JP2001191374A - スクリュー式射出装置の計量方法 - Google Patents

スクリュー式射出装置の計量方法

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JP2001191374A
JP2001191374A JP2000001226A JP2000001226A JP2001191374A JP 2001191374 A JP2001191374 A JP 2001191374A JP 2000001226 A JP2000001226 A JP 2000001226A JP 2000001226 A JP2000001226 A JP 2000001226A JP 2001191374 A JP2001191374 A JP 2001191374A
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Shinobu Nonaka
忍 野中
Takashi Uekusa
隆 植草
Nobuo Fukuda
伸雄 福田
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑化前の成形材料自体がゲル状もしくは軟
質ペースト状のきわめて軟質なものであっても高精度に
計量できるようにする。 【解決手段】 射出完了位置からスクリュー3を予め全
計量ストロークSのうちの所定ストロークS1だけ後退
させ、その位置にてスクリュー3を定位置回転させなが
ら貯留空間Rへの可塑化成形材料の計量供給を開始す
る。貯留空間Rに可塑化成形材料が充満したならばその
時点から初めて貯留空間Rの背圧によってスクリュー3
を後退させなら引き続き計量供給を行い、スクリュー3
が全計量ストロークSのストロークエンドに達した時点
で計量供給を終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリュー式射出
成形機(スクリューインライン方式もしくはインライン
スクリュー方式の射出成形機とも称される)における射
出装置の計量方法に関し、さらに詳しくは、スクリュー
式の射出装置から金型に対して可塑化された成形材料を
射出するのに先立って、射出装置の加熱シリンダに内挿
されたスクリューの回転運動により成形材料を可塑化・
混練しつつ加熱シリンダの先端部側の貯留空間へ順次計
量供給するにあたり、例えば硬度がJIS A 15度
未満のゲル状もしくは軟質ペースト状の含油材料を成形
材料として用いて射出成形する場合に特に好適な計量方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】スクリュー式射出成形機における射出装
置は、金型に対して可塑化された成形材料を射出するの
に先立って、加熱シリンダに内挿されたスクリューの回
転運動によりホッパー内の成形材料を加熱シリンダ内に
取り込み、その成形材料を可塑化・混練しつつその加熱
シリンダの先端部側の貯留空間に順次供給するととも
に、その貯留空間に貯えられた可塑化後の成形材料の背
圧をもってスクリューを所定位置まで後退させることに
より射出すべき可塑化成形材料を計量することを基本と
している。
【0003】その一方、例えばゲル状もしくは軟質ペー
スト状の含油ポリマー成形材料に代表されるようなきわ
めて軟質の成形材料を上記のように可塑化・混練しつつ
計量しようとする場合に、成形材料をペレットもしくは
ブロック状のものとしてホッパーに収容した上でそのホ
ッパーから加熱シリンダ内に供給しようとすると、材料
自体が柔らかいためにホッパー内でブリッジを形成した
り、あるいはスクリューとの間の隙間で滑りを生じて成
形材料がスクリューにスムーズに噛み込まない等の不具
合が発生することから、これらの改善のために例えば特
開平8−309793号公報および特許第269458
7号公報等に記載の計量技術が提案されている。
【0004】そして、前記特開平8−309793号公
報に記載の技術では、ホッパー側から加熱シリンダ内に
成形材料をスムーズに送り込むためにホッパー内にピス
トンを設けて、このピストンにてホッパー内の成形材料
