JP7173252B2 - 粘着剤組成物、粘着剤及び粘着剤層 - Google Patents
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Description
上記特許文献1の開示技術では、低誘電率及び低誘電正接や低吸水率化のためにエステル結合濃度を低くしたりしているが、近年の低誘電特性の要求は非常に高く、エステル結合濃度を低くすることだけでは不充分で、更なる改良が求められるものであった。
本発明においては、低誘電特性と粘着物性を高いレベルで両立できる点でアクリル系粘着剤よりも優れるポリエステル系粘着剤を得ることを前提とするものである。
本発明者らは、ポリエステル系樹脂を構成するモノマーの組成等を調整し、更に、ガラス転移温度(Tg)を最適化することにより、低誘電率及び低誘電正接であり、粘着物性に優れることを見出し、本発明を完成させたものである。
なお、本発明において、化合物名の後に付された「類」は当該化合物に加え、当該化合物の誘導体をも包括する概念である。例えば、「カルボン酸類」との用語は、カルボン酸に加え、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等のカルボン酸誘導体も含むものである。
また、「X及び/又はY(X,Yは任意の構成)」とは、X及びYの少なくとも一方を意味するものであって、Xのみ、Yのみ、X及びY、の3通りを意味するものである。
ポリエステル系樹脂(A)は、多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を分子中に含むものであり、好ましくは、多価カルボン酸類と多価アルコール類とをエステル結合させて得られるものである。
多価カルボン酸類における多価カルボン酸としては、例えば、後述する芳香族多価カルボン酸;後述する酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸(a1);1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸とその酸無水物等の脂環族多価カルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族多価カルボン酸を挙げることができる。多価カルボン酸類は1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも芳香族ジカルボン酸類を(主成分として)用いることが好ましく、特に好ましくはテレフタル酸類、イソフタル酸類、ナフタレンジカルボン酸類であり、粘着特性及び低誘電特性の観点から更に好ましくはイソフタル酸類である。
なお、誘電特性に劣るとは、比誘電率や誘電正接の値が小さくならないこと、あるいは、値が大きくなることを意味するものである。
芳香族酸類含有量(モル%)=(芳香族多価カルボン酸類(モル)/多価カルボン酸類(モル))×100
また、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類のうち芳香族多価カルボン酸類以外のものとしては、例えば、水添トリメリット酸無水物等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、ダイマージオール類、ビスフェノール骨格含有モノマー、脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、芳香族多価アルコールが挙げられる。多価アルコール類は1種又は2種以上を用いることができる。
ダイマージオール類としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等から誘導されるダイマー酸類(炭素数36~44のものを主とする)の還元体であるダイマージオール類、及びそれらの水素添加物等が挙げられる。なかでもポリエステル系樹脂(A)の製造時におけるゲル化抑制の点から、水素添加物が好ましい。
ポリエステル系樹脂(A)全体に対する芳香環含有量は、低誘電正接の点から、3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは6重量%以上、特に好ましくは8重量%以上、更に好ましくは10重量%以上である。一方で、タック性の観点からは芳香環含有量は40重量%以下であることが好ましく、より好ましくは30重量%以下、特に好ましくは25重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。
芳香環含有量とは、ポリエステル系樹脂(A)中における芳香環を構成する原子が占める重量割合である。なお、ビスフェノール骨格由来の2つの芳香環部位については、低誘電特性に寄与しないため本発明における芳香環含有量には含めない。ビスフェノール骨格由来の2つの芳香環部位が低誘電正接に寄与しない理由は定かではないが、例えば立体的要因からビスフェノール骨格由来の2つの芳香環は芳香環同士のスタッキングに関与できないためと推測される。
芳香環含有量=A1×(a11×m11+a12×m12+a13×m13・・・)/(x1-y1)+A2×(a21×m21+a22×m22+a23×m23・・・)/(x2-y2)+A3×(a31×m31+a32×m32+a33×m33・・・)/(x3-y3)・・・
