JP7173163B2 - 溶接構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、コンテナ船等において利用される溶接構造体に関する。
大量の貨物を搭載する大型のコンテナ船においては、アッパーデッキ(上甲板)に、貨物の積み下ろしを行うための大きな開口部(ハッチ)が形成されている。また、アッパーデッキ上には、海水の流入防止等のために、ハッチを囲むようにハッチサイドコーミングが設けられている。アッパーデッキおよびハッチサイドコーミングはそれぞれ、複数の鋼板を溶接して構成されている。また、ハッチサイドコーミングは、アッパーデッキ上に溶接されている。
上記のような大型のコンテナ船が海上を航行する際には、波浪によって、船体全体を曲げるような荷重(縦曲げ荷重)が船体に付加される。このような荷重に対して、船体の強度(縦曲げ強度)を十分に確保するために、アッパーデッキおよびハッチサイドコーミングには、高強度の厚肉鋼板が利用されている。
また、上述のように、ハッチサイドコーミングおよびアッパーデッキはそれぞれ、複数の鋼板を溶接した構成を有している。言い換えると、ハッチサイドコーミングおよびアッパーデッキには、鋼板同士を溶接するための複数の溶接部が形成されている。溶接部で発生したき裂は、溶接部に沿って伝播しやすい。このため、例えば、ハッチサイドコーミングの溶接部においてき裂が発生した場合、そのき裂が溶接部に沿ってアッパーデッキ側に向かって伝播し、伝播したき裂がアッパーデッキの溶接部に進展する場合がある。したがって、船体の強度を十分に向上させるためには、ハッチサイドコーミングおよびアッパーデッキが、上記のようなき裂の進展を停止させることができる特性(脆性き裂伝播停止特性)を有する必要がある。
例えば、特許文献1および2には、脆性き裂伝播停止特性に関する溶接構造体が開示されている。
特開2007-326147号公報 特許第5365761号
ところで、ハッチサイドコーミングで発生し、アッパーデッキ側に向かって伝播したき裂の進展を停止させるためには、これらの部材として、例えば、脆性き裂伝播停止特性の指標である-10℃におけるKca値が6000N/mm1.5以上の厚肉鋼板を用いる必要があることが知られている。
また、上述の例だけでなく、き裂がアッパーデッキから発生しハッチサイドコーミング側に向かって伝播する可能性もある。そして、日本海事協会と日本溶接協会との共同研究にて実施された実証試験結果によれば、アッパーデッキで発生し、ハッチサイドコーミング側に向かって伝播するき裂の進展を停止させるためには、8000N/mm1.5以上という極めて高いKca値を有する厚肉鋼板を用いる必要があることが分かってきた。
しかしながら、このような高い脆性き裂伝播停止特性を有する厚肉鋼板を安定的に製造することは、技術的な面からもコスト的な面からも困難であるという問題がある。そのため、より合理的な手法により低コストで優れた脆性き裂伝播停止特性を有する溶接構造体を得る必要がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、脆性き裂伝播停止特性に優れた溶接構造体を提供することを目的とする。
本発明は、下記の溶接構造体を要旨とする。
(1)板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に両側部分溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体であって、
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記接合部材の板厚t(mm)が、下記(i)式を満足し、
前記第1表面側に形成された第1溶接部の第1熱影響部の最頂点と前記第1表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h(mm)とし、前記第2表面側に形成された第2溶接部の第2熱影響部の最頂点と前記第2表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h(mm)とした時に、
前記接合部材の、前記第1表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記第2表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記距離hが2mmを超える場合には、前記第1表面から前記板厚方向にh(mm)の深さ位置、および前記距離hが2mmを超える場合には、前記第2表面から前記板厚方向にh(mm)の深さ位置における金属組織が、
面積%で、ベイナイト:70~95%、およびフェライト:5~30%を含有し、かつ、
平均結晶粒径が12.0μm以下である、
溶接構造体。
t≧50.0 ・・・(i)
(2)前記接合部材の板厚t(mm)、前記距離h(mm)および前記距離h(mm)が、下記(ii)式および(iii)式を満足する、
上記(1)に記載の溶接構造体。
≦t/4 ・・・(ii)
≦t/4 ・・・(iii)
(3)前記第1表面および前記被接合面に垂直な断面において、
前記第1溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第1表面との距離s(mm)、ならびに、前記第2溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第2表面との距離s(mm)が、下記(iv)~(ix)式を満足する、
上記(1)または(2)に記載の溶接構造体。
45.0≦α≦70.0 ・・・(iv)
45.0≦α≦70.0 ・・・(v)
・sec(α)・cos(α/2)≧0.35t ・・・(vi)
・sec(α)・cos(α/2)≧0.35t ・・・(vii)
≧d(sec(α)-1) ・・・(viii)
≧d(sec(α)-1) ・・・(ix)
(4)前記接合部材の化学組成が、質量%で、
C:0.030~0.100%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:1.40~2.50%、
P:0.015%以下、
S:0.0100%以下、
Nb:0.005~0.030%、
Ti:0.005~0.030%、
N:0.0005~0.0050%、
Al:0.001~0.080%、
Cu:0.10~0.50%、
Ni:0.15~2.00%、
Cr:0~0.50%、
Mo:0~0.50%、
V:0~0.100%、
B:0~0.0030%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
