JP7172304B2 - 熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents
熱可塑性樹脂フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP7172304B2 JP7172304B2 JP2018164176A JP2018164176A JP7172304B2 JP 7172304 B2 JP7172304 B2 JP 7172304B2 JP 2018164176 A JP2018164176 A JP 2018164176A JP 2018164176 A JP2018164176 A JP 2018164176A JP 7172304 B2 JP7172304 B2 JP 7172304B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- thermoplastic resin
- less
- resin film
- elastic modulus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
すなわち、DFRから保護フィルムを剥離し、露出したレジスト層の表面と、基板上の例えば銅箔などの導電性基材層の表面とが密着するように、基板・導電性基材層とラミネートする。次に導体回路パターンを焼き付けたレチクルを、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂フィルムからなる基材上に置き、その上から感光性樹脂を主体としたレジスト層に光線を照射して、露光させる。その後、レチクル及びポリエステルなどの熱可塑性樹脂フィルムを剥離した後、溶剤によってレジスト層中の未反応分を溶解、除去する。次いで、酸などでエッチングを行い、導電性基材層中の露出した部分を溶解、除去する。この結果、レジスト層中の光反応部分とこの光反応部分に対応する導電性基材層部分がそのまま残ることになる。その後、残ったレジスト層を除去すれば、基板上の導体回路が形成されたことになる。このような方法により導体回路が形成されるので、基材としてのポリエステルなどの熱可塑性樹脂フィルムには、レジスト層からの剥離時に、レジスト層を傷つけることなく円滑に剥離されることが求められる。
[I]以下(1)、(2)を同時に満たす面を少なくともどちらか一方に備える熱可塑性樹脂フィルム。
(1)Atomic Force Microscope(AFM)で測定される高さが1nm以上10nm未満である突起の突起個数が200個/μm2以上2000個/μm2以下であること。
(2)Atomic Force Microscope(AFM)で測定される、弾性率の分布幅((最大値-最小値)/平均値)が0.5以上1.7以下であること。
[II](1)、(2)を満たす面が、さらに以下(3)を満たす[I]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
(3)ナノインデンテーションで測定される、16点測定時の平均弾性率が2.5GPa以上6.0GPa以下であること。
[III](1)、(2)を満たす面が、さらに以下(4)を満たす[I]または[II]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
(4)ナノインデンテーションで測定される、16点測定時の弾性率が全て2.5GPa以上6.0GPa以下であること。
[IV]AFM(Atomic Force Microscope)で測定されるスライスレベルの最も大きい値が2nm以上10nm未満である[I]~[III]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[V]100℃での長手方向の熱収縮応力が0.16MPa以上1.20MPa以下である[I]~[IV]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[VI]離型フィルムとして用いられる、[I]~[V]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[VII]ドライフィルムレジストの工程フィルムとして用いられる、[VI]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[VIII]積層セラミックコンデンサーの工程フィルムとして用いられる、[VI]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
本発明は熱可塑性樹脂フィルムに関する。本発明でいう熱可塑性樹脂とは、加熱すると塑性を示す樹脂であり、代表的な樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンα、β―ジカルボキシレート、P-ヘキサヒドロ・キシリレンテレフタレートからのポリマー、1,4シクロヘキサンジメタノールからのポリマー、ポリ―P-エチレンオキシベンゾエート、ポリアリレート、ポリカーボネートなど及びそれらの共重合体で代表されるように主鎖にエステル結合を有するポリエステル類、更にナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン11、などで代表されるように主鎖にアミド結合を有するポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレンで代表されるように主としてハイドロカーボンのみからなるポリオレフィン類、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリオキシメチレンなどで代表されるポリエーテル類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどで代表されるハロゲン化ポリマー類及びポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスルホンおよびそれらの共重合体や変性体、ポリイミド(PI)などである。
