JP4923996B2 - 耐熱ばね及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、オーステナイト系耐熱合金は、一般に、フェライト系耐熱合金に比べて熱膨張係数が大きいという特徴がある。そのため、例えば、蒸気タービン等のケーシングに低コストのフェライト系耐熱合金を用い、ケーシングの締結ボルトとして高温強度に優れたオーステナイト系耐熱合金を用いると、高温に加熱されたときに、両者の熱膨張係数差に起因してボルトのゆるみが生ずるという問題があった。
例えば、特許文献1には、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜10未満%、Mo、W及びReの1種または2種以上をMo+1/2(W+Re):10〜25%、Al:0.2〜2%、Ti:0.5〜4.5%、Fe:10%以下、B:0.02%以下およびZr:0.2%以下の1種又は2種を含有し、Al+Tiの原子%が2.5〜7.0%であり、残部Niと不可避的不純物からなる低熱膨張Ni基超合金が開示されている。
同文献には、Crを20%以下とし、Mo+1/2(W+Re)を10以上とすると、12Cr鋼と同等の線膨張係数を持ち、かつ、オーステナイト系耐熱合金と同等の高温強度と耐食・耐酸化性を持つ低熱膨張Ni基超合金が得られる点が記載されている。
同文献には、
(1) Crを20質量%以下とし、Mo+1/2(W+Re)を10以上にすると、フェライト系12Cr鋼と同等の熱膨張係数が得られる点、
(2) 680〜850℃で加熱してγ’相を析出させ、600〜730℃で加熱してA2B相を析出させる2段時効により、γ’相とA2B相を複合析出させると、高温強度が向上する点、及び、
(3) 680〜730℃で加熱する1段時効によっても、γ’相とA2B相を複合析出させることができる点、
が記載されている。
同文献には、
(1) 炭化物安定化処理を施すと、粒界に析出する炭化物が塊状となり、塊状炭化物が粒界すべりの抵抗となる点、及び、
(2) γ’相とA2B相の析出による粒内強化と、粒界炭化物の制御による粒界強化とによって、高温強度が向上する点、
が記載されている。
しかしながら、従来のオーステナイト系耐熱合金を耐熱ばねとして使用する場合において、耐熱ばねを拘束する周囲の材料として低コストのフェライト系耐熱合金を用いたときには、使用温度が上昇することによって周囲の材料に比べてばねの熱膨張が大きくなり、ばね自身の熱膨張によって初期のばね締め付け圧力よりも高い応力がばねに加わる。その結果、長時間加熱によるへたりの発生に加えて、熱応力によってばねのへたりが大きくなるという問題がある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような特性を備えたばねを効率的に製造することが可能な耐熱ばねの製造方法を提供することにある。
0.01≦C≦0.15mass%、
Si≦1.0mass%、
Mn≦1.0mass%、
5.0≦Cr≦25.0mass%、
10≦Mo≦20mass%、
W≦10.0mass%、
12.0≦Mo+1/2(W+Re)≦25.0mass%、
0.1≦Al≦2.5mass%、
0.1≦Ti≦3.0mass%、
0.001≦B≦0.02mass%、
0.001≦Zr≦0.2mass%、
Fe≦4.0mass%、
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなり、700℃までの平均熱膨張係数が14.0×10-6/℃以下であるNi基合金からなり、
前記Ni基合金を1000〜1200℃の温度で固溶化熱処理した後、加工率20%以上の冷間伸線を行ってばね形状に成形し、600〜900℃の温度で1〜50時間の1段時効処理を施して、γ’相とA2B相を析出させたことを要旨とする。
上述した組成を有するNi基合金を1000〜1200℃の温度で加熱した後、急冷する固溶化熱処理工程と、
