JP7166155B2 - 街路灯システム - Google Patents

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Description

本発明は、街路灯システムに関する。
街路灯の付加価値を高める観点から、いろいろな提案がなされている。たとえば、照明光によって道路に広告宣伝情報や道路案内情報などを投射する情報表示機能をもたせた街路灯や(例えば、特許文献1参照。)、接近する自動車が近傍の駐車スペースに収まるサイズであるかをチェックする街路灯が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2009-145718号公報 特表2018-517228号公報
本発明者らは、車両が走行する道路に沿って設置された街路灯について検討したところ、以下の課題を認識するに至った。不幸にして交通事故が起こることがある。事故の情報は道路に設置された道路情報板に表示され、ドライバーはそれを見て事故発生を知ることができるが、道路情報板が最新の情報に更新されるには相応の時間がかかる。もし、他の車どうしの交通事故が前方で発生したとすると、後続のドライバーがそれを知る術は実際のところ自身の目視に限られる。ドライバーが事故発生に気づかなければ、最悪の場合、連鎖して事故を引き起こすことになり、危険である。ほかにも、渋滞や路面冠水、高さ制限区間など走行の際に注意を要する道路状況が前方にあるときには、同様の危険性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、注意すべき道路状況をドライバーにすみやかに通知することができる街路灯システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の街路灯システムは、車両が走行する道路に沿って設置され、少なくとも1つの警戒色を含む複数の灯色で点灯可能であり、それぞれが、周囲から収音して収音データを生成する音センサを有する複数の街路灯と、収音データを受け、収音データに基づいて交通事故を示す目的音およびその発生位置を検出し、交通事故位置データを生成する音響信号処理部と、交通事故位置データに基づいて、交通事故の発生位置付近の少なくとも1つの街路灯について警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号を生成する灯色制御部と、を備える。
警戒色点灯信号は、警戒色での点滅を指示してもよい。
街路灯は、複数の警戒色で点灯可能であり、灯色制御部は、交通事故位置データに基づいて、交通事故の発生位置付近の少なくとも2つの街路灯について交通事故の発生位置と街路灯との距離に応じて異なる警戒色での点灯を指示してもよい。
街路灯システムは、道路の近傍に設置された道路情報中継装置をさらに備え、道路情報中継装置は、交通事故位置データを受け、交通事故が起きた道路区間を示す道路情報を生成し遠隔の道路情報管理装置に送信してもよい。
本発明の別の態様もまた、街路灯システムである。この街路灯システムは、車両が走行する道路に沿って設置され、少なくとも1つの警戒色を含む複数の灯色で点灯可能であり、それぞれが、周囲から収音して収音データを生成する音センサを有する複数の街路灯と、収音データを受け、収音データに基づいて街路灯周辺の道路状況を示す目的音およびその発生位置を検出し、道路状況の発生位置を示す道路状況データを生成する音響信号処理部と、道路状況データに基づいて、道路状況の発生位置付近の少なくとも1つの街路灯について警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号を生成する灯色制御部と、を備える。
道路状況は、交通事故、渋滞、路面冠水、路面凍結の少なくとも1つであってもよい。
街路灯システムは、道路の近傍に設置された道路情報中継装置をさらに備え、道路情報中継装置は、道路状況データを受け、道路状況が起きた道路区間を示す道路情報を生成し遠隔の道路情報管理装置に送信してもよい。
音響信号処理部は、収音データに基づいて走行車両が発生させる風切り音およびその発生位置を検出し、走行車両の高さを示す車高データを生成してもよい。灯色制御部は、車高データに基づいて、走行車両の高さが車高しきい値より高い場合に走行車両付近の少なくとも1つの街路灯について警戒色点灯信号を生成してもよい。
道路は、第1区間と、通行できる車高限度が定められた高さ制限区間に第1区間を接続する第2区間とを含み、複数の街路灯は、第1区間に設置された第1街路灯と、第2区間に設置された第2街路灯とを含み、第1街路灯は、互いに異なる高さに配置された複数の音センサを有してもよい。音響信号処理部は、第1街路灯の複数の音センサによって収音された収音データに基づいて走行車両が発生させる風切り音およびその発生位置を検出し、車高データを生成してもよい。灯色制御部は、車高データに基づいて、走行車両の高さが車高限度より高い場合に第2街路灯について警戒色点灯信号を生成してもよい。
本発明の別の態様もまた、街路灯システムである。この街路灯システムは、車両が走行する道路に沿って設置され、少なくとも1つの警戒色を含む複数の灯色で点灯可能であり、それぞれが、周囲から収音して収音データを生成する音センサを有する複数の街路灯と、収音データを受け、収音データに基づいて走行車両が発生させる風切り音およびその発生位置を検出し、走行車両の高さを示す車高データを生成する音響信号処理部と、車高データに基づいて、走行車両の高さが車高しきい値より高い場合に走行車両付近の少なくとも1つの街路灯について警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号を生成する灯色制御部と、を備える。
本発明によれば、注意すべき道路状況をドライバーにすみやかに通知することができることができる。
