JP7165177B2 - プリプラ式射出成形機の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリュを内蔵する可塑化装置とプランジャを内蔵する射出装置を分離して構成したプリプラ式射出成形機の成形方法に関する。
従来、可塑化装置に内蔵したスクリュを回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂を供給路を通して射出装置に供給する可塑化工程と、この可塑化工程後、前記供給路を閉じ、射出装置に内蔵したプランジャを前進させることにより供給された樹脂を射出ノズルから金型に射出充填する射出工程と、を少なくとも備えるプリプラ式射出成形機の成形方法としては、例えば、特許文献1に開示されるプリプラ式射出成形機の制御方法に用いる成形方法及び特許文献2に開示されるプリプラ式射出成形機の逆流防止方法に用いる成形方法が知られている。
特許文献1のプリプラ式射出成形機の制御方法は、可塑化シリンダに内蔵するスクリュを回転させて成形材料を可塑化溶融するとともに、溶融した樹脂を開状態の逆流防止弁を通して射出シリンダにチャージし、この射出シリンダに内蔵するプランジャを後退させて計量を行うものであり、特に、計量時に、プランジャが予め設定した計量終了位置に達したなら、スクリュの回転を停止させるとともに、予めスクリュの回転量及び回転速度により設定した制御条件により逆回転させ、この後、可塑化シリンダと射出シリンダ間に配設した逆流防止弁を閉状態にするようにしたものである。また、特許文献2のプリプラ式射出成形機の逆流防止方法は、プランジャを内装した射出シリンダと、先端に逆流防止弁を備えた可塑化用のスクリュを回転かつ進退自在に内装した可塑化シリンダとを、先端部にわたり設けた樹脂路により連通して並設し、その可塑化シリンダの後部にスクリュ移動手段と回転用のモータとを設け、そのスクリュ移動手段によるスクリュの進退移動により、逆流防止弁を開閉作動するプリプラ式射出成形機であって、特に、プランジャがスクリュの回転による材料チャージにより後退し、その後退位置が計量終了位置の直前に達したときに、スクリュの回転速度を低速に切換え、しかるのち開弁時よりも低圧で後退移動して閉弁してから、スクリュ回転を停止して、計量終了後における樹脂の可塑化シリンダ側への逆流を防止するようにしたものである。
特開2004-255588号公報 特開平11-207794号公報
しかし、上述した従来におけるプリプラ式射出成形機の成形方法は、次のような解決すべき課題も残されていた。
即ち、プリプラ式射出成形機の場合、可塑化装置から供給される樹脂(溶融樹脂)が射出装置の射出シリンダ内に蓄積される可塑化工程では、最初にプランジャの手前に蓄積され、その後、順次前方(射出ノズル側)へ積層されるように蓄積される。一方、射出工程では、プランジャを前進移動させることにより、溶融樹脂を金型内に射出充填するが、この射出工程に続く保圧工程において金型内の樹脂に対して所定の保圧力を付与する必要があるため、通常、前進移動させるプランジャは、最前端位置よりも手前で停止させることにより、射出シリンダに所定量の樹脂を残留させている。
この場合、射出シリンダ内のプランジャは、スクリュのような回転は行わないとともに、前進移動と後退移動の反復的な繰り返し動作になるため、射出シリンダ内に残留した樹脂の一部はそのまま長時間にわたり滞留状態になりやすい。この結果、残留した樹脂は、徐々に変色や炭化等の劣化を来すことになり、成形品に混入した場合には、成形品の品質及び均質性の低下を招きやすい。また、この問題に対処する必要があることから、通常、定期的なメンテナンスにより射出シリンダ内のクリーニングを行う必要があり、生産時における、作業工数及び作業労力の増加、更には、これに伴う生産能率(生産効率)の低下を来す難点があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したプリプラ式射出成形機の成形方法の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、可塑化装置Mpに内蔵したスクリュ2を回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂Rを供給路4を通して射出装置Miに供給する可塑化工程(S8)と、この可塑化工程(S8)後、供給路4を閉じ、射出装置Miに内蔵したプランジャ3を前進させることにより供給された樹脂Rを射出ノズル5から金型Cに射出充填する射出工程(S4)と、を少なくとも備えるプリプラ式射出成形機Mの成形方法において、射出工程(S4)により金型Cに充填した樹脂Rの冷却開始(S6)後における所定のタイミングで供給路4を開き、かつプランジャ3を最前進位置Xsまで前進させるとともに、この前進移動時に、スクリュ2を逆回転させる第二モードを実行することにより、プランジャ3の前方に残留した樹脂Rrを、供給路4を逆流させて可塑化装置Mpに還流させる樹脂還流工程(S7)を設けたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、樹脂還流工程(S7)は、プランジャ3の前進移動時に、スクリュ2を停止させて実行する第一モードを備え、選択手段により第二モードと第一モードを切換えることができる。また、樹脂還流工程(S7)後に可塑化工程(S8)を行うとともに、当該可塑化工程(S8)におけるプランジャ3の背圧を可変設定可能にすることができる。
このような手法による本発明に係るプリプラ式射出成形機の成形方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) プランジャ3の前方に残留した樹脂Rは、成形サイクル毎に可塑化装置Mpに還流されるため、射出シリンダ内に滞留する樹脂Rを排除し、長時間にわたり残留する不具合を解消することができる。これにより、残留により劣化した樹脂が成形品に混入するのを回避できるため、成形品の品質をより高めることができるとともに、成形品の品質のバラツキを低減することができる。加えて、射出シリンダ内のクリーニングを行うメンテナンスを軽減できるなど、生産時における、作業工数及び作業労力の削減、更には、これに伴う生産能率(生産効率)の向上を図ることができるとともに、樹脂(資源)の無駄を削減することができる。
(2) 残留した樹脂を可塑化装置Mpに還流させ、可塑化装置Mp内の樹脂に混合させることにより、再度可塑化処理することができるため、より均質性に優れた溶融樹脂を得ることができ、不良品の削減により最終成形品の歩留率をより高めることができる。この結果、特に、大型成形品や特殊樹脂成形品等の生産における生産効率の向上及び生産コストの削減を実現可能になり、この観点からも、資源ロスの発生の回避及びエネルギー消費の無駄の回避にも有効に貢献できる。
(3) 樹脂還流工程(S7)を行うに際し、プランジャ3の前進移動時に、スクリュ2を逆回転させる第二モードを用いたため、可塑化装置Mp側の圧力を低下させることができる。これにより、還流処理を迅速に行うことができるとともに、回転速度を可変制御することにより容易に還流時間や還流量を調整することができる。
(4) 好適な態様により、樹脂還流工程(S7)に、プランジャ3の前進移動時に、スクリュ2を停止させて実行する第一モードを設ければ、第一モードを選択することにより、プランジャ3の前進動作のみで樹脂Rを還流させることができるため、制御処理を含めて実施の容易化を図ることができる。
(5) 好適な態様により、樹脂還流工程(S7)に、第一モードと第二モードを切換える選択手段を設ければ、オペレータは、第一モード又は第二モードを任意に選択できるため、還流量や成形材料の種類等に応じた最適なモードを選択することができる。
(6) 好適な態様により、樹脂還流工程(S7)後に可塑化工程(S8)を行うとともに、当該可塑化工程(S8)におけるプランジャ3の背圧を可変設定可能にすれば、プランジャ3の背圧を、還流量や成形材料の種類等に応じて設定できるため、新しい樹脂Rと還流した残留樹脂Rrの適切なミキシング処理を実現可能となり、より均質性の高い可塑化処理を実現できるとともに、より品質の高い成形品を得ることができる。
本発明の好適実施形態に係るプリプラ式射出成形機の成形方法の各成形工程を順を追って示すフローチャート、 同成形方法の成形工程における初期可塑化工程の詳細な処理を順を追って示すフローチャート、 同成形方法の成形工程における樹脂還流工程の詳細な処理を順を追って示すフローチャート、 同成形方法を実施できるプリプラ式射出成形機の構成図、 同プリプラ式射出成形機のストップバルブを抽出して示す構成図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第一の説明図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第二の説明図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第三の説明図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る成形方法の実施に用いて好適なプリプラ式射出成形機Mの構成について、図4及び図5を参照して説明する。