前記Ni基合金に対して加工率20%以上の伸線加工を行い、ばねに成形する成型工程と、
前記ばねに対して600〜900℃の温度で1〜50時間の1段時効処理を施して、γ’相とA2B相を析出させる時効工程と
を備えていることを要旨とする。
本発明に係る耐熱ばねは、以下のような元素を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなるNi基合金からなる。成分元素の種類、その成分範囲、及び、その限定理由は、以下の通りである。
Cは、Ti、Nb、Cr及びMoと結合して炭化物を形成し、高温強度を高めるとともに、結晶粒の粗大化を防止するために含有させる元素である。このような効果を得るためには、C含有量は、0.01mass%以上とする必要である。
一方、C含有量が過剰になると、熱間加工性を低下させる。従って、C含有量は、0.15mass%以下が好ましい。C含有量は、さらに好ましくは、0.10mass%以下である。
Siは、主に溶解精錬時の脱酸剤として作用する元素であり、必要に応じて含有させることができる。また、Siは、耐酸化性を向上させる作用もある。しかし、多量に含有させると、靱性及び加工性を劣化させる。従って、Si含有量は、1.0mass%以下が好ましい。Si含有量は、さらに好ましくは、0.5mass%以下である。
Mnは、Siと同様に脱酸剤として作用する元素であり、必要に応じて含有させることができる。しかし、Mnを多量に含有させると、加工性及び高温酸化性を損なう。従って、Mn含有量は、1.0mass%以下が好ましい。Mn含有量は、さらに好ましくは、0.5mass%以下である。
Crは、オーステナイト相に固溶し、高温酸化及び腐食を抑制するために含有させる元素である。このような効果を得るためには、Cr含有量は、5.0mass%以上が好ましい。十分な耐高温酸化性及び耐腐食性を維持するためには、Crは多い方が望ましい。
一方、Crは、熱膨張係数を増加する元素であるので、熱膨張の観点からは少ない方が望ましい。フェライト系耐熱鋼とほぼ同等の熱膨張係数を得るためには、Cr含有量は、25.0mass%以下が好ましい。Cr含有量は、さらに好ましくは、20.0mass%以下、さらに好ましくは、15.0mass%以下である。
Moは、オーステナイト相に固溶して耐酸化性を向上させるとともに、熱膨張係数を下げるために含有させる元素である。また、Niと化合してA2B相を形成し、合金を析出強化させる元素でもある。冷間加工後の1段時効により、相対的に短時間でA2B相を生成させるためには、Mo含有量は、10mass%以上が必要である。
一方、Mo含有量が過剰になると、熱間加工性が低下する。従って、Mo含有量は、20mass%以下が好ましい。
Wは、オーステナイト相に固溶し、固溶強化によって高温強度を高めるとともに、熱膨張係数を下げるために含有させる元素である。しかし、多量に含有させると、熱間加工性を低下させるだけでなく、安定なα−W相の生成により固溶化処理硬さが上昇し、冷間加工性を低下させる。従って、W含有量は、10.0mass%以下が好ましい。
700℃までの平均熱膨張係数を14×10-6/℃以下とするためには、Mo+1/2(W+Re)量(以下、これを「Mo当量」という)を12.0mass%以上とする必要がある。Mo当量は、さらに好ましくは、15.0mass%以上である。
一方、Mo当量が大きくなりすぎると、熱間加工性を低下させるだけでなく、脆化相が析出して、延性を低下させる。従って、Mo当量は、25.0mass%以下が好ましい。Mo当量は、さらに好ましくは、20.0mass%以下である。
Alは、Niと結合してγ’相を形成し、析出強化させる最も重要な元素である。Alの含有量が少ないと、γ’相の析出が不十分となる。また、Ti、Nb、Taが多量に存在する場合には、γ’相が不安定になり、η相やδ相が析出して脆化を起こす。従って、Al含有量は、0.1mass%以上が好ましい。Al含有量は、さらに好ましくは、0.5mass%以上、さらに好ましくは、1.0mass%以上である。
