JPS5931794Y2 - 地盤削孔管付設逆止弁体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はアンカー工事等に於いて行われる地盤削孔管
に付設しスライムアップ防止を企る様にした逆止弁体構
造に関するものであり、特に、削孔管に付設する弁体を
該管体に固設したリング状固定体に弾性線状体の基部を
環設固定し先端方向に収斂状に形成させる様にした地盤
削孔管付設逆止弁体構造に係るものである。

周知の如く、土木建設工事に於ては種々の地盤削孔を行
い、例えば、アンカー工事の如く、セメントモルタル等
の充填体を注入する等の場合が極めて多い。

而して、該種削孔に際しては削孔管を利用して削孔水を
注入しながら、削孔管先端ビットで削孔を行うが、削孔
深度が深くなると当然のことながら単位ロッドジヨイン
トを複膜ジヨイントし、削孔を行う。

そして、所定深度に削孔を終了すると該削孔管を引き抜
きながらセメントモルタル等を置き換え注入する等の工
事があり、アンカー工事では鋼棒を挿入して該鋼棒周囲
に該セメントモルタルを注入しつつ削孔管を引き抜く様
にされる。

さりながら、前記の如く、削孔管はほとんどの場合単位
ロッドジヨイントを継ぎ足して削孔に供されているため
に当然引き抜き注入時には各単位ロッドジヨイントを順
次解離する必要がある。

ところで、地盤内は相当の被圧状態にえるため、該ロッ
ドジヨイントの解離特に削孔管内は不可避的に大気圧に
曝されることになり上記被圧状態との差圧により、就中
、深度が大きい場合、大差圧により地下水、削孔水が逆
噴出するのみならず、スライムや時によっては当該プロ
セスまでの充填セメントモルタル、或は、介装鋼棒まで
を押し上げ、施工不能になる欠点があるばかりでなく、
極めて危険でもある難点があり、又、これに対処するに
加圧送給管の継ぎ替えを可及的に迅速にせねばならず、
熟練を要し、補助シール装置等も要るためコスト高にな
る不利点もあった。

又、鋼球等のボールバルブ等をスプリングを介して座着
介装する逆止弁介装設計も可能であるが、コスト的に合
わない面とアンカー鋼棒、ストランド等を挿入する場合
異径部や、継目部のシールを充分に果し得す、挿入プロ
セスに於ける半径方向変位を吸収出来ないデメリットが
あった。

この考案の目的は上記従来技術に基づく地盤削孔管に於
けるスライム等逆噴出及び逆止弁の問題点に鑑み、削孔
管中に弾性線状体を多数収斂裡に環設介装させることに
より前記欠点を除去し、難点を解消し、不利点を無くシ
、優れた逆止弁作用、充填物供給可能機能を有し、スト
ランド等の介装異径部のクリアランスも吸収してシール
機能を有する地盤削孔管付設逆止弁体構造を提供せんと
するものである。

上記目的に沿うこの考案の構成は地盤削孔プロセスに於
ては削孔管内に送給する削孔水の送給は環設多数の弾性
線状体の収斂部に順流して行われ、削孔後の削孔管の内
部に対する充填物、鋼棒等の光透については同じく順送
によりスムースに行われると共に後者についてはその異
径部、半径方向変位も該線状体の弾性収斂により吸収さ
れ、削孔管の引き上げ時の大気圧に対する開放プロセス
では被圧によるスライム等の逆流は該弾性線状体の多数
のチェック作用により逆流が防止される様にしたことを
要旨とするもので゛ある。

次にこの考案の実施例を図面に基づいて説明すれば以下
の通りである。

１は地盤削孔管としてのアンカー削孔管であり、削孔及
びセメントモルタル注入兼用タイプのものである。

而して、該削孔管１は先端のガイド管２がフランジ３に
ビット４を有する削孔クランク５をその摩擦を介してス
ラスト圧入されており、その上部にはネジ係合部６，６
・・・・・・を介してロッドジヨイント７．７・・・・
・・をユニットづつ連結されて所定長に形成される様に
され、その上部には適宜削孔水スイーベル装置８、或は
、セメントモルタル注入装置９が交換装着可能にされて
いる。