REM:0~0.0050%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(x)式で表わされるArが600~740である、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の溶接構造体。
Ar=940-310×C+40×Si-90×Mn-40×Cu-60×Ni-15×Cr-80×Mo ・・・(x)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
(5)前記接合部材の板厚t(mm)が下記(xi)式を満足する、
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の溶接構造体。
t>80.0 ・・・(xi)
(6)前記接合部材の降伏応力が400~580MPaであり、引張強さが510~750MPaである、
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の溶接構造体。
本発明によれば、脆性き裂伝播停止特性に優れた溶接構造体を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る溶接構造体を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る溶接構造体を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る溶接構造体を示す斜視図である。 溶接構造体の断面図である。 構造モデルアレスト試験体の形状を説明するための図である。
本発明者らが上記の課題を解決するために検討を行った結果、以下の知見を得るに至った。
上述のように、溶接構造体に用いられる部材の全厚にわたって脆性き裂伝播停止特性を向上させるためには、例えば、Kca値が8000N/mm1.5以上の厚肉鋼板を用いる必要がある。
しかしながら、例えば、アッパーデッキからハッチサイドコーミング側に向かってき裂が伝播する場合において、き裂の突入領域がハッチサイドコーミングに用いられる厚肉鋼板の表層領域のみに制限されるような構造にするとともに、厚肉鋼板の表層領域の脆性き裂伝播停止特性を向上させることができれば、き裂の進展を停止させることが可能になる。その結果、溶接構造体全体での脆性き裂伝播停止特性を低コストで向上させることが可能になる。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明の一実施形態に係る溶接構造体について説明する。
1.溶接構造体の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る溶接構造体を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る溶接構造体10は、接合部材11および被接合部材12を備えている。接合部材11は板状であり、板厚方向に垂直な第1表面11aおよび第2表面11bを有する。また、被接合部材12は板状であり、接合部材11の端面11cが当接される被接合面12aを有する。
そして、図1に示すように、溶接構造体10は、端面11cが被接合面12aに当接した状態で、接合部材11が被接合部材12に両側部分溶込み溶接されたT継手部を有する。なお、上記のT継手部を有する溶接構造体には、図1に示すようなT字状の構造体に加えて、例えば、図2および3に示す形状の構造体も含まれる。
また、接合部材11と被接合部材12とは、隅肉溶接によって接合されていてもよいが、接合強度の観点からは、接合部材11に開先を設け、開先溶接によって接合されていることが好ましい。
本発明においては、厚肉の接合部材を対象としており、具体的には、接合部材11の板厚をt(mm)とした場合に、下記(i)式を満足する。接合部材11の板厚t(mm)は、下記(xi)式を満足するのが好ましい。tの上限は特に規定する必要はないが、例えば200mm、150mm、または120mmとすることができる。
t≧50.0 ・・・(i)
t>80.0 ・・・(xi)
なお、被接合部材の板厚については特に制限はないが、接合部材と同様に、50.0mm以上であることが好ましく、80.0mm超であることがより好ましい。
また、図1に示すように、溶接構造体10は、第1表面11a側に形成された第1溶接部13aおよび第2表面11b側に形成された第2溶接部13bを有する。
接合部材11および被接合部材12の接合箇所付近について、図4を用いてさらに詳しく説明する。図4は、溶接構造体10の、第1表面11aおよび被接合面12aに垂直な断面図である。図4においては、図面が煩雑になることを避けるため、ハッチングは付していない。
図1および図4に示すように、接合部材11および被接合部材12の接合箇所の第1表面11a側には、第1溶接金属14aが形成されている。そして、第1溶接金属14aと接合部材11および被接合部材12との境界部には、第1熱影響部15aが形成されている。同様に、第2表面11b側には、第2溶接金属14bが形成されており、第2溶接金属14bと接合部材11および被接合部材12との境界部には、第2熱影響部15bが形成されている。
本願明細書において、溶接部とは、溶接金属と熱影響部とを合わせた部分を意味する。すなわち、第1溶接金属14aと第1熱影響部15aとを合わせた領域が第1溶接部13aであり、第2溶接金属14bと第2熱影響部15bとを合わせた領域が第2溶接部13bである。
ここで、被接合部材12から発生し、接合部材11に伝播するき裂の突入領域を接合部材11の表層側のみに制限するためには、第1表面11aから第1溶接部13aの最頂点までの深さ、および第2表面11bから第2溶接部13bの最頂点までの深さを制御する必要がある。
第1溶接部13aの第1熱影響部15aの最頂点と第1表面11aとの接合部材11の板厚方向の距離h(mm)および第2溶接部13bの第2熱影響部15bの最頂点と第2表面11bとの板厚方向の距離h(mm)は、下記(ii)式および(iii)式を満足することが好ましい。
≦t/4 ・・・(ii)
≦t/4 ・・・(iii)
距離hおよび距離hの下限については特に制限する必要はないが、接合部材11と被接合部材12とが隅肉溶接によって接合されている場合であっても、1mm程度の深さまで熱影響部が形成される。そのため、1mmが距離hおよび距離hの実質的な下限となる。
なお、第1熱影響部15aの最頂点とは、第1熱影響部15aの板厚方向における先端を意味し、同様に第2熱影響部15bの最頂点とは、第2熱影響部15bの板厚方向における先端を意味する。また、図4に示すように、距離hは、第1表面11aと、第1表面11aと平行でかつ第1熱影響部15aの板厚方向における先端を通る仮想的な面11dとの距離であり、距離hは、第2表面11bと、第2表面11bと平行でかつ第2熱影響部15bの板厚方向における先端を通る仮想的な面11eとの距離である。