一方、Al含有量が過剰になると、熱間加工性が低下し、部品への鍛造成形が不可能になる。従って、Al含有量は、2.5mass%以下が好ましい。Al含有量は、さらに好ましくは、2.0mass%以下である。
Tiは、(1)Niと結合してγ’相を形成し、γ’相を強化し、(2)熱膨張係数を低下させ、かつ、(3)γ’相の時効析出硬化を促進させる、ために含有させる元素である。このような効果を得るためには、Ti含有量は、0.1mass%以上が好ましい。Ti含有量は、さらに好ましくは、0.5mass%以上である。
一方、Ti含有量が過剰になると、脆化相のη相(Ni3Ti)を析出させ、延性の低下を招く。従って、Ti含有量は、3.0mass%以下が好ましい。Ti含有量は、さらに好ましくは、2.0mass%以下である。
Bは、結晶粒界に偏析してクリープ強度を高める他、Tiの多い合金ではη相の析出を抑える効果がある。このような効果を得るためには、B含有量は、0.001mass%以上が必要である。
一方、B含有量が過剰になると、熱間加工性を低下させる。従って、B含有量は、0.02mass%以下が好ましい。
Zrは、結晶粒界に偏析してクリープ強度を高める効果がある。このような効果を得るためには、Zr含有量は、0.001mass%以上が必要である。
一方、Zr含有量が過剰になると、熱間加工性が低下するとともに、クリープ特性を害する。従って、Zr含有量は、0.2mass%以下が好ましい。
Feは、合金のコストを低減するために原料として安価なスクラップやW、MoなどのFeを含む安価な母合金を用いることにより含まれる不純物である。Feは、高温強度を低下させ、熱膨張係数を高くする元素であるので、少ない方が好ましい。高温強度の低下及び熱膨張係数の上昇を抑制するためには、Fe含有量は、4.0mass%以下が好ましい。Fe含有量は、さらに好ましくは、2.0mass%以下である。
(14) 0.1≦Nb+1/2Ta≦1.5mass%。
Nb及びTaは、Ni基超合金の析出強化相であるγ’相を形成する元素であり、γ’相の強化を図るだけでなく、γ’相の巨大化を防ぐ効果がある。このような効果を得るためには、Nb+1/2Ta(以下、これを「Nb当量」という)は、0.1mass%以上が必要である。
一方、Nb当量が過剰になると、δ相(Ni3(Nb、Ta))が析出し、靱性を低下させる。従って、Nb当量は、1.5mass%以下が好ましい。Nb当量は、さらに好ましくは、1.0mass%以下である。
Ni基合金の熱膨張係数に与える影響が大きい元素としては、Cr、W、Mo、Al、及び、Tiがある。これらの内、Crは、熱膨張係数を増加させる作用があり、その他の元素は、熱膨張係数を下げる作用がある。従って、これらの元素の成分バランスを最適化すると、700℃までの平均熱膨張係数を14.0×10-6/℃以下にすることができる。具体的には、次の(1)式を満たすように、成分をバランスさせると良い。
(14.0+0.07×[Cr]-0.08×[W]-0.08×[Mo]-0.02×[Al]-0.15×[Ti])≦14 ・・・(1)
なお、(1)式中、[Cr]等は、かっこ内の元素の含有量(mass%)を表す。
固溶化熱処理後に冷間加工を行わない場合、γ’相とA2B相を複合析出させるためには、Mo含有量を17mass%以上とする必要がある。また、冷間加工を行わない場合において、Mo含有量を17mass%以上とすれば、1段時効によりγ’相とA2B相とを複合析出させることもできるが、そのためには、数百時間以上の時効処理が必要となる。
これに対し、固溶化熱処理後に加工率20%以上で伸線加工を行うと、Mo含有量が10mass%以上であれば、γ’相とA2B相を複合析出させることができる。また、1段時効であっても、50時間以内の実用的な処理時間内にγ’相とA2B相を複合析出させることができる。さらに、これにより、耐熱ばねとして優れた耐へたり性と耐過時効特性を得ることができる。
