以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(1)構成
(1-1)全体構成
図1は、この発明の一実施形態に係るバリアフリー経路提供システムの全体構成の一例を示す図である。
バリアフリー経路提供システムは、データ伝送ネットワークNWを介して互いに通信可能に構成された、複数の情報供給端末10、バリアフリー情報提供サーバ20、マップ提供サーバ30、サービス提供店舗端末40、および複数のサービス利用ユーザ端末50を含む。
データ伝送ネットワークNWは、例えば、中継網と、この中継網に対しアクセスするための複数のアクセス網とから構成される。中継網としては、一般的なインターネットのような公衆網や、限られた機器などからのみアクセスできるよう制御された閉域網が用いられる。アクセス網としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、携帯電話網、有線電話網、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable Television)網が用いられる。
情報供給端末10は、複数の情報提供者の各々に対応して設けられ、当該情報提供者または当該情報提供者が使用する移動機器MDの移動中に、当該情報提供者または当該移動機器MDの動きおよび位置を計測して当該動きおよび位置を表す情報を含む計測データを、データ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20に送信する。情報供給端末10は、例えば、情報提供者が所持するスマートフォンSP等の携帯型情報処理装置であってよい。スマートフォンSPは、加速度センサや角速度センサなどの慣性センサ、GPSセンサなどの位置センサ、など各種センサを備えており、それらセンサで計測した計測データを送信することができる。また、スマートフォンSPは、それ自体が備えていないセンサSDを有線又は無線により接続することによって、当該センサSDの計測データを取得して外部に送信することも可能となっている。無線接続としては、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの小電力無線データ通信が利用されるのが一般的である。また、情報供給端末10は、情報提供者が使用する移動機器MDに搭載または設置され、スマートフォンSPと同様の計測データを取得可能な専用のセンサ端末STであってもよい。なお、移動機器MDは、例えば、車いす、ベビーカー、スーツケース、杖、自転車、など、凹凸や傾斜などの路面状態によって通行の難易度が大きく変化する機器である。
バリアフリー情報提供サーバ20は、一実施形態に係るバリアフリー情報提供装置として機能するものであり、複数の情報供給端末10と組み合わせて一実施形態に係るバリアフリー情報提供システムを構成する。バリアフリー情報提供サーバ20は、複数の情報供給端末10からデータ伝送ネットワークNWを介して送信されてきた計測データを蓄積し、その蓄積された計測データに基づいて、所定の地理的領域における通行難易度を推定し、当該通行難易度に基づく通行難易地点を表すバリアフリー情報を生成して、データ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30に提供する。また、バリアフリー情報提供サーバ20は、計測データが蓄積されていない未収集地点を判別し、その判別結果を表す未収集地点情報を、データ伝送ネットワークNWを介して情報提供者の情報供給端末10に通知する機能を有する。
マップ提供サーバ30は、バリアフリー対応の店舗と契約し、当該店舗の店舗情報や当該店舗まで経路データなどを含む店舗案内サービスを提供する。マップ提供サーバ30は、複数のサービス利用者の各々に対応して設けられたサービス利用ユーザ端末50からのデータ伝送ネットワークNWを介した店舗検索要求に応答して、位置、嗜好、料金、開店時間、バリアフリー施設などの各種条件に合致する店舗を契約店舗の中から検索し、検索した契約店舗に関する情報をデータ伝送ネットワークNWを介して要求元のサービス利用ユーザ端末50に返送する。そして、マップ提供サーバ30は、サービス利用者が店舗を行き先として指定したならば、バリアフリー情報提供サーバ20からデータ伝送ネットワークNWを介して送られてきたバリアフリー情報に基づいて、当該店舗までの経路を示す経路データを算出し、当該算出した経路データに従って当該サービス利用者を案内する案内情報を、データ伝送ネットワークNWを介して当該サービス利用者のサービス利用ユーザ端末50に送信する。
サービス提供店舗端末40は、複数の契約店舗の各々に対応して設けられ、電子キャッシュレジスタECやパーソナルコンピュータPCなどを含む。サービス提供店舗端末40は、データ伝送ネットワークNWを介したマップ提供サーバ30への店舗情報の登録作業に加えて、サービス利用者が使用するポイントの付与および利用を実施できるように構成されている。例えば、サービス利用者が当該店舗での料金を支払う際に、サービス提供店舗端末40は、データ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30またはその他のポイント管理サーバにアクセスして、料金に応じたポイントを付与したり、サービス利用者が提示したポイント分を料金から差し引いたりすることができる。
サービス利用ユーザ端末50は、複数のサービス利用者の各々に対応して設けられ、マップ提供サーバ30が提供する情報をデータ伝送ネットワークNWを介して受信して、サービス利用者に提示する。また、サービス利用者の指示を、データ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30に送信する。サービス利用ユーザ端末50は、例えば、サービス利用者が所持するスマートフォンSP等の携帯型情報処理装置であってよい。スマートフォンSPは、マップ提供サーバ30からの案内情報を、画像や音声でサービス利用者に提供するだけでなく、有線又は無線により接続された牽引力提示装置DDにより、牽引力として提示させることができる。無線接続としては、無線LAN、Bluetoothなどの小電力無線データ通信が利用されるのが一般的である。牽引力提示装置DDは、例えば、雨宮智浩,高椋慎也,伊藤翔,五味裕章,“指でつまむと引っ張られる感覚を生み出す装置「ぶるなび3」”,2014年,NTT技術ジャーナル,Vol.26,No.9,pp.23-26.に開示されているような、非対称振動を発生することで引っ張られるような感覚を作り出す装置である。なお、牽引力提示装置DDがデータ伝送ネットワークNWを介した通信機能を備える場合には、スマートフォンSPなどを介さずに直接、マップ提供サーバ30からの案内情報を提示するようにしてもよい。
(1-2)スマートフォンSP
図2は、情報供給端末10およびサービス利用ユーザ端末50として利用されるスマートフォンSPの構成の一例を示すブロック図である。
スマートフォンSPは、例えば、通信インタフェース装置110、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサ120A、プログラムメモリ120B、記憶装置130、液晶ディスプレイ140、タッチパネル150、カメラ160、慣性センサ170、および位置センサ180を備える。通信インタフェース装置110、プログラムメモリ120B、記憶装置130、液晶ディスプレイ140、タッチパネル150、カメラ160、慣性センサ170、および位置センサ180は、バス190を介してハードウェアプロセッサ120Aに接続されている。
通信インタフェース装置110は、例えば1つ以上の有線または無線の通信インタフェースユニットを含んでおり、データ伝送ネットワークNWで使用される通信プロトコルに従い、バリアフリー情報提供サーバ20およびマップ提供サーバ30や図示しないその他の外部機器との間で各種情報の送受信を可能にする。有線インタフェースとしては、例えば有線LAN、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、などが使用され、また無線インタフェースとしては、例えば3Gまたは4Gなどの携帯電話通信システム、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの小電力無線データ通信規格を採用したインタフェース、などが使用される。
プログラムメモリ120Bは、記憶媒体として、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、ハードウェアプロセッサ120Aが実行することで、スマートフォンSPの基本制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶している。
