JP4369396B2 - プリプラ式射出装置 - Google Patents

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本発明は射出成形機の射出装置に係り、特に可塑化装置から供給される溶融樹脂をプランジャにより押し出して射出するプリプラ式射出装置に関する。
射出成形機の射出装置には、大きく分けてインライン式射出装置と、プリプラ(プリ・プラスティサイザ)式射出装置がある。インライン式射出装置では、スクリュを回転して樹脂を溶融しながらスクリュの前側に溶融樹脂を溜め、スクリュを前進することに溶融樹脂を射出する。プリプラ式射出装置では、樹脂を溶融する可塑化装置と、溶融樹脂を射出する射出装置とが独立して設けられており、可塑化装置で溶融した樹脂は射出装置の射出室に供給され、射出室に設けられたプランジャを前進することにより、溶融樹脂は射出される。プリプラ式射出装置は、インライン式射出装置に較べて、樹脂の安定した可塑化や射出ができるという利点がある。
ところが、プリプラ式射出装置では、溶融した樹脂を射出装置のプランジャの前側の射出室に供給するための溶融樹脂通路が必要となる。溶融樹脂通路は、樹脂が溶融した状態を維持するために加熱しておく必要があり、溶融樹脂通路の周囲には加熱用ヒータが設けられる。したがって、溶融樹脂通路が長いと、樹脂が滞留し余分な熱履歴を与えてしまう。また、加熱用ヒータを設ける部分も大きくなり、装置全体が大型化してしまう。
そこで、溶融樹脂通路を極力短くするために、射出装置のプランジャに対して中心軸が垂直となるように可塑化装置を設け、可塑化装置のノズル(溶融樹脂が吐出される部分)を極力プランジャに近接させ、且つノズルに対向するプランジャの外周部分に平面部を設けてプランジャの平面部とシリンダの外壁との間の空間を溶融樹脂通路とする構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、溶融樹脂通路を極力短くするために、射出装置のプランジャに対して中心軸が垂直となるように可塑化装置を設け、可塑化装置のノズル(溶融樹脂が吐出される部分)を極力プランジャに近接させ、且つプランジャに長溝を設けて長溝とプランジャの前端とを接続する樹脂通路をプランジャ内に設けることで、ノズルからの溶融樹脂を長溝と樹脂通路とを介して溶融樹脂をプランジャの前側の射出室に導く構成が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭62−261417号公報 特開平11−105088号公報
上述の特許文献1記載の射出装置では、プランジャの外周部に平面部を設けることにより樹脂通路を形成するため、平面部に溶融樹脂の射出圧力が加わる。平面部はプランジャの片側に設けられているため、プランジャは平面部と反対側のシリンダ壁に対して押圧されることとなり、平面部の反対側のプランジャの外面や、プランジャを収容するシリンダの内面に局部的に大きな摩耗が発生するおそれがある。
上述の特許文献2記載の射出装置では、プランジャに長溝を形成するため、溶融樹脂の射出圧力に起因してプランジャに加わる中心軸と垂直な方向の荷重は、特許文献1に示す平面部を設けた場合よりは低減される。しかし、長溝とプランジャの前端面とを接続する接続通路をプランジャの内部に形成する必要があり、プランジャの加工が複雑となる。また、溶融樹脂通路を遮断して溶融樹脂が可塑化装置側に逆流しないように、逆支弁あるいは閉止弁を溶融樹脂通路の途中などに設ける必要がある。