A:ポリエステル系樹脂(A)中における各モノマー由来の構造単位の含有量(重量%)
a:各モノマー中の芳香環を構成する原子の原子量(例えば、炭素であれば12、窒素であれば14、等である。また原子が2種以上存在する場合には、上式のa11、a12、a13、・・・に相当し、例えば、a11:炭素、a12:窒素、a13:酸素となる。)
m:各モノマー中の芳香環を構成する原子の数
x:各モノマーの分子量
y:各モノマー中の脱離基の式量の総和
なお、ビスフェノール骨格由来の2つの芳香環部位については、上記理由のとおり、芳香環を構成する原子として含めない(m=0として扱う)。
また、3官能以上の多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
3官能以上の多価カルボン酸類及び3官能以上の多価アルコール類は、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)は周知の方法により製造することができる。
例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類とを、必要に応じて触媒の存在下で、エステル化反応に付してポリエステル系樹脂を得て、更に必要に応じて酸価を導入することにより製造することができる。
バルク状態での反応は、速度が速いが、多量に付加するとゲル化が起こることがあり、かつ高温での反応になるので、酸素ガスを遮断し酸化を防ぐ等の注意が必要である。一方、溶液状態での付加は、反応は遅いが、多量のカルボキシ基を安定に導入することができる。
解重合における温度は、通常200~260℃であり、反応時間は通常10分~3時間である。
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であり、好ましくは-70~-5℃、より好ましくは-60~-10℃、特に好ましくは-50~-15℃、更に好ましくは-40~-20℃、最も好ましくは-35~-25℃である。
ガラス転移温度(Tg)が低すぎると、誘電特性に劣る傾向があり、ガラス転移温度(Tg)が高すぎると、タック性が不充分になる傾向がある。
ガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量計を用いて測定することにより求めることができる。なお、測定条件は、測定温度範囲-90~100℃、温度上昇速度10℃/分である。
本発明において、ポリエステル系樹脂(A)は、架橋剤によって架橋されるものであり、架橋点として酸価及び/又は水酸基価を持つことが好ましく、酸価と水酸基価の合計は、1~40mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは2~20mgKOH/gであり、特に好ましくは3~25であり、更に好ましくは4~15mgKOH/gである。かかる酸価と水酸基価の合計が少なすぎると架橋点が少なくなることにより粘着剤のゲル分率を所望の値に調整することが困難となる傾向があり、高すぎると誘電特性、特に誘電正接に劣る傾向がある。
(ポリエステル系樹脂(A)の酸価)
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)の酸価は5mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは4mgKOH/g以下、特に好ましくは3mgKOH/g以下、更に好ましくは2mgKOH/g以下、最も好ましくは1mgKOH/g以下である。
酸価が高すぎると、ポリエステルが加水分解しやすくなり湿熱耐久性が悪くなる傾向がある。
酸価(mgKOH/g)は、ポリエステル系樹脂(A)1gをトルエン/メタノールの混合溶剤(例えば、体積比でトルエン/メタノール=7/3)30gに溶解し、JIS K 0070に基づき中和滴定により求めることができる。
なお、本発明において、ポリエステル系樹脂(A)の酸価は、樹脂中におけるカルボキシ基の含有量に起因するものである。
また、上記ポリスエテル系樹脂(A)の水酸基価は1mgKOH/g以上であることが好ましく、特には2~30mgKOH/g、更には3~20mgKOH/g、より好ましくは4~15mgKOH/g、殊には5~10mgKOH/gであることが好ましい。かかる水酸基価が低すぎると、粘着剤層のゲル分率を所望の値に調整することが困難となり、所望の粘着物性を得ることが困難となる傾向がある。なお、かかる水酸基価が高すぎると、誘電特性、特には誘電正接が劣る傾向がある。
(ポリエステル系樹脂(A)の酸価)
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)の酸価は40mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは2~35mgKOH/g、特に好ましくは5~30mgKOH/g、更に好ましくは10~25mgKOH/g、最も好ましくは12~20mgKOH/gである。
酸価が高すぎると、湿熱耐久性の観点からエポキシ等の架橋剤を一定量配合する必要があるため、粘着剤層のゲル分率を所望の値に調整することが困難となり、所望の粘着物性を得ることが困難となる傾向がある。
