JP7165493B2 - 保存安定性に優れたグルコースデヒドロゲナーゼ及び持続血糖測定 - Google Patents
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非特許文献3はMucor prainii由来のFAD-GDHを開示している。当該文献には、GOD(E.C. 1.1.3.4)がその高い熱安定性と高いグルコース選択性のため、アンペロメトリー用グルコースセンサーとして広く使用されてきたことが記載されている。
特許文献4はMucor hiemalis (MhGDH) 由来のGDHを開示している。
特許文献7はMucor subtilissimus由来のMsGDHを開示している。
特許文献8及び特許文献9は、それぞれ、M. prainii由来のGDHを開示している。
[1] FAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD-GDH)変異体であって、
i) 配列番号1で示されるアミノ酸配列、
ii) 配列番号1で示されるアミノ酸配列において、196位、228位、600位、267位、276位、55位、230位、235位、239位、435位、587位、588位、及び591位以外の位置で1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列、
iii) 配列番号1、3、6若しくは40で示されるアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は
iv) 配列番号1、3、若しくは6で示されるアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を有し、かつ、相同性領域のアミノ酸配列が配列番号1で示されるアミノ酸配列における相同性領域と90%以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
配列番号1のアミノ酸配列における196位、228位、600位、267位、276位、55位、230位、235位、239位、435位、587位、588位、及び/又は591位に対応する位置に1以上のアミノ酸置換を有し、当該置換を有しない未改変のFAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼと比較して、保存安定性が向上しているFAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼ変異体。
[2] FAD-GDHにおいて、
配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、メチオニン、アラニン、若しくはアルギニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン、ヒスチジン、セリン、グルタミン、若しくはシステインに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における600位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン若しくはトリプトファンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における267位に対応する位置のアミノ酸がアルギニン、ヒスチジン若しくはグルタミンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における276位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、ロイシン、バリン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、トリプトファン若しくはチロシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における55位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、セリン、トレオニン、グルタミン若しくはシステインに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミン、セリン、トレオニン、アスパラギン、アルギニン、リシン、若しくはヒスチジンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニン、セリン若しくはグリシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニン、セリン若しくはグリシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における435位に対応する位置のアミノ酸がセリン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における587位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン酸若しくはグルタミン酸に置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における588位に対応する位置のアミノ酸がセリン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンに置換されている、及び/又は
配列番号1のアミノ酸配列における591位に対応する位置のアミノ酸がリシン、アルギニン若しくはヒスチジンに置換されている、
FAD-GDH変異体であって、当該置換を有しない未改変のFAD-GDHと比較して、保存安定性が向上している、1に記載のFAD-GDH変異体。
[3] FAD-GDHにおいて、
配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、メチオニン、若しくはアラニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン、若しくはヒスチジンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における600位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における267位に対応する位置のアミノ酸がアルギニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における276位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における55位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における435位に対応する位置のアミノ酸がセリンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における587位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン酸に置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における588位に対応する位置のアミノ酸がセリンに置換されている、及び/又は