また、図4に示すように、第1溶接部13aにおける、接合部材11側の止端とルートとを通る線Lと被接合面12aとがなす鋭角α(°)および第2溶接部13bにおける、接合部材11側の止端とルートとを通る線Lと被接合面12aとがなす鋭角α(°)は、それぞれ下記(iv)式および(v)式を満足することが好ましい。
45.0≦α≦70.0 ・・・(iv)
45.0≦α≦70.0 ・・・(v)
第1溶接部13aにおける接合部材11側の止端とは、第1溶接金属14aの外縁と第1表面11aとの交点Aを意味する。また、第1溶接部13aにおける接合部材11側のルートとは、第1溶接金属14aの外縁と端面11cとの交点Bを意味する。同様に、第2溶接部13bにおける接合部材11側の止端とは、第2溶接金属14bの外縁と第2表面11bとの交点Aを意味し、第2溶接部13bにおける接合部材11側のルートとは、第2溶接金属14bの外縁と端面11cとの交点Bを意味する。
さらに、第1溶接部13aの板厚方向における継手の部分溶込みd(mm)および第2溶接部13bの板厚方向における継手の部分溶込みd(mm)は、それぞれ下記(vi)式および(vii)式を満足することが好ましい。ここで、下記(vi)式および(vii)式の左辺で計算される値は、それぞれ有効のど厚Td(mm)およびTd(mm)を表している。
・sec(α)・cos(α/2)≧0.35t ・・・(vi)
・sec(α)・cos(α/2)≧0.35t ・・・(vii)
継手の部分溶込みdは、第1表面11aと、第1表面11aと平行でかつ接合部材11の板厚方向における第1溶接金属14aの板厚中心側の端部を通る仮想的な面11fとの距離である。また、継手の部分溶込みdは、第2表面11bと、第2表面11bと平行でかつ接合部材11の板厚方向における第2溶接金属14bの板厚中心側の端部を通る仮想的な面11gとの距離である。
また、第1溶接部13aの板厚方向における、被接合部材12側の止端と第1表面11aとの距離s(mm)および第2溶接部13bにおける、被接合部材12側の止端と第2表面11bとの距離s(mm)は、それぞれ下記(viii)式および(ix)式を満足することが好ましい。
≧d(sec(α)-1) ・・・(viii)
≧d(sec(α)-1) ・・・(ix)
距離sおよび距離sは、それぞれ第1溶接部13aおよび第2溶接部13bの板厚方向における溶接脚長である。具体的には、距離sは、第1表面11aと、第1表面11aと平行でかつ接合部材11の板厚方向における第1溶接金属14aの板厚中心と逆側の端部を通る仮想的な面11hとの距離である。また、距離sは、第2表面11bと、第2表面11bと平行でかつ接合部材11の板厚方向における第2溶接金属14bの板厚中心と逆側の端部を通る仮想的な面11iとの距離である。
なお、第1溶接金属14aおよび第2溶接金属14bと接合部材11との境界は、目視により容易に判別することが可能である。また、第1熱影響部15aおよび第2熱影響部15bの先端位置についても、ナイタール腐食により現出させることで容易に判別することが可能である。
上記(iv)~(ix)式を満足しない場合であっても、脆性き裂伝播停止特性を向上させることは可能であるが、より高い継手強度を確保する観点から、上記(iv)~(ix)式を満足することが好ましい。
2.接合部材の金属組織
上述のように、接合部材の全厚にわたって脆性き裂伝播停止特性を向上させるためには、例えば、Kca値が8000N/mm1.5以上の鋼板を接合部材として用いる必要があり、そのような特性を有する鋼板の確保が困難であるという問題がある。しかしながら、少なくとも接合部材のき裂が突入する領域の脆性き裂伝播停止特性を向上させれば、き裂の進展を停止することが可能になる。
すなわち、接合部材の、表面近傍から溶接部の最頂点までの深さ位置における金属組織を制御することによって、き裂の進展を停止することが可能になる。但し、表面から板厚方向に2mm未満の領域については、脆性き裂伝播停止特性に特に寄与しないため考慮する必要はない。
具体的には、第1表面11aから板厚方向に2mmの深さ位置および第2表面11bから板厚方向に2mmの深さ位置において、以下に示す金属組織を有する必要がある。さらに、距離hが2mmを超える場合には、第1表面11aから板厚方向にh(mm)の深さ位置、また、距離hが2mmを超える場合には、第2表面11bから板厚方向にh(mm)の深さ位置においても、以下に示す金属組織を有する必要がある。
言い換えれば、距離hが2mm以下であり、かつ距離hが2mm以下である場合には、第1表面11aから板厚方向に2mmの深さ位置および第2表面11bから板厚方向に2mmの深さ位置においてのみ、以下に示す金属組織を有していればよい。なお、以下の説明において「%」は、「面積%」を意味する。
ベイナイト:70~95%
フェライト:5~30%
上記の深さ位置においてベイナイトを主相とする理由は、接合部材の強度を確保するためである。フェライトが主相では、高い強度を確保することが困難である。ただし、全てがベイナイトでは、靭性が大きく劣化してしまうため、第二相としてフェライトを含有することで靭性の劣化を抑制している。
上記の深さ位置における金属組織として、ベイナイトおよびフェライトが上記の面積率を有するものであれば、そのほかに、例えば、パーライトおよび/または島状マルテンサイト(MA:Martensite-Austenite-Constituent)を含んでもよい。ただし、パーライトは強度確保の観点から5%以下、島状マルテンサイトは靭性確保の観点から5%以下であることが好ましい。
平均結晶粒径:12.0μm以下
被接合部材からのき裂の突入部分である上記の深さ位置において、細粒な組織とすることによって、き裂の進展を停止することが可能になる。ここで、本発明においては、結晶方位差が15°以上の境界を結晶粒界と定義し、当該結晶粒界によって囲まれた領域の円相当直径を結晶粒径と定義する。
なお、接合部材の板厚中心部における金属組織については特に制限はない。例えば、表面側と同様に、ベイナイト:70~95%、フェライト:5~30%、パーライト:5%以下、およびMA:5%以下を含有する組織としてもよい。また、平均粒径についても特に制限はないが、板厚中心部まで細粒化するのは技術的に困難であり、コスト増を招くおそれがある。そのため、接合部材の板厚中心部における平均結晶粒径は12.0μm超であることが好ましい。一方、板厚中心部の平均粒径が大きすぎると、脆性破壊発生特性が大きく低下してしまうため、板厚中心部の平均粒径の好ましい上限は40.0μmである。