また、上記ポリスエテル系樹脂(A)の水酸基価は10mgKOH/g以下であることが好ましく、特には5mgKOH/g以下、更には3mgKOH/g以下、より好ましくは1mgKOH/g以下であることが好ましい。かかる水酸基価が高すぎると、誘電特性、特には誘電正接が劣る傾向がある。
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)のエステル結合濃度は、7ミリモル/g以下であることが好ましく、より好ましくは2~6.5ミリモル/g、更に好ましくは2.3~6ミリモル/g、特に好ましくは2.5~5.5ミリモル/g、殊に好ましくは2.8~5ミリモル/gである。
エステル結合濃度が高すぎると、低吸湿性が不充分となる傾向があり、エステル結合濃度が低すぎると、粘着力が不充分となる傾向がある。
エステル結合濃度(ミリモル/g)とは、ポリエステル系樹脂(A)1g中のエステル結合のモル数のことであり、例えば、仕込み量からの計算値で求められる。かかる計算方法は、多価カルボン酸類と多価アルコール類の各仕込み量のうち、より少ない方のモル数を樹脂全体重量で割った値であり、計算式の例を以下に示す。
なお、多価カルボン酸類と多価アルコール類の各仕込み量が同モル量の場合には、下記のどちらの計算式を用いてもよい。
また、モノマーとして、カルボキシ基と水酸基を両方持ったものを使ったり、カプロラクトン等からポリエステルを作製する場合等は、計算方法を適宜変えることとなる。
エステル基濃度(ミリモル/g)=〔(A1/a1×m1+A2/a2×m2+A3/a3×m3・・・)/Z〕×1000
A:多価カルボン酸類の仕込み量(g)
a:多価カルボン酸類の分子量
m:多価カルボン酸類の1分子あたりのカルボン酸基の数
Z:出来上がり重量(g)
エステル基濃度(ミリモル/g)=〔(B1/b1×n1+B2/b2×n2+B3/b3×n3・・・)/Z〕×1000
B:多価アルコール類の仕込み量(g)
b:多価アルコール類の分子量
n:多価アルコール類の1分子あたりの水酸基の数
Z:出来上がり重量(g)
その他極性基としては、例えば、アミド基、イミド基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、カーボネート基等が挙げられる。
エーテル基としては、例えば、アルキルエーテル基やフェニルエーテル基が挙げられ、低吸湿性や湿熱環境下での長期耐久性の点から特にアルキルエーテル基の濃度を低くすることが好ましい。アルキルエーテル基濃度としては、3ミリモル/g以下であることが好ましく、より好ましくは2ミリモル/g以下、特に好ましくは1.5ミリモル/g以下、更に好ましくは1ミリモル/g以下であり、最も好ましくは0.5ミリモル/g以下である。また、フェニルエーテル基濃度としては、5ミリモル/g以下であることが好ましく、より好ましくは4ミリモル/g以下、特に好ましくは3ミリモル/g以下、更に好ましくは2.5ミリモル/g以下である。
カーボネート基濃度としては、3ミリモル/g以下であることが好ましく、より好ましくは2ミリモル/g以下、特に好ましくは1ミリモル/g以下、更に好ましくは0.5ミリモル/g以下であり、最も好ましくは0.2ミリモル/g以下である。
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)のピークトップ分子量(Mp)は、5000~150000が好ましく、より好ましくは10000~120000、特に好ましくは15000~100000、更に好ましくは20000~80000である。
ピークトップ分子量(Mp)が低すぎると、低吸湿性、湿熱環境下での長期耐久性、保持力が不充分となる傾向がある。また、ピークトップ分子量(Mp)が高すぎると、粘着力が不充分となったり、塗布時の溶液粘度が高すぎて、均一な塗膜が得られ難くなる傾向がある。
重量平均分子量(Mw)が低すぎると、低吸湿性、湿熱環境下での長期耐久性、保持力が不充分となる傾向がある。また、重量平均分子量(Mw)が高すぎると、粘着力が不充分となったり、塗布時の溶液粘度が高すぎて、均一な塗膜が得られ難くなる傾向がある。
ピークトップ分子量(Mp)及び重量平均分子量(Mw)は、高速液体クロマトグラフィー(東ソー社製、「HLC-8320GPC」)にてカラム(TSKgel SuperMultipore HZ-M(排除限界分子量:2×106、理論段数:16000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:4μm))の2本直列を用いて測定し、標準ポリスチレン分子量換算により求めることができる。
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)の吸水率は、2重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.8重量%以下、更に好ましくは0.6重量%以下である。
吸水率が高すぎると湿熱耐久性、絶縁信頼性が低下したり、誘電特性に劣る傾向がある。