記憶装置130は、記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリなどの随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリを使用したもので、各種のアプリケーションプログラムを記憶したり、それらアプリケーションプログラムの実行中や基本制御処理などを行う過程で取得および作成された各種データを記憶するために用いられる。記憶装置130に記憶されるアプリケーションプログラムとしては、スマートフォンSPを情報供給端末10として機能させるためのバリアフリー調査協力アプリケーションや、スマートフォンSPをサービス利用ユーザ端末50として機能させるための店舗検索案内アプリケーションなどを含む。
液晶ディスプレイ140は、各種情報を表示する表示装置であり、タッチパネル150は、スマートフォンSPへの入力を受け付ける入力装置として機能する。カメラ160は、画像を撮影する撮影装置である。
慣性センサ170は、加速度センサおよび角速度センサを含み、位置センサ180は、GPSセンサを含む。スマートフォンSPは、情報供給端末10として機能する場合、情報提供者が把持したり、ポケットや鞄などに収容してもよく、また、車いすなどの移動機器MDに固定してもよい。その状態で、スマートフォンSPは、慣性センサ170および位置センサ180の計測データをデータ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20に送信することができる。
なお、特に図示はしないが、センサ端末STは、このスマートフォンSPの構成から記憶装置130およびカメラ160を省略し、プログラムメモリ120Bにバリアフリー調査協力プログラムを記憶した構成とすることができる。
(1-3)バリアフリー情報提供サーバ20
(1-3-1)ハードウェア構成
図3Aは、バリアフリー情報提供サーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。
バリアフリー情報提供サーバ20は、例えば、通信インタフェース装置210、CPUなどのハードウェアプロセッサ220A、プログラムメモリ220B、記憶装置230、入力装置240、および表示装置250を備える。通信インタフェース装置210、プログラムメモリ220B、記憶装置230、入力装置240、および表示装置250は、バス260を介してハードウェアプロセッサ220Aに接続されている。
通信インタフェース装置210は、例えば1つ以上の有線または無線の通信インタフェースユニットを含んでおり、データ伝送ネットワークNWで使用される通信プロトコルに従い、情報供給端末10およびマップ提供サーバ30や図示しないその他の外部機器との間で各種情報の送受信を可能にする。有線インタフェースとしては、例えば有線LANが使用され、また無線インタフェースとしては、例えば無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの小電力無線データ通信規格を採用したインタフェース、などが使用される。
プログラムメモリ220Bは、記憶媒体として、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、CPUなどのハードウェアプロセッサ220Aが実行することで、この発明の一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶している。すなわち、ハードウェアプロセッサ220Aは、プログラムメモリ220Bに記憶されたプログラムを読み出して実行することで、図3Bに示すような制御装置220として機能することができる。
記憶装置230は、記憶媒体として、例えば、HDDまたはSSDなどの随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAMなどの揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、バリアフリー情報の提供処理を行う過程で取得および作成された各種データを記憶するために用いられる。
(1-3-2)ソフトウェア構成
図3Bは、バリアフリー情報提供サーバ20のソフトウェア構成を、図3Aに示したハードウェア構成と関連付けて示したブロック図である。
制御装置220は、上記ハードウェアプロセッサ220Aと、上記プログラムメモリ220Bとから構成され、ソフトウェアによる処理機能部として、ユーザ対応処理部221、通行難易度データ算出部222、補正値設定処理部223、およびバリアフリー情報提供部224を備えている。これらの処理機能部は、いずれもプログラムメモリ220Bに格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサ220Aに実行させることにより実現される。なお、これらの処理機能部は、それぞれ別個のハードウェアプロセッサで実現されてもよい。すなわち、バリアフリー情報提供サーバ20は、複数のハードウェアプロセッサを備えていてもよい。また、これらの制御機能部の少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)、GPU(Graphics Processing Unit)などの集積回路を含む、他の多様なハードウェア回路の形式で実現されてもよい。
記憶装置230には、ユーザデータ記憶部231、収集データ記憶部232、スコアデータ記憶部233、および通行難易度データ記憶部234が設けられている。
ユーザ対応処理部221は、詳細は後述するように、通信インタフェース装置210を用いたデータ伝送ネットワークNWを介した情報供給端末10との間の各種データのやり取りと、そのためのユーザデータ記憶部231および収集データ記憶部232に対するデータの記憶および読み出しとを行う。
ユーザデータ記憶部231は、情報供給端末10を利用して計測データを提供する情報提供者の情報を記憶している。図4Aは、このユーザデータ記憶部231の記憶内容の一例を示す図である。ここでは、テーブル形式で示すが、これに限定されないことは勿論である。ユーザデータ記憶部231は、情報提供者それぞれを1レコードとして、例えば、ユーザID、認証情報、カテゴリ、獲得ポイント、未送ポイント、協力フラグ(図では協力Fとして示す)、継続フラグ(図では継続Fとして示す)、などを記憶している。
ユーザIDは、情報提供者を識別するために情報提供者各々に割り当てられた一意の番号である。認証情報は、情報提供者が予め任意に設定した暗証番号である。ユーザ対応処理部221は、情報供給端末10からの送信されてきた認証情報とこの記憶されている認証情報との合致判断を行うことで情報提供者の認証を行う。カテゴリは、提供者カテゴリの情報であり、例えば、徒歩、車いす、ベビーカー、自転車、などのバリアフリー情報を必要とするサービス利用者の通行難易性に基づく利用者カテゴリに対応したものとなっている。この提供者カテゴリも情報提供者が予め任意に設定したデータであるが、例えば一人の情報提供者が、ある時点では徒歩、ある時点では自転車、またある時点ではベビーカー、というように、変更され得るデータである。ユーザ対応処理部221は、情報供給端末10からの設定指示に応じて、このカテゴリの書き換えを行う。
獲得ポイントは、現時点までに当該情報提供者が獲得したポイントの総数を示す。ユーザ対応処理部221は、情報提供者の情報供給端末10から送信されてくる計測データのデータ量などに応じてポイントを付与し、該当情報提供者のポイントを加算更新する。
未送ポイントは、まだマップ提供サーバ30またはその他のポイント管理サーバに対して送信していないポイント値を示す。ユーザ対応処理部221は、数秒乃至数分おきのポイント送信タイミングで、この未送ポイントをマップ提供サーバ30またはその他のポイント管理サーバに送信した後、この未送ポイントをクリアする。
協力フラグは、該当情報提供者から未調査地点の調査協力申請が有ったか否かを示すフラグである。ユーザ対応処理部221は、データ伝送ネットワークNWを介した情報供給端末10からの調査協力申請を通信インタフェース装置210により受信したことを判定すると、この協力フラグをセットする(図では丸印がセット状態を示す。他のフラグについても同様である)。継続フラグは、調査協力申請に応じた未調査地点の調査中か否かを示すフラグである。ユーザ対応処理部221は、調査協力申請に応じた未調査地点の調査中であるか否かを判別して、この継続フラグをセットする。
