JP7172346B2 - 連続鋳造の圧下方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造における圧下方法であって、連続鋳造プロセスにおける中心偏析及びポロシティ欠陥を、効率的かつ抜本的に低減することを目的とする、連続鋳造の圧下方法に関する。
連続鋳造方法によってスラブやブルームなどの鋳片を鋳造する場合に、鋳片の中心部にリンやマンガン等の成分が偏析する、いわゆる中心偏析が発生することがある。また、鋳片中心部にはセンターポロシティと呼ばれる空孔が発生する。
連続鋳造中の凝固末期において、鋼が凝固する際の凝固収縮に伴って、鋳片内の所定体積に占める鋼量が不足する。未凝固溶鋼が流動可能である鋳片部位では、未凝固溶鋼が最終凝固部の凝固完了点に向かって流動し、固液界面の不純物濃化溶鋼が最終凝固部に集積し、これが中心偏析の原因となる。また、未凝固溶鋼が流動できない位置(鋳片中心固相率が0.8以上)では、鋳片中心部に空隙が生じ、センターポロシティの原因となる。
中心偏析を軽減するためには、厚み中心が固液共存領域であって未凝固溶鋼が流動可能である領域において、溶鋼の凝固収縮量に見合った分だけ凝固シェルを圧下することにより、最終凝固部付近の溶鋼流動を抑えることが有効となる。また、センターポロシティを軽減するためには、未凝固溶鋼が流動できない凝固完了位置付近又は完全凝固後の鋳片を圧下してセンターポロシティを圧着することが有効となる。このような考え方に基づき、連続鋳造末期の凝固完了前後においてサポートロールによって鋳片を圧下する軽圧下技術が用いられている。
連続鋳造においては、上記のように凝固収縮を補償する適切な圧下を付与することにより、中心偏析を低減することが可能である。実機では、中心固相率0.8以下の低固相率領域において0.8~1.2mm/min程度の適正圧下を加える、軽圧下技術が広く適用されている。
特許文献1には、圧下の割合を0.36~0.72mm/minとして、中心固相率が流動限界固相率以上の部位まで該圧下を行うことを特徴とするスラブの連続鋳造方法が紹介されている。流動限界固相率以上の部位(中心固相率が0.8以上)においても圧下勾配を変化させていない。
特許文献2は、少なくとも1対の対向するロール間で圧下しつつ鋼スラブ連続鋳造片を引抜く連続鋳造方法において、該鋳片中心部の固相率が0.1~0.4となる位置から0.8~0.9の範囲内となる任意位置に至る領域では、全凝固収縮量を補償するように鋳片を圧下し、上記任意位置以降凝固が完了するまでの高固相率の領域は、鋳片の引抜方向長さ(単位:m)当たりの鋳片厚みに対する圧下量の割合(%)を示す圧下勾配(%/m)が、鋼のC濃度による式で規定される範囲を満足するように圧下する連続鋳造方法が提案されている。
連続鋳造中に凝固が完了する前後において鋳片を圧下しようとするとき、すでに鋳片の両短辺側は凝固が完了して温度も低下しているために圧下に伴う変形抵抗が大きく、所定の圧下量が得られないことがあった。そこで、ロールの直径がロール幅方向に一定であるロール(以下「フラットロール」という。)を用いるのではなく、鋳片幅中央部に対応する部分のロール直径が大きく、鋳片幅両側に対応する部分のロール直径が幅中央部に比較して小さい形状のロール(以下「凸型ロール」という。)を用い、鋳片の凝固が完了した両短辺側は圧下せず、鋳片幅中央部のみを圧下する技術が開発された。
特許文献3には、センターポロシティを減少させるロール圧下方法として、鋳片が完全凝固した後でその切断前に、該鋳片の表面温度が700℃以上1000℃以下で、該鋳片の内部中心と表面との温度差が250℃以上となる領域を、回転する上下ロールで挟んで圧下する連続鋳造方法が開示されている。圧下部位では表層側に対して内部側が高温のため相対的に軟らかくなっており、鋳片の表面に加えた圧下力を鋳片の内部まで伝達させることができる。圧下ロールとして用いる凸型ロールは、幅方向の中央に水平部、水平部の両側に水平部に連接する傾斜部を備えた圧下用突出領域を有する。水平部の幅(圧下幅)が鋳片幅の40%以下であると好ましいとしている。圧下量は鋳片の厚みの2%以上が好ましいとしている。
特許文献4には、圧下ロールとして少なくとも1箇のクラウンロールを設けて、鋳片の中央部及びその近傍を圧下する連続鋳造方法が開示されている。鋳片の凝固殻の生成割合が75%以上に相当する区域内においてクラウンロールで鋳片を圧下し、圧下された内部の未凝固部分の濃化溶鋼が上部に押上げ排除されるとしている。クラウンの形状は、鋳片幅方向中心部及びその近傍を圧下可能な形状であればよい、としており、図面には、ロール幅方向中心部が外側に膨出する形状の圧下ロールが記載されている。1段当たり圧下量は最大3mmとしている。
特開平06-297125号公報 特開平11-77269号公報 特開2009-279652号公報 特開昭60-162560号公報
連続鋳造中の鋳片を圧下する場合、特に中心固相率が0.8以上の高固相率の領域で大きな圧下量で鋳片を圧下する場合においては、圧下ロールとしてフラットロールを用る場合には大きな圧下能力を必要とする。それに対して、圧下ロールとしてフラットロールではなく凸型ロールを用いることとすれば、鋳片幅両端部の圧下抵抗が大きい部分の圧下を行わないことにより、圧下を実現するための圧下ロールの圧下力を軽減することができる。しかし、従来の凸型ロールを用いるとしても、中心偏析やセンターポロシティ低減を実現するために高固相率の領域で十分な圧下を行おうとすると、必要圧下力が過大となり、圧下力確保には大規模な設備増強が必要となる。また、凸型ロールを用いて圧下を行う結果として、連続鋳造後の鋳片には表面に凹みが形成され、この凹み部が原因となって、後工程の熱間圧延において疵の原因となることがあった。