実施の形態1に係る街路灯システムのブロック図である。 実施の形態1に係る街路灯を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る街路灯システムにおいて実行される音認識に基づく道路監視の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る街路灯システムの動作を説明するための模式図である。 実施の形態1に係る街路灯システムによる歩行者検知を示す模式図である。 実施の形態1に係る街路灯システムによる車高検知を示す模式図である。 実施の形態2に係る街路灯システムを示す模式図である。 実施の形態2に係る街路灯システムにおいて実行される音認識に基づく道路監視の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に用いられる「第1」、「第2」等の用語は、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る街路灯システムのブロック図である。街路灯システム100は、車両が走行する道路に沿って設置された複数の街路灯101を備える。街路灯システム100は、道路を走行する車両から発生する音をリアルタイムに解析することによって街路灯周辺の道路状況を監視するように構成されている。たとえば、街路灯システム100は、交通事故によって発生する音を検知し、交通事故の発生位置を特定する。
複数の街路灯101は、それぞれが、音センサ102、街路灯制御部104、灯具106を備える。街路灯制御部104は、音響信号処理部110、灯色制御部112を備える。
音センサ102は、周囲から収音して収音データSDを生成する。音センサ102は、収音データSDを街路灯制御部104に出力する。各街路灯101に設置される音センサ102の数はたとえば1つであるが、その限りでない。複数の音センサ102が街路灯101に設置される場合には、収音データSDは、複数の音センサ102の出力データの総称として把握される。収音データSDには、道路状況を示す音(以下、目的音ともいう)と雑音が含まれる。
音センサ102は、たとえば、可聴音(たとえば約20~20000Hz)を収音する無指向性のマイクロフォンであるが、これに限定されず、指向性を有するマイクロフォンまたはその他の音センサであってもよい。
複数の街路灯101に設けられた複数の音センサ102は、全体として、いわゆる音センサアレイ(たとえば、マイクロフォンアレイ)を形成する。
走行車両などの音源から音センサ102に到達する音には、音源から直線的に向かってくる直接音、道路近辺の構造物や地形によって回折された回折音、反射された反射音がある。本書では説明の便宜上、直接音と回折音を非反射音と総称することがある。
灯具106は、複数の灯色で点灯可能であり、複数の灯色には、通常色(たとえば白色)と、通常色と異なる少なくとも1つの警戒色(たとえば、赤、橙、黄色など)が含まれる。灯具106は、複数の警戒色で点灯可能であってもよい。灯具106は、そのほか任意の色(たとえば、青、緑など)で点灯可能であってもよい。灯具106の灯色、点滅の有無、明るさなど発光の態様は、灯色制御部112によって制御される。灯具106の構成は特に限定されず、たとえば、LED(発光ダイオード)などの光源と、光源を駆動して点灯させる点灯回路とを含みうる。目的とする態様で光源が発光するように点灯回路が灯色制御部112によって制御されてもよい。光源は、光の三原色で発光可能であり、赤、緑、青のLEDチップを有してもよい。
音響信号処理部110は、収音データSDを受け、目的音およびその発生位置を検出し、目的音の発生位置データを生成する。そこで音響信号処理部110には、収音データSDから目的音の少なくとも1つの特性を示す目的音データを生成する音認識アルゴリズムと、目的音データから目的音の発生位置を示す発生位置データを生成する音源定位アルゴリズムとが実装されている。音響信号処理部110は、こうした音響信号処理をリアルタイムに行う。
音認識アルゴリズムは、目的音を認識可能な既存の音認識アルゴリズムを適宜採用することができ、たとえば、深層学習などの機械学習に基づく音認識アルゴリズムであってもよい。音認識アルゴリズムは、様々な車種および様々な走行場面についてあらかじめ準備された多数のサンプル音データと収音データSDとのパターンマッチングに基づいてもよい。
音源定位アルゴリズムは、目的音の発生位置を特定可能な既存の音源定位アルゴリズムを適宜採用することができ、たとえば、音源から各音センサ102への音の到達時間差から音源位置を特定する音源定位法に基づいてもよい。音源から各音センサ102までの音の到達時間は、音源の位置の関数となることが知られている。ある2つの音センサ102から得られる到達時間差から音源方位を推定し、別の2つの音センサ102から得られる到達時間差からも音源方位を推定できる。2つの推定された音源方位から、三角測量の原理により、音源の位置が測定される。よって、2つの音センサ102があれば音源の方向、3つあれば音源の位置を特定できる。
たとえば、街路灯101が道路の両側に設置されている場合には、上述の3つの音センサ102として、道路の片側で互いに隣接する2本の街路灯101それぞれの音センサ102と、これら2つの音センサ102とは道路の反対側の街路灯101の音センサ102を使用することができる。
音センサ102の数が増えるほど音源位置の測定精度は向上するから、音響信号処理部110は、4本またはそれより多数の街路灯101それぞれの音センサ102からの収音データSDを使用して目的音の発生位置を検出してもよい。