また、「A2B相」とは、Ni2(Mo、Cr)からなる金属間化合物相であり、Ni基合金を析出強化する作用がある。A2B相は、単独では、後述するγ’相よりも強化能力は低いが、微細に析出し、高温長時間の条件下でも安定に存在する。そのため、γ’相とA2B相とを複合析出させると、γ’相単相の場合に比べて、高温強度及び耐クリープ性を向上させることができる。
本発明に係る耐熱ばねの製造方法は、固溶化熱処理工程と、成型工程と、時効処理工程とを備えている。
固溶化熱処理は、成分を均一化するために行われる。固溶化熱処理温度が低すぎると、成分の拡散が不十分となる。従って、固溶化熱処理温度は、1000℃以上が好ましい。
一方、固溶化熱処理温度が高すぎると、結晶粒の粗大化による機械的性質の低下を引き起こすので好ましくない。従って、固溶化熱処理温度は、1200℃以上が好ましい。
熱処理時間は、固溶化熱処理温度に応じて最適な時間を選択する。一般に、固溶化熱処理温度が高くなるほど、短時間で成分を均一化することができる。熱処理時間は、通常、0.5〜5時間である。
なお、熱間鍛造の前に、1100〜1250℃で6〜50時間加熱した後、徐冷する均質化熱処理を行っても良い。
加工率が低すぎると、合金内に導入される歪量が少なくなり、相対的に短時間の1段時効処理によって、γ’相とA2B相とを複合析出させることができない。50時間以内の熱処理時間で、γ’相とA2B相とを複合析出させるためには、加工率は、20%以上が好ましい。時効処理時間を短縮するためには、加工率は、大きいほど良い。
なお、「加工率」とは、加工前後での断面積の差を加工前の断面積で割った比率をいう。
時効処理温度が低すぎると、γ’相の析出量がA2B相に比べて不足となり、高い高温強度は得られない。従って、時効処理温度は、600℃以上が好ましい。
一方、時効処理温度が高すぎると、A2B相の析出量がγ’相に比べて不足となり、高い高温強度は得られない。従って、時効処理温度は、900℃以下が好ましい。
時効処理時間が短すぎると、γ’相とA2B相とを複合析出させることができない。γ’相とA2B相とを複合析出させるためには、時効処理時間は、1時間以上が好ましい。
一方、時効処理時間が長くなりすぎると、過時効によって高温強度が低下する。従って、時効処理時間は、50時間以下が好ましい。
上述した組成を有するNi基合金において、γ’相が析出するノーズの温度(最短時間でγ’相が析出する時効処理温度)は、680〜850℃の範囲にある。時効処理温度がノーズの温度から外れると、γ’相を析出させるために、長時間の熱処理が必要となる。
同様に、上述した組成を有するNi基合金において、A2B相が析出するノーズの温度(最短時間でA2B相が析出する時効処理温度)は、600〜730℃の範囲にある。時効処理温度がノーズの温度から外れると、A2B相を析出させるために、長時間の熱処理が必要となる。
従って、冷間加工を行わないNi基合金に対し、短時間でγ’相とA2B相とを複合析出させるためには、γ’相の析出に適した温度で1段目の時効処理を行い、次いで、A2B相の析出に適した温度で2段目の時効処理を行う2段時効を行う必要がある。
[1. 試料の作製]
[1.1. 熱膨張係数等の測定用試料]
表1に示す組成の合金を容量50kgの真空誘導炉を用いて溶解し、50kgのインゴットを鋳造した。このインゴットを1180℃で16hr均質化熱処理した後、φ20mmの棒への鍛造と、線径5.0mmの線材圧延を行った。圧延された線材に対し、1100℃で2hr加熱した後に水冷する固溶化熱処理を行った後、減面率40%のスウェージング加工を行った。さらに、得られた線材に対し、600〜900℃で24時間加熱する1段時効を行った。
[1.2. ばねの作製]
