JP7169736B2 - 溶剤組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕少なくとも1種の塩素不含の非環状含フッ素化合物および少なくとも1種の塩素不含の環状含フッ素化合物を含有する溶剤組成物であって、40~70重量%のフッ素原子含量を有する少なくとも1種の多フッ素化合物、ならびに、少なくとも1種の非フッ素化合物、および/または、該多フッ素化合物と該非フッ素化合物との反応生成物を溶解し得る、溶剤組成物。
〔2〕溶剤組成物の総量に基づいて20~80重量%の非環状含フッ素化合物および80~20重量%の環状含フッ素化合物を含有する、前記〔1〕に記載の溶剤組成物。
〔3〕非環状含フッ素化合物は、少なくとも1種のハイドロフルオロエーテルおよび/または少なくとも1種のハイドロフルオロカーボンである、前記〔1〕または〔2〕に記載の溶剤組成物。
〔4〕ハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、4~14個の炭素原子および3~30個のフッ素原子を含有する、前記〔3〕に記載の溶剤組成物。
〔5〕ハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、下記一般式(A-1)~(A-4):
式(A-2)中、cは2~10の整数である。dは1~6の整数である。eは1~6の整数である。fは0~12の整数である。但し、dは2c+1より小さく、fは2e+1以下である。
式(A-3)中、gは2~12の整数である。hは2~6の整数である。
式(A-4)中、iは2~12の整数である。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、前記〔3〕に記載の溶剤組成物。
〔6〕環状含フッ素化合物は、少なくとも1種のフルオロシクロアルカンである、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の溶剤組成物。
〔7〕フルオロシクロアルカンは、下記一般式(B-1)および(B-2):
式(B-2)中、qは4~10の整数である。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、前記〔6〕に記載の溶剤組成物。
〔8〕フルオロシクロアルカンは、ヘプタフルオロシクロブタン、ヘプタフルオロシクロペンタン、ノナフルオロシクロペンタン、ウンデカフルオロシクロヘキサンおよびパーフルオロデカリンからなる群から選択される少なくとも1種である、前記〔7〕に記載の溶剤組成物。
〔9〕多フッ素化合物は、フルオロポリエーテル基含有化合物である、前記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の溶剤組成物。
〔10〕フルオロポリエーテル基の数平均分子量は、1000以上である、前記〔9〕に記載の溶剤組成物。
〔11〕フルオロポリエーテル基は、パーフルオロポリエーテル基である、前記〔9〕または〔10〕に記載の溶剤組成物。
〔12〕パーフルオロポリエーテル基は、下記一般式(f):
で表される、前記〔11〕に記載の溶剤組成物。
〔13〕上記一般式(f)は、下記一般式(f-1)~(f-3):
式(f-2)中、fbは1~200の整数である。
式(f-3)中、faおよびfbは、それぞれ独立して、0~30の整数であり、fcおよびfdは、それぞれ独立して、1~200の整数であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
のいずれかで表される、前記〔12〕に記載の溶剤組成物。
〔14〕フルオロポリエーテル基含有化合物は、下記一般式(C-1)~(C-3):
Ra1は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
Xaは、-O-、フェニレンまたは-N(-RE)-〔REは有機基を表す。〕を表す。
Ra2は、水素原子またはアルキル基を表す。
Ra3は、水素原子またはアルキル基を表す。
但し、Ra2およびRa3の少なくとも一方はアルキル基である。
Ra4は、アルキル基またはパーフルオロアルキル基を表す。
Ra5、Ra6、Ra7は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
kは1または2を表す。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、前記〔1〕~〔13〕のいずれかに記載の組成物。
〔15〕パーフルオロポリエーテル基を含有する1価の基は、下記一般式(Ra1-1):
Xraは、フッ素またはRf-O-(Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキル基を表す。)を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
Yraは、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
Laは、リンカーを表す。]
で表され、パーフルオロポリエーテル基を含有する2価の基は、下記一般式(Ra1-2)または(Ra1-3):
LaおよびLa’は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
YraおよびYra’は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
式(Ra1-3)中、
LaおよびLa’は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
YraおよびYra’は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pおよびp’は、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naおよびna’は、1~1000の整数を表す。
Rf’は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキレン基を表す。]
で表される、前記〔14〕に記載の溶剤組成物。
〔16〕上記一般式(Ra1-1)~(Ra1-3)中の-(CpF2pO)na-で表される部分は、上記一般式(f)で表され、
上記一般式(Ra1-3)中の-(OCp’F2p’)na’-で表される部分は、下記一般式(f’):
〔17〕
上記一般式(f)は、上記一般式(f-1)~(f-3)のいずれかで表され、上記一般式(f’)は、下記一般式(f’-1)~(f’-3):
式(f’-2)中、fb’は1~200の整数である。
式(f’-3)中、fa’およびfb’は、それぞれ独立して、0~30の整数であり、fc’およびfd’は、それぞれ独立して、1~200の整数であり、添字fa’、fb’、fc’またはfd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
のいずれかで表される、前記〔16〕に記載の組成物。
〔18〕非フッ素化合物は、3.0以下のオクタノール/水分配係数を有する、前記〔1〕~〔17〕のいずれかに記載の溶剤組成物。
〔19〕
非フッ素化合物は、下記一般式(D):
Rb1は水素原子またはアルキル基を表す。
Rb2は、水素原子、硬化性部を含有する有機基または硬化性部を含有しない有機基を表す。
Rb3は水素原子またはアルキル基を表す。
Xbは、-O-、フェニレン、-N(-RE)-〔REは有機基を表す〕またはカルバゾリレンを表す。]
で表される少なくとも1種の化合物である、前記〔1〕~〔18〕のいずれかに記載の溶剤組成物。
〔20〕上記一般式(D)は下記一般式(D-1):
nは、2~10の整数である繰り返し数を表す。