このため、逆支弁あるいは閉止弁を設ける部分を確保する必要があり、この分、装置が大型となるという問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、プランジャに印加される軸に垂直な方向の荷重を低減すると共に、逆支弁や閉止弁を用いずに溶融樹脂の逆流を防止しながら溶融樹脂を射出することのできるプリプラ式射出装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明によれば、樹脂原料をスクリュにより可塑化して溶融樹脂を吐出する可塑化装置と、可塑化装置から供給される溶融樹脂をプランジャにより押し出して射出する射出装置とを独立に有するプリプラ式射出装置であって、前記プランジャの外周面に対向するように配置され、前記プランジャの外周面に対向するように配置され、前記可塑化装置からの溶融樹脂を前記射出装置に供給するための樹脂流入孔と、前記プランジャの外周面に形成され、前記プランジャの長手方向に延在する溝部とを有し、前記溝部は前記プランジャの先端面まで延在して該先端面において開口し、前記プランジャは、前記溝部が前記可塑化装置の樹脂流入孔に面する位置と、該樹脂流入孔から外れた位置との間で回動可能であることを特徴とするプリプラ式射出装置が提供される。
上述の本発明によるプリプラ式射出装置において、前記プランジャの直径をL0とし、前記溝部の断面における開口寸法をL1としたとき、L0及びL1はL1/L0≦0.8を満足することが好ましい。また、前記可塑化装置において溶融樹脂の流れる通路の断面積をA0とし、前記樹脂流入孔の断面積をA1としたとき、A0及びA1とはA1/A0≧0.21を満足することが好ましい。さらに、前記可塑化装置において溶融樹脂の流れる通路の断面積をA0とし、前記溝部の断面積をA2としたとき、A0及びA2とはA2/A0≧0.21を満足することが好ましい。
上述の本発明によるプリプラ式射出装置において、前記プランジャの回転位置を検出して検出信号を出力する検出器をさらに有し、該検出器からの検出信号に基づいて前記可塑化装置の前記スクリュの作動を制御することとしてもよい。また、前記検出器は近接スイッチであり、該近接スイッチに近接して作動させる部材は前記プランジャと共に回転する回転部材に取り付けられ、該近接スイッチは該回転部材の周囲に配置され、該近接スイッチを作動させる部材は、前記プランジャの前記溝部が所定の位置に達する時点より所定時間前に作動するような位置に配置されることとしてもよい。
以上の如く、本発明によればプランジャに形成された溝部を溶融樹脂供給通路とするため、溶融樹脂供給通路を別個に設ける必要はなく、溶融樹脂供給通路を短くすることができる。また、プランジャの直径に対する溝部の開口寸法の比率を0.8以下とすることで、溶融樹脂の圧力により発生するプランジャへの横方向の荷重をある程度抑えることができ、プランジャ及びシリンダの偏摩耗を抑制することができる。
また、プランジャの回転位置を検出する検出器を設けることで、可塑化装置のスクリュの回転開始時期をプランジャの回転位置に基づいて制御することができ、適切なタイミングでスクリュの作動を開始して、効率的な射出動作を行なうことができる。
本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
図1は本発明の一実施の形態によるプリプラ式射出装置の可塑化装置を示す断面図であり、図2は本発明の一実施の形態によるプリプラ式射出装置の射出装置を示す断面図である。図1に示す可塑化装置10と図2に示す射出装置30とにより本発明の一実施の形態によるプリプラ式射出装置が構成される。
図1に示す可塑化装置10は、樹脂ペレットを溶融して射出装置30に供給するための装置である。可塑化装置10は、可塑化シリンダ12と、可塑化シリンダ12内に設けられたスクリュ14と、スクリュ14を回転駆動する計量モータ16と、計量モータ16の回転量を検出するためのエンコーダ18とを有する。
可塑化シリンダ12の計量モータ16側には、樹脂ペレット等の樹脂原料を可塑化シリンダ12内のスクリュ14に供給するためにホッパ口20が設けられる。また、可塑化シリンダ12の周囲には、シリンダ加熱用ヒータ22が巻回される。