本発明において、各組織の面積率および平均結晶粒径は、以下の要領で測定する。まず、走査型電子顕微鏡に取り付けた結晶方位測定装置(TSL社OIM)を使用し、EBSP(Electron Back Scattering Pattern)法により、接合部材の所定の深さ位置における500μm×500μmの領域を0.5μmピッチで測定する。
そして、隣接粒との結晶方位差が15°以上の境界を結晶粒界と定義して結晶粒内における隣接測定点間のミスオリエンテーションの平均値であるGAM(Grain Average Misorientation)値を求める。本発明においては、GAM値が1°以下の結晶粒をフェライト相と定義し、それぞれの位置のフェライト相の面積率の平均値を求める。そして、隣接粒との結晶方位差が15°以上の粒界マップを作成し、そのときの結晶粒の円相当径を画像解析によって求める。
次いで、鋼板サンプルにナイタール腐食を施し、光学顕微鏡により各深さ位置を500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、黒色で視認される塊状の領域をパーライト相と定義し、画像解析によりそれぞれの位置で測定した全視野領域に対するパーライト相の面積率の平均値を求める。
次いで、鋼板サンプルにレペラ腐食を施し、光学顕微鏡により各深さ位置を500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、白色で視認される領域を島状マルテンサイト相と定義し、画像解析によりそれぞれの位置で測定した全視野領域に対する島状マルテンサイト相の面積率の平均値を求める。以上のようにフェライト相、パーライト相、島状マルテンサイト相の面積率を求め、それらの合計を100%から差し引いた数値をベイナイト相の面積率とする。
3.接合部材の化学組成
本発明の溶接構造体に用いられる接合部材の化学組成については特に限定されないが、優れた脆性き裂伝播停止特性を発揮するためには、以下に示す化学組成を有することが好ましい。各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.030~0.100%
Cは、焼入れ性向上により鋼板の強度と靭性を確保する作用を有する元素である。この効果を得るため、C含有量を0.030%以上とするのが好ましい。一方、C含有量が0.100%を超えると溶接性および継手靭性(HAZ靭性)が低下するおそれがある。そのため、C含有量は0.030~0.100%とするのが好ましい。C含有量は0.060%以上であるのがより好ましく、0.090%以下であるのがより好ましい。
Si:0.01~0.30%
Siは、脱酸元素および強化元素として有効な元素である。この効果を得るため、Si含有量を0.01%以上とするのが好ましい。一方、Si含有量が0.30%を超えると継手靭性が低下し、また、Ar点が過剰に上昇するおそれがある。そのため、Si含有量は0.01~0.30%とするのが好ましい。Si含有量は0.10%以下であるのがより好ましい。
Mn:1.40~2.50%
Mnは鋼板の強度を確保し、また、Ar点を低下させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Mn含有量を1.40%以上とするのが好ましい。一方、Mn含有量が2.50%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Mn含有量は1.40~2.50%とするのが好ましい。Mn含有量は1.50%以上であるのがより好ましく、2.00%以下であるのがより好ましい。
P:0.015%以下
Pは、不純物元素であり、溶接性および継手靭性を低下させるため、その含有量を0.015%以下に低減するのが好ましい。P含有量は0.010%以下であるのがより好ましい。
S:0.0100%以下
Sは、不純物元素であり、MnS生成による靭性の低下、溶接性の低下を招くため、その含有量を0.0100%以下に低減するのが好ましい。S含有量は0.0050%以下であるのがより好ましい。
Nb:0.005~0.030%
Nbは、再結晶温度を抑制し、組織細粒化へ寄与し、鋼板の強度を上昇させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Nb含有量を0.005%以上とするのが好ましい。一方、Nb含有量が0.030%を超えると溶接性が低下するおそれがある。そのため、Nb含有量は0.005~0.030%とするのが好ましい。Nb含有量は0.008%以上であるのがより好ましく、0.015%以下であるのがより好ましい。
Ti:0.005~0.030%
Tiは、TiNを形成し、TiNを微細分散にさせることより鋼板の靭性と継手靭性を向上させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Ti含有量を0.005%以上とするのが好ましい。一方、Ti含有量が0.030%を超えると鋼板の靭性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Ti含有量は0.005~0.030%とするのが好ましい。Ti含有量は0.008%以上であるのがより好ましく、0.015%以下であるのがより好ましい。
N:0.0005~0.0050%
Nは、鋼材中にTiNを形成させることより鋼板の靭性および継手靭性を向上させる作用を有する元素である。この効果を得るため、N含有量を0.0005%以上とするのが好ましい。一方、スラブ疵の抑制のため、N含有量を0.0050%以下とするのが好ましい。N含有量は0.0020%以上であるのがより好ましく、0.0040%以下であるのがより好ましい。
Al:0.001~0.080%
Alは、脱酸を担い、不純物元素であるOを低減する作用を有する元素である。また、鋼中のフリーNをAlNとし無害化する。この効果を得るため、Al含有量を0.001%以上とするのが好ましい。一方、Al含有量が0.080%を超えると、継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Al含有量は0.001~0.080%とするのが好ましい。Al含有量は0.010%以上であるのがより好ましく、0.040%以下であるのがより好ましい。
Cu:0.10~0.50%
Cuは、強度を向上させ、また、Ar点を低下させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Cu含有量を0.10%以上とするのが好ましい。一方、Cu含有量が0.50%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Cu含有量は0.10~0.50%とするのが好ましい。Cu含有量は0.20%以上であるのがより好ましい。