かかるポリエステルを構成するジカルボン酸構成成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、4,4‘-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9‘-ビス(4-カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられる。
また、かかるポリエステルを構成するジオール構成成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジ
メタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3-ベンゼンジメタノール,1,4-ベンセンジメタノール、9,9‘-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、芳香族ジオール類等のジオール、上述のジオールが複数個連なったものなどが例としてあげられる。
本発明に用いられるポリエステルには、ラウリルアルコールやイソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトールおよび2,4-ジオキシ安息香酸等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋をせずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分とジオール成分以外に、p-ヒドロキシ安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸および2,6-ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、およびp-アミノフェノールやp-アミノ安息香酸などを、本発明での突起個数・弾性率の分布幅に影響のない程度の少量であればさらに共重合させることができる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。また、ポリエステルはこれらの共重合体、変性体でもよい。結晶性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)が主成分であることが好ましい。
以下、(3)のUV照射やアーク放電によるコロナ処理、グロー放電によるプラズマ処理などの表面処理によりフィルム表面を結晶化させることで弾性率を制御する方法について説明する。
<放電処理強度(E値)の求め方>
E=Vp×Ip/(S×Wt)
E:E値(W・min/m2)
Vp:印加電圧(V)
Ip:印加電流(A)
S:処理速度(m/min)
Wt:処理幅(m)
表面処理を施す場合、表面処理時のフィルムの表面温度を150℃以下にすることが好ましい。更に好ましくは100℃以下、最も好ましくは50℃以下である。表面温度が150℃よりも大きいとフィルムの結晶化が進行し、延伸不良となり弾性率の分布幅が広くなり耐キズ性が悪化する場合がある。
一方、フィルムの表面温度が低すぎると、エッチングが進行せず突起個数が低下することで易滑性が低下する場合や結晶化が十分に進行せず後述する平均弾性率が十分に上昇しないことにより耐キズ性が低下する場合、弾性率の分布幅が狭くなることで剥離性が悪化する場合があるため、表面温度は10℃以上、より好ましくは15℃以上、更に好ましくは25℃以上にすることが好ましい。また、表面処理温度は処理面と反対側の面を冷却ロール等を用いて冷却することで調整することができる。
以下、(2)延伸時に特定の熱処理を行うことによりフィルム表面を結晶化させることで弾性率を制御する方法について説明する。
以下、(1)主成分として含む熱可塑性樹脂よりも高弾性成分を一種類以上共重合・混合する方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂フィルムにおいて、主成分として含む熱可塑性樹脂よりも高弾性成分を共存させる手法としては、共重合、混合どちらであってもよいが、混合の方が高弾性成分を共存させる上で簡便に実施できるため好ましい。主成分と混合させる高弾性成分としては、主成分と良好な親和性を示すことが重要であり、主成分がポリエステルである場合、ポリイミドや、ポリスルホンが、ポリエステルと良好な親和性を示し、分散径が小さくなり微細な突起が形成される好ましい。ポリイミドとしては、例えばテトラカルボン酸および/またはその酸無水物と、脂肪族一級モノアミンおよび/または芳香族一級モノアミン、さらに/または脂肪族一級ジアミンおよび/または芳香族一級ジアミンよりなる群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物を脱水縮合することにより得られた化合物を挙げることができる。テトラカルボン酸および/またはその酸無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸等および/またはその酸無水物等が用いられる。脂肪族一級モノアミンとしては、例えば、炭素数2~22の飽和または不飽和の直鎖、分岐または脂環系のモノアミンが用いられ、具体的には、エチルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン及びこれらの構造異性体等が用いられる。芳香族一級モノアミンとしては、例えば、非置換あるいは炭素数1~22のアルキル置換の一級アニリンが用いられ、具体的には、アニリン、トルイジン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルアニリン、ペンチルアニリン、ヘキシルアニリン、ヘプチルアニリン、オクチルアニリン、ノニルアニリン、デシルアニリン、ウンデシルアニリン、ドデシルアニリン、トリデシルアニリン、テトラデシルアニリン等が用いられる。脂肪族一級ジアミンとしては、例えば、炭素数1~12のメチレン基で結合された一級ジアミンや脂環基を有するジアミンが用いられ、具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンおよびこれらの構造異性体などが用いられる。