音響信号処理部110は、収音データSDを受け、収音データSDに基づいて交通事故を示す目的音およびその発生位置を検出し、交通事故の発生位置(以下、事故現場ともいう)を示す交通事故位置データD1を生成する。交通事故を示す目的音としては、たとえば、衝突音が挙げられる。交通事故の際にはしばしば、急ブレーキなど車両の急減速を伴うと想定される。よって、急ブレーキによるタイヤと路面との摩擦音(いわゆるスキール音)、クラクション音など交通事故に関連して発生しうるそのほかの音が、交通事故を示す目的音として使用されてもよい。
音響信号処理部110は、目的音が直接音または回折音である非反射音であるか反射音であるかを判別し、非反射音に基づいて目的音の発生位置を検出する。音響信号処理部110は、非反射音のみに基づいて目的音の発生位置を検出してもよい。音響信号処理部110は、非反射音および反射音の両方に基づいて目的音の発生位置を検出してもよい。音響信号処理部110は、反射音のみに基づいて目的音の発生位置を検出してもよい。
反射音と非反射音がひとつの音源からひとつの音センサ102に到来するとき、反射音のほうが非反射音に比べて音の伝搬経路が長くなるから、若干遅れて届くことになる。したがって、収音データSDにおいて、同一または類似の特性をもつ複数の目的音が時間的に近接している場合には、音響信号処理部110は、最初に届いた音を非反射音と判断し、他の音を反射音と判断することによって、反射音と非反射音を判別することができる。
あるいは、直接音に比べて、回折音では高周波成分が減衰し、反射音では反射体の物性により周波数成分が変化することを利用して、音響信号処理部110は、収音データSDの周波数分析により、直接音、回折音、反射音を判別してもよい。
回折音は、物体の角部から音センサ102へと届き、反射音は、反射面(つまり角部ではない)から届く。この違いを利用して、音響信号処理部110は、回折音と反射音を判別してもよい。
灯色制御部112は、交通事故位置データD1に基づいて、事故現場付近の少なくとも1つの街路灯101について警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号S1を生成する。警戒色点灯信号S1は、警戒色での点滅を指示してもよい。灯色制御部112は、交通事故位置データD1に基づいて、事故現場付近の少なくとも2つの街路灯101について緊急車両と街路灯101との距離に応じて異なる警戒色での点灯を指示してもよい。灯色制御部112は、交通事故位置データD1に基づいて、たとえば事故現場から離れている街路灯101について、通常色での点灯を指示する信号を生成してもよい。
街路灯制御部104は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、マイコンなどのプロセッサ(ハードウェア)と、プロセッサ(ハードウェア)が実行するソフトウェアプログラムの組み合わせで実装することができる。たとえば、音響信号処理部110は、デジタルシグナルプロセッサで構成することができ、たとえばCPUやマイコンとソフトウェアプログラムの組み合わせで構成してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specified IC)などで構成してもよい。
また、街路灯101は、通信機器114を有する。街路灯制御部104は、通信機器114を通じて、収音データSD、交通事故位置データD1、警戒色点灯信号S1を、他の街路灯101の街路灯制御部104に送信しまたは他の街路灯101の街路灯制御部104から受信することができる。通信機器114はアンテナ114aを有し、街路灯101どうしは無線通信可能である。なお、通信機器114の構成は特に限定されず、街路灯101どうしは有線により通信可能であってもよい。
よって、ある街路灯101の街路灯制御部104は、自身に設けられた音センサ102によって収音された収音データSDに加えて、他の街路灯101(たとえばとなりの街路灯101)によって収音された収音データSDを利用して交通事故位置データD1を生成することができる。また、ある街路灯101の街路灯制御部104は、警戒色点灯信号S1を、他の街路灯101によって生成された交通事故位置データD1、または警戒色点灯信号S1に応じて生成することができる。
なお、音響信号処理部110、灯色制御部112は各街路灯101に設けられているが、それに限られない。複数の街路灯101、たとえば近接するいくつかの街路灯101(1セットの街路灯101)についてひとつの音響信号処理部110、ひとつの灯色制御部112が設けられてもよい。よって、音響信号処理部110は、1セットの街路灯101からの収音データSDから交通事故位置データD1を生成し、灯色制御部112は、交通事故位置データD1からその1セットの街路灯101のそれぞれについて警戒色点灯信号S1を生成してもよい。音響信号処理部110、灯色制御部112は、いずれかの街路灯101に設けられてもよいし、あるいは、街路灯101とは別体として道路の近傍またはその他の場所(たとえば信号機)に設けられてもよい。
図2は、実施の形態1に係る街路灯101を模式的に示す図である。街路灯101は、道路の側方の地面に設置された支柱120を有し、音センサ102、街路灯制御部104、灯具106、通信機器114は支柱120に取り付けられている。支柱120には、道路側に突き出したセンサ設置台122が取り付けられている。センサ設置台122は灯具106より低い高さに位置するが、その限りではない。音センサ102は、センサ設置台122に設置され、それにより、道路の上方に配置されている。
灯具106、通信機器114は、支柱120の上部または上端に設置されている。もう1つの音センサ102が灯具106に設けられ、ひとつの街路灯101について2つの音センサ102が異なる高さに設けられてもよい。あるいは、灯具106とセンサ設置台122のいずれか一方に音センサ102が設けられるだけでもよい。ひとつの街路灯101に3つ以上の音センサ102が設けられてもよい。複数の音センサ102は、たとえば、それぞれ異なる高さに設けられ、及び/または、それぞれ異なる水平位置に設けられてもよい。図2に示される音センサ102、街路灯制御部104、灯具106、通信機器114の配置場所は一例であり、他の配置も可能である。