ポリエステル系樹脂溶液(架橋剤配合前)を離型フィルム上にアプリケーターで塗布、120℃で10分間乾燥し、ポリエステル系樹脂層の乾燥膜厚が65μmのシートを作製した。このシートを7.5cm×11cmのサイズに切り出し、シートのポリエステル系樹脂層面をガラス板上にラミネートした後、離型フィルムを剥がした。この作業を6回繰り返すことで、ガラス板上に厚み390μmのポリエステル系樹脂層を有する試験板を得る。
このようにして得られる試験板を23℃の精製水に24時間浸漬させた後、取り出して表面の水気をふき取り、70℃で2時間乾燥させた。これらの各工程において必要な重量を測定して、下記式に従って重量変化から吸水率(重量%)を算出する。
(c-d)×100/(b-a)
a:ガラス板単独の重量
b:初期の試験板の重量
c:精製水から取り出して水気をふき取った直後の試験板の重量
d:70℃で2時間乾燥させた後の試験板の重量
(比誘電率(Dk))
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)の温度23℃、相対湿度50%RH環境下での周波数10GHzにおける比誘電率は、2.9以下が好ましく、より好ましくは2.8以下、特に好ましくは2.7以下、更に好ましくは2.6以下である。上記比誘電率が高すぎると伝送速度が劣ったり伝送損失が大きくなる傾向がある。
本発明に用いるポリエステル系樹脂(A)の温度23℃、相対湿度50%RH環境下での周波数10GHzにおける誘電正接は、0.01以下であり、好ましくは0.009以下、より好ましくは0.008以下、特に好ましくは0.007以下、更に好ましくは0.006以下、殊に好ましくは0.005以下、最も好ましくは0.0045以下である。上記誘電正接が高すぎると伝送損失が大きくなる。
そして、誘電正接の非常に小さいポリエステル系樹脂(A)は、高周波数領域での伝送損失を抑制できる点から、電子材料部材の貼り合わせ等に用いる粘着剤の原料として非常に有用となる。
非結晶性とは、示差走査熱量計により確認することができ、例えば、測定温度範囲-90~400℃、温度上昇速度10℃/分で測定した際に結晶融解による吸熱ピークが観測されないものをいう。なお、測定温度範囲や昇温速度はサンプルに応じて適宜変更することができる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(B)を更に含有することが好ましい。架橋剤(B)を含有させることにより、ポリエステル系樹脂(A)中の官能基とかかる官能基と反応する官能基を有する架橋剤(B)とが反応し、架橋して、粘着力や耐熱性、耐久性に優れた粘着剤を得ることができる。
かかる架橋剤(B)としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物(b1)、ポリエポキシ系化合物(b2)、金属キレート系化合物(b3)等、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基及びカルボキシ基の少なくとも一方と反応する官能基を有する化合物が挙げられ、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる官能基が水酸基の時は、反応性及びゲル分率の調整の容易さの点でポリイソシアネート系化合物(b1)であることが好ましく、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる官能基がカルボキシ基の時は、ポリエポキシ系化合物(b2)、金属キレート系化合物(b3)であることが好ましく、併用することも好ましい。なお、両官能基を含む場合は、いずれの架橋剤を使うことができ、併用することも好ましい。なかでも粘着物性の調整がしやすい点では、ポリエステル系樹脂(A)が水酸基を含み、ポリイソシアネート系化合物(b1)であることが好ましく、粘着層の耐熱性の点では、ポリエステル系樹脂(A)がカルボキシ基を含む場合は、ポリエポキシ系化合物(b2)であることが好ましい。
また、架橋剤同士が反応し、ポリエステル系樹脂(A)と絡み合いを作ることで、疑似架橋させることもでき、その場合の架橋剤としては例えば、多官能(メタ)アクリル系モノマーや多官能ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
当該当量が大きすぎると、粘着力や粘着シートの経時安定性が不充分となったりする傾向がある。また、小さすぎると、湿熱環境下での長期耐久性、凝集力が不充分となったり、誘電正接に劣る傾向がある。
当該当量が大きすぎると、粘着力や低吸湿性が不充分となったり、誘電特性が劣ったりする傾向がある。また、小さすぎると、湿熱環境下での長期耐久性、耐熱性が不充分となる傾向がある。
COOHに対するエポキシの当量=(a÷WPE)/(AV÷56.1÷1000×b)
a:配合に用いたポリエポキシ系化合物(b2)の重量(g)
WPE:ポリエポキシ系化合物(b2)のエポキシ当量(g/eq)
AV:ポリエステル系樹脂(A)の酸価(mgKOH/g)
b:配合に用いたポリエステル系樹脂(A)の重量(g)
本発明の粘着剤組成物は、ポリエステル系樹脂(A)、更に架橋剤(B)を含有し、低誘電特性に優れ、低吸湿性、高粘着性、湿熱環境下での長期耐久性に優れるという効果を奏する。
上記加水分解抑制剤(C)は、粘着剤組成物の長期耐久性を担保させるために含有されるものである。
