JP7172744B2 - 建設機械 - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械に関するものである。
従来より、上部旋回体のエンジンルーム内に、エンジンやラジエータが配設された建設機械が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ラジエータの上流側に吸気ダクトが設けられ、吸気ダクトの吸気口にエアフィルタが取り付けられた構成が開示されている。これにより、空気中の異物をエアフィルタで捕捉した後のクリーンな空気を、エンジンやラジエータに供給するようにしている。
特開2008-81953号公報
ところで、産業廃棄現場や林業の伐採現場のように、粉塵や伐採屑などの異物が多量に浮遊する環境下では、エアフィルタのフィルタ面に異物が堆積して目詰まりが発生し易くなる。そして、エアフィルタの目詰まりが進行した状態を放置すると、ラジエータへの空気の流通が妨げられ、オーバーヒートが発生するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エアフィルタが目詰まりするのを抑えることにある。
本発明は、上部旋回体と、該上部旋回体に搭載されたエンジンが収納された機械室と、該機械室を覆う機械室カバーとを備えた建設機械を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記機械室カバーの上面部には、吸気口が開口しており、
前記吸気口に配置されたエアフィルタと、
前記エアフィルタのフィルタ面に対して空気を吹き出す吹出部とを備え、
前記吹出部は、前記エアフィルタに吹き出した空気を該エアフィルタに沿って前記上部旋回体の外部に排気する位置に配置されている。
第1の発明では、機械室カバーの上面部の吸気口に配置されたエアフィルタのフィルタ面に対して、吹出部から空気を吹き出すようにしている。これにより、エアフィルタのフィルタ面に堆積した異物を、空気によって吹き飛ばして除去することができる。
また、吹出部を、エアフィルタに吹き出された空気がエアフィルタに沿って上部旋回体の外部に排気される位置に配置している。このように、エアフィルタのフィルタ面に堆積していた異物を吹き飛ばした後、異物を含む空気を上部旋回体の外部に排気するようにしている。これにより、吹き飛ばされた異物がエアフィルタやエアフィルタ周辺の機械室カバー上に落下して堆積するのを抑えることができる。
ここで、例えば、エアフィルタよりも前側に吹出部を配置して、エアフィルタに向かって車両後方に空気を吹き出すようにすれば、異物を含む空気を上部旋回体の後方から外部に排気することができる。
また、エアフィルタが機械室カバーの左側上面部に配置されている場合に、エアフィルタよりも右側に吹出部を配置して、エアフィルタに向かって車両左方に空気を吹き出すようにすれば、異物を含む空気を上部旋回体の左方から外部に排気することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記エアフィルタは、山部と谷部とを有するジグザグ状に形成され、
前記吹出部は、前記エアフィルタの谷部に向かって空気を吹き出すものである。
第2の発明では、ジグザグ状のエアフィルタの谷部に向かって、吹出部から空気を吹き出すようにしている。このように、異物が堆積し易いエアフィルタの谷部に向かって空気を吹き出すことで、異物を効率的に除去することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記吹出部の吹き出し動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、所定の時間間隔毎に空気を吹き出すように前記吹出部を制御するものである。
第3の発明では、吹出部の吹き出し動作を制御して、所定の時間間隔毎に空気を吹き出すようにしている。例えば、多量の異物が浮遊する環境下では、空気の吹き出し間隔を短くする一方、少量の異物しか浮遊しない環境下では、空気の吹き出し間隔を長くすればよい。
これにより、エアフィルタのフィルタ面を、異物が除去された状態に保つことができる。また、空気の吹き出し動作が自動で行われるため、作業者が清掃作業を行う必要が無い。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記吹出部の吹き出し動作を制御する制御部と、
前記上部旋回体のキャブ内に設けられた操作部とを備え、
前記制御部は、前記操作部が操作されたときに空気を吹き出すように前記吹出部を制御するものである。
第4の発明では、吹出部の吹き出し動作を制御して、キャブ内に設けられた操作部を操作したときに空気を吹き出すようにしている。これにより、作業者は、キャブから降りることなく、エアフィルタの清掃作業を行うことができ、建設作業を中断する必要が無い。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記吹出部の吹き出し動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記エンジンの始動時に空気を吹き出すように前記吹出部を制御するものである。
第5の発明では、吹出部の吹き出し動作を制御して、エンジンの始動時に空気を吹き出すようにしている。これにより、例えば、建設機械を山間部に一昼夜駐機して、枯れ葉などの異物がエアフィルタに堆積していたとしても、エンジンの始動時に異物を吹き飛ばして除去することができる。
本発明によれば、エアフィルタが目詰まりするのを抑えることができる。