Rxは、水素、メチル基または塩素を表す。]
で表される、前記〔19〕に記載の溶剤組成物。
〔21〕少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物との反応生成物は、下記一般式(P-1):
npは、1~200の整数である。
Xcは、-O-、-S-、-NH-または単結合を表す。
Rcは、パーフルオロポリエーテル基を含有する基、硬化性部を含有していてもよい有機基または水素原子を表す。
Ra1~Ra3、Rb1~Rb3、Xa、Xbおよびkは、各出現において、それぞれ独立して、上記で定義した通りである。]
で表される、前記〔1〕~〔20〕のいずれかに記載の溶剤組成物。
〔22〕少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応用の溶剤組成物である、前記〔1〕~〔21〕のいずれかに記載の溶剤組成物。
〔23〕少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応は、重合反応である、前記〔22〕に記載の溶剤組成物。
〔24〕少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応は、カチオン重合反応である、前記〔23〕に記載の溶剤組成物。
〔25〕反応は、上記一般式(C-1)で表される多フッ素化合物とYa-H〔式中、Yaはアシルオキシ基またはハロゲン原子を表す〕で表される化合物とを反応させて得た上記一般式(C-2)または(C-3)で表される化合物を重合開始剤として用いて、少なくとも1種の非フッ素化合物を重合させる反応である、前記〔24〕に記載の溶剤組成物。
〔26〕前記〔1〕~〔25〕のいずれかに記載の溶剤組成物、40~70重量%のフッ素原子含量を有する少なくとも1種の多フッ素化合物、および、少なくとも1種の非フッ素化合物を含有する、組成物。
〔27〕カチオン重合性単量体を、パーフルオロポリエーテル基含有カチオン重合開始剤およびルイス酸の存在下でカチオン重合させる工程を含む、式(1):
Ra1は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
Xaは、-O-、フェニレンまたは-N(-RE)-〔REは有機基を表す〕を表す。
Ra2は、水素原子またはアルキル基を表す。
Ra3は、水素原子またはアルキル基を表す。
Qは、各出現において、それぞれ独立して、硬化性部を含有する構成単位または硬化性部を含有しない構成単位を表す。
Xcは、-O-、-S-、-NH-または単結合を表す。
Rcは、パーフルオロポリエーテル基を含有する基、硬化性部を含有していてもよい有機基または水素原子を表す。
kは1または2を表す。
n1は、1以上の繰り返し数を表す。
但し、
Ra2およびRa3の少なくとも一方はアルキル基である。
Rcが硬化性部を含有する有機基でない場合、少なくとも1個のQは、硬化性部を含有する構成単位である。]
で表されるフッ素含有共重合体の製造方法であって、少なくとも前記工程を、前記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の溶剤組成物中で行う、製造方法。
本明細書中、特に記載が無い限り、「アルキル基」としては、例えば、炭素数1~12(好ましくは1~6、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1)のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)が挙げられる。当該「アルキル基」は、直鎖状であっても、分枝状であってもよいが、好ましくは、直鎖状である。
(a)式:Si(-Rs)m(-ORs)3-m-
[式中、
Rsは、アルキル基を表す。
mは、0~2の整数を表す。]
で表されるアルコキシシラン基(シリルエーテル基);
(b)式:Si(-Rs)m(-OCORs)3-m-
[式中、
Rsは、アルキル基を表す。
mは、0~2の整数を表す。]
で表されるアルキルカルボキシルシラン基;
(c)式:Si(-Rs)m(-X)3-m-
[式中、
Xは、ハロゲン原子を表す。
Rsは、アルキル基を表す。
mは、0~2の整数を表す。]
で表されるハロゲン化シラン基;および
(d)式:Si(-Rs)m(-RN)3-m-
[式中、
RNは、-NRs 2または-NHRsを表す。
Rsは、アルキル基を表す。
mは、0~2の整数を表す。]
で表されるシラザン基が挙げられる。本明細書中、かかるシランカップリング基を、単にZ-で表す場合がある。
式(A-2)中、cは2~10、好ましくは4~8の整数である。dは1~6、好ましくは1~5の整数である。eは1~6、好ましくは2~4の整数である。fは0~12、好ましくは2~8の整数である。但し、dは2c+1より小さく、fは2e+1以下である。
式(A-3)中、gは2~12、好ましくは4~8の整数である。hは2~6、好ましくは2~4の整数である。
式(A-4)中、iは2~12、好ましくは4~8の整数である。]。
式(B-2)中、qは4~10、好ましくは4~6の整数である。]。
式(f)中、fa、fb、fcおよびfdは、パーフルオロポリエーテル基の4種の繰り返し単位の数を表し、それぞれ独立して、0~200の整数である。fa、fb、fcおよびfdの和は少なくとも1、好ましくは5~300、より好ましくは10~200、さらに好ましくは10~100である。添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。パーフルオロポリエーテル基は直鎖状または分枝状のいずれであってもよい。式(f)中の繰り返し単位のうち、-(C4F8O)-は、-(CF2CF2CF2CF2O)-、-(CF2CF2CF(CF3)O)-、-(CF2CF(CF3)CF2O)-、-(CF(CF3)CF2CF2O)-、-(CF2C(CF3)2O)-、-(C(CF3)2CF2O)-および-(CF(CF3)CF(CF3)O)-のいずれであってもよいが、好ましくは-(CF2CF2CF2CF2O)-である。-(C3F6O)-は、-(CF2CF2CF2O)-、-(CF2CF(CF3)O)-および-(CF(CF3)CF2O)-のいずれであってもよいが、好ましくは-(CF2CF2CF2O)-である。-(OC2F4)-は、-(CF2CF2O)-および-(CF(CF3)O)-のいずれであってもよいが、好ましくは-(CF2CF2O)-である。かかるパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、撥水性および/または撥油性コーティング剤等の分野における使用に関して、優れた撥水性、撥油性および防汚性を発現し得る。パーフルオロポリエーテル基は直鎖状または分枝状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。
パーフルオロポリエーテル基は、-CF2CF2CF2CF2O-、-CF2CF2CF2O-、-CF(CF3)CF2O-、-CF2O-、-CF2CF2O-および-CF(CF3)O-からなる群から選択される1種以上の構成単位からなることがさらに好ましい。
式(f-2)中、fbは1~200の整数である。
式(f-3)中、faおよびfbは、それぞれ独立して、0~30の整数であり、fcおよびfdは、それぞれ独立して、1~200の整数であり、添字fa、fb、fcまたはfdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
のいずれかで表されることが好ましい。
Ra1は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
Xaは、-O-、フェニレンまたは-N(-RE)-〔REは有機基を表す。〕を表す。