上記加水分解抑制剤(C)としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、上記ポリエステル系樹脂(A)のカルボキシ基末端と反応して結合する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、オキサゾリン基、等の官能基を含有する化合物等が挙げられる。これらの中でもカルボジイミド基含有化合物が、カルボキシ基末端由来のプロトンの触媒活性を消失させる効果が高い点で好ましい。
また、架橋剤(B)としてポリエポキシ系化合物(b2)を用いる場合は、エポキシ系加水分解抑制剤以外を含有することが好ましく、金属キレート系化合物(b3)を用いる場合は、各種加水分解抑制剤を用いることができる。
また、加水分解抑制剤としては、耐加水分解性の観点から重量平均分子量が高いものを用いる方が好ましい。加水分解抑制剤の重量平均分子量は、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、2000以上であることが更に好ましく、3000以上であることが特に好ましい。なお、重量平均分子量の上限は通常50000である。
加水分解抑制剤の分子量が小さすぎると、耐加水分解性が低下する傾向がある。
なお、分子量が大きすぎると、ポリエステル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向がある。
(x)に対する(y)のモル比が低すぎると、耐湿熱性能が低下する傾向がある。なお、(x)に対する(y)のモル比が高すぎると、ポリエステル系樹脂(A)との相溶性が低下したり、粘着力、凝集力、耐久性能が低下する傾向がある。
本発明においては、粘着特性の向上を図ることができる点で、粘着付与樹脂を含有させることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物には、反応速度の点からウレタン化触媒を含有することがより好ましい。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート等が挙げられる。
鉄系化合物としては、例えば、鉄アセチルアセトネート、2-エチルヘキサン酸鉄等が挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
鉛系化合物としては、例えば、オレイン酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。
コバルト系化合物としては、例えば、2-エチルヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルト等が挙げられる。
亜鉛系化合物としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。
また、上記3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ-(5,4,0)-ウンデセン-7等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物には、樹脂の安定性を上げる点から酸化防止剤を含有することがより好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、フェノールの水酸基が結合した芳香族環上の炭素原子の隣接炭素原子の少なくとも一方に、ターシャリーブチル基等の立体障害の大きな基が結合したヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤が挙げられる。
かかる含有量が少なすぎると被着体への糊残りが発生しやすくなる傾向があり、多すぎると粘着物性が低下する傾向がある。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明の粘着剤組成物がこれらその他成分を含有する場合、これらの成分の含有量は、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは0.05~60重量%、特に好ましくは0.1~50重量%、更に好ましくは0.2~40重量%である。
本発明においては、上記粘着剤組成物を架橋することにより得られ、タック性、粘着力、保持力、低吸湿性、湿熱環境下での長期耐久性及び低誘電特性に優れた効果を奏する粘着剤を得ることができる。
本発明における「架橋」とは熱及び/又は光等により粘着剤組成物を意図的に架橋させることを意味し、その架橋の程度は所望の物性、用途により制御することができる。
なお、上記ゲル分率は、架橋度の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、基材となる高分子シート(例えば、PETフィルム等)に粘着剤層が形成されてなる粘着シート(離型シートを設けていないもの)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、浸漬前の粘着剤成分の重量に対する、浸漬後の金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。ただし、基材の重量は差し引いておく。
