JPWO2020136776A1 - 溶接構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記接合部材の板厚t(mm)が、下記(i)式を満足し、
前記第1表面側に形成された第1溶接部の第1熱影響部の最頂点と前記第1表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h1(mm)とし、前記第2表面側に形成された第2溶接部の第2熱影響部の最頂点と前記第2表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h2(mm)とした時に、
前記接合部材の、前記第1表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記第2表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記距離h1が2mmを超える場合には、前記第1表面から前記板厚方向にh1(mm)の深さ位置、および前記距離h2が2mmを超える場合には、前記第2表面から前記板厚方向にh2(mm)の深さ位置における金属組織が、
面積%で、ベイナイト:70〜95%、およびフェライト:5〜30%を含有し、かつ、
平均結晶粒径が12.0μm以下である、
溶接構造体。
t≧50.0 ・・・(i)
上記(1)に記載の溶接構造体。
h1≦t/4 ・・・(ii)
h2≦t/4 ・・・(iii)
前記第1溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α1(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd1(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第1表面との距離s1(mm)、ならびに、前記第2溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α2(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd2(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第2表面との距離s2(mm)が、下記(iv)〜(ix)式を満足する、
上記(1)または(2)に記載の溶接構造体。
45.0≦α1≦70.0 ・・・(iv)
45.0≦α2≦70.0 ・・・(v)
d1・sec(α1)・cos(α1/2)≧0.35t ・・・(vi)
d2・sec(α2)・cos(α2/2)≧0.35t ・・・(vii)
s1≧d1(sec(α1)−1) ・・・(viii)
s2≧d2(sec(α2)−1) ・・・(ix)
C:0.030〜0.100%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:1.40〜2.50%、
P:0.015%以下、
S:0.0100%以下、
Nb:0.005〜0.030%、
Ti:0.005〜0.030%、
N:0.0005〜0.0050%、
Al:0.001〜0.080%、
Cu:0.10〜0.50%、
Ni:0.15〜2.00%、
Cr:0〜0.50%、
Mo:0〜0.50%、
V:0〜0.100%、
B:0〜0.0030%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
REM:0〜0.0050%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(x)式で表わされるAr3が600〜740である、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の溶接構造体。
Ar3=940−310×C+40×Si−90×Mn−40×Cu−60×Ni−15×Cr−80×Mo ・・・(x)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の溶接構造体。
t>80.0 ・・・(xi)
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の溶接構造体。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶接構造体を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る溶接構造体10は、接合部材11および被接合部材12を備えている。接合部材11は板状であり、板厚方向に垂直な第1表面11aおよび第2表面11bを有する。また、被接合部材12は板状であり、接合部材11の端面11cが当接される被接合面12aを有する。
t≧50.0 ・・・(i)
t>80.0 ・・・(xi)
h1≦t/4 ・・・(ii)
h2≦t/4 ・・・(iii)
45.0≦α1≦70.0 ・・・(iv)
45.0≦α2≦70.0 ・・・(v)
d1・sec(α1)・cos(α1/2)≧0.35t ・・・(vi)
d2・sec(α2)・cos(α2/2)≧0.35t ・・・(vii)
s1≧d1(sec(α1)−1) ・・・(viii)
s2≧d2(sec(α2)−1) ・・・(ix)
上述のように、接合部材の全厚にわたって脆性き裂伝播停止特性を向上させるためには、例えば、Kca値が8000N/mm1.5以上の鋼板を接合部材として用いる必要があり、そのような特性を有する鋼板の確保が困難であるという問題がある。しかしながら、少なくとも接合部材のき裂が突入する領域の脆性き裂伝播停止特性を向上させれば、き裂の進展を停止することが可能になる。
フェライト:5〜30%