計量モータ16によりスクリュ14が回転されると、ホッパ口20から供給された樹脂ペレットはスクリュ14により前方(図中右側)に送り込まれる。この際、樹脂ペレットはスクリュ14と可塑化シリンダ12の内壁との間で圧縮され、そのせん断熱とシリンダ加熱用ヒータ22から供給される熱とにより溶融される。そして溶融樹脂はスクリュ14の先端に送り込まれる。
スクリュ14の先端は、後述する射出装置30のプランジャ用シリンダ32に形成されたスクリュノズル室32b内に突出するように構成されており、溶融樹脂はプランジャ用シリンダ32からプランジャ34に形成された溝部34aを介して射出室38に供給される。
なお、計量モータ16の回転量は、エンコーダ18の出力信号に基づいて制御され、スクリュ12の回転量が制御される。これにより、適当な量の溶融樹脂が射出装置30に供給される。
図2に示す射出装置30は、プランジャ用シリンダ32と、プランジャ用シリンダ32内で軸方向に移動可能で且つ回転可能なプランジャ34と、プランジャ用シリンダ32の前端に設けられたノズル部36と、プランジャ34を軸方向に駆動し且つ回転させるプランジャ駆動部60とよりなる。
プランジャ用シリンダ32の先端にはノズル部36が設けられ、ノズル部36の内部でプランジャ34の前端側に射出室38が形成される。射出室38はノズル36aに接続されており、プランジャ34が前進するとノズル36aから溶融樹脂が射出される。
なお、プランジャ用シリンダ32の周囲には、プランジャ用シリンダ加熱用ヒータ40が巻回されており、また、ノズル部36の周囲にもノズル加熱用ヒータ42が巻回されている。プランジャ用シリンダ加熱用ヒータ40及びノズル加熱用ヒータ42は、射出装置10から供給された溶融樹脂を溶融状態に維持するために、プランジャ用シリンダ32及びノズル部36を樹脂の溶融温度以上に加熱する。
可塑化装置10の可塑化シリンダ12が、射出装置30のプランジャ用シリンダ32の外周に形成された平面に対して固定されることで、可塑化装置10と射出装置30とは一体となり、プリプラ式射出装置が構成される。射出装置10の可塑化シリンダ12が、プランジャ用シリンダ32の外周に形成された平面に対して固定された状態で、可塑化シリンダ12内のスクリュ14の先端はプランジャ用シリンダ32の平面部32aからプランジャ34に向かって形成された空間に突出している。この空間をスクリュノズル室32bと称する。
なお、プランジャ用シリンダ32は固定部44に取り付けられ、固定部44は前部フランジ46に固定されている。したがって、プランジャ用シリンダ32と、固定部44と、前部フランジ46とは一体化されている。前部フランジ46には、複数本のガイドロッド48を介して後部フランジ50が取り付けられている。すなわち、ガイドロッド48の一端はボルトb1によって前部フランジ46に固定され、他端はボルトb2によって後部フランジ50に固定されている。
ここで、前部フランジ46の上方にプランジャ駆動部60が設けられている。プランジャ駆動部60は、プランジャ用シリンダ32内でプランジャ34を軸方向に移動し且つ回転させるための駆動機構である。
まず、プランジャ駆動部60のうち、プランジャ34を軸方向に移動する機構について説明する。
プランジャ34の軸方向の移動は、ノズル部36内の射出室38に供給された溶融樹脂をノズル36aから射出するための動作である。
前部フランジ46と後部フランジ50との間に、ガイドロッド48に案内されて前部フランジ46と後部フランジ50との間で移動可能な可動プレート62が設けられている。すなわち、可動プレート62はブッシュ64を介してガイドロッド48に摺動可能に支持されている。
可動プレート62の外周部には射出モータ66が固定されている。また、可動プレート62の中央部分にはベアリングを介してベアリングホルダ68が回転可能に支持されている。そして、射出モータ66のシャフトに固定された小プーリ70と、ベアリングホルダ68に固定された大プーリ72との間にベルト74が張られている。これにより、射出モータ66が駆動されると、その回転がプーリ70,72とベルト74を介してベアリングホルダ68に伝達され、ベアリングホルダ68は回転する。ベアリングbr1は、ボルトb8によって押さえ板63を介して可動プレート62に固定されている。