配列番号1のアミノ酸配列における591位に対応する位置のアミノ酸がリシンに置換されている、
FAD-GDH変異体であって、当該置換を有しない未改変のFAD-GDHと比較して、保存安定性が向上している、1又は2に記載のFAD-GDH変異体。
[4] さらに、
配列番号1のアミノ酸配列における192位に対応する位置のアミノ酸がプロリンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における212位に対応する位置のアミノ酸がロイシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における218位に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における226位に対応する位置のアミノ酸がトレオニンに置換されている、及び/又は
配列番号1のアミノ酸配列における232位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている、
1~3のいずれかに記載のFAD-GDH変異体。
[5]
i)配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン若しくはアスパラギンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン若しくはヒスチジンに置換されている変異体、
ii)配列番号1のアミノ酸配列における192位に対応する位置のアミノ酸がプロリンに置換され、かつ、配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン若しくはアスパラギンに置換されている変異体、
iii) 配列番号1のアミノ酸配列における226位に対応する位置のアミノ酸がトレオニンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン若しくはヒスチジンに置換されている変異体、
iv) 配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における232位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている変異体、
v)配列番号1のアミノ酸配列における192位に対応する位置のアミノ酸がプロリンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における212位に対応する位置のアミノ酸がロイシンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における218位に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における226位に対応する位置のアミノ酸がトレオニンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギンに置換されている192P/196N/212L/218H/226T/228N変異体、
vi) 前記v)の変異体において、さらに、配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における232位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている192P/196N/212L/218H/226T/228N/230Q/232A/235A/239A変異体、及び
vii) 前記vi)の変異体において、さらに配列番号40のアミノ酸配列を有するM3変異体、
からなる群より選択され、当該置換を有しないFAD-GDHと比較して、保存安定性が向上している、1~4のいずれか1項に記載のFAD-GDH変異体。
[6] 加温前の未置換のFAD-GDHの酵素活性を100%としたときの、20-40℃でpH 7.4にて加温した未置換のFAD-GDHの残存活性(%)と、加温前のFAD-GDH変異体の酵素活性を100%としたときの、20-40℃でpH 7.4にて加温したFAD-GDH変異体の残存活性(%)とを比較して、
(a)1週間加温した後の残存活性(%)が1%以上向上している、
(b)2週間加温した後の残存活性(%)が3%以上向上している、
(c)3週間加温した後の残存活性(%)が3%以上向上している、又は
(d)4日間加温した後の残存活性(%)が1%以上向上している、
1~5のいずれかに記載のFAD-GDH変異体。
[7] 1~6のいずれかに記載のFAD-GDH変異体をコードするFAD-GDH遺伝子。
[8] 7に記載のFAD-GDH遺伝子を含むベクター。
[9] 8に記載のベクターが導入されている宿主細胞。
[10] 以下の工程を含むFAD-GDHを製造する方法:
9に記載の宿主細胞を培養する工程、
前記宿主細胞中に含まれるFAD-GDH遺伝子を発現させる工程、及び
前記培養物からFAD-GDHを単離する工程。
[11] 1~6のいずれかに記載のFAD-GDH変異体を含むグルコースアッセイキット。
[12] 1~6のいずれかに記載のFAD-GDH変異体を含むグルコースセンサー。
[13] 12に記載のグルコースセンサーを有する持続血糖測定デバイス。
[14] 1~6のいずれかに記載のFAD-GDH変異体、11に記載のキット、12に記載のセンサー、又は13に記載のデバイスを用いるグルコース測定方法。
[15] 20~40℃で、1日~2週間の連続測定を行う、14に記載の方法。
本発明のFAD-GDHは、電子受容体存在下でグルコースの水酸基を酸化してグルコノ-δ-ラクトンを生成する反応を触媒する。
→ D-グルコノ-δ-ラクトン + PMS(還元型)
(反応2) PMS(還元型) + DCIP(酸化型)
→ PMS(酸化型) + DCIP(還元型)
本発明のFAD-GDH変異体は、配列番号1、3、6若しくは40で示されるアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列と同一性の高い、例えば70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%以上同一なアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列において1もしくは数個(例えば15個、14個、13個、12個、11個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個又は2個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、配列番号1記載のアミノ酸配列における55位、192位、196位、212位、218位、226位、228位、230位、232位、235位、239位、267位、276位、435位、587位、588位、591位及び/又は600位から選択されるアミノ酸に対応する位置で、1つ又はそれ以上、例えば1~18、例えば2~12のアミノ酸置換を有するものであり得る。