を加圧しながら加熱シリンダ側の材料入口部に供給する
ようにしている一方、特許第2694587号公報に記
載の技術では、ホッパーと加熱シリンダとの間にペレッ
トフィーダを設けるとともに、材料の可塑化,混練作業
中にスクリューの回転を妨げる反力を逐次検出し、この
検出反力に応じてペレットフィーダによる材料の供給速
度をフィードバック制御するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の技術では、ホッ
パー側から加熱シリンダ側に成形材料を圧送しながら可
塑化された成形材料をスクリューの前端部側の貯留空間
に貯えてその背圧によりスクリューを相対的に後退させ
て計量することになるのであるが、先に述べたように材
料自体が軟質であるために、成形材料を加熱シリンダ側
に送り込む圧力の大きさによってはスクリューを後退さ
せるのに必要な十分な背圧が発生せず、結果として計量
不能となる可能性がある。逆に上記背圧を上昇させるた
めにホッパー側から加熱シリンダ側への材料を送り込む
圧力を高くすると背圧が大きくなりすぎてスクリューの
オーバーランを招きやすくなり、結果として計量精度が
著しく低下することとなって好ましくない。これらの現
象は、先に述べたようにゲル状もしくは軟質ペースト状
の含油ポリマー成形材料に代表されるようなきわめて軟
質の成形材料、特に硬度がJIS A 15度未満の成
形材料の場合に顕著となる。
【0006】また、後者の技術では、スクリューの回転
抵抗が大きくなればなるほどペレットフィーダからの材
料供給速度が大きくなるので、可塑化,混練中の材料の
剪断が著しく、その剪断熱による材料の劣化や空気の巻
き込みが発生し、成形不良の原因となる。
【0007】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、とりわけ硬度がJISA 15度未満のゲ
ル状もしくは軟質ペースト状の含油材料を成形材料とす
る場合であっても、既存のスクリュー式射出装置にて精
度良く計量することができ、しかも材料自体の劣化を招
くことがないようにした計量方法を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、スクリュー式射出成形機の射出装置から金型に対し
て可塑化された成形材料を射出するのに先立って、射出
装置の加熱シリンダに内挿されたスクリューの回転運動
により成形材料を可塑化・混練しつつその加熱シリンダ
の先端部の貯留空間に供給するとともに、その貯留空間
に貯えられた可塑化成形材料の背圧をもってスクリュー
を所定位置まで後退させることにより射出すべき可塑化
成形材料を計量するようにした方法であって、前記可塑
化成形材料の計量供給開始に先立ってスクリューを射出
完了位置から全計量ストロークの途中位置まで強制的に
後退動作させ、その途中位置からスクリューを回転させ
て可塑化成形材料の計量供給を開始し、スクリューが可
塑化成形材料の背圧により全計量ストロークのストロー
クエンドまで後退した時点でその回転を停止させて計量
を完了するようにしたことを特徴としている。
【0009】前記可塑化成形材料の計量供給開始に先立
ってスクリューを射出完了位置から強制的に後退動作さ
せる量としては、請求項2に記載の発明のように、前記
加熱シリンダの貯留空間に貯えられた可塑化成形材料の
背圧がスクリューを後退動作させる力と釣り合うまでに
要する計量ストローク分を全計量ストロークから差し引
いたときの残りのストローク以上の量に設定されている
ことが望ましい。
【0010】また、上記請求項1,2に記載のいずれの
発明においても、成形材料供給用のチャンバーから加熱
シリンダへの材料供給を円滑にしつつ、加熱シリンダと
スクリューとの間での可塑化成形材料の滑り等を防止す
るために、スクリューの回転による可塑化成形材料の計
量供給と並行して上記チャンバーに収容されている成形
材料自体を加圧しながら加熱シリンダ内に送り込むこと
が望ましい。。
【0011】先に述べたように、既存のスクリュー式射
出装置にてゲル状もしくは軟質ペースト状の成形材料を
可塑化,混練しつつ計量しようとする場合、加熱シリン