ベアリングホルダ68には、その中心軸上で後部フランジ50に向かって延在するボールねじ軸76がボルトb4によって固定されている。ボールねじ軸76は、ボールねじナット80と係合することで、運動方向変換機構が構成される。ボールねじナット80の後部には、プランジャ34に加えられた樹脂圧力を検出するための圧力検出部としてのロードセル78がボルトb5によって取り付けられている。ロードセル78は、ロードセルリテーナとともにボルトb6によって後部フランジ50に固定されている。ここで、ロードセルリテーナ79は、環状の部材であり、ボルトb6を締め付ける際にロードセル78に与える締付け力を均一にするために設けられている。
したがって、ベアリングホルダ68が回転してボールねじ軸76が回転すると、ボールねじ軸76とボールねじナット80とにより構成されるボールねじの作用により、ベアリングホルダ68が軸方向に移動する。この際、可動プレート62はベアリングホルダ68に対して回転可能であるが軸方向に関しては固定されているので、可動プレート62もベアリングホルダ68と共に軸方法に移動し、可動プレート62とに固定されている射出モータ66も可動プレート62と共に移動する。
ベアリングホルダ68の内側には、スラストベアリングbr3を介して回転軸82が回転可能に支持されている。スラストベアリングbr3は、締付けナット81によって与圧が加えられている。したがって、回転軸82はベアアリングホルダ68と共に回転することなく、ベアリングホルダと68共に軸方向にのみ移動することができる。回転軸82は内周にスプラインが形成されたスプライン穴を有している。
このスプライン穴に、プランジャ用シリンダ32から延出したプランジャ34のスプライン端部34bが係合している。プランジャ34のスプライン端部34bの近傍にプランジャ連結部84が固定され、プランジャ連結部84は回転軸82に取り付けられている。したがって、プランジャ34は回転軸の軸方向の移動に伴い、軸方向に移動可能である。すなわち、射出モータ66を正転、逆転することにより、プランジャ34を軸方向に往復移動することができる。このプランジャ34の往復移動により溶融樹脂の射出動作が行なわれる。
なお、射出モータ66には、シャフトの回転量を検出するためのエンコーダ66aが設けられている。エンコーダ66aからの検出信号に基づいて射出モータ66の回転量が制御され、これにより、プランジャ34の移動量が制御される。
次に、プランジャ駆動部60のうち、プランジャ34を回転させる回転機構について説明する。
プランジャ34は、可塑化装置10から溶融樹脂が射出室38に供給されるときには、溝部34aが樹脂流入孔32cに一致しており、スクリュ14によりスクリュノズル室32bに送り込まれる溶融樹脂を射出室38に導くことができる。しかし、射出室38に供給された溶融樹脂をノズル36aから射出するときには、溝部34aとスクリュノズル室32bとの間の溶融樹脂の通路を遮断しないと、溶融樹脂がスクリュノズル室32b(可塑化装置10側)に逆流してしまう。
そこで、本実施の形態では、溶融樹脂を射出室38に供給し終わった時点、あるいはその少し前の時点で、プランジャ34を例えば180度回転さて、溝部34aが樹脂流入孔32cから外れるようにする。これにより、樹脂流入孔32cはプランジャ34の外周面により閉鎖され、スクリュノズル室32bと射出室38との間の溶融樹脂の通路は遮断される。
上述のプランジャ34の回転を行なうために回転機構が設けられている。上述のように、プランジャ34はプランジャ連結部84により回転軸82に取り付けられており、回転軸82と一体的に回転できるようになっている。回転軸82には大プーリ86がボルトb7によって固定されており、回転軸82は大プーリ86と共に回転可能である。
ここで、可動プレート62の外周部にはシール開閉モータ88が固定されており、シール開閉モータ88のシャフトには小プーリ90が取り付けられている。そして、小プーリ90と回転軸82の大プーリ86とに、ベルト92が張られている。したがって、シール開閉モータ88が駆動されて小プーリ90が回転すると、その回転はベルト92及び大プーリ86を介して、回転軸82に伝達され、回転軸82が回転する。これに伴い、回転軸82に固定されているプランジャ34が回転し、溝部34aが樹脂流入孔32cから外れて、樹脂流入孔32cはプランジャ34の外周面により閉鎖される。
なお、シール開閉モータ88には、シャフトの回転量を検出するためのエンコーダ88aが設けられる。エンコーダ88aからの検出信号に基づいてシール開閉モータ88の駆動を制御することとしてもよい。ただし、本実施の形態では、後述のように、プランジャ34と共に回転する部分の回転位置を検出することで、シール開閉モータ88の作動及び停止を制御している。
本実施の形態によるプリプラ式射出装置は以上のような構成を有しており、可塑化装置10から射出装置30への溶融樹脂の供給に関する構成が簡素化されている。すなわち、可塑化装置10のスクリュ14の先端が、プランジャ用シリンダ32の内部に形成されたスクリュノズル室32bに突出しており、可塑化装置10に通常設けられている溶融樹脂を吐出するノズルが、プランジャ用シリンダ32の内部に形成された樹脂流入孔32cに相当している。したがって、可塑化装置10のノズル(樹脂流入孔32c)が直接、プランジャ34の溝部34aに繋がる構成である。
プランジャ34の溝部34aは、プランジャ34の前端面まで延在しており、樹脂流入孔32cと射出室38とを接続する。したがって、プランジャ34の溝部34aは、溶融樹脂を可塑化装置10から射出室38に供給するための溶融樹脂供給通路として機能する。
射出室38への溶融樹脂の供給が完了したら、上述のようにシール開閉モータ88を駆動してプランジャ34を回転させることで、溝部34aを樹脂流入孔32cに繋がらない位置とする。これにより、射出室38とスクリュノズル室32bとの接続は遮断される。したがって、プランジャ34を前進させることで、射出室38の溶融樹脂をスクリュノズル室32b側に逆流させることなく、ノズル36aから射出することができる。すなわち、プランジャ34の回転は、従来設けられていた逆支弁又は閉止弁の機能を提供する。
ここで、プランジャ34に設ける溝部34aの形状について、図3を参照しながら説明する。図3(A)はU字形状の溝部34aが形成された部分におけるプランジャ34の断面図であり、図3(B)は溝部34aの形状を図3(A)とは異なるV字形状とした場合のプランジャ34の断面図である。
図3(A)に示す例では、溝部34aはU字形状の断面を有している。U字形状の溝部34aは、円柱状のプランジャ34の外周に平面部を設けた形状とは異なり、開口寸法L1を小さくしながら、断面積A2を大きくとることができる。溝部34aの開口寸法L1は、プランジャに作用する溶融樹脂の圧力に影響を及ぼす。すなわち、開口寸法L1が大きくなるとそれに比例して、溝部34a内の溶融樹脂の圧力に起因してプランジャ34の軸方向に垂直な方向に作用する力が大きくなる。プランジャ34の軸方向に垂直な方向に作用する力は、プランジャ34をプランジャ用シリンダ32の内壁に押し付ける力となるため、なるべく小さな値とすることが好ましい。ただし、開口寸法L1を小さくすると、溝部34aの断面積A2が小さくなり、溶融樹脂供給通路の断面が小さくなってしまう。
本実施の形態では、溝部34aの断面をU字形状にして溝部34aにある程度の深さを持たせることにより、開口寸法L1を小さくしながら、溶融樹脂を流すのに必要な断面積A2を確保している。ここで、プランジャ34の軸方向に垂直な方向に作用する力をある程度に抑えておくには、開口寸法L1をプランジャ34の直径L0の80%以下とすることが好ましい。すなわち、L1/L0≦0.8を満足するように開口寸法L1を決定することが好ましい。
また、溝部34aの断面積A2は、溶融樹脂が流れる際の圧力損失を考慮すると、可塑化装置10におけるスクリュ14の谷径と可塑化シリンダ12の内径とにより画成される溶融樹脂の流れる空間の断面積をA0とし、プランジャ34の溝部34aに繋がる樹脂流入孔32c(ノズル)の断面積をA1とすると、通常、A1/A0≧0.21を満たすようにA0及びA1が決定される。これは、可塑化シリンダ12内でスクリュ14により送り込まれる溶融樹脂が、最終的にノズル(樹脂流入孔32c)で流量が大きく制限されないようにするためである。したがって、ノズル(樹脂流入孔32c)に繋がって溶融樹脂が流れる通路である溝部34aにも同様な条件を満足させることが好ましい。すなわち、溝部34aの断面積A2と、可塑化シリンダ12において溶融樹脂の流れる空間の断面積A0は、A2/A0≧0.21を満たすようにA0及びA2が決定されることが好ましい。
以上の開口寸法L1及び断面積A2に関する条件は、図3(B)に示すようなV字型の溝部34aにもあてはまる。
なお、溝部34aの断面形状はU字形状やV字形状に限定されるものではなく、平面ではなくて凹部を形成するような溝であれば任意の形状とすることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、プランジャ34の前端面まで延在して前端面で開口する溝部34aを設け、且つプランジャ34を回転させる回転機構を設けたことにより、従来の独立した溶融樹脂供給通路と逆士弁又は閉止弁とを簡略化することができ、装置が小型化される。また、溶融樹脂供給通路が溝部34aだけとなり、短縮されるため、溶融樹脂供給通路内の残留樹脂量が低減される。また、溶融樹脂供給通路を加熱するためのヒータを特別に設ける必要がなくなる。
次に、本実施の形態において、プランジャ34の回転位置を検出する機構について、図2及び図4を参照しながら説明する。図4は図2の大プーリ86を下側から見た状態を示す模式図である。なお、図4に示す状態は、プランジャ34が図2に示す状態から180度回転した状態であり、プランジャ34の溝部34aは、樹脂流入孔32cに一致する位置から180度回転した閉鎖位置にある。
大プーリ86はプランジャ34を回転させるためのプーリであり、プランジャ34と共に回転する部材である。本実施の形態では、プランジャ34の回転位置を検出するために(すなわち、溝部34aの回転位置を検出するために)、二つの近接スイッチ100,102が、夫々大プーリ86を挟んで略180度対向したガイドロッド48に取り付けられている。そして、大プーリ86には、スクリュトリガプレート104とプランジャトリガプレート106の二つのプレートが取り付けられている。
ここで、例えば近接スイッチ100,102が磁気近接スイッチである場合、スクリュトリガプレート104及びプランジャトリガプレート106は、永久磁石又は磁性材料である。ただし、近接スイッチ100,102は磁気式に限ることなく、物体が近接したことを検出して電気信号を出力するものであれば、光センサを用いたものなど、どのような検出器であってもよい。
スクリュトリガプレート(第1のプレート)104は、近接スイッチ100を作動させてスクリュ14を駆動するためのトリガ信号を発生するためのプレートである。一方、プランジャトリガプレート(第2のプレート)106は、プランジャ34の回転位置(すなわち、溝部34aの位置)を検出して検出信号を発生するためのプレートである。
プランジャ34が図4に示す回転位置において、溶融樹脂の射出が終了すると、プランジャ34の溝部34aを180度回転させて樹脂流入孔32cに一致(接続)させるために、シール開閉モータ88が駆動され、大プーリ86は図4中矢印Aの方向へ回転する。この際、プランジャトリガプレート106が近接スイッチ102に近接しており、近接スイッチ102は作動して検出信号が出力されている。この出力信号により、その時点で、溝部34aは樹脂流入孔32cに一致(接続)した位置ではなく、180度回転した位置であることが認識できる。