Ra2は、水素原子またはアルキル基を表す。
Ra3は、水素原子またはアルキル基を表す。
但し、Ra2およびRa3の少なくとも一方はアルキル基である。
Ra4は、アルキル基またはパーフルオロアルキル基を表す。
Ra5、Ra6、Ra7は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
kは1または2を表す。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
Xraは、フッ素またはRf-O-(Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16の直鎖状または分枝状アルキル基を表す。)を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
Yraは、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
Laは、リンカーを表す。]
で表され、パーフルオロポリエーテル基を含有する2価の基は、好ましくは、下記一般式(Ra1-2)または(Ra1-3):
LaおよびLa’は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
YraおよびYra’は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
式(Ra1-3)中、
LaおよびLa’は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
YraおよびYra’は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pおよびp’は、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naおよびna’は、1~1000の整数を表す。
Rf’は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキレン基を表す。]
で表される。
式(f’-2)中、fb’は1~200の整数である。
式(f’-3)中、fa’およびfb’は、それぞれ独立して、0~30の整数であり、fc’およびfd’は、それぞれ独立して、1~200の整数であり、添字fa’、fb’、fc’またはfd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
のいずれかで表されることがさらに好ましい。
-(CF2)ha-CF(-Za)-(CF2)ga-
[式中、
haおよびgaは、それぞれ独立して、0以上の整数である繰り返し数を表す。かつ、haおよびgaの合計は0~5の整数である。
Zaは、フッ素または-CF3を表す。]
で表される基であり、より好ましくは、-CF2-、-CF2-CF2-または-CF(-CF3)-である。
Laで表される、このようなリンカーとしては、例えば単結合、-CH2-、-O-CH2-CH2-、-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-CH2-O-C(=O)-および-CH2-(O-CH2-CH2)nk1-(nk1は1~10の整数である。)が挙げられる。なかでも、好ましくは、-CH2-O-CH2-CH2-または-CH2-である。ここで、好ましくは、これらの部分構造に記載の左端の原子がパーフルオロポリエーテル基に結合する。
La’で表される、このようなリンカーとしては、例えば単結合、-CH2-、-CH2-CH2-O-、-O-C(=O)-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-O-CH2-および-(O-CH2-CH2)nk1-CH2-(nk1は1~10の整数である。)が挙げられる。なかでも、好ましくは、-CH2-CH2-O-CH2-または-CH2-である。ここで、好ましくは、これらの部分構造に記載の右端の原子がパーフルオロポリエーテル基に結合する。
Ra2は、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である、さらに好ましくは炭素数1~3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
Ra3は、好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
Ra4は、好ましくはトリフルオロメチル基を表す。
Ra5は、好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
Ra6は、好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
Ra7は、水素原子またはアルキル基を表す。
Ra7は、好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
(1)Xraは、フッ素であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF2-CF2-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF2-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-であるか;
(2)Xraは、CF3-O-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF2-O-、-CF2CF2O-、-CF2CF2CF2O-および-CF2CF2CF2CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~150の整数であり、
Yraは、-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-であるか;
(3)Xraは、CF3-O-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF(-CF3)-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の繰り返し数であり、
Yraは、-CF(-CF3)-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-であるか;
(4)Xraは、CF3-O-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF(-CF3)-CF2-O-および-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~150の整数であり、
Yraは、-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-であるか;
(5)Xraは、フッ素であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF2-CF2-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF2-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-であるか;
(6)Xraは、CF3-O-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF2-O-、-CF2CF2O-、-CF2CF2CF2O-および-CF2CF2CF2CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~150の整数であり、