収集データ記憶部232は、複数の情報提供者から収集した収集データを記憶している。図4Bは、この収集データ記憶部232の記憶内容の一例を示す図である。ここでは、テーブル形式で示すが、これに限定されないことは勿論である。収集データ記憶部232は、計測データそれぞれを1レコードとして、例えば、計測日時、位置を表す緯度・経度データ、加速度のx軸,y軸,z軸の各計測値、角速度のx軸,y軸,z軸の各計測値、提供者カテゴリ、注意情報、低信頼性フラグ(図では継続Fとして示す)、などを記憶している。
低信頼性フラグは、当該レコードの収集データが、現在日時から一定期間以上古い収集データであるか否かを示すフラグである。ユーザ対応処理部221は、現在日時と収集データの計測日時とを比較して、古いデータについては信頼性が低いとして、この低信頼性フラグをセットする。
注意情報は、情報提供者が情報供給端末10を操作して指定した情報であり、ユーザ対応処理部221は、通信インタフェース装置210により受信したデータ伝送ネットワークNWを介した情報供給端末10からの指定に応じて、この注意情報を収集データ記憶部232に記憶させる。注意情報は、段差、傾斜、歩道幅、迂回路、などの選択肢として予め決められた情報を含み、その状態の注意度合いに応じた複数、例えば3段階の情報が記憶できる。さらに、注意情報は、選択肢に無い注意するべき状態を情報提供者が自由に入力した文字情報を含むことができる。
補正値設定処理部223は、収集データ記憶部232に注意情報としてこの自由入力文字情報が記憶されている場合、その文字情報を表示装置250に表示し、当該バリアフリー情報提供サーバ20の管理者が、この表示装置250に表示された内容を確認して、その内容に応じて入力装置240から入力した補正係数を、収集データ記憶部232に記憶させる。なお、管理者がデータ伝送ネットワークNWを介してタブレット端末などにより文字情報の確認と補正係数の入力を行うように構成すれば、バリアフリー情報提供サーバ20は、入力装置240および表示装置250を備えずともよい。あるいは、補正値設定処理部223は、AIなどを利用して、文字情報から補正係数を導出するようにしもよく、そのように構成した場合にも、バリアフリー情報提供サーバ20は、入力装置240および表示装置250を備えずともよい。
通行難易度データ算出部222は、収集データ記憶部232に記憶された収集データに基づいて通行難易度データを算出する。
スコアデータ記憶部233は、提供者カテゴリの各々についてエリアメッシュ毎のばらつきスコアデータを記憶している。図4Cは、このスコアデータ記憶部233の記憶内容の一例を示す図である。ここでは、テーブル形式で示すが、これに限定されないことは勿論である。スコアデータ記憶部233は、提供者カテゴリ別に、エリアメッシュそれぞれを1レコードとして、例えば、エリアメッシュ位置、加速度のx軸,y軸,z軸の各ばらつきスコアデータ、および角速度のx軸,y軸,z軸の各ばらつきスコアデータを記憶している。
エリアメッシュは、所定の大きさにメッシュ状に区分けされた地理的領域である。スコアデータ記憶部233は、エリアメッシュ位置を、その北西端の緯度・経度として記憶する。ばらつきスコアデータは、収集データ記憶部232に記憶された加速度および角速度の計測値を、提供者カテゴリ別に当該計測値に対応するエリアメッシュ毎に集約したときの、当該エリアメッシュに集約された複数の計測値に含まれる情報供給端末10の動きのばらつきの度合いを表す。このばらつきスコアデータは、通行難易度データ算出部222が収集データ記憶部232に記憶された収集データに基づいて算出して、スコアデータ記憶部233に記憶する。
通行難易度データ記憶部234は、エリアメッシュ各々についての各提供者カテゴリでの通行難易度を表すデータを記憶している。図4Dは、この通行難易度データ記憶部234の記憶内容の一例を示す図である。ここでは、テーブル形式で示すが、これに限定されないことは勿論である。通行難易度データ記憶部234は、エリアメッシュそれぞれを1レコードとして、各提供者カテゴリの通行難易度データを記憶している。
通行難易度データは、スコアデータ記憶部233に記憶されたばらつきスコアデータをもとに、エリアメッシュ毎に各提供者カテゴリのばらつきスコアの平均値を算出したときの、この算出されたばらつきスコアの平均値である。この通行難易度データは、通行難易度データ算出部222がスコアデータ記憶部233に記憶されたばらつきスコアデータに基づいて算出して、通行難易度データ記憶部234に記憶する。
バリアフリー情報提供部224は、詳細は後述するように、通信インタフェース装置210を用いたデータ伝送ネットワークNWを介したマップ提供サーバ30からの要求に応じて、通行難易度データ記憶部234に記憶された通行難易度データに基づいてバリアフリー情報を生成し、通信インタフェース装置210により、その生成したバリアフリー情報をデータ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30に送信する。
(1-4)マップ提供サーバ30
図5は、マップ提供サーバ30のハードウェア構成を示すブロック図である。
マップ提供サーバ30は、例えば、通信インタフェース装置310、CPUなどのハードウェアプロセッサ320A、プログラムメモリ320B、および記憶装置330を備える。通信インタフェース装置310、プログラムメモリ320B、および記憶装置330は、バス340を介してハードウェアプロセッサ320Aに接続されている。
通信インタフェース装置310は、例えば1つ以上の有線または無線の通信インタフェースユニットを含んでおり、データ伝送ネットワークNWで使用される通信プロトコルに従い、バリアフリー情報提供サーバ20、サービス提供店舗端末40およびサービス利用ユーザ端末50や図示しないその他の外部機器との間で各種情報の送受信を可能にする。有線インタフェースとしては、例えば有線LANが使用され、また無線インタフェースとしては、例えば無線LAN、Bluetoothなどの小電力無線データ通信規格を採用したインタフェース、などが使用される。
プログラムメモリ320Bは、記憶媒体として、例えば、HDD、SSDなどの随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、CPUなどのハードウェアプロセッサ320Aが実行することで、各種制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶している。
記憶装置330は、記憶媒体として、例えば、HDDまたはSSDなどの随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAMなどの揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、バリアフリー案内情報の提供処理を行う過程で取得および作成された各種データを記憶するために用いられる。
記憶装置330には、ユーザデータ記憶部331、店舗データ記憶部332、地図データ記憶部333、および経路データ記憶部334が設けられている。ユーザデータ記憶部331は、サービス利用ユーザ端末50により案内情報を利用するサービス利用者の情報を記憶している。店舗データ記憶部332は、契約店舗の情報を記憶している。地図データ記憶部333は、地図データを記憶している。なお、地図データを提供する外部の地図システムから地図データを取得して利用するようにすることで、この地図データ記憶部333を備えなくてもよい。経路データ記憶部334は、通信インタフェース装置310を用いてデータ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20から取得したバリアフリー情報と地図データ記憶部333に記憶した地図データとに基づいて算出した経路データを記憶する。
(2)動作
次に、以上のように構成されたバリアフリー経路提供システムの動作を説明する。
(2-1)データ収集
図6Aは、情報供給端末10において実行されるバックグランド処理の処理手順を示すフローチャートである。スマートフォンSPにおいては、記憶装置130に記憶されたスマートフォンSPを情報供給端末10として機能させるためのバリアフリー調査協力アプリケーションがハードウェアプロセッサ120Aによって実行され、所定の認証動作が終了すると、ハードウェアプロセッサ120Aは、他のアプリケーションの起動状態によらず、このバックグランド処理を継続して実施する。また、センサ端末STにおいては、電源投入とともにプログラムメモリ120Bに記憶されたバリアフリー調査協力プログラムがハードウェアプロセッサ120Aによって実行されることができる。