ある実施形態において、本発明の変異体はS192Pでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はS196N、S196Y、S196F若しくはS196Kでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はI212Lでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はA218Hでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はI226Tでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はD228N、D228T若しくはD228Hでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はE435Sでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はS587Dでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はP588Sでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はM591Kでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体はV600Iでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体は267Rでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体は276Iでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体は230Qでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体は232Aでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体は235Aでありうる又は該変異を有しうる。
ある実施形態において、本発明の変異体は239Aでありうる又は該変異を有しうる。
これらの場合において、位置はいずれも配列番号1の位置に対応する当該GDH中の位置を意味する。
本発明の変異体は表3-2又は3-6に記載の位置に変異を有する二重変異体であり得る。
本発明の変異体は表3-3~3-5又は3-7に記載の位置に変異を有する三重変異体であり得る。
本発明の変異体は表3-8に記載の位置に変異を有する四重変異体であり得る。
本発明の変異体は、上記表に記載の変異を組み合わせた四重~十二重変異体又は四重~18重変異体であり得る。これらの変異体の各位置に関し、置換アミノ酸は表1に記載のものであり得る。
196N/228N、196N/228T、196N/228H、196Q/228N、196Q/228T、196Q/228H、
196A/228N、196A/228T、196A/228H、196F/228N、196F/228T、196F/228H、
196H/228N、196H/228T、196H/228H、196K/228N、196K/228T、196K/228H、
196M/228N、196M/228T、196M/228H、196Y/228N、196Y/228T、196Y/228H、
196N/600I、196Q/600I、196A/600I、196F/600I、196H/600I、196K/600I、196M/600I、196Y/600I、
196N/267R、196Q/267R、196A/267R、196F/267R、196H/267R、196K/267R、196M/267R、196Y/267R、
196N/276I、196Q/276I、196A/276I、196F/276I、196H/276I、196K/276I、196M/276I、196Y/276I、
196N/55N、196Q/55N、196A/55N、196F/55N、196H/55N、196K/55N、196M/55N、196Y/55N、
228N/600I、228T/600I、228H/600I、
228N/267R、228T/267R、228H/267R、
228N/276I、228T/276I、228H/276I、
228N/55N、228T/55N、228H/55N、
E230Q/V232A/V235A/T239A/55N、E230Q/V232A/V235A/T239A/S192P、E230Q/V232A/V235A/T239A/S196N、E230Q/V232A/V235A/T239A/I212L、E230Q/V232A/V235A/T239A/A218H、E230Q/V232A/V235A/T239A/I226T、E230Q/V232A/V235A/T239A/D228N、E230Q/V232A/V235A/T239A/435S、E230Q/V232A/V235A/T239A/S587D、E230Q/V232A/V235A/T239A/S588S、E230Q/V232A/V235A/T239A/M591K、E230Q/V232A/V235A/T239A/V600I、
S192P/S196N、
S192P/S196N/E230Q/V232A/V235A/T239A、
I212L/A218H、
I212L/A218H/E230Q/V232A/V235A/T239A、
I226T/D228N、
I226T/D228N/E230Q/V232A/V235A/T239A、
I212L/A218H/I226T、
I212L/A218H/I226T/E230Q/V232A/V235A/T239A、
S192P/I212L/A218H/I226T、
S192P/I212L/A218H/I226T/E230Q/V232A/V235A/T239A、
S192P/S196N/I212L/A218H、
S192P/S196N/I212L/A218H/E230Q/V232A/V235A/T239A、
S192P/S196N/I226T/D228N、
S192P/S196N/I226T/D228N/E230Q/V232A/V235A/T239A、
I212L/A218H/I226T/D228N、
I212L/A218H/I226T/D228N/E230Q/V232A/V235A/T239A、
S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N、
S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N/E230Q/V232A/V235A/T239A、
D55N/S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N、
