JP2007001268A - プリプラ式射出成形装置 - Google Patents

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Yutaka Maruta
豊 丸田
Keiji Azuma
啓二 東
Takashi Matsuo
隆史 松尾
Toshio Sugita
寿夫 杉田
Akio Kobayashi
明夫 小林
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Abstract

【課題】 連続成形しても生産効率を低下させることなく成形不良の発生を防止することができるプリプラ式射出成形装置を提供する。
【解決手段】 可塑化シリンダ1へ供給した樹脂材料13をスクリュー2の回転によって溶融する可塑化部20。計量された溶融樹脂材料13aを射出プランジャ4の前進により射出シリンダ3の先端のノズル6から金型5に注入する射出部30。スクリュー2の前進又は後退によって可塑化部20から射出シリンダ3への連通路14を閉塞して射出時の溶融樹脂材料13aの逆流を防止するように逆止動作をする。スクリュー2の前進により射出シリンダ3に押し出される溶融樹脂材料13aに相当する量をスクリュー2の逆回転によって逆送する。スクリュー2の後退により射出シリンダ3から引き戻される溶融樹脂材料13aに相当する量をスクリュー2の正回転によって順送する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種成形品を射出成形により成形することができるプリプラ式射出成形装置に関するものである。
従来より、混練スクリューを内蔵する可塑化室と、射出プランジャを内蔵する射出室とが個別独立して具備し、可塑化室と射出室とを連通路で連通させたプリプラ式射出成形機が提供されている。このプリプラ式射出成形装置は、可塑化室において樹脂材料を混練スクリューの回転及び加熱により溶融させた後、連通路を通じて溶融した樹脂材料を可塑化室から射出室に計量して供給し、この後、射出プランジャにより射出室から金型に射出するようにして成形品を製造するものであるが、射出成形時の圧力により射出室の溶融樹脂材料が可塑化室へと逆流しないようにするために、射出成形前に混練スクリューを前進させて連通路を閉塞するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記プリプラ式射出成形装置では、溶融樹脂材料を可塑化室から射出室に計量して供給した後、さらに混練スクリューを前進させて連通路を閉塞しているので、混練スクリューを前進により射出室に計量よりも余分な溶融樹脂材料が射出室に供給させてしまい、成形不良が生じることがあった。
そこで、射出成形の一サイクル毎に射出室に供給される溶融樹脂材料の量をマイクロコンピュータで演算し直すことが提案されているが(例えば、特許文献2参照)、演算に時間がかかって一サイクルが長くなり、連続して成形する場合の生産効率が低下する恐れがあった。
特開平3−97518号公報 特許第03181738号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、連続成形しても生産効率を低下させることなく成形不良の発生を防止することができるプリプラ式射出成形装置を提供することを目的とするものである。
本発明のプリプラ式射出成形装置は、可塑化シリンダ1へ供給した樹脂材料13を可塑化シリンダ1に装填されたスクリュー2の回転によって溶融する可塑化部20と、可塑化部20から連通路14を通じて溶融樹脂材料13aを射出シリンダ3に供給して計量し、この計量された溶融樹脂材料13aを射出プランジャ4の前進により射出シリンダ3の先端のノズル6から金型5に注入する射出部30とを備え、スクリュー2の前進又は後退によって可塑化部20から射出シリンダ3への連通路14を閉塞して射出時の溶融樹脂材料13aの逆流を防止するように逆止動作をするプリプラ式射出成形装置において、スクリュー2の前進により連通路14を閉塞する場合は、スクリュー2の前進により射出シリンダ3に押し出される溶融樹脂材料13aに相当する量をスクリュー2の逆回転によって逆送し、スクリュー2の後退により連通路14を閉塞する場合は、スクリュー2の後退により射出シリンダ3から引き戻される溶融樹脂材料13aに相当する量をスクリュー2の正回転によって順送するようにして成ることを特徴とするものである。