プリプラ式射出成形機Mは、図4に示すように、大別して、可塑化装置Mpと射出装置Miを備える。射出装置Miは、図示を省略した機台上に水平に設置し、前部に射出シリンダ11を備えるとともに、後部に射出駆動部12を備える。射出シリンダ11は、進退変位自在のプランジャ3を内蔵するとともに、射出シリンダ11の前端には射出ノズル5を備え、射出シリンダ11の内部前端の中央位置と射出ノズル5は樹脂路により連通する。また、例示の射出駆動部12は、駆動ピストン12pを内蔵する油圧駆動シリンダ12dにより構成する。そして、駆動ピストン12pから前方に突出するピストンロッド12prの先端はプランジャ3の後端に結合する。図中、54は、プランジャ3の前後方向位置を検出する光学センサ等のプランジャ位置センサを示す。なお、射出シリンダ11及び射出ノズル5の外周面には図示を省略した加熱ヒータが装着されている。
一方、可塑化装置Mpは、図4に示すように、前部に加熱シリンダ21を備えるとともに、後部に可塑化駆動部22を備え、全体を前下がりに傾斜させることにより、加熱シリンダ21の前端部をバルブブロック部23を介して射出シリンダ11の前端部上面に結合する。加熱シリンダ21は、スクリュ2を内蔵するとともに、加熱シリンダ21の後部位置には、成形材料を加熱シリンダ21の内部に投入するホッパー21hを備える。また、例示の可塑化駆動部22は、オイルモータ22mにより構成し、このオイルモータ22mの回転出力軸22msはスクリュ2の後端に結合する。したがって、この可塑化装置Mpは、スクリュ2に対する正逆回転機能を備えている。図中、55は、オイルモータ22mの回転速度(回転数)を検出するロータリエンコーダ等のモータ回転センサを示す。なお、加熱シリンダ21の外周面には図示を省略した加熱ヒータが装着されている。
そして、図4に示すように、加熱シリンダ21の内部における前端中央位置と射出シリンダ11の内部前端の上部位置は、供給路4により連通するとともに、バルブブロック部23の内部における供給路4の中途位置には、供給路4を開閉(開放又は遮断)するストップバルブ7を備える。例示のストップバルブ7は、図5に示すように、回動式の弁体部7vを備え、切換シリンダ7cの駆動制御により切換えることができる。即ち、例示の弁体部7vは直径方向に貫通形成した弁通路7vsを備えており、切換シリンダ7cを駆動制御し、弁体部7vを実線で示す弁体部7vcのポジションに切換えれば、弁通路7vsが供給路4に対して直角になり、供給路4を遮断状態にすることができるとともに、弁体部7vを90〔゜〕回動変位させ、仮想線で示す弁体部7voのポジションに切換えれば、弁通路7vsと供給路4が連通し、供給路4を開放状態にすることができる。このように、供給路4の開閉を、この供給路4に設けたストップバルブ7の制御により行うようにすれば、ストップバルブ7の制御により供給路4を開閉できるため、供給路4の開閉を迅速かつ確実に行うことができる。
他方、プリプラ式射出成形機Mは、図4に示す成形機コントローラ51及びこの成形機コントローラ51に制御される油圧回路により構成した油圧駆動部52を備える。油圧駆動部52は、油圧駆動シリンダ12d,オイルモータ22m,及び図5に示す切換シリンダ7cに接続するとともに、油圧駆動部52は、成形機コントローラ51に接続する。また、プランジャ位置センサ54及びモータ回転センサ55は成形機コントローラ51の入力ポートに接続する。さらに、成形機コントローラ51は、シーケンス制御プログラムを内蔵し、後述する本実施形態に係る成形方法を実施することができる。即ち、シーケンス制御プログラムに従って油圧駆動部52に制御指令を付与し、油圧駆動シリンダ12d,オイルモータ22m,及び図5に示す切換シリンダ7cをシーケンス制御することができる。
次に、本実施形態に係るプリプラ式射出成形機Mの成形方法について、図4-図8を参照しつつ図1-図3に示すフローチャートに従って説明する。なお、図6-図8において、Cは、固定型Ccと可動型Cmからなる金型Cを示す。