このバックグランド処理において、ハードウェアプロセッサ120Aは、収集タイミングとなったか否かを判断する(ステップS101)。収集タイミングは、例えば、20ミリ秒毎とすることができる。収集タイミングになったと判断したならば、ハードウェアプロセッサ120Aは、慣性センサ170による加速度データおよび角速度データを検出し(ステップS102)、また、位置センサ180による位置データを検出する(ステップS103)。なお、慣性センサ170または位置センサ180を備えないスマートフォンSPでは、通信インタフェース装置110を介してセンサSDから加速度データおよび角速度データまたは位置データを検出すればよい。そして、ハードウェアプロセッサ120Aは、それら検出した計測データおよび位置データと図示しない時計が計時する現在日時データとを含む計測データを、当該情報供給端末10の情報提供者を示す情報と共に通信インタフェース装置110によりデータ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20に送信する(ステップS104)。
その後、ハードウェアプロセッサ120Aは、所定の終了操作が行われたか否かを判断し(ステップS105)、終了操作が行われていないと判断したならば、上記ステップS101からの処理を繰り返す。終了操作が行われたと判断したならば、このバックグランド処理を終了する。
こうして、一定時間(例えば20ミリ秒)毎に、情報供給端末10は、バリアフリー情報提供サーバ20に計測データを送信する。
図6Bは、情報供給端末10において実行されるバリアフリー調査協力アプリケーションまたはバリアフリー調査協力プログラムのメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。バリアフリー調査協力アプリケーションまたはプログラムが起動されると、ハードウェアプロセッサ120Aは、通信インタフェース装置110を用いてデータ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20に対してユーザ現状を問い合わせる(ステップS111)。すなわち、当該情報供給端末10の情報提供者の現在状態がどのようになっているのか問い合わせる。この問い合わせに対して、バリアフリー情報提供サーバ20から情報提供者の現在までの総獲得ポイントと提供者カテゴリの情報とが返送されてくる。ハードウェアプロセッサ120Aは、これを通信インタフェース装置110により受信して、液晶ディスプレイ140に表示させる(ステップS112)。
図7Aは、このとき情報提供者に対して提示されるメイン画面の一例を示す図である。同図に示すように、このメイン画面141は、当該情報提供者の現在までの獲得ポイントを表示するポイント表示エリア1411と、当該情報提供者の提供者カテゴリを表示するカテゴリ表示エリア1412とを有する。また、このメイン画面141は、情報提供者が操作するボタンとして、カテゴリ変更ボタン1413、協力ボタン1414、および注意ボタン1415を表示する。カテゴリ変更ボタン1413は、提供者カテゴリの変更を指示するためのボタンである。協力ボタン1414は、未調査地点の調査に協力する意思を示すためのボタンである。注意ボタン1415は、注意するべき状態を積極的に報告するためのボタンである。
ハードウェアプロセッサ120Aは、上記ステップS112で現在までの獲得ポイントと提供者カテゴリを表示した後は、これらボタン1413~1415の操作待ちとなる。すなわち、ハードウェアプロセッサ120Aは、まず、カテゴリ変更ボタン1413が操作されたか否かを判断する(ステップS113)。カテゴリ変更ボタン1413が操作されていないと判断した場合、ハードウェアプロセッサ120Aは、協力ボタン1414が操作されたか否かを判断する(ステップS114)。協力ボタン1414が操作されていないと判断した場合、ハードウェアプロセッサ120Aは、注意ボタン1415が操作されたか否かを判断する(ステップS115)。注意ボタン1415も操作されていないと判断した場合、ハードウェアプロセッサ120Aは、上記ステップS111からの処理を繰り返す。これにより、ハードウェアプロセッサ120Aは、バリアフリー情報提供サーバ20へのユーザ現状の問い合わせを行い、上記ステップS121において、変更されたポイントの情報を取得して、それを液晶ディスプレイ140に表示させることかできる。すなわち、上述したバックグランド処理により一定時間おきに計測データがバリアフリー情報提供サーバ20に送信されており、情報提供者は、それによって更新されたポイントをポイント表示エリア1411により容易に確認することができる。
そして、上記ステップS113において、カテゴリ変更ボタン1413が操作されたと判断したならば、ハードウェアプロセッサ120Aは、液晶ディスプレイ140にカテゴリ選択画面を表示させる(ステップS116)。このカテゴリ選択画面は特に図示しないが、予め決められた提供者カテゴリの一覧が選択肢として表示され、情報提供者が新しい提供者カテゴリを選択できるようになっている。あるいは、カテゴリ選択画面に切り替える代わりに、カテゴリ変更ボタン1413の下方にプルダウンメニューとして提供者カテゴリの選択肢を表示するようにしてもよい。ハードウェアプロセッサ120Aは、新しい提供者カテゴリの選択入力を受けると(ステップS117)、通信インタフェース装置110を用いて、その選択された提供者カテゴリをデータ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20に送信する(ステップS118)。その後、ハードウェアプロセッサ120Aは、処理を上記ステップS111に戻すことで、バリアフリー情報提供サーバ20へのユーザ現状の問い合わせを行い、上記ステップS121において、変更された提供者カテゴリの情報を取得して、それを液晶ディスプレイ140に表示させることができる。
また、上記ステップS114において、協力ボタン1414が操作されたと判断したならば、ハードウェアプロセッサ120Aは、通信インタフェース装置110を用いて、協力問い合わせをデータ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20に送信する(ステップS119)。この協力問い合せは、当該情報供給端末10の位置を示す位置情報を含む。この協力問い合わせに対して、バリアフリー情報提供サーバ20から協力画面用の地図情報が返送されてくる。ハードウェアプロセッサ120Aは、これを通信インタフェース装置110により受信して、その地図情報を用いた協力画面を液晶ディスプレイ140に表示させる(ステップS120)。
図7Bは、このとき情報提供者に対して提示される協力画面の一例を示す図である。同図に示すように、この協力画面142は、地図表示エリア1421と戻るボタン1422とを表示する。地図表示エリア1421に表示される地図情報は、当該情報供給端末10の近傍地図上に、当該情報供給端末10つまり情報提供者の現在位置を示す現在位置マーク1423と、既に計測データを収集した地点を示す収集済みマーク1424とを重畳したものである。この地図表示エリア1421に表示された地図情報を確認することにより、情報提供者は、計測データの未収集地点を知ることができる。なお、この例では収集済み地点を識別表示するようにしているが、逆に、未収集地点を識別表示するようにしてもよい。本実施形態では、後述するように、情報提供者は、バリアフリー情報提供サーバ20に収集済み地点の計測データを送信した場合よりも未収集地点の計測データを送信した場合の方が、より多くのポイントが付与されるものとして、情報提供者に未収集地点の計測データを収集するモチベーションを与えるようにしている。また、未収集済み地点は、実際に未収集の場合だけでなく、収集済みであってもデータが古くなっている地点も含むことができる。戻るボタン1422は、前画面であるメイン画面141に戻ることを指示するためのボタンである。
ハードウェアプロセッサ120Aは、上記ステップS120において協力画面142を液晶ディスプレイ140に表示させた後は、戻るボタン1422の操作待ちとなっている(ステップS121)。戻るボタン1422が操作されたと判断した場合、ハードウェアプロセッサ120Aは、処理を上記ステップS111に戻すことで、メイン画面141の表示に戻す。
また、上記ステップS115において、注意ボタン1415が操作されたと判断したならば、ハードウェアプロセッサ120Aは、液晶ディスプレイ140に注意内容選択画面を表示させる(ステップS122)。
図7Cは、この注意内容選択画面の一例を示す図である。同図に示すように、この注意内容選択画面143は、予め決められた注意内容選択肢1431毎に、その注意度合いに応じた複数、ここでは3段階の選択ボタン1432を表示すると共に、選択肢に無い注意するべき状態を情報提供者が自由に入力するための文字情報入力エリア1433とを表示するものである。なお、注意内容選択肢1431および各選択ボタン1432の内容は、提供者カテゴリに応じて変更されるよう構成してもよい。