ダ(スクリュー)の先端部の貯留空間に貯えられた可塑
化成形材料がある程度の量に達すると、その貯えられた
可塑化成形材料の反力たる内圧(背圧)がそれ以上上昇
せず、その背圧によるスクリューの後退動作が停止して
しまうという現象が発生する。これは、加熱シリンダと
スクリューとの間での可塑化成形材料の滑り等のため
に、その滞留や、過剰混練もしくは過剰剪断による油分
の分離、あるいは剪断熱もしくは混練熱による過剰熱量
投与等のために可塑化成形材料が著しく流動化もしくは
変質して、加熱シリンダの先端部側の貯留空間へ可塑化
成形材料が供給されなくなり、その結果として上記背圧
とスクリューを後退させるのに必要な力とが釣り合った
ままその背圧がそれ以上上昇しなくなるためと考えられ
る。
【0012】そこで、請求項1に記載の発明では、予め
全計量ストロークの途中位置までスクリューを強制的に
後退動作させ、望ましくは請求項2に記載の発明のよう
に、上記背圧とスクリューを後退させるのに必要な力と
が釣り合ったままその背圧がそれ以上上昇しなくなる位
置での計量ストロークを全計量ストロークから差し引い
たときの残りのストローク分以上だけ予めスクリューを
強制的に後退させ、その途中位置から初めてスクリュー
を回転させて、そのスクリュー前方側に確保されている
貯留空間に可塑化成形材料を計量供給し、該貯留空間に
可塑化成形材料が充満したならば、残りの計量ストロー
クは従来と同様に貯留空間の内圧によりスクリューを後
退させながら可塑化成形材料を計量供給する。
【0013】ここで、上記のように予めスクリューを強
制的に後退移動させるストロークは、成形材料自体の物
性等により微妙に異なってくることから、実験もしくは
試加工等を行って算出した上で予め設定される。また、
予めスクリューを強制的に後退移動させるストロークを
全計量ストロークすなわち100パーセントとしなかっ
たのは、スクリューを100パーセント強制的に後退さ
せてしまうと、加熱シリンダの先端部側の貯留空間の減
圧度合いが大きすぎて、特に成形材料が含油材料である
場合には油分とポリマー等の固形分との分離が起こって
しまうほか、上記油分の特性としてその沸点が低い場合
にはそれ自体が揮発して特に射出後の成形品に気泡が混
入してしまうおそれがあるためである。
【0014】上記のように予めスクリューを後退させる
と、上記貯留空間に可塑化成形材料が充満するまでは貯
留空間そのものが真空状態もしくは減圧状態となってい
るので、その貯留空間に可塑化成形材料がスムーズに導
入されるとともに、スクリューに背圧が加わることはな
い。この真空もしくは減圧状態にある貯留空間に対して
可塑化成形材料が供給されることは、従来のような剪断
熱等による材料自体の劣化を防止する上できわめて有利
である。
【0015】そして、上記貯留空間が可塑化成形材料に
て満たされるとその時点から初めてスクリューに背圧が
加わるようになり、やがてはその背圧がスクリューを動
かすのに必要な力以上となって、それ以降の残りの計量
ストローク分は上記背圧によってスクリューが後退動作
しつつ可塑化成形材料が計量供給されるかたちとなる。
この時、先に述べたように貯留空間の背圧とスクリュー
を後退させるのに必要な力とが釣り合ったままその背圧
がそれ以上上昇しなくなるであろうストローク分を全計
量ストロークから差し引いたストローク以上の量だけ予
めスクリューを強制的に後退させてあるため、上記背圧
とスクリューを後退させるのに必要な力とが釣り合って
しまうようなことはなく、上記背圧をもってスクリュー
を確実に後退動作させることができる。
【0016】また、貯留空間の背圧によるスクリューの
後退動作を伴いながらの可塑化成形材料の計量供給は、
残りのストローク分だけであって時間的にもきわめて短
いことから、剪断熱の熱的影響を受けずに計量すること
ができ、しかも油分の揮発を招く余地もない。
【0017】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、可塑化
成形材料の計量供給開始に先立ってスクリューを射出完
了位置から全計量ストロークの途中位置まで強制的に後
退動作させ、その途中位置からスクリューを回転させて