D55N/S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N/435S、
D55N/S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N/435S/S587D、
D55N/S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N/435S/S587D/P588S、
D55N/S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N/435S/S587D/P588S/M591K、
D55N/S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N/435S/S587D/P588S/M591K/V600I、又は
D55N/S192P/S196N/I212L/A218H/I226T/D228N/E230Q/V232A/V235A/T239A/435S/S587D/P588S/M591K/V600I
の変異を有し得る。これらの場合において、位置はいずれも配列番号1の位置に対応する当該GDH中の位置を意味する。
アミノ酸配列の同一性又は類似性は、GENETYX Ver.11(ゼネティックス社製)のマキシマムマッチングやサーチホモロジー等のプログラムまたはDNASIS Pro(日立ソリューションズ社製)のマキシマムマッチングやマルチプルアライメント等のプログラムにより計算することができる。アミノ酸配列同一性を計算するために、2以上のGDHをアライメントしたときに、該2以上のGDHにおいて同一であるアミノ酸の位置を調べることができる。こうした情報を基に、アミノ酸配列中の同一領域を決定できる。
従来のGODやFAD-GDH、さらには本発明のFAD-GDH変異体の保存安定性は、本明細書中に記載の活性測定方法及び保存安定性測定方法に記載した条件において評価される。アミノ酸置換の前後でのGDHの保存安定性を比較することにより、当該置換による保存安定性の向上を評価することができる。保存安定性は、保存安定性試験における初期活性及び所定期間経過後の残存活性から決定する。初期活性と残存活性の比を計算するために、酵素活性は、初期状態及び加温後において同じ条件で測定する。試験の初期状態における活性を100%とし、例えば20-40℃の周囲温度で所定期間、例えば1日~3週間にわたりGDHを加温し、その後の残存活性を測定する。ある実施形態において、保存試験の溶液のpHは6.9~7.4、例えば7.4である。これは血液のpHが中性付近であるためである。pHはPBSのようなリン酸緩衝液などの慣用のバッファーにより調整しうるが、緩衝剤や緩衝液はこれに限らない。
(a) 20-40℃、例えば40℃で、1週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、60%以上、例えば65%以上、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%以上のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
(b) 20-40℃、例えば40℃で、2週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、40%以上、例えば45%以上、50%以上、55%以上、例えば60%以上、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
(c) 20-40℃、例えば40℃で、3週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、30%以上、例えば35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、例えば60%、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、または
(d) 20-40℃、例えば40℃で、4日間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、60%、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、例えば80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
保存安定性(長期安定性)を有し得る。
(a) 20-40℃、例えば25℃で、1週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、40%以上、50%以上、60%以上、例えば65%以上、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%以上のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
(b) 20-40℃、例えば25℃で、2週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、40%以上、50%以上、40%以上、例えば45%以上、50%以上、55%以上、例えば60%以上、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
(c) 20-40℃、例えば25℃で、3週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、40%以上、50%以上、30%以上、例えば35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、例えば60%、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、または
(d) 20-40℃、例えば25℃で、4日間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、40%以上、50%以上、60%、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、例えば80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
保存安定性(長期安定性)を有し得る。
(a) 20-40℃、例えば20℃で、1週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、60%以上、例えば65%以上、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%以上のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
(b) 20-40℃、例えば20℃で、2週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、40%以上、例えば45%以上、50%以上、55%以上、例えば60%以上、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