本発明にあっては、連通路14の途中に圧力センサ12を設置し、逆止動作時の圧力上昇又は下降を圧力センサ12で測定し、この測定結果を逆止動作時のスクリュー2の駆動モータ8の回転量制御にフィードバックすることができる。
また、本発明にあっては、スクリュー2に設けた弁体部2aと可塑化シリンダ1に設けた弁座部1aとが逆止動作時に接触したことを検出するための逆止圧力センサ11を備え、逆止圧力センサ11の検出結果に基づいてスクリュー2の回転を停止することができる。
また、本発明にあっては、スクリュー2とその駆動モータ8との間に伝導力制限手段9を設け、スクリュー2に設けた弁体部2aと可塑化シリンダ1に設けた弁座部1aとが逆止動作時に接触すると、駆動モータ8からスクリュー2への駆動力の伝導を伝導力制限手段9により制限してスクリュー2の回転を停止することができる。
また、本発明にあっては、スクリュー2の駆動モータ8に負荷変動検出センサ15を設け、スクリュー2に設けた弁体部2aと可塑化シリンダ1に設けた弁座部1aとが逆止動作時に接触したことを負荷変動検出センサ15で検出してスクリュー2の回転を停止することができる。
本発明では、逆止動作時にスクリュー2の前進により射出シリンダ3に押し出される溶融樹脂材料13aに相当する量をスクリュー2の逆回転によって逆送したり、スクリュー2の後退により射出シリンダ3から引き戻される溶融樹脂材料13aに相当する量をスクリュー2の正回転によって順送することにより、射出成形の一サイクル毎に射出シリンダ3に供給される溶融樹脂材料13aの量を演算し直さなくても、計量された所定量の溶融樹脂材料13aを射出シリンダ3に供給することができ、連続成形しても生産効率を低下させずに成形不良の発生を防止することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明はスクリュープリプラ式射出成形装置であって、基台40、基台40の上に設けた前後進駆動機41、前後進駆動機41の上に設けた射出部30、射出部30の上に設けた可塑化部20、金型装着部42などを備えて形成されている。
射出部30は筒状の射出シリンダ3とこれに装填して内蔵される射出プランジャ4とを備えて形成されている。射出シリンダ3の後端には射出プランジャ4を前進後退駆動させるための油圧シリンダなどがプランジャ駆動機43として設けられている。また、射出シリンダ3の前端にはノズル6が設けられており、射出シリンダ3の前部に設けた射出路44によりノズル6と射出シリンダ3の内部空間とが連通している。また、射出シリンダ3の前部において射出路44の上側には流入孔45が設けられており、その一端は射出シリンダ3の前部上面に開口し、他端は射出シリンダ3の内部空間に開口している。
可塑化部20は射出シリンダ3の上側に配設されており、連通部材46及びスペーサ47により射出シリンダ3に取り付けられている。可塑化部20は筒状の可塑化シリンダ1とこれに装填して内蔵されるスクリュー2とを備えて形成されている。可塑化シリンダ1の上面には熱可塑性樹脂のペレットなどの樹脂材料13を供給するためのホッパー7が設けられている。また、可塑化シリンダ1の後端には薄型油圧シリンダなどの逆止シリンダ10が設けられている。逆止シリンダ10の後側にはスクリュー2を回転駆動させるための駆動モータ8が設けられている。駆動モータ8にはその駆動軸52に加わる負荷の大きさの変化を検出するための負荷変動検出センサ15が設けられている。負荷変動検出センサ15としては、例えばトルクセンサを用いることができるが、これに限定されるものではない。さらに、可塑化シリンダ1の前端には流出孔48が設けられており、可塑化シリンダ1の内部側の流出孔48の開口縁部は弁座部1aとして形成されている。
