JP7166852B2 - 電子レセプト処理システム、プログラムおよび方法 - Google Patents
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Description
この電子レセプトに関し、特定した診療行為の種別が指定または入力された場合に、コメントの入力を促す表示や、必須の入力事項に特定するなどの処理をコンピュータに実行させることが知られている(たとえば、特許文献1)。
診療に関する情報システムに関し、患者側端末を用いて患者由来情報を取得し、患者の症状を分析することにより、医師における診療の正確性を高め、効率的な診療を実現することが知られている(たとえば、特許文献3)。
この電子レセプトによれば、受診者、診療機関、診療行為などの各種の情報や、一連性の確認が可能である。しかしながら、この電子レセプトは膨大なデータ量であり、目視で検索することは現実的ではないし、一連性検索において、主要なデータの欠落などの不都合がある。
そこで、本発明は上記課題に鑑み、電子レセプトの検索や分析の容易化など、利便性を高めることにある。
上記電子レセプト処理システムにおいて、前記記憶部に格納された前記電子レセプトを受け取る情報端末を備え、前記関連性情報が付された前記電子レセプトの各データ群を用いて診療行為の関連性を検索可能としてよい。
(1) 電子レセプトから分解された各データ群が、データ群毎に付された関連情報により関連付けられた結果、電子レセプトから診療行為の分析や解析を容易に行うことができる。
(2) 電子レセプトから分解された各データ群に関連情報が付されているので、この関連情報を以て各データ群の関連付けを行うことができ、たとえば、受診者が複数の診療機関で受診した際に発行される電子レセプトから各診療行為の分析や解析を容易に行うことができる。
この電子レセプト処理システム2はコンピュータのネットワークシステムであり、電子レセプト処理システム2にはレセプトデータ処理装置4、単一の情報端末または複数の情報端末6-1、6-2、・・・、6-Nが備えられる。
各情報端末6-1、6-2、・・・、6-Nはレセプトデータ処理装置4とインターネットなどのネットワーク8を介して有線または無線で連係され、個別にレセプトデータ処理装置4と情報交換を行う。各情報端末6-1、6-2、・・・、6-Nにはたとえば、パーソナルコンピュータ(PC)が用いられる。
図2はレセプトデータ処理装置4の一例を示している。このレセプトデータ処理装置4はコンピュータであり、制御部10、記憶部12、情報提示部14、操作入力部16、通信部17などを備える。
制御部10は電子レセプトを処理する処理部の一例である。この制御部10はプロセッサを備え、電子レセプトの処理として、記憶部12にあるOS(Operating System)やレセプト処理プログラムなどを実行する。
記憶部12には主記憶装置18および補助記憶装置20が備えられる。主記憶装置18にはROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)が備えられる。補助記憶装置20は電子レセプト記憶領域20-1、データ群記憶領域20-2が設定される。電子レセプト記憶領域20-1には、分解前の電子レセプト22x(図3)が格納され、データ群記憶領域20-2には電子レセプト22xから複数に分解されたデータ群24xが格納される。
図3のAは電子レセプト22xを示している。電子レセプト22xは、たとえば保険区分別に作成され、請求月を単位とする複数の電子レセプト22-1、22-2、22-3、・・・で構成される。この保険区分別、かつ請求月単位の各電子レセプト22-1、22-2、22-3、・・・には1または複数の受診者の情報が受診者単位で記録されている。
図3のBは電子レセプト22xから分解されるデータ群24xを示している。
データ群24xは、保険区分別、かつ請求月を単位とする電子レセプト22xから受診者を単位として分解する。このデータ群24xには、たとえば受診者別に区分したデータ群24-0と、診療行為や医療品などを区分した複数のデータ群24-1、24-2、24-3、・・・で構成される。
この例では、データ群24xには、診療行為データ24-11、24-12、24-13、・・・、医薬品データ24-21、24-22、24-23、・・・、器材データ24-31、24-32、24-33、・・・、コメントデータ24-41、24-42、24-43、・・・、その他のデータ24-N1、24-N2、24-N3、・・・、が含まれる。
レセプトデータ処理装置4の制御部10によるデータ処理には、a)電子レセプト22xの取込み処理、b)電子レセプト22xの分解処理、c)関連性情報の付加処理、d)検索処理などが含まれる。
a)電子レセプト22xの取込み処理
電子レセプト22xの取込み処理は、各情報端末6-1、6-2、・・・、6-Nからの電子レセプト22-1、22-2、22-3、・・・の取込みを行う。