かかる粘着剤層は支持基材の片面又は両面に形成されることが好ましい。
なお、本発明において「シート」とは、「フィルム」や「テープ」をも含めた意味として記載するものである。
粘着シートは、例えば、つぎのようにして作製することができる。
かかる粘着シートの製造方法としては、公知一般の粘着シートの製造方法に従って製造することができ、例えば、基材上に、上記粘着剤組成物を塗工、乾燥し、反対側の粘着剤組成物層面に離型シートを貼り合わせ、必要により養生することで基材上に、粘着剤を含有する粘着剤層を有する本発明の粘着シートが得られる。
ポリエステル系樹脂に対するダイマージオールの含有量(重量%)を示す。
以下の表1で記載する組成は、出来上がりの組成比(樹脂組成比)であり、得られたポリエステル系樹脂の各構成モノマー量の相対比(モル比)とその重量%である。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管の付いた反応缶に、多価カルボン酸類としてイソフタル酸(IPA)152.9部(0.9203mol)、多価アルコール類としてエチレングリコール(EG)31.4部(0.5059mol)、ダイマージオール「プリポール2033」(P2033)(クローダ社製)413.9部(0.7821mol)、トリメチロールプロパン(TMP)1.9部(0.0142mol)、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を仕込み、内温が270℃となるまで2.5時間かけて昇温し、270℃で1.5時間、エステル化反応を行った。
次いで、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を追加し、系内を2.5hPaまで減圧し、2時間かけて重合反応を行い、ポリエステル系樹脂(A-1)を得た。
樹脂組成を表1に記載のとおりになるよう変更した以外はA-1と同様にしてポリエステル系樹脂(A-2、A'-1、A'-2)を得た。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管の付いた反応缶に、多価カルボン酸類としてイソフタル酸(IPA)182.9部(1.1009mol)、トリメリット酸無水物(TMAn)2.1部(0.0109mol)、多価アルコール類としてエチレングリコール(EG)45.1部(0.7250mol)、ダイマージオール「プリポール2033」(P2033)(クローダ社製)502.7部(0.9499mol)、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を仕込み、内温が270℃となるまで2.5時間かけて昇温し、270℃で1.5時間、エステル化反応を行った。
次いで、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を追加し、系内を2.5hPaまで減圧し、2時間かけて重合反応を行った。
その後、内温を230℃まで下げ、トリメリット酸無水物(TMAn)17.2部(0.0895mol)を添加し230℃で1時間解重合反応を行い、ポリエステル系樹脂(A-3)を得た。
樹脂組成を表1に記載のとおりになるよう変更した以外はA-3と同様にしてポリエステル系樹脂(A-4、A'-3)を得た。
「IPA」:イソフタル酸
「SebA」:セバシン酸
「P1009」:ダイマー酸「プリポール1009」(クローダ社製)
「TMAn」:トリメリット酸無水物
「BPE-20」:ビスフェノールAのエチレンオキサイド約2モル付加物「ニューポールBPE-20」(三洋化成工業社製)
「EG」:エチレングリコール
「NPG」:ネオペンチルグリコール
「TMP」:トリメチロールプロパン
「1.4BG」:1.4-ブタンジオール
「1.6HG」:1,6-ヘキサンジオール
「PD9」:2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール「キョーワジオールPD9」(KHネオケム社製)
「P2033」:ダイマージオール「プリポール2033」(クローダ社製)
一方、上記得られたポリエステル系樹脂(A'-1)~(A'-3)は、粘着剤組成物として使用可能なガラス転移温度領域(0℃以下)ではあったものの、誘電正接に大きく劣るものであった。
架橋剤(B)として、以下のものを用意した。
(B-1):トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(東ソー社製、「コロネートL-55E」)
(B-2):ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートの三量体(東ソー社製、「コロネートHX」)
(B-3):N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン(三菱ガス化学社製、「テトラッドX」)
上記で得られたポリエステル系樹脂及び架橋剤を用いて、下記のとおり粘着剤組成物を製造した。
上記で得られたポリエステル系樹脂(A-1)を酢酸エチルで固形分濃度50%に希釈し、このポリエステル系樹脂(A-1)溶液(固形分として100部)に対し、架橋剤(B-1)(固形分)を1.25部配合し、更に酢酸エチルで固形分50%になるように希釈、撹拌、混合することにより、粘着剤組成物を得た。