可塑化成形材料の計量供給を開始し、スクリューが可塑
化成形材料の背圧により全計量ストロークのストローク
エンドまで後退した時点でその回転を停止させて計量を
完了するようにし、また請求項2に記載の発明によれ
ば、前記可塑化成形材料の計量供給開始に先立ってスク
リューを射出完了位置から強制的に後退動作させる量と
して、前記貯留空間に貯えられた可塑化成形材料の背圧
がスクリューを後退動作させる力と釣り合うまでに要す
る計量ストローク分を全計量ストロークから差し引いた
ときの残りのストローク以上の量に設定したことから、
例えば硬度がJIS A 15度未満のゲル状もしくは
軟質ペースト状の含油材料に代表されるようなきわめて
軟質の材料を成形材料として用いて既存のスクリュー式
の射出装置にて計量する場合であっても、きわめて精度
良く計量することができるほか、材料自体の物性劣化を
招くこともなく、高品質の射出成形品を成形できる効果
がある。
【0018】また、請求項3に記載の発明によれば、上
記の加熱シリンダに成形材料供給用のチャンバーが接続
されていて、スクリューの回転による可塑化成形材料の
計量供給と並行して上記チャンバーに収容されている成
形材料自体を加圧しながら加圧シリンダ内に送り込むよ
うにしたことから、請求項1,2に記載の発明と同様の
効果に加えて、スクリューの成形材料の噛み込みが良
く、加熱シリンダとスクリューとの間での可塑化された
成形材料の滑り現象等を確実に防止できるようになり、
上記計量精度が一段と向上する効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の計量方法の実施に
用いられるスクリュー式射出装置の概略構成を示す図で
あって、電動モータを駆動源とする射出装置の例を示し
ている。
【0020】同図に示すように、この射出装置は大別し
て、加熱源である複数のバンドヒータ2が装着された加
熱シリンダ(加熱筒)1と、この加熱シリンダ1に回転
可能で且つ進退移動可能に内挿されたスクリュー3のほ
か、スクリュー3を回転駆動させるためのサーボモータ
4、射出時等に際してスクリュー3を進退移動させるた
めのサーボモータ5と動力伝達装置5a、および前記加
熱シリンダ1に接続されてこの加熱シリンダ1に供給す
べき成形材料Pを収容するためのチャンバー6とから構
成されている。なお、上記動力伝達装置5aはサーボモ
ータ5の回転出力に応じてスクリュー3を軸心方向に進
退移動させるためのもので、例えばボールねじ等を主体
とするものが使用される。もちろん、これらのサーボモ
ータ5と動力伝達装置5aとに代えて油圧シリンダ等の
直動型アクチュエータを用いることも可能である。
【0021】前記サーボモータ4によるスクリュー3の
回転駆動は例えば一対の歯車7,8を介してなされるよ
うになっていて、したがって、これらの歯車7,8の噛
み合い部はもう一方のサーボモータ5の起動によるスク
リュー3の進退移動時にその進退移動を許容する必要が
あることから、一方の歯車8の歯幅寸法は他方のものよ
り十分に長く形成されている。
【0022】前記チャンバー6には、先に述べたように
例えば硬度がJIS A 15度未満のゲル状もしくは
軟質ペースト状の含油ポリマー材料に代表されるような
きわめて軟質の成形材料Pがペレット状もしくはブロッ
ク状のものとして予め投入される。このチャンバー6に
は上記成形材料P自体を加圧するためにエアシリンダ9
によって進退駆動されるプランジャ10が設けられてお
り、スクリュー3の回転に同期してチャンバー6内の成
形材料Pがプランジャ10によって加熱シリンダ1内に
供給される。加熱シリンダ1内に供給された成形材料P
は、スクリュー3の回転に伴いバンドヒータ2の熱によ
って可塑化されつつ混練されて、スクリュー3の前方空
間すなわち加熱シリンダ1の先端部側に形成される貯留
空間Rに順次計量供給される。なお、加熱シリンダ1に
は材料計量時にその先端のノズル11からの材料だれを
防止するために開閉式のシャットオフバルブ12が設け
られる。
【0023】上記貯留空間Rに貯えられるべき可塑化さ
れた成形材料の計量は、図示しないポテンショメータ等
のセンサにてそのスクリュー3の位置を検出することに