ばねを作製する場合には、線径5.0mmの線材圧延及び固溶化熱処理を行った後、上述のスウェージング加工に代えて、冷間伸線と熱処理(焼き鈍し)を繰り返して、線径2.0mmの線材とした。次いで、この線材を用いて、外形20mm、有効巻数5.2、ばね長さ45mmのコイルばねを試作した。なお、線径2.0mmの線材とする際、伸線前の線径を2.3mmから5.0mmまで変化させることにより、最終の冷間伸線における減面率は、24%から84%まで変化させた。ばね成形後、上記[1.1.]と同様の条件下で、1段時効を行った。
[2.1. 熱膨張係数の測定、高温引張試験、クリープラプチャー試験及び組成分析]
得られた熱処理材から試験片を切り出し、熱膨張係数の測定、高温引張試験、及び、クリープラプチャー試験を行った。
熱膨張率の測定は、理学電気製熱機械分析装置TMAで行った。標準試料には石英を用い、示差熱方式によって、昇温速度5℃/minの条件で、室温から700℃までの平均熱膨張率を測定した。用いた試験片は、φ5×L19である。
高温引張試験は、平行部6mmのツバ付き引張試験片を用い、JISの高温引張試験法に準拠して700℃で行った。
クリープラプチャー試験は、平行部6.4mmの試験片を用い、700℃で負荷応力343MPaで実施した。
さらに、γ’相及びA2B相の析出の有無を確認するために、得られた熱処理材に対して電解抽出を行い、析出物を捕集し、抽出残渣のX線回折を実施した。γ’相確認用の電解液には、3%硝酸+2%過塩素酸+メタノール液を、A2B相確認用の電解液には10%AA液を使用した。
得られたばねに600N/mm2の圧縮荷重を付加して、700℃で100hr保持した。保持終了後、荷重を外した後のばねの長さを求めた。へたり率は、次の(2)により算出した。
へたり率(%)=(L0−L)×100/L0 ・・・(2)
但し、L0=初期のばねの長さ、L=荷重を外した後のばねの長さ。
表2に、各試験の結果を示す。実施例1〜15は、いずれも室温から700℃までの平均熱膨張率が14.0×10-6/℃以下であり、700℃における引張強さは1000〜1240MPaであった。また、クリープ破断寿命は、590〜2570hrであった。
一方、比較例1〜3は、高温強度が高く、クリープ破断寿命も長いが、平均熱膨張率が大きく、700℃×1000h加熱後の強度低下も大きい。そのため、へたり率が大きい。また、比較例4、5は、成分は本発明の範囲にあるため、平均熱膨張率は実施例1〜15と同等以下であった。しかしながら、冷間加工率が低いために、A2B相の析出が少ない。そのため、強度が低く、長時間時効後の強度低下が大きく、へたり率が大きい。
Claims (3)
- 0.01≦C≦0.15mass%、
Si≦1.0mass%、
Mn≦1.0mass%、
5.0≦Cr≦25.0mass%、
10≦Mo≦20mass%、
W≦10.0mass%、
12.0≦Mo+1/2(W+Re)≦25.0mass%、
0.1≦Al≦2.5mass%、
0.1≦Ti≦3.0mass%、
0.001≦B≦0.02mass%、
0.001≦Zr≦0.2mass%、
Fe≦4.0mass%、
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなり、700℃までの平均熱膨張係数が14.0×10-6/℃以下であるNi基合金からなり、
前記Ni基合金を1000〜1200℃の温度で固溶化熱処理した後、加工率20%以上の冷間伸線を行ってばね形状に成形し、600〜900℃の温度で1〜50時間の1段時効処理を施して、γ’相とA2B相を析出させた耐熱ばね。 - 前記Ni基合金は、
0.1≦Nb+1/2Ta≦1.5mass%
である請求項1に記載の耐熱ばね。 - 請求項1又は2に記載のNi基合金を1000〜1200℃の温度で加熱した後、急冷する固溶化熱処理工程と、
前記Ni基合金に対して加工率20%以上の伸線加工を行い、ばねに成形する成型工程と、
前記ばねに対して600〜900℃の温度で1〜50時間の1段時効処理を施して、γ’相とA2B相を析出させる時効処理工程と、
を備えた耐熱ばねの製造方法。
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