上記の深さ位置においてベイナイトを主相とする理由は、接合部材の強度を確保するためである。フェライトが主相では、高い強度を確保することが困難である。ただし、全てがベイナイトでは、靭性が大きく劣化してしまうため、第二相としてフェライトを含有することで靭性の劣化を抑制している。
被接合部材からのき裂の突入部分である上記の深さ位置において、細粒な組織とすることによって、き裂の進展を停止することが可能になる。ここで、本発明においては、結晶方位差が15°以上の境界を結晶粒界と定義し、当該結晶粒界によって囲まれた領域の円相当直径を結晶粒径と定義する。
本発明の溶接構造体に用いられる接合部材の化学組成については特に限定されないが、優れた脆性き裂伝播停止特性を発揮するためには、以下に示す化学組成を有することが好ましい。各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、焼入れ性向上により鋼板の強度と靭性を確保する作用を有する元素である。この効果を得るため、C含有量を0.030%以上とするのが好ましい。一方、C含有量が0.100%を超えると溶接性および継手靭性(HAZ靭性)が低下するおそれがある。そのため、C含有量は0.030〜0.100%とするのが好ましい。C含有量は0.060%以上であるのがより好ましく、0.090%以下であるのがより好ましい。
Siは、脱酸元素および強化元素として有効な元素である。この効果を得るため、Si含有量を0.01%以上とするのが好ましい。一方、Si含有量が0.30%を超えると継手靭性が低下し、また、Ar3点が過剰に上昇するおそれがある。そのため、Si含有量は0.01〜0.30%とするのが好ましい。Si含有量は0.10%以下であるのがより好ましい。
Mnは鋼板の強度を確保し、また、Ar3点を低下させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Mn含有量を1.40%以上とするのが好ましい。一方、Mn含有量が2.50%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Mn含有量は1.40〜2.50%とするのが好ましい。Mn含有量は1.50%以上であるのがより好ましく、2.00%以下であるのがより好ましい。
Pは、不純物元素であり、溶接性および継手靭性を低下させるため、その含有量を0.015%以下に低減するのが好ましい。P含有量は0.010%以下であるのがより好ましい。
Sは、不純物元素であり、MnS生成による靭性の低下、溶接性の低下を招くため、その含有量を0.0100%以下に低減するのが好ましい。S含有量は0.0050%以下であるのがより好ましい。
Nbは、再結晶温度を抑制し、組織細粒化へ寄与し、鋼板の強度を上昇させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Nb含有量を0.005%以上とするのが好ましい。一方、Nb含有量が0.030%を超えると溶接性が低下するおそれがある。そのため、Nb含有量は0.005〜0.030%とするのが好ましい。Nb含有量は0.008%以上であるのがより好ましく、0.015%以下であるのがより好ましい。
Tiは、TiNを形成し、TiNを微細分散にさせることより鋼板の靭性と継手靭性を向上させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Ti含有量を0.005%以上とするのが好ましい。一方、Ti含有量が0.030%を超えると鋼板の靭性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Ti含有量は0.005〜0.030%とするのが好ましい。Ti含有量は0.008%以上であるのがより好ましく、0.015%以下であるのがより好ましい。
Nは、鋼材中にTiNを形成させることより鋼板の靭性および継手靭性を向上させる作用を有する元素である。この効果を得るため、N含有量を0.0005%以上とするのが好ましい。一方、スラブ疵の抑制のため、N含有量を0.0050%以下とするのが好ましい。N含有量は0.0020%以上であるのがより好ましく、0.0040%以下であるのがより好ましい。
Alは、脱酸を担い、不純物元素であるOを低減する作用を有する元素である。また、鋼中のフリーNをAlNとし無害化する。この効果を得るため、Al含有量を0.001%以上とするのが好ましい。一方、Al含有量が0.080%を超えると、継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Al含有量は0.001〜0.080%とするのが好ましい。Al含有量は0.010%以上であるのがより好ましく、0.040%以下であるのがより好ましい。
Cuは、強度を向上させ、また、Ar3点を低下させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Cu含有量を0.10%以上とするのが好ましい。一方、Cu含有量が0.50%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Cu含有量は0.10〜0.50%とするのが好ましい。Cu含有量は0.20%以上であるのがより好ましい。
Niは、強度を向上させ、また、Ar3点を低下させる作用を有する元素である。この効果を得るため、Ni含有量を0.15%以上とするのが好ましい。一方、Ni含有量が2.00%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。また、Niは高価であり過剰な添加はコスト高を招く。そのため、Ni含有量は0.15〜2.00%とするのが好ましい。Ni含有量は0.30%以上であるのがより好ましく、1.00%以下であるのがより好ましい。