より行われる。すなわち、後述するようにスクリュー3
の回転に伴って貯留空間Rに可塑化された成形材料が徐
々に貯留されると、その貯留空間Rの背圧上昇に応じて
相対的にスクリュー3が後退動作することから、そのス
クリュー3が予め設定された位置まで後退した時点で上
記スクリュー3の回転を停止させることで計量精度を確
保する。なお、計量精度を向上させるために上記貯留空
間Rの背圧をスクリュー3に加わる圧力としてそのスク
リュー3に接続されたロードセル等のセンサにて検出し
て、その背圧が設定値となった時点でスクリュー3の回
転を停止させるようにしてもよい。
【0024】そして、こうして貯留空間Rに計量されて
貯えられた可塑化後の成形材料は、周知のように射出用
のサーボモータ5によるスクリュー3の前進動作により
図示外の成形金型に対して射出される。
【0025】ここで、上記射出装置による詳細な計量手
順を図2を参照しながら説明すると、同図(A)は成形
金型に対する可塑化成形材料の射出が完了した直後の状
態を示しており、同図(A),(B)に示すようにスク
リュー3による射出が完了したならば、直ちにシャット
オフバルブ12を閉じて加熱シリンダ1のうちスクリュ
ー3の前方に確保された貯留空間Rを密閉する。
【0026】そして、シャットオフバルブ12を閉じた
ならば、成形材料の計量供給に先立ってサーボモータ5
の起動によりスクリュー3を所定ストロークS1だけ後
退させ、その位置でスクリュー3を一旦停止させる。こ
れにより、計量供給が開始される前に予め所定容量の貯
留空間Rが形成され、同時にこの貯留空間Rは所定の負
圧状態(減圧状態)となる。
【0027】ここに言うスクリューの後退ストロークS
1とは、先に述べたように、貯留空間Rに貯えられた可
塑化後の成形材料の背圧とスクリュー3を後退移動させ
るのに必要な力とが釣り合って実質的に可塑化成形材料
の計量供給に伴うスクリュー3の後退動作が停止してし
まうストローク量S2を全計量ストロークSから差し引
いたときの、その残りのストローク以上の大きさ(S1
≧S−S2)に設定される。したがって、このストロー
ク量S1は計量供給すべき成形材料の材質によって当然
に異なってくることになり、予め実験もしくは試加工等
により算出した上で上記射出装置の制御系に設定され
る。
【0028】スクリュー3を所定ストロークS1だけ後
退させたならば、その時点からサーボモータ4の起動に
よりスクリュー3を回転させ、同時にチャンバー6に付
帯するプランジャ10をエアシリンダ9にて前進動作さ
せて、同図(C)に示すようにそのチャンバー6内の成
形材料Pを加圧しながら加熱シリンダ1内に送り込んで
計量供給を開始する。これにより、成形材料Pはバンド
ヒータ2による加熱で可塑化されながらスクリュー3に
よって混練されて徐々にスクリュー3の前方空間である
貯留空間Rに送り出される。この時には、可塑化後の成
形材料の送り出しに伴う正圧はスクリュー3に作用しな
いためにスクリュー3は一定位置にて回転しているだけ
であり、また貯留空間Rは所定の負圧状態となっている
ことからその貯留空間Rへの可塑化後の成形材料の供給
はきわめてスムーズに行われる。さらに、チャンバー6
から加熱シリンダ1に対して成形材料Pが加圧されなが
ら送り込まれることでスクリュー3による成形材料の噛
み込みがよく、可塑化された成形材料にも上記圧力の一
部が作用することで加圧シリンダ1とスクリュー3との
間での可塑化後の成形材料の滑り現象等も抑制される。
【0029】やがて、同図(C)に示すように上記貯留
空間Rに可塑化後の成形材料が充満すると、この時点か
ら初めて貯留空間Rへの可塑化後の成形材料の供給に伴
ってその反力たる背圧がスクリュー3に作用するように
なり、その背圧がスクリュー3に打ち勝つことで同図
(D)に示すようにスクリュー3は貯留空間R内の成形
材料の増加とともに徐々に後退動作するようになる。そ
して、スクリュー3が全計量ストロークSのストローク
エンドに達するとこれを先に述べた図示外のセンサが検
出し、その検出タイミングをもってスクリュー3の回転
を停止させることにより計量が完了する。
【0030】計量供給が完了すると、その貯留空間R内