Yraは、-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-であるか;
(7)Xraは、CF3-O-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF(-CF3)-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF(-CF3)-であり、かつ
Laは、-CH2-であるか;または
(8)Xraは、CF3-O-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF(-CF3)-CF2-O-および-CF2-O-からなり、
n aは、1~1000、好ましくは5~150の整数であり、
Yraは、-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-である。
(1)La’は、-CH2-CH2-O-CH2-または-CH2-であり、
Yra’は、-CF2-CF2-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF2-CF2-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF2-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-または-CH2-であるか;
(2)La’は、-CH2-CH2-O-CH2-または-CH2-であり、
Yra’は、-CF2-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF2-O-、-CF2CF2O-、-CF2CF2CF2O-および-CF2CF2CF2CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-または-CH2-であるか;
(3)La’は、-CH2-CH2-O-CH2-または-CH2-であり、
Yra’は、-CF(-CF3)-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF(-CF3)-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF(-CF3)-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-または-CH2-であるか;または
(4)La’は、-CH2-CH2-O-CH2-または-CH2-であり、
Yra’は、-CF2-であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF(-CF3)-CF2-O-および-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF2-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-または-CH2-である。
(1)La’は、-CH2-CH2-O-CH2-であり、
Yra’は、-CF(-CF3)-であり、
式:(OCpF2p)naで表される部分は、-O-CF2-CF(-CF3)-からなり、
na’は、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Rf’は、炭素数1~8のパーフルオロアルキレン基であり、
式:(CpF2pO)naで表される部分は、-CF(-CF3)-CF2-O-からなり、
naは、1~1000、好ましくは5~100の整数であり、
Yraは、-CF(-CF3)-であり、かつ
Laは、-CH2-O-CH2-CH2-または-CH2-である。
Rb1は水素原子またはアルキル基を表す。
Rb2は、水素原子、硬化性部を含有する有機基または硬化性部を含有しない有機基を表す。
Rb3は水素原子またはアルキル基を表す。
Xbは、-O-、フェニレン、-N(-RE)-〔REは有機基を表す〕またはカルバゾリレンを表す。]
で表される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
当該材料が非晶質の合成樹脂(例えばアクリル樹脂)である場合、当該「硬化性部」は、好ましくはアリル基、ケイヒ酸基、ソルビン酸基またはCH2=CRx-C(=O)-(Rxは、水素、メチル基、塩素またはフッ素を表す。)(例えば(メタ)アクリロイル基)であり、より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
当該材料がガラスである場合、当該「硬化性部」は、好ましくはシランカップリング基であり、より好ましくはシラザン基である。
(a)-(CH2-CH2-O)n-[nは、2~10の整数を表す。]、
(b)-(CHRy)n-O-、若しくは-(CHRy)n-O-(CHRy)n-O-[nは、各出現において、それぞれ独立して、1~40の整数である。Ryは、各出現において、それぞれ独立して、水素またはメチル基を表す。]、
(c)-(CH2-CH2-O)n-CO-NH-CH2-CH2-O-[nは、2~10の整数を表す。]、
(d)-CH2-CH2-O-CH2-CH2-
(e)-(CH2)n-[nは1~6の整数を表す。]、または
(f)-(CH2)nk1-O-CONH-(CH2)nk2-[nk1は1~8の整数、好ましくは2または4を表す。nk2は1~6の整数、好ましくは3を表す。]、または
(g)-O-[但し、Xbは-O-ではない]
であり、より好ましくは-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-または-CH2-CH2-O-である。
-(CH2)n-[nは1~6の整数である]、または
-(CH2)nk1-O-CONH-(CH2)nk2-[nk1は1~8の整数を表す。nk2は1~6の整数を表す。]であり、より好ましくは-(CH2)2-または-(CH2)3-である。
(a)-(CH2-CH2-O)n-[nは、2~10の整数を表す。]、
(b)-(CHRy)n-O-、若しくは-(CHRy)n-O-(CHRy)n-O-[nは、各出現において、それぞれ独立して、1~40の整数である。Ryは、各出現において、それぞれ独立して、水素またはメチル基を表す。]、
(c)-(CH2-CH2-O)n-CO-NH-CH2-CH2-O-[nは、2~10の整数を表す。]、
(d)-CH2-CH2-O-CH2-CH2-
(e)-(CH2)n-[nは1~6の整数を表す。]、または
(f)-(CH2)nk1-O-CONH-(CH2)nk2-[nk1は1~8の整数、好ましくは2または4を表す。nk2は1~6の整数、好ましくは3を表す。]、または
(g)-O-[但し、Xbは-O-ではない]
である。
(i)アルキル基、例えばメチル、エチル;
(ii)単環式炭素環、二環式炭素環、三環式炭素環および四環式炭素環からなる群から選択される1個以上の環状部を含有する基、例えば
(iii)1個以上(好ましくは1または2個)のカルボキシ基で置換された炭化水素基を含有する基、例えば
(iv)1個以上(好ましくは1個)のアミノ基を含有する基;
(v)水素;
(vi)イミダゾリウム塩を含有する基、例えば
Rb3は、好ましくはメチル基または水素原子であり、より好ましくは水素原子である。
但し、Rb2が水素原子である場合、Xbはフェニレンである。
Xbは、好ましくは-O-、フェニレンまたはカルバゾリレンであり、より好ましくは-O-またはフェニレンであり、さらに好ましくは-O-である。
CH2=CH-O-(CHRy)n-O-C(=O)-CRx=CH2
[式中、
nは、1~40の整数を表す。