最初に、初期可塑化工程を実行する(ステップS1)。初期可塑化工程の詳細な処理手順を図2にフローチャートにより示す。初期可塑化工程の実行に際しては、まず、ストップバルブ7を開側(図8に示す位置)に切換えることにより供給路4を開放状態にする(ステップS1-1)。そして、可塑化装置Mpの可塑化駆動部22を駆動制御し、予め設定した正方向の回転速度(回転数)によりスクリュ2を回転制御する(ステップS1-2)。これにより、ホッパー21h内の成形材料(ペレット材料)は加熱シリンダ21内に投入され、スクリュ2により可塑化溶融されるとともに、溶融した樹脂(溶融樹脂)Rは、加熱シリンダ21の前端から供給路4を通して射出装置Miに供給される(ステップS1-3)。
この結果、溶融樹脂Rは、プランジャ3の前方における射出シリンダ11内に徐々に蓄積されるため、プランジャ3はこの蓄積に伴って後退移動する(ステップS1-4)。図8に、後退移動したプランジャ3の位置を示す。プランジャ3が後退移動し、予め設定した目標位置(計量位置)に到達すれば、スクリュ2の回転を停止する制御を行う(ステップS1-5,S1-6)。目標位置の到達は、プランジャ位置センサ54により検出することができる。以上が、ステップS1における初期可塑化工程となる。
初期可塑化工程(ステップS1)が終了したなら、型締装置(不図示)を駆動制御し、図6に示す金型Cに対して、予る設定した型締力により型締めする型締工程を実行する(ステップS2)。そして、型締工程の終了により、ストップバルブ7を閉側(図6に示す位置)に切換えることにより供給路4を遮断状態にする(ステップS3)。この後、射出装置Miの射出駆動部12を駆動制御し、予め設定した射出速度によりスクリュ2を前進移動させる射出工程を実行する(ステップS4)。これにより、プランジャ3の前方に蓄積された溶融樹脂Rは、図6に示す点線矢印Fc方向へ流動し、射出ノズル5から射出されることにより金型Cのキャビティ内に充填される。プランジャ3が予め設定した射出終了位置に到達したなら、射出工程が終了するとともに、続いて保圧工程に移行する(ステップS5)。
保圧工程では金型Cに充填した溶融樹脂Rに対して、予め設定した保圧力を付加する必要があるため、前述したように、射出終了位置であってもプランジャ3の前方には所定量の溶融樹脂Rが残留樹脂Rrとして残留している。図6に、射出工程が終了した時点の状態を示す。保圧工程に移行した後は、冷却が開始し(ステップS6)、金型C内の樹脂Rが硬化するため、設定時間Trが経過したなら、樹脂還流工程を実行する(ステップS7)。この場合の設定時間Trは、射出を開始した時点から、樹脂Rがある程度硬化し、射出装置Mi側から圧力が付与されても成形品Gmが影響を受けない時間長さ設定することができる。
樹脂還流工程の詳細な処理手順を図3にフローチャートにより示す。この樹脂還流工程では、まず、ストップバルブ7を開側(図7に示す位置)に切換えて供給路4を開放状態にする(ステップS7-1)。例示の場合、樹脂還流工程は、スクリュ2を停止させて実行する第一モードと、スクリュ2を逆回転させて実行する第二モードを選択することができる(ステップS7-2)。
第一モードでは、スクリュ2を停止させた状態にし、射出装置Miにおける射出駆動部12を駆動制御することにより、予め設定した移動速度によりスクリュ2を前進させる(ステップS7-2,S7-4)。この場合、金型C側の樹脂Rは、硬化状態にあるため、プランジャ3の前方に存在する残留樹脂Rrは、図7に示す点線矢印Fr方向へ流動し、供給路4を通して可塑化装置Mp側に逆流する。即ち、加熱シリンダ21の内部に還流される。このように、樹脂還流工程を行うに際し、プランジャ3の前進移動時に、スクリュ2を停止させて実行する第一モードを用いれば、プランジャ3の前進動作のみで樹脂Rを還流させることができるため、制御処理を含めて実施の容易化を図ることができる。
一方、第二モードでは、プランジャ3の前進制御とスクリュ2の逆回転制御を同時に行う。即ち、スクリュ2を予め設定した逆回転速度により逆回転させるとともに(ステップS7-2,S7-3)、同時に、プランジャ3を予め設定した移動速度により前進させる(ステップS7-4)。このように、樹脂還流工程を行うに際し、プランジャ3の前進移動時に、スクリュ2を逆回転させて実行する第二モードを用いれば、可塑化装置Mp側の圧力を低下させることができるため、還流処理を迅速に行うことができるとともに、回転速度を可変制御することにより容易に還流時間や還流量を調整することができる。
このような樹脂還流工程を行う第一モード又は第二モードは、所定の切換手段により選択することができる。したがって、オペレータは、還流量や成形材料の種類等に応じた最適なモードを選択することができる。
そして、プランジャ3が最前進位置Xsに至る予め設定した前進設定時間が経過したなら、プランジャ3の前進移動を停止するとともに(ステップS7-5,S7-6)、第二モードの場合には、併せて、スクリュ2の逆回転制御を停止する(ステップS7-7)。図7に、最前進位置Xsにおけるプランジャ3の状態を示す。この場合、残留樹脂Rrのほぼ全量が可塑化装置Mp側に還流されることになり、射出装置Mi側に滞留する残留樹脂Rrはほぼゼロとなる。なお、最前進位置Xsは、物理的にこれ以上前進できない前進限位置を設定することが望ましいが、予めオペレータ等が設定した前進限位置以外の位置を排除するものではない。
樹脂還流工程(ステップS7)が終了したなら可塑化工程を実行する(ステップS8)。可塑化工程では、可塑化駆動部22を駆動制御し、予め設定した正方向の回転速度(回転数)によりスクリュ2を回転制御する。これにより、ホッパー21h内の成形材料は加熱シリンダ21内に投入され、スクリュ2の回転により可塑化溶融されるとともに、同時に、射出装置Mi側から還流された残留樹脂Rrとのミキシング処理が行われる。即ち、ホッパー21h側からの新しい樹脂Rと還流した残留樹脂Rrが混在した状態で可塑化処理されるため、特に、残留樹脂Rrは、再可塑化処理されることになる。そして、可塑化された溶融樹脂Rは、加熱シリンダ21の前端から流出するとともに、図8に示す点線矢印Fi方向に流動し、供給路4を通して射出装置Miに供給される。
このように、本発明に係る成形方法では、一般的な可塑化工程とは異なり、残留樹脂Rrが含まれた可塑化工程となり、いわばミキシング工程が含まれる可塑化工程となる。このため、可塑化工程では、射出駆動部12を駆動制御し、プランジャ3の背圧を適切な大きさになるように可変設定する。即ち、背圧を大きく設定すれば、供給路4を通して射出装置Miに供給される樹脂Rの供給速度を遅くでき、背圧を小さく設定すれば、樹脂Rの供給速度を速くできるため、残留樹脂Rrの還流量や成形材料の種類等に応じて適切な背圧を設定することが望ましい。これにより、新しい樹脂Rと還流した残留樹脂Rrの適切なミキシング処理を実現可能となり、より均質性の高い可塑化処理を実現できるとともに、より品質の高い成形品を得ることができる。
そして、加熱シリンダ21から供給された溶融樹脂Rは、プランジャ3の前方における射出シリンダ11内に徐々に蓄積されるため、プランジャ3はこの蓄積に伴って後退移動する。図8に、後退移動したプランジャ3の位置を示す。プランジャ3が後退移動し、予め設定した目標位置(計量位置)に到達すれば、スクリュ2の回転を停止する制御を行う。したがって、この可塑化工程は、残留樹脂Rrと通常樹脂Rがミキシング処理される点を除いて、基本的には、前述した初期可塑化工程の動作と同じになる。
一方、金型Cにおいては冷却が行われているため、予め設定した冷却時間が経過したなら冷却を終了させ(ステップS9)、この後、成形品取出工程を行う(ステップS10)。即ち、可動型Cmを型開方向へ移動させることにより型開きを行い、金型Cから成形品Gmの取出しを行う。そして、次の成形(生産)が有る場合には、型締工程により金型Cに対する型締めを行う(ステップS11,S2)。図8は、この状態を示している。型締工程が終了したなら、ストップバルブ7を閉側へ切換え、以降は、前述した処理手順に従って同様の処理を行うことができる(ステップS3,S4…)。
このように、本実施形態に係るプリプラ式射出成形機Mの成形方法によれば、基本的な手法として、可塑化装置Mpに内蔵したスクリュ2を回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂Rを供給路4を通して射出装置Miに供給する可塑化工程(ステップS8)と、この可塑化工程(ステップS8)後、供給路4を閉じ、射出装置Miに内蔵したプランジャ3を前進させることにより供給された樹脂Rを射出ノズル5から金型Cに射出充填する射出工程(ステップS4)と、を少なくとも備えるとともに、特に、射出工程(ステップS4)により金型Cに充填した樹脂Rの冷却開始(ステップS6)後における所定のタイミングで供給路4を開くとともに、プランジャ3を最前進位置Xsまで前進させることによりプランジャ3の前方に残留した樹脂Rrを、供給路4を逆流させて可塑化装置Mpに還流させる樹脂還流工程(ステップS7)を設けたため、プランジャ3の前方に残留した樹脂Rrは、成形サイクル毎に可塑化装置Mpに還流される。これにより、射出シリンダ11内に滞留する樹脂Rrは排除され、長時間にわたり残留する不具合を解消することができる。