の可塑化された成形材料は周知のように図示外の成形金
型に対して射出される。
【0031】このように本実施の形態によれば、スクリ
ュー3を予め全計量ストロークSのうちの所定ストロー
クS1だけ後退させ、その位置にてスクリュー3を定位
置回転させながら貯留空間Rへの可塑化成形材料の計量
供給を開始し、貯留空間Rに可塑化成形材料が充満した
ならばその時点から初めて貯留空間Rの背圧によってス
クリュー3を後退させなら引き続き計量供給を行い、ス
クリュー3が全計量ストロークSのストロークエンドに
達した時点で計量供給を終了するようにしたものであ
る。したがって、貯留空間R内の背圧によるスクリュー
3の後退動作を伴いながらの計量時間(計量ストロー
ク)はきわめて短時間となるため、可塑化成形材料の過
剰な剪断や加熱を回避できるようになり、従来のように
貯留空間R内の背圧とスクリュー3とが釣り合ったまま
でスクリュー3が停止しまうような事態の発生がなくな
ることから、既存のスクリュー式射出装置を使って精度
良く計量できるとともに、成形品質の向上にもつながる
ことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の計量方法に用いられるスクリュー式射
出装置の概略説明図。
【図2】図1に示す射出装置の作動説明図。
【符号の説明】
1…加熱シリンダ 3…スクリュー 6…チャンバー 10…プランジャ P…成形材料 R…貯留空間 S…全計量ストローク S1…後退ストローク
フロントページの続き (72)発明者 福田 伸雄 千葉県千葉市稲毛区長沼町330番地 鬼怒 川ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 4F206 AR07 AR20 JA07 JD03 JF01 JF12 JM01 JM11 JQ11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリュー式射出成形機の射出装置から
    金型に対して可塑化された成形材料を射出するのに先立
    って、射出装置の加熱シリンダに内挿されたスクリュー
    の回転運動により成形材料を可塑化・混練しつつその加
    熱シリンダの先端部の貯留空間に供給するとともに、そ
    の貯留空間に貯えられた可塑化成形材料の背圧をもって
    スクリューを所定位置まで後退させることにより射出す
    べき可塑化成形材料を計量するようにした方法であっ
    て、 前記可塑化成形材料の計量供給開始に先立ってスクリュ
    ーを射出完了位置から全計量ストロークの途中位置まで
    強制的に後退動作させ、 その途中位置からスクリューを回転させて可塑化成形材
    料の計量供給を開始し、 スクリューが可塑化成形材料の背圧により全計量ストロ
    ークのストロークエンドまで後退した時点でその回転を
    停止させて計量を完了するようにしたことを特徴とする
    スクリュー式射出装置の計量方法。
  2. 【請求項2】 前記可塑化成形材料の計量供給開始に先
    立ってスクリューを射出完了位置から強制的に後退動作
    させる量として、 前記貯留空間に貯えられた可塑化成形材料の背圧がスク
    リューを後退動作させる力と釣り合うまでに要する計量
    ストローク分を全計量ストロークから差し引いたときの
    残りのストローク以上の量に設定されていることを特徴
    とする請求項1に記載のスクリュー式射出装置の計量方
    法。
  3. 【請求項3】 前記加熱シリンダに成形材料供給用のチ
    ャンバーが接続されていて、 スクリューの回転による可塑化成形材料の計量供給と並
    行して上記チャンバーに収容されている成形材料自体を
    加圧しながら加熱シリンダ内に送り込むことを特徴とす
    る請求項1または2に記載のスクリュー式射出装置の計
    量方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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