Crは、鋼板の強度を上昇させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.50%を超えると溶接性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Cr含有量は0.50%以下であるのが好ましく、0.20%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、Cr含有量は0.10%以上であるのが好ましい。
Moは、Bとの複合効果により焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を上昇させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.50%を超えると鋼板の靭性および継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Mo含有量は0.50%以下であるのが好ましく、0.40%以下であるのがより好ましく、0.30%以下であるのがさらに好ましく、0.25%以下であるのが特に好ましい。上記の効果を得たい場合には、Mo含有量は0.03%以上であるのが好ましく、0.05%以上であるのがより好ましく、0.08%以上であるのがさらに好ましい。
Vは、析出強化による強度上昇の効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.100%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、V含有量は0.100%以下であるのが好ましく、0.050%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、V含有量は0.020%以上であるのが好ましい。
Bは、焼入れ性向上により鋼板の強度を上昇させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0030%を超えると靭性および溶接性が低下するおそれがある。そのため、B含有量は0.0030%以下であるのが好ましく、0.0020%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、B含有量は0.0005%以上であるのが好ましく、0.0010%以上であるのがより好ましい。
Caは、継手靭性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0050%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Ca含有量は0.0050%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、Ca含有量は0.0003%以上であるのが好ましい。
Mgは、MgSを形成し、母材組織の細粒化および継手靭性の向上に寄与するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0050%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、Mg含有量は0.0050%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、Mg含有量は0.0003%以上であるのが好ましい。
REM(希土類元素)は、継手靭性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が0.0050%を超えると継手靭性が低下するおそれがある。そのため、REM含有量は0.0050%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得たい場合には、REM含有量は0.0003%以上であるのが好ましい。
Ar3=940−310×C+40×Si−90×Mn−40×Cu−60×Ni−15×Cr−80×Mo ・・・(x)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
本発明の溶接構造体に用いられる接合部材の機械的特性についても特に制限は設けない。しかし、溶接構造体をコンテナ船等において利用する場合においては、接合部材の降伏応力は400〜580MPaであるのが好ましく、引張強さが510〜750MPaであるのが好ましい。
接合部材の製造方法について、特に制限は設けないが、例えば以下に示す手順により、接合部材として用いられる鋼板を製造することができる。
まず、鋳造時の冷却途中または冷却後に鋼片を950〜1100℃に加熱し、オーステナイト単相化する。加熱抽出温度が950℃未満ではオーステナイト化が不十分となり粗大組織を形成するおそれがある。一方、1100℃超ではオーステナイト粒が粗大化して、結晶粒径を微細化することができない場合がある。
加熱抽出された鋼片に熱間圧延を行い、仕上げ圧延における圧下率を50%以上として、板厚が例えば80〜100mmの鋼板を製造する。この時、表面における仕上げ圧延の開始温度をAr3点〜740℃とする。なお、仕上げ圧延とは、仕上げ圧延機で行う圧延工程であり、仕上げ圧延の前に粗圧延を行い、仕上げ圧延開始時の板厚を調整してもよい。また、圧下率とは、仕上げ圧延中の累積の圧下率を意味し、仕上げ圧延開始時の板厚をt0、仕上げ圧延完了後の板厚(製品厚)をtとすると、(t0−t)/t0×100により計算することができる。
熱間圧延の終了後、Ar3点以上の表面温度で冷却を開始して、表面から深さ5mmの位置における冷却速度を25.0℃/s以上とし、400℃以下の表面温度で冷却を終了する。冷却の開始温度がAr3点未満では、冷却開始前に粗大なフェライトが生成し、結晶粒径を微細化することができない。ベイナイトを微細化させるためには冷却速度を大きくしてできるだけ低温で変態させる必要があり、そのためには表面から深さ5mmの位置で25.0℃/s以上の冷却速度が必要である。また、十分なベイナイト組織を得るために、冷却停止温度を400℃以下とする。