本発明は、大規模な設備増強を行うことなく、連続鋳造鋳片の中心偏析とセンターポロシティを軽減することができ、併せて後工程の熱間圧延での疵発生を防止できる、連続鋳造の圧下方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)連続鋳造中において鋳片を圧下する方法であって、
中心固相率が0.8から凝固完了までの領域(以下「高固相率領域」という。)において、圧下ロール対を連続で2対以上配置して鋳片の圧下を行い、
前記圧下ロール対を構成する圧下ロールのうちの少なくとも一方については、ロール回転軸を含む断面におけるロール外周形状が、鋳片の幅方向中心位置(以下「幅中心位置」という。)を含む領域で、外側に張り出し角部を有しない凸形状を構成しており、
鋳造する鋳片幅をW(mm)、鋳片厚みをt(mm)とし、前記凸形状は、前記幅中心位置からロール幅方向の両側に合計で長さ0.80×Wの範囲(以下「凸形状規定範囲」という。)の全域において、外側に凸であって角部を有しない曲線形状であり、前記凸形状規定範囲両端における圧下ロール半径に対し、幅中心位置における圧下ロール半径が0.005×t以上大きく、圧下ロールの凸形状規定範囲の外側で幅方向端部側のロール外周形状が直線状であることを特徴とする連続鋳造の圧下方法。
(2前記凸形状を有する圧下ロールが接する側の前記鋳片表面には圧下ロールの凸部に起因する凹みが形成され、前記高固相率領域における圧下勾配が4.0mm/min以上10.0mm/min以下であることを特徴とする上記(1)に記載の連続鋳造の圧下方法。
なお、高固相率領域における圧下勾配とは、高固相率領域入り側と出側における平均圧下量の差を高固相率領域通過時間で除した値であり、鋳片断面において、鋳片が圧下ロールによって圧下された部分を圧下部とし、平均圧下量は圧下部の面積を圧下部の幅で除した値である。
)前記圧下ロール対を連続で3対以上配置して鋳片の圧下を行うことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の連続鋳造の圧下方法。
)中心固相率が0.3から0.75までの領域(以下「低固相率領域」という。)において、圧下勾配が0.8~1.2mm/minの圧下を行い、前記低固相率領域と高固相率領域の間の領域では圧下勾配が0.8mm/min以上の圧下を行うことを特徴とする上記(1)から()までのいずれか1つに記載の連続鋳造の圧下方法。
本発明は連続鋳造を行うに際し、中心固相率が0.8から凝固完了までの高固相率領域において、圧下ロールとして本発明の凸型曲線ロールを用いることにより、少ない圧下力で所定の圧下勾配で圧下を行い、鋳片の中心偏析とセンターポロシティを抜本的に低減するとともに、鋳片圧下形状に起因する熱間圧延での疵を軽減することができる。
本発明の圧下ロールで鋳片を圧下する状況を示す図であり、(A)は断面図、(B)は圧下ロールの部分断面図である。 本発明の圧下ロールの部分断面図である。 従来の圧下ロールの断面図である。 有限要素法の変形解析で求めた、鋳片表面圧下量を示す図である。 有限要素法の変形解析で求めた、鋳片厚み中心部の塑性歪みを示す図である。 第2の実施の形態について示す図であり、(A)は圧下ロールの断面形状、(B)は有限要素法の変形解析で求めた、鋳片厚み中心部の塑性歪みを示す図である。 圧下ロールによる圧下量の算出方法を示す図である。 中心固相率0.8以上での圧下勾配と鋳片中心部最大Mn偏析度の関係を示す図である。 高固相率領域における圧下ロール対の配置を示す図であり、(A)は1対、(B)は2対、(C)は3対の圧下ロール対を有する場合である。 高固相率領域での圧下ロール対を用いた圧下に加え、低固相率領域で軽圧下を行う状況を示す図である。
連続鋳造中における鋳片の中心固相率の変化について説明する。鋳片の上面側と下面側の液相線が鋳片厚み中心部で接した地点(凝固開始位置)から中心固相率が0より大きくなり、下流側に行くに従って中心固相率が増大する。凝固開始位置より上流側では中心固相率が0である。そして、鋳片の上面側と下面側の固相線が鋳片厚み中心部で接した地点で凝固が完了し、中心固相率が1.0となる。この点を「凝固完了位置」ともいう。凝固完了位置の下流側では、中心固相率は1.0のままである。以下便宜的に、凝固完了位置を「中心固相率が1.0の位置」ということがある。また、中心固相率をfsと表示することがある。
鋳造中の鋳造方向各位置における中心固相率については、連続鋳造中の鋳片厚み方向中心部の温度TCを1次元の伝熱凝固計算によって求めた上で、液相線温度TL、固相線温度TSを用いて下記(1)式で算出することができる。伝熱・凝固計算にあたってはエンタルピー法や等価比熱法などを用いることができる。TC>TLでは中心固相率=0、TS>TCでは中心固相率=1.0となる。
中心固相率=(TL-TC)/(TL-TS) (1)
前述のように、連続鋳造においては、凝固収縮を補償する適切な圧下を付与することにより、中心偏析を低減することが行われている。実機では、中心固相率0.8以下の低固相率領域において軽圧下を行っており、そのような中心固相率の範囲では、凝固収縮を補償するための軽圧下量は、0.8~1.2mm/min程度とされている。
本発明においては、中心固相率が0.8以上1.0以下の高固相率領域においても、適正な圧下を行えば、鋳片の中心偏析・センターポロシティをより改善できるのではないかと着想した。そこで、ラボ連続鋳造装置を用いた実験により確認を行った。実験装置は実機のセグメントによるロール多段圧下を模擬可能な機構を備え、凝固中の鋳片内部温度を直接測温しながら、任意の勾配によるロール圧下を、中心固相率0.3~凝固完了まで継続して加えることができるものである。鋳片中心固相率が0.8から1.0までの区間の高固相率領域において鋳片の圧下を行い、圧下に際して圧下勾配(時間当たりの圧下量(mm/min))を種々変化させ、鋳片厚み中心部の最大Mn偏析度に及ぼす影響の評価を行った。Mn偏析評価に当たっては、圧下定常部のセンター部・鋳造方向断面サンプルを対象に、EPMAによるビーム径50μmでMn濃度マッピング分析を実施した。マッピングデータのうち、偏析最悪部を含む2mm幅のラインを設定し、濃度のピーク値Cを測定視野内平均濃度C0で除した値を、最大Mn偏析度C/C0とした。