Ryは、水素またはメチル基を表す。
Rxは、水素、メチル基、塩素またはフッ素を表す。]
で表されるビニルエーテル化合物。
CH2=CH-O-(CH2)n-O-C(=O)-NH-CH2CH2-O-C(=O)-CX=CH2
[式中、
nは、1~40の整数である繰り返し数を表す。
Xは、水素、メチル基、塩素またはフッ素を表す。]
で表されるビニルエーテル化合物。
CH2=CH-O-(CH2)n-Z
[式中、
nは、1~40の整数である繰り返し数を表す。
Zは、シランカップリング基を表す。]
で表されるビニルエーテル化合物。
式:
CH2=CH-O-(CH2)3-Z
[式中の記号は、上記で定義した通りである。]
で表される化合物。
CH2=CH-O-R-O-(CH2)n-Z
[式中、
Rは、エチレンまたはフェニレンを表す。
nは1~6の整数である繰り返し数を表す。
Zは、シランカップリング基を表す。]
で表されるビニルエーテル化合物。
CH2=CH-O-R
[式中、
Rは、1価の有機基を表す。但し、当該1価の有機基は、-OH基、-COOH基および-NH2基のいずれも含有しない。]
で表される化合物。
Xは、水素またはメチル基を表す。
環Aは、ベンゼンまたはナフタレンを表す。
Rは、水素、ハロゲンまたは1価の有機基を表す。但し、当該1価の有機基は、-OH基、-COOH基および-NH2基のいずれも含有しない。]
で表されるアリールビニル誘導体。
npは、1~200、好ましくは1~150、より好ましくは1~100の整数である。
Xcは、-O-、-S-、-NH-または単結合を表す。
Rcは、パーフルオロポリエーテル基を含有する基、硬化性部を含有していてもよい有機基または水素原子を表す。
Ra1~Ra3、Rb1~Rb3、Xa、Xbおよびkは、各出現において、それぞれ独立して、上記で定義した通りである。]
で表される化合物が挙げられる。
カチオン重合性単量体を、パーフルオロポリエーテル基含有カチオン重合開始剤およびルイス酸の存在下でカチオン重合させる工程を含む、式(1):
Ra1は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
Xaは、-O-、フェニレンまたは-N(-RE)-〔REは有機基を表す〕を表す。
Ra2は、水素原子またはアルキル基を表す。
Ra3は、水素原子またはアルキル基を表す。
Qは、各出現において、それぞれ独立して、硬化性部を含有する構成単位または硬化性部を含有しない構成単位を表す。
Rcは、パーフルオロポリエーテル基を含有する基、硬化性部を含有していてもよい有機基または水素原子を表す。
Xcは、-O-、-S-、-NH-または単結合を表す。
kは1または2を表す。
n1は、1以上の繰り返し数を表す。
但し、
Ra2およびRa3の少なくとも一方はアルキル基である。
Rcが硬化性部を含有する有機基でない場合、少なくとも1個のQは、硬化性部を含有する構成単位である。]
で表されるフッ素含有共重合体の製造方法であって、少なくとも前記工程を、本発明の溶剤組成物中で行う、製造方法を提供する。また、本発明は、上記フッ素含有共重合体の製造用の上記溶剤組成物を提供する。なお、本発明の溶剤組成物に関して上記に述べた記載は、同様に、本発明の製造方法にあてはまる。
で表される部分は、本発明の製造方法において使用するパーフルオロポリエーテル基含有カチオン重合開始剤に由来する部分である。本発明の製造方法において、パーフルオロポリエーテル基含有カチオン重合開始剤は、好ましくは上記一般式(C-2)または(C-3)で表される化合物である。このような化合物は、例えば上記一般式(C-1)で表される多フッ素化合物とYa-H〔式中、Yaはアシルオキシ基またはハロゲン原子を表す。〕で表される化合物とを反応させて得ることができる。Ya-H〔式中、Yaはアシルオキシ基またはハロゲン原子を表す〕で表される化合物は、有機カルボン酸(好ましくは酢酸またはトリフルオロ酢酸(CF3COOH))またはハロゲン化水素であり、好ましくはトリフルオロ酢酸である。
Rb1は水素原子またはアルキル基を表す。
Rb2は、水素原子、硬化性部を含有する有機基または硬化性部を含有しない有機基を表す。
Rb3は水素原子またはアルキル基を表す。
Xbは、-O-、フェニレン、-N(-RE)-〔REは有機基を表す〕またはカルバゾリレンを表す。]
で表される、少なくとも1種の非フッ素化合物であることが好ましい。
ここで、構成単位Qbは、Rb2が「硬化性部を含有する有機基」である式(D)で示される非フッ素化合物に由来することが好ましく、構成単位Qmは、上記に述べたRb2が「硬化性部を含有しない有機基」である式(D)で示される非フッ素化合物に由来することが好ましい。なお、非フッ素化合物に関して上記に述べた記載は、同様に、本発明の製造方法にあてはまる。
但し、後述するRcが硬化性部を含有する有機基でない場合は、前記部分が1個以上の構成単位Qbを含まなければならない。言い換えると、この場合は、少なくとも1個のQは、硬化性部を含有する構成単位Qbである。
Rb1は、好ましくは水素原子である。
すなわち、Rb2は、n1回の出現において、それぞれ独立して、水素原子、硬化性部を含有する有機基または硬化性部を含有しない有機基である。
一方、以下、Rb2が水素原子または硬化性部を含有しない有機基である、式:
で表される構成単位を、構成単位Mと略称する場合がある。
具体的には、第1のカチオン重合性単量体(カチオン重合性単量体BまたはM)のみを反応系に添加して重合反応を開始させ、その重合反応の完了後の反応液へ、第2のカチオン重合性単量体(カチオン重合性単量体MまたはB)を添加すると、リビングカチオン重合の進行において、カチオンは、常に重合体の末端に存在するので、第2のカチオン重合性単量体の重合反応が進行する。
AlY1Y2Y3 (L1)
[式中、Y1、Y2およびY3は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。]
で表されるアルミニウム化合物、または、式(L2):
MZ1Z2Z3Z4 (L2)
[式中、Mは4価のTiまたはSnを表す。Z1、Z2、Z3およびZ4は、それぞれハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を示す。]
で表される。四価チタニウムまたは四価スズ化合物が挙げられる。
Y1、Y2およびY3で表される「アルキル基」としては、例えば、炭素原子数1~10のアルキル基が挙げられる。
Y1、Y2およびY3で表される「アリール基」としては、例えば、炭素数6~10のアリール基が挙げられる。
Y1、Y2およびY3で表される「アルコキシ基」としては、例えば、炭素原子数1~10のアルコキシ基が挙げられる。
Y1、Y2およびY3で表される「アリールオキシ基」としては、例えば、炭素数6~10のアリールオキシ基が挙げられる。
ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムフルオライド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムブロマイド、ジイソプロピルアルミニウムフルオライド、ジイソプロピルアルミニウムアイオダイド、ジメチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジフルオライド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イソブチルアルミニウムジクロライド、オクチルアルミニウムジクロライド、エトキシアルミニウムジクロライド、ビニルアルミニウムジクロライド、フェニルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、アルミニウムトリクロライド、アルミニウムトリブロマイド、エチルアルミニウムエトキシクロライド、ブチルアルミニウムブトキシクロライド、エチルアルミニウムエトキシブロマイド等の有機ハロゲン化アルミニウム化合物、および、ジエトキシエチルアルミニウム等のジアルコキシアルキルアルミニウム、ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノキシ)メチルアルミニウム、ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェノキシ)メチルアルミニウム等のビス(アルキル置換アリロキシ)アルキルアルミニウム等が挙げられる。これらのアルミニウム化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のハロゲン化チタン;