また、冷却後に400〜600℃の温度で焼戻し熱処理を行い、鋼板の強度および靭性を調節することが望ましい。焼戻しの温度が600℃を超えると強度が低下する。一方、400℃未満ではひずみ除去による靭性改善が不十分である。
溶接構造体の製造方法についても、特に制限は設けないが、例えば、上述の被接合部材の被接合面に接合部材の端面を突き合わせた状態で、端面に沿って溶接することで製造することができる。この際、接合部材の被接合部材側を開先加工しておくことが望ましい。開先加工は、接合部材の端面全体にわたって施してもよいが、被接合部材との接合箇所にのみ施してもよい。
11 接合部材
11a 第1表面
11b 第2表面
11c 端面
11d〜i 仮想的な面
12 被接合部材
12a 被接合面
13a 第1溶接部
13b 第2溶接部
14a 第1溶接金属
14b 第2溶接金属
15a 第1熱影響部
15b 第2熱影響部
16a フュージョンライン部
16b ノッチ
Claims (6)
- 板状の接合部材の端面が板状の被接合部材の被接合面に当接した状態で、前記接合部材が前記被接合部材に両側部分溶込み溶接されたT継手部を有する溶接構造体であって、
前記接合部材は、前記接合部材の板厚方向に垂直な第1表面および第2表面を有し、
前記接合部材の板厚t(mm)が、下記(i)式を満足し、
前記第1表面側に形成された第1溶接部の第1熱影響部の最頂点と前記第1表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h1(mm)とし、前記第2表面側に形成された第2溶接部の第2熱影響部の最頂点と前記第2表面との前記接合部材の板厚方向の距離を距離h2(mm)とした時に、
前記接合部材の、前記第1表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記第2表面から前記板厚方向に2mmの深さ位置、前記距離h1が2mmを超える場合には、前記第1表面から前記板厚方向にh1(mm)の深さ位置、および前記距離h2が2mmを超える場合には、前記第2表面から前記板厚方向にh2(mm)の深さ位置における金属組織が、
面積%で、ベイナイト:70〜95%、およびフェライト:5〜30%を含有し、かつ、
平均結晶粒径が12.0μm以下である、
溶接構造体。
t≧50.0 ・・・(i) - 前記接合部材の板厚t(mm)、前記距離h1(mm)および前記距離h2(mm)が、下記(ii)式および(iii)式を満足する、
請求項1に記載の溶接構造体。
h1≦t/4 ・・・(ii)
h2≦t/4 ・・・(iii) - 前記第1表面および前記被接合面に垂直な断面において、
前記第1溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α1(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd1(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第1表面との距離s1(mm)、ならびに、前記第2溶接部における、前記接合部材側の止端とルートとを通る線と前記被接合面とがなす鋭角α2(°)、前記板厚方向における継手の部分溶込みd2(mm)および前記被接合部材側の止端と前記第2表面との距離s2(mm)が、下記(iv)〜(ix)式を満足する、
請求項1または請求項2に記載の溶接構造体。
45.0≦α1≦70.0 ・・・(iv)
45.0≦α2≦70.0 ・・・(v)
d1・sec(α1)・cos(α1/2)≧0.35t ・・・(vi)
d2・sec(α2)・cos(α2/2)≧0.35t ・・・(vii)
s1≧d1(sec(α1)−1) ・・・(viii)
s2≧d2(sec(α2)−1) ・・・(ix) - 前記接合部材の化学組成が、質量%で、
C:0.030〜0.100%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:1.40〜2.50%、
P:0.015%以下、
S:0.0100%以下、
Nb:0.005〜0.030%、
Ti:0.005〜0.030%、
N:0.0005〜0.0050%、
Al:0.001〜0.080%、
Cu:0.10〜0.50%、
Ni:0.15〜2.00%、
Cr:0〜0.50%、
Mo:0〜0.50%、
V:0〜0.100%、
B:0〜0.0030%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
REM:0〜0.0050%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(x)式で表わされるAr3が600〜740である、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の溶接構造体。
Ar3=940−310×C+40×Si−90×Mn−40×Cu−60×Ni−15×Cr−80×Mo ・・・(x)
但し、上記式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。 - 前記接合部材の板厚t(mm)が下記(xi)式を満足する、
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の溶接構造体。
t>80.0 ・・・(xi) - 前記接合部材の降伏応力が400〜580MPaであり、引張強さが510〜750MPaである、
請求項1から請求項5までのいずれかに記載の溶接構造体。
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