電子レセプト22xの分解処理では、電子レセプト22-1、22-2、22-3、・・・が複数のデータ群24-0、24-1、24-2、24-3、・・・に分解される。具体的には、電子レセプト22-1、22-2、22-3、・・・が図3のBに示すように、受診者データ24-01、24-02、24-03、診療行為データ24-11、24-12、24-13、・・・、医薬品データ24-21、24-22、24-23、・・・、器材データ24-31、24-32、24-33、・・・、コメントデータ24-41、24-42、24-43、・・・、その他のデータ24-N1、24-N2、24-N3、・・・に分解される。
関連性情報の付加処理では、電子レセプト22-1、22-2、22-3、・・・から分解された各データ群24-0、24-1、24-2、24-3、・・・に対し、関連性情報としてたとえば、一連性番号が付される。
d)検索処理
検索処理は、一連性番号で関連付けられたデータ群24-0’、24-1’、24-2’、24-3’、・・・を用いてたとえば、診療行為毎に関連性検索が行われる。また、この検索処理には、たとえば一連性情報で識別される1または2以上の特定データを受診者、診療行為、医薬品、器材、またはコメントのいずれかまたは2以上に関係付けて検索可能とする。
図4は、電子レセプト処理システム2の処理シーケンスを示している。この処理シーケンスにおいて、Sは処理手順または工程を示し、Sに付した番号はその処理順を示している。
各情報端末6-1、6-2、・・・、6-Nは電子レセプト22xを取得し、レセプトデータ処理装置4に向けて送出する(S101)。
レセプトデータ処理装置4は、各情報端末6-1、6-2、・・・、6-Nから電子レセプト22xを取り込み(S102)、補助記憶装置20の電子レセプト記憶領域20-1に格納する(S103)。
レセプトデータ処理装置4は、所定のタイミングで電子レセプト22xをデータ群24xに分解し(S104)、各データ群24xに関連性情報を付加する(S105)。
レセプトデータ処理装置4は、関連性情報を付加した各データ群24xをデータ群記憶領域20-2に格納し(S106)、保存する。
各情報端末6-1、6-2、・・・、6-Nはデータ解析の契機により、レセプトデータ処理装置4に向けてデータ検索指示を送出する(S107)。この検索指示はたとえば、一連性のある診療行為であり、既述の関連性情報で特定される。すなわち、情報端末から関連性情報である一連性番号で識別される1または2以上の特定データを受診者、診療行為、医薬品、器材、またはコメントのいずれかの情報単位で抽出可能とする。
この提示情報を受けた情報端末6-xは、レセプトデータ処理装置4の検索結果を提示する(S110)。この検索結果を受けた診療機関、医師、医療事務などは、その結果情報を活用することができる。
図5のAは、電子レセプト22xの構成例を示している。この電子レセプト22xでは対象行の一例として3行で示している。第1行および第2行は診療行為データ24-11、24-12であり、第3行は医薬品データ24-21である。
この電子レセプト22xは図5のBに示す診療行為データ24-11、24-12と、図5のCに示す医薬品データ24-2とに分解される。
診療行為データ、医薬品データ、器材データ、コメントデータ、その他のデータは、受診者を単位とするデータ群である。診療行為データは、受診者に対する診療行為を表すデータである。
医薬品データは、診療に供される医薬品を表すデータである。器材データは、診療に用いられた器材を表すデータである。コメントデータは、医者などの診療機関が診療に付す診療情報のコメントである。
図6のAは関連性情報が付加された診療行為データ24-11’、24-12’を示している。
関連性情報はたとえば、一連性番号であり、この例では診療行為データ24-11’には一連性番号「1」、診療行為データ24-12’には一連性番号「2」が付されている。
図6のBは関連性情報が付加された医薬品データ24-21’を示している。
関連性情報はたとえば、一連性番号であり、この例では医薬品データ24-21’には一連性番号「2」が付されている。
この処理手順には、データ分解処理1(図7)、データ分解処理2(図8)、データ分解処理3(図9)、データ検索処理4(図10)が含まれる。
図7は、電子レセプトのデータ分解処理1の処理手順を示している。
この処理手順では、電子レセプト22xの取込みにおいて、電子レセプト22xの最終行の到来を以て、データ分解処理2(図8)の継続を判断する(S201)。電子レセプト22xの行が終端(=最終行)であれば(S201のYES)、データ分解処理1を終了する(S202)。
したがって、レセプトデータ処理装置4は電子レセプト22xの行位置がファイルの終端が到来するまで、データ分解処理2を継続する(S203)。
レセプトデータ処理装置4は、電子レセプト22xを取得し、データ分解処理を実行する(S301)。このデータ分解処理2は、たとえば電子レセプトの行単位で診療行為データ、医薬品データ、器材データ、コメントデータの順で実行する。