チタントリエトキシクロライド、およびチタントリn-ブトキシドクロライド等のハロゲン化チタンアルコキシド;並びに
チタンテトラエトキシドおよびチタンn-ブトキシド等のチタンアルコキシド等が挙げられる。
四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズ等のハロゲン化スズ等を挙げることができる。
当該エステルとしては、具体的には、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、クロロ酢酸メチル、ジクロロ酢酸メチル、酪酸エチル、ステアリン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、フタル酸ジエチルおよびイソフタル酸ジエチルが挙げられる。
当該エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテルおよびエチレングリコール等の鎖状エーテル;並びにジオキサンおよびテトラヒドロフラン等の環状エーテルが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトンおよびメチルエチルケトンが挙げられる。
前記イミドとしては、例えば、エチルフタルイミドが挙げられる。
前記リン酸化合物としては、例えば、トリエチルホスフェートが挙げられる。
前記ピリジン誘導体としては、例えば、2,6-ジメチルピリジンが挙げられる。
前記アミンとしては、例えば、トリブチルアミンが挙げられる。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Rc-Xc-H
[式中の記号は上記に定義した通りである。]
で表される化合物であり、好ましくは水、R-OH〔式中、Rはアルキル基を表す。〕で表されるアルキルアルコール、還元剤、LiBH4およびH-Xc-Ls-Rcs〔式中、Xcは、-O-、-S-、-NH-または単結合を表す。Lsは、リンカーを表す。Rcsは、シランカップリング基を表す。〕で表される化合物からなる群から選択される。
Rcが硬化性部を含有しない有機基である場合、カチオン重合反応停止剤は、好ましくは式:R-OH[式中、Rはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。)で表されるアルカノールである。
Rcが硬化性部を含有する有機基である場合、好ましい硬化性部はコーティングの対象の材料によって異なるので、好ましいカチオン重合反応停止剤もまた、当該材料によって異なる。
(Xcは-O-、-S-、-NH-または単結合を表す。好ましくは-O-、-NH-である。Lsはリンカーを表す。好ましくは-(CH2)n8-(n8は1~6である)であり、より好ましくは、-(CH2)3-である。Rcsはシランカップリング基を表す。)
で表される化合物であり、より好ましくは、NH2-(CH2)3-Si(-OEt)3である。
通常、反応溶媒量の0.01~10倍容量であり、好ましくは0.1~1倍容量である。
本発明の製造方法により得たフッ素含有共重合体を主成分または有効成分として含有する撥水性および/または撥油性コーティング剤は、対象物の表面に塗布されて、皮膜を形成することにより、当該表面に撥油性を付与することができる。また、本発明の製造方法により得たフッ素含有共重合体は、対象物の表面に塗布されて、皮膜を形成することにより、当該表面に撥水性を付与することができる。従って、本発明の製造方法により得たフッ素含有共重合体を含有する撥水性および/または撥油性コーティング剤は、撥水、撥油、防汚、および/または指紋付着防止の目的で、対象物の表面のコーティングに用いられる。
撥水性および/または撥油性コーティング剤(または表面処理組成物)の組成は、所望される機能に応じて適宜決定できる。
なかでも、ガラスまたは非晶質の合成樹脂(例、アクリル樹脂)や耐熱性の高い環状ポリオレフィン樹脂(COP)やポリエステル樹脂(例、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂)、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
また、市販のハードコート剤に本発明の製造方法により得たフッ素含有共重合体を添加して使用することもできる。
本発明の製造方法により得たフッ素含有共重合体は高い相溶性を示すため、市販のハードコート剤の物性を損なうことなく、表面に高い撥水性、防汚性を付与することが可能である。
本発明の製造方法により得たフッ素含有共重合体を含有する撥水性および/または撥油性コーティング剤から形成される皮膜は、撥水性、撥油性、防汚性、指紋付着防止性および耐久性に優れ、コーティング対象物に強固に結合することができ、かつ透明であるので、当該撥水性および/または撥油性コーティング剤は、種々の物品(製品、デバイスまたは部品)のコーティングに好適に用いることができる。当該撥水性および/または撥油性コーティング剤から形成された皮膜を有する物品は、例えば、基材と、該基材の表面において当該フッ素含有共重合体または当該フッ素含有共重合体を含有する撥水性および/または撥油性コーティング剤から形成された層(表面処理層)とを含有する。このような物品は、国際公開第2013/115380号パンフレットの段落[0265]~[0291]に記載されるような方法を用いて製造することができる。
ノナフルオロブチルエチルエーテル(商品名:Novec7200、3M社製)、ノナフルオロブチルメチルエーテル(商品名:Novec7100、3M社製)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロ-3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)-ペンタン(商品名:Novec7300、3M社製)または1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロオクタン(商品名:アサヒクリンAC-6000、旭硝子株式会社製)に1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン社製)を添加して混合し、溶剤組成物を調製した。各溶剤組成物の組成を表1に示す。また、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンのみを比較例1として用い、ノナフルオロブチルエチルエーテルのみを比較例2として用いた。
上記の実施例1~9の溶剤組成物または比較例1および2の溶剤に対する多フッ素化合物の溶解性を評価した。
で表される、2-[3-ポリ(パーフルオロプロピルオキシ)-2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ]エトキシビニルエーテル(以下において、「PFPE4000VE」と称する。)を準備した。PFPE4000VEの合成は、国際公開第2013/115380号パンフレット記載の方法により行った。