この結果、残留により劣化した樹脂Rrが成形品Gmに混入するのを回避でき、成形品Gmの品質をより高めることができるとともに、成形品Gmの品質のバラツキを低減することができる。加えて、射出シリンダ11内のクリーニングを行うメンテナンスを軽減できるなど、生産時における、作業工数及び作業労力の削減、更には、これに伴う生産能率(生産効率)の向上を図ることができるとともに、樹脂(資源)の無駄を削減することができる。
しかも、残留した樹脂Rrを可塑化装置Mpに還流させ、可塑化装置Mp内の樹脂Rに混合させることにより、再度可塑化処理することができるため、より均質性に優れた溶融樹脂Rを得ることができ、不良品の削減により最終成形品の歩留率をより高めることができる。これにより、特に、大型成形品や特殊樹脂成形品等の生産における生産効率の向上及び生産コストの削減を実現可能になり、この観点からも、資源ロスの発生の回避及びエネルギー消費の無駄の回避にも有効に貢献できる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、供給路4は、当該供給路4に設けたストップバルブ7により開閉する場合を示したが、供給路4を選択的に開放又は遮断できる機能を有するものであれば、各種手段又は手法を利用できる。また、可塑化装置Mpのスクリュ2に対して進退移動機能を付加することによりインライン式射出成形機として構成し、例えば、樹脂還流工程後の可塑化工程を行う際に、ストップバルブ7を閉じてスクリュ2を回転させるミキシング工程を行うなど、各種変更実施形態が可能である。
また、実施形態は、ベースとなる成形方式として一般的な成形方式を例示したが、その他、既に本出願人が提案した成形方式、即ち、少なくとも金型C内の樹脂の固化に伴って樹脂の自然圧縮が可能となる型締装置を使用し、予め、射出充填時に可動型Cmと固定型Cc間に所定の型隙間が生じ、かつ良品成形可能な成形射出圧力と良品成形可能な成形型締力を求めて設定するとともに、成形時に、成形型締力により型締装置を型締し、かつ成形射出圧力をリミッタ圧力として設定して成形を行う、本出願人が既に提案した成形方式(国際公開WO2011/161899号公報等参照)をベースとした成形方法も可能である。
本発明に係る成形方法は、スクリュを内蔵する可塑化装置とプランジャを内蔵する射出装置を分離して構成した各種プリプラ式射出成形機の成形方法として利用できる。
2:スクリュ,3:プランジャ,4:供給路,5:射出ノズル,7:ストップバルブ,M:プリプラ式射出成形機,Mp:可塑化装置,Mi:射出装置,C:金型,R:樹脂,Rr:残留した樹脂(残留樹脂),Xs:プランジャの最前進位置,(S4):射出工程,(S6):冷却開始,(S7):樹脂還流工程,(S8):可塑化工程

Claims (3)

  1. 可塑化装置に内蔵したスクリュを回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂を供給路を通して射出装置に供給する可塑化工程と、この可塑化工程後、前記供給路を閉じ、射出装置に内蔵したプランジャを前進させることにより供給された樹脂を射出ノズルから金型に射出充填する射出工程と、を少なくとも備えるプリプラ式射出成形機の成形方法であって、前記射出工程により前記金型に充填した樹脂の冷却開始後における所定のタイミングで前記供給路を開き、かつ前記プランジャを最前進位置まで前進させるとともに、この前進移動時に、前記スクリュを逆回転させる第二モードを実行することにより、前記プランジャの前方に残留した樹脂を、前記供給路を逆流させて前記可塑化装置に還流させる樹脂還流工程を設けたことを特徴とするプリプラ式射出成形機の成形方法。
  2. 前記樹脂還流工程は、前記プランジャの前進移動時に、前記スクリュを停止させて実行する第一モードを備え、選択手段により前記第二モードと前記第一モードを切換可能であることを特徴とする請求項1記載のプリプラ式射出成形機の成形方法。
  3. 前記樹脂還流工程後に前記可塑化工程を行うとともに、当該可塑化工程における前記プランジャの背圧を可変設定可能にすることを特徴とする請求項1記載のプリプラ式射出成形機の成形方法。
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