Ni:0.15~2.00%
Niは、強度を向上させ、また、Ar点を低下させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Ni含有量を0.15%以上とするのが好ましい。一方、Ni含有量が2.00%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。また、Niは高価であり過剰な添加はコスト高を招く。そのため、Ni含有量は0.15~2.00%とするのが好ましい。Ni含有量は0.30%以上であるのがより好ましく、1.00%以下であるのがより好ましい。
Cr:0~0.50%
Crは、鋼板の強度を上昇させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.50%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Cr含有量は0.50%以下であるのが好ましく、0.20%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、Cr含有量は0.10%以上であるのが好ましい。
Mo:0~0.50%
Moは、Bとの複合効果により焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を上昇させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.50%を超えると鋼板の靭性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Mo含有量は0.50%以下であるのが好ましく、0.40%以下であるのがより好ましく、0.30%以下であるのがさらに好ましく、0.25%以下であるのが特に好ましい。上記の効果を得たい場合には、Mo含有量は0.03%以上であるのが好ましく、0.05%以上であるのがより好ましく、0.08%以上であるのがさらに好ましい。
V:0~0.100%
Vは、析出強化による強度上昇の効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.100%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、V含有量は0.100%以下であるのが好ましく、0.050%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、V含有量は0.020%以上であるのが好ましい。
B:0~0.0030%
Bは、焼入れ性向上により鋼板の強度を上昇させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0030%を超えると靭性および溶接性が低下するおそれがある。そのため、B含有量は0.0030%以下であるのが好ましく、0.0020%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、B含有量は0.0005%以上であるのが好ましく、0.0010%以上であるのがより好ましい。
Ca:0~0.0050%
Caは、継手靭性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0050%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Ca含有量は0.0050%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、Ca含有量は0.0003%以上であるのが好ましい。
Mg:0~0.0050%
Mgは、MgSを形成し、母材組織の細粒化および継手靭性の向上に寄与するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0050%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Mg含有量は0.0050%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、Mg含有量は0.0003%以上であるのが好ましい。
REM:0~0.0050%
REM(希土類元素)は、継手靭性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0050%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、REM含有量は0.0050%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、REM含有量は0.0003%以上であるのが好ましい。
ここで、本発明において、REMはSc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、前記REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を意味する。なお、ランタノイドは、工業的には、ミッシュメタルの形で添加される。
上記の接合部材の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、鋼板を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本発明の接合部材においては、上述した金属組織を得るため、後述するように、可能な限り低温圧延を実施する。その際、特に表層部近傍の圧延時の温度がAr点を大幅に下回っている場合、圧延中にフェライトが生成し、粗大な加工フェライトを生成してしまう。
そのため、接合部材の化学組成においては、下記(x)式で表わされるAr点(℃)が600~740℃となるように、成分を調整することが好ましい。
Ar=940-310×C+40×Si-90×Mn-40×Cu-60×Ni-15×Cr-80×Mo ・・・(x)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
Ar点が600℃未満では焼き入れ性が過剰となり、強度オーバーとなって靭性が劣化するおそれがある。特に、接合部材の板厚中心部での靭性が劣化しやすくなる。一方、Ar点が740℃を超えると低温での圧延時に接合部材の表層部が二相域圧延となり、粗大な加工フェライトが生成し、脆性き裂伝播停止特性が劣化するおそれがある。Ar点は650℃以上であるのがより好ましい。また、Ar点は720℃以下であるのがより好ましく、700℃以下であるのがさらに好ましい。
4.接合部材の機械的特性