○:溶液が透明かつ均一である
×:溶液が凍る、濁る、または、スクリュー管の底に沈殿がある
上記の実施例1~9の溶剤組成物または比較例1および2の溶剤に対する、多フッ素化合物と非フッ素化合物との反応生成物であるフッ素系共重合体の溶解性を評価した。
○:溶液が透明かつ均一である
×:溶液が凍る、濁る、または、スクリュー管の底に沈殿がある
で表される化合物(PFPE2500VE)を準備し、上記と同様に、実施例1、2および10の溶剤に対するフッ素系共重合体の溶解性を評価した。得られた結果を表3に示す。
下記において使用した非フッ素化合物である、2-(ビニロキシ)エトキシエチルメタクリレート(示性式:CH2=CH-O-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CO-C(CH3)=CH2)は、上記の実施例1~10の溶剤組成物および比較例1および2の溶剤のいずれに対しても溶解する。
窒素雰囲気下、ナシ型フラスコに136.0mLのノナフルオロブチルエチルエーテル(商品名:Novec7200、3M社製)を入れ、ここにトリフルオロ酢酸(TFA)0.68mLを加えて、TFA溶液を調製した。フラスコ中にPFPE4000VEを20.71g入れ、ここにノナフルオロブチルエチルエーテルを65.0mL加え、マグネチックスターラーで撹拌して溶解させた(0.2M)。この溶液に先のTFA溶液75.0mLを加えて、室温で一晩撹拌し、開始種溶液であるPFPE4000VE-TFA溶液を合成した。
別フラスコにノナフルオロブチルエチルエーテルを111.0mL、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン社製)を183.0mL、酢酸エチル9.0mL、2-(ビニロキシ)エトキシエチルメタクリレート(示性式:CH2=CH-O-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CO-C(CH3)=CH2、以下において「VEEM」と称する)を12.0mL加え、マグネチックスターラーで撹拌してモノマー溶液を調製した。
さらに別のフラスコにノナフルオロブチルエチルエーテルを120mL、酢酸エチルを20mL、エチルアルミニウムセスキクロライド(Et1.5AlCl1.5)のトルエン溶液(1M)を10mL加え、マグネチックスターラーで撹拌して、触媒溶液を調製した。
窒素気流下、調製したモノマー溶液、開始種溶液、触媒溶液を順にそれぞれ体積比3.5:1.0:0.5で0℃にて混合して重合開始し、5分後に0.1wt%アンモニアのメタノールで反応をクエンチした。なお、重合反応における混合溶液中の非環状含フッ素化合物と環状含フッ素化合物との質量比が53:47(実施例2の溶剤組成物に相当)となるように設計した。後処理後、NMRでの構造解析により、下記の構造を有するフッ素含有共重合体が得られたことが確認され、多フッ素部位と非フッ素部位とのブロック比率(下記の式におけるmの数)は20と推定された。得られた含フッ素重合体は汎用溶剤のMIBKに可溶であった。
Claims (18)
- 少なくとも1種の塩素不含の非環状含フッ素化合物および少なくとも1種の塩素不含の環状含フッ素化合物を含有する溶剤組成物であって、40~70重量%のフッ素原子含量を有する少なくとも1種の多フッ素化合物、ならびに、少なくとも1種の非フッ素化合物、および/または、該多フッ素化合物と該非フッ素化合物との反応生成物を溶解し得、少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応用の溶剤組成物であり、
前記非環状含フッ素化合物は、少なくとも1種のハイドロフルオロエーテルおよび/または少なくとも1種のハイドロフルオロカーボンであり、
前記ハイドロフルオロエーテルおよび/または前記ハイドロフルオロカーボンは、下記一般式(A-2)~(A-3):
式(A-3)中、gは2~12の整数である。hは2~6の整数である。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記環状含フッ素化合物は、少なくとも1種のフルオロシクロアルカンであり、
前記多フッ素化合物は、直鎖状のフルオロポリエーテル基含有化合物であり、
前記フルオロポリエーテル基含有化合物は、下記一般式(C-1):
Ra1は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
Xaは、-O-、フェニレンまたは-N(-RE)-〔REは有機基を表す。〕を表す。
R a5、Ra6およびRa7は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
kは、1または2を表す。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記パーフルオロポリエーテル基を含有する1価の基は、下記一般式(Ra1-1):
Xraは、フッ素またはRf-O-(Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキル基を表す。)を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
Yraは、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
Laは、リンカーを表す。]
で表され、
前記パーフルオロポリエーテル基を含有する2価の基は、下記一般式(Ra1-2)または(Ra1-3):
LaおよびLa’は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
YraおよびYra’は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
式(Ra1-3)中、
LaおよびLa’は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
YraおよびYra´は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pおよびp’は、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naおよびna’は、1~1000の整数を表す。
Rf’は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキレン基を表す。]
で表される、溶剤組成物。 - 溶剤組成物の総量に基づいて20~80重量%の非環状含フッ素化合物および80~20重量%の環状含フッ素化合物を含有する、請求項1に記載の溶剤組成物。
- ハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、4~14個の炭素原子および3~30個のフッ素原子を含有する、請求項1または2に記載の溶剤組成物。
- フルオロシクロアルカンは、ヘプタフルオロシクロブタン、ヘプタフルオロシクロペンタン、ノナフルオロシクロペンタン、ウンデカフルオロシクロヘキサンおよびパーフルオロデカリンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の溶剤組成物。
- フルオロポリエーテル基の数平均分子量は、1000以上である、請求項1~5のいずれかに記載の溶剤組成物。
- フルオロポリエーテル基は、パーフルオロポリエーテル基である、請求項1~6のいずれかに記載の溶剤組成物。
- 非フッ素化合物は、3.0以下のオクタノール/水分配係数を有する、請求項1~11のいずれかに記載の溶剤組成物。