スクリュー2はその軸方向が射出シリンダ3の長手方向と平行となるように配置されており、また、スクリュー2はその軸方向(前後方向)にスライド移動自在に形成されている。スクリュー2の後端にはギア部49が設けられており、このギア部49は可塑化シリンダ1内の後部に内蔵された断面コ字状のホルダ50に噛み合って配置されている。ホルダ50も前後方向にスライド移動自在に形成されている。スクリュー2の後部に連結軸51が連結されており、連結軸51はホルダ50の後面を貫通するように配置されている。連結軸51とスクリュー2とはスプラインのような構造により連結されている。従って、スクリュー2には連結軸51から回転駆動が伝達可能であると共にスクリュー2は連結軸51に対して前後方向にスライド移動可能に形成されている。また、この回転軸部51の後端は駆動モータ8の駆動軸52と伝導力制限手段9を介して連結されている。伝導力制限手段9としてはトルクリミッタやフリーホイルなど、駆動軸52から連結軸51へ駆動力を伝達しないようにするか、あるいは非常に小さくすることができるものである。尚、伝導力制限手段9は後述の所定の場合にのみ駆動力の伝達を制限するものである。さらにホルダ50の後側には逆止圧力センサ11が設けられている。逆止圧力センサ11としては、例えばロードセル方式の圧力センサなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、スクリュー2の前端部(スクリューヘッド)は円錐形状の弁体部2aとして形成されている。
連結部材46には上下方向の連通路4が形成されており、その上端開口は可塑化シリンダ1の流出孔48の外側開口に接続されていると共に、連通路4の下端開口は射出シリンダ3の流入口45の外側開口に接続されている。また、連結部材46には逆止動作時における連通路4内の溶融樹脂材料13aの圧力を検出するための圧力センサ12が内蔵されている。圧力センサ12としては、例えば樹脂圧センサなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
金型装着部42は可動部60と固定部61とからなり、固定部61にはノズル挿入孔62が設けられている。また、可動部60は油圧シリンダなどの駆動装置で固定部61に対して近接離間移動自在に形成されている。そして、可動部60と固定部61の間に所望の金型5を挟持することにより、金型5を着脱自在に保持するように形成されている。
さらに、本発明のプリプラ式射出成形装置には制御部63が具備されている。制御部63はマイクロコンピュータなどで構成されるものであり、前後進駆動機41、プランジャ駆動機43、駆動モータ8、逆止シリンダ10、ホッパー7、可動部60などの各作動を制御するものである。また、圧力センサ12、逆止圧力センサ11、負荷変動検出センサ15などで計測されたデータが制御部63に入力されるようになっている。尚、図示を省略しているが、可塑化シリンダ1及び射出シリンダ3にはヒータが設けられており、このヒータの動作も制御部63で行われている。
そして、上記のように形成されるプリプラ式射出成形装置で樹脂製の成形品を射出成形するにあたっては、次のようにして行う。
まず、所望の形状のキャビティ55を有する金型5を金型装着部42にセットして型締めする。また、前後進駆動機41により射出部30を前進させ、ノズル6をノズル挿入孔62に挿入してノズル6の前端を金型5のスプル56の開口に当接させる。次に、ホッパー7に貯留されている樹脂材料13を可塑化シリンダ1の内部空間に供給すると共に駆動モータ8によりスクリュー2を回転駆動させる。ここで、駆動モータ8の駆動軸52の回転駆動力は伝導力制限手段9と連結軸51とを通じてスクリュー2に伝達されるが、この時には伝導力制限手段9は駆動力の伝達を制限するようには作用していない。そして、スクリュー2の正回転及びヒータによる加熱により可塑化シリンダ1の内部空間に供給された樹脂材料13は溶融樹脂材料13aへと溶融されながら、図2(a)の矢印で示すように、スクリュー2の正回転により可塑化シリンダ1の前側に圧送されていく。
この後、溶融樹脂材料13aはスクリュー2の弁体部2aと可塑化シリンダ1の弁座部1aとの間の隙間から流出孔48に流れ込み、連通路14及び流入孔45を通じて射出シリンダ3の内側空間に流入していくが、これと同時に、射出プランジャ4はプランジャ駆動機43により後進駆動する。そして、射出プランジャ4が所定の位置まで後退すると停止すると共に射出プランジャ4の前側において射出プランジャ4の内部空間に溶融樹脂材料13aが充填される。このようにして所定量の溶融樹脂材料13aが計量されて射出シリンダ3に供給される。
次に、射出時の溶融樹脂材料13aの逆流(射出シリンダ3から可塑化シリンダ1へ流れ)を防止するために逆止動作が行われる。この逆止動作は、スクリュー2が前進して弁体部2aが弁座部1aに当接し、流出孔48の開口を閉塞することによって行われるが、このプリプラ式射出成形装置においては、図2(b)の矢印で示すように、スクリュー2が逆回転しながら前進するように制御するものである。すなわち、単にスクリュー2を前進させると、弁体部2aよりも下流側(前側)にある溶融樹脂材料13aが連通路14を通じて射出シリンダ3の方に押し出され、射出シリンダ3に計量よりも多い溶融樹脂材料13aが過剰に供給されて成形不良を引き起こす原因となるが、この実施の形態では、スクリュー2を逆回転させながら前進させるために、弁体部2aよりも下流側にある溶融樹脂材料13aがスクリュー2の逆回転により射出シリンダ3に押し出されないように逆送することができ、この結果、射出シリンダ3に計量よりも多い溶融樹脂材料13aが供給されないようにして成形不良の発生を防止することができるのである。ここで、スクリュー2の前進は逆止シリンダ47によりホルダ50を前側に押圧してスライド移動させ、このスライド移動によりホルダ50でスクリュー2を前側に押圧してスライド移動させることによって、行うことができる。
また、スクリュー2の逆回転は駆動モータ8で行われるが、回転させずにスクリュー2を前進させた場合に射出シリンダ3に押し出される溶融樹脂材料13aに相当する量を逆送するように、スクリュー2の回転量に調整するものである。図3には逆止動作による射出シリンダ3内の溶融樹脂材料13aの変化量を示す。このグラフ中の「逆止ストローク」とは逆止動作によるスクリュー2の前進量を示す。例えば、スクリュー径φ16mmで逆止ストロークが1.0mmの場合、図3のグラフより射出シリンダ3内の溶融樹脂材料13aの変化量は約200mm(0.2cc)となる。そこで、射出シリンダ3内の溶融樹脂材料13aの変化量が少なくなるように補正するために、スクリュー2を1回転程度逆回転させて溶融樹脂材料13aを逆送するのである。この場合、スクリュー2の回転速度は100rpm程度にすることができる。
上記のようにして可塑化シリンダ1から射出シリンダ3へ通じる連通路14を閉塞して逆止動作をした後、プランジャ駆動機43により射出プランジャ4を前進駆動させ、これにより、射出シリンダ3に供給された溶融樹脂材料13aを金型5のキャビティ55に射出する。この時、溶融樹脂材料13aは射出シリンダ3の射出路44とノズル6とスプルとを通じてキャビティ55に流入するが、これと同時に、溶融樹脂材料13aは流入孔55と連通路14を通じて可塑化シリンダ1に逆流しようとする。しかしながら、本発明ではスクリュー2で連通路14を閉塞しているために、可塑化シリンダ1への逆流を防止することができる。次に、前後進駆動機41により射出部30を後進させ、ノズル6をノズル挿入孔62から抜き出した後、金型5を片開きしてキャビティ55から成形品を脱型する。このようにして成形品を射出成形することができる。また、スクリュー2を後進させた後、上記工程を一サイクルとして繰り返して行うことにより連続的に成形品を射出成形することができる。
そして、本発明のプリプラ式射出成形装置では、射出成形の一サイクル毎に射出シリンダ3に供給される溶融樹脂材料13aの量を演算し直さなくても、スクリュー2の回転量により計量された所定量の溶融樹脂材料13aを変動しないようにすることができ、連続成形しても生産効率を低下させないようにすることができる。
上記の実施の形態において、圧力センサ12は逆止動作時における連通路14内の圧力変化(上昇又は下降)を測定している。すなわち、スクリュー2が逆回転しながら前進して連通路14を閉塞したときの圧力変化を圧力センサ12で測定している。そして、この測定結果を制御部63にフィードバックして次サイクルの逆止動作時のスクリュー2の動作を調整する。つまり、逆止動作時の圧力上昇が所定よりも数%大きいと、スクリュー2の前進により溶融樹脂材料13aが射出シリンダ3に過剰に供給されていると判断される。従って、この場合は、逆止動作時のスクリュー2の逆回転の回転量を増加するように制御する。逆に、逆止動作時の圧力低下が所定よりも数%大きいと、スクリュー2の逆回転により溶融樹脂材料13aが射出シリンダ3から過剰に逆送されていると判断される。従って、この場合は、逆止動作時のスクリュー2の逆回転の回転量を減少するように制御する。このようにして連続成形しても逆止動作による射出シリンダ3での樹脂量変化を抑制することができるものである。