本発明の溶接構造体に用いられる接合部材の機械的特性についても特に制限は設けない。しかし、溶接構造体をコンテナ船等において利用する場合においては、接合部材の降伏応力は400~580MPaであるのが好ましく、引張強さが510~750MPaであるのが好ましい。
5.接合部材の製造方法
接合部材の製造方法について、特に制限は設けないが、例えば以下に示す手順により、接合部材として用いられる鋼板を製造することができる。
まず、上記した適切な化学成分に調整した溶鋼を、転炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造等の通常公知の鋳造方法で鋼素材である鋼片とする。
(加熱温度)
まず、鋳造時の冷却途中または冷却後に鋼片を950~1100℃に加熱し、オーステナイト単相化する。加熱抽出温度が950℃未満ではオーステナイト化が不十分となり粗大組織を形成するおそれがある。一方、1100℃超ではオーステナイト粒が粗大化して、結晶粒径を微細化することができない場合がある。
(熱間圧延)
加熱抽出された鋼片に熱間圧延を行い、仕上げ圧延における圧下率を50%以上として、板厚が例えば80~100mmの鋼板を製造する。この時、表面における仕上げ圧延の開始温度をAr点~740℃とする。なお、仕上げ圧延とは、仕上げ圧延機で行う圧延工程であり、仕上げ圧延の前に粗圧延を行い、仕上げ圧延開始時の板厚を調整してもよい。また、圧下率とは、仕上げ圧延中の累積の圧下率を意味し、仕上げ圧延開始時の板厚をt、仕上げ圧延完了後の板厚(製品厚)をtとすると、(t-t)/t×100により計算することができる。
仕上げ圧延における圧下率が50%未満では、オーステナイト粒の延伸化が不十分であるため結晶粒微細化が不十分となる場合がある。圧下率は55%以上であるのが好ましく、60%以上であるのがより好ましい。圧下率の上限は特に限定されないが、圧下率が75%を超えると、圧延パス回数が増加し生産性が低下するため、圧下率は75%以下であることが好ましい。
また、表面における仕上げ圧延の開始温度がAr点未満では、表層部近傍に粗大かつ圧延方向に伸長した加工フェライトが生成し、脆性き裂伝播停止特性が低下するおそれがある。一方、740℃を超えると、オーステナイト粒界に形成されるレッジまたはオーステナイト中に導入される転位、変形帯が不十分となり、微細結晶粒の個数密度が低下し、脆性き裂伝播停止特性が劣化する場合がある。そのため、仕上げ圧延の開始時の表面温度はAr点~740℃とする。加工フェライトの生成を抑制する観点からは、仕上げ圧延の開始時の表面温度はAr点+30℃超であることが好ましい。また、仕上げ圧延の開始時の表面温度は720℃以下であるのが好ましい。
本発明では、鋼板の結晶粒径を微細化させるために、未再結晶温度域以下の可能な限りの低温で圧延を実施する。そのようにすることで、オーステナイトが未再結晶状態で延伸化し、フェライトの核生成サイトとなる旧オーステナイト粒界密度を増加させることができると同時に、オーステナイト粒界にレッジ(階段状の凹凸)を形成し活性化させフェライトを生成し易くする。
また、オーステナイト粒内にもフェライトの核生成サイトとなる転位、変形帯が導入される。これらのフェライトは、フェライトそのものが微細であり、さらにベイナイトを微細に分割することができるため、結晶粒径を微細化させることができる。その際、特に表層部近傍の圧延時の温度がAr点を下回っている場合、圧延中にフェライトが生成し、粗大な加工フェライトを生成してしまう。そのため、Ni、Mn等を含有させることでAr点を低下させて、粗大な加工フェライトの生成を抑制することが好ましい。
さらに、本発明では、接合部材の表面から溶接部の最頂点までの深さに応じて、鋼板の板厚内部の結晶粒径も微細化させる必要がある。表層~板厚の1/4の領域の位置の結晶粒径を微細にするため、板厚の1/4位置の仕上げ圧延開始温度を800℃以下とする。板厚の1/4位置の仕上げ圧延開始温度が800℃を超えると、当該部のオーステナイト粒界に形成されるレッジまたはオーステナイト中に導入される転位、変形帯が不十分となり結晶粒径が粗大化してしまう。板厚の1/4位置の好ましい仕上げ圧延開始温度は760℃以下である。下限はAr点であるが、通常、板厚の1/4位置の温度が表面温度を下回ることはなく、表面の温度をAr点以上に管理すれば問題はない。
なお、鋼板の表面の温度は、デスケーリング(スケール除去のために高圧水を鋼板に吹き付ける工程)で低下させることができるが、板厚内部における温度は、デスケーリングの影響は小さく、鋼片を加熱抽出してから圧延を開始するまでの時間経過に強く依存する。そのため、表面の温度および板厚内部の温度の両方を満たすために、デスケーリングおよび経過時間の両方を適正に管理した操業が必要である。
表面における仕上げ圧延の開始温度がAr点未満である場合、鋼板の表層部近傍が二相域圧延(α+γの二相が存在する温度域での圧延)となり、粗大な加工フェライト(圧延中生成したフェライト)が生成する。一方、仕上げ圧延の開始温度がAr点以上であると、粗大な加工フェライト生成を抑制でき、かつオーステナイト粒を延伸化することで、フェライトの核生成サイトとなるオーステナイト粒界密度を増加させ、オーステナイト粒内にもフェライト核生成サイトとなる転位および変形帯を十分導入した状態で、急冷(制御冷却プロセス(CLC:Continuous on Line Control Process)での水冷)ができるため、ベイナイトを主相とし、微細フェライトを分散させた組織を形成することができる。
(冷却)
熱間圧延の終了後、Ar点以上の表面温度で冷却を開始して、表面から深さ5mmの位置における冷却速度を25.0℃/s以上とし、400℃以下の表面温度で冷却を終了する。冷却の開始温度がAr点未満では、冷却開始前に粗大なフェライトが生成し、結晶粒径を微細化することができない。ベイナイトを微細化させるためには冷却速度を大きくしてできるだけ低温で変態させる必要があり、そのためには表面から深さ5mmの位置で25.0℃/s以上の冷却速度が必要である。また、十分なベイナイト組織を得るために、冷却停止温度を400℃以下とする。
(焼き戻し)
また、冷却後に400~600℃の温度で焼戻し熱処理を行い、鋼板の強度および靭性を調節することが望ましい。焼戻しの温度が600℃を超えると強度が低下する。一方、400℃未満ではひずみ除去による靭性改善が不十分である。
以上の製造方法を実施することにより、表層部近傍の結晶粒径を微細化した板厚の大きい高強度の鋼板を、低コストで製造することができる。こうして製造される鋼板は、降伏応力を400~580MPaとし、引張強さを510~750MPaとすることが可能となる。
6.溶接構造体の製造方法
