JP7172303B2 - ホース継手金具およびホース保護用のスリーブ - Google Patents
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Description
そして、ホースが内面ゴム層、複数の補強層、外面ゴム層といったように複数の層が積層されて構成されている場合、隣り合う補強層同士、例えば、スチールワイヤ補強層やブレード状に編組された有機繊維層同士が、ホースの箇所の断面が扁平な形状に変形することによって互いに摩擦して摩耗する現象が生じ、ホースの耐久性の向上を図る上で不利がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、その目的はホース継手金具寄りのホースの箇所が小さい曲率半径で曲げられるような応力が加わった場合にホースの変形を抑制し、ホースの耐久性の向上を図る上で有利なホース継手金具およびホース保護用のスリーブを提供することにある。
また、本発明は、ニップルと、前記ニップルの半径方向外側に設けられたソケットとを有し、前記ニップルの外周面と前記ソケットの内周面との間にホースの挿入用の環状空間が形成されるホース継手金具に用いられるホース保護用のスリーブであって、前記スリーブは、弾性材料からなり前記ホースの内部に挿入可能な外径で設けられ、前記スリーブは、前記ニップルの外周面に被せられる取り付け用筒部と、前記取り付け用筒部が前記ニップルの外周面に被せられた状態で前記取り付け用筒部から前記ニップルの延長上を突出するホース保護用筒部とを備え、前記スリーブは、前記ホースが曲げられる際に抵抗となり前記ホースに作用する応力を緩和するに足る弾性を有していることを特徴とする。
そのため、ホース継手金具寄りのホースの箇所が小さい曲率半径で曲げられるような応力が加わった場合に、スリーブが抵抗となりその応力がホース保護用筒部によって緩和されるため、ホースの断面が円形から扁平な形状に変形することが抑制される。
これにより、ホースを構成する複数の層同士が互いに摩擦して摩耗する現象を緩和でき、ホースに対して繰り返して曲げる方向の応力が作用した場合であってもホースの耐久性の向上を図る上で有利となる。
次に、本発明の実施の形態に係るホース継手金具およびホース保護用のスリーブについて説明する。
まず、スリーブが用いられるホース継手金具から説明する。
図3は加締められる前の状態のホース継手金具10であり、図4は加締められた後の状態のホース継手金具10である。
ホース継手金具10はホース12の端部に連結され、ホース12内を流れる流体を適宜機器に供給し、あるいは、適宜機器から排出させるものである。
ホース継手金具10は、互いに結合されたニップル14とソケット16とを含んで構成されている。
基部18は、適宜機器に係脱可能に着脱される箇所であり筒状を呈している。
ナット部20は、基部18の端部に六角柱状に設けられている。
鍔部22は、ナット部20に隣接して設けられ、鍔部22とナット部20との間にソケット16を取り付けるための凹溝21が形成されている。
ニップル側筒状部24の外周面2402には、周方向に延在する複数の係止用凹凸部2410が軸心方向に間隔をおいて形成されている。
ソケット16は、同軸上に筒状の取り付け部26とソケット側筒状部28とが並べられて構成されている。
取り付け部26が凹溝21に取着された状態で、ソケット側筒状部28は、ニップル側筒状部24と同軸上でニップル側筒状部24の半径方向外側に位置している。
ソケット側筒状部28の内周面2802には、周方向に延在する複数の係止用凸部2810が軸方向に間隔をおいて形成されている。
ソケット側筒状部28の外周面2804は、加締め装置により加締められる。
環状空間Sは、それらニップル側筒状部24とソケット側筒状部28の軸心方向の一端が開口部とされ、長手方向の他端は鍔部22と取り付け部26により閉塞されている。
なお、ホース継手金具10は多種のものが存在し、本発明は、ニップル側筒状部24とソケット側筒状部28とを有し環状空間Sが形成されるホース継手金具10の全てに適用可能である。
スリーブ30は、弾性材料で形成されている。
より詳細には、スリーブ30はホース12の保護を図る部材であり、スリーブ30は、ホース継手金具10に取着されたホース12が曲げられる際に抵抗となりホース12に作用する応力を緩和するに足る弾性を有している。
このような弾性を有する弾性材料として以下のような合成樹脂材料が例示される。
フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロチレン)
ナイロン6,ナイロン11などのポリアミド系樹脂
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂
また、このような弾性を有する弾性材料としてNBRなどのゴム材料が例示される。
また、このような弾性を有する弾性材料としてメッシュ状の金属材料、メッシュ状の樹脂材料を用いることもできる。
図2に示すように、取り付け用筒部32は、ニップル側筒状部24の先部2414に被せられニップル側筒状部24に取り付けられる箇所である。
取り付け用筒部32の内周面3202は、ニップル側筒状部24の先部2414の外周面2414Aに対応した形状で形成され、例えば、取り付け用筒部32の内周面3202はニップル側筒状部24の先部2414の外周面2414Aに嵌合される寸法で形成されていてもよく、あるいは、取り付け用筒部32の内周面3202はニップル側筒状部24の先部2414の外周面2414Aに対して挿脱可能に挿入できる寸法で形成されていてもよい。
要するに、後述するように環状空間Sにホース12を挿入する作業が円滑に行われるように、すなわち、ホース12をスリーブ30からニップル側筒状部24に被せる作業が円滑に行われるように、取り付け用筒部32は、ニップル側筒状部24の先部2414に被せられた状態でニップル側筒状部24に保持されることが好ましい。
ホース保護用筒部34の内周面3402は、ニップル側筒状部24の内周面2404と同一の内径で形成されている。