この注意内容選択画面143において何れかの選択ボタン1432の操作による注意内容の選択または文字情報入力エリア1433への注意内容の文字情報が入力されると(ステップS123)、ハードウェアプロセッサ120Aは、通信インタフェース装置110を用いて、その注意内容をデータ伝送ネットワークNWを介してバリアフリー情報提供サーバ20に送信する(ステップS124)。その後、ハードウェアプロセッサ120Aは、処理を上記ステップS111に戻すことで、メイン画面141の表示に戻す。
図8Aは、バリアフリー情報提供サーバ20のユーザ対応処理部221において実行される情報収集処理の処理手順を示すフローチャートである。
ユーザ対応処理部221は、まず、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介して何れかの情報供給端末10から計測データを受信するのを待つ(ステップS201)。上述したように、情報供給端末10は、一定時間おきに計測データを送信してくる。
何れかの情報供給端末10からの計測データを受信したと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、計測データと共に送信されてくる提供元の情報供給端末10の情報提供者を示す情報に従って、ユーザデータ記憶部231から当該情報提供者の提供者カテゴリを取得し、その提供者カテゴリと共に受信した計測データを収集データ記憶部232に記憶する(ステップS202)。また、ユーザ対応処理部221は、提供者カテゴリに応じたポイントを当該情報提供者に付与する(ステップS203)。すなわち、本実施形態では、提供者カテゴリに応じた重み付けをしてポイントを付与する。これは、車いすなど通行難易度が高く、計測データを容易に取得できない人から収集したデータほど、サービス利用者には有用な情報となるからである。ユーザ対応処理部221は、この付与するポイントを、ユーザデータ記憶部231に記憶されている当該情報提供者の獲得ポイントおよび未送ポイントに加算する。
その後、ユーザ対応処理部221は、この計測データが、新規収集地点であるか否かを判断する(ステップS204)。新規収集地点ではないと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、ユーザデータ記憶部231における当該情報提供者の継続フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS205)。
継続フラグがセットされていないと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、収集データ記憶部232に蓄積された各計測データの計測日時を、図示しない時計が計時している現在日時と比較し、現在日時から一定期間以上古い収集データつまり低信頼性情報が有るか否かを判断する(ステップS206)。低信頼性情報が有った場合には、当該計測データに対して低信頼性フラグをセットする(ステップS207)。
その後、あるいは上記ステップS206において低信頼性情報が無いと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、収集データ記憶部232に一定量の収集データを取得したか否か、つまり一定量の計測データが蓄積されたか否かを判断する(ステップS208)。なおこのとき、低信頼性フラグがセットされている計測データは計測データの蓄積量から除外するようにしてもよい。ここで、未だ一定量の計測データが蓄積されていなと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、ポイント送信タイミングとなったか否かを判断する(ステップS209)。ポイント送信タイミングではないと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、処理を上記ステップS201に戻す。
これに対して、ポイント送信タイミングであると判断した場合、ユーザ対応処理部221は、ユーザデータ記憶部231に記憶されている各情報提供者の未送ポイントを、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30またはその他のポイント管理サーバに送信する(ステップS210)。そして、送信したポイントを未送ポイントをユーザデータ記憶部231から削除した後(ステップS211)、処理を上記ステップS201に戻す。
また、上記ステップS204において新規収集地点であると判断した場合には、ユーザ対応処理部221は、ユーザデータ記憶部231における当該情報提供者の協力フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS212)。協力フラグがセットされていないと判断した場合には、ユーザ対応処理部221は、処理を上記ステップS206に進める。
このようにして、ユーザ対応処理部221は、各情報供給端末10のバックグランド処理によって送信されてくる計測データを収集していく。
図8Bは、バリアフリー情報提供サーバ20のユーザ対応処理部221において実行されるユーザ対応処理の処理手順を示すフローチャートである。ユーザ対応処理部221は、上記情報収集処理と並行して、このユーザ対応処理を実行することができる。
このユーザ対応処理においては、ユーザ対応処理部221は、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介して何れかの情報供給端末10からユーザ現状問い合わせを受信したか否かを判断する(ステップS231)。上述したように、情報供給端末10は、メイン処理の上記ステップS111において、ユーザ現状問い合わせを送信する。ユーザ現状問い合わせを受信したと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、当該情報供給端末10の情報提供者の獲得ポイントと提供者カテゴリをユーザデータ記憶部231から読み出して、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介して問い合わせ元の情報供給端末10に送信する(ステップS232)。
その後、あるいは上記ステップS231においてユーザ現状問い合わせを受信していないと判断した場合には、ユーザ対応処理部221は、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介して何れかの情報供給端末10から選択カテゴリを受信したか否かを判断する(ステップS233)。上述したように、情報供給端末10は、メイン処理の上記ステップS118において、選択カテゴリを送信することがある。選択カテゴリを受信したと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、当該情報供給端末10に記憶されている情報提供者の提供者カテゴリを、選択カテゴリに更新する(ステップS234)。
その後、あるいは上記ステップS233において選択カテゴリを受信していないと判断した場合には、ユーザ対応処理部221は、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介して何れかの情報供給端末10から協力問い合わせを受信したか否かを判断する(ステップS235)。上述したように、情報供給端末10は、メイン処理の上記ステップS119において、協力問い合わせを送信することがある。
ここで、協力問い合わせを受信していないと判断した場合には、ユーザ対応処理部221は、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介して何れかの情報供給端末10から注意内容を受信したか否かを判断する(ステップS236)。上述したように、情報供給端末10は、メイン処理の上記ステップS124において、注意内容を送信することがある。注意内容を受信したと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、その受信した注意内容を、収集データ記憶部232における該当位置の計測データに対応させて記憶する(ステップS237)。そして、その注意内容の送信元の情報供給端末10の情報提供者のポイントを更新する(ステップS238)。すなわち、ユーザデータ記憶部231に記憶されている当該情報提供者の獲得ポイントおよび未送ポイントに付与ポイントを加算する。