(c) 20-40℃、例えば20℃で、3週間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、30%以上、例えば35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、例えば60%、70%以上、75%以上、例えば80%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、または
(d) 20-40℃、例えば20℃で、4日間にわたり加温した場合に、初期活性100%のうち、60%、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、例えば80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、例えば95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、例えば99%のデヒドロゲナーゼ活性が保持される、
保存安定性(長期安定性)を有し得る。
加温前の未置換のFAD-GDHの酵素活性を100%としたときの、20-40℃でpH 7.4にて加温した未置換のFAD-GDHの残存活性(%)と、加温前のFAD-GDH変異体の酵素活性を100%としたときの、20-40℃でpH 7.4にて加温したFAD-GDH変異体の残存活性(%)とを比較して、
(a)1週間加温した後の残存活性(%)が1%以上、1.5%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、例えば55%以上、向上している、
(b)2週間加温した後の残存活性(%)が1%以上、1.5%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、例えば30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、例えば55%以上、向上している、
(c)3週間加温した後の残存活性(%)が1%以上、1.5%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、例えば30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、例えば55%以上、向上している、又は
(d)4日間加温した後の残存活性(%)が1%以上、1.5%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、例えば30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、例えば55%以上、向上している。このような残存活性の向上を本明細書において保存安定性(長期安定性)の向上ということがある。例えば40℃で7日間加温した未改変のFAD-GDHの残存活性が63.9%であり、同じ条件で加温した本発明の変異を有するFAD-GDH変異体の残存活性が73.9%である場合、本発明のFAD-GDH変異体は保存安定性が10%向上している。このような変異体は本発明に包含される。このような変異体は持続血糖測定に用いることができる。ある変異がもたらす保存安定性の向上が1%程度であっても、未変異のGDHと比較してそれだけ保存安定性が向上していれば、連続グルコース測定に適したGDHが取得され、本発明の課題は解決されたということができる。また、ある変異がもたらす保存安定性の向上が1%程度であっても、例えばそのような変異を複数組み合わせることで、より保存安定性の高いGDHを作製しうる。また、そのような変異を、他の酵素特性を変化させる変異と組み合わせることもできる。組み合わせに使用可能な種々の単変異の群により、タンパク質工学上の選択肢が広がる。
本発明のFAD-GDHを効率よく取得するためには、遺伝子工学的手法を利用するのが好ましい。本発明のFAD-GDHをコードする遺伝子(以下、FAD-GDH遺伝子)を取得するには、通常一般的に用いられている遺伝子のクローニング方法を用いればよい。例えば、公知のFAD-GDHを出発物質とし、それを改変することにより本発明のFAD-GDHを取得するには、FAD-GDH生産能を有する公知の微生物菌体や種々の細胞から、常法、例えば、Current Protocols in Molecular Biology (WILEY Interscience,1989)記載の方法により、染色体DNA又はmRNAを抽出することができる。さらにmRNAを鋳型としてcDNAを合成することができる。このようにして得られた染色体DNA又はcDNAを用いて、染色体DNA又はcDNAのライブラリーを作製することができる。
本発明のFAD-GDHは、公知のFAD-GDHを改変することにより取得することもできる。公知のFAD-GDHの由来微生物の好適な例としては、ケカビ亜門、好ましくはケカビ綱、より好ましくはケカビ目、さらに好ましくはケカビ科に分類される微生物を挙げることができる。具体的には、ムコール(Mucor)属、アブシジア(Absidia)属、アクチノムコール(Actinomucor)属、シルシネラ(Circinella)属由来のFAD-GDH等が挙げられる。
上述のように得られた本発明のFAD-GDH遺伝子を、常法により、バクテリオファージ、コスミド、又は原核細胞若しくは真核細胞の形質転換に用いられるプラスミド等のベクターに組み込み、各々のベクターに対応する宿主細胞を常法により、形質転換又は形質導入をすることができる。
GDHはさらに、機能性GDH変異体を取得するためにハイスループットスクリーニングに供することができる。例えば変異導入したGDH遺伝子を有する形質転換又は形質導入株のライブラリーを作製し、これをマイクロタイタープレートに基づくハイスループットスクリーニングに供してもよく、又は液滴型マイクロ流体に基づく超ハイスループットスクリーニングに供してもよい。例としてはバリアントをコードする変異遺伝子のコンビナトリアルライブラリーを構築し、次いでファージディスプレイ(例えばChem. Rev. 105 (11): 4056-72, 2005)、イーストディスプレイ(例えばComb Chem High Throughput Screen. 2008;11(2): 127-34)、バクテリアルディスプレイ(例えばCurr Opin Struct Biol 17: 474-80, 2007)等を用いて、変異GDHの大きな集団をスクリーニングする方法が挙げられる。またAgresti et al, "Ultrahigh-throughput screening in drop-based microfluidics for directed evolution" Proceedings of the National Academy of Sciences 107 (9): 4004-4009 (Mar, 2010)を参照のこと。