図3は、実施の形態1に係る街路灯システムにおいて実行される音認識に基づく道路監視の一例を示すフローチャートである。このルーチンは、街路灯制御部104によって、所定周期(たとえば数ミリ秒から数十ミリ秒の周期)で繰り返し実行される。
まず、街路灯システム100は、それぞれの街路灯101において周囲から収音する(S10)。各街路灯101の音センサ102は、収音データSDを生成し、街路灯制御部104は、収音データSDを取得する。各街路灯101に複数の音センサ102が設けられている場合には、街路灯制御部104は、それら音センサ102の収音データSDを取得する。街路灯101ごとに音センサ102が1つだけ設けられている場合には、街路灯制御部104は、通信機器114を介して、他の街路灯101の音センサ102で収音された収音データSDを取得する。
緊急車両を示す目的音が検知される(S11)。音響信号処理部110は、収音データSDを受け、収音データSDを音認識アルゴリズムにより解析することによって、交通事故を示す目的音を検知する。
次に、目的音の発生位置が特定される(S12)。音響信号処理部110は、検知された目的音について、音源定位アルゴリズムを適用し、目的音の発生位置を特定する。音響信号処理部110は、交通事故の発生位置を示す交通事故位置データD1を生成する。
続いて、街路灯101の灯色を変更するか否かが判定される(S13)。たとえば、灯色制御部112は、交通事故位置データD1に基づいて街路灯101から事故現場までの距離を求め、この距離を所定の距離しきい値と比較する。あるいは、灯色制御部112は、他の街路灯101(たとえば、となりの街路灯101)から受信した交通事故位置データD1または警戒色点灯信号S1に基づいて、事故現場までの距離を求め、この距離を所定の距離しきい値と比較する。灯色制御部112は、事故現場までの距離が距離しきい値より小さければ、その街路灯101の灯色を変更すべきと判定する。灯色制御部112は、事故現場までの距離が距離しきい値より大きければ、その街路灯101の灯色を変更すべきでないと判定する。
街路灯101の灯色を変更すべきと判定される場合には(S13のY)、灯色制御部112は、その街路灯101について警戒色点灯信号S1を生成する。灯色制御部112は、灯具106に警戒色点灯信号S1を出力する。灯具106は、警戒色点灯信号S1を受けると、警戒色で点灯する(S14)。警戒色点灯信号S1が点滅を指示する場合には、灯具106は、警戒色で点滅する。
街路灯101の灯色を変更すべきでないと判定される場合には(S13のN)、灯色制御部112は、その街路灯101について警戒色点灯信号S1を生成しないか、または通常色での点灯を指示する信号を生成する。よって、灯具106は、通常色で点灯する(S15)。この場合において、たとえば昼間など街路灯101を点灯しなくてもよいときは、灯具106は、消灯してもよい。
こうして交通事故位置データD1に基づく灯色制御が行われ、本ルーチンは終了する。
複数の街路灯101は互いに連携した点灯パターンで点灯してもよい。たとえば、複数の街路灯101は、事故現場までの距離に応じて異なる色で点灯してもよい。複数の警戒色を用いることにより、表現の幅が広がる。たとえば、事故現場に最も近い第1グループの街路灯101が第1警戒色で点灯し、道路に沿って第1グループの街路灯101に隣接する第2グループの街路灯101が第1警戒色と異なる第2警戒色で点灯してもよい。第1警戒色は、第2警戒色に比べて高い警戒レベルを示す色が選択される。たとえば、第1警戒色は、赤色であり、第2警戒色は、橙色または黄色である。3種類またはそれより多くの警戒色が使用され、複数の街路灯101が事故現場までの距離に応じて3以上のグループに分けられ、グループごとに異なる灯色が割り当てられてもよい。
連続点灯だけでなく、点滅を用いることによっても、表現の幅を広げることができる。たとえば、複数の街路灯101は、事故現場までの距離に応じて異なる点滅周期で点滅してもよい。たとえば、事故現場に最も近い第1グループの街路灯101が第1周期で点滅し、道路に沿って第1グループの街路灯101に隣接する第2グループの街路灯101が第1周期と異なる第2周期で点滅してもよい。たとえば、第1周期は、第2周期よりも短く、よって、第1グループの街路灯101が第2グループの街路灯101に比べて高速に点滅してもよい。こうした点滅周期の設定が、上述の距離に応じた灯色選択と組み合わせて使用されてもよい。
図4は、実施の形態1に係る街路灯システムの動作を説明するための模式図である。図4には、街路灯システム100が設置された道路で交通事故が発生したケースが示されている。2台の車両130a、130bが衝突し、衝突音132が発生したとする。その周囲には他の車両134a、134bが走行している。
衝突音132は周囲の街路灯101の音センサ102によって収音される。上述のように、街路灯システム100は、衝突音132に音響信号処理をリアルタイムに施すことによって、交通事故の発生位置を即時に検出する。街路灯システム100は、検出された交通事故の発生位置に基づいて、各街路灯101について警戒色点灯信号S1を生成する。
その結果、事故現場に最も近い第1グループの街路灯101aは、第1警戒色(たとえば赤色)で点灯する。第1グループの街路灯101aに隣接する第2グループの街路灯101bは、第2警戒色(たとえば橙色)で点灯する。その他の街路灯101cは、通常色(たとえば白色)で点灯し、または消灯する。