実施例1において、表3に示すとおりの各成分を配合とした以外は同様にして、粘着剤組成物を得た。
被着体としてSUS-BA板を準備した。上記で得られた粘着シートを23℃、50%RHの環境下で25mm×200mmに裁断した後、離型フィルムを剥がし、粘着剤層側をSUS-BA板に当接させ、2kgローラーを往復させ加圧貼付けした。そして、同雰囲気下で所定時間(30分間又は24時間)静置した後、オートグラフ(島津製作所社製、オートグラフAGS-H 500N)を用いて、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
被着体として厚み50μmのポリイミドフィルム「カプトン200H」(東レ・デュポン社製)を準備した。上記で得られた粘着シートを23℃、50%RHの環境下で25mm×200mmに裁断した後、離型フィルムを剥がし、粘着剤層側をポリイミド(PI)フィルムに当接させ、2kgローラーを往復させ加圧貼付けした。そして、同雰囲気下で30分間静置した後に、オートグラフ(島津製作所社製、オートグラフAGS-H 500N)を用いて、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
上記で得られた養生後の粘着シートを4cm×4cmサイズに切り出した。これを200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、浸漬前の粘着剤重量に対する金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
上記で得られた粘着シートをJIS Z-0237に準じ、SUS304を被着体とし、貼付面積25mm×25mmで貼り付けた後、80℃で20分間静置したものについて1kgの荷重をかけて、落下までの時間又は24時間静置しても落下しなかったものについては24時間後のズレを測定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
〇・・・24時間静置後で、ズレが1mm以内であった。
△・・・24時間静置後でも落下しなかったが、ズレが1mmを超えた。
×・・・24時間静置中に落下した。
実施例2、4、8、10、11及び比較例1,2において、得られた粘着剤組成物を乾燥後の厚みが約50μmになるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み38μm)に塗布した後、100℃で3分間乾燥させて粘着剤層を形成した。その後、かかる粘着剤層に、離型処理されたPETフィルム(離型フィルム)を貼着してその表面を保護し、温度40℃の雰囲気下で10日間養生し、粘着シートを得た。
これに対し、表2に示すようにポリエステル系樹脂(A'-1)~(A'-3)は粘着剤組成物として使用可能なガラス転移温度領域(0℃以下)ではあったものの、誘電正接には大きく劣るものであり、表4に示すように粘着剤層とした場合にも誘電正接は大きく劣るもので、本発明の目的を満足するものではなかった。
Claims (14)
- 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.01以下であるポリエステル系樹脂(A)及び架橋剤(B)を含有し、任意成分として加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤を含有する粘着剤組成物であって、
前記ポリエステル系樹脂(A)、架橋剤(B)、加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤以外の成分が50重量%以下であり、
前記多価カルボン酸類がイソフタル酸類を70モル%以上含むことを特徴とする低誘電粘着剤組成物。 - 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.01以下であるポリエステル系樹脂(A)及び架橋剤(B)を含有し、任意成分として加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤を含有する粘着剤組成物であって、
前記ポリエステル系樹脂(A)、架橋剤(B)、加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤以外の成分が50重量%以下であり、
前記多価カルボン酸類が芳香族多価カルボン酸類(ただし、多環式構造有する多価カルボン酸は除く)を70モル%以上含み、
かつ、前記ポリエステル系樹脂(A)の酸価が2mg・KOH/g以上であり、前記酸価がポリエステル系樹脂(A)の水酸基価と同じ又は多いことを特徴とする低誘電粘着剤組成物。 - 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.01以下であるポリエステル系樹脂(A)及び架橋剤(B)を含有し、任意成分として加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤を含有する粘着剤組成物であって、