その後、あるいは上記ステップS236において注意内容を受信していないと判断した場合には、ユーザ対応処理部221は、処理を上記ステップS231に戻す。
図8Cは、バリアフリー情報提供サーバ20の補正値設定処理部223において実行される補正値設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
上述したように、ユーザ対応処理部221が、上記ステップS237において収集データ記憶部232に記憶させる注意情報は、情報供給端末10において、情報提供者が注意内容選択画面143の文字情報入力エリア1433に入力した注意内容の文字情報を含み得る。そこで、補正値設定処理部223は、収集データ記憶部232から、注意情報の自由入力として記憶されている注意内容を読み出し(ステップS251)、それを表示装置250に表示する(ステップS252)。そして、この文字情報を確認した当該バリアフリー情報提供サーバ20の管理者により、入力装置240を用いて補正値が入力される(ステップS253)。補正値設定処理部223は、この入力された補正値を、当該文字情報に対応させて、収集データ記憶部232に記憶させる(ステップS254)。
こうして、バリアフリー情報提供サーバ20は、各情報供給端末10から計測データを収集していく。
(2-2)未収集地点のデータ収集
上述したように、情報提供者が未収集地点のデータ収集に協力する目的で、情報供給端末10のメイン処理の上記ステップS119において、情報供給端末10から協力問い合わせを送信することができる。
図8Bに示したユーザ対応処理の上記ステップS235において、この協力問い合わせを受信したと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30へ、協力問い合わせ元の情報供給端末10の位置近傍の地図データの送信を要求する(ステップS239)。そして、ユーザ対応処理部221は、その要求に応答してマップ提供サーバ30からデータ伝送ネットワークNWを介して送信されてきた地図データを取得する(ステップS240)。すなわち、通信インタフェース装置210により受信した地図データを記憶装置230の図示しない一時記憶領域に記憶する。その後、ユーザ対応処理部221は、収集データ記憶部232を参照して、その地図データに含まれる地点の内、計測データを収集済みの地点を判定する(ステップS241)。なおこのとき、低信頼性フラグがセットされている計測データについては、収集済みの地点から除外するようにしてもよい。そして、その判定した収集済み地点を表す識別データを地図データに重畳して(ステップS242)、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介して協力問い合わせ元の情報供給端末10へ送信する(ステップS243)。これにより、情報供給端末10では、図7Bに示したような協力画面142における地図表示エリア1421に地図情報を表示することができる。なお、情報供給端末10つまり情報提供者の現在位置については、ユーザ対応処理部221が送信する地図上に重畳させてもよいし、情報供給端末10が自位置を重畳させるようにしてもよい。そして、ユーザ対応処理部221は、ユーザデータ記憶部231の該当情報提供者の協力フラグをセットする(ステップS244)。その後、ユーザ対応処理部221は、処理を上記ステップS236に進める。
こうして、協力問い合わせ元の情報供給端末10により未収集地点を確認した情報提供者が、その未収集地点を通行することで、当該情報供給端末10のバックグランド処理により計測データがバリアフリー情報提供サーバ20に送信されてくる。
すると、図8Aに示した情報収集処理の上記ステップS204において、ユーザ対応処理部221は、新規収集地点であると判断する。この場合、ユーザ対応処理部221は、上述したように、上記ステップS212において、ユーザデータ記憶部231における当該情報提供者の協力フラグがセットされているか否かを判断することになる。情報供給端末10から協力問い合わせを受けている場合、上記ステップS244により、ユーザデータ記憶部231の該当情報提供者の協力フラグがセットされている。したがって、ここでは、協力フラグがセットされていると判断する。協力フラグがセットされていると判断した場合には、ユーザ対応処理部221は、ユーザデータ記憶部231の該当情報提供者の継続フラグをセットする(ステップS213)。情報供給端末10により未収集地点を確認した情報提供者は、その未収集地点を通行しようとするが、その未収集地点に到達するまでに、計測データを収集済みの地点を通過しなければならない場合がある。そこで、未収集地点に到達した段階で、協力問い合わせによる未収集地点の計測データの収集中であることを示すフラグをセットするようにしている。その後、ユーザ対応処理部221は、上記ステップS203での通常のポイント付与に加えて、さらに付加ポイントを付与する(ステップS214)。これにより、情報提供者に未収集地点の計測データを収集するモチベーションを与えることができる。その後、ユーザ対応処理部221は、処理を上記ステップS206に進める。
こうして、情報提供者が未収集地点を通行していくと、既に計測データを収集済みの地点に到達する。ここからは、付加ポイントの無い通常のポイント付与に切り替える必要がある。そこで、上記ステップS204において新規収集地点ではないと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、上記ステップS205において、ユーザデータ記憶部231における当該情報提供者の継続フラグがセットされているか否かを判断する。そして、継続フラグがセットされていると判断した場合、ユーザ対応処理部221は、ユーザデータ記憶部231における当該情報提供者の協力フラグおよび継続フラグをリセットする(ステップS215)。その後、ユーザ対応処理部221は、表示装置250に協力感謝のメッセージを表示して(ステップS216)、処理を上記ステップS206に進める。
(2-3)通行難易度データ算出
図8Aに示した情報収集処理の上記ステップS208において、収集データ記憶部232に一定量の計測データが蓄積されたと判断した場合、ユーザ対応処理部221は、通行難易度データ算出部222に通行難易度データの算出を行わせる。通行難易度データ算出部222は、例えば、特許文献1に開示されたような手法を利用して、通行難易度データを算出する。
すなわち、通行難易度データ算出部222は、収集データ記憶部232に記憶された計測データをエリアメッシュ毎に分割する(ステップS217)。これは、各計測データを、事前に定義したエリアメッシュの何れかと対応付ける、言い換えれば、同一の位置で計測された計測データを集約する処理である。エリアメッシュは、例えば、1辺が緯度0.0001、経度0.0001の地理的領域とする。
そして、通行難易度データ算出部222は、提供者カテゴリ別に、エリアメッシュ毎のばらつきスコアを算出し、算出したばらつきスコアをスコアデータ記憶部233に記憶させる(ステップS218)。すなわち、通行難易度データ算出部222は、同一メッシュ内で同一の情報提供者の移動により連続して計測された計測データを、当該計測データに含まれる位置データをもとに1つの単位として集約する。次に、集約した各計測データについて、エリアメッシュ毎に各情報提供者の通行によって生じた計測データを、提供者カテゴリ別にマージした上で、エリアメッシュ毎に計測データのばらつきを算出する。そして、ばらつき計測データをもとに、ばらつきスコアを計算するための処理を実行する。ばらつきスコアを計算する手法としては、例えば正規化を用いる。こうして、図4Cに示すように、スコアデータ記憶部233に、提供者カテゴリ別にエリアメッシュ毎のばらつきスコアが記憶される。なおこのとき、低信頼性フラグがセットされている計測データについては、このスコア算出の対象外とするようにしてもよい。
次に、通行難易度データ算出部222は、カテゴリ別のエリアメッシュ毎の通行難易度データを算出し、算出した通行難易度データを通行難易度データ記憶部234に記憶させる(ステップS219)。すなわち、通行難易度データ算出部222は、スコアデータ記憶部233に記憶されたばらつきスコアデータをもとに、エリアメッシュ毎にカテゴリ別のスコアの平均値を算出し、この算出されたカテゴリ別のスコアの例えば平均値を、エリアメッシュの通行難易度を表す通行難易度データとして通行難易度データ記憶部234に記憶させる。こうして、図4Dに示すように、通行難易度データ記憶部234に、エリアメッシュ毎の提供者カテゴリ別通行難易度データが記憶される。