このとき、事故現場に近い街路灯101(たとえば第1グループの街路灯101a)は衝突音132に応答して警戒色で点灯することができる。しかし、事故現場から離れるにつれて、衝突音132が聞こえにくくなる。そこで、事故現場からある程度離れている街路灯101(たとえば第2グループの街路灯101b)は、衝突音132に応答する代わりに、となりの街路灯101から送信された警戒色点灯信号S1(矢印136で示す)に応答して、警戒色で点灯している。さらに緊急車両130から離れている街路灯101c(たとえば、図4において左端および右端の街路灯)は、通常色で点灯し、または消灯する。
他の街路灯101からの警戒色点灯信号S1に応答して警戒色で点灯する構成は、たとえば高速道路のように、音の届く範囲を越えて広範囲に警戒を通知することが望まれる場合に、有用である。
街路灯システム100によれば、交通事故の発生を街路灯101の灯色の変更によって事故現場の周囲を走行する他の車両134a、134bのドライバーに通知することができる。街路灯システム100は、個々のドライバーが目視可能な近距離を越える広い範囲に事故発生の警戒情報を通知することもできる。こうして交通事故に気づいたドライバーは、交通事故の発生直後において警察による交通整理がまだなされていないなかでも、自身が事故に巻き込まれないように注意して走行することができる。よって、街路灯システム100は、交通事故の連鎖の危険性を低減する等、交通の安全性向上に役立つ。
また、街路灯101は一般に、道路に沿って多数設置されている。各街路灯101に音センサ102を搭載することにより、道路に沿って多数の収音位置で交通事故を示す目的音を検知し、その発生位置を精度よく特定することができる。
交通事故を検知するために、道路に沿って多数のカメラを配置し、カメラで撮像した画像データを利用するという方法も考えられる。しかし、こうしたカメラは監視カメラともみなされうるので、街中に多数配置することにはプライバシーに対する懸念もある。これに対して、街路灯システム100は、音認識を利用するので、そのような懸念が生じないという利点もある。
ここまでは、交通事故によって発生する音を検知して事故現場周辺の街路灯が警戒色で点灯する構成を説明したが本発明はこの構成には限られない。街路灯システム100は、走行の際に注意を要するその他の道路状況にも同様に適用可能である。
図1に示されるように、音響信号処理部110は、収音データSDを受け、収音データSDに基づいて街路灯周辺の道路状況を示す目的音およびその発生位置を検出し、道路状況の発生位置を示す道路状況データD2を生成してもよい。灯色制御部112は、道路状況データD2に基づいて、道路状況の発生位置付近の少なくとも1つの街路灯101について警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号S1を生成してもよい。
音認識によって検知されうる道路状況は、交通事故以外に、たとえば、渋滞、路面冠水、路面凍結などがありうる。渋滞の最後尾に到達した車両は減速する。よって、渋滞を示す目的音としては、たとえば、走行車両の渋滞到達に伴う走行音の変化(たとえば、音量の低下)が使用されうる。冠水、凍結など特定の路面状態では、その路面状態に応じた走行音が発生しうる。たとえば、冠水した路面からは水跳ね音が生じうる。凍結した路面からも特有の音が生じうる。よって、路面状態に応じた走行音が、路面冠水、路面凍結を示す目的音として使用されうる。このように、検知対象の道路状況に応じて目的音は適宜設定すればよい。
したがって、街路灯システム100によれば、走行の際に注意を要するさまざまな道路状況を音認識を用いて検知し、その道路状況の発生場所を警戒色での点灯によりドライバーに通知することができる。
他の例として、道路状況データD2は、街路灯周辺の歩行者の存在を示すものであってもよい。このような実施例を次に述べる。
図5は、実施の形態1に係る街路灯システムによる歩行者検知を示す模式図である。街路灯システム100は、道路を横断しようとする歩行者140を音認識により検知し、警戒色での点灯により歩行者140の存在をドライバーに通知してもよい。
街路灯101は、異なる高さに配置された少なくとも2つの音センサ102a、102bを有する。一方の音センサ102aは、街路灯101の上部に取り付けられ、他方の音センサ102bは、街路灯101の下部に取り付けられている。上部の音センサ102aは、主として道路を走行する車両からの音を取得するために使用され、下部の音センサ102bは、主として歩行者140が発する音(たとえば、歩行音、会話音など)を取得するために使用される。よって、歩行者検知用の音センサ102bは、成人の平均身長よりいくらか低い高さを目安として、たとえば地面から約0.5~1.5m(たとえば1m程度)の高さに設置される。
図1に示される音響信号処理部110は、音センサ102bによって生成された収音データSDを受け、収音データSDに基づいて街路灯周辺の歩行者140を示す目的音およびその発生位置を検出し、歩行者140の存在を示す道路状況データD2を生成してもよい。灯色制御部112は、道路状況データD2に基づいて、歩行者140の近くの街路灯101について警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号S1を生成してもよい。
このようにすれば、道路を横断しようとする歩行者がいることをドライバーに知らせ、注意を促すことができる。よって歩行者との交通事故が起こる可能性を低減することができる。この実施例は、横断歩道の近傍に設置された街路灯101、または、横断歩道が無い場所であっても歩行者と車の交通事故が多い場所に設置された街路灯101に好適である。
なお、街路灯システム100は、歩行者140だけでなく、同様にして自転車も検知できる。
さらに、他の例として、街路灯システム100は、音認識を利用して走行車両の車高を検知するように構成されうる。このような実施例を次に述べる。