溶接構造体の製造方法についても、特に制限は設けないが、例えば、上述の被接合部材の被接合面に接合部材の端面を突き合わせた状態で、端面に沿って溶接することで製造することができる。この際、接合部材の被接合部材側を開先加工しておくことが望ましい。開先加工は、接合部材の端面全体にわたって施してもよいが、被接合部材との接合箇所にのみ施してもよい。
また、溶接方法についても特に制限はなく、CO溶接または被覆アーク溶接(SMAW)等の公知の方法を採用すればよい。この際、熱影響部の幅(図4において、(h-d)および(h-d)で表わされる長さ)を小さくするためには、入熱量を0.5~3.0kJ/mmとすることが好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する鋼を溶製した後、連続鋳造によって鋼片を作製した。その後、この鋼片を950~1100℃に再加熱し、熱間圧延を施した後、冷却した。その後、焼き戻しの熱処理を行い、接合部材用の鋼板を製造した。表2に各鋼板の製造条件および板厚を示す。
Figure 0007173163000001
Figure 0007173163000002
得られた各鋼板の板厚の1/4位置から圧延方向に直角な方向にJIS Z 2241に記載の4号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行い、降伏応力(YS)、引張強さ(TS)および全伸び(EL)を測定した。その結果を表2に併せて示す。
その後、製造した鋼板を試験板(接合部材11)とし、図5に示す構造モデルアレスト試験体を作製して試験を実施した。板厚100mmの鋼板をCO溶接により接合した溶接継手を助走溶接継手(被接合部材12)とし、表3に示す条件でCO溶接または被覆アーク溶接(SMAW)により溶接構造体10を作製した。
Figure 0007173163000003
その後、溶接構造体10のフュージョンライン部16aにノッチ16bを導入した。そして、溶接構造体10を船舶設計温度である-10℃に冷却し、EH40の設計応力に相当する257MPaの試験応力を負荷し、ノッチ部近傍だけを-50℃程度に急冷し、ノッチ部に楔を介して打撃を加えて脆性き裂を発生、伝播させた。
試験後の構造モデルアレスト試験体を使用し、試験体長手方向の中心位置から左右に250mm離れた位置において、接合部材と被接合部材との一方側(第1表面側)および他方側(第2表面側)の溶接部(第1溶接部および第2溶接部)の断面を切り出した。その後、研磨して、ナイタール腐食を施すことで溶接金属部と溶接熱影響部(溶接時にAc変態点以上に加熱された領域)を現出させた。これらの2カ所の溶接継手断面の写真をデジタルカメラによりそれぞれ撮影し、写真画像から溶接部形状を測定し、2カ所の測定結果の平均値を使用した。測定された溶接部の形状を表3に併せて示す。
さらに、上記の要領で切り出した溶接部断面について、接合部材の第1表面から板厚方向に2mmおよびh(mm)の深さ位置、第2表面から板厚方向に2mmおよびh(mm)の深さ位置、ならびに、板厚中心部における平均結晶粒径および各組織の相分率(面積%)を測定した。但し、試験No.6については、hおよびhが2mm以下であったため、接合部材の第1表面から板厚方向に2mmの深さ位置、第2表面から板厚方向に2mmの深さ位置、および、板厚中心部における平均結晶粒径および各組織の相分率(面積%)を測定した。
具体的には、各深さ位置から観察用試験片を切り出した後、EBSP法により500μm×500μmの領域を0.5μmピッチで測定した。そして、隣接粒との結晶方位差が15°以上の境界を結晶粒界と定義して結晶粒内における隣接測定点間のミスオリエンテーションの平均値であるGAM値を求め、GAM値が1°以下の結晶粒をフェライト相と定義し、それぞれの位置のフェライト相の面積率の平均値を求めた。また、隣接粒との結晶方位差が15°以上の粒界マップを作成し、そのときの結晶粒の円相当径を画像解析によって求めた。
さらに、各試験片にナイタール腐食を施し、光学顕微鏡により各深さ位置を500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、黒色で視認される塊状の領域をパーライト相と定義し、画像解析によりそれぞれの位置で測定した全視野領域に対するパーライト相の面積率の平均値を求めた。
次いで、各試験片にレペラ腐食を施し、光学顕微鏡により各深さ位置を500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、白色で視認される領域を島状マルテンサイト相と定義し、画像解析によりそれぞれの位置で測定した全視野領域に対する島状マルテンサイト相の面積率の平均値を求めた。以上のようにフェライト相、パーライト相、島状マルテンサイト相の面積率を求め、それらの合計を100%から差し引いた数値をベイナイト相の面積率とした。
各深さ位置における平均結晶粒径および各組織の相分率(面積%)を表4に示す。また、上記の構造モデルアレスト試験体を用いた試験の結果を表4に併せて示す。脆性き裂が試験板で停止した場合は停止、試験板を破断した場合は破断と判定した。
Figure 0007173163000004
表4から明らかなように、本発明の規定を満足する接合部材を用いた場合には、優れた脆性き裂伝播停止特性を得られたのに対して、本発明の規定を満足しない比較例の接合部材を用いた場合には、脆性き裂が接合部材まで伝播する結果となった。
また、試験No.1、2および5では、(iv)~(ix)式をさらに満足するため、継手強度が高くさらに良好な結果となった。
以上のように、本発明によれば、脆性き裂伝播停止特性に優れた溶接構造体を得ることができる。
10 溶接構造体
11 接合部材
11a 第1表面
11b 第2表面
11c 端面
11d~i 仮想的な面
12 被接合部材
12a 被接合面
13a 第1溶接部
13b 第2溶接部
14a 第1溶接金属
14b 第2溶接金属
15a 第1熱影響部
15b 第2熱影響部
16a フュージョンライン部
16b ノッチ

Claims (6)

  1. 板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に両側部分溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体であって、
    前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
    前記接合部材の板厚t(mm)が、下記(i)式を満足し、
    前記第1表面側に形成された第1溶接部の第1熱影響部の最頂点と前記第1表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h(mm)とし、前記第2表面側に形成された第2溶接部の第2熱影響部の最頂点と前記第2表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h(mm)とした時に、