その後、通行難易度データ算出部222は、注意情報に基づいて各提供者カテゴリ別通行難易度データを補正し、その補正結果で通行難易度データ記憶部234の記憶内容を更新する(ステップS220)。すなわち、通行難易度データ算出部222は、通行難易度データ記憶部234に記憶されたエリアメッシュ毎の提供者カテゴリ別通行難易度データに対し、収集データ記憶部232に記憶されている各地点についての注意情報による補正を加える。この補正においては、段差や傾斜のように予め決められた複数段階から選択される注意情報については、その段数に応じた補正係数が適用され、自由入力された文字情報による注意情報については、補正値設定処理部223によって設定された補正係数が適用される。このように、情報供給端末10がバックグランド処理で自動的に計測した計測データから算出した通行難易度データに対し、情報提供者が自信で確認した注意事項によって補正することで、より確実なデータとすることができる。
その後、通行難易度データ算出部222は、処理の終了をユーザ対応処理部221に通知することで、ユーザ対応処理部221は、処理を上記ステップS201に戻す。但し、ユーザ対応処理部221は、通行難易度データ算出部222の処理と並行して動作することができるため、必ずしも通行難易度データ算出部222からユーザ対応処理部221への処理終了の通知は必要ではない。
(2-4)バリアフリー情報提供
バリアフリー情報提供サーバ20は、データ伝送ネットワークNWを介したマップ提供サーバ30からの位置データ要求に応答して、バリアフリー情報を提供する。
図8Dは、バリアフリー情報提供サーバ20のバリアフリー情報提供部224において実行されるバリアフリー情報提供処理の処理手順を示すフローチャートである。
バリアフリー情報提供部224は、まず、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30から位置データ要求を受信するのを待つ(ステップS261)。
そして、マップ提供サーバ30から位置データ要求を受信したと判断した場合、バリアフリー情報提供部224は、その位置データ要求に含まれる対象のエリアメッシュと指定の利用者カテゴリとを判別し、通行難易度データ記憶部234から、該当エリアメッシュの当該指定利用者カテゴリに対応する提供者カテゴリの通行難易度データを読み出す(ステップS262)。ここで、対象のエリアメッシュは、出発地点から目的地点までの経路検索に用いられるため、複数が指定され、よって、読み出される通行難易度データも複数となる。
次に、バリアフリー情報提供部224は、読み出した複数の通行難易度データの中から、通行難易度が閾値以上のものを抽出する(ステップS263)。この閾値は、提供者カテゴリによらず一定の値であってもよいが、提供者カテゴリ毎に異なる値とすることが望ましい。例えば、徒歩よりも車いすでの通行の方が困難であるので、徒歩の提供者カテゴリについての閾値よりも、車いすの提供者カテゴリについての閾値を低く設定する。
そして、バリアフリー情報提供部224は、閾値以上として抽出された通行難易度データにおける位置データ(エリアメッシュの緯度・経度)を、通行困難位置を表すバリアフリー情報として、通信インタフェース装置210によりデータ伝送ネットワークNWを介してマップ提供サーバ30へ送信する(ステップS264)。
また、バリアフリー情報提供部224は、マップ提供サーバ30へのバリアフリー情報提供料金の課金処理を実行することができる(ステップS265)。これは、データ量や回数などの状況提供の度に課金を行う場合に必要な処理であり、利用日数など別の基準で課金を行う場合には、無くてもよい。
その後、バリアフリー情報提供部224は、処理を上記ステップS261に戻す。
図9は、マップ提供サーバ30において実行されるルート案内処理の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、別処理により、すでにサービス利用者の認証処理が終了しているものとする。また、サービス利用ユーザ端末50における店舗の検索および経路案内のためのアプリケーションについては、既知のアプリケーションであるため、その説明は省略する。
マップ提供サーバ30のハードウェアプロセッサ320Aは、サービス利用者の利用者カテゴリと、位置および嗜好を取得する(ステップS301)。例えば、位置および嗜好については、ハードウェアプロセッサ320Aは、通信インタフェース装置310により、サービス利用ユーザ端末50からデータ伝送ネットワークNWサービスを介して送信されてくる位置データおよび嗜好データを受信することにより取得することができる。また、サービス利用者の利用者カテゴリについては、ハードウェアプロセッサ320Aは、ユーザデータ記憶部331に記憶されている該当サービス利用者の情報を読み出すことで取得することができる。
そして、ハードウェアプロセッサ320Aは、それら取得した利用者カテゴリ、位置および嗜好から、サービス利用者に推奨店舗を提案する(ステップS302)。例えば、ハードウェアプロセッサ320Aは、取得した利用者カテゴリ、位置データおよび嗜好データに基づいて、店舗データ記憶部332から推奨店舗を検索し、その推奨店舗の情報を、通信インタフェース装置310により、データ伝送ネットワークNWを介して該当サービス利用ユーザ端末50に送信することで、サービス利用ユーザ端末50の液晶ディスプレイ140に表示させる。また、ハードウェアプロセッサ320Aは、推奨店舗として提案した店舗に対し、課金処理を行うことができる(ステップS303)。
その後、ハードウェアプロセッサ320Aは、通信インタフェース装置310により、サービス利用ユーザ端末50からデータ伝送ネットワークNWサービスを介して店舗決定の操作が有ったことを示す店舗決定情報を受信したか否かを判断する(ステップS304)。店舗決定情報を受信していないと判断した場合には、ハードウェアプロセッサ320Aは、処理を上記ステップS302に戻し、別の推奨店舗を提案する。
これに対して、店舗決定情報を受診したと判断した場合には、ハードウェアプロセッサ320Aは、サービス利用ユーザ端末50の位置を出発地点に、決定した店舗の位置を目的地に、それぞれ設定する(ステップS305)。店舗の位置は、店舗データ記憶部332に記憶されている当該店舗の住所から取得することができる。そして、ハードウェアプロセッサ320Aは、それら設定した地点に基づいて、地図データ記憶部333から、エリアメッシュを選定する(ステップS306)。この選定は、例えば、出発地点と目標地点とを直線で結び、その直線の両側数Kmの範囲に入るエリアメッシュを選択することで行う。そして、ハードウェアプロセッサ320Aは、それら選定した複数のエリアメッシュを含む位置データ要求を、通信インタフェース装置310により、データ伝送ネットワークNWサービスを介してバリアフリー情報提供サーバ20に送信する(ステップS307)。バリアフリー情報提供サーバ20のバリアフリー情報提供部224は、上述したように、バリアフリー情報提供処理の上記ステップS261において、この位置データ要求を受信したとして、上記ステップS264において抽出した通行困難位置データをバリアフリー情報として返送してくる。
ハードウェアプロセッサ320Aは、この返送されてきた通行困難位置データを取得する(ステップS308)。すなわち、通信インタフェース装置310により受信した通行困難位置データを記憶装置330の図示しない一時記憶領域に記憶する。そして、ハードウェアプロセッサ320Aは、この通行困難位置データに基づいて、通行困難地点を避けた経路を算出して、その経路を示す経路データを経路データ記憶部334に記憶する(ステップS309)。
その後、ハードウェアプロセッサ320Aは、この経路データ記憶部334に記憶した経路データに基づく経路案内を開始する。すなわち、ハードウェアプロセッサ320Aは、ユーザ位置つまりサービス利用ユーザ端末50の位置近傍の地図データを地図データ記憶部333から読み出して、経路データ記憶部334に記憶した経路データの内、読み出した地図データに対応する部分の経路データを、当該地図データに重畳することで、案内情報を作成する(ステップS310)。そして、ハードウェアプロセッサ320Aは、この案内情報を、通信インタフェース装置310によりデータ伝送ネットワークNWを介して該当サービス利用ユーザ端末50に送信する(ステップS311)。その後、ハードウェアプロセッサ320Aは、通信インタフェース装置310によりデータ伝送ネットワークNWを介して該当サービス利用ユーザ端末50の位置、つまりユーザ位置を取得して(ステップS312)、サービス利用者が目的地として設定した推奨店舗に到着したか否かを判断する(ステップS313)。ここで、未だ目的地に到着していないと判断した場合には、ハードウェアプロセッサ320Aは、上記ステップS310に処理を戻し、ユーザ位置に対応する更新した案内情報を作成する。