レセプトデータ処理装置4は電子レセプトの行判断処理として、先ず、電子レセプト22xが診療行為行であるかを判断し(S302)、電子レセプト22xのデータ分解処理に移行する。電子レセプト22xが診療行為行であれば(S302のYES)、レセプトデータ処理装置4は診療行為データのデータ分解処理3(図9)を実行する(S303)。
レセプトデータ処理装置4は、コメントデータのデータ分解処理3の完了で、この分解処理を終了する。
なお、データ分解処理2は、分解する対象が診療行為データ、医薬品データ、器材データ、コメントデータに限られず、たとえば受診者データやその他のデータの分解処理を行ってもよい。
既述のデータ分解処理(S303、S305、S307、S309)において、一連性のある診療行為つまり、データ群である診療行為、医薬品、器材、コメントに関連性情報として一連性番号を付与する。
レセプトデータ処理装置4は診療行為、医薬品、器材またはコメントのレコードに一連性が無いかを判断する(S401)。一連性が無ければ(S401のYES)、一連性番号を生成させ、該当するデータ行に付加し(S402)、この処理を終了する。
一連性が有れば(S401のNO)、一連性番号を該当するデータ行に付加し(S403)、この処理を終了する。
レセプトデータ処理装置4は、指示された条件が一連性のある抽出であるかを判断し(S501)、その条件が一連性のある抽出であれば(S501のYES)、一連性番号を用いてデータ群24xから対象データを抽出する(S502)。
レセプトデータ処理装置4は、この対象データに対して指示された条件で検索する(S503)。また、レセプトデータ処理装置4は、指示された条件が一連性のある抽出でなれば(S501のNO)、S502をスキップして対象データに対して指示された条件で検索し(S503)、この処理を終了する。
この一実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) 電子レセプト22xをデータ群24xに分解し、各データ群24xに関連性情報を付与するので、この関連性情報を以て各データ群24xが関係付けられる。
(2) 各データ群24xは、関連性情報を以て迅速かつ容易に検索し、各データ群24x間の診療行為や医薬品などの個別情報を有機的に把握することができる。
(3) 一連性のある診療行為は電子レセプト上では診療識別を省略しているので、一連性番号などの関連性情報を以て判断することができる。
(4) 医師や事務担当は診療行為の調査・分析のために一連性のある診療の行為を検索、抽出したいとき、分解したデータの中で一連性番号のデータを再抽出して処理することができ、電子レセプトのデータ処理の利便性が高められる。
この電子レセプト22xについて、図12に示すデータテーブルには、たとえば行数毎に、電子レセプト部28、関連番号部30が備えられる。電子レセプト部28には電子レセプト22xが格納されている。関連番号部30には関連性情報としてたとえば、関連番号「3562」・・・「3568」が付されている。そのほか各データには、図示しない関連番号の定義事項などを指示する備考データが含まれてもよい。たとえば関連がある電子レセプト22xについては、行数が異なっても同一の関連番号が付されることなどの指示が含まれる場合がある。
図14のAはレコード識別を示している。関連番号は、同一診療識別で、診療識別コード記録単位で昇順に付与される。図14のAは、関節腔内注射を行った場合を示している。図14のAに示すレコード識別において、SIは診療行為を表すデータ、IYは医薬品を表すデータ、COはコメントを表すデータである。
電子レセプトには電子レセプトの一人の受診者を抜粋したものに追加で元データの行番号、データ、関連番号(一連性番号)、説明の項目が設けられる。REデータは分解後のREデータ(レセプト共通データ)である。KOデータは分解後のKOデータ(公費データ)である。SYデータは分解後のSYデータ(傷病データ)である。SIデータは分解後のSIデータ(診療行為データ)である。IYデータは分解後のIYデータ(医薬品データ)である。TOデータは分解後のTOデータ(特定器材データ)である。COデータは分解後のCOデータ(コメントデータ)である。SJデータは分解後のSJデータ(症状詳記データ)である。
これら各データのうち、この処理システムにより関連番号(一連性番号)が追加的に付与されるのはSIデータ、IYデータ、TOデータ、COデータの4データである。
このように電子レセプト22xから分解されたSIデータ、IYデータ、TOデータおよびCOデータには関連性を表す関連番号で関係付けられ、これらのデータが特定の受診者のデータであることを示している。
このようなデータ処理について、図19のAは電子レセプトの原データを示し、Bはデータ分解後、再成型した電子レセプトのイメージを示している。つまり、この電子レセプトの原データ(図19のA)は、たとえば保険区分、かつ月毎のデータである。これに対し、変換されたデータ(図19のB)は、複数の原データを受診者毎に、複数の月のデータをまとめて表示している。