    前記接合部材の、前記第1表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記第2表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記距離hが2mmを超える場合には、前記第1表面から前記板厚方向にh(mm)の深さ位置、および前記距離hが2mmを超える場合には、前記第2表面から前記板厚方向にh(mm)の深さ位置における金属組織が、
    面積%で、ベイナイト:70~95%、およびフェライト:5~30%を含有し、かつ、
    平均結晶粒径が12.0μm以下であ
    前記第1表面および前記被接合面に垂直な断面において、
    前記第1溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α (°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd (mm)および前記被接合部材側の止端と前記第1表面との距離s (mm)、ならびに、前記第2溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α (°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd (mm)および前記被接合部材側の止端と前記第2表面との距離s (mm)が、下記(iv)~(ix)式を満足する、
    溶接構造体。
    t≧50.0 ・・・(i)
    45.0≦α ≦70.0 ・・・(iv)
    45.0≦α ≦70.0 ・・・(v)
    ・sec(α )・cos(α /2)≧0.35t ・・・(vi)
    ・sec(α )・cos(α /2)≧0.35t ・・・(vii)
    ≧d (sec(α )-1) ・・・(viii)
    ≧d (sec(α )-1) ・・・(ix)
  2. 板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に両側部分溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体であって、
    前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
    前記接合部材の板厚t(mm)が、下記(i)式を満足し、
    前記第1表面側に形成された第1溶接部の第1熱影響部の最頂点と前記第1表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h (mm)とし、前記第2表面側に形成された第2溶接部の第2熱影響部の最頂点と前記第2表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h (mm)とした時に、
    前記接合部材の、前記第1表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記第2表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記距離h が2mmを超える場合には、前記第1表面から前記板厚方向にh (mm)の深さ位置、および前記距離h が2mmを超える場合には、前記第2表面から前記板厚方向にh (mm)の深さ位置における金属組織が、
    面積%で、ベイナイト:70~95%、およびフェライト:5~30%を含有し、かつ、
    平均結晶粒径が12.0μm以下であり、
    前記接合部材の化学組成が、質量%で、
    C:0.030~0.100%、
    Si:0.01~0.30%、
    Mn:1.40~2.50%、
    P:0.015%以下、
    S:0.0100%以下、
    Nb:0.005~0.030%、
    Ti:0.005~0.030%、
    N:0.0005~0.0050%、
    Al:0.001~0.080%、
    Cu:0.10~0.50%、
    Ni:0.15~2.00%、
    Cr:0~0.50%、
    Mo:0~0.50%、
    V:0~0.100%、
    B:0~0.0030%、
    Ca:0~0.0050%、
    Mg:0~0.0050%、
    REM:0~0.0050%、
    残部:Feおよび不純物であり、
    下記(x)式で表わされるArが600~740である
    接構造体。
    Ar=940-310×C+40×Si-90×Mn-40×Cu-60×Ni-15×Cr-80×Mo ・・・(x)
    但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
    t≧50.0 ・・・(i)
  3. 前記第1表面および前記被接合面に垂直な断面において、
    前記第1溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第1表面との距離s(mm)、ならびに、前記第2溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第2表面との距離s(mm)が、下記(iv)~(ix)式を満足する
    求項2に記載の溶接構造体。
    45.0≦α≦70.0 ・・・(iv)
    45.0≦α≦70.0 ・・・(v)
    ・sec(α)・cos(α/2)≧0.35t ・・・(vi)
    ・sec(α)・cos(α/2)≧0.35t ・・・(vii)
    ≧d(sec(α)-1) ・・・(viii)
    ≧d(sec(α)-1) ・・・(ix)
  4. 前記接合部材の板厚t(mm)、前記距離h(mm)および前記距離h(mm)が、下記(ii)式および(iii)式を満足する、
    請求項1から請求項3までのいずれかに記載の溶接構造体。
    ≦t/4 ・・・(ii)
    ≦t/4 ・・・(iii)
  5. 前記接合部材の板厚t(mm)が下記(xi)式を満足する、
    請求項1から請求項4までのいずれかに記載の溶接構造体。
    t>80.0 ・・・(xi)
  6. 前記接合部材の降伏応力が400~580MPaであり、引張強さが510~750MPaである、
    請求項1から請求項5までのいずれかに記載の溶接構造体。
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