芳香族一級ジアミンとしては、例えば、ベンジジン、ジメチルベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジトリルメタン、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルブタン等およびこれらの例示した芳香族一級ジアミンの炭化水素基を構造単位に有する芳香族一級ジアミン等が用いられる。上記のポリイミドは、ポリエステルと良好な親和性を有するポリイミドであればよいが、ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い性などの点から、ポリエーテルイミドが特に好ましい。また、高いガラス転移温度の成分を共存させることにより、熱収応力低下の効果も得られる。ここでいうポリエーテルイミドとは、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するものであり、下記化学式1で示されるポリマーが好適に用いられる。
ポリスルホンとしては、例えばポリエーテルスルホンがあげられるが、アルキル基や芳香環などほかの官能基を繰り返し単位内に含んでいてもよく、他の構造単位が共重合されていてもよい。
これらの高弾性成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。混合する割合としては、フィルムの全成分を100質量%として、0質量%より大きく、50質量%未満が好ましい。特に2質量%以上、30質量%未満であると混合成分の効果を得ながら、良好な製膜性を保つために好ましい。30質量%以上混合した場合は、分散した混合成分同士の再凝集が発生することで分散径が大きくなり、粗大な突起が形成し微細な突起の突起個数の低下につながる場合がある。
また、さらに好ましい分散状態に調整する他の方法としては、例えば、タンデム押出機を用いて混合する方法、2種類以上のポリエステルを用いて混合成分を微分散させる方法、粉砕器で混合成分を粉末状に粉砕した後に混合する方法、両者を溶媒に溶解し共沈させることにより混合する方法、一方を溶媒に溶かして溶液状とした後に他方に混合する方法、相溶化剤を0.01~10重量%用いる方法なども挙げられるが、この限りではない。
A.AFM(Atomic Force Microscope)による評価
(i)高さ1nm以上10nm未満である突起の突起個数D(個/μm2)
以下の測定方法によって得られるフィルム表面の画像を、付属の解析ソフト(NanoScope Analysis Version 1.40)を用い解析する。得られるフィルム表面のHeight Sensor画像を下記するFlatten処理のみを施した後、Particle Analysis解析モードを下記の通り設定することで、フィルム表面の基準面が自動的に決定される。該基準面から、突起高さの閾値(Threshold Height)を1nm、2nm・・・と1nmごとに定め、各閾値で得られる突起個数をカウントする。突起高さの閾値(Threshold Height)が1nm(R1nm)での1μm2当たりの突起個数の平均値(Density行、Mean列の値)をN1nm(個/μm2)、10nm(R10nm)での1μm2当たりの突起個数の平均値(Density行、Mean列の値)をN10nm(個/μm2)とした時、次の式で求められる値をその測定画像の高さ1nm以上10nm未満である突起の突起個数D(個/μm2)とする。
D(個/μm2)=N1nm(個/μm2)-N10nm(個/μm2)
前記解析を各サンプルにおける20か所の測定画像全てにおいて行い、その平均値をサンプルの高さ1nm以上10nm未満の突起の個数D(個/μm2)とする。
前記(i)項と同様にして、付属の解析ソフトにて算出される、各閾値で得られる突起個数をカウントし、カウントされる突起個数が初めて0になる閾値から1nm低い閾値をその測定画像のRtop(nm)とする。前記解析を各サンプルにおける20か所の測定画像全てにおいて行い、その平均値をサンプルの最大突起高さRtop(nm)とする。
以下の測定モード(PeakForceQNM(Quantitative Nano-mechanical Mapping))によって得られるフィルム表面の画像を、表計算ソフト(Microsoft Excel 2016)を用い解析する。得られるフィルム表面のDMTModulus画像(display)を測定用ソフト(Nanoscope 8.15)で開き、ascii形式で保存する。asciiデータから各測定点のうち最も大きい値をEqM(MPa)、最も小さい値をEqm(MPa)、すべての測定点の平均値をEqA(MPa)とした時、次の式で求められる値をその測定画像の弾性率の分布幅EqWとする。
EqW=(EqM(MPa)-Eqm(MPa))/EqA(MPa)
前記解析を各サンプルにおける20か所の測定画像全てにおいて行い、その平均値をサンプルの弾性率の分布幅EqWとする。
[AFM測定方法]
・装置:Bruker社製 原子間力顕微鏡(AFM)
Dimention Icon with ScanAsyst
・カンチレバー:窒化ケイ素製プローブ ScanAsyst Air
・走査モード:ScanAsyst
・走査速度:0.977Hz
・走査方向:後述する方法にて作製した測定サンプルの幅方向に走査を行う
・測定視野:1μm四方
・サンプルライン:512
・Peak Force SetPoint:0.0195V~0.0205V
・Feedback Gain:10~20
・LP Deflection BW:40 kHz
・サンプル調整:23℃、65%RH、24時間静置
・AFM測定環境:23℃、65%RH
・測定サンプル作成方法:AFM試料ディスク(直径15mm)の片面に両面テープを貼りつけ、AFM試料ディスクと、約15mm×13mm(長手方向×幅方向)に切り出した本発明の熱可塑性樹脂フィルムの前記表面(測定面)とは逆側の面とを貼り合せ、測定サンプルとした。
[Flatten処理]
・Flatten Order:3rd