GDHバリアントのスクリーニングに使用しうる超ハイスループットスクリーニング手法についての同文献の記載を参照により本明細書に組み入れる。例えばエラープローンPCR法によりライブラリーを構築することができる。また飽和突然変異誘発を用いて、本明細書に記載の領域や位置又はそれらに対応する領域や位置を標的として変異導入しライブラリーを構築してもよい。ライブラリーを用いて電気コンピテントEBY-100細胞等の適当な細胞を形質転換し、約10の7乗の変異体を取得しうる。該ライブラリーで形質転換した酵母細胞を次いでセルソーティングに供しうる。標準ソフトリトグラフィー法を用いて作製したポリジメトキシルシロキサン(PDMS)マイクロ流体デバイスを用いてもよい。フローフォーカスデバイスを用いて単分散の液滴を形成することができる。個別の変異体を含有する形成された液滴を適当なソーティングデバイスに供しうる。細胞を選別する際にはGDH活性の有無を利用しうる。これには例えば上記のGDHが作用すれば発色する組成とした反応液を用いてもよい。例えばDCIPを用いる場合は、96ウェルプレート、192ウェルプレート、384ウェルプレート、9600ウェルプレート等及びプレートリーダーを用いて600nmの吸光度を測定してもよい。変異導入と選別は複数回反復してもよい。
本発明のFAD-GDH変異体は、上述のように取得した本発明のFAD-GDHを生産する宿主細胞を培養し、前記宿主細胞中に含まれるFAD-GDH遺伝子を発現させ、次いで、前記培養物からFAD-GDH変異体を単離することにより製造すればよい。
本発明はまた、本発明のFAD-GDH変異体を含むグルコースアッセイキットを提供する。本発明のFAD-GDHを用いて血中のグルコース(血糖値)を測定することができる。
本発明はまた、本発明のFAD-GDH変異体を用いるグルコースセンサーを開示する。ある実施形態においてグルコースセンサーは、本発明のFAD-GDH変異体を含む作用電極、参照電極及び対極を有する。作用電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明のFAD-GDHを固定化する。さらに、又はこれとは別に、作用電極上に電子メディエーターを固定化してもよい。対極は白金電極やPt/C等の慣用の電極でありうる。参照電極はAg/AgCl電極などの慣用の電極でありうる。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどがあり、あるいはフェロセンあるいはその誘導体に代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて本発明のFAD-GDHをカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングする。本発明のFAD-GDH変異体は、保護膜により保護してグルコースセンサーに用いることができる。保護膜としては、センサーに使用されている酵素を保護するための既知の保護膜や一般的な保護膜を使用しうる。
[Os有機分子複合体]-[ポリマー]
錯体を形成する有機分子の1つは、場合により、リンカーを介してポリマーに結合されてもよい。したがって、別の実施形態では、オスミウム錯体は以下の通りであり得る:
[Os有機分子複合体]-[リンカー]-[ポリマー]
例示的な分子は、Oharaら、Anal Chem. 1993 Dec 1; 65(23):3512-7及びAntiochiaら、Materials Sciences and Applications Vol. 4 No.7 A2(2013)(両方とも参考として全内容を本明細書に組み入れる)にある。オスミウム錯体を含むポリマーの例には、ポリ(1-ビニルイミダゾール)で錯体化されたオスミウムビス(2,2'-ビピリジン)クロライド、ポリ(4-ビニルピリジン)錯体化オスミウムビス(2,2'-ビピリジン)クロライド、ポリ(1-ビニルイミダゾール)n-[オスミウム(4,4'-ジメチル-2,2'-ビピリジル)2Cl2]2+/+およびそれらの誘導体が挙げられる。
大まかに説明すると、まずMucor属由来GDH(MpGDH、配列番号1)にN66Y/N68G/C88A/Q233R/T387C/E554D/L557V/S559Kの各変異を導入した改変GDH(MpGDH-M1)をコードする遺伝子を取得した。MpGDH-M1のアミノ酸配列は配列番号10に示し、その遺伝子の塩基配列は配列番号11に示す。プラスミド酵母発現プラスミドpYES2/CTのマルチクローニングサイトに対象遺伝子であるMpGDH-M1遺伝子を常法により挿入させたDNAコンストラクトを作製した。pYES2/CTのマルチクローニングサイトにあるIn-Fusion Cloning Siteにて、MpGDH-M1遺伝子を、上記したIn-Fusion HD Cloning Kitを使用して、キットに添付されたプロトコールに従って連結して、コンストラクト用プラスミド(pYES2/CT-MpGDH-M1)を得た。
次いで、配列番号20-37及び42-49の合成オリゴヌクレオチド、KOD-Plus-(東洋紡社製)を用い、上記と同様の条件でPCR反応を行い、部位特異的変異を導入した。
酵母形質転換体Sc-M2、および、各種の酵母形質転換体Sc-M2-S192P/S196N等を、各々、5mLの前培養用液体培地[0.67%(w/v)アミノ酸不含有イーストニトロゲンベース(BD)、0.192%(w/v)ウラシル不含有酵母合成ドロップアウト培地用添加物(sigma社製)、2.0%(w/v)ラフィノース]中で、30℃にて24時間培養した。その後、前培養液1mLを4mLの本培養用液体培地[0.67%(w/v)アミノ酸不含有イーストニトロゲンベース、0.192%(w/v)ウラシル不含有酵母合成ドロップアウト培地用添加物、2.5%(w/v)D-ガラクトース、0.75%(w/v)ラフィノース]に加えて、30℃で16時間培養する。この培養液を遠心分離(10,000×g、4℃、3分間)により菌体と培養上清に分離し、培養上清液を回収した。この培養上清液3mlをアミコンウルトラ 0.5mlにより50μlまで濃縮し、1×PBS溶液に置換した。これらを試験サンプルとして用いた。なお、国際公開第2010/140431号に記載の手順と同様の手法で麹菌Aspergillus sojaeにより発現させ、精製したGDH-M2と、酵母で発現させた透析後の粗酵素GDH-M2とで、保存安定性が変わらなかったことを確認した。
次に、作製した変異体をpH 7.4のPBS溶液(2ml)中で40℃にて、所定の期間加温した。次いで所定期間経過後の残存活性を測定した。
保存安定性試験の結果を表に示す。
特開2017-000137号公報において、MpGDHと78%の同一性を有する、配列番号6のMucor guilliermondii由来のGDH(以下、MgGDH)の配列情報が公開されている。そこで、実施例3で見出したアミノ酸置換をMgGDHに対して導入することで、同様に保存安定性が向上するかどうかを以下のように検証することにした。