図6は、実施の形態1に係る街路灯システムによる車高検知を示す模式図である。街路灯システム100が設置された道路150は、第1区間151、第2区間152、高さ制限区間153を含む。第1区間151は、走行する車両154の車高を測定するための区間として利用される。第1区間151は、たとえば、高さ制限区間153から数百m~数km(たとえば1km程度)手前に設定される。第2区間152は、第1区間151を高さ制限区間153に接続する。第2区間152、高さ制限区間153は、第1区間151に対して、走行車両154の進行方向前方にある。高さ制限区間153は、たとえば、オーバーパス、アンダーパスなどの立体交差、またはトンネルなど、通行できる車高限度Hmaxが定められている。
街路灯101は、鉛直方向に互いに異なる高さに配置された複数(たとえば少なくとも3つ)の音センサ102からなる音センサアレイ156を有する。以下では説明の便宜上、第1区間151に設置された街路灯を「第1街路灯」、第2区間152に設置された街路灯を「第2街路灯」と称することがある。
図1に示される音響信号処理部110は、第1街路灯の音センサアレイ156によって収音された収音データSDに基づいて走行車両154が発生させる風切り音155およびその発生位置を検出し、走行車両154の高さを示す車高データD3を生成してもよい。灯色制御部112は、車高データD3に基づいて、走行車両154の高さが車高限度Hmaxより高い場合に第2街路灯について警戒色点灯信号S1を生成してもよい。第2街路灯は、第1街路灯で生成された警戒色点灯信号S1を通信機器114を介して受信可能である。よって、第2街路灯は、第1街路灯で生成された警戒色点灯信号S1に基づいて警戒色で点灯してもよい。
街路灯システム100は、図3に例示される道路監視処理と同様に動作可能である。ただし、ステップS11において、音響信号処理部110は、音センサアレイ156によって生成された収音データSDを音認識アルゴリズムにより解析し、車両154の風切り音155を検知する。ステップS12において、音響信号処理部110は、検知された風切り音155について音源定位アルゴリズムを適用し、風切り音155の発生エリアを特定する。
音センサアレイ156から得られる収音データSDを解析することにより、鉛直方向に関して車両154の風切り音155の発生エリアを検知することができる。この発生エリアの上端の高さが車両154の車高に相当する。よって、車両154の風切り音155を含む収音データSDに基づいて、車高データD3を生成することができる。
ステップS13において、灯色制御部112は、車高データD3に基づいて、車両154の高さを車高しきい値と比較する。車高しきい値は、たとえば、車高限度Hmax、またはこれよりいくらか小さい車高値であり、車両154の高さが車高しきい値を超える場合、車両154の高さが車高限度Hmaxに達しているものと把握される。よって、灯色制御部112は、車両154の高さが車高しきい値より大きければ、第2街路灯の灯色を変更すべきと判定する。同時に、灯色制御部112は、第1街路灯の灯色を変更すべきと判定してもよい。灯色制御部112は、車両154の高さが車高しきい値より小さければ、第2街路灯の灯色を変更すべきでないと判定する。
その結果、車両154が高さ制限区間153に定められた車高限度Hmaxを超える車高を有する場合、第1区間151を走行する間に車高が測定され、第2区間152の街路灯101が警戒色で点灯する。
街路灯システム100によれば、高さ制限を満たさない車両154にそれを通知することができる。車両154は、高さ制限区間153に進入することを回避することができる。
図6を参照して説明した実施例は、以下のようにとらえることもできる。
街路灯システムは、
道路の第1区間に沿って設置された少なくとも1つの第1街路灯と、道路の第2区間に沿って設置された少なくとも1つの第2街路灯とを含み、第2区間は、通行できる車高限度が定められた高さ制限区間に第1区間を接続し、少なくとも第1街路灯が、互いに異なる高さに配置され、周囲から収音して収音データを生成する複数の音センサを有し、少なくとも第2街路灯が、少なくとも1つの警戒色を含む複数の灯色で点灯可能である、複数の街路灯と、
収音データを受け、収音データに基づいて走行車両が発生させる風切り音およびその発生位置を検出し、走行車両の高さを示す車高データを生成する音響信号処理部と、
車高データに基づいて、走行車両の高さが車高限度より高い場合に第2街路灯について警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号を生成する灯色制御部と、を備える。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る街路灯システムを示す模式図である。街路灯システム200は、実施の形態1の街路灯システム100の各構成要素に加えて、道路の近傍に設置された道路情報中継装置202をさらに備える。道路情報中継装置202は、道路状況データD2を受け、その道路状況が起きた道路区間を示す道路情報を生成し遠隔の道路情報管理装置204に送信する。たとえば、道路情報中継装置202は、交通事故位置データD1を受け、交通事故が起きた道路区間を示す道路情報を生成し遠隔の道路情報管理装置204に送信する。以下では簡単のために、道路情報中継装置202、道路情報管理装置204をそれぞれ、中継装置202、管理装置204と称する。
中継装置202は、街路灯101と管理装置204との間の通信を中継する。中継装置202は、通信機器208を有し、通信機器208は、無線または有線の通信回線206を介して管理装置204と通信可能であるとともに、街路灯101(たとえば図1に示される通信機器114)とも通信可能である。
街路灯101は、複数のグループに分けられ、グループごとにひとつの中継装置202が設けられている。個々のグループには、街路灯101だけでなく、近隣に設置された少なくとも1つの信号機210が含まれうる。中継装置202は、同じグループの街路灯101から情報を集約して管理装置204に送信する。また、中継装置202は、管理装置204からの制御信号またはその他の情報を受け、それをグループの街路灯101に送信する。管理装置204からの情報は信号機210にも送信されうる。