前記ポリエステル系樹脂(A)、架橋剤(B)、加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤以外の成分が50重量%以下であり、
前記多価カルボン酸類が芳香族多価カルボン酸類を70モル%以上含み、
前記多価カルボン酸類がナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有しないことを特徴とする低誘電粘着剤組成物。 - 架橋剤(B)がポリイソシアネート系化合物(b1)であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物。
- 架橋剤(B)がポリエポキシ系化合物(b2)であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物。
- 架橋剤(B)の含有量が、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、30重量部以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物。
- 多価カルボン酸類が、芳香族多価カルボン酸類を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物。
- 多価アルコール類が、ダイマージオール類を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物。
- ポリエステル系樹脂(A)の水酸基価が、1mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物。
- ポリエステル系樹脂(A)の酸価が、5mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の低誘電粘着剤組成物が架橋されたことを特徴とする粘着剤。
- 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含む、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下のポリエステル系樹脂及び架橋剤(B)を含有し、任意成分として加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤を含有する粘着剤組成物が架橋された粘着剤層であって、
前記ポリエステル系樹脂(A)、架橋剤(B)、加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤以外の成分が50重量%以下であり、
前記多価カルボン酸類がイソフタル酸類を70モル%以上含み、
温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.01以下であることを特徴とする粘着剤層。 - 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含む、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下のポリエステル系樹脂及び架橋剤(B)を含有し、任意成分として加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤を含有する粘着剤組成物が架橋された粘着剤層であって、
前記ポリエステル系樹脂(A)、架橋剤(B)、加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤以外の成分が50重量%以下であり、
前記多価カルボン酸類が芳香族多価カルボン酸類(ただし、多環式構造有する多価カルボン酸は除く)を70モル%以上含み、
かつ、前記ポリエステル系樹脂(A)の酸価が2mg・KOH/g以上であり、前記酸価がポリエステル系樹脂(A)の水酸基価と同じ又は多く、
温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.01以下であることを特徴とする粘着剤層。 - 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含む、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下のポリエステル系樹脂及び架橋剤(B)を含有し、任意成分として加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤を含有する粘着剤組成物が架橋された粘着剤層であって、
前記ポリエステル系樹脂(A)、架橋剤(B)、加水分解抑制剤、粘着付与樹脂、ウレタン化触媒、酸化防止剤以外の成分が50重量%以下であり、
前記多価カルボン酸類が芳香族多価カルボン酸類を70モル%以上含み、
前記多価カルボン酸類がナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有せず、
温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.01以下であることを特徴とする粘着剤層。
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