こうして、サービス利用者が目的地として設定した推奨店舗に到着したと判断した場合、ハードウェアプロセッサ320Aは、当該店舗に対し、案内料金の課金処理を行うことができる(ステップS314)。
(3)効果
以上詳述したように一実施形態に係るバリアフリー情報提供システムでは、複数の情報供給端末10と、それら複数の情報供給端末10の各々と通信するバリアフリー情報提供サーバ20とを備え、バリアフリー情報提供サーバ20は、複数の情報供給端末10からの計測データを収集データ記憶部232に蓄積し、それら蓄積された計測データに基づいて、所定の地理的領域における通行難易度データを推定し、当該通行難易度データに基づく通行難易地点を表すバリアフリー情報を生成する。そして、バリアフリー情報提供サーバ20のユーザ対応処理部221は、収集データ記憶部232に蓄積された収集済み地点を判別し、その判別結果を表す収集済み地点情報を情報提供者に通知する。これは、収集データ記憶部232に蓄積されていない未収集地点を判別し、その判別結果を表す未収集地点情報を情報提供者に通知すると言い換えることができる。これにより、その通知を確認した情報提供者がその未収集地点を積極的に移動して計測データを提供してくれるようになり、未収集地点を減らすことができる。よって、必要な地点の計測データを容易且つ短期間に収集することが可能となり、その結果、広範囲で新しいバリアフリー情報並びにそれに基づく経路情報を提供できるようになる。
また、ユーザ対応処理部221は、情報提供者の情報供給端末10からの協力通知に応じて、情報提供者または当該情報提供者が使用する移動機器MDの位置近傍の収集済み地点、逆に言えば未収集地点を、当該情報提供者に通知する。このように、未収集地点の計測協力を申し出た情報提供者に未収集地点情報を通知するようにしているので、協力できる状況にない情報提供者に無駄な通知が送信されることがなく、よって、バリアフリー情報提供サーバ20としては、無駄な通信量を削減でき、また、協力できる状況にない情報提供者にとっては、無関係の通知を確認する手間が省ける。
また、ユーザ対応処理部221は、情報供給端末10から送信されてくる計測データのデータ量に応じて情報提供者に対しポイントを付与する。これにより、情報提供者に計測データ収集のモチベーションを与えることができる。
また、ユーザ対応処理部221は、情報供給端末10からの協力通知に応じた収集済み地点通知すなわち未収集地点通知に応答して当該情報供給端末10から未収集地点に対応する計測データが送信されてきた場合には、計測データのデータ量に応じたポイントに加えて付加ポイントを付与する。これにより、情報提供者に未収集地点の計測データ収集のモチベーションを与えることができる。
また、ユーザ対応処理部221は、バリアフリー情報を必要とする利用者の通行難易性に基づく利用者カテゴリに対応した提供者カテゴリを情報提供者の各々に設定し、情報提供者の提供者カテゴリに応じた重み付けをしてポイントを付与する。つまり、計測データを容易に提供できる徒歩などの情報提供者と、計測データの提供が難しい車いすなどの情報提供者とで、同じ距離の計測データ提供であっても付与されるポイントが変わるようにしている。これにより、重要な計測データを提供するであろう車いすなどの情報提供者に、計測データ収集のモチベーションを与えることができる。
また、収集データ記憶部232は、計測データを提供した情報提供者の提供者カテゴリを示す情報と関連付けて計測データを蓄積し、通行難易度データ算出部222は、提供者カテゴリに基づいて、利用者カテゴリ別に通行難易度データを推定する。このように、提供者カテゴリ別に通行難易度データを推定することで、カテゴリが異なる計測データを除外でき、提供者カテゴリ毎に高い精度をもって通行難易度データを推定することができる。
また、情報供給端末10は、情報提供者が入力した注意情報を送信することができ、収集データ記憶部232は、それら注意情報も蓄積し、通行難易度データ算出部222は、推定した通行難易度データを、収集データ記憶部232に蓄積した注意情報に基づいて補正する。このように、受動的に収集した計測データに加えて、情報提供者が積極的に提供した注意情報を利用するようにしているので、より正確なバリアフリー情報を生成することができる。
また、情報供給端末10は、任意の文字情報でなる注意情報を送信することができ、補正値設定処理部223は、その文字情報を補正係数に変換する。これにより、予め決められた注意情報以外も利用でき、より正確なバリアフリー情報を生成することができる。
また、ユーザ対応処理部221は、情報供給端末10から注意情報が送信されてきた場合には、付加ポイントを付与する。よって、情報提供者に注意情報提供のモチベーションを与えることができる。
また、一実施形態に係るバリアフリー経路提供システムでは、複数の情報供給端末10と、それら複数の情報供給端末10の各々と通信するバリアフリー情報提供サーバ20と利用者に対応して設けられたサービス利用ユーザ端末50と、サービス利用ユーザ端末50に案内情報を送信するマップ提供サーバ30とを備え、バリアフリー情報提供サーバ20の通行難易度データ算出部222およびバリアフリー情報提供部224は、複数の情報供給端末10からの計測データに基づいて、サービス利用ユーザ端末50の利用者の利用者カテゴリに応じたバリアフリー情報を生成し、マップ提供サーバ30は、このバリアフリー情報に基づいて、目的地点までの利用者カテゴリに応じた経路データの算出を行って、利用者を案内する。よって、利用者の通行難易性に対応した経路案内を行うことができる。
また、情報提供者の各々は、利用者カテゴリに対応した提供者カテゴリを有し、バリアフリー情報提供サーバ20のユーザ対応処理部221は、計測データを提供した情報提供者の提供者カテゴリを示す情報と関連付けて計測データを収集データ記憶部232に蓄積し、通行難易度データ算出部222は、提供者カテゴリに基づいて、利用者カテゴリ別に通行難易度データを推定し、バリアフリー情報提供部224は、利用者カテゴリに応じて、利用者カテゴリ別の通行難易度データからバリアフリー情報を生成する。よって、経路案内が必要な利用者のカテゴリに応じた通行難易度データからバリアフリー情報を容易に算出することができる。
また、サービス利用ユーザ端末50は、マップ提供サーバ30から送信された案内情報に従って、移動するべき方向に利用者を牽引する牽引力を提示する牽引力提示装置DDを含むことができる。よって、牽引力提示装置DDを利用することで、視覚によらない経路案内も可能となる。
[他の実施形態]
前記一実施形態では、通行難易度データ算出部222は、エリアメッシュ毎に提供者カテゴリ別に通行難易度データを算出しているが、エリアメッシュ毎に一つの通行難易度データを算出するようにしてもよい。この場合、カテゴリ別に重み付けして統一の難易度を一つ算出する。また、このように一つの通行難易度データとした場合には、バリアフリー情報提供部224が位置データを抽出する際の閾値を、カテゴリ別に設定することが望ましい。このように、エリアメッシュ毎に一つの通行難易度データを算出することで、その算出結果を記憶する通行難易度データ記憶部234の記憶容量を削減することが可能となる。
このように、情報提供者の各々は、利用者カテゴリに対応した提供者カテゴリを有し、バリアフリー情報提供サーバ20のユーザ対応処理部221は、計測データを提供した情報提供者の提供者カテゴリを示す情報と関連付けて計測データを収集データ記憶部232に蓄積し、通行難易度データ算出部222は、提供者カテゴリに基づいて計測データの各々を重み付けして用いて一つの通行難易度データを推定し、バリアフリー情報提供部224は、この推定した一つの通行難易度データから通行難易地点か否か判定する判定基準を、経路案内が必要な利用者カテゴリに応じて変更して、通行難易地点を表すバリアフリー情報を生成する。よって、一つの通行難易度データから利用者のカテゴリに応じたバリアフリー情報を生成することができるようになる。
また、低信頼性フラグがセットされている計測データについては、保存期間を定めて、保存期間経過後は収集データ記憶部232から削除するようにしてもよい。これにより、収集データ記憶部232の記憶容量を削減することが可能となる。
また、注意情報の提供毎にポイントを付与するようにしているが、例えば、同一地点に対する一定期間の複数人の注意情報との整合性を判定した後にポイントを付与するようにしてもよい。これにより、ポイントの不正獲得を防止できる。
その他、バリアフリー情報またはバリアフリー経路を提供するための装置構成とその処理手順、各情報記憶部の構成などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。