一例として中継装置202は、信号機210に設置されるがその限りでない。中継装置202は、いずれかの街路灯101に設置されてもよい。あるいは、中継装置202は、信号機210および街路灯101とは別体として道路の近傍に設置されてもよい。
複数の街路灯101および信号機210は、ひとつの地域内に設置されているのに対し、管理装置204は、遠隔地(たとえば交通局または警察)に設けられ、この地域を含む複数の地域にわたって街路灯101および信号機210を統合的に制御する。
図8は、実施の形態2に係る街路灯システムにおいて実行される音認識に基づく道路監視の一例を示すフローチャートである。
まず、中継装置202は街路灯101から情報を取得する(S20)。実施の形態1に係る街路灯システム100と同様にして、街路灯システム200は、位置データ(D1~D3)、警戒色点灯信号S1を生成する。位置データ(D1~D3)、警戒色点灯信号S1は、各街路灯101から中継装置202に送信される。
中継装置202は、同じグループに属する複数の街路灯101からの位置データ(D1~D3)、警戒色点灯信号S1を集約し、道路情報を生成して管理装置204に送る(S22)。道路情報は、たとえば、交通事故、渋滞、路面冠水、路面凍結など、注意すべき所定の道路状況が起きた道路区間を示す。こうして、中継装置202が属する地域の道路情報が管理装置204に送られる。
管理装置204は、道路情報に基づいて信号機210と街路灯101を制御する(S24)。管理装置204は、信号機210を制御する制御信号を生成し、中継装置202に送る。信号機210は、制御信号に応じて制御される。また、管理装置204から送られる制御信号は、中継装置202を介して街路灯101に送られる。よって、街路灯システム200も、管理装置204によって制御されることができる。
たとえば、警察による交通事故の処理が完了し走行の安全が確保されたとき、管理装置204は、警戒解除信号を中継装置202に送る。警戒解除信号は、中継装置202から各街路灯101の灯色制御部112に送られる。灯色制御部112は、警戒解除信号に応じて、灯具106に通常色での点灯を指示する。こうして、遠隔操作により街路灯システム200を通常の状態に復帰させることができる。複数の街路灯101の灯色を警戒色から通常色へとまとめて戻すことができるので、便利である。
管理装置204では、街路灯システム200から収集した各種の情報およびそれに基づく一連の作業履歴などの関連データを記録のために保管してもよい。保管されたデータには、地域で起こった交通事故の情報が含まれるので、交通資料として利用することができる。
実施の形態2に係る街路灯システム200によれば、実施の形態1に係る街路灯システム100と同様に、道路状況を灯色の変更によってドライバーに通知することができる。
また、街路灯システム200によれば、複数の街路灯101を用いた道路監視網が構築される。管理装置204は、監視により取得された道路情報に基づいて、道路状況を遠隔監視し、必要に応じて交通管制に利用することができる。
ところで、収音データSDは、交通事故による衝突音だけでなく、車両の走行音(たとえば、エンジンまたはモータの動作音、タイヤと路面の摩擦音など)も含みうる。そこで、音響信号処理部110は、収音データSDを受け、収音データSDに基づいて走行車両を示す目的音およびその発生位置を検出し、付近の交通量(走行台数、走行速度など)を示す交通量データを生成してもよい。中継装置202は、街路灯101から交通量データを集約し道路情報として管理装置204に送信してもよい。
本発明は、上述した実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、実施の形態及び変形例を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などのさらなる変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくはさらなる変形が加えられた実施の形態や変形例も本発明の範囲に含まれる。上述した実施の形態や変形例、及び上述した実施の形態や変形例と以下の変形との組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態、変形例及びさらなる変形それぞれの効果をあわせもつ。
街路灯101は、カメラを有してもよい。街路灯制御部104は、収音データSDおよびカメラで撮像した画像データに基づいて交通事故位置データD1、道路状況データD2、または車高データD3を生成してもよい。
街路灯101は、赤外線センサなどの車両検知センサを有してもよい。街路灯制御部104は、収音データSDおよび赤外線センサの検知結果に基づいて交通事故位置データD1、道路状況データD2、または車高データD3を生成してもよい。赤外線センサは、街路灯101の近くに停車した車両があるかを検知するために使用されてもよい。街路灯システム100は、隣接する複数の街路灯101に設けられた各赤外線センサが停車車両を検知する場合に、渋滞が発生していると判断し、ひとつの街路灯101に設けられた赤外線センサのみが停車車両を検知する場合に、故障車など1台の停車であると判断してもよい。
必要に応じて、街路灯101は、スピーカー、電光掲示板など、灯具106とは別の通知部を備えてもよい。街路灯制御部104は、位置データ(D1~D3)に基づいて警戒色点灯信号S1を生成するとともに、警戒情報をスピーカーから音声により出力し及び/または電光掲示板に表示するように動作してもよい。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