ラボ連続鋳造装置を用いた評価結果を図8に示す。鋳片中心固相率が0.8から1.0までの区間の高固相率領域において圧下を行い、圧下における圧下勾配を増加させると、鋳片厚み中心部の最大Mn偏析度は減少していくことがわかる。そして、鋳片中心固相率が0.8から1.0の区間における圧下勾配が3.0mm/minとなったときの最大Mn偏析度は1.2、圧下勾配が4.5mm/minとなったときの最大Mn偏析度は1.45となった。さらに当該区間での圧下勾配が5.5mm/minで最大Mn偏析度は1.10、さらに、圧下勾配が6.0mm/minでは最大Mn偏析度は1.08まで大きく低減可能であることがわかった。
連続鋳造中の鋳片を圧下する場合、特に中心固相率が0.8以上の高固相率領域及び凝固完了後の鋳片を圧下する場合において、圧下ロールとしてフラットロールではなく凸型ロールを用いることにより、鋳片幅両端部の圧下抵抗が大きい部分の圧下を行わないことにより、圧下を実現するための圧下ロールの圧下力を軽減することができる。しかし、従来の凸型ロールを用いるとしても、高固相率領域で大きな圧下勾配で圧下することで中心偏析を改善し、あるいはセンターポロシティ低減を実現するために十分な圧下を行おうとすると、必要圧下力が過大となり、圧下力確保には大規模な設備増強が必要となる。また、凸型ロールを用いて圧下を行う結果として、連続鋳造後の鋳片には表面に凹みが形成され、この凹み部が原因となって、後工程の熱間圧延において疵の原因となることがあった。
そこで、大規模な設備増強を行うことなく、連続鋳造鋳片の中心偏析とセンターポロシティを軽減することができ、併せて後工程の熱間圧延での疵発生を防止できる、連続鋳造用の圧下ロールを案出し、当該圧下ロールを用いた連続鋳造の圧下方法を完成するに至った。
図1~図6に基づいて本発明で用いる圧下ロールについて説明する。
条用の鋼製品を製造するための素材鋳片を連続鋳造するには、ブルーム連続鋳造又はビレット連続鋳造が適用される。ブルーム連続鋳造においては、鋳造された鋳片の断面形状は長方形であり、例えば幅500mm×厚さ300mmの鋳片が鋳造される。このような断面が長方形の鋳片を鋳造する場合、鋳片の厚み中央部が完全凝固する直前の位置において、鋳片の未凝固部は、鋳片幅方向中心位置から幅方向両側に合計で「鋳片幅-鋳片厚み」の範囲にわたっており、中心偏析やセンターポロシティもこの領域で発生する。そのため、中心偏析・センターポロシティ対策として凸型ロールを用いて鋳片を圧下する場合においても、上記中心偏析・センターポロシティ発生領域を確実に圧下すべく、凸型ロールとして、図3に示すように、鋳片の幅方向中心位置(幅中心位置13)に水平部20を有するロールが用いられていた。水平部20の幅方向両側には傾斜部21を設け、水平部20と傾斜部21との接合位置は角部15を構成している。
本発明者は、鋳片を圧下する凸型ロール3において、図3に示すような、水平部20-角部15-傾斜部21を形成するロールではなく、ロール回転軸を含む断面におけるロール外周形状11を、図1、図2に示すような、外側に張り出し角部を有しない凸形状とすることにより、鋳片のセンターポロシティを確実に軽減しつつ、圧下に要する圧下力を軽減し、さらに後工程の熱間圧延での疵発生を軽減できるのではないかと着想した。以下、水平部20-角部15-傾斜部21を有する凸型ロール3を「凸型ディスクロール5」、外側に張り出し角部を有しない凸形状を構成する凸型ロール3を「凸型曲線ロール4」と呼ぶ。
まず、有限要素法を用いた変形解析により、上記凸型ディスクロール5と凸型曲線ロール4のそれぞれを用いて、同一の圧下力で連続鋳造中の鋳片を圧下したときに、鋳片表面と鋳片厚み中央部がどのように変形するか、変形挙動を求めた。連続鋳造する鋳片は幅Wが550mmであり、鋳片10の縦横比(幅/厚さ)が1.3である。凸型ディスクロール5は、図3に示すように、幅中央に0.4×Wの幅を有する水平部20を有し、水平部20の両側に傾斜17°の傾斜部21を設けている。凸型曲線ロール4は、図2に示すように、ロール回転軸12を通る断面におけるロール外周形状11が、円弧半径R1が0.8×Wの円弧形状18としている。どちらの凸型ロール3も、幅中心位置13のロール半径rCは0.8×Wである。凸型ディスクロール5は、圧下量10mmまでは水平部20と傾斜部21のみで鋳片に接している。凸型曲線ロール4は、圧下量10mmまでは円弧形状18部のみで鋳片10に接している。図1に示すように、圧下ロール対のうち、F側(下側)の圧下ロール2はフラットロールであり、L側(上側)の圧下ロール1にそれぞれの凸型ロール3を用いている。
圧下を行う位置の鋳片内部の温度分布として、中心固相率=0.8、0.9、1.0における温度分布を設定した。最終凝固部の幅方向範囲は0.2×Wの範囲であり、この範囲が、中心偏析・センターポロシティ発生領域となる。各中心固相率において、鋳片表面温度は1054℃、1041℃、1026℃、厚み中心部・幅中心部の温度は1434℃、1421℃、1406℃であった。
凸型ディスクロール5と凸型曲線ロール4のそれぞれについて、圧下力を100トンFとして圧下力を付与し、有限要素法による変形解析を行った。変形解析の結果として、鋳片表面の圧下量(mm)と、鋳片の厚み中心部における塑性歪み(規格化した相当塑性歪み)について解析を行った。鋳片幅方向の寸法については、幅中央部を原点とし、W/2が1となるように規格化し、xで表示した。
