JP7169214B2 - 口元管及びそれを用いた工法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばグラウンドアンカーやロックボルトを用いた地山補強の際に用いられる口元管に関する。
従来の地山補強土工等において使用される口元管(例えば、特許文献1参照)においては、ボーリング孔を削孔する工程等において、口元管が動いてしまう恐れがある。
また、加圧注入を行う場合等では、口元管のみでは、加圧注入されたセメントミルク等の注入材が地上側に漏出或いは逆流してしまう恐れが存在する。
その他の口元管を用いた従来技術においても、口元管を地山に確実に保持或いは固定することは困難であった。
また、注入された材料が地上側に漏出しないようにする従来技術も種々提案されているが、従来技術では、パッカーを用いずに材料(注入材)の地上側への漏出を十分に防止することが困難であった。
特開2002-309573号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、口元管を地山に確実に保持或いは固定することが出来ると共に、口元管を経由して地中に供給された材料が地上側に漏出してしまうことを確実に防止することが出来る口元管と、その様な口元管を用いた工法の提供を目的としている。
本発明の口元管(10)は、注入材を用いた工法で用いられる口元菅(10)において、
本体部(11)に螺旋状の翼(12、螺旋:スクリュー)を設け、本体部(11)の地上側端部に本体部(11)を覆うことが出来る大径な板状部材(13:第1のプレート)を設けており、
前記螺旋状の翼(12)は、その外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用して、加圧注入された注入材(C)が口元管(10)の外表面を介して地上側に漏出することを防止する機能を有することを特徴としている。
ここで、本発明の口元管(10)は、注入材を用いる地山補強土地盤改良工法にも適用可能である。
使用するロックボルト(1)は中空のロックボルトに限らず、鉄筋棒や異形鋼棒等の種類を問わない。
本発明の口元管(10)において、前記螺旋状の翼(12、螺旋:スクリュー)は、ねじ山であっても良い。
また、前記螺旋状の翼(12、螺旋:スクリュー)は、溶接によって口元管本体部(11)に固定されているのが好ましい。
そして、前記螺旋状の翼(12、螺旋:スクリュー)としては、撹拌用スクリュー、搬送用スクリューを利用することが可能である。
本発明の方法は、注入材を用いた工法で用いられる口元菅(10:請求項1の口元管)であって、本体部(11)に螺旋状の翼(12、螺旋:スクリュー)を設け、本体部(11)の地上側端部に本体部(11)を覆うことが出来る大径な板状部材(13:第1のプレート)を設けており、前記螺旋状の翼(12)は、その外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用して、加圧注入された注入材(C)が口元管(10)の外表面を介して地上側に漏出することを防止する機能を有する口元管(10)を地山(G)に設置する工程と、
口元管(10)の内部空間を介して地山(G)にボーリング孔(H)を削孔する工程と、ボーリング孔(H)内に固結材(C:例えばセメントミルク)を供給する工程を有することを特徴としている。
また本発明の方法は、地山(G)にボーリング孔(H)を削孔する工程と、
ボーリング孔(H)の地上側端部に口元管(10)を設置する工程を有し、
前記口元菅(10)は、注入材を用いた工法で用いられる口元菅(10:請求項1の口元管)であって、本体部(11)に螺旋状の翼(12)を設け、本体部(11)の地上側端部に本体部(11)を覆うことが出来る大径な板状部材(13:第1のプレート)を設けており、前記螺旋状の翼(12)は、その外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用して、加圧注入された注入材(C)が口元管(10)の外表面を介して地上側に漏出することを防止する機能を有しており、