大プーリ86が回転矢印A方向に180度回転すると、まず、スクリュトリガプレート104が近接スイッチ100に近接する。この時に近接スイッチ100から出力される信号はスクリュトリガ信号であり、この信号をトリガとして可塑化装置10のスクリュ14の作動が開始される。大プーリ86はその後も回転を続け、スクリュトリガプレート104は近接スイッチ100を通り過ぎ、プランジャトリガプレート106が近接スイッチ100に近接する。この時に近接スイッチ100から出力される信号はプランジャ回転停止信号であり、この信号をトリガとしてプランジャ34を回転させるためのシール開閉モータ88の駆動が停止される。この時、プランジャ34の溝部34aの位置は樹脂流入孔32cに一致しており、作動が開始されたスクリュ14により送り出される溶融樹脂を溝部34aを介して射出室38に供給することができる。
以上の動作において、プランジャトリガプレート106が近接スイッチ100に近接して、プランジャ34の溝部34aが樹脂流入孔32cに一致(接続)した位置となったことが検出される前に、スクリュトリガプレート104が近接スイッチ100に近接してスクリュトリガ信号が近接スイッチ100から出力される。このスクリュトリガ信号をトリガとして可塑化装置10の計量モータ16が駆動され、スクリュ14が回転をはじめる。すなわち、プランジャ34の溝部34aが樹脂流入孔32cに一致(接続)する位置より所定角度手前の位置で、スクリュ14の回転が開始されて可塑化装置10が作動する。これにより、スクリュ14により樹脂が十分に加圧された後に、溝部34aが樹脂流入孔32cに一致する位置となり、効率的に可塑化装置10から溶融樹脂を射出装置30に供給することができる。すなわち、溝部34aが樹脂流入孔32cに一致する位置となった時点で、初めてスクリュ14を始動すると、樹脂の圧力が所望の圧力まで上昇するまでの時間は、溶融樹脂を供給することができず、この時間は無駄な時間となってしまう。そこで、上述のように、プランジャ34の溝部34aが樹脂流入孔32cに一致(接続)する位置となる時点よりも所定の時間だけ前に近接スイッチが作動するように、スクリュトリガプレートの位置を設定しておき、所定時間早めにスクリュ14の回転を開始して可塑化装置10を作動させることとすれば、樹脂圧力上昇のための無断な時間は実質的に無くなり、効率的な樹脂供給が行われる。
射出室への溶融樹脂の供給が終了すると、プランジャ34は図4の矢印Aの反対方向に回転される。この際、近接スイッチ100を通り過ぎていたスクリュトリガプレート104は、再び近接スイッチ100に近接する。この時に近接スイッチ100から出力される信号は、スクリュ作動禁止信号であり、この信号が出力されてから再び近接スイッチから信号が出力されるまでは(すなわち、次のサイクルでプランジャ34が矢印A方向に回転し、スクリュトリガプレート104が近接して、スクリュトリガ信号を出力するまでは)、スクリュ14の作動は禁止される。これにより、樹脂流入孔32cが閉鎖された状態でスクリュ14が作動してしまうといった不具合を防止することができる。
大プーリ86が矢印Aと反対方向に回転を続けると、プランジャトリガプレート106が近接スイッチ102に近接する。この時に近接スイッチ102から出力される信号は、プランジャ34が180度回転したことを示す信号であり、この信号に基づいてシール開閉モータ88の作動が停止され、プランジャ34の回転は停止する。この状態が図4に示す状態である。
以上のように、本実施の形態では、二つの近接スイッチを用いて、プランジャの回転位置を検出してプランジャ34の回転及び停止を制御するための信号を生成し、且つ、スクリュ14の作動を制御するための信号も生成している。ただし、例えば近接スイッチを一箇所に設け、プレートを二つ180度異なる位置に配置することによって、プランジャ34の回転位置のみを検出することとしてもよく、他に近接スイッチとプレートとの組み合わせで様々な制御用の信号を得ることができる。