相当塑性歪みとは、単軸方向の塑性歪み(ε1 p,ε2 p,ε3 p)から(2)式のεBで定義され、3次元変形における歪みを単軸変形に換算しスカラー量化したものである。今回の解析では、歪みが大きいほど圧下による内部変形量が多くなり、ポロシティ低減効果も大きくなるとの考えに基づいている。このため解析モデルのメッシュごとに相当塑性歪みを算出し、ロール形状毎に厚さ中心部の変形量を出力することで、圧下効率を評価した。さらに規格化した相当塑性歪みとは、相当塑性歪みεBについて、凸型ディスクロールを用いて圧下したときの幅中心位置13の相当塑性歪みの値が1となるように規格化したものである。
εB=√[(2/3){(ε1 p)2+(ε2 p)2+(ε3 p)2}] (2)
図4に、表面圧下量の幅方向分布を示す。同じ圧下力100トンFを付与したにも関わらず、幅中心位置13の表面圧下量は、凸型ディスクロール5が4mm程度、凸型曲線ロール4が9mm程度であった。一方、幅中心位置13から距離が離れるに従って、凸型ディスクロール5は圧下量が一定であるのに対し、凸型曲線ロール4は圧下量が減少し、幅中心位置13から距離x=0.3付近で表面圧下量が同一となり、それよりも外側からx=0.4まで凸型ディスクロール5の方が大きな表面圧下量となっている。凸型ディスクロール5、凸型曲線ロール4のいずれも、それぞれのロールの外形形状にならった表面圧下量が実現されている。
図5に、厚み中心部における規格化相当塑性歪みの幅方向分布を示す。驚くべきことに、幅方向の全域にわたって、凸型ディスクロール5に比較して凸型曲線ロール4の方が、規格化相当塑性歪みの値が大きな値となっている。幅中心位置13については、凸型曲線ロール4の方が表面圧下量が大きいのであるから、厚み中心部における規格化相当塑性歪みも大きな値となることは予想のとおりである。一方、幅中心位置13から距離x=0.3を超える領域においては、表面圧下量において凸型ディスクロール5の方が大きいのであるから、厚み中心部における規格化相当塑性歪みについても凸型ディスクロール5の方が大きくなると予想されるところ、有限要素法による変形解析では予想に反し、幅方向端部に至るまで凸型曲線ロール4の方が厚み中心部における規格化相当塑性歪みが大きくなるという結果であった。
以上の有限要素法による変形解析の結果からは、実際の連続鋳造において凸型ロール3を用いた圧下によって中心偏析・センターポロシティ低減を図るに当たり、同一の圧下力であれば、圧下ロールとして、凸型ディスクロール5よりも凸型曲線ロール4を用いた方が改善効果が大きいであろうことが示唆された。
ここで、フラットロールおよび各種凸型ロールを用いて鋳片を圧下する際の、平均圧下量の定義について、図7に基づいて説明する。図7(A)は凸型曲線ロール4、(B)は凸型ディスクロール5、(C)はフラットロール6の場合について図示している。いずれも、斜線部分が圧下部25であり、圧下部25の面積をSとする。図7(C)に示すフラットロール6による圧下では、鋳片10の全幅を圧下しており、平均圧下量dは図示されたとおりの圧下量である。図7(A)の凸型曲線ロール4、(B)の凸型ディスクロール5については、圧下部25は鋳片10の幅Wの一部のみであり、圧下部の幅をwとして、平均圧下量dは
d=S/w (3)
として算出することができる。
そこで、実際の連続鋳造において、圧下ロール1として凸型ディスクロール5と凸型曲線ロール4のそれぞれを用いたときの、鋳片10のセンターポロシティ軽減効果の比較を行った。鋳造する鋳片の幅W=530mm、厚み=400mmである。圧下ロールとして、凸型ディスクロール5は、幅中央に0.4×Wの幅を有する水平部20を有し、水平部20の両側に傾斜17°の傾斜部21を設けている。凸型曲線ロール4は、ロール回転軸12を通る断面におけるロール外周形状11が、円弧半径R1が0.8×Wの円弧形状18としている。どちらの凸型ロール3も、幅中心位置13におけるロール半径rCは400mmである。またどちらの凸型ロールも、幅両側のフラット部分におけるロール半径rFは0.65×Wである。どちらも、圧下ロール対のF側の圧下ロール2にはフラットロールを用いている。
連続鋳造中において、中心固相率が0.8~1.0の高固相率領域において圧下ロールに54トンFの圧下力を付加し、鋳片の圧下を行った。鋳造した鋳片の表面形状と、鋳片厚み中央部のセンターポロシティ発生状況について評価を行った。
鋳片の上面側には、いずれも凸型ロールの凸部に起因する凹みが形成されていた。凹み形状は、いずれも凸型ロールの外形形状にならった形状となっていた。平均圧下量dを算出したところ、凸型ディスクロールはd=3.0mm、凸型曲線ロールはd=5.6mmであった。
鋳片のセンターポロシティについては、鋳片断面のカラーチェックにより算出したポロシティ面積率を指標として評価を行った。その結果、凸型ディスクロールはポロシティ面積率が3%、凸型曲線クロールはポロシティ面積率が0.3%との結果が得られた。凸型曲線ロールを用いることによるセンターポロシティ改善効果が明らかである。
以上のとおり、連続鋳造中に圧下ロールによって鋳片を圧下するに際し、圧下ロールとして本発明の凸型曲線ロール4を用いることにより、同じ圧下力において、凸型ディスクロール5を用いる場合と比較してセンターポロシティ改善効果が優れていることが明らかとなった。また、センターポロシティ改善効果を同一の程度とする場合には、凸型ディスクロールに比較して凸型曲線ロール4の方が、少ない圧下力で同じ効果が得られることも明らかとなった。
さらに上記センターポロシティ改善効果の確認に用いたと同じ連続鋳造装置を用い、高固相率領域における圧下が鋳片の中心偏析に及ぼす影響について評価を行った。高固相率領域での圧下ロールとして、上記と同じ凸型ディスクロール5と凸型曲線ロール4を用いた。また、中心固相率が0.8~1.0の高固相率領域において、圧下ロール対を1対設けた場合と2対設けた場合の対比を行った。中心偏析については、鋳片厚み中心部の最大Mn偏析度によって評価した。最大Mn偏析度評価方法は、前記ラボ連続鋳造装置による試験と同様である。その結果、凸型ディスクロール5を用いた圧下ロール対を1対設けた場合の最大Mn偏析度が1.20であったのに対し、凸型曲線ロール4を用いた圧下ロール対を1対設けた場合の最大Mn偏析度が1.15に低減し、さらに凸型曲線ロール4を用いた圧下ロール対を2対設けた場合の最大Mn偏析度が1.10に低減した。