そして、図20は原データからSIデータ行にコメントデータが含まれていた場合にコメントデータを分解した際、関連番号で関係付けられる。つまり、レセプトデータの分解処理では、たとえば所定の読み出し条件に従い、SIデータ行にコメントデータが含まれるか否かを判断し、コメントデータが含まれている場合(図20のA)には、新たに「CO」のデータ行を作成して、コメントデータを分解して記憶させる(図20のB)。この読み出し条件は、たとえば「SI」、「IY」、「TO」・・・などのデータ群で同じ条件を設定してもよく、またはデータ群毎に異なる位置を読み出すように設定してもよい。
図21は、電子レセプト処理システム2の活用形態を示している。電子レセプト処理システム2を含む診療システム40では、従前から連係されている総合医療を担当する医療機関としての病院42、地域医療を担当するクリニック44および診療報酬を担当する支払い機関である支払基金46を中心に、医療会計コンサルティング会社48、医療機関検索ポータルサイト50、医薬メーカー52が関連している。これに対し、電子レセプト処理システム2は、電子レセプト22xを基軸に医療システムに必要なデータを提供することができる。つまり、従前の診療報酬請求のためにのみ使用されてきた電子レセプト22xが受診者の診療行為の分析、関連付け、医薬品の適正化などに対して貴重なデータ源を提供し、ひいては、受診者の安全性までも高めることが可能である。
この実施例によれば、次の効果が得られる。
(1) 電子レセプト処理システム2は診療報酬請求の活用域を超えて診療行為や投薬などの分析、総合的な医療行為の一助として活用することができる。
(2) 電子レセプトからSIデータ、IYデータ、TOデータ、COデータを分解、抽出しても関連番号で関連付けされるので、原データとの関連性を失うことなく、データ活用の利便性を高めることができる。
4 レセプトデータ処理装置
6-1、6-2、・・・、6-N 情報端末
8 ネットワーク
10 制御部
12 記憶部
14 情報提示部
16 操作入力部
17 通信部
18 主記憶装置
20 補助記憶装置
20-1 電子レセプト記憶領域
20-2 データ群記憶領域
22x 電子レセプト
24x データ群
22-1、22-2、22-3、・・・ 電子レセプト
24-0、24-1、24-2、24-3、・・・ データ群
24-01、24-02、24-03、・・・ 受診者データ
24-11、24-12、24-13、・・・ 診療行為データ
24-21、24-22、24-23、・・・ 医薬品データ
24-31、24-32、24-33、・・・ 器材データ
24-41、24-42、24-43、・・・ コメントデータ
24-N1、24-N2、24-N3、・・・ その他のデータ
28 電子レセプト部
30 関連番号部
40 診療システム
42 病院
44 クリニック
46 支払基金
48 医療会計コンサルティング会社
50 医療機関検索ポータルサイト
52 医薬メーカー
Claims (4)
- 受診者単位で作成された電子レセプトを格納する記憶部と、
前記記憶部から読み出された前記電子レセプトを認識し、各電子レセプトを属性の異なる複数のデータ群に分解し、各データ群に含まれる同じ受診日のデータに対してそれぞれを関係付けるための関連性情報を付した電子レセプトに変換して前記記憶部に格納する処理部と、
を備え、前記関連性情報が付された前記データを含む前記電子レセプトの各データ群を用いて診療行為の関連性を検索可能としたことを特徴とする電子レセプト処理システム。 - 前記記憶部に格納された前記電子レセプトを受け取る情報端末を備え、
前記関連性情報が付された前記電子レセプトの各データ群を用いて診療行為の関連性を
検索可能としたことを特徴とする請求項1記載の電子レセプト処理システム。 - コンピュータで実現するためのプログラムであって、
受診者単位で作成された電子レセプトを記憶部に格納する機能と、
前記記憶部から読み出された前記電子レセプトを認識し、各電子レセプトを属性の異なる複数のデータ群に分解し、各データ群に含まれる同じ受診日のデータに対してそれぞれを関係付けるための関連性情報を付した電子レセプトに変換して前記記憶部に格納する機能と、
前記関連性情報が付された前記データを含む前記電子レセプトの各データ群を用いて診療行為の関連性を検索する機能と、
を前記コンピュータで実現するためのプログラム。 - 受診者単位で作成された電子レセプトを記憶部に格納する工程と、
前記記憶部から読み出された前記電子レセプトを認識し、各電子レセプトを属性の異なる複数のデータ群に分解し、各データ群に含まれる同じ受診日のデータに対してそれぞれを関係付けるための関連性情報を付した電子レセプトに変換して前記記憶部に格納する工程と、
前記関連性情報が付された前記データを含む前記電子レセプトの各データ群を用いて診療行為の関連性を検索する工程と、
を含む各工程をコンピュータが実行することを特徴とする電子レセプト処理方法。
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