又、上記クラウン５は上記削孔管１の内部に形成される
導腔１０に連通する導腔１１が座１２．１３間に弾圧バ
ネ１４を介装したチェックボールバルブ１５を有し、該
導腔１１からは所定数の削孔水ノズル１６．１６・・・
・・・が穿設されている。

１７はこの考案の要旨を或す逆止弁体であり、第３図に
詳示する如く上記ロッドジヨイント７に挟持保合される
フランジ１８を外延形成するリング状固定体の金属材１
９が内外層２重に形成されその間に合成樹脂性の弾性線
状体としてのストリング２０．２０・・・・・・を無数
にその基部をして挾持締束して管軸先端方向に延在させ
である。

尚、該ストリング２０．２０・・・・・・は上記挾持締
束状態に固定植設する場合、予め成形時に彎曲させ、そ
の彎曲方向が上記金属材１９に同心裡に収斂する様にさ
れる。

又、該ストリング２０の１本ずつは第６図ａ、ｌ）。

Ｃに示す如く直状でもサインカーブ状でも、屈曲状でも
良く、適宜成形が可能である。

そして、該収斂全弾性状態のストリング２０゜２０・・
・・・・の該収斂部外側にはゴムバンド２１が所定緊張
力で環束状に外装されている。

２２はアンカー鋼棒で゛あり、２２′はアンカーストラ
ンドである。

従って、第４ ａ 、４ ｂ図にて該逆止弁体１７の原
理を説明すると、金属材１９側から流体、或は、アンカ
ー鋼棒２２等が送給、充填されると各ス） ＩＪング２
０．２０・・・・・・はその弾性を介して拡開し、流通
、挿入を第４ａ図に示す如く自由に許容し、一方、逆流
する場合はチェックされ、収斂が効き、流体の逆流、鋼
棒２２のズリ上りを防止する。

この場合、各ストリング２０，２０・・・・・・は単線
状且つ、弾性状であるので収斂を強め、鋼棒２２に対す
る全周的密゛接性も保たれ、従って、該鋼棒２２が第５
ａ図の如く中心より変位したり、或は、第２図に示す如
く大径ジヨイント部２３が位置してもシール性は充分で
あり、又、第５ｂ図に示す如く、ストランド２２′が周
形を変則的にされても全周的に変形性を吸収しシール性
を完全に発揮する。

上記構成及び原理に於て、まず削孔管１によりアンカー
削孔を行うに際しては第１図に示す様にガイド管２にク
ラウン５を圧入嵌着し、各ロッドジヨイント７．７・・
・・・・を連結しながら、最上段にスイーベル装置８を
付設し、所定回転を付与し、導腔１０に削孔水を送給し
て削孔を行うと、該削孔水は前記原理に従い、逆止弁体
１７をゴムバンド２１に抗して開き、又、各ストリング
２０，２０・・・・・・間から圧出して前送され、弾圧
バネ１４に抗してチェックボールバルブ１５を開き、削
孔水ノズル１６．１６・・・・・・から噴出して削孔を
促進しスライムは管側外を上昇する。

尚、その間、削孔に伴いロッドジヨイント７゜７・・・
・・・を増結するプロセスで導腔１０は大気圧に開放さ
れるが、前送削孔水及びスライムの逆流は上記逆止弁体
１７．ゴムバンド２１の挟圧及びチェックボールバルブ
１５にて阻止される。

而して、所定深度に達すると、スイーベル装置８を取外
すと共にアンカー鋼棒２２をジヨイント部２３を介して
挿入する。

該挿入プロセスに於て上記逆止弁体１７に対するに前記
原理説明の如く、拡開作用を介し第３図に示す様に何ら
支障なく挿通され、最後にその先端はクラウン５を突き
出しガイド管２から離脱させる。

その状態でセメントモルタル注入装置９をセット後セメ
ントモルタルを注入すると共に削孔管１を引き揚げると
第２図に示す如く前記原理に従いセメントモルタルは導
腔１０．逆止弁体１７を開き、又、各ストリング２０．
２０・・・・・・間から圧出して削孔中に充填され、残
置クラウン５．鋼棒２２を包囲してアンカ一体を形成し
ていく。

尚、該セメントモルタルに注入に随伴して削孔管１の引
き抜きを行いロッドジヨイント７．７・・・・・・を解
離するが、当該解離プロセスでは前記同様逆止弁体１７
のゴムバンド２１を介しての閉塞チェックにより、地下
水は勿論のこと、スライムの上昇逆流は防止され、従っ
て、鋼棒２２の随伴ズリ上りも１つには上記逆流防止に
より、２つには逆止弁体及びゴムバンド２１自体の挟圧
により阻止される。

そして、この間鋼棒２２が第５ａ図の如く中心よりずれ
たり、ジヨイント部２３が位置しても逆止弁体１７のチ
ェック作用は変らず、又、ストランドの様な第５ｂ図に
示す場合もクリアランスは吸収されて確実にチェック機
能は果される。

又、上記各弾性線状体２０のス） ＩＪアンカ形状が前
記第６図ａ、ｂ、ｃの様な各種設計態様ではセメントモ
ルタル等の種類に応じて選択適用可能である。

尚、この考案の実施例は上記各態様に限るものでないこ
とは勿論であり、アンカー鋼棒ばがりでなく、他の薬注
工事等にも適用可能である。

又、ストリングに対してゴムリング等の強制収斂体を設
けず、該ストリング自体の弾性による自然収斂にするこ
とも可能である。

上記の様にこの考案によれば、先端に削孔部を有すると
共に内部に導腔を形成する削孔管の管側に配設する逆止
弁体が該削孔管々側に取付けられるリング状固定体と該
固定体に基部を挟持され先方に収斂する多数の弾性線状
体を円錐状に設けたことにより削孔時の削孔水圧送に際
しては該弾性線状体が拡開し、支障なく流過させ、ロッ
ドジヨイント継ぎ足しプロセスでは収斂閉塞してスライ
ムの逆流を防止し、又、アンカー鋼棒等の挿入に際して
も何ら困難なく、スムースに挿入セットが可能であるメ
リットがある。

更に、アンカー鋼棒やアンカーストランドの挿入に際し
て、ジヨイント部や側方偏位部が該逆止弁体に対応して
も、又、ストランドの外周に凹凸異径があっても多数の
ストリングが充分にそれらに密接するためクリアランス
を吸収し、充分に逆止弁作用を行う効果がある。

又、薬注プロセス、セメントモルタル注入時等の削孔管
ロッドジヨイント解離に伴う導腔大気圧解放に際しても
該逆止弁体が確実に逆止弁作用を行うため、スライムの
みならず、充填物は勿論、アンカー鋼棒も随伴上昇逆流
しない優れた効果がある。

更に又、該逆止弁体が多数の収斂線状体で形成されてい
るためその逆止弁作用に於てアンカー鋼棒等を緊締挾持
してズリ上り防止を企ることも出来る効果もある。

加えて、使用後の逆止弁体は洗浄後反復使用が行える良
耐久性の副次的メリットもある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであり、第１図は削
孔時の管体説明図、第２図はアンカー形成時の管体説明
図、第３図は逆止弁体の断面説明図、第４ ａ 、４
ｂ図は逆止弁体の原理説明図、第５ａ、５ｂ図はアンカ
ー芯材の管内断面態様説明図、第６図ａ、ｂ、Ｃは弾性
線状体の説明図である。 ５・・・・・・クラウン、２・・・・・・削孔部、１０
・・・・・・導腔、１・・・・・・削孔管、１７・・・
・・・逆止弁体、１９・・・・・・固定体、２０・・・
・・・線状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に削孔クラウンを有すると共に内部に導腔を形成す
   る削孔管の管内側に付設した逆止弁体構造において、該
   削孔管々内側に取付けられるリング状固定体が該削孔管
   軸方向に沿って収斂状に延在する多数の弾性線状体の基
   部を該リング状固定体の周方向全体に列設固定されであ
   ることを特徴とする地盤削孔管付設逆止弁体構造。