、残部がTiおよび不可避不純物である。このような特定元素からなり、特定の組成を有することにより、250℃を超える高温にて形状回復を示す高温形状記憶合金を提供できる。
本発明の高温形状記憶合金は、好ましくは、200℃以上600℃以下の範囲のマルテンサイト変態温度(マルテンサイト変態終了温度Mf)を示す。これにより、200℃の高温にて形状回復を示すことができる。より好ましくは、本発明の高温形状記憶合金は、その組成を制御することによって、250℃以上600℃以下の範囲のマルテンサイト変態終了温度を示す。
以下に、本発明の高温形状記憶合金の製造工程の一実施形態について説明する。
比較例1~5および実施例1~3は、表1に示す組成を満たすように合金を製造し、そのマルテンサイト変態温度、永久歪み等を評価した。
図2は、実施例2の合金に対して、200MPaの応力下で複数回加圧・熱サイクル試験を施した時の、1回目と91回目における温度-歪み曲線を示す図である。
図3は、実施例3の合金に対して、200MPaの応力下で複数回加圧・熱サイクル試験を施した時の、1回目と83回目における温度-歪み曲線を示す図である。
図4は、比較例5の合金に対して、200MPaの応力下で複数回加圧・熱サイクル試験を施した時の、1回目と84回目における温度歪み曲線を示す図である。
Claims (16)
- Ti、Pd、Pt、Zr、X(XはNiおよび/またはCoである)および不可避不純物を含有し、
全体を100原子%とすると、
前記Pdと前記Ptとの合計:35原子%より多く54原子%以下、
前記Pd:18原子%より多く27原子%以下、
前記Pt:15原子%より多く27原子%以下、
前記Zr:0.1原子%以上15原子%未満、および、
前記X:0.1原子%以上15原子%未満
を満たし、残部が前記Tiおよび前記不可避不純物である、高温形状記憶合金。 - マルテンサイト変態温度(マルテンサイト終了温度Mf)は、200℃以上600℃以下の温度範囲を満たす、請求項1に記載の高温形状記憶合金。
- 前記Zrは、2原子%以上12原子%以下の範囲を満たす、請求項1または2に記載の高温形状記憶合金。
- 前記Zrは、3原子%以上10原子%以下の範囲を満たす、請求項3に記載の高温形状記憶合金。
- 前記Xは、2原子%以上12原子%以下の範囲を満たす、請求項1~4のいずれかに記載の高温形状記憶合金。
- 前記Xは、3原子%以上10原子%以下の範囲を満たす、請求項5に記載の高温形状記憶合金。
- 前記Ptは、20原子%以上25原子%以下の範囲を満たす、請求項1~6のいずれかに記載の高温形状記憶合金。
- 前記Pdは、20原子%以上25原子%以下の範囲を満たす、請求項1~7のいずれかに記載の高温形状記憶合金。
- 変態温度以下においてB19型斜方晶を有する、請求項1~8のいずれかに記載の高温形状記憶合金。
- 請求項1~9のいずれかに記載の高温形状記憶合金の製造方法であって、
少なくとも請求項1に記載の組成を満たすTi、Pd、Pt、ZrおよびX(XはNiおよび/またはCoである)を含有する溶製材を、マルテンサイト変態温度以上のB2型立方晶領域の温度以上、前記高温形状記憶合金の液相を生じる温度より100℃を下回る温度までの範囲内で熱処理するステップを包含する、方法。 - 前記熱処理するステップは、前記溶製材に20%以上90%以下の範囲の圧縮変形を施す、請求項10に記載の方法。
- 前記熱処理した熱処理材を、50MPa以上400MPa以下の応力下で10回以上加圧・熱サイクル試験を行うステップをさらに包含する、請求項10または11のいずれかに記載の方法。
- 前記熱処理するステップは、前記溶製材を、700℃以上1300℃以下の温度範囲で15分以上24時間以下の時間熱処理する、請求項10~12のいずれかに記載の方法。
- 高温形状記憶合金を用いた高温形状記憶合金アクチュエータであって、
前記高温形状記憶合金は、請求項1~9のいずれかに記載の高温形状記憶合金である、アクチュエータ。 - アクチュエータを備えたエンジンであって、
前記アクチュエータは、請求項14に記載の高温形状記憶合金アクチュエータである、エンジン。 - 前記エンジンは、ジェットエンジン、自動車用エンジン、船舶用エンジンおよび飛翔体用エンジンからなる群から選択される、請求項15に記載のエンジン。
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JP2016006218A (ja) | 2014-05-29 | 2016-01-14 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 高温形状記憶合金およびその製造方法 |
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