ボーリング孔(H)内に固結材(C:例えばセメントミルク)を供給する工程を有することを特徴としている。
本発明の方法において、ボーリング孔(H)内に補強材(1:例えばロックボルト)を挿入する工程と、挿入された補強材(1)を前記口元管(10)に固定する工程を有することが好ましい。
その場合、前記ボーリング孔(H)内に固結材(C)を供給する工程は前記補強材(1)を介して固結材(C)が加圧注入される(1次注入される)のが好ましい。
そして、補強材(1)を介して固結材(C)が加圧注入された(1次注入された)後、前記口元管(10)を介して固結材(C)を2次注入する工程を有することが好ましい。その場合、口元管(10)を通じて固結材(C)を注入(2次注入)し、口元管(10)内の隙間が全て固結材(C)で充填されることが好ましい。
本発明の方法において、前記補強材(1)は中空のロックボルトであるのが好ましい。ここで、前記補強材(1)は中空のロックボルトに限らず、鉄筋棒や異形鋼棒であっても前記口元管(10)と組み合わせて適用することが出来る。
本発明を中空のロックボルト以外の補強材(1)を用いた場合、中空のロックボルトとは異なり(鉄筋棒や異形鋼棒には)中空部が存在しないので、前記加圧注入(1次注入)する工程は補強材(1)を介しては行われず、口元管(10)を介して行われる。この場合においても、口元管(10)を介して注入された固結材(C)の圧力を保持することが可能である。
上述の構成を具備する本発明によれば、口元管(10)の螺旋状の翼(12、螺旋:スクリュー)が地山(G)にねじ込まれているため、口元管(10)が地山(G)から引抜かれてしまう(外れてしまう)ことなく保持される。また、加圧注入がされても、注入の際の圧力で口元管(10)が地山(G)から引抜かれてしまう(外れてしまう)ことなく保持される。
一方、補強材等を地中側に引き込む力が作用しても、口元管(10)の螺旋状の翼(12)が地山(G)にねじ込まれているため、地山(G)と口元管(10)が一体化して、当該引き込む力に抵抗することが出来る。
すなわち,口元管(10)が動いてしまうことが防止される。
また本発明によれば、口元管(10)周囲に設けた螺旋状の翼(12)の外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用するので、加圧注入された注入材(C)が口元管(10)の外表面を介して地上側に漏出する事態が防止され、加圧注入された注入材(C)が口元管(10)外周部から地上側に溢れ出てしまう(逸走する)ことがない。
換言すれば、パッカーを用いなくても、加圧注入の際に、注入材(C)は溢れ出ることがなく、口元管(10)が地山(G)から外れてしまうことがない。そのため本発明によれば、従来技術で必要とされていたパッカーが不要になる。
そして本発明によれば、パッカーを使用しなくても加圧状態が保持でき、注入液(C)は加圧状態を維持して拡径した状態で固化して、拡径された形状のまま定着体を構成することが出来るので、引抜耐力が向上する。
それに加えて、口元管(10)周囲に設けた螺旋状の翼(12)が引抜き耐力を向上するので、従来技術における口元管と口元パッカーを組み合わせた工法に比較して、より強い引抜き耐力が得られる。
本発明の実施形態に係る口元管を示す図である。 図1の口元管とロックボルトを組み合わせた状態を示す説明斜視図である。 図示の実施形態に係る地山補強土工の一例における工程図であって、図1の口元管を設置した状態を示す説明図である。 図3で示す工程に続く工程を示す工程図であって、ボーリング孔を削孔した状態を示す説明図である。 図3、図4で示す地山補強土工の変形例における工程図であり、地山にボーリング孔を削孔した状態を示す説明図である。 図5で示す工程に続く工程を示す工程図であって、ボーリング孔の地上側端部に口元管を設置した状態を示す説明図である。 図4或いは図6の後の工程を示す工程図であって、セメントミルクを注入し、ロックボルトを挿入した状態を示す説明図である。 図7で示す工程に続く工程を示す工程図であって、ロックボルトに第1のナットを螺合させた状態を示す説明図である。 図8に続く工程を示す工程図であって、第1のプレート上に第2のプレートを取り付けた状態を示す説明図である。 図8に続く工程を示す工程図であって、ロックボルトに第2のナットを螺合して、第2のプレートを第1のナット及び第2のナットで挟みつけて固定した状態を示す説明図である。 ロックボルトからセメントミルクを加圧注入する工程を示す工程図である。 図11における加圧注入の後、ロックボルトの地上側端部を閉鎖した状態を示す工程図である。 図12で示す工程に続く工程を示す工程図であって、2次注入を行う状態を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に図1を参照して、実施形態に係る口元管10(スクリュー付き鋼管)を説明する。図1において、全体を符号10で示す口元管は、中空鋼管で構成される本体部11に、螺旋状の翼12(螺旋:スクリュー)を一体的に形成している。ここで、スクリュー12は本体部11の軸方向の一部に形成しても良いし、軸方向の全長に亘って形成しても良い。なお、スクリュー12のピッチ等は図1に限定されるものではない。
本体部11の地上側端部(図1の右側端部)には円形の板状部材13(第1のプレート)が設けられ、第1のプレート13の直径は本体部11よりも大径である。第1のプレート13の中央には孔13Aが形成されており、孔13Aの内径は本体部11の中空部の内径と概略等しい。ただし、第1のプレート13は円形に限定される訳ではない。第1のプレート13が円形でない場合には、本体部11を覆うことが出来る程度の大きさを有している。
螺旋状のスクリュー12を本体部11に取り付け、固定する方法としては、例えば溶接がある。また、スクリュー12を構成する螺旋状の翼としては、撹拌用スクリュー、搬送用スクリューを利用或いは転用することが出来る。
図示の実施形態において、口元管10におけるスクリュー12に代えて、ねじ山を加工しても良い。
なお、図示の実施形態に係る口元管10は、地山補強土のみならず、杭等を用いた地盤改良工法にも適用可能である。
図1の口元管10をロックボルト1と組み合わせた状態を示す図2において、口元管10の本体部11の中空部には、ロックボルト1が貫通している。
明確には図示されていないが、ロックボルト1は中空部を有し、当該中空部は軸方向に延在しており、固結材(例えばセメントミルク)が通過可能に構成されている。ロックボルト1の外周面において、全長に亘って、或いは、少なくとも地上側(図2で右側)先端から第1のナット2(図8参照)の雌ネジと螺合する位置までの領域において、図示しない雄ネジが形成されている。
ロックボルト1の地中側(図2で左側)の領域において、スペーサー5を有する継手部分において、先行するロックボルト1が連結されている。図2では、合計3本のロックボルト1が連結された状態が示されている。
ロックボルト1の地中側先端にはスペーサー付き先端キャップ6が設けられている。ロックボルト1から固結材(セメントミルク)を加圧注入する工程(後述)において、セメントミルクは、スペーサー付き先端キャップ6を介して、ボーリング孔H(図4~図13参照)内に注入される。
口元管10の地上側(図2で右側)端部近傍において、口元管10の第1のプレート13には、正方形状の第2のプレート14が取り付けられている。ただし、第2のプレート14の形状は正方形に限定される訳ではない。第1のプレート13と第2のプレート14は、取付用ボルトBTにより、図示の例では4箇所で取り付けられているが、取付態様やその数量については特に限定するものではない。明確には示されないが、第2のプレート14の中央には、ロックボルト1が貫通可能な内径の孔が形成されている。
また、口元管10の地上側(図2で右側)端部近傍において、第1のナット2(図8参照:図2では図示せず)及び第2のナット3がロックボルト1に螺合しており、それと共に、第1及び第2のナット2、3は第2のプレート14を挟み込んでおり、以て、第2のプレート14をロックボルト1に対して固定している。換言すれば、第1のプレート13は、第2のプレート14、第1のナット2及び第2のナット3を介してロックボルト1に固定されており、以て、口元管10とロックボルト1は固定されている。
この様に口元管10とロックボルト1を固定する工程については、図8~図10を参照して後述する。
ロックボルト1の地上側端部には、キャップ4が取り付けられている。キャップ4によりロックボルト1上端を閉鎖することにより、セメントミルクC(図7~図13参照:固化材)の1次注入工程(図11参照)の後、ロックボルト1上端から注入されたセメントミルクが逆流してしまうこと、いわゆる「圧が解放されてしまう」ことを防止している。
第1のプレート13に第2のプレート14を取り付けた状態の図2において、第1及び第2のプレート13、14の同一箇所に、2次注入(図13参照)の為の注入孔(図示せず)が形成されている。明確には図示されていないが、第2のプレート14には複数の注入口が設けられており、少なくとも一つはセメントミルク注入用であり、他の注入口は空気穴として作用する。当該注入口を閉鎖するプラグ16が、第2のプレート14上に設けられている。プラグ16で図示しない2次注入孔を閉鎖することにより、2次注入後、注入されたセメントミルクが逆流してしまう(圧力が解放されてしまう)ことを防止するためである。
注入工程等を説明する図9~図13においては、煩雑さを回避するため、注入孔及びプラグ16の図示を省略している。換言すれば、プラグ16は図2にのみ示されている。
図示はしないが、口元管10はロックボルト1のみならず、鉄筋棒や異形鋼棒とも組み合わせて適用することが出来る。
次に、図3~図13を参照して、図1及び図2で示す口元管10(スクリュー付き鋼管)とロックボルト1を用いた地山補強土工を説明する。
図3で示す工程において、口元管10を地山Gに設置する。口元管10を地山Gに設置する際に、口元管10のスクリュー12を地山Gにねじ込み、口元管10の第1のプレート13を地山Gの地表面に当接させる。そして図4で示す工程に進む。
図4に示す工程では、地山Gに設置した口元管10の内部空間を介して、地山Gにボーリング孔Hを削孔する。ボーリング孔Hの削孔に際し、口元管10の内側を介して、口元管10下端から地中側へ所定距離だけ削孔する。
図5、図6は、図3、図4に示す実施形態の変形例を示している。図5、図6の変形例においては、図3、図4で示した口元管10の地山Gへの設置工程とボーリング孔Hの削孔工程の順番が逆転している。
すなわち、図5の工程で地山Gにボーリング孔Hを削孔する。図5の工程の後に実行される図6の工程では、ボーリング孔Hの地上側端部において、口元管10を地山Gにねじ込んで設置している。
図3、図4の工程、或いは図5、図6の工程により、口元管10を地山Gに設置して、ボーリング孔Hを削孔した後、図7で示す工程が実行される。
図7で示す工程では、先ず、ボーリング孔H内にセメントミルクC(固化材)が注入される。セメントミルクCの注入は、口元管10の地上側端部(具体的には、第1のプレート13の中央に形成された孔13A(図1))から口元管10の中空部を介して行われる。ボーリング孔H内にセメントミルクC(固化材)が注入された状態の図示は省略されている。
ボーリング孔H内にセメントミルクC(固化材)を注入した後、ボーリング孔H内にロックボルト1(補強材)を挿入する。ロックボルト1は、口元管10の地上側端部における第1のプレート13の孔13A(図1参照)から、口元管10の中空部を介して挿入される。
図7で示す状態では、ボーリング孔H内にセメントミルクCが注入されており、さらにロックボルト1が挿入されている。そして図7で示す状態では、口元管10の第1のプレート13が地山G表面に当接している。
スクリュー12が地山Gにねじ込まれているため、口元管10が地山Gから引抜かれてしまう(外れてしまう)ことなく保持される。また、第1のプレート13が地山G表面に当接しているので、口元管10を地中側に引っ張る引張力が作用したとしても、口元管10を介して第1のプレート13と固定されているロックボルト1は当該引張力に抵抗することが出来るので、地中側に沈下してしまうことはない。そのため、口元管10は移動しない。
図7の工程において、セメントミルクC(固化材)を注入する以前の段階でロックボルト1をボーリング孔H内に挿入し、その後でセメントミルクCをボーリング孔H内に注入することも可能である。その場合、ロックボルト1の中空空間を介してセメントミルクCをボーリング孔H内に注入することが出来る。
次に、図8~図10を参照して、ボーリング孔H内に挿入したロックボルト1を口元管10に固定する工程について説明する。
先ず図8で示す様に、ロックボルト1に第1のナット2を螺合する。第1のナット2は、図8~図10では点線で示されている。
ロックボルト1に第1のナット2を螺合するに際しては、第1のナット2をロックボルト1の地上側先端において雄ネジ部(図示せず)に螺合させ、第1のナット2をロックボルト1が螺合した状態で第1のナット2を地中側に移動し、第1のナット2の地上側端面と口元管10の第1のプレート13の地上側端面とが概略一致する位置まで(第1のナット2を)移動する。第1のナット2の地上側端面が口元管10の第1のプレート13の地上側端面と概略一致する位置において、第1のナット2は、第1のプレート13の中央に形成された孔13A(図1)の半径方向内方に位置している。
図9に示す工程では、口元管10において第2のプレート14を第1のプレート13上に載置し、第1のプレート13に固定する。第2のプレート14を第1のプレート13に取り付ける際には、例えば、取付用ボルトBTと図示しないナットを用いて、第2のプレート14の4隅(4箇所の角部:図2参照)において第1のプレート13に固定する。ただし、固定箇所は4隅に限定されない。
第2のプレート14を第1のプレート13に取り付けたならば、図10で示す様に、第2のナット3をロックボルト1に螺合して、第2のナット3と(既にロックボルト1と螺合している)第1のナット2によって第2のプレート14を挟み込むことで、第2のプレート14はロックボルト1に固定される。
図10で示す様に、口元管10の地上側先端の第1のプレート13とロックボルト1は、第2のプレート14、第1のナット2及び第2のナット3を介して一体化され、ロックボルト1は口元管10と一体的に固定される。そのため、補強部材等を地中に引き込む力が作用した際に、口元管10のスクリュー12による抵抗力に加えて、ロックボルト1と一体的に固定された第1のプレート13により、前記地中に引き込む力に抵抗することが出来る。
図8~図10で示す様に、ロックボルト1を口元管10に固定したならば、図11で示す工程に進む。
図11に示す工程では、ロックボルト1内部の中空部を介して、セメントミルクCをボーリング孔H内に、従来公知の方法で加圧注入する(1次注入)(矢印A1)。
図2を参照して上述した様に、ロックボルト1の中空部を通過したセメントミルクC(固化材)は、ロックボルト1の地中側先端(図2において、スペーサー付き先端キャップ6で閉鎖されている箇所)から、ボーリング孔H内に注入される。
セメントミルクCを加圧注入され、ボーリング孔Hが外方に膨張した様子が、図11で示されている。
図11の加圧注入の際に、口元管10のスクリュー12が地山Gにねじ込まれているため、セメントミルクCを加圧注入されても、加圧注入により作用する力Fにより口元管10が地山Gから外れることが防止され、ロックボルト1が地山Gから浮き上がってしまうことはない。
また、口元管10周辺の地山Gにスクリュー12がねじ込まれており、スクリュー12の外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用するので、加圧注入されたセメントミルクCが地上側に溢れ出ることが阻止される。すなわち、加圧注入されたセメントミルクCが、口元管10の外周部から地上側に溢れてしまうことがない。換言すれば、図11で示す様に、図示の実施形態によれば、パッカーを用いなくても加圧注入の際にセメントミルクC(注入材)は地上側に溢れ出ることがないので、パッカーが不要である。
図11で示す工程においてセメントミルクCの加圧注入が終了したならば、図12で示す様に、ロックボルト1の地上側端部をキャップ4で閉鎖する。加圧注入後、ロックボルト1の地上側端部を閉鎖しないと、閉鎖されていない当該地上側端部を介して、加圧注入されたセメントミルクCが逆流して、地上側に流出してしまう(いわゆる「圧力が解放された状態」になってしまう)からである。
図12では、1次注入の後にキャップ4で閉鎖するまでの間に圧力が一部解放されて、一次注入で外方へ膨張したボーリング孔H(図12の点線で示す)が、加圧注入前の状態(図12の実線で示す)に戻っている。
ただし、図13を参照して後述する2次注入を行うので、1次注入した後、ロックボルト1の地上側端部をキャップ4で閉鎖するまでの間に圧力が解放されてセメントミルクC(固化材)が地上側に逆流したとしても、不都合はない。
図11で示す工程で示すセメントミルクC(固化材)の加圧注入(1次注入)が完了し、図12で示す工程でロックボルト1の地上側端部をキャップ4で閉鎖した後、図13で示す様に、セメントミルクC(固化材)の2次注入を行う(矢印A2)。
図13の2次注入において、図2で上述した様に、セメントミルクCは第2のプレート14(及び第1のプレート13)における注入孔(図示せず:図2においてプラグ16で閉鎖されている部分)から、口元管10の中空部を介して、ボーリング孔H内に注入される。2次注入を行うことで、ボーリング孔H内が加圧され、ボーリング孔Hは再び外方に膨張する。
2次注入が完了したならば、注入されたセメントミルクCが逆流、流出しない様に(圧力が解放されない様に)、2次注入用の注入孔をプラグ16(図2参照)で閉鎖する。
明確には図示されていないが、2次注入が完了した後、2次注入用の孔をプラグ16で閉鎖する以前の段階で2次注入されたセメントミルクの圧力が解放されないように、2次注入用の孔(図示せず)に接続される図示しない2次注入用のホースを折り曲げて、ボーリング孔H内における加圧状態を保っている。
図示はされていないが、逆止弁付きの装置(ニップル等)やバルブ(ボールバルブ等)を設けて、2次注入用の孔をプラグ16で閉鎖する以前の段階で2次注入されたセメントミルクの圧力が解放されないように構成することが出来る。
図示の実施形態によれば、口元管10のスクリュー12が地山Gにねじ込まれているため、スクリュー12により向上した耐力により、プレート13やロックボルト1を移動土塊が押圧したとしても、口元管10が地山Gから引抜かれてしまう(外れてしまう)ことなく保持される。また、加圧注入がされても、注入の際の圧力F(図11:口元管10を地山Gから押し出す力)で口元管10が地山Gから引抜かれてしまう(外れてしまう)ことなく保持される。
一方、補強部材等を地中側に引き込む力が作用しても、地山Gと口元管10が一体化して、当該引き込む力に抵抗することが出来る。より詳細には、補強部材等を地中側に引き込む力が作用しても、口元管10における第1のプレート13により、口元管10が地中側に引き込まれることに対して抵抗することが出来る。また、口元管10のスクリュー12が地山Gにねじ込まれているため、スクリュー12により、口元管10が地中側に引き込まれることに対して抵抗することが出来る。
ここで、口元管10とロックボルト1は、第1のプレート13、第2のプレート14、第1のナット2、第2のナット3を介して一体化され、固定されているので、口元管10が地中側に引き込まれることを防止出来る。
また、図示の実施形態によれば、口元管10のスクリュー12(螺旋状の翼)が一種のラビリンクシールとして作用するので、加圧注入されたセメントミルクC(注入材)が口元管10外周部から地上側に漏れ出てしまう或いは溢れ出てしまうことが防止される。
そのため図示の実施形態によれば、パッカーを用いなくても、加圧注入の際に、セメントミルクCが地上側に溢れ出てしまうことがない。すなわち図示の実施形態によれば、従来技術で必要とされていたパッカーを省略することが可能である。
図示の実施形態によれば、パッカーを使用しなくても加圧状態が保持でき、拡径されたセメントミルクC(図13参照)が固化して、そのまま拡径した形状の定着体となるため、引抜耐力が向上する。