・Flatten Z Threshholding Direction:No theresholding
・Find Threshold for:the whole image
・Flatten Z Threshold %:0.00 %
・Mark Excluded Data:Yes
[Particle Analysisモード設定]
(Detectタブ)
・Threshold Height:各値に応じて入力
・Feature Direction:Above
・X Axis:Absolute
・Number Histogram Bins:512
・Histogram Filter Cutoff:0.00 nm
・Min Peak to Peak:1.00 nm
・Left Peak Cutoff:0.00000%
・Right Peak Cutoff:0.00000%
(Modifyタブ)
・Beughbirhood Size:3
・Number Pixels Off:1
・一切のDilate/Erode操作を行わない。
(Selectタブ)
・Image Cursor Mode:Particle Select
・Bound Particles:Yes
・Non-Representative Particles:No
・Height Reference:Relative To Max Peak
・Number Histogram Bins:50
・前記数値を求めるに際し、解析画像中の特定のピーク、エリアを選択しない。
[PeakForceQNMモード測定方法]
・装置:Bruker社製 原子間力顕微鏡(AFM)
Dimention Icon with ScanAsyst
・カンチレバー:Model:TAP525A
Part:MPP-13120-10
・走査モード:PeakForceQNM
・走査速度:0.977Hz
・走査方向:後述する方法にて作製した測定サンプルの幅方向に走査を行う
・測定視野:5μm四方
・サンプルライン:512
・Peak Force SetPoint:300nN
・Feedback Gain:30
・Sample Poisson‘s Ratio:0.3
・LP Deflection BW:40 kHz
・サンプル調整:23℃、65%RH、24時間静置
・AFM測定環境:23℃、65%RH
・カンチレバー校正方法:PeakForceQNMモードのマニュアルに従い、カンチレバーの反り感度、バネ定数、先端曲率の構成を行った後、下記の条件にて測定を実施した。なお、バネ定数および先端曲率は個々のカンチレバーによってバラつきを有するが、測定に影響しない範囲として、バネ定数150N/m以上250N/m以下、先端曲率半径80nm以下の条件を満たすカンチレバーを採用し、測定に使用した。
下記測定条件で打点間隔10μm、縦4点×横4点のマトリックス測定を行い、押し込み深さ=10nmの弾性率を各測定点で求める。その後、各測定点の平均値を平均弾性率EA(GPa)、最高値を最高弾性率EM(GPa)、最低値を最低弾性率Em(GPa)とする。
測定装置:MTSシステムズ社製 超微小硬度計 Nano Indenter DC
M
測定方法:ナノインデンテーション法(連続剛性測定法)
使用圧子:ダイヤモンド製三角錐圧子
測定雰囲気:室温・大気中
C.長手方向(MD)熱収応力A(MPa)
まず各サンプルの厚みL(μm)を、厚み計(Mitsutoyo社製)を用いて測定する。続いて熱機械測定装置TMA/SS6000(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、幅4mm、試料長さ(チャック間距離)20mmのサンプルに対し、定長下で室温から160℃まで昇温速度10℃/分で昇温させ、各温度(℃)におけるチャックにかかる応力値P(mN)を得る。そして、100℃における各サンプルの長手方向の単位面積当たりの収縮応力A(MPa)を下記式より求め、MD熱収応力A(MPa)とする。
A(MPa)=P(mN)/(4(mm)*L(μm))
なお、測定はn=5で実施し、その平均値として算出する。
長手方向に10cm、幅方向に7.5cmのサイズにカットしたフィルムのA面と、後述する比較例3に記載のフィルムのA面との静止摩擦係数(μs)を求める。測定は滑り係数測定装置(テクノニーズ社製)を用いて、以下の条件で行う。
測定速度:210mm/min
測定距離:12mm
荷重:200g
重り接触面材質:テフロンシート
5回測定した平均値を求める。
その際のμsによって以下の指標で評価する。
A:μsが1.0以下
B:μsが1.0より大きく1.5以下
C:μsが1.5より大きい
易滑性はA、Bが良好であり、中でもAが優れている。
下記工程にて内部電極パターンを形成し、グリーンシートを打ち抜きおよび積層を行った後、剥離を行った際の特性評価を実施する。
a.離型層の塗布
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの片面(表面処理を行っている場合は表面処理を行った面、表面処理を行っていない場合はいずれかの面)に、架橋プライマー層(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名BY24-846)を固形分1質量%に調整した塗布液を塗布/乾燥し、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、100℃で20秒乾燥硬化させる。その後1時間以内に付加反応型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名LTC750A)100重量部、白金触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名SRX212)2重量部を固形分5質量%に調整した塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化した後に巻き取り、離型フィルムを得る。
b.内部電極のパターンの形成
Ni粒子44.6重量部と、テルピネオール52重量部と、エチルセルロース3重量部と、ベンゾトリアゾール0.4重量部とを、混練し、スラリー化して内部電極層用塗料を得る。内部電極層用塗料を、グリーンシートの上に、スクリーン印刷法によって所定パターンで塗布し、内部電極パターンを有するセラミックグリーンシートを得た。乾燥温度は90℃、乾燥時間は5分である。
c.グリーンシートの打ち抜き
上記の、離型フィルムの上に成形され、内部電極パターンを付与した、セラミックグリーンシートを繰り出し、離型フィルム上にてグリーンシートを100枚分切断し打ち抜く。切断には回転式の丸刃カッターを使用する。この際、グリーンシートを切断するための、回転式丸刃カッターの切り込み深さは、グリーンシート厚みプラス2μm~3μmに設定する。
d.グリーンシート積層特性および剥離特性評価
上記の、離型フィルム上で打ち抜かれた後のグリーンシートを積層する。積層は、離型フィルム上にグリーンシートを保持したまま搬送後、グリーンシートを積層体に熱圧着した後に、離型フィルムを剥がす。この作業を100枚分繰り返し、セラミック積層体を得る。この際の積層状態を目視で確認して、グリーンシート積層特性を以下の基準にて評価する。
C:シート積層時に、剥離不良が発生し、シートが破れる。
易滑性はA、Bが良好であり、中でもAが優れている。
本発明の熱可塑性樹脂フィルム10m2(例えば、1m幅で10m長)の片面(表面処理を行っている場合は表面処理を行った面、表面処理を行っていない場合はいずれかの面)について、スポットライトを光源とし、反射光および透過光を用いて、光の散乱に基づく起点に注目しフィルム表面を肉眼で観察し、欠点箇所にペンでマークをつける。マークした欠点箇所について、実体顕微鏡でキズの最大径を測定し、最大径3mm以上のキズについて、ミロー型二光束干渉顕微鏡装置付き実体顕微鏡(Nikon製SMZ-10)を用いてキズの深さを測定し、深さ0.5μm以上で最大径3mm以上のキズ欠点個数を測定した。キズの深さは得られるλ/2ピッチで得られる干渉縞の乱れを測微接眼レンズで読み取り、下記により求めた。深さはフィルム表面から厚み方向への最大深さであり、キズ欠点の周りに盛り上がりを生じている場合は、盛り上がりの頂部からキズの底部までの最大深さを求める。
深さ=λ/2×(T/S)
λ:546nm
S:接眼レンズによるλ/2の読み取り値
T:干渉縞の乱れ量
上記の方法で求められるキズ欠点個数から、以下の基準で欠点頻度を判定した。
A:キズ欠点が1個/m2未満
B:キズ欠点が1個/m2以上2個/m2未満
C:キズ欠点が2個/m2以上3個/m2未満
D:キズ欠点が3個/m2以上
易滑性はA~Cが良好であり、中でもAが優れている。
実施例・比較例の条件にて製膜を実施した際のフィルムの破れ回数を1時間あたりに破れる回数に換算して数え、以下の基準で評価した。
A:1時間あたりに破れる回数が0.5回未満
B:1時間あたりに破れる回数が0.5回以上1回未満
C:1時間あたりに破れる回数が1回以上1.5回未満
D:1時間あたりに破れる回数が1.5回以上
易滑性はA~Cが良好であり、中でもAが優れている。
1m幅にスリットした本発明の熱可塑性樹脂フィルムを、張力200Nで搬送させ、支持体の一方の表面(表面処理を行っている場合は表面処理を行った面、表面処理を行っていない場合はいずれかの面)に以下の記載に従って磁性塗料および非磁性塗料を塗布し12.65mm幅にスリットし、パンケーキを作成する。(以下、「部」とあるのは「質量部」を意味する。)
磁性層形成用塗布液
バリウムフェライト磁性粉末 100部
(板径:20.5nm、板厚:7.6nm、
板状比:2.7、Hc:191kA/m(≒24000e)
飽和磁化:44Am2/kg、BET比表面積:60m2/g)
ポリウレタン樹脂 12部
質量平均分子量 10,000
スルホン酸官能基 0.5meq/g
α-アルミナ HIT60(住友化学社製) 8部
カーボンブラック #55(旭カーボン社製)
粒子サイズ0.015μm 0.5部
ステアリン酸 0.5部
ブチルステアレート 2部
メチルエチルケトン 180部
シクロヘキサノン 100部
非磁性層形成用塗布液
非磁性粉体 α酸化鉄 85部
平均長軸長:0.09μm、BET比表面積:50m2/g
pH:7
DBP吸油量:27~38ml/100g
表面処理層Al2O3:8質量%
カーボンブラック 15部
“コンダクテックス”(登録商標)SC-U(コロンビアカーボン社製)
ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 22部
フェニルホスホン酸 3部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 190部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 2部
上記の塗布液のそれぞれについて、各成分をニーダで混錬した。1.0mmφのジルコニアビーズを分散部の容積に対し65体積%充填する量を入れた横型サンドミルに、塗布液をポンプで通液し、2,000rpmで120分間(実質的に分散部に滞留した時間)、分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを非磁性層の塗料には5.0部、磁性層の塗料には2.5部を加え、さらにメチルエチルケトン3部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調整した。
エラーレート=(エラービット数)/(書き込みビット数)
A:エラーレートが1.0×10-6未満
B:エラーレートが1.0×10-6以上、1.0×10-5未満
C:エラーレートが1.0×10-5以上
易滑性はA、Bが良好であり、中でもAが優れている。
ジメチルテレフタレート(DMT)に、DMT・1モルに対し1.9モルのエチレングリコールおよび酢酸マグネシウム・4水和物をDMT100重量部に対し0.05重量部、リン酸を0.015重量部加え加熱エステル交換を行った。引き続き三酸化アンチモンを0.025重量部加え、加熱昇温し真空化で重縮合を行い、実質的に粒子を含有しないポリエステルペレット(A1)を得た。
このポリエステルを160℃で8時間減圧乾燥した後、押出機に供給し、溶融押出してフィルターで濾過した後、キャスティングドラム上にスリット状の口金から押出し、静電印可キャスト法を用いて密着させ冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを相対する電極とアースロール間に導き、装置中に窒素ガスを導入し、E値が200W・min/m2となる条件でキャスティングドラムに接していない面(非ドラム面)に大気圧グロー放電処理を行った。また、その際処理面のフィルム表面温度が50℃となるようにアースロールを冷却した。
大気圧グロー放電処理後の未延伸フィルムに逐次二軸延伸を実施した。まず105℃でテフロン(登録商標)ロールにて搬送した後に、グロー放電処理面側から出力を500Wとした赤外線ヒーターで加熱しながら、長手方向に95℃で3.6倍延伸して一軸延伸フィルムを得た。
この一軸延伸フィルムをテンター内で幅方向に100℃で4.5倍延伸し、続いて220℃で熱固定し、その際幅方向に3.2%弛緩し搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後に巻き取り、厚さ16μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た。この熱可塑性樹脂フィルムの特性等を表1、表2に示す(なお、表中、AFM、ナノインデンテーション測定結果の値は、表面処理を行っている場合は表面処理を行った面、表面処理を行っていない場合はいずれかの面の値を示す)。耐キズ性がやや低いが実用上問題はなく、易滑性、剥離性、製膜性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
大気圧グロー放電処理のE値を80W・min/m2とする以外は、実施例1と同じ製膜条件にて熱可塑性樹脂フィルムを得た。大気圧グロー放電処理の処理強度を低下させたことにより平均弾性率低下し、耐キズ性が実施例1対比で低下したが実用の範囲内であった。また易滑性、剥離性、製膜性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
赤外線ヒーターの出力を250Wとする以外は、実施例1と同じ製膜条件にて熱可塑性樹脂フィルムを得た。延伸時の熱処理強度を低下させたことにより結晶化が十分に進行せず、弾性率の分布幅が狭くなり、剥離性が実施例1対比で低下したが実用上問題はなかった。また、延伸時の応力緩和が十分でないことにより、熱収縮応力が増加し、製膜性が実施例1対比で低下したが実用上問題はなかった。耐キズ性は実施例1と同様にやや低いが実用上問題はなく、易滑性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
大気圧グロー放電処理のE値を500W・min/m2とし、赤外線照射を行わないこと以外は、実施例1と同じ製膜条件にて熱可塑性樹脂フィルムを得た。赤外線照射を行わないことで弾性率の分布幅が低下し、剥離性が実施例1対比で低下したが実用の範囲内であった。また延伸時の熱不足により、製膜性がやや劣るが実用上問題の無いフィルムであった。易滑性、耐キズ性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
大気圧グロー放電処理のE値を1000W・min/m2とし、赤外線照射を行わないこと以外は、実施例1と同じ製膜条件にて熱可塑性樹脂フィルムを得た。赤外線照射を行わないことで弾性率の分布幅が低下し、剥離性が実施例1対比で低下したが実用の範囲内であった。また延伸時の熱不足により、製膜性がやや劣るが実用上問題の無いフィルムであった。易滑性、耐キズ性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
大気圧グロー放電処理のE値を2000W・min/m2とし、赤外線照射を行わないこと以外は、実施例1と同じ製膜条件にて熱可塑性樹脂フィルムを得た。赤外線照射を行わないことで弾性率の分布幅が低下し、剥離性が実施例1対比で低下したが実用の範囲内であった。また延伸時の熱不足により、製膜性がやや劣るが実用上問題の無いフィルムであった。易滑性、耐キズ性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
常法により得られたポリエステルペレット(A1)(50重量%)とGeneral Electric(GE)社製の”ウルテム”1010(50重量%)を、290℃に加熱された同方向回転タイプのベント式二軸混練押出機に供給して、”ウルテム”を50重量%含有したブレンドチップ(A2)を作成した。
次いで、ポリエステルペレット(A1)を80重量部、ブレンドチップ(A2)を20重量部用いる以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂フィルムを得た。高弾性成分の添加により、実施例1対比で平均弾性率が増加することで耐キズ性が改善するとともに、ポリエーテルイミドが高いガラス転移温度を有することから熱収応力が低下し製膜性が改善した。易滑性、剥離性、耐キズ性、製膜性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
赤外線照射を行わないこと以外は実施例7と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。耐キズ性は実施例1と同様にやや低いが実用上問題はなく、易滑性、剥離性、製膜性に優れ、エラーレートの少ないフィルムであることが分かった。
ポリエステルペレット(A1)を20重量部、ブレンドチップ(A2)を80重量部用いる以外は実施例8と同様にして熱可塑性樹脂フィルムを得た。粗大な突起の形成により、微細な突起の突起個数低下し、易滑性がやや低下したが実用の範囲内であった。また粗大な突起が形成されたことにより、エラーレートがやや悪化したが、実用上問題はなかった。剥離性、耐キズ性、製膜性については実施例1と同様に良好なフィルムであることが分かった。
ポリエステルペレット(A1)を、160℃で8時間減圧乾燥した後、押出機に供給し、溶融押出してフィルターで濾過した後、キャスティングドラム上にスリット状の口金から押出し、静電印可キャスト法を用いて密着させ冷却固化して、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを逐次二軸延伸機により長手方向に3.6倍(温度95℃)、および幅方向にそれぞれ4.5倍(温度100℃)延伸した後、定長下220℃で熱処理した。その後、幅方向に3.2%弛緩し搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後に巻き取り、厚さ16μmの熱可塑性樹脂フィルムのを得た。突起形成が不十分であり、弾性率の分布幅も十分に広くないため、易滑性、剥離性に劣るフィルムであることが分かった。また、延伸時の応力緩和不足により製膜性にも劣るフィルムであった。耐キズ性はやや劣るものの実用の範囲内であった。
ポリエステルペレット(A1)を80重量部、ブレンドチップ(A2)を20重量部用いる以外は比較例1と同様にして熱可塑性樹脂フィルムを得た。突起形成が十分でないため易滑性に劣るフィルムであることが分かった。
比較例1と同様の方法で乾燥したポリエステルペレット(A1)と粒子のマスターペレット(A3)をそれぞれ後述する粒子添加量となるように別々の押出機に供給し、溶融押出してフィルターで濾過した後、3層用合流ブロックで合流積層し、A層/B層/A層からなる3層とした。その後キャスティングドラム上にスリット状の口金から押出し、静電印可キャスト法を用いて密着させ冷却固化して、両表層(A層)に平均粒径0.70μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合体粒子を0.08重量%と平均二次粒径0.08μmの凝集アルミナ粒子を0.15重量%含有し、内層(B層)に粒子を含有しない未延伸フィルムを得た。その未延伸フィルムを比較例1と同様の方法で二軸延伸し、総厚み16μm、A層/B層/A層の厚みが0.6μm/14.8μm/0.6μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た。粒子による大突起により接触面積大きく減少し易滑性には優れているが、粒子の脱落が発生するため耐キズ性に劣るフィルムであることが分かった。また、粗大な突起が形成されることで、エラーレートの大きいフィルムであった。
ポリエステルペレット(A1)を、160℃で8時間減圧乾燥した後、押出機に供給し、溶融押出してフィルターで濾過した後、キャスティングドラム上にスリット状の口金から押出し、静電印可キャスト法を用いて密着させ冷却固化して、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの非ドラム面に、25℃、1気圧の雰囲気下で、0.7J/cm2のエネルギー密度になるように照射距離を調節し、1.5秒間紫外光を照射した。ここで、紫外光の光源としては、日本電池社製のメタルハライド型の紫外線ランプ(Aタイプ MAN500L、120W/cm、270~300nmの相対強度38%(最大発光強度:365nm))を使用し、250nm未満の波長はカットした。
次いでこの未延伸フィルムを比較例1と同様の方法で二軸延伸し、厚さ16μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た。突起形成がやや不十分であり、易滑性にやや劣るが実用の範囲内であった。強い紫外光を照射したことによる表面の劣化により、弾性率が低い部分が発生し、弾性率の分布幅が広く、平均弾性率が低いフィルムとなった。そのため耐キズ性に劣るフィルムであることが分かった。
Claims (7)
- 以下(1)~(3)を同時に満たす面を少なくともどちらか一方に備える熱可塑性樹脂フィルム。
(1)AFM(Atomic Force Microscope)で測定される高さが1nm以上10nm未満である突起の突起個数が200個/μm2以上2000個/μm2以下であること。
(2)AFM(Atomic Force Microscope)で測定される弾性率の分布幅((最大値-最小値)/平均値)が0.8以上1.7以下であること。
(3)ナノインデンテーションで測定される、16点測定時の平均弾性率が3.0GPa以上6.0GPa以下であること。 - 前記(1)、(2)を満たす面が、さらに以下(4)を満たす請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。(4)ナノインデンテーションで測定される、16点測定時の弾性率が全て2.5GPa以上6.0GPa以下であること。
- AFM(Atomic Force Microscope)で測定されるスライスレベルの最も大きい値が2nm以上10nm未満である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- 100℃での長手方向の熱収縮応力が0.16MPa以上1.20MPa以下である請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- 離型フィルムとして用いられる、請求項1から4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- ドライフィルムレジストの工程フィルムとして用いられる、請求項5に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- 積層セラミックコンデンサーの工程フィルムとして用いられる、請求項5に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018164176A JP7172304B2 (ja) | 2018-09-03 | 2018-09-03 | 熱可塑性樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018164176A JP7172304B2 (ja) | 2018-09-03 | 2018-09-03 | 熱可塑性樹脂フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020037620A JP2020037620A (ja) | 2020-03-12 |
JP7172304B2 true JP7172304B2 (ja) | 2022-11-16 |
Family
ID=69737559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018164176A Active JP7172304B2 (ja) | 2018-09-03 | 2018-09-03 | 熱可塑性樹脂フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7172304B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023190265A1 (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-05 | 東レ株式会社 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017221701A1 (ja) | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 東レ株式会社 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム |
-
2018
- 2018-09-03 JP JP2018164176A patent/JP7172304B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017221701A1 (ja) | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 東レ株式会社 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020037620A (ja) | 2020-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7006269B2 (ja) | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム | |
JP6273717B2 (ja) | セラミックシート成形用離型フィルム | |
CN111566148B (zh) | 双轴取向热塑性树脂膜 | |
EP1215043B1 (en) | Polyester film and magnetic recording medium using the same | |
JP7375548B2 (ja) | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム | |
JP7172304B2 (ja) | 熱可塑性樹脂フィルム | |
JP2017193173A (ja) | 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 | |
JP3948333B2 (ja) | セラミック離型用ポリエステルフィルム | |
JP2020147751A (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP5298564B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムおよび金属蒸着ポリエステルフィルム | |
JP7283040B2 (ja) | 熱可塑性樹脂フィルム | |
JP3918547B2 (ja) | セラミックシート製造用離型フィルムの製造方法及びフィルム積層体の製造方法 | |
JP2019104247A (ja) | 塗工工程の基材として用いられるポリエステルフィルム | |
JP2000006353A (ja) | 離形フィルム | |
TWI840441B (zh) | 雙軸配向熱可塑性樹脂薄膜 | |
JP4232378B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムとその製造方法 | |
JP2005163020A (ja) | 2軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2010065144A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP4742396B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムとその製造方法 | |
JP2010043214A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP4940985B2 (ja) | 金属蒸着ポリエステルフィルム | |
JP2022053506A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2001253958A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2007253436A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP2001341268A (ja) | 積層ポリエステルフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210720 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220607 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220803 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221017 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7172304 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |