JP7167599B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真方式の画像形成装置に関し、特に定着部の過熱保護技術に関する。
プリンター、ファクシミリ、コピー機等、電子写真方式の画像形成装置は定着部を備えている。定着部は、加熱と加圧とでトナーをシートに溶着させることによりトナー像をシートに定着させる(以下、「熱定着」という)。定着部は、シートへ熱を伝える部材と、この伝熱部材を加熱する部材とを含む。伝熱部材としては主に、ローラー、ベルト等の回転体が利用され、加熱部材としては主に、ハロゲンヒーター、誘導加熱(IH)ヒーターが利用される。
近年の画像形成装置における、高速化、高機能化、信頼性の向上、および省電力の進展に伴い、定着部には、シートに与える熱量の範囲を更に拡大し、かつ伝熱部材の温度を更に高精度に制御することが求められている。この要求に応える工夫の1つとしては、ハロゲンヒーターの複数化が挙げられる。
たとえば特許文献1には、異なるヒーターで定着ベルトの横方向における中央部と端部とを別々に加熱する技術が開示されている。ベルトの加熱範囲はシートのサイズに応じて最適化される。これによりヒーターの消費電力が削減される。特許文献2に開示されたヒーターは、発熱にジュール熱を利用する1本の発熱体を複数の電極で複数の区間に分割したものである。各区間が異なる加熱部材として定着ベルトの異なる部分を加熱する。
特開2015-129789号公報 特開2016-018127号公報
近年の画像形成装置は、生産性の更なる向上への要求に応える目的で更なる高速化が図られている。これにより、印刷エンジン(搬送部、作像部)の消費電力が上昇している。したがって、定着部におけるヒーター数の増加に伴う消費電力の上昇分と合わせて、画像形成装置の確保すべき電力量の全体が増加している。これへの対策としては、たとえば商用交流電源等の外部電源を複数、同時に利用可能にする工夫が為されている。この場合の問題点の1つが、加熱部材の安全性の確保である。
加熱部材には一般に安全装置が必要である。この安全装置は、特に制御回路が暴走して電源が切れない異常状態において加熱部材への電力供給を強制的に遮断するものであり、たとえばサーモスタットまたはヒューズが利用される。この安全装置が加熱部材への電力供給を断つことにより加熱部材の過昇温が妨げられるので、伝熱部材がその過熱に伴う発煙、発火から保護される。
複数の加熱部材の間で単一の外部電源が共用される場合、これらの加熱部材間で安全装置は共用可能である(特許文献1、2参照)。しかし、複数の加熱部材の間で2個以上の外部電源が使い分けられる場合、加熱部材をいずれの外部電源からも遮断可能にする必要があるので、少なくとも外部電源1個あたり安全装置が1個必要になる。この条件は、画像形成装置の部品点数の更なる削減を困難にする。さらに、複数個の安全装置の設置場所を確保する必要があるので、画像形成装置の更なる小型化をも困難にする。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、外部電源を複数利用する場合でも安全装置の数を削減可能な定着装置を提供することにある。
本発明の1つの観点における定着装置は電子写真式の画像形成装置に搭載され、その装置の作像部がシートに形成したトナー像をそのシートに熱定着させる。この定着装置は、シートへ熱を伝える伝熱部材と、この伝熱部材を加熱する第1加熱部材および第2加熱部材と、伝熱部材の温度を監視し、その温度が閾値を超えた際に第1加熱部材への電力供給を遮断する保護部とを備えている。第2加熱部材の定格電力は第1加熱部材の定格電力よりも低く、第2加熱部材への電力供給が異常に長時間連続しても、伝熱部材への与熱量が伝熱部材からの放熱量とバランスする場合における伝熱部材の飽和温度が、伝熱部材の発煙点または発火点よりも低く設定されている。
この定着装置は、第1外部電源からの交流電力を第1加熱部材へ供給する第1電源部と、第2外部電源からの交流電力を第2加熱部材へ供給する第2電源部とを更に備えていてもよい。保護部は第1電源部から第1加熱部材への電力供給を遮断してもよい。第2電源部は更に第2外部電源からの交流電力を直流電力に変換して出力してもよい。
この定着装置は、第1電源部が第1加熱部材への電力供給を停止し、かつ第2電源部が第2加熱部材への電力供給を停止した時点から所定時間が経過した際、伝熱部材の温度が閾値よりも高い値を維持していれば、第2加熱部材の異常をユーザーへ警告する警告部を更に備えていてもよい。警告部が計る時間は、画像形成装置がスリープモードへ移行した時点からの経過時間であってもよい。
告部はユーザーへの警告を、画像形成装置がスリープモードから稼働モードへ移行した時点に行ってもよい。
第2加熱部材への電力供給は、画像形成装置が特定の状態を保つ間、常に維持されていてもよい。その特定の状態は、画像形成装置の副電源がオンしている状態、その副電源がオンし、かつ画像形成装置の動作モードがスリープモード以外である状態、または、第1加熱部材がオンしている状態であってもよい。
本発明の1つの観点による画像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成する作像部と、そのトナー像をシートに転写する転写部と、そのシートに転写されたトナー像をそのシートに熱定着させる上記の定着装置とを備えている。
本発明による定着装置では上記のとおり、第2加熱部材の定格電力は第1加熱部材の定格電力よりも低い。さらに、第2加熱部材への電力供給が異常に長時間連続しても、伝熱部材への与熱量が伝熱部材からの放熱量とバランスする場合における伝熱部材の飽和温度が、伝熱部材の発煙点または発火点よりも低く設定されている。これにより、この定着装置は外部電源を複数利用する場合でも安全装置の数を削減可能である。
(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。(b)は、(a)の示す直線b-bに沿った画像形成装置の模式的な断面図である。 (a)は、加熱ローラー、定着ベルト、定着ローラー、および加圧ローラーの模式的な斜視図であり、(b)は、(a)が示す直線b-bに沿ったこれらの断面図である。 (a)は第4ハロゲンヒーターの側面図である。(b)は、加熱ローラーの軸方向(X軸方向)における4本のハロゲンヒーターそれぞれの加熱範囲を示す模式図である。 プリンターの電子制御系統のブロック図である。 (a)は電源部の回路図である。(b)は、ハロゲンヒーターによる加熱に伴い、その加熱範囲に現れる定着ベルトの表面温度の経時変化を示すグラフである。 第4ハロゲンヒーターに対する異常検知処理のフローチャートである。 プリンターの副電源のオン期間全体を通して行われる異常検知処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置の外観]
図1の(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置100の外観を示す斜視図である。この画像形成装置100は電子写真方式のカラープリンターである。プリンター100の筐体の上面には排紙トレイ41が設けられ、その奥に開いた排紙口42から排紙されたシートを収容する。排紙トレイ41の前方には操作パネル51が取り付けられている。操作パネル51には、各種の機械的な押しボタンに加え、タッチパネル内蔵のディスプレイが配置されている。ディスプレイは、操作画面、各種情報の入力画面等のグラフィックスユーザーインターフェース(GUI)画面を表示する。タッチパネルは、アイコン、仮想ボタン、メニュー、ツールバー等、GUI画面の含むガジェットを通してユーザーの入力操作を受け付ける。プリンター100の底部には給紙カセット11が引き出し可能に取り付けられ、その中にシートの束が収容される。「シート」とは、紙製もしくは樹脂製の薄膜状もしくは薄板状の材料、物品、または印刷物をいう。給紙カセット11に収容可能なシートの種類すなわち紙種は、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズは、A3、A4、A5、またはB4である。さらに、シートの姿勢は縦置きと横置きとのいずれにも設定可能である。
[画像形成装置の内部構造]
図1の(b)は、図1の(a)の示す直線b-bに沿ったプリンター100の模式的な断面図である。プリンター100は、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。
給送部10は、給紙ローラー12を利用して給紙カセット11からシートSH1を1枚ずつ繰り出し、タイミングローラー13へ運ぶ。給送部10は更に、タイミングローラー13を間欠的に回転させることにより、シートSH1を所定のタイミングで作像部20へ給送する。
作像部20はタンデム式の中間転写型であり、カラーまたはモノクロのトナー像を感光体ドラムの上に形成し、そのトナー像を一旦、中間転写ベルトへ転写し、更に給送部10から送られたシートSH2へ転写する。具体的には、4つの感光体(PC)ユニット20Y、20M、20C、20Kのそれぞれがまず感光体(PC)ドラム21Y、21M、21C、21Kの表面を帯電させ、その帯電部分に露光部22からの光を当てる。これらの光は、画像データの示すイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の階調値分布に従って変調されているので、PCドラム21Y-21Kの各表面には各色の静電潜像が形成される。PCユニット20Y-20Kは次に静電潜像をY、M、C、Kのトナーで現像する。PCドラム21Y-21K上に現れた4つの単色トナー像は、1次転写ローラー23Y、23M、23C、23KとPCドラム21Y-21Kとの間の電界により、PCドラム21Y-21Kの各表面から順番に中間転写ベルト24の表面上の同じ位置へ転写される。こうしてその位置に1つのカラートナー像が構成される。このカラートナー像はその後、中間転写ベルト24の駆動プーリー24Rと2次転写ローラー25との間のニップを通過する際、両者24R、25の間の電界により、同じニップへ同時に通紙されたシートSH2の表面へ転写される。このシートSH2は2次転写ローラー25から剥がされた後、定着部30へ送り出される。
定着部30は、作像部20から送り出されたシートSH3の上にトナー像を熱定着させる。具体的には定着部30は、加熱ローラー31、定着ベルト32、定着ローラー33、および加圧ローラー34を含む。3本のローラー31、33、34は回転軸が互いに平行に(図ではX軸方向に)配置されている。定着ベルト32は加熱ローラー31と定着ローラー33との間に張架されている。3本のローラー31、33、34の共通の軸方向(X軸方向)において定着ベルト32は各ローラーの外周面と長さが等しい。定着ベルト32越しに定着ローラー33の外周面を加圧ローラー34の外周面が加圧してニップを形成している。たとえば、定着ローラー33が外部の直流ブラシレス(BLDC)モーター(図は示していない。)から直にトルクを受けて駆動ローラーとして回転する。この回転が、一方では定着ベルト32の張力で加熱ローラー31を従動回転させ、ニップの摩擦力を通して加圧ローラー34を従動回転させる。加熱ローラー31は定着ベルト32を内側から加熱し、この熱を定着ベルト32は定着ローラー33の外周面へ伝達して蓄積させる。定着ローラー33と加圧ローラー34との間のニップへシートSH3が通紙される際、定着ローラー33が自身の蓄わえた熱をそのシートSH3の表面へ加え、そのシートSH3の加熱部分に対して加圧ローラー34が圧力を加えて定着ローラー33へ押し付ける。定着ローラー33からの熱と加圧ローラー34からの圧力とにより、トナーがそのシートSH3の表面上に溶着する。その後、定着ローラー33と加圧ローラー34とはシートSH3を定着部30から送出する。
排紙部40は、定着部30から送出されたシートSH3を排紙トレイ41へ搬送する。具体的には、そのシートSH3の先端が定着部30から排紙ローラー43の間のニップまで到達したとき、この先端を排紙ローラー43が排紙口42へ引き込む。これにより、そのシートSH3は先端から順に排紙口42を通過し、排紙トレイ41に積載される。
[定着部の構造]
図2の(a)は、加熱ローラー31、定着ベルト32、定着ローラー33、および加圧ローラー34の模式的な斜視図であり、(b)は、(a)が示す直線b-bに沿ったこれら31-34の断面図である。定着部30は、これらの可動部材31-34に加え、4本のハロゲンヒーター351、352、353、354、温度センサー361、362、およびサーモスタット371、372を含む。
加熱ローラー31と定着ローラー33とは同じ構造であり、それぞれ、芯金311、弾性体層312、および離型層313を含む。芯金311は、たとえば長さ数十cm、直径数十mmの円筒部材であり、主に、アルミ、鉄等の金属から成る。弾性体層312は、芯金311の外側を覆う、主にシリコーンゴム等、高弾性の耐熱性樹脂から成る層であり、その厚さはたとえば1mm未満である。離型層313は、弾性体層312の外側を覆うフッ素樹脂等の薄膜であり、各ローラー31、33の外周面を形成している。離型層313は、定着ローラー33による加熱で溶融したトナーがシートSH2の表面から各ローラー31、33の外周面へ転移する現象(オフセット)を防止する。
定着ベルト32は、たとえば長さ数十cm、直径数十mm、厚さ数百μm-数mmの細長い円筒形状の無端ベルトであり、たとえば内周側から順に、基層、弾性層、および離型層を含む(図は示していない)。基層は、ポリイミド(PI)等の高強度の耐熱性樹脂フィルム、またはステンレス鋼(SUS)、ニッケル等の金属箔から成り、定着ベルト32を円筒形状に保つ。弾性層は、基層の外側を覆うシリコーンゴム等、高弾性の耐熱性樹脂フィルムから成り、その柔らかさにより定着ベルト32の外周面をシートSH2の表面の微細な凹凸に合わせて変形させる。これによりトナー像の光沢が均一化する。離型層は、弾性層の外側を覆うフッ素樹脂フィルムから成り、トナーのオフセットを防止する。
加圧ローラー34は、芯金341、弾性体層342、および離型層343を含む。芯金341は、たとえば長さ数十cm、直径数十mmの円筒部材であり、主に、アルミ、鉄等の金属から成る。弾性体層342は、芯金341の外側を覆う主にシリコーンゴム等、高弾性の耐熱性樹脂から成る層である。この層の厚さはたとえば数mmであり、定着ローラー33の弾性体層312の厚さよりも大きい。離型層343は、弾性体層342の外側を覆うフッ素樹脂等の薄膜であり、加圧ローラー34の外周面を形成している。加圧ローラー34は、バネまたは電磁石等の付勢部材(図は示していない)から定着ローラー33に向かう力を受けている。これにより加圧ローラー34はニップに位置する部分が定着ローラー33へ押し付けられるので、図2の(b)が示すとおり、その部分が窪むように変形する。加圧ローラー34のこの圧力と変形とにより、ニップに挟まれたシートSH2の部分には十分な熱量が定着ローラー33から伝わるので、その部分に付着したトナーが、むらを残すことなくシートSH2の表面に定着する。
4本のハロゲンヒーター351-354は加熱ローラー31の芯金311の内部空間に設置されている。各ヒーター351-354は細い棒状のハロゲンランプであり、芯金311の内部空間をその軸方向(図ではX軸方向)に伸び、発光に伴う熱放射で芯金311を内側から加熱する。この熱が加熱ローラー31の外周面から定着ベルト32へ、更に定着ベルト32から定着ローラー33の外周面へ伝わるので、それらの温度がたとえば摂氏百数十度-数百度の範囲に維持される。
温度センサー361、362はいずれも、サーモパイルを利用した非接触型温度センサーである。サーモパイルは、測定対象の表面から放射される熱を黒色の受光面で吸収し、その吸収に伴う受光面の温度上昇を多数の熱電対の直列接続で検出する。第1温度センサー361は加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における定着ベルト32の中央部WCNの外周面と所定の距離を隔てて対向し、その外周面からの放射熱に伴うサーモパイルの出力から定着ベルト32の中央部WCNの表面温度を計測する。第2温度センサー362は加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における定着ベルト32の一端部WEDと対向し、その一端部WEDの表面温度を計測する。これらの計測値はハロゲンヒーター351-354の発熱量の制御に利用される。
サーモスタット371、372はたとえばバイメタル式であり、周囲の温度上昇に伴うバイメタルの変形によって機械式スイッチをオフさせる。第1サーモスタット371は加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における定着ベルト32の中央部WCNと所定の距離を隔てて対向し、その中央部WCNの表面温度が許容上限を超えるとオフする。第2サーモスタット372は加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における定着ベルト32の一端部WEDと対向し、その一端部WEDの表面温度が許容上限を超えるとオフする。
[ハロゲンヒーター]
-構造-
図3の(a)は第4ハロゲンヒーター354の側面図である。この図が示す構造は基本的には、他のハロゲンヒーター351-353についても同様である。第4ハロゲンヒーター354は、ガラス管35A、フィラメント35B、封入ガス35C、封止部35D、および口金35Eを含む。ガラス管35Aはたとえば石英ガラス製の細長い円管であり、ヒーター354の放射する高熱に伴う摂氏数百度の高温に耐えうる。フィラメント35Bはたとえばコイル状のタングステン線であり、ガラス管35Aの内部空間を長手方向に伸びている。4本のハロゲンヒーター351-354の間ではフィラメント35Bの長さ、または長手方向における位置が異なる。第4ハロゲンヒーター354では、フィラメント35Bの長さが定着ベルト32の全長(X軸方向の長さ)とほぼ等しい。封入ガス35Cは不活性ガスと微量のハロゲンガスとの混合ガスである。たとえば不活性ガスは、窒素、アルゴン、またはクリプトンであり、ハロゲンガスは、ヨウ素、臭素、塩素、またはそれらの化合物である。ハロゲンガスは、フィラメント35Bから蒸発により気化したタングステン原子と循環型連鎖反応(ハロゲンサイクル)を繰り返すことにより、それらのタングステン原子をフィラメント35Bへ戻す。ハロゲンサイクルの存在がハロゲンランプのフィラメントを白熱電球のものよりも長寿命化する。封止部35Dは、ガラス管35Aの長手方向の各端部であり、気密に封じられている。封止部35Dにはモリブデン箔35Fが埋め込まれ、その一端がガラス管35Aの内部空間に露出してフィラメント35Bに接続されている。モリブデン箔35Fの他端は封止部35Dの中で口金35Eと導通している。口金35Eはたとえばセラミックまたは耐熱性の高い金属で形成され、ガラス管35Aの両端を固定すると共に、モリブデン箔35Fを通してフィラメント35Bを外部電源に導通させる。
-加熱範囲と定格電力-
図3の(b)は、加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における4本のハロゲンヒーター351-354それぞれの加熱範囲を示す模式図である。図3の(b)では、各ハロゲンヒーターの加熱範囲が斜線部で表されている。各範囲はたとえば、加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における各ヒーターのフィラメント35Bの範囲に等しい。第4ハロゲンヒーター354の加熱範囲は、加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)において定着ベルト32が存在する範囲WAL、すなわち各ローラー31、33、34の外周面の範囲と等しい。第1ハロゲンヒーター351の加熱範囲は、加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)において定着ベルト32の中央部WCNに位置する。第2ハロゲンヒーター352と第3ハロゲンヒーター353との加熱範囲はいずれも、加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)において定着ベルト32の両端部WE2、WE3に位置する。第2ハロゲンヒーター352の加熱範囲WE2は第3ハロゲンヒーター353の加熱範囲WE3と内側の境界が共通する。しかし、第2ハロゲンヒーター352の加熱範囲WE2は第3ハロゲンヒーター353の加熱範囲WE3よりも外側の境界が内側に位置する。
4本のハロゲンヒーター351-354の間では更に定格電力、すなわち発熱量が異なる。第4ハロゲンヒーター354は定格電力が最も低く設定され、第1ハロゲンヒーター351は定格電力が最も高く設定されている。これらの中間に第2ハロゲンヒーター352と第3ハロゲンヒーター353との定格電力は設定されている。第2ハロゲンヒーター352の定格電力は第3ハロゲンヒーター353の定格電力よりも低い。
このように、4本のハロゲンヒーター351-354の間では加熱範囲と定格電力とが異なる。シートのサイズに応じて使用されるハロゲンヒーターの組み合わせが切り換えられることにより、定着ベルト32の加熱範囲が最適化される。たとえば、幅の最も小さいシートに対しては第1ハロゲンヒーター351のみが使用され、この幅からシートの幅が広がるにつれて、第2ハロゲンヒーター352、第3ハロゲンヒーター353がその順に追加で使用される。また、ウォームアップとリカバリーとの際、環境温度が低い等、昇温に必要な熱量が大きい場合、第2ハロゲンヒーター352と第3ハロゲンヒーター353との両方が追加され、更に第4ハロゲンヒーター354が追加される。一方、待機時における予熱には、第4ハロゲンヒーター354のみが使用される。
[画像形成装置の電子制御系統]
図4はプリンター100の電子制御系統のブロック図である。この制御系統ではプリンター100の各要素10、20、30、40に加え、操作部50と主制御部60とがバス90を通して互いに通信可能に接続されている。
-駆動部-
プリンター100の各要素10-40は、駆動部10D、20D、30D、40Dを含む。駆動部10D-40Dは、搬送ローラー12、13、24R、33、43、PCドラム21Y-21K等、同じ要素10-40に属する可動部材に対するアクチュエーター、制御回路、および駆動回路の組み合わせを含む。これらの組み合わせは一般にDC機器である。たとえば、アクチュエーターはBLDCモーターである。制御回路は、マイクロプロセッサ(MPU/CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプログラム可能な集積回路(FPGA)等の電子回路であり、アクチュエーターからフィードバックされる実際の制御量、たとえばモーターであれば回転速度に基づいて、そのアクチュエーターに対する印加電圧の目標値を駆動回路に指示する。駆動回路はスイッチングコンバーターであり、電界効果トランジスタ(FET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等のパワートランジスタをスイッチング素子として利用して、アクチュエーターに対して電圧を印加する。これらの制御回路と駆動回路とによるフィードバック制御を利用して、各駆動部10D-40Dはアクチュエーターの制御量を、主制御部60から指示された目標値に制御する。
-操作部-
操作部50は、プリンター100に実装されたユーザーと外部の電子機器とに対するインタフェースの全体であり、ユーザーの操作または外部の電子機器との通信を通してジョブ処理の要求と印刷対象の画像データとを受け付け、それらを主制御部60へ伝える。操作部50は操作パネル51と外部インタフェース(I/F)52とを含む。操作パネル51は、図1の(a)が示すように、押しボタン、タッチパネル、およびディスプレイを含む。このディスプレイに操作パネル51はGUI画面を表示する。操作パネル51はまた押しボタンの中からユーザーが押下したものを識別し、またはタッチパネルの中からユーザーが触れた位置を検出し、その識別または検出に関する情報を操作情報として主制御部60へ伝える。特に印刷ジョブの入力画面がディスプレイに表示されている場合、操作パネル51は、印刷対象のシートのサイズ、紙種、姿勢(縦置きと横置きとの別)、部数、画質等、印刷に関する条件をユーザーから受け付けて、これらの条件を示す項目を操作情報に組み込む。外部I/F52はUSBポートまたはメモリカードスロットを含み、それらを通してUSBメモリーまたはハードディスクドライブ(HDD)等の外付けの記憶装置から直に印刷対象の画像データを取り込む。外部I/F52は更に、外部のネットワークNTWに有線または無線で接続された通信ポートを含み、そのネットワークNTWを通して他の電子機器から印刷対象の画像データを受信する。
-主制御部-
主制御部60は、プリンター100の内部に設置された印刷回路基板に実装された集積回路である。主制御部60は、CPU61、RAM62、およびROM63を含む。CPU61はMPUで構成され、各種ファームウェアを実行する。RAM62は、DRAM、SRAM等の揮発性半導体メモリー装置であり、CPU61がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU61に提供すると共に、操作部50が受け付けた印刷対象の画像データを保存する。ROM63は書き込み不可の不揮発性記憶装置と書き換え可能な不揮発性記憶装置との組み合わせで構成されている。前者はファームウェアを格納し、後者は、EEPROM、フラッシュメモリー、SSD等の半導体メモリー装置、またはHDDを含み、CPU61に環境変数等の保存領域を提供する。
主制御部60は、CPU61が実行する各種ファームウェアに従い、他の要素10-50に対する制御主体としての多様な機能を実現する。たとえば、主制御部60は操作部50にGUI画面を表示させてユーザーの入力操作を受け付けさせる。また、操作部50からの操作情報に応じて主制御部60はプリンター100の動作モードを決定する。
プリンター100の動作モードにはたとえば、「稼働」、「待機(低電力)」、「スリープ」が含まれる。「稼働モード」とは、プリンター100が印刷ジョブを処理する動作モードをいう。たとえば、給送部10は操作情報の示す枚数のシートを連続して給送し、作像部20はトナー像の形成とシートへの転写とを繰り返し、定着部30はシートへの加熱と加圧とを継続する。「待機モード」とは、プリンター100がジョブを実行可能な状態で待機する動作モードをいう。具体的には、給送部10と作像部20とは停止し、定着部30は加熱ローラー31をたとえば第4ハロゲンヒーター354で予熱して適正な温度に保つ。「スリープモード」とは、プリンター100が電力消費を必要最小限に抑える動作モードをいう。たとえば、給送部10と作像部20とに加えて定着部30も停止し、特にハロゲンヒーター351-354への電力供給が遮断される。
主制御部60は、プリンター100に生じた様々なイベント、たとえばジョブ処理の完了、停止ボタンまたは電源ボタン等の押下、タッチパネルによるジェスチャーの検出、ネットワークからのジョブ処理要求または停止命令の受信に応じてプリンター100の動作モードを切り換える。主制御部60は更に、この切り換えに必要な情報をプリンター100の各要素10-50へ提供する。たとえば、稼働モードを指示する場合、主制御部60は、給送部10には給送対象のシートの紙種と枚数、搬送ローラーの回転のタイミング、シートの搬送速度を指定し、作像部20には画像データと作像のタイミングとを提供し、定着部30には加熱ローラー31の目標温度またはハロゲンヒーター351-354の発熱量を指定する。
-定着部-
定着部30の制御系統は、主制御部60とは別の印刷回路基板に実装された、MPU/CPU、ASIC、FPGA等の集積回路である。この制御系統は駆動部30Dに加え、2つの電源部30P1、30P2を含む。第1電源部30P1は第1-第3ハロゲンヒーター351-353専用の電源回路であり、第1外部電源CP1からの電力を第1-第3ハロゲンヒーター351-353へ供給する。第2電源部30P2は、定着部30の他の要素とプリンター100の他の機能部10、20、40-60との共通電源であり、第2外部電源CP2からの電力を、第4ハロゲンヒーター354と定着部30の駆動部30Dとへ供給すると共に、他の機能部10-60へ分配する。外部電源CP1、CP2はたとえばそれぞれが商用交流電源であり、互いには異なる。すなわち、プリンター100は使用可能な電力量が、外部電源を1つだけ利用する機種の2倍である。
図5の(a)は電源部30P1、30P2の回路図である。第1電源部30P1は第1点灯回路511と第1スイッチ部512とを含む。第1点灯回路511は第1外部電源CP1からの交流電力を、第1-第3ハロゲンヒーター351-353それぞれの全点灯に必要な直流電力へ変換する。第1スイッチ部512は、定着部30の駆動部30Dからの制御信号CNT1-3に応じてオンオフすることにより、第1点灯回路511を第1-第3ハロゲンヒーター351-353のそれぞれへ個別に接続し、またはその接続を遮断する。第2電源部30P2は、第2点灯回路521、第2スイッチ部522、および定電圧回路523を含む。第2点灯回路521は第2外部電源CP2からの交流電力を、第4ハロゲンヒーター354の全点灯に必要な直流電力へ変換する。第2スイッチ部522は、定着部30の駆動部30Dからの制御信号CNT4に応じてオンオフすることにより、第2点灯回路521を第4ハロゲンヒーター354へ接続し、またはその接続を遮断する。定電圧回路523は第2外部電源CP2からの交流電力を定着部30の駆動部30D等、後段のDC機器のそれぞれに必要な直流電力へ変換する。これらの直流電力は特に電圧値が、後段のDC機器それぞれに適した一定値に揃えられている。
定着部30の駆動部30Dは温度センサー361、362を通して定着ベルト32の表面温度を監視し、その表面温度とプリンター100の動作モードとに応じてスイッチ部512、522をオンオフさせる。こうして駆動部30Dはハロゲンヒーター351-354からの放熱量をフィードバック制御する。
第1サーモスタット371は第1点灯回路511と第1ハロゲンヒーター351との直列回路へ直列に接続されている。第1サーモスタット371は第1ハロゲンヒーター351の加熱範囲、すなわち加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における定着ベルト32の中央部WCNに対向しているので、その表面温度が許容上限を超えると、第1ハロゲンヒーター351の電流を遮断する。これにより、加熱ローラー31と定着ベルト32との中央部WCNが第1ハロゲンヒーター351による過熱から保護される。
第2サーモスタット372は、第1点灯回路511と第2ハロゲンヒーター352との直列回路へも、第1点灯回路511と第3ハロゲンヒーター353との直列回路へも、直列に接続されている。第2サーモスタット372は、第2ハロゲンヒーター352と第3ハロゲンヒーター353との加熱範囲の共通部分、すなわち加熱ローラー31の軸方向(X軸方向)における定着ベルト32の一端部WEDに対向しているので、その表面温度が許容上限を超えると、第2ハロゲンヒーター352の電流と第3ハロゲンヒーター353の電流との両方を遮断する。これにより、加熱ローラー31と定着ベルト32との両端部WEDが第2ハロゲンヒーター352と第3ハロゲンヒーター353とのいずれによる過熱からも保護される。
[ハロゲンヒーターの定格電力と安全性]
図5の(b)は、ハロゲンヒーターによる加熱に伴い、その加熱範囲に現れる定着ベルト32の表面温度の経時変化を示すグラフである。仮にハロゲンヒーターへ電力を供給し続けた場合、そのハロゲンヒーターから定着ベルト32へ与えられる熱量が、やがては、定着ベルト32から周囲へ散逸する熱量とバランスするので、定着ベルト32の表面温度が飽和温度TSに到達する。もし、この飽和温度TSが定着ベルト32の発煙点または発火点TF以上であれば、危険である。
サーモスタット371、372の設置により、第1-第3ハロゲンヒーター351-353は第1外部電源CP1からの電力を最大限に利用可能である。すなわち、これらのヒーター351-353の定格電力は十分に高く設定可能である。特に、第1電源部30P1または駆動部30Dの暴走に起因して第1-第3ハロゲンヒーター351-353への電力供給が異常に長時間連続しても、定着ベルト32の表面温度がその発煙点、発火点に達する前に第1-第3ハロゲンヒーター351-353への電力供給が遮断される。したがって、第1-第3ハロゲンヒーター351-353の加熱によっては定着ベルト32の表面温度が飽和することがないので、定着ベルト32の飽和温度TSがその発煙点または発火点TF以上に設定されても、安全上問題とはならない。
一方、第4ハロゲンヒーター354にはサーモスタットが接続されていなくても安全である。これは、第4ハロゲンヒーター354の定格電力が次の条件を満たすように抑えられていることによる。第2電源部30P2または駆動部30Dの暴走に起因して第4ハロゲンヒーター354への電力供給が異常に長時間連続しても、第4ハロゲンヒーター354による加熱に伴う定着ベルト32の飽和温度TSは、その発煙点または発火点TFよりも十分に低い。この程度に第4ハロゲンヒーター354の定格電力が低く抑えられていれば、プリンター100内の他のDC機器群へ供給すべき第2外部電源CP2の残りの電力量を十分に大きく維持することができる。すなわち、外部電源の1つCP1を第1-第3ハロゲンヒーター351-353専用にしても、プリンター100内の他のDC機器群へ供給すべき電力を確保することができる。これにより、外部電源が2つ、CP1、CP2であっても、定電圧回路523は1つで十分である。
[第4ハロゲンヒーターの異常検知]
上記のとおり、第4ハロゲンヒーター354にはサーモスタットが接続されていない。この場合でも、定着ベルト32の飽和温度TSが発煙点または発火点TFよりも十分に低いように第4ハロゲンヒーター354の定格電力が十分に低く設定されているので、安全性には問題が無い。また、サーモスタットが接続されていなくても、第4ハロゲンヒーター354への電力供給が異常に長時間連続していることは、以下に述べる処理により、定着ベルト32の表面温度が環境温度を超えていることから検知することができる。
図6は、第4ハロゲンヒーター354に対する異常検知処理のフローチャートである。この処理は、主制御部60がプリンター100をスリープモードへ移行させる際に開始する。
ステップS101では、主制御部60が現在の時刻、すなわちスリープモードの開始時刻tSIを記録する。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、主制御部60が、スリープモードの解除イベントを検知する操作部50の機構を残し、他の機構部の電源をオフする。スリープモードの解除イベントにはたとえば、操作パネルのいずれかの押しボタンの押下、タッチパネルへの異物の接触、ネットワークからのジョブ処理要求の受信が含まれる。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、スリープモードの解除イベントが検知されたか否かを主制御部60が監視する。たとえば、主制御部60は所定の周期で操作部50にアクセスし、いずれかの解除イベントが生じたか否かを確認する。解除イベントが検知されていれば処理はステップS104へ進み、検知されていなければ処理はステップS103を繰り返す。
ステップS104では、スリープモードの解除イベントのいずれかが検知されている。したがって、主制御部60は、電源がオフしている機構部の電源をオンする。これにより各機構部はリカバリーを開始し、プリンター100はスリープモードから待機モード、更には稼働モードへ移行する。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、主制御部60が現在の時刻、すなわちスリープモードの終了時刻と開始時刻tSIとの間の差、現在時刻-tSIをスリープモードの持続時間(スリープ時間)Δtとして計算する。その後、処理はステップS106へ進む。
ステップS106では、スリープ時間Δtが閾値tTHを超えているか否かを主制御部60が確認する。この閾値tTHは、スリープモードにおいて、定着部30が正常であれば定着ベルト32の表面温度が環境温度に安定化するのに要する時間、または第4ハロゲンヒーター354への電力供給が異常に連続している場合に定着ベルト32の温度が飽和するのに必要な時間のいずれか短い方に等しい。スリープ時間Δtが閾値tTHを超えていれば処理はステップS107へ進み、閾値tTH以下であれば処理は終了する。
ステップS107では、スリープ時間Δtが閾値tTHを超えているので、定着ベルト32の表面温度が安定化しているはずである。主制御部60は温度センサー361、362の出力から、定着ベルト32の表面温度が閾値TTHを超えているか否かを確認する。この閾値TTHは環境温度、たとえばプリンター100が置かれた部屋の気温に等しい。定着ベルト32の表面温度が閾値TTHを超えていれば処理はステップS108へ進み、閾値TTH以下であれば処理は終了する。
ステップS108では、定着ベルト32の表面温度が環境温度よりも高い値に飽和しているので、第4ハロゲンヒーター354への電力供給が異常に長時間連続していることが推定される。したがって、主制御部60は操作部50に、第4ハロゲンヒーター354の異常をユーザーへ通知させる。具体的には、その異常を示すメッセージを操作パネル51に表示させ、音声もしくは光の明滅で警告させ、または電子メール等で外部の電子端末へ通知させる。その後、処理は終了する。
[実施形態の利点]
本発明の実施形態によるプリンター100の定着部30では、第1-第3ハロゲンヒーター351-353が第1電源部30P1に接続され、第4ハロゲンヒーター354が第2電源部30P2に接続されている。第1-第3ハロゲンヒーター351-353には更にサーモスタット371、372が直列に接続されているので、これらの定格電力は十分に高く設定されても安全性は高い。一方、第4ハロゲンヒーター354にはサーモスタットが接続されていないが、安全性は十分に高い。第4ハロゲンヒーター354の定格電力が他のハロゲンヒーター351-353の定格電力よりも十分に低いので、第4ハロゲンヒーター354への電力供給が異常に長時間連続しても、定着ベルト32の飽和温度がその発煙点と発火点とのいずれよりも低く抑えられるからである。こうして、定着部30は外部電源を複数利用する場合でもサーモスタットの数を削減可能である。
さらに、第4ハロゲンヒーター354の定格電力が十分に低いので、プリンター100内の他のDC機器群へ供給すべき第2外部電源CP2の残りの電力量を十分に大きく維持することができる。すなわち、外部電源の1つCP1を第1-第3ハロゲンヒーター351-353専用にしても、プリンター100内の他のDC機器群へ供給すべき電力を確保することができる。これにより、外部電源が2つ、CP1、CP2であっても、定電圧回路523は1つで十分である。
以上の結果、プリンター100は、ハロゲンヒーターの安全性を十分に高く維持したまま、部品点数の更なる削減と更なる小型化とが容易である。
[変形例]
(A)上記の実施形態による画像形成装置100はカラープリンターである。本発明の実施形態による画像形成装置はその他に、モノクロプリンター、ファクシミリ、コピー機、複合機(MFP)等、シート上のトナー像を熱定着させるもののいずれであってもよい。
(B)第4ハロゲンヒーター354は、4本のハロゲンヒーターの中で定格電力が最低であり、主に待機モード時にオンして定着部30の予熱に利用される。その他に、第4ハロゲンヒーター354はプリンター100の副電源のオン期間中、すなわち主制御部60の通電期間中、常にオン状態に維持されてもよい。正常である限り、定着ベルト32の飽和温度TSがその発煙点/発火点TFに達することがない程度に定格電力が低く設定されているからである。
(C)図6の示す第4ハロゲンヒーター354に対する異常検知処理は、主制御部60がプリンター100をスリープモードへ移行させる際に開始させる。プリンター100の副電源のオン期間中、定着部30が温度の最も低い状態になるのは、4本のハロゲンヒーター351-354がすべて消灯しているスリープモードのはずだからである。その他に、異常検知処理は副電源のオン期間全体を通して行われてもよい。この場合、第4ハロゲンヒーター354の電力供給が正常である限り、定着ベルト32の表面温度は環境温度から定着温度の目標値までの範囲全体で推移する。もしその電力供給に異常があれば、定着ベルト32の表面温度が推移する範囲は下限が環境温度よりも顕著に上昇する。以下の処理ではこの上昇が、第4ハロゲンヒーター354の電源異常として検知される。
図7は、この異常検知処理のフローチャートである。この処理は主制御部60が、プリンター100の副電源のオンに応じて開始する。
ステップS111では、主制御部60がカウンターをリセットしてそのカウントCNTを“0”に初期化する:CNT=0。その後、処理はステップS112へ進む。
ステップS112では、主制御部60がカウンターにカウントCNTを1だけ増加させる:CNT=CNT+1。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS113では、カウンターのカウントCNTが上限Nに達したか否かを主制御部60が監視する。カウントCNTが上限Nに達していれば処理はステップS114へ進み、達していなければ処理はステップS112から繰り返される。
ステップS114では、カウントCNTが上限Nに達しているので、主制御部60は温度センサー361、362の出力から定着ベルト32の表面温度TBLを計測する。すなわち、カウントCNTの上限Nは定着ベルト32の表面温度の計測周期を表す:計測周期=カウント周期×N。その後、処理はステップS115へ進む。
ステップS115では、定着ベルト32の表面温度の計測値TBLが、副電源のオン期間中における最低値TMNであるか否かを主制御部60が確認する。すなわちその計測値TBLが現時点での最低値TMNと比較される。計測値TBLが最低値TMNよりも低ければ処理はステップS116へ進み、最低値TMN以上であれば処理はステップS117へ進む。
ステップS116では、計測値TBLが最低値TMNよりも低いので、主制御部60は計測値TBLで最低値TMNを更新する:TMN=TBL。その後、処理はステップS120へ進む。
ステップS117では、計測値TBLが最低値TMN以上である。主制御部60は、計測値TBLが最低値TMNと許容誤差の範囲内で一致しているか否かを確認する。計測値TBLが最低値TMNと一致していれば処理はステップS118へ進み、一致していなければ処理はステップS120へ進む。
ステップS118では、計測値TBLが最低値TMNと許容誤差の範囲内で一致している。主制御部60は更に計測値TBLが環境温度よりも十分に高いか否かを確認する。十分に高ければ処理はステップS119へ進み、十分に高いとは言えなければ処理はステップS120へ進む。
ステップS119では、計測値TBL、すなわち最低値TMNが環境温度よりも十分に高い。これは、定着ベルト32の表面温度が環境温度よりも十分に高い値に飽和していることを意味する。したがって、主制御部60は操作部50に、第4ハロゲンヒーター354の異常をユーザーへ通知させる。具体的には、その異常を示すメッセージを操作パネル51に表示させ、音声もしくは光の明滅で警告させ、または電子メール等で外部の電子端末へ通知させる。その後、処理はステップS120へ進む。
ステップS120では、プリンター100の主電源がオフされたか否かを主制御部60が確認する。主電源がオフされていれば処理は終了し、オンのままであれば処理はステップS111から繰り返される。
本発明は、電子写真方式の画像形成装置における定着部の温度制御に関し、上記のとおり、定格電力が最低の加熱部材に起因する伝熱部材の飽和温度がその発煙点/発火点よりも十分に低く設定される。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
100 プリンター
10 給送部
20 作像部
30 定着部
40 排紙部
31 加熱ローラー
32 定着ベルト
33 定着ローラー
34 加圧ローラー
351 第1ハロゲンヒーター
352 第2ハロゲンヒーター
353 第3ハロゲンヒーター
354 第4ハロゲンヒーター
361、362 温度センサー
371、372 サーモスタット
TS 定着ベルトの飽和温度
TF 定着ベルトの表面温度の発煙点/発火点

Claims (8)

  1. 電子写真式の画像形成装置に搭載され、当該装置の作像部がシートに形成したトナー像を当該シートに熱定着させる定着装置であって、
    前記シートへ熱を伝える伝熱部材と、
    前記伝熱部材を加熱する第1加熱部材および第2加熱部材と、
    前記伝熱部材の温度を監視し、当該温度が閾値を超えた際に前記第1加熱部材への電力供給を遮断する保護部と
    を備え、
    前記第2加熱部材の定格電力は前記第1加熱部材の定格電力よりも低く、前記第2加熱部材への電力供給が異常に長時間連続しても、前記伝熱部材への与熱量が前記伝熱部材からの放熱量とバランスする場合における前記伝熱部材の飽和温度が、前記伝熱部材の発煙点または発火点よりも低く設定されている
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 第1外部電源からの交流電力を前記第1加熱部材へ供給する第1電源部と、
    第2外部電源からの交流電力を前記第2加熱部材へ供給する第2電源部と
    を更に備え、
    前記保護部は前記第1電源部から前記第1加熱部材への電力供給を遮断し、
    前記第2電源部は更に前記第2外部電源からの交流電力を直流電力に変換して出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1電源部が前記第1加熱部材への電力供給を停止し、かつ前記第2電源部が前記第2加熱部材への電力供給を停止した時点から所定時間が経過した際、前記伝熱部材の温度が閾値よりも高い値を維持していれば、前記第2加熱部材の異常をユーザーへ警告する警告部
    を更に備えた請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記警告部が計る時間は、前記画像形成装置がスリープモードへ移行した時点からの経過時間であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記警告部はユーザーへの警告を、前記画像形成装置がスリープモードから稼働モードへ移行した時点に行うことを特徴とする請求項3または4に記載の定着装置。
  6. 前記第2加熱部材への電力供給は、前記画像形成装置が特定の状態を保つ間、常に維持されていることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかに記載の定着装置。
  7. 当該特定の状態は、前記画像形成装置の副電源がオンしている状態、当該副電源がオンし、かつ前記画像形成装置の動作モードがスリープモード以外である状態、または、前記第1加熱部材がオンしている状態であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  8. 像担持体上にトナー像を形成する作像部と、
    当該トナー像をシートに転写する転写部と、
    当該シートに転写されたトナー像を当該シートに熱定着させる、請求項1から請求項までのいずれかに記載の定着装置と
    を備えた画像形成装置。
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