それに加えて、上述した様にスクリュー12が引抜き耐力を向上するので、従来技術における口元管と口元パッカーを組み合わせた工法に比較して、ロックボルトを引き抜こうとする力に対し、より強い引抜き耐力を獲得することが出来る。
さらに図示の実施形態によれば、1次注入を行いロックボルト1の地上側端部をキャップ4で閉鎖した後、2次注入を行うので、1次注入の後、ロックボルト1の地上側端部をキャップ4で閉鎖するまでの間にセメントミルクC(固化材)が逆流して、圧力が解放されてしまったとしても、2次注入により逆流したセメントミルクCや解放された圧力を回復させることが出来る。
なお、図示の実施形態において、中空のロックボルト以外の補強材を用いた場合、ロックボルトとは異なり、例えば、鉄筋棒や異形鋼棒には中空部が存在しない。そのため、補強材内の中空部を介する加圧注入(1次注入)は行われず、口元管10を介して加圧注入(1次注入)が行われる。この場合においても、口元管10にセメントミルクC(固化材)の注入孔、当該注入孔を閉鎖するプラグを設け、注入されたセメントミルクC(固結材)の圧力を保持することが可能である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、図示の実施形態ではロックボルトを用いた地山補強土工であって、1次注入と2次注入を行う工法を説明しているが、その他の工法であっても本発明の口元管が適用可能であり、本発明の方法が適用可能であることを付記する。
1・・・ロックボルト(補強材)
10・・・口元管(スクリュー付き鋼管)
11・・・本体部
12・・・スクリュー(螺旋状の翼)
13・・・第1のプレート
C・・・セメントミルク(固結材)
G・・・地山
H・・・ボーリング孔

Claims (6)

  1. 注入材を用いた工法で用いられる口元菅において、
    本体部に螺旋状の翼を設け、本体部の地上側端部に本体部を覆うことが出来る大径な板状部材を設けており、
    前記螺旋状の翼は、その外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用して、加圧注入された注入材が口元管の外表面を介して地上側に漏出することを防止する機能を有することを特徴とする口元管。
  2. 注入材を用いた工法で用いられる口元菅であって、本体部に螺旋状の翼を設け、本体部の地上側端部に本体部を覆うことが出来る大径な板状部材を設けており、前記螺旋状の翼は、その外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用して、加圧注入された注入材が口元管の外表面を介して地上側に漏出することを防止する機能を有する口元管を地山に設置する工程と、
    口元管の内部空間を介して地山にボーリング孔を削孔する工程と、
    ボーリング孔内に固結材を供給する工程を有することを特徴とする工法。
  3. 地山にボーリング孔を削孔する工程と、
    ボーリング孔の地上側端部に口元管を設置する工程を有し、
    前記口元菅は、注入材を用いた工法で用いられる口元菅であって、本体部に螺旋状の翼を設け、本体部の地上側端部に本体部を覆うことが出来る大径な板状部材を設けており、前記螺旋状の翼は、その外表面が螺旋状のラビリンスシールとして作用して、加圧注入された注入材が口元管の外表面を介して地上側に漏出することを防止する機能を有しており、
    ボーリング孔内に固結材を供給する工程を有することを特徴とする工法。
  4. ボーリング孔内に補強材を挿入する工程と、挿入された補強材を前記口元管に固定する工程を有する請求項2、請求項3の何れかの工法。
  5. 前記ボーリング孔内に固結材を供給する工程は前記補強材を介して固結材が加圧注入される請求項4の工法。
  6. 補強材を介して固結材が加圧注入された後、前記口元管を介して固結材を2次注入する工程を有する請求項5の工法。
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