特開2013-116102号公報において、MpGDHと78%の同一性を有する、配列番号3のMucor hiemalis由来のGDH(以下、MhGDH)の配列情報が公開されている。そこで、実施例3で見出したアミノ酸置換をMhGDHに対して導入することで、同様に保存安定性が向上するかどうかを以下のように検証することにした。
配列番号1 Mucor prainii GDH(MpGDH) aa
配列番号2 MpGDH遺伝子 DNA
配列番号3 Mucor hiemalis GDH(MhGDH) aa
配列番号4 Mucor RD056860 GDH(MrdGDH) aa
配列番号5 Mucor subtilissimus GDH(MsGDH) aa
配列番号6 Mucor guilliermondii GDH(MgGDH) aa
配列番号7 Circinella simplex GDH(CsGDH) aa
配列番号8 Circinella属 GDH(CrGDH) aa
配列番号9 Mucor circinelloides GDH(McGDH) aa
配列番号10 MpGDH-M1 GDH aa
配列番号11 MpGDH-M1 遺伝子DNA
配列番号12 MpGDH-M1/A175C/N214C/G466D aa (M2)
配列番号13 MpGDH-M2遺伝子DNA
配列番号14-37 プライマー
配列番号38 MhGDH遺伝子 DNA
配列番号39 MgGDH遺伝子 DNA
配列番号40 MpGDH-M3 aa
配列番号41 MpGDH-M3遺伝子DNA
配列番号42-78 プライマー
Claims (14)
- FAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD-GDH)変異体であって、
変異前のFAD-GDHが、
i) 配列番号1で示されるアミノ酸配列、
ii) 配列番号1で示されるアミノ酸配列において、196位、228位、600位、267位、276位、55位、230位、235位、239位、435位、587位、588位、及び591位以外の位置で1~15のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列、又は
iii) 配列番号1、3、6、12若しくは40で示されるアミノ酸配列と90%以上の全長アミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
前記FAD-GDH変異体が、配列番号1のアミノ酸配列における196位、228位、600位、267位、276位、55位、230位、235位、239位、435位、587位、588位、及び/又は591位に対応する位置に1以上のアミノ酸置換を有し、
該1以上のアミノ酸置換が、
配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、メチオニン、アラニン、若しくはアルギニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン、ヒスチジン、セリン、グルタミン、若しくはシステインに置換されている、配列番号1のアミノ酸配列における600位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン若しくはトリプトファンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における267位に対応する位置のアミノ酸がアルギニン、ヒスチジン若しくはグルタミンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における276位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、ロイシン、バリン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、トリプトファン若しくはチロシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における55位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、セリン、トレオニン、グルタミン若しくはシステインに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミン、セリン、トレオニン、アスパラギン、アルギニン、リシン、若しくはヒスチジンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニン、セリン若しくはグリシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニン、セリン若しくはグリシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における435位に対応する位置のアミノ酸がセリン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における587位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン酸若しくはグルタミン酸に置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における588位に対応する位置のアミノ酸がセリン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンに置換されている、又は
配列番号1のアミノ酸配列における591位に対応する位置のアミノ酸がリシン、アルギニン若しくはヒスチジンに置換されている、
からなる群より選択されるアミノ酸置換であり、
当該置換を有しない変異前のFAD-GDHと比較して、保存安定性が向上しており、加温前の変異前FAD-GDHの酵素活性を100%としたときの、20-40℃でpH 7.4にて加温した変異前FAD-GDHの残存活性(%)と、加温前のFAD-GDH変異体の酵素活性を100%としたときの、20-40℃でpH 7.4にて加温したFAD-GDH変異体の残存活性(%)とを比較して、
(a)1週間加温した後の残存活性(%)が1%以上向上している、
(b)2週間加温した後の残存活性(%)が3%以上向上している、
(c)3週間加温した後の残存活性(%)が3%以上向上している、又は
(d)4日間加温した後の残存活性(%)が1%以上向上している、
FAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼ変異体。 - FAD-GDHにおいて、