上記の実施の形態において、逆止動作時にスクリュー2の弁体部2aと可塑化シリンダ1の弁座部1aが当接した後、その状態でスクリュー2がさらに回転すると、弁体部2aと弁座部1aとの金属間接触により両者が損傷する恐れがある。そこで、本発明では、弁体部2aと弁座部1aとが接触すると直ちにスクリュー2の回転を停止して上記の損傷を防止するようにしている。上記の実施の形態では、各種の方法で弁体部2aと弁座部1aとが接触すると直ちにスクリュー2の回転を停止するようにしている。
第一の方法は逆止圧力センサ11の検出結果に基づく方法である。すなわち、逆止圧力センサ11でスクリュー2に設けた弁体部2aと可塑化シリンダ1に設けた弁座部1aとが逆止動作時に接触したことを圧力の変化により検出し、この検出結果を制御部63に入力して制御部63でスクリュー2の回転を停止するものである。第二の方法は伝導力制限手段9による方法である。すなわち、伝導力制限手段9はトルクリミッタやフリーホイルなどで形成されているために、スクリュー2に設けた弁体部2aと可塑化シリンダ1に設けた弁座部1aとが逆止動作時に接触すると、その摩擦抵抗により伝導力制限手段9で連結軸51と駆動モータ8の駆動軸52とが空回りし、この結果、駆動モータ8からスクリュー2への駆動力の伝導を伝導力制限手段9により制限されてスクリュー2の回転を停止するものである。第三の方法は負荷変動検出センサ15の検出結果に基づく方法である。すなわち、負荷変動検出センサ15でスクリュー2に設けた弁体部2aと可塑化シリンダ1に設けた弁座部1aとが逆止動作時に接触したことを駆動軸52にかかる負荷の変化により検出し、この検出結果を制御部63に入力して制御部63でスクリュー2の回転を停止するものである。
尚、本発明では上記三つの方法をそれぞれ単独で用いることができるが、二つ以上の方法を併用しても良い。
図4に他の実施の形態を示す。このプリプラ式射出成形装置は可塑化シリンダ1の前部の形状及びスクリュー2の前部の形状が異なる以外は、図1に示す上記プリプラ式射出成形装置と同様に形成されている。すなわち、可塑化シリンダ1の前部内側には、中央部に通孔66が形成された弁座部材65が装着されており、通孔66の流出孔48側の開口縁部が弁座部1aとして形成されている。また、スクリュー2の前部には通孔66の開口径よりも外径の大きな拡張部67が設けられており、拡張部67が弁座部材65よりも前側(流出孔48側)に位置し、スクリュー2が通孔66に貫通するように形成されている。そして、拡張部67の後面が弁体部2aとして形成されている。
このプリプラ式射出成形装置は逆止動作時のスクリュー2の動作が異なる以外は、図1に示す上記プリプラ式射出成形装置と同様にして成形品を成形するものである。以下、成形動作を説明する。
まず、上記と同様にして金型5を金型装着部42にセットして型締めすると共に射出部30を前進させてノズル6の前端を金型5のスプル56の開口に当接させる。次に、ホッパー7に貯留されている樹脂材料13を可塑化シリンダ1の内部空間に供給し、スクリュー2の正回転及びヒータによる加熱により樹脂材料13を溶融樹脂材料13aへと溶融しながら、図5(a)に示すように、スクリュー2の正回転により可塑化シリンダ1の前側に圧送する。次に、溶融樹脂材料13aはスクリュー2の弁体部2aと可塑化シリンダ1の弁座部1aとの間の隙間から流出孔48、連通路14及び流入孔45を通じて射出シリンダ3の内側空間に流入し、所定量の溶融樹脂材料13aが計量されて射出シリンダ3に供給される。
この後、射出時の溶融樹脂材料13aの逆流を防止するために逆止動作が行われる。この逆止動作は、スクリュー2が後進して弁体部2aが弁座部1aに当接し、弁座部材65の通孔66の開口を閉塞することによって行われるが、このプリプラ式射出成形装置においては、図5(b)に示すように、スクリュー2が正回転しながら後進するように制御するものである。すなわち、単にスクリュー2を後進させると、弁体部2aよりも下流側(前側)にある溶融樹脂材料13aが連通路14を通じて射出シリンダ3の方に引き戻され、射出シリンダ3に計量よりも少ない溶融樹脂材料13aしか供給されないことになり成形不良を引き起こす原因となるが、この実施の形態では、スクリュー2を正回転させながら後進させるために、弁体部2aよりも下流側にある溶融樹脂材料13aがスクリュー2の正回転により射出シリンダ3に引き戻されないように順送することができ、この結果、射出シリンダ3に供給された溶融樹脂材料13aが引き戻されないようにして成形不良の発生を防止することができるのである。