100 街路灯システム、 101 街路灯、 102 音センサ、 110 音響信号処理部、 112 灯色制御部、 151 第1区間、 152 第2区間、 153 高さ制限区間、 155 風切り音、 200 街路灯システム、 202 中継装置、 204 管理装置、 D1 交通事故位置データ、 D2 道路状況データ、 D3 車高データ、 SD 収音データ、 S1 警戒色点灯信号。

Claims (10)

  1. 車両が走行する道路に沿って設置され、少なくとも1つの警戒色を含む複数の灯色で点灯可能であり、それぞれが、周囲から収音して収音データを生成する音センサを有する複数の街路灯と、
    前記収音データを受け、前記収音データに基づいて交通事故を示す目的音およびその発生位置を検出し、交通事故位置データを生成する音響信号処理部と、
    前記交通事故位置データに基づいて、前記交通事故の発生位置付近の少なくとも1つの街路灯について前記警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号を生成する灯色制御部と、を備え
    前記交通事故の発生位置付近の前記少なくとも1つの街路灯に比べて前記交通事故の発生位置から離れている少なくとも1つの他の街路灯は、前記少なくとも1つの街路灯から送信される警戒色点灯信号に応答して前記警戒色で点灯することを特徴とする街路灯システム。
  2. 前記警戒色点灯信号は、前記警戒色での点滅を指示することを特徴とする請求項1に記載の街路灯システム。
  3. 前記街路灯は、複数の警戒色で点灯可能であり、
    前記灯色制御部は、前記交通事故位置データに基づいて、前記交通事故の発生位置付近の少なくとも2つの街路灯について前記交通事故の発生位置と街路灯との距離に応じて異なる警戒色での点灯を指示することを特徴とする請求項1または2に記載の街路灯システム。
  4. 前記道路の近傍に設置された道路情報中継装置をさらに備え、
    前記道路情報中継装置は、前記交通事故位置データを受け、前記交通事故が起きた道路区間を示す道路情報を生成し遠隔の道路情報管理装置に送信することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の街路灯システム。
  5. 車両が走行する道路に沿って設置され、少なくとも1つの警戒色を含む複数の灯色で点灯可能であり、それぞれが、周囲から収音して収音データを生成する音センサを有する複数の街路灯と、
    前記収音データを受け、前記収音データに基づいて街路灯周辺の道路状況を示す目的音およびその発生位置を検出し、前記道路状況の発生位置を示す道路状況データを生成する音響信号処理部と、
    前記道路状況データに基づいて、前記道路状況の発生位置付近の少なくとも1つの街路灯について前記警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号を生成する灯色制御部と、を備え
    前記道路状況の発生位置付近の前記少なくとも1つの街路灯に比べて前記道路状況の発生位置から離れている少なくとも1つの他の街路灯は、前記少なくとも1つの街路灯から送信される警戒色点灯信号に応答して前記警戒色で点灯することを特徴とする街路灯システム。
  6. 前記道路状況は、交通事故、渋滞、路面冠水、路面凍結の少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載の街路灯システム。
  7. 前記道路の近傍に設置された道路情報中継装置をさらに備え、
    前記道路情報中継装置は、前記道路状況データを受け、前記道路状況が起きた道路区間を示す道路情報を生成し遠隔の道路情報管理装置に送信することを特徴とする請求項5または6に記載の街路灯システム。
  8. 前記音響信号処理部は、前記収音データに基づいて走行車両が発生させる風切り音およびその発生位置を検出し、前記走行車両の高さを示す車高データを生成し、
    前記灯色制御部は、前記車高データに基づいて、前記走行車両の高さが車高しきい値より高い場合に前記走行車両付近の少なくとも1つの街路灯について前記警戒色点灯信号を生成することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の街路灯システム。
  9. 車両が走行する道路に沿って設置され、少なくとも1つの警戒色を含む複数の灯色で点灯可能であり、それぞれが、周囲から収音して収音データを生成する音センサを有する複数の街路灯と、
    前記収音データを受け、前記収音データに基づいて走行車両が発生させる風切り音およびその発生位置を検出し、前記走行車両の高さを示す車高データを生成する音響信号処理部と、
    前記車高データに基づいて、前記走行車両の高さが車高しきい値より高い場合に前記走行車両付近の少なくとも1つの街路灯について前記警戒色での点灯を指示する警戒色点灯信号を生成する灯色制御部と、を備えることを特徴とする街路灯システム。
  10. 前記道路は、第1区間と、通行できる車高限度が定められた高さ制限区間に前記第1区間を接続する第2区間とを含み、
    前記複数の街路灯は、前記第1区間に設置された第1街路灯と、前記第2区間に設置された第2街路灯とを含み、前記第1街路灯は、互いに異なる高さに配置された複数の音センサを有し、
    前記音響信号処理部は、前記第1街路灯の前記複数の音センサによって収音された収音データに基づいて前記走行車両が発生させる風切り音およびその発生位置を検出し、前記車高データを生成し、
    前記灯色制御部は、前記車高データに基づいて、前記走行車両の高さが前記車高限度より高い場合に前記第2街路灯について前記警戒色点灯信号を生成することを特徴とする請求項8または9に記載の街路灯システム。
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