配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、メチオニン、若しくはアラニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン、若しくはヒスチジンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における600位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における267位に対応する位置のアミノ酸がアルギニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における276位に対応する位置のアミノ酸がイソロイシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における55位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における435位に対応する位置のアミノ酸がセリンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における587位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン酸に置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における588位に対応する位置のアミノ酸がセリンに置換されている、及び/又は
配列番号1のアミノ酸配列における591位に対応する位置のアミノ酸がリシンに置換されている、
FAD-GDH変異体であって、当該置換を有しない変異前のFAD-GDHと比較して、保存安定性が向上している、請求項1に記載のFAD-GDH変異体。 - さらに、
配列番号1のアミノ酸配列における192位に対応する位置のアミノ酸がプロリンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における212位に対応する位置のアミノ酸がロイシンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における218位に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンに置換されている、
配列番号1のアミノ酸配列における226位に対応する位置のアミノ酸がトレオニンに置換されている、及び/又は
配列番号1のアミノ酸配列における232位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている、
請求項1又は2に記載のFAD-GDH変異体。 - i)配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン若しくはアスパラギンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン若しくはヒスチジンに置換されている変異体、
ii)配列番号1のアミノ酸配列における192位に対応する位置のアミノ酸がプロリンに置換され、かつ、配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がチロシン、フェニルアラニン、リシン若しくはアスパラギンに置換されている変異体、iii) 配列番号1のアミノ酸配列における226位に対応する位置のアミノ酸がトレオニンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギン、トレオニン若しくはヒスチジンに置換されている変異体、
iv) 配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における232位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている変異体、
v)配列番号1のアミノ酸配列における192位に対応する位置のアミノ酸がプロリンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における196位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における212位に対応する位置のアミノ酸がロイシンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における218位に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における226位に対応する位置のアミノ酸がトレオニンに置換され、かつ配列番号1のアミノ酸配列における228位に対応する位置のアミノ酸がアスパラギンに置換されている192P/196N/212L/218H/226T/228N変異体、
vi) 前記v)の変異体において、さらに、配列番号1のアミノ酸配列における230位に対応する位置のアミノ酸がグルタミンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における232位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における235位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換され、配列番号1のアミノ酸配列における239位に対応する位置のアミノ酸がアラニンに置換されている192P/196N/212L/218H/226T/228N/230Q/232A/235A/239A変異体、及び
vii) 前記vi)の変異体において、変異前のFAD-GDHが配列番号40のアミノ酸配列を有するFAD-GDHであり、変異後のFAD-GDHがv)及びvi)に記載のアミノ酸置換を有する変異体、からなる群より選択され、当該置換を有しない変異前のFAD-GDHと比較して、保存安定性が向上している、請求項1~3のいずれか1項に記載のFAD-GDH変異体。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のFAD-GDH変異体をコードするFAD-GDH遺伝子。
- 請求項5に記載のFAD-GDH遺伝子を含むベクター。
- 請求項6に記載のベクターが導入されている宿主細胞。
- 以下の工程を含むFAD-GDHを製造する方法:
請求項7に記載の宿主細胞を培養する工程、
前記宿主細胞中に含まれるFAD-GDH遺伝子を発現させる工程、及び
前記培養物からFAD-GDHを単離する工程。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のFAD-GDH変異体を含むグルコースアッセイキット。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のFAD-GDH変異体を含むグルコースセンサー。
- 請求項10に記載のグルコースセンサーを有する持続血糖測定デバイス。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のFAD-GDH変異体を含む電極。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のFAD-GDH変異体、請求項9に記載のキット、請求項10に記載のセンサー、若しくは請求項11に記載のデバイス又は請求項12に記載の電極を用いるグルコース測定方法。
- 20~40℃で、1日~2週間の連続測定を行う、請求項13に記載の方法。
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