ここで、スクリュー2の後進は逆止シリンダ47によりホルダ50を後側に引き戻してスライド移動させ、このスライド移動によりホルダ50でスクリュー2を後側に引っ張ってスライド移動させることによって、行うことができる。また、スクリュー2の正回転は駆動モータ8で行われるが、回転させずにスクリュー2を後進させた場合に射出シリンダ3に引き戻される溶融樹脂材料13aに相当する量を順送するように、スクリュー2の回転量に調整するものである。
上記のようにして可塑化シリンダ1から射出シリンダ3へ通じる連通路14を閉塞して逆止動作をした後、上記図1のプリプラ式射出成形装置の場合と同様にして射出プランジャ4を駆動させるなどして成形品を射出成形することができる。
尚、この実施の形態においても、上記三つの方法により、弁体部2aと弁座部1aとが接触すると直ちにスクリュー2の回転を停止するように制御している。
本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の動作を示し、(a)(b)は一部の断面図である。 同上の逆止による変化量を示すグラフである。 同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の動作を示し、(a)(b)は一部の断面図である。
符号の説明
1 可塑化シリンダ
1a 弁座部
2 スクリュー
2a 弁体部
3 射出シリンダ
4 射出プランジャ
5 金型
6 ノズル
8 駆動モータ
9 伝導力制限手段
11 逆止圧力センサ
12 圧力センサ
13 樹脂材料
13a 溶融樹脂材料
14 連通路
15 負荷変動検出センサ
20 可塑化部
30 射出部

Claims (5)

  1. 可塑化シリンダへ供給した樹脂材料を可塑化シリンダに装填されたスクリューの回転によって溶融する可塑化部と、可塑化部から連通路を通じて溶融樹脂材料を射出シリンダに供給して計量し、この計量された溶融樹脂材料を射出プランジャの前進により射出シリンダの先端のノズルから金型に注入する射出部とを備え、スクリューの前進又は後退によって可塑化部から射出シリンダへの連通路を閉塞して射出時の溶融樹脂材料の逆流を防止するように逆止動作をするプリプラ式射出成形装置において、スクリューの前進により連通路を閉塞する場合は、スクリューの前進により射出シリンダに押し出される溶融樹脂材料に相当する量をスクリューの逆回転によって逆送し、スクリューの後退により連通路を閉塞する場合は、スクリューの後退により射出シリンダから引き戻される溶融樹脂材料に相当する量をスクリューの正回転によって順送するようにして成ることを特徴とするプリプラ式射出成形装置。
  2. 連通路の途中に圧力センサを設置し、逆止動作時の圧力上昇又は下降を圧力センサで測定し、この測定結果を逆止動作時のスクリューの駆動モータの回転量制御にフィードバックすることを特徴とする請求項1に記載のプリプラ式射出成形装置。
  3. スクリューに設けた弁体部と可塑化シリンダに設けた弁座部とが逆止動作時に接触したことを検出するための逆止圧力センサを備え、逆止圧力センサの検出結果に基づいてスクリューの回転を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプラ式射出成形装置。
  4. スクリューとその駆動モータとの間に伝導力制限手段を設け、スクリューに設けた弁体部と可塑化シリンダに設けた弁座部とが逆止動作時に接触すると、駆動モータからスクリューへの駆動力の伝導を伝導力制限手段により制限してスクリューの回転を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプラ式射出成形装置。
  5. スクリューの駆動モータに負荷変動検出センサを設け、スクリューに設けた弁体部と可塑化シリンダに設けた弁座部とが逆止動作時に接触したことを負荷変動検出センサで検出してスクリューの回転を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプラ式射出成形装置。
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