また、近接スイッチを用いた例を示したが、シール開閉モータ88に備えられたエンコーダ88aによって検出された回転量に基づいて、プランジャ34の回転角を検出するようにしてもよい。この場合、エンコーダ88aの検出値に対応して、計量モータの回転が開始される。このようにプランジャ34の回転に対応して計量モータの駆動は制御される。
本発明の一実施の形態によるプリプラ式射出装置の可塑化装置を示す断面図である。 本発明の一実施の形態によるプリプラ式射出装置の射出装置を示す断面図である。 (A)はU字形状の溝部が形成された部分におけるプランジャの断面図であり、(B)は溝部の形状をV字形状とした場合のプランジャの断面図である。 図2に示す大プーリを下側から見た状態を示す模式図である。
符号の説明
10 可塑化装置
12 可塑化シリンダ12
14 スクリュ
30 射出装置
32 プランジャ用シリンダ
32b スクリュノズル室
32c 樹脂流入孔
34 プランジャ
34a 溝部
36 ノズル部
60 プランジャ駆動部
66 射出モータ
86 大プーリ
88 シール開閉モータ
100,102 近接スイッチ
104 スクリュトリガプレート
106 プランジャトリガプレート

Claims (6)

  1. 樹脂原料をスクリュにより可塑化して溶融樹脂を吐出する可塑化装置と、可塑化装置から供給される溶融樹脂をプランジャにより押し出して射出する射出装置とを独立に有するプリプラ式射出装置であって、
    前記プランジャの外周面に対向するように配置され、前記可塑化装置からの溶融樹脂を前記射出装置に供給するための樹脂流入孔と、
    前記プランジャの外周面に形成され、前記プランジャの長手方向に延在する溝部と
    を有し、
    前記溝部は前記プランジャの先端面まで延在して該先端面において開口し、
    前記プランジャは、前記溝部が前記可塑化装置の樹脂流入孔に面する位置と、該樹脂流入孔から外れた位置との間で回動可能であることを特徴とするプリプラ式射出装置。
  2. 請求項1記載のプリプラ式射出装置であって、
    前記プランジャの直径をL0とし、前記溝部の断面における開口寸法をL1としたとき、L0及びL1はL1/L0≦0.8を満足することを特徴とするプリプラ式射出装置。
  3. 請求項1記載のプリプラ式射出装置であって、
    前記可塑化装置において溶融樹脂の流れる通路の断面積をA0とし、前記樹脂流入孔の断面積をA1としたとき、A0及びA1とはA1/A0≧0.21を満足することを特徴とするプリプラ式射出装置。
  4. 請求項1記載のプリプラ式射出装置であって、
    前記可塑化装置において溶融樹脂の流れる通路の断面積をA0とし、前記溝部の断面積をA2としたとき、A0及びA2とはA2/A0≧0.21を満足することを特徴とするプリプラ式射出装置。
  5. 請求項1記載のプリプラ式射出装置であって、
    前記プランジャの回転位置を検出して検出信号を出力する検出器をさらに有し、
    該検出器からの検出信号に基づいて前記可塑化装置の前記スクリュの作動を制御することを特徴とするプリプラ式射出装置。
  6. 請求項5記載のプリプラ式射出装置であって、
    前記検出器は近接スイッチであり、該近接スイッチに近接して作動させる部材は前記プランジャと共に回転する回転部材に取り付けられ、該近接スイッチは該回転部材の周囲に配置され、該近接スイッチを作動させる部材は、前記プランジャの前記溝部が所定の位置に達する時点より所定時間前に作動するような位置に配置されることを特徴とするプリプラ式射出装置。
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