本実施形態に係る建設機械の構成を示す斜視図である。 エアフィルタ及び吹出ノズルの構成を拡大して示す斜視図である。 エアフィルタ及び吹出ノズルを車両後方から見たときの断面図である。 エアフィルタの谷部に向けて空気を吹き出したときの図3相当図である。 吹出ノズルの吹き出し動作を制御するための装置構成を示すブロック図である。 その他の実施形態に係る建設機械の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。各図においては、上下や前後左右の方向を矢印で示してある。特に言及しない限り、上下等の方向についてはこれら矢印で示す方向に従って説明する。
図1に示すように、建設機械1は、クローラ式の下部走行体11と、下部走行体11上に旋回自在に搭載された上部旋回体12とを備えている。上部旋回体12には、アタッチメント13、キャブ14、機械室15等が備えられている。
なお、本実施形態の建設機械1は小旋回型であり、旋回半径が小さくなるように上部旋回体12は相対的に小さく構成され、上部旋回体12の後部の外郭線は、上方から見て円弧状に形成されている。
アタッチメント13は、上部旋回体12の前部に設置され、ブーム13a、アーム13b、及びバケット13c等で構成されている。ブーム13a等のそれぞれは、油圧制御された油圧シリンダ13dの伸縮に連動して動作し、掘削等の作業を行う。これらブーム13a等の操作は、キャブ14において行われる。
キャブ14は、例えば、矩形箱形の運転室であり、アタッチメント13に隣接して上部旋回体12の左前部に設置されている。機械室15は、上部旋回体12の後部に設けられている。
機械室15の周囲は、機械室カバー16で覆われている。機械室15の内部には、エンジン4や油圧ポンプ5等が密集した状態で収容されている。本実施形態の建設機械1では、アタッチメント13との間で前後のバランスを確保するカウンタウエイト17によって、機械室15の後部を覆う機械室カバー16の一部が構成されている。
機械室15の内部には、エンジン4の他にも、例えば、ラジエータ2、送風ファン3、油圧ポンプ5、排気ガス後処理装置6等が収容されている。油圧ポンプ5は、エンジン4の側方に横並びで配置されている。油圧ポンプ5の上方には、排気ガス後処理装置6が配置されている。
機械室カバー16の左側上面部には、機械室15内に外気を取り込むための吸気口18が形成されている。機械室カバー16の右側上面部には、取り込まれた外気を排気する排気口19が形成されている。
吸気口18には、エアフィルタ20が配置されている。エアフィルタ20は、吸気口18から機械室15内に取り込まれる外気中の塵埃などの異物を捕捉する。
図2に示すように、エアフィルタ20は、上部旋回体12の後部の外郭線に沿った形状の枠状部21と、枠状部21の枠内に設けられたフィルタ部22とを有する。エアフィルタ20は、フィルタ部22のフィルタ面が上下方向を向くように配設されている。
図3にも示すように、フィルタ部22は、車幅方向にジグザグ状に折り曲げられることで、車両後方から見て山部23と谷部24とがエアフィルタ20の幅方向(車幅方向)に連続したジグザグ状に形成されている。そのため、フィルタ部22の谷部24には、山部23に比べて異物40が堆積し易くなっている。
エアフィルタ20よりも前側上方には、吹出ノズル30(吹出部)が配置されている。吹出ノズル30は、車幅方向に延びる筒状のノズル本体31を有する。ノズル本体31には、ホース33が接続されている。
ノズル本体31には、フィルタ部22の複数の谷部24に対応して、複数の吹出孔32が形成されている。そして、図4に示すように、吹出ノズル30の吹出孔32からフィルタ部22の谷部24に向けて空気が吹き出されることで、エアフィルタ20に堆積した異物40が吹き飛ばされて除去されるようになっている。
このように、異物40が堆積し易いエアフィルタ20の谷部24に向かって空気を吹き出すことで、異物40を効率的に除去することができる。
また、エアフィルタ20よりも前側に吹出ノズル30を配置して、エアフィルタ20に向かって車両後方に空気を吹き出すようにしたから、異物を含む空気を上部旋回体12の後方から外部に排気することができる。これにより、吹き飛ばされた異物がエアフィルタ20やエアフィルタ20周辺の機械室カバー16上に落下して堆積するのを抑えることができる。
図5に示すように、吹出ノズル30は、ホース33を介してコンプレッサ50に接続されている。コンプレッサ50は、高圧エアを吹出ノズル30に供給する。コンプレッサ50は、コンプレッサリレー51を介してメカトロコントローラ55(制御部)に電気的に接続されている。
コンプレッサリレー51は、DC-DCコンバータ52を介してバッテリーリレー53に電気的に接続されている。バッテリーリレー53には、バッテリー54が電気的に接続されている。
メカトロコントローラ55には、クラスタゲージ56が電気的に接続されている。クラスタゲージ56は、キャブ14内に配置されている。クラスタゲージ56には、エンジン水温等を示す情報や、空気を吹き出すブロー時間やブロー間隔が表示されている。
メカトロコントローラ55は、吹出ノズル30の吹き出し動作を制御する。具体的に、メカトロコントローラ55は、タイマ機能を有しており、所定の時間間隔毎(例えば、10分毎)に、コンプレッサリレー51に対して制御信号を出力する。
コンプレッサリレー51に制御信号が入力されると、コンプレッサリレー51がON状態となり、バッテリー54からコンプレッサ50に電力が供給される。これにより、コンプレッサ50が作動して、コンプレッサ50で生成された高圧エアが、ホース33を介して吹出ノズル30に圧入される。そして、吹出ノズル30からエアフィルタ20のフィルタ面に対して空気が吹き出される。
これにより、エアフィルタ20のフィルタ面に堆積した異物40を、空気によって吹き飛ばして除去することができる。また、空気の吹き出し動作が自動で行われるため、作業者がエアフィルタ20の清掃作業を行う必要が無い。
なお、吹出ノズル30から空気を吹き出す時間間隔は、作業環境におけるエアフィルタ20への異物40の詰まり易さを考慮して、作業者が任意に設定できるようにすればよい。
例えば、多量の異物40が浮遊する環境下では、空気の吹き出し間隔を短くする一方、少量の異物40しか浮遊しない環境下では、空気の吹き出し間隔を長くすればよい。
また、キャブ14内には、作業者が任意のタイミングで吹出ノズル30から空気を吹き出すことができるように、操作スイッチ57(操作部)が設けられている。作業者が操作スイッチ57を押すと、メカトロコントローラ55がコンプレッサリレー51に対して制御信号を出力する。これにより、コンプレッサ50が作動して、吹出ノズル30から空気が吹き出されるようになっている。
ここで、作業者は、例えば、キャブ14内でクラスタゲージ56を確認して、エンジン水温が所定温度よりも上昇していた場合に、エアフィルタ20に目詰まりが発生していると判断することができる。そして、操作スイッチ57を押すことで、エアフィルタ20に空気を吹き出して目詰まりを解消するようにすればよい。
これにより、作業者は、キャブ14から降りることなく、エアフィルタ20の清掃作業を行うことができ、建設作業を中断する必要がない。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、吹出ノズル30の吹き出し動作を制御して、所定の時間間隔毎に空気を吹き出すようにしたが、この形態に限定するものではない。
例えば、吹出ノズル30の吹き出し動作を制御して、エンジン4の始動時に空気を吹き出すようにしてもよい。これにより、例えば、建設機械1を山間部に一昼夜駐機して、枯れ葉などの異物40がエアフィルタ20に堆積していたとしても、エンジン4の始動時に異物を吹き飛ばして除去することができる。
また、本実施形態では、コンプレッサ50で生成された高圧エアを、ホース33を介して吹出ノズル30に供給するようにしたが、この形態に限定するものではない。
例えば、ホース33を途中で分岐させた分岐ホースや、コンプレッサ50に接続されたホース33とは別の経路から吹出ノズル30に接続された外部ホースを用意して、これらのホースを装置外部のエア供給源に接続するようにしてもよい。
これにより、エンジン4の停止時にも、エアフィルタ20の清掃作業を行うことができる。また、これらのホースは、メンテナンスカバーを開けたときに取り出し易い位置に配置しておけば、作業性が良いため好ましい。
また、本実施形態では、エアフィルタ20を、車幅方向にジグザグ状に折り曲げられた形状としたが、この形態に限定するものではない。例えば、図6に示すように、エアフィルタ20を、車両前後方向にジグザグ状に折り曲げられた形状としてもよい。
この場合には、エアフィルタ20よりも車両右側に吹出ノズル30を配置して、エアフィルタ20に向かって車両左方に空気を吹き出すようにすれば、異物を含む空気を上部旋回体の左方から外部に排気することができる。
以上説明したように、本発明は、エアフィルタが目詰まりするのを抑えることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
1 建設機械
4 エンジン
12 上部旋回体
14 キャブ
15 機械室
16 機械室カバー
18 吸気口
20 エアフィルタ
23 山部
24 谷部
30 吹出ノズル(吹出部)
55 メカトロコントローラ(制御部)
57 操作スイッチ(操作部)

Claims (5)

  1. 上部旋回体と、該上部旋回体に搭載されたエンジンが収納された機械室と、該機械室を覆う機械室カバーとを備えた建設機械であって、
    前記機械室カバーの上面部には、吸気口が開口しており、
    前記吸気口に配置され、かつ該吸気口より前記機械室内に取り込まれた外気中に含まれる異物を捕捉するエアフィルタと、
    前記エアフィルタのフィルタ面に対して空気を吹き出す吹出部とを備え、
    前記吹出部は、前記エアフィルタに吹き出した空気を該エアフィルタに沿って前記上部旋回体の外部に排気する位置に配置されていることを特徴とする建設機械。
  2. 請求項1において、
    前記エアフィルタは、山部と谷部とを有するジグザグ状に形成され、
    前記吹出部は、前記エアフィルタの谷部に向かって空気を吹き出すことを特徴とする建設機械。
  3. 請求項1又は2において、
    前記吹出部の吹き出し動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、所定の時間間隔毎に空気を吹き出すように前記吹出部を制御することを特徴とする建設機械。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
    前記吹出部の吹き出し動作を制御する制御部と、
    前記上部旋回体のキャブ内に設けられた操作部とを備え、
    前記制御部は、前記操作部が操作されたときに空気を吹き出すように前記吹出部を制御することを特徴とする建設機械。
  5. 請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
    前記吹出部の吹き出し動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記エンジンの始動時に空気を吹き出すように前記吹出部を制御することを特徴とする建設機械。
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