- 少なくとも1種の塩素不含の非環状含フッ素化合物および少なくとも1種の塩素不含の環状含フッ素化合物を含有する溶剤組成物であって、40~70重量%のフッ素原子含量を有する少なくとも1種の多フッ素化合物、ならびに、少なくとも1種の非フッ素化合物、および/または、該多フッ素化合物と該非フッ素化合物との反応生成物を溶解し得、
前記少なくとも1種の多フッ素化合物と前記少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応用の溶剤組成物であり、
前記非環状含フッ素化合物は、少なくとも1種のハイドロフルオロエーテルおよび/または少なくとも1種のハイドロフルオロカーボンであり、
前記ハイドロフルオロエーテルおよび/または前記ハイドロフルオロカーボンは、下記一般式(A-2)~(A-3):
式(A-3)中、gは2~12の整数である。hは2~6の整数である。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記環状含フッ素化合物は、少なくとも1種のフルオロシクロアルカンであり、
前記多フッ素化合物は、直鎖状のフルオロポリエーテル基含有化合物であり、
前記フルオロポリエーテル基含有化合物は、下記一般式(C-1):
R a1 は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
X a は、-O-、フェニレンまたは-N(-R E )-〔R E は有機基を表す。〕を表す。
R a5 、R a6 およびR a7 は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
kは、1または2を表す。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記パーフルオロポリエーテル基を含有する1価の基は、下記一般式(R a1 -1):
X ra は、フッ素またはRf-O-(Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキル基を表す。)を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
Y ra は、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
L a は、リンカーを表す。]
で表され、
前記パーフルオロポリエーテル基を含有する2価の基は、下記一般式(R a1 -2)または(R a1 -3):
L a およびL a’ は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
Y ra およびY ra’ は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
式(R a1 -3)中、
L a およびL a’ は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
Y ra およびY ra´ は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pおよびp’は、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naおよびna’は、1~1000の整数を表す。
Rf’は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキレン基を表す。]
で表される、
少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応は、重合反応である、溶剤組成物。 - 少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応は、カチオン重合反応である、請求項15に記載の溶剤組成物。
- 反応は、上記一般式(C-1)で表される多フッ素化合物とYa-H〔式中、Yaはアシルオキシ基またはハロゲン原子を表す〕で表される化合物とを反応させて得た一般式(C-2)または(C-3):
[各式中、
R a1 は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
X a は、-O-、フェニレンまたは-N(-R E )-〔R E は有機基を表す。〕を表す。
R a2 は、水素原子またはアルキル基を表す。
R a3 は、水素原子またはアルキル基を表す。
但し、R a2 およびR a3 の少なくとも一方はアルキル基である。
R a4 は、アルキル基またはパーフルオロアルキル基を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
kは、1または2を表す。]
で表される化合物を重合開始剤として用いて、少なくとも1種の非フッ素化合物を重合させる反応である、請求項16に記載の溶剤組成物。 - 請求項1~17のいずれかに記載の溶剤組成物、40~70重量%のフッ素原子含量を有する少なくとも1種の多フッ素化合物、および、少なくとも1種の非フッ素化合物を含有する、組成物であって、
少なくとも1種の多フッ素化合物と少なくとも1種の非フッ素化合物とを用いる反応用の組成物であり、
前記多フッ素化合物は、直鎖状のフルオロポリエーテル基含有化合物であり、
前記フルオロポリエーテル基含有化合物は、下記一般式(C-1):
R a1 は、パーフルオロポリエーテル基を含有する1価または2価の基を表す。
X a は、-O-、フェニレンまたは-N(-R E )-〔R E は有機基を表す。〕を表す。
R a5 、R a6 およびR a7 は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
kは、1または2を表す。]
で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記パーフルオロポリエーテル基を含有する1価の基は、下記一般式(R a1 -1):
X ra は、フッ素またはRf-O-(Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキル基を表す。)を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
Y ra は、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
L a は、リンカーを表す。]
で表され、
前記パーフルオロポリエーテル基を含有する2価の基は、下記一般式(R a1 -2)または(R a1 -3):
L a およびL a’ は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
Y ra およびY ra’ は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pは、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naは、1~1000の整数を表す。
式(R a1 -3)中、
L a およびL a’ は、それぞれ独立して、リンカーを表す。
Y ra およびY ra´ は、それぞれ独立して、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基を表す。
pおよびp’は、各出現において、それぞれ独立して、1~6の整数を表す。
naおよびna’は、1~1000の整数を表す。
Rf’は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16のアルキレン基を表す。]
で表される、組成物。
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