なお、スリーブ30の長さは、ホース12全体の長さ、使用条件によって適宜変更される。
まず、図2に示すように、スリーブ30の取り付け用筒部32を、ニップル側筒状部24の先部2414に被せてニップル側筒状部24に取り付け、ホース保護用筒部34が、取り付け用筒部32からニップル側筒状部24の延長上を突出した状態とする。
次いで、図3に示すように、環状空間Sにホース12を挿入し、ホース12をスリーブ30からニップル側筒状部24に被せる。
この場合に、取り付け用筒部32の内周面3202を接着剤によりニップル14の外周面2402に取り付けておくと、スリーブ30がニップル14から抜落しないため、環状空間Sへのホース12の挿入作業を円滑に行なう上で有利となる。
次いで、図4に示すように、ニップル側筒状部24の外周面2402とソケット側筒状部28の内周面2802との間の環状空間Sにホース12が挿入された状態で、加締め装置によりソケット16の軸心方向に沿った所定の加締め範囲でソケット16がその半径方向内側に加締められる。
ソケット側筒状部28が加締められることにより、ホース12の内周面1202の全周がニップル側筒状部24の外周面2402の全周に密着されると共に、スリーブ30の取り付け用筒部32は、ホース12と共にニップル側筒状部24とソケット側筒状部28の間に挟持固定され、ホース12の端部がホース継手金具10に取り付けられる。
そのため、ホース継手金具10寄りのホース12の箇所が小さい曲率半径で曲げられるような応力が加わった場合に、ホース保護用筒部34が抵抗となりその応力がホース保護用筒部34によって緩和されるため、ホース12の曲率半径が小さくなりにくい。
その結果、ホース12の箇所が小さい曲率半径で曲げられることで局所的に大きな応力が作用してホース12の断面が円形から扁平な形状に変形することが抑制される。
したがって、ホース12を構成する複数の層のうち隣り合う補強層同士、例えば、スチールワイヤ補強層やブレード状に編組された有機繊維層同士が、ホース12の箇所の断面が扁平な形状に変形することによって互いに摩擦して摩耗する現象を緩和でき、ホース12に対して繰り返して曲げる方向の応力が作用した場合であってもホース12の耐久性の向上を図る上で有利となる。
したがって、ホース継手金具10の内部に流体が流通する際、流体が段差によって乱流を生じることなく円滑に流通でき、流体の圧力損失を低減する上で有利となる。
次に図5、図6を参照して第2の実施の形態について説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態は、スリーブ30Aのホース保護用筒部34の内周面3402が取り付け用筒部32から離れるにつれて次第に内周面3402が大きくなるように形成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、図6に示すように、スリーブ30Aのホース保護用筒部34の内周面3402とホース12の内周面1202との間の境目の段差が緩和される。
したがって、ホース継手金具10の内部に流体が流通する際、流体が段差によって乱流を生じにくく円滑に流通でき、流体の圧力損失を低減する上でより有利となる。
12 ホース
14 ニップル
16 ソケット
24 ニップル側筒状部
2402 外周面
2404 内周面
28 ソケット側筒状部
2802 内周面
30 スリーブ
32 取り付け用筒部
34 ホース保護用筒部
3402 内周面
S 環状空間
Claims (4)
- ニップルと、前記ニップルの半径方向外側に設けられたソケットとを有し、前記ニップルの外周面と前記ソケットの内周面との間にホースの挿入用の環状空間が形成されるホース継手金具であって、
前記ニップルの先部に弾性材料からなり前記ホースの内部に挿入可能な外径のスリーブが設けられ、
前記スリーブは、前記ニップルの外周面に被せられる取り付け用筒部と、前記取り付け用筒部が前記ニップルの外周面に被せられた状態で前記取り付け用筒部から前記ニップルの延長上を突出するホース保護用筒部とを備え、
前記スリーブは、前記ホースが曲げられる際に抵抗となり前記ホースに作用する応力を緩和するに足る弾性を有し、
前記ホース保護用筒部の内周面は、前記ニップルの内周面と同一の内径を有し、または、前記ホース保護用筒部の内周面は、前記取り付け用筒部から離れるにつれて次第に内周面が大きくなる、
ことを特徴とするホース継手金具。 - ニップルと、前記ニップルの半径方向外側に設けられたソケットとを有し、前記ニップルの外周面と前記ソケットの内周面との間にホースの挿入用の環状空間が形成されるホース継手金具に用いられるホース保護用のスリーブであって、
前記スリーブは、弾性材料からなり前記ホースの内部に挿入可能な外径で設けられ、
前記スリーブは、前記ニップルの外周面に被せられる取り付け用筒部と、前記取り付け用筒部が前記ニップルの外周面に被せられた状態で前記取り付け用筒部から前記ニップルの延長上を突出するホース保護用筒部とを備え、
前記スリーブは、前記ホースが曲げられる際に抵抗となり前記ホースに作用する応力を緩和するに足る弾性を有し、
前記ホース保護用筒部の内周面は、前記ニップルの内周面と同一の内径を有し、または、前記ホース保護用筒部の内周面は、前記取り付け用筒部から離れるにつれて次第に内周面が大きくなる、
ことを特徴とするホース継手金具に用いられるホース保護用のスリーブ。 - 前記取り付け用筒部の内周面は、接着剤により前記ニップルの外周面に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1記載のホース継手金具または請求項2記載のホース継手金具に用いられるホース保護用のスリーブ。 - 前記取り付け用筒部は、前記環状空間に前記ホースが挿入され、前記ソケットが加締められたときに前記ホースと共に前記ニップルと前記ソケットの間に挟持固定される、
ことを特徴とする請求項1記載のホース継手金具または請求項2記載のホース継手金具に用いられるホース保護用のスリーブ。
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