次に、本発明の圧下ロールである凸型曲線ロール4が具備すべき好ましい要件について、以下、第1の実施の形態、第2の実施の形態の順で説明する。
本発明の第1の実施の形態において、図1、図2に基づいて説明する。圧下ロール1は、ロール回転軸12を通る断面におけるロール外周形状11が、以下の形状を具備している。まず、ロール外周形状11は、鋳片の幅方向中心位置(幅中心位置13)を含む領域で外側に張り出す凸形状を構成する。外側とは、ロール外周がロール回転軸12から遠ざかる方向である。このような形状を構成することにより、幅中心位置13においてロール半径rCが最大となり、鋳片10を圧下したときに鋳片表面の圧下量は幅中心位置13が最大となる。次に、幅中心位置13からロール幅方向の両側に合計で長さ0.80×Wの範囲を「凸形状規定範囲14」とする。凸型ロール3を用いた鋳片の圧下において、鋳片10の幅両端部は変形抵抗が大きいため、圧下を行わないことが特徴である。前記凸形状規定範囲14あるいはこれより狭い幅において鋳片10を圧下することとすれば、必要な圧下量を確保しつつ圧下に要する圧下力を低く抑えることができる。そのため、凸形状規定範囲14内において圧下ロール1の凸形状を定めておけば、本発明の良好な圧下を行うことができる。凸形状規定範囲14内における凸形状は、外側に張り出し角部を有しない凸形状とする。外側に張り出しとは、外側に凸、即ちロール回転軸12から遠ざかる方向に凸との意味である。さらに、鋳造する鋳片の厚みをt(mm)とし、凸形状規定範囲14両端における圧下ロール半径rEに対し、幅中心位置におけるロール半径rCが0.005×t以上大きいと好ましい。これにより、圧下ロールで鋳片を圧下するに際し、圧下ロールの凸形状規定範囲14全体が鋳片を圧下するようにすれば、幅中心位置における鋳片の圧下量を0.005×t以上とすることができる。
凸形状規定範囲14内における凸形状のうちで最も簡潔にして効果的な形状として、図2に示すように、単一の円弧半径R1を有する円弧形状18とすることができる。このとき、凸形状規定範囲14内のロール外周形状11は、凸形状規定範囲14の長さ部分を弦31とする弓形形状を構成する。凸形状規定範囲14の長さ(弦31の長さ)をs、弓形の半径をR、弓形の弧32の高さ(凸形状規定範囲両端における圧下ロール半径rEと幅中心位置におけるロール半径rCとの差)をhとしたとき、以下の関係が成立する。弓形の中心角を2θとする。
h=R(1-cosθ) (4)
s=2R・sinθ (5)
これらの式から、以下の式が導かれる。
cosθ=(s2-4h2)/(s2+4h2) (6)
従って、まず、目標とするsとhを定め、上記(6)式にsとhを代入することよってθを定め、さらに(4)式又は(5)式にθを代入してRを定めることができる。例えば、s=150mm、h=9mmを目標とする場合、上記式に代入することにより、R=316mmと導き出すことができる。
凸形状規定範囲14内における凸形状としては、上記単一の円弧半径R1を有する円弧形状18の他、放物線形状、楕円形状、双曲線形状、場所によって半径が異なる円弧を滑らかに接続した形状などから、任意に選択することができる。凸形状を構成する、角部を有しない曲線形状において、曲線の曲率半径は最小でも1×h以上とすると好ましい。これにより、凸形状が曲線であることによる本発明の効果を十分に発揮することができる。曲線の最小曲率半径については、後述の第2の実施の形態においても同様である。
圧下ロールの凸形状規定範囲14の外側で幅方向端部側のロール外周形状11については、特に規定するものではない。好ましくは、外周形状を直線状又は角部を有しない曲線状とする。幅方向両端部のロール形状を円筒形状22とする場合、ロールの外周形状は、凸形状規定範囲14から円筒形状22の位置に至るまで、滑らかな直線と曲線の組み合わせであって角部を有しない形状とすると好ましい。円筒形状22に接続する直前においては、外側に凹の曲線とすると良い。
圧下ロールのロール外周形状として最も簡潔にして効果的な形状として、図2に示すように、凸形状規定範囲14とその外の両側の所定の範囲(半径R1範囲23)については単一の円弧半径R1の円弧形状18とし、さらにその両側の半径R2範囲24については、単一の円弧半径R2の円弧形状19であって外側に凹の形状を円滑に接続し、最終的にフラットロールの円筒形状22の直線に滑らかに接続する形状を採用することができる。ロール外周形状のいずれの部位にも角部が存在しないので、圧下ロールでのロール圧下量が増大して、幅方向におけるロールでの圧下範囲が凸形状規定範囲14を超え、フラットロールの円筒形状22部が鋳片10に接するまでの圧下を行う場合においても、圧下後の鋳片表面のいずれの部位についても、角が形成されない円滑な表面とすることができる。その結果、連続鋳造に続く後工程の熱間圧延において、凸型ロールで圧延したために生成した鋳片の凹形状に起因する圧延疵が発生することを防止できる。
圧下ロールでの圧下制御を行う圧下制御装置において、圧下変位量を目標とする変位量に制御できる装置(圧下変位制御ができる装置)を用いることとすれば、圧下量を圧下ロールの上記h以下の値に制御することができる。その結果、圧下時に鋳片に接するロール表面は、凸形状規定範囲14内に収めることができる。凸形状規定範囲内は、角部を有しない曲線形状であるため、圧下後の鋳片表面にも急峻な凹みが形成されず、後工程の熱間圧延時に疵発生の原因となることがない。
一方、圧下制御装置として圧下変位制御ができない装置を用いる場合には、凸形状規定範囲14を外れる位置におけるロール外周形状を、上記最も簡潔にして効果的な形状を採用すると好ましい。圧延ロールのロール外周形状には、凸形状規定範囲14及びその両側であって円筒形状22部分まで続くいずれの部位についても角部を有しない滑らかな形状である。そのため、圧下力が大きいために幅両端のフラットロール部まで鋳片に接するような圧下が行われたとしても、圧下後の鋳片表面には疵の原因となるような急峻な形状が形成されることがない。
本発明の圧下ロールである凸型曲線ロール4が具備すべき要件として、本発明の第2の実施の形態について、図6に基づいて説明する。第2の実施の形態において、圧下ロールは、ロール回転軸を含む断面におけるロール外周形状が、以下の形状を具備している。即ち、前記第1の実施の形態においては、凸形状規定範囲内における凸形状として、外側に凸であって角部を有しない曲線形状と定めていた。これに対して第2の実施の形態では、凸形状規定範囲内における凸形状として、外側に凸の曲線16と長さが0.25×W以内の直線17との組み合わせであって角部を有しない形状と定める。以下、このように定めた根拠について説明する。
上記第2の実施の形態についても、有限要素法を用いた変形解析によってその有効性を確認した。ロール外周形状11として、図6(A)に示すように、凸の曲線16と直線17との組み合わせについて、凸の曲線は円弧半径R1が0.8×Wの円弧形状18とし、直線17は、幅中心位置13を中心にしてロール軸に平行に任意の長さの直線部を設け、円弧形状18と直線17とを滑らかに接続した。直線17の長さを種々に設定した上で、圧下力を100トンFとして圧下力を付与し、有限要素法による変形解析を行った。変形解析の結果として、鋳片の厚み中心部における塑性歪み(規格化した相当塑性歪み)について解析を行った。その結果を図6(B)に示す。直線17の長さDについて、図中にD/Wで表記している。D/Wが大きくなるほど、即ち直線17の長さDが長くなるほど、幅方向全域において厚み中心部の規格化相当塑性歪みは減少するものの、直線17の長さDが0.25×W以下の範囲であれば、凸型ディスクロール5よりも良好な規格化相当塑性歪みの値を実現できることがわかった。そこで、第2の実施の形態についても、本発明の圧下ロールの好ましい形状として定めることとした。
凸型曲線ロール4が、従来の凸型ディスクロール5に比較して、同一の圧下力でもセンターポロシティを良好に改善できたメカニズムについて検討する。凝固後圧下によるポロシティ低減は、圧下によりポロシティ生成領域への歪みが付与され、ポロシティが圧着されることによる。歪み付与量は、原則として圧下量が増えるほど増加する。特に表面部分の歪みは、幅方向の押し込み量が直接反映されるため、凸型曲線ロール4と従来の凸型ディスクロール5を比較したときに、幅方向で見ると、凸型ディスクロール5が鋳片表面での歪み付与量で上回る箇所が存在する。一方で、歪みが厚み中心へ浸透するに従い、歪みは幅方向へも拡散する。このため、厚さ方向中心部の歪み量は、曲線部で大きく圧下量を稼ぐことが可能な凸型曲線ロールが優位となることから、全幅で凸型曲線ロールが勝るという解析結果となったと考えられる。
本発明の連続鋳造の圧下方法においては、圧下ロールとして凸型曲線ロールを用い、連続鋳造中において、鋳片の中心固相率が0.8~1.0の高固相率領域において、少なくとも2対の圧下ロール対によって圧下する連続鋳造の圧下方法である。各圧下ロール対で用いる圧下ロールのうちの少なくとも一方については、凸型曲線ロールを用いる。
連続鋳造中の圧下位置を定めるにあたり、中心固相率が0.8となる位置、完全凝固位置のそれぞれについては、連続鋳造中における鋳片表面の温度測定、鋳片の伝熱凝固計算を組み合わせることによって定めることができる。
中心固相率が0.8から1.0までの高固相率領域61で圧下を行う圧下ロール対40の数については、最低でも2対とする。圧下ロール対40が1対のみでは本発明の効果を発揮することが難しい。当該領域での圧下ロール対40の数は3対以上であるとより好ましい(図9参照)。
中心固相率が0.8から1.0までの領域(高固相率領域61)で行う圧下の圧下勾配は、4mm/min以上とすると好ましい。4mm/min以上であれば、中心偏析とセンターポロシティを良好に低減することができるからである。また、高固相率領域61で行う圧下の圧下勾配は、10mm/min以下とすると好ましい。10mm/min以下であれば、割れが発生しないことを実験装置で確認しているためである。
中心固相率が0.8以下の固相率が低い領域における好ましい鋳片の圧下条件について説明する(図10参照)。従来から知られているように、固相率が低い領域において、凝固収縮にみあった鋳片の圧下を行うことにより、鋳片の中心偏析が低減することが知られている。固相率が低い領域における中心固相率の範囲では、凝固収縮を補償するための軽圧下量は、0.8~1.2mm/min程度とされている。本発明においても、中心固相率が0.3から(上限)0.75までの領域(低固相率領域62)において、圧下勾配が0.8~1.2mm/minの圧下を行うことにより、鋳片の中心偏析を低位に保つことが可能となる。中心固相率の下限については、軽圧下が有効となる固相率範囲の一般的な下限であることから定めた。一方、中心固相率が0.75を超えると、圧下勾配の上限が緩和されることから、低固相率領域の上限中心固相率を0.75と定めた。低固相率領域における圧下勾配の範囲については、凝固収縮見合いとされる、一般的な軽圧下適正勾配に準ずるものである。
前記低固相率領域62と高固相率領域61の間の領域(中心固相率が0.75~0.8の間の領域、以下「遷移固相率領域63」という。)では圧下勾配が0.8mm/min以上の圧下を行えばよい(図10参照)。遷移固相率領域63の圧下勾配の上限は、高固相率領域61と同様、10mm/min以下とすると好ましい。即ち、遷移固相率領域63においては、低固相率領域62と同じ圧下勾配としてもよく、あるいは高固相率領域61と同じ圧下勾配としてもよく、低固相率領域62での圧下勾配(軽圧下)から高固相率領域61での圧下勾配(高圧下)に順次移行する遷移領域としてもかまわない。
中心固相率が0.8から1.0までの高固相率領域の圧下ロールの直径については、圧下ロールとして凸型曲線ロールを用いた場合、ロールの最も太い部分のロール直径が380mm以上であれば内部割れが発生しないことを確認している。
鋳片形状が、幅:530mm、厚さ:400mmのブルームを鋳造する湾曲型のブルーム連続鋳造において、本発明を適用した。用いた連続鋳造装置は、一般的な軽圧下機能を持つ連続鋳造装置に該当する。鋳造速度は1.2m/分であり、中心固相率が0.8から凝固完了位置まで鋳造長で1.2mの距離であることを確認している。
連続鋳造装置のロール配置については、図10に示すように、上流側52の固相率が低い側においては通常のサポートロール7(直径280mm)によって鋳片を支持しており、サポートロールのロール間隔を順次狭めることによって軽圧下を行うことができる。
また、下流側53の固相率が0.8-1.0の領域(高固相率領域61)では、F面側の圧下ロール2とL面側の圧下ロール1を用いた圧下ロール対40を配置し、圧下を行っている。圧下ロール対40において、F面側の圧下ロール2はいずれもフラットロールを用いている。一方、圧下ロール対のL面側の圧下ロール1については、本発明の凸型曲面ロールに加え、凸型ディスクロール、フラットロールを採用した。
図9に高固相率領域での圧下ロール対40の配置について図示している。図9(A)は圧下ロール対40が1対、(B)は圧下ロール対40が2対、(C)は圧下ロール対40が3対配置されている。圧下ロール対40が3対の場合、図9(C)に示すように、上流側52から、第1圧下ロール対41、第2圧下ロール対42、第3圧下ロール対43が配置される。中心固相率が0.3から0.8までの領域と、中心固相率が0.8から1.0までの領域について、それぞれ圧下条件を設定して圧下を行った。
また、圧下ロール対の数が1対~3対の場合のいずれも、最も上流側の第1圧下ロール対41の直前のサポートロール7Uは鋳片中心固相率が0.8以下、各圧下ロール対40は鋳片中心固相率が0.8以上凝固完了位置(鋳片中心固相率が1.0)の範囲内に配置されている。表1に示す「累積平均圧下量(mm)」については、高固相率領域直前のサポートロール7U出側における鋳片の厚み(サポートロール7Uの上下ロール間隔)を基準とし、高固相率領域の各圧下ロール対において、前記(3)式に基づいて平均圧下量dを算出し、これを累積平均圧下量としている。圧下ロールとしてフラットロールを用いている場合は、サポートロール7Uのロール間隔と当該圧下ロール対のロール間隔との差が、累積平均圧下量となる。また、表1に示す圧下勾配(mm/min)は、高固相率領域入り側と出側における平均圧下量の差を、高固相率領域通過時間で除した値である。具体的には、高固相率領域入り側の平均圧下量はゼロ、出側における平均圧下量は最終圧下ロール対の累積平均圧下量dTが対応する。また、高固相率領域通過時間は、高固相率領域の長さL(実施例では1.2m)を鋳造速度(実施例では1.2m/min)で除した値である。実施例では結果として、圧下勾配(mm/min)は、最終圧下ロール対の累積平均圧下量(mm)と等しい数値となっている。
凸型ディスクロール5(表1において「ディスク」と表示)としては、図3に示すように、幅中心位置13の水平部20の長さが200mm、その両側に角部15を介して角度17°の傾斜部21を有する。水平部20のロール半径(表1に示す)は、幅両端のフラットロール部のロール半径よりも20mm大きい。
凸型曲線ロール4(表1において「凸曲線」と表示)としては、図2に示すように、凸形状規定範囲14(幅中心位置からロール幅方向の両側に合計で長さ0.80×Wの範囲)を含んで半径が430mm一定の円弧形状18であり、凸形状規定範囲14両端における圧下ロール半径rEに対し、幅中心位置13におけるロール半径rCが60mm大きいロールを用いた。幅中心位置13のロール半径rCは表1に示すとおりである。凸形状規定範囲14内の円弧形状18は、凸形状規定範囲14の外側まで継続し(半径R1範囲23)、その後、円弧半径R2=100mmで外に凹の円弧形状19(半径R2範囲24)と滑らかに接続し、最終的に円筒形状22を有するフラットロール部に滑らかに接続している。
中心固相率が0.8までの領域では、軽圧下条件として、通常用いられている軽圧下勾配の0.8~1.2mm/minを採用した。この中心固相率領域では、0.8~1.2mm/minを採用することにより、凝固収縮を補償することができる。この領域での軽圧下は、前述のように通常用いられているサポートロール7を用いており、ロール直径は280mmである。
中心固相率0.8以上1.0以下までの領域(高固相率領域61)の圧下条件については、圧下ロール対によって圧下する圧下勾配を種々変更するとともに、圧下ロール(2、3)のロール径については表1に示すように、φ280mm、φ380mm、φ400mm、φ450mmの4水順とした。圧下ロール対40の数については、1対の場合、2対の場合と3対の場合の3水準で調査を行った。
鋳片品質については、鋳片厚み中心部の最大Mn偏析度(中心偏析)、センターポロシティと、表面割れ、内部割れの評価とを行った。最大Mn偏析度評価方法は、前記ラボ連続鋳造装置による試験と同様である。
鋳片のセンターポロシティについては、前述のとおり、鋳片断面のカラーチェックにより算出したポロシティ面積率を指標として評価を行った。
表面割れについては、鋳片の圧下面を研削し、染色浸透探傷検査(PT検査)により、表面割れ(横割れ)の有無を評価した発色があれば表面割れ(横割れ)「有り」とし、発色がなければ「-」(なし)とした。内部割れについては、圧下定常部のセンター部・鋳造方向断面のエッチング面の観察により、目視可能な割れの有無を基準として評価を行った。目視可能な内部割れの全長が5mm以上であれば内部割れ「有り」とし、目視可能な内部割れの全長が5mm以下であれば内部割れ「若干有り」とし、それ以外を「-」(なし)とした。
表1にその実施例結果を示す。圧下ロール対の数は、No.1~8、17、20、21が3対、No.9~16、18が2対、No.19、22~29が1対である。本発明のNo.4とNo.8、No.12とNo.16、No.25とNo.29は同じ実施例である。
Figure 0007172346000001
本発明のNo.4(No.8)、No.12(No.16)、No.20、21については、圧下ロール対の数が2対、又は3対であり、圧下ロールとして凸型曲線ロールを用いており、最大Mn偏析度、ポロシティ面積率のいずれも良好な結果を得ることができた。また、表面割れ、内部割れの発生も見られなかった。
No.1~4(圧下ロール対3対)、No.9~12(圧下ロール対2対)、No.22~25(圧下ロール対1対)はそれぞれ、圧下ロールとしてフラットロール、凸型ディスクロール、凸型曲線ロールを用いるに際し、圧下ロールの圧下荷重を同一とし、圧下を行っている。いずれも、累積平均圧下量と圧下勾配は、凸型曲線ロールを2対以上用いた場合が最も大きな圧下量、圧下勾配を実現しており、結果として最大Mn偏析度、ポロシティ面積率ともに良好な結果となっている。
No.5~8(圧下ロール対3対)、No.13~16(圧下ロール対2対)、No.26~29(圧下ロール対1対)はそれぞれ、圧下ロールとしてフラットロール、凸型ディスクロール、凸型曲線ロールを用いるに際し、各圧下ロールの累積平均圧下量が同一となるように圧下荷重を選択し、圧下を行っている。圧下ロールとして凸型曲線ロールを用いることにより、同じ圧下量を実現する上で圧下荷重を低減できることが分かる。また、累積平均圧下量と圧下勾配が同一であるにもかかわらず、凸型曲線ロールを2対以上用いた本発明例において、最大Mn偏析度、ポロシティ面積率ともに良好な結果となっている。また、280mmφのフラットロールを用いた比較例No.5、13、26については、内部割れの発生が見られた。凸型ディスクロールを用いた比較例No.7、15、28については、表面割れの発生が見られた。
本発明例と従来例の鋳片を、一般的な熱延プロセスとして熱間圧延を行った。鋳片の表面形状に起因する製品不良率について比較した結果、従来例の鋳片においては製品不良率が5%程度であったものが、本発明の鋳片を用いた結果、製品不良率が0.5%以下まで低減した。
1 圧下ロール
2 圧下ロール
3 凸型ロール
4 凸型曲線ロール
5 凸型ディスクロール
6 フラットロール
7 サポートロール
10 鋳片
11 ロール外周形状
12 ロール回転軸
13 幅中心位置
14 凸形状規定範囲
15 角部
16 曲線
17 直線
18 円弧形状
19 円弧形状
20 水平部
21 傾斜部
22 円筒形状
23 半径R1範囲
24 半径R2範囲
25 圧下部
31 弦
32 弧
40 圧下ロール対
41 第1圧下ロール対
42 第2圧下ロール対
43 第3圧下ロール対
51 鋳造方向
52 上流側
53 下流側
61 高固相率領域
62 低固相率領域
63 遷移固相率領域
W 鋳片幅
C 幅中心位置の圧下ロール半径
F 幅端部の圧下ロール半径
E 凸形状規定範囲両端の圧下ロール半径
1 円弧半径
2 円弧半径
h 弓形の弧の高さ
s 弓形の弦の長さ
θ 弓形の中心角の半分
R 弓形の半径
w 圧下部の幅
S 圧下断面積
d 平均圧下量
T 累積平均圧下量
L 高固相率領域の長さ

Claims (4)

  1. 連続鋳造中において鋳片を圧下する方法であって、
    中心固相率が0.8から凝固完了までの領域(以下「高固相率領域」という。)において、圧下ロール対を連続で2対以上配置して鋳片の圧下を行い、
    前記圧下ロール対を構成する圧下ロールのうちの少なくとも一方については、ロール回転軸を含む断面におけるロール外周形状が、鋳片の幅方向中心位置(以下「幅中心位置」という。)を含む領域で、外側に張り出し角部を有しない凸形状を構成しており、
    鋳造する鋳片幅をW(mm)、鋳片厚みをt(mm)とし、前記凸形状は、前記幅中心位置からロール幅方向の両側に合計で長さ0.80×Wの範囲(以下「凸形状規定範囲」という。)の全域において、外側に凸であって角部を有しない曲線形状であり、前記凸形状規定範囲両端における圧下ロール半径に対し、幅中心位置における圧下ロール半径が0.005×t以上大きく、圧下ロールの凸形状規定範囲の外側で幅方向端部側のロール外周形状が直線状であることを特徴とする連続鋳造の圧下方法。
  2. 前記凸形状を有する圧下ロールが接する側の前記鋳片表面には圧下ロールの凸部に起因する凹みが形成され、前記高固相率領域における圧下勾配が4.0mm/min以上10.0mm/min以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造の圧下方法。
    なお、高固相率領域における圧下勾配とは、高固相率領域入り側と出側における平均圧下量の差を高固相率領域通過時間で除した値であり、鋳片断面において、鋳片が圧下ロールによって圧下された部分を圧下部とし、平均圧下量は圧下部の面積を圧下部の幅で除した値である。
  3. 前記圧下ロール対を連続で3対以上配置して鋳片の圧下を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連続鋳造の圧下方法。
  4. 中心固相率が0.3から0.75までの領域(以下「低固相率領域」という。)において、圧下勾配が0.8~1.2mm/minの圧下を行い、前記低固相率領域と高固相率領域の間の領域では圧下勾配が0.8mm/min以上の圧下を行うことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の連続鋳造の圧下方法。
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