JP7175465B2 - 折り線ヒンジ構造及び厚板材 - Google Patents
折り線ヒンジ構造及び厚板材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7175465B2 JP7175465B2 JP2018165060A JP2018165060A JP7175465B2 JP 7175465 B2 JP7175465 B2 JP 7175465B2 JP 2018165060 A JP2018165060 A JP 2018165060A JP 2018165060 A JP2018165060 A JP 2018165060A JP 7175465 B2 JP7175465 B2 JP 7175465B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rigidity
- hinge structure
- line
- folding line
- rigidity portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
図1は、本発明による折り線ヒンジ構造の第1実施形態を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る折り線ヒンジ構造を説明する断面図である。
本実施形態に係る折り線ヒンジ構造10は、図1に示すように、厚板材1の一方の面にヒンジを形成し、折り線FLを境にして、所定の折り角で折ることができる構造であって、高剛性部11と、低剛性部12と、折曲案内線13等とを備えている。
厚板材1の厚みは、5~1000mm程度が好ましく、より好ましくは、10~500mmである。
その結果、折り曲げ加工時に、折れ線にあそびができて、折り線の位置が定まり難いという問題を解消でき、折り線が設計通りの位置で折れないために、機構の頑健性が低くなるなどの問題が生じたりすることもない。
本実施形態のような高剛性部11及び低剛性部12がない場合には、厚板材1は、図2(b)に示すように、テーパ部2を形成するときに、厚板材1の展開状態に直交する平面に対称な断面形状により、厚みTをコントロールすることになる。
具体的には、折り角(展開状態において0、谷折りで正、山折りで負になるようにとる。)の限界値をρとおくと、底面3から測ったテーパ部2の角度(テーパ角)θは、
θ=(π-ρ)/2 ・・・(1)
となり、厚みTの厚板材1であれば、テーパ部2の幅wは、
w=T×tan(ρ/2) ・・・(2)
となる。
θ=(180°-135°)/2=22.5°
であり、厚みTに対して、2.4(≒tan(135/2))倍程度の細長いプロポーションのテーパ部2でヒンジ構造を支えることになる。
本実施形態によれば、高剛性部11を設けているので、左右対称の場合(図2(b)の場合)に比較して、2倍以上の曲げ剛性が容易に達成される。
例えば、図2(a)に示すように、テーパ部2を0°と45°のテーパに分割した場合には、低剛性部12の剛性は0である一方で、剛性は厚みの3乗に比例することから、高剛性部11の先端部の剛性は、22.5°づつとした場合(図2(b)の場合)の14(≒(tan45)3/(tan22.5)3)倍程度となり、低剛性部12と高剛性部11との平均で、7(=(0+14)/2)倍程度の曲げ剛性をもつことが期待でき、曲げ剛性は向上することがわかる。
このため、曲げ加工時に、折り線FLに対して左右対称な断面形状である場合に、折り位置が定まらなかったというようなことはなくなり、折曲予定線13に沿って、正確かつ容易の折り曲げることができるようになった。
この折り線ヒンジ構造10は、高剛性部11を作ることにより、反対側の低剛性部12の曲げ剛性が減ることになる。このため、本実施形態では、折り線FLに沿って、高剛性部11の反転を、繰り返すことにより、折り線FL全体で平均して面外剛性を保てるようにしてある。
図3は、本実施形態に係る折り線ヒンジ構造の製造に使用する加熱・加圧部を説明する斜視図である。
加熱・加圧部50は、図1の折り線ヒンジ構造10を熱成形するための焼き鏝であり、折り線ヒンジ構造10を構成する凹凸部の逆型になっている。
つまり、加熱・加圧部50は、折り線ヒンジ構造10の高剛性部11を成形する凹型部51と、低剛性部12を成形する凸型部52とが、交互に配置されている(凸型部52-1、凹型部51-1と、凹型部51-2、凸型部52-2とが交互になっている)。
図4は、本発明による折り線ヒンジ構造の第2実施形態を示す斜視図である。
なお、以下に説明する第2、第3、第4実施形態では、第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、末尾に共通する符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態に係る折り線ヒンジ構造20は、図4に示すように、高剛性部21と、低剛性部22と、折曲案内線23とを備えている。
この折り線ヒンジ構造20は、互い違いにする高剛性部21と低剛性部22のピッチpが第1実施形態よりも狭くなっている。
第2実施形態によれば、互い違いにする高剛性部21と低剛性部22のピッチpを狭くすることで、折り線ヒンジ構造10が互いに嵌合する面積が増えるため、最大折り角ρまで折り曲げたときに、より容易に、その状態を維持できるようにすることが可能になる。
図5は、本発明による折り線ヒンジ構造の第3実施形態に係る折り線ヒンジ構造を説明する説明図であり、折り線FLに直交する断面形状を示している。
また、図5は、折り角ρを90°とした場合の例を示しており、参考として、対称な断面形状による例を図5(c)に示している。
本実施形態では、図5(a)に示すように、凸状部21a及び凹状部22aの断面外形形状は、折れ線形状としてある。
このような本実施形態によれば、折曲予定線23の部分を十分に曲げ剛性を低くして、折り曲げやすくしても、この凹状部22aの断面形状により、徐々に肉厚を厚くすることができ、低剛性部22の曲げ剛性を上げることができる。
第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、第1実施形態では低剛性部22側に厚みゼロの領域があるのに対して、この形態では、若干のテーパが低剛性部22側に残り、厚みがゼロとならない部分があるので、加工時に端材が出ないことや、気密性の保持が期待できる。
本実施形態では、図5(b)に示すように、凸状部21a-1及び凹状部22a-1の断面外形形状が、曲線(円弧)形状とされた、折り線ヒンジ構造20-1としてもよい。
このような変形例によれば、前記効果に加えて、折曲予定線23-1で折り曲げ工程が進むにつれて、徐々に連続的に対向面が重なるようになるので、安定して折曲加工をすることができる。
この例では、テーパの先端部分のシャープさをとることにより、応力集中を避けることができ、また、熱罫線や型抜きをするときの加工がしやすいという効果がある。
図6は、本発明による折り線ヒンジ構造の第4実施形態を説明する説明図であり、第1実施形態として示した折り線ヒンジ構造10とともに、第4実施形態に係る折り線ヒンジ構造30,30-1を並べて平面視している。
本実施形態に係る折り線ヒンジ構造30,30-1では、高剛性部31及び低剛性部32は、隣接する組との境界線34、35が、折り線FLに立てた垂線PLに対して、角度α1、α2又は角度β1、β2だけ傾斜している。
つまり、隣接する組との境界線34、35は、図6の中央に示すように、折り線FLに対して垂直であるものに限る必要はなく、図6の左又は右に示すように、折り線FLに立てた垂線PLに対して、所定の角度だけ傾斜していてよく、隣接する組との境界線34、35が、折り線FLを境にした左右の部分で対称になっていれば足りる。
図7(a)に示すように、複数の折り線FL1,FL2,FL3で作られるコーナがある場合、図7(b)に示すように、境界線36,37を傾斜させることにより、コーナにフィットした効率の良いパターンを配置することができる。
また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。
なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
厚板材の材質も、ポリプロピレンの例で説明したが,ポリエチレン等の他のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などであってもよい。
また、厚板材は、アクリル板、発泡プラスチックボード等であってもよい。
さらに、樹脂の他にも、木材や、木材と樹脂を組み合わせた複合材、アルミニウム等の金属と樹脂を組み合わせたアルミ複合板等であってもよい。
このような形態の場合、薄肉部分と、その他の部分を別体にして貼り合わせるようにしてもよい。また、別体にした場合、樹脂シートと木材又は金属などのように別素材で形成することもできる。
11、21、31:高剛性部、
12、22、32:低剛性部、
13、23、33:折曲案内線、
11a:凸状部、
12a:凹状部
Claims (5)
- 厚板材の一方の面にヒンジを形成し、折り線を境にして、所定の折り角で折る折り線ヒンジ構造であって、
前記折り線の一方側に配置され、前記折り線に直交する断面形状が前記折り線側に突出する凸状部を備える曲げ剛性が高い高剛性部と、
前記折り線の他方側に配置され、少なくとも前記高剛性部の前記凸状部を収容できる凹状部を備える前記高剛性部よりも曲げ剛性が低い低剛性部と、
前記高剛性部と前記低剛性部の境界線に沿って、前記低剛性部が折り曲がることにより、折り曲げの案内になる折曲案内線と、
を備え、
前記高剛性部及び前記低剛性部は、前記折り線に沿って複数組形成されており、隣接する組ごとに、前記高剛性部及び前記低剛性部の配置が逆になっている ことを特徴とする折り線ヒンジ構造。 - 請求項1に記載の折り線ヒンジ構造において、
前記凸状部及び前記凹状部の断面外形形状は、曲線若しくは折れ線又はそれらの組み合わせ形状であること、
を特徴とする折り線ヒンジ構造。 - 請求項1又は2に記載の折り線ヒンジ構造において、
前記高剛性部及び前記低剛性部は、隣接する組との境界線が、前記折り線に立てた垂線に対して、傾斜していること、
を特徴とする折り線ヒンジ構造。 - 請求項1~3の何れか1項に記載の折り線ヒンジ構造において、
前記厚板材は、中空構造を含む可変構造板材であって、
前記凸状部及び前記凹状部は、焼き鏝による加熱・加圧加工により形成されること、
を特徴とする折り線ヒンジ構造。 - 請求項1~4の何れか1項に記載の折り線ヒンジ構造を備えた厚板材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018165060A JP7175465B2 (ja) | 2018-09-04 | 2018-09-04 | 折り線ヒンジ構造及び厚板材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018165060A JP7175465B2 (ja) | 2018-09-04 | 2018-09-04 | 折り線ヒンジ構造及び厚板材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020037426A JP2020037426A (ja) | 2020-03-12 |
JP7175465B2 true JP7175465B2 (ja) | 2022-11-21 |
Family
ID=69737453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018165060A Active JP7175465B2 (ja) | 2018-09-04 | 2018-09-04 | 折り線ヒンジ構造及び厚板材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7175465B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004083019A (ja) | 2002-08-22 | 2004-03-18 | Akuta:Kk | 食品用簡易容器 |
JP2004243716A (ja) | 2003-02-17 | 2004-09-02 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 折り曲げ罫線入りプラスチックシート及び罫線刃 |
JP2015178381A (ja) | 2014-03-19 | 2015-10-08 | 厚身 稲葉 | プラスチック構造体、プラスチック製段ボール箱、及び、それらの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0728012U (ja) * | 1993-10-26 | 1995-05-23 | 第一大宮株式会社 | プラスチック段ボールおよびそれを用いた梱包容器 |
-
2018
- 2018-09-04 JP JP2018165060A patent/JP7175465B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004083019A (ja) | 2002-08-22 | 2004-03-18 | Akuta:Kk | 食品用簡易容器 |
JP2004243716A (ja) | 2003-02-17 | 2004-09-02 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 折り曲げ罫線入りプラスチックシート及び罫線刃 |
JP2015178381A (ja) | 2014-03-19 | 2015-10-08 | 厚身 稲葉 | プラスチック構造体、プラスチック製段ボール箱、及び、それらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020037426A (ja) | 2020-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3563445A (en) | Plastic tray structures | |
US3414181A (en) | Partial deorientation of segments of bioriented thermoplastic sheet | |
KR20190018418A (ko) | 플루팅과 정합하는 스코어 선을 갖는 대향면을 구비한 굴절식 보드 제품을 제조하기 위한 시스템 및 방법 | |
JP7175465B2 (ja) | 折り線ヒンジ構造及び厚板材 | |
JP2024003233A (ja) | 中空構造体 | |
JP5687793B1 (ja) | 押罫部材、罫入れ用型板、罫入れ装置および段ボールシート | |
JP7204172B2 (ja) | 中空板材 | |
JP2000313059A (ja) | 折り曲げ罫線入りプラスチックシート | |
JP7411213B2 (ja) | 補強された箱及びかかる箱の製造方法 | |
JP3422953B2 (ja) | 折り曲げ罫線入り透明プラスチックシートおよび透明プラスチックシート用罫線刃 | |
EP0709297B1 (en) | One-piece corrugated tray | |
US20120087714A1 (en) | File folder | |
JP2007032171A (ja) | 折り畳み可能なボード | |
JP5005998B2 (ja) | 隅角緩衝材 | |
JP2001247122A (ja) | 紙製トレー | |
JP4775023B2 (ja) | 連続する多面体エンボス部を形成したブランク板及び該ブランク板からなる紙製品と、ブランク板の製造方法 | |
JP2022086993A5 (ja) | ||
RU2150391C1 (ru) | Переплетная крышка для печатной продукции | |
CN108891094A (zh) | 一种斜向定位轻质蛋托的制作方法 | |
WO2021144983A1 (ja) | 複合材構造体の製造方法及び複合材構造体の製造装置 | |
JP7384396B2 (ja) | 中空構造板 | |
JP7391358B2 (ja) | 中空構造体 | |
JP7356792B2 (ja) | 仕切り部材 | |
JPH0329741A (ja) | 組立式トレー | |
WO2015083452A1 (ja) | 押罫部材、罫入れ用型板、罫入れ装置および段ボールシート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220607 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220704 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221025 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221031 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7175465 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |