JP7165179B2 - プリプラ式射出成形機の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリュを内蔵する可塑化装置とプランジャを内蔵する射出装置を分離して構成したプリプラ式射出成形機の成形方法に関する。
従来、可塑化装置に内蔵したスクリュを回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂を供給路を通して射出装置に供給する可塑化工程と、この可塑化工程後、前記供給路を閉じ、射出装置に内蔵したプランジャを前進させることにより供給された樹脂を射出ノズルから金型に射出充填する射出工程と、を少なくとも備えるプリプラ式射出成形機の成形方法としては、例えば、特許文献1に開示されるプリプラ式射出成形機の制御方法に用いる成形方法及び特許文献2に開示されるプリプラ式射出成形機の逆流防止方法に用いる成形方法が知られている。
特許文献1のプリプラ式射出成形機の制御方法は、可塑化シリンダに内蔵するスクリュを回転させて成形材料を可塑化溶融するとともに、溶融した樹脂を開状態の逆流防止弁を通して射出シリンダにチャージし、この射出シリンダに内蔵するプランジャを後退させて計量を行うものであり、特に、計量時に、プランジャが予め設定した計量終了位置に達したなら、スクリュの回転を停止させるとともに、予めスクリュの回転量及び回転速度により設定した制御条件により逆回転させ、この後、可塑化シリンダと射出シリンダ間に配設した逆流防止弁を閉状態にするようにしたものである。また、特許文献2のプリプラ式射出成形機の逆流防止方法は、プランジャを内装した射出シリンダと、先端に逆流防止弁を備えた可塑化用のスクリュを回転かつ進退自在に内装した可塑化シリンダとを、先端部にわたり設けた樹脂路により連通して並設し、その可塑化シリンダの後部にスクリュ移動手段と回転用のモータとを設け、そのスクリュ移動手段によるスクリュの進退移動により、逆流防止弁を開閉作動するプリプラ式射出成形機であって、特に、プランジャがスクリュの回転による材料チャージにより後退し、その後退位置が計量終了位置の直前に達したときに、スクリュの回転速度を低速に切換え、しかるのち開弁時よりも低圧で後退移動して閉弁してから、スクリュ回転を停止して、計量終了後における樹脂の可塑化シリンダ側への逆流を防止するようにしたものである。
特開2004-255588号公報 特開平11-207794号公報
しかし、上述した従来におけるプリプラ式射出成形機の成形方法は、次のような解決すべき課題も残されていた。
第一に、プリプラ式射出成形機をはじめとした各種射出成形機により成形品の生産を行う場合、通常、成形品の種類等にマッチングする樹脂温度等の可塑化条件及び射出速度等の射出条件を含む各種成形条件を設定して成形を行うが、最終的に得られる成形品にはある程度の成形不良が発生するとともに、特に、成形品の種類等によっては、成形不良が発生しやすい成形品も存在する。例えば、可塑化時間が短く樹脂に対して十分な熱が伝わりにくいハイサイクル成形品,粉砕材等の混入により通常のペレットに比べてペレット形状が不均一な傾向を有するリサイクルペレット材料を使用した成形品,一度に大容量の可塑化が求められる射出容量の大きい成形品等は、成形不良が発生しやすく歩留率(良品率)の低下を来しやすい。
このため、従来は、各種成形条件に対する精度の高い設定や制御の安定化などにより対応、例えば、樹脂に対する可塑化処理の場合、加熱温度に対する精度の高い設定やスクリュの回転速度及び可塑化時間等の最適化を図るなどにより対応していたが、このような対応を十分に行ったとしても、実際の生産現場では相当数の成形不良が発生するとともに、具体的な不良原因が解らないことも少なくなく、高い歩留率を確保には限界があった。
特に、高い歩留率を確保できない問題は、大型成形品や特殊樹脂成形品等の生産において、生産効率の低下や生産コストの上昇を招くのみならず、資源ロスの発生やエネルギー消費の無駄を招くことになり、従来のいわば限界的な歩留率をより高めるための新たな射出成形方法(射出成形機)の実現が要請されていた。
第二に、プリプラ式射出成形機の場合、可塑化工程において、樹脂(溶融樹脂)が射出装置に供給された際には、最初に射出シリンダ内におけるプランジャの手前に蓄積され、その後、順次前方(射出ノズル側)へ積層されるように蓄積される現象を生じる。一方、射出工程では、プランジャを前進移動させることにより、溶融樹脂を金型内に射出充填するが、この射出工程に続く保圧工程において金型内の樹脂に対して所定の保圧力を付与する必要があるため、通常、前進移動させるプランジャは、最前端位置よりも手前で停止させることにより、射出シリンダに所定量の樹脂を残留させている。
この場合、射出シリンダ内のプランジャは、スクリュのような回転は行わないとともに、前進移動と後退移動の反復的な繰り返し動作になるため、射出シリンダ内に残留した樹脂の一部はそのまま長時間にわたり滞留状態になりやすい。この結果、残留した樹脂は、徐々に変色や炭化等の劣化を来すことになり、成形品に混入した場合には、成形品の品質及び均質性の低下を招きやすい。また、この問題に対処する必要があることから、通常、定期的なメンテナンスにより射出シリンダ内のクリーニングを行う必要があり、生産時における、作業工数及び作業労力の増加、更には、これに伴う生産能率(生産効率)の低下を来す難点があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したプリプラ式射出成形機の成形方法の提供を目的とするものである。
本発明に係るプリプラ式射出成形機の成形方法は、上述した課題を解決するため、可塑化装置Mpの加熱シリンダ3cに内蔵したスクリュ3sを回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂Rを供給路4を通して射出装置Miの射出シリンダ2cに内蔵したプランジャ2pの前方に供給する可塑化工程(S1)と、プランジャ2pを前進移動させることにより前方に蓄積された樹脂Rを射出ノズル2nから金型Cに射出充填する射出工程(S3)と、を備えるプリプラ式射出成形機の成形方法であって、スクリュ3sを所定長さLsに選定し、かつスクリュ3sのスクリュヘッド3shと加熱シリンダ3cの内壁3ci間に所定の隙間Gsを設けるとともに、当該スクリュ3sを進退移動させる進退移動駆動部5を有する可塑化装置Mpと、供給路4を少なくとも開閉可能な切換バルブ6とを設け、可塑化時に、加熱シリンダ3c側を遮断し、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行った後、スクリュ3sを前進移動させて当該スクリュ3sの前方に蓄積された樹脂Rを後方へ相対的に還流させる還流処理工程(S102)を少なくとも一回行い、この後、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行う可塑化工程(S1)を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、発明の好適な態様により、還流処理工程(S102)は、スクリュ3sを、設定した加圧力により加圧することにより設定したストローク量だけ前進移動させて行うことができるとともに、これに加えて、スクリュ3sを設定した回転数により逆回転させることにより行うこともできる。さらに、可塑化工程(S1)は、プランジャ2pが予め設定した目標位置Atに到達するまで繰り返し行うことができる。一方、本発明に係る成形方法を実施するに際しては、射出工程(S3)後の保圧工程(S5)が終了した後、切換バルブ6により、射出ノズル2n側を遮断し、プランジャ2pを最前進位置Afまで前進移動させることによりプランジャ2pの前方に残留した樹脂Rrを、供給路4を逆流させて可塑化装置Mpに還流させる残留樹脂還流工程(S12-S16)を一回又は複数回の射出工程(S3)毎に行うことができる。
このような本発明に係るプリプラ式射出成形機Mの成形方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) スクリュ3sを所定長さLsに選定し、かつスクリュ3sのスクリュヘッド3shと加熱シリンダ3cの内壁3ci間に所定の隙間Gsを設けるとともに、当該スクリュ3sを進退移動させる進退移動駆動部5を有する可塑化装置Mpと、供給路4を少なくとも開閉可能な切換バルブ6とを設けたため、可塑化時に、加熱シリンダ3c側を遮断し、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行った後、スクリュ3sを前進移動させて当該スクリュ3sの前方に蓄積された樹脂Rを後方へ相対的に還流させる還流処理工程(S102)を少なくとも一回行い、この後、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行うことができる。この結果、加熱シリンダ3c内において繰り返し可塑化処理することが可能となり、混練度の高い、より均質性に優れた溶融樹脂を得ることができ、不良品の削減により最終成形品の歩留率をより高めることができる。
(2) 好適な態様により、本発明に係る成形方法を実施するに際し、還流処理工程(S102)として、スクリュ3sを、設定した加圧力により加圧することにより設定したストローク量だけ前進移動させるようにすれば、スクリュ3sの前進動作のみで樹脂Rを還流させることができるため、制御処理を含めて実施の容易化を図ることができる。
(3) 好適な態様により、本発明に係る成形方法を実施するに際し、還流処理工程(S102)として、スクリュ3sを、設定した加圧力により加圧することにより設定したストローク量だけ前進移動させることに加え、設定した回転数により逆回転させるようにすれば、還流方向の圧力を低下させることができるため、還流処理を迅速に行うことができるとともに、回転速度を可変制御することにより容易に還流時間や還流量を調整することができる。
(4) 好適な態様により、射出工程(S3)後の保圧工程(S5)が終了した後、切換バルブ6により、射出ノズル2n側を遮断し、プランジャ2pを最前進位置Afまで前進移動させることによりプランジャ2pの前方に残留した樹脂Rrを、供給路4を逆流させて可塑化装置Mpに還流させる残留樹脂還流工程(S12-S16)を一回又は複数回の射出工程(S3)毎に行うようにすれば、プランジャ2pの前方に残留した樹脂Rrを、可塑化装置Mpに戻して再可塑化処理を行うことができるため、射出シリンダ3c内に滞留する樹脂を排除し、長時間にわたり残留する不具合を解消することができる。この結果、残留により劣化した樹脂が成形品に混入するのを回避できるため、成形品の品質をより高めることができるとともに、成形品の品質のバラツキを低減することができる。加えて、射出シリンダ内のクリーニングを行うメンテナンスを軽減できるなど、生産時における、作業工数及び作業労力の削減、更には、これに伴う生産能率(生産効率)の向上を図ることができるとともに、樹脂(資源)の無駄を削減することができる。
本発明の好適実施形態に係るプリプラ式射出成形機の構成図、 同プリプラ式射出成形機の可塑化装置におけるスクリュの前端付近を拡大して示す構成図、 同プリプラ式射出成形機の切換バルブを抽出して示す構成図、 同プリプラ式射出成形機を用いた本発明の好適実施形態に係る成形方法の各工程を順を追って示すフローチャート、 同成形方法における可塑化工程の詳細な処理を順を追って示すフローチャート、 同可塑化工程における還流処理工程の詳細な処理を順を追って示すフローチャート、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第一の説明図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第二の説明図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第三の説明図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第四の説明図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第五の説明図、 同成形方法による成形時の作用を原理的に示す第六の説明図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る成形方法を実施できるプリプラ式射出成形機Mの構成について、図1-図3を参照して説明する。
プリプラ式射出成形機Mは、図1に示すように、大別して、可塑化装置Mpと射出装置Miを備える。射出装置Miは、図示を省略した機台上に水平に設置し、前部に射出シリンダ2cを備えるとともに、後部に射出駆動部11を備える。射出シリンダ2cは、進退変位自在のプランジャ2pを内蔵するとともに、射出シリンダ2cの前端には射出ノズル2nを備え、射出シリンダ2cの内部前端の中央位置と射出ノズル2nは樹脂路12により連通する。また、射出駆動部11は、駆動ピストン11pを内蔵する油圧駆動シリンダ11dにより構成し、駆動ピストン11pから前方に突出するピストンロッド11prの先端はプランジャ2pの後端に結合する。その他、図中、54は、プランジャ2pの前後方向位置を検出する光学センサ等のプランジャ位置センサを示す。なお、射出シリンダ2c及び射出ノズル2nの外周面には図示を省略した加熱ヒータが装着されている。
一方、可塑化装置Mpは、図1に示すように、前部に加熱シリンダ3cを備えるとともに、後部に進退移動駆動部5及び可塑化駆動部21を備え、全体を前下がりに傾斜させることにより、加熱シリンダ3cの前端部を、内部に供給路4を形成した供給路ブロック22を介して射出ノズル2nの中間部位に設けたバルブブロック23の上端面に結合する。加熱シリンダ3cは、スクリュ3sを内蔵するとともに、加熱シリンダ3cの後部位置には、成形材料を加熱シリンダ3cの内部に投入するホッパー24を備える。
この場合、図1に示すスクリュ3sは所定長さLsに選定する。本発明に係る成形方法では、後述する切換バルブ6により加熱シリンダ3c側を遮断し、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行った後、スクリュ3sを前進移動させて当該スクリュ3sの前方に蓄積された樹脂Rを後方へ相対的に還流させる還流処理工程を少なくとも一回行うため、スクリュ3sの長さLsが長いほど、余裕をもって還流させることができる。したがって、スクリュ3sの長さLsは、無用に大型化しないことを条件にできるだけ長く選定することができる。また、図2に示すように、スクリュ3sのスクリュヘッド3shと加熱シリンダ3cの内壁3ci間には所定の隙間Gsを設定する。例示の場合、スクリュヘッド3shの径を、スクリュ3sのフライト部3sfを除いたスクリュ軸3smの径と同一に選定した。勿論スクリュヘッド3shの径をスクリュ軸3smよりも大きくすることにより任意の隙間Gsの大きさに選定することができる。
さらに、この加熱シリンダ3cと前述した射出シリンダ2cのサイズの条件は、次のように選定(設定)する。即ち、射出シリンダ2cを構成するに際し、プランジャ2pの前方に樹脂Rを蓄積可能な容積Viを、スクリュ3sの前方に樹脂Rを蓄積可能な容積Vsの2倍以上に設定する。このように設定すれば、後述する可塑化工程を、プランジャ2pが予め設定した目標位置Atに到達するまで繰り返し行うことが可能になるため、可塑化装置Mpの小型化が可能となり、大幅なコスト削減を実現できるとともに、小型の可塑化装置Mpであっても小型成形品のみならず、かなりの大型成形品まで成形を行うことができ、汎用性の高い射出成形機として提供できる。
また、進退移動駆動部5は、片ロッドピストン5pを内蔵する油圧駆動シリンダ5dにより構成する。そして、片ロッドピストン5pの前方に突出するピストンロッド5prの先端はスクリュ3sの後端に結合する。この進退移動駆動部5により、スクリュ3sを進退移動させることができる。可塑化駆動部21は、オイルモータ21mにより構成し、このオイルモータ21mの回転出力軸21msは片ロッドピストン5pの後端にスプライン係合させる。この可塑化装置Mpは、スクリュ3sに対する正逆回転機能を備えている。その他、図中、55は、オイルモータ21mの回転速度(回転数)を検出するロータリエンコーダ等のモータ回転センサを示す。なお、加熱シリンダ3cの外周面には図示を省略した加熱ヒータが装着されている。
他方、上述したバルブブロック23には、図3に拡大して示す切換バルブ6を内蔵する。この場合、バルブブロック23の中央部位には、水平方向に貫通する樹脂路12を有するため、この樹脂路12の中途位置に切換バルブ6を配するとともに、供給路ブロック22に設けた供給路4の先端口を弁体部6mの上端部に臨ませる。例示の切換バルブ6は、周面の一部を切欠いて形成した弁部6cを有する全体を円柱状に形成した弁体部6mを備える。なお、図3中、25は、切換バルブ6を回動操作により切換を行う切換シリンダを示す。
これにより、切換シリンダ25を駆動制御し、切換バルブ6を図3に仮想線で示す位置(図1に示す位置)、即ち、第一ポジションP1に切換えれば、加熱シリンダ3c側を遮断し、かつ射出シリンダ2cと射出ノズル2n間を連通させることができるとともに、弁体部6mを90〔゜〕回動変位させ、切換バルブ6を図3に実線で示す位置、即ち、第二ポジションP2に切換えれば、射出ノズル2n側を遮断し、かつ加熱シリンダ3cと射出シリンダ2c間を連通させることができる。このような切換バルブ6を用いれば、切換バルブ6により、供給路4の開閉のみならず射出ノズル2n側を遮断することができるため、後述する射出工程(S3)が終了した後、直ちに可塑化処理を行ったり、射出工程(S3)終了後の保圧工程(S5)が終了した後、プランジャ2pを最前進位置Af(図7参照)まで前進移動させることによりプランジャ2pの前方に残留した樹脂Rを、供給路4を逆流させて可塑化装置Mpに還流させることができるなど、各種の多様な処理を行うことができる。
さらに、プリプラ式射出成形機Mは、図1に示す成形機コントローラ51及びこの成形機コントローラ51に制御される油圧回路により構成した油圧駆動部52を備える。油圧駆動部52は、油圧駆動シリンダ11d,油圧駆動シリンダ5d,オイルモータ21m,及び切換シリンダ25にそれぞれ接続し、かつ成形機コントローラ51に接続するとともに、プランジャ位置センサ54及びモータ回転センサ55は成形機コントローラ51の入力ポートに接続する。また、成形機コントローラ51は、シーケンス制御プログラムを内蔵し、後述する本実施形態に係る成形方法を実施することができる。即ち、シーケンス制御プログラムに従って油圧駆動部52に制御指令を付与し、油圧駆動シリンダ11d,油圧駆動シリンダ5d,オイルモータ21m,及び切換シリンダ25をシーケンス制御することができる。
次に、本実施形態に係るプリプラ式射出成形機Mの成形方法について、図7-図12を参照しつつ図4-図6に示すフローチャートに従って説明する。なお、図7-図12において、Cは、固定型Ccと可動型Cmからなる金型Cを示す。また、成形品としては、サイズの大きい大型成形品Gmを成形する場合を例示する。
最初に、図4に示す可塑化工程を実行する(ステップS1)。可塑化工程の詳細な処理手順を、図5(及び図6)にフローチャートにより示す。可塑化工程を行うに際しては、まず、図7に示すように、切換バルブ6を第一ポジションP1に切換える(ステップS101)。これにより、供給路4が遮断状態になるため、この状態で、還流処理工程を実行する(ステップS102)。この還流処理工程の詳細な処理手順を、図6にフローチャートにより示す。
図6に示すように、還流処理工程(ステップS102)では、可塑化装置Mpのオイルモータ21mを駆動制御し、予め設定した正方向の回転速度(回転数)によりスクリュ3sを回転制御する(ステップS1021)。これにより、ホッパー24内の成形材料(ペレット材料)は加熱シリンダ3c内に投入され、スクリュ3sにより可塑化溶融される可塑化処理が行われる。通常、可塑化された樹脂Rは、供給路4を通して射出装置Mi側に供給されるが、本発明に係る成形方法では、供給路4が遮断されるため、可塑化された樹脂Rは、スクリュ3sの前方における加熱シリンダ3c内に蓄積される(ステップS1022)。この結果、スクリュ3sは徐々に後退変位する。図7がスクリュ3sが後退した状態を示している。この可塑化処理は、スクリュ3sが予め設定した位置,又は設定時間にわたって行われる。
そして、この後、還流処理が行われる。なお、還流処理を行うか否かは、樹脂の種類や成形品の種類等により、予め選択することが可能である。還流処理を行わない場合には、前述した可塑化処理が終了した時点において、切換バルブ6を第二ポジションP2に切換えればよく、これにより、還流処理を省略することができる(ステップS1023,S103)。この場合、ステップ101において切換バルブ6を第一ポジションP1に切換えることなく、最初から第二ポジションP2に切換えることにより可塑化された樹脂Rをそのまま射出装置Mi側に供給することもできる。
これに対して、還流処理を行う場合には、油圧駆動シリンダ5dを駆動制御し、スクリュ3sを、設定した加圧力により加圧することにより、設定したストローク量だけ前進移動させる(ステップS1023,S1024)。図8がスクリュ3sを前進移動させた状態を示している。これにより、スクリュ3sの前方に蓄積された樹脂Rを、後方へ相対的に還流させる還流処理を行うことができる。このように、スクリュ3sを、設定した加圧力により加圧することにより設定したストローク量だけ前進移動させるようにすれば、スクリュ3sの前進動作のみで樹脂Rを還流させることができるため、制御処理を含めて実施の容易化を図ることができる。
一方、この場合、スクリュ3sを、設定した加圧力により加圧することにより、設定したストローク量だけ前進移動させることに加え、設定した回転数により逆回転させることもできる。このように、スクリュ3sを、設定した加圧力により加圧することにより設定したストローク量だけ前進移動させるとともに、設定した回転数により逆回転させるようにすれば、還流方向の圧力を低下させることができるため、還流処理を迅速に行えるとともに、回転速度を可変制御することにより容易に還流時間や還流量を調整することができる。
そして、以上の還流処理が終了したなら、スクリュ3sを正回転させる可塑化処理を行う(ステップS1025)。これにより、可塑化された樹脂Rは、スクリュ3sの前方における加熱シリンダ3c内に蓄積される(ステップS1026)。この結果、スクリュ3sは徐々に後退変位し、図7に示した状態と同じ状態になる。この場合、図7に示した最初の状態とは異なり、相対的にスクリュ3sの後方へ移動した可塑化された樹脂Rは、再度、可塑化処理される。即ち、加熱シリンダ3c内において繰り返し可塑化処理することが可能となり、混練度の高い、より均質性に優れた溶融樹脂を得ることができ、不良品の削減により最終成形品の歩留率をより高めることができる。
以上の処理(ステップS1023-S1026)が、一回の還流処理となるため、同様の処理を予め設定した複数回(N回)実行する(ステップS1027)。N回の還流処理が終了すれば、還流処理工程(ステップS102)が終了する。還流処理工程(ステップS102)の終了により切換バルブ6を第二ポジションP2に切換える(ステップS103)。この結果、供給路4が連通状態になるとともに、切換バルブ6に対して樹脂路12の下流側が遮断状態になる。
次いで、スクリュ3sを前進移動させることにより、スクリュ3sの前方に蓄積された樹脂Rを加熱シリンダ3cから流出させる(ステップS104)。これにより、樹脂Rは供給路4を通して射出装置Mi側に供給され(ステップS105)、プランジャ2pの前方における射出シリンダ2c内に蓄積される(ステップS106)。即ち、一回目の蓄積処理が行われる。一回目の蓄積処理の終了により、プランジャ2sは樹脂Rの供給量に応じた位置まで後退変位する。図9は一回目の蓄積処理が終了した時点の状態を示し、大型成形品Gmを成形するため、設定した目標位置Atには到達していない。
この後、同様の処理(ステップS101-S106)を繰り返すことにより、二回目の蓄積処理を行う。即ち、切換バルブ6を第一ポジションP1へ切換え(ステップS101)、上述した還流処理工程(S102)を行うとともに、還流処理工程(S102)が終了したなら、切換バルブ6を第二ポジションP2へ切換え(ステップS103)、スクリュ3sを前進移動させる(ステップS104)。これにより、樹脂Rは供給路4を通して射出装置Mi側に供給され(ステップS105)、プランジャ2pの前方における射出シリンダ2c内に蓄積される二回目の蓄積処理が行われる(ステップS106)。
そして、以上の蓄積処理をプランジャ2pが目標位置Atに到達するまで実行する(ステップS107,S101…)。これにより、プランジャ2pが目標位置Atに到達すれば、到達した時点で樹脂Rの供給を停止する。即ち、切換バルブ6を第一ポジションP1へ切換えて蓄積処理を終了させる(ステップS108)。これにより、一連の可塑化工程が終了する(ステップS109)。図10は、四回の蓄積処理を行い、可塑化工程が終了した状態を示している。
本実施形態に係る成形方法では、射出シリンダ2cを構成するに際し、プランジャ2pの前方に樹脂Rを蓄積可能な容積Viを、スクリュ3sの前方に樹脂Rを蓄積可能な容積Vsの2倍以上に設定するため、可塑化工程(ステップS1)を、プランジャ2pが予め設定した目標位置Atに到達するまで複数回繰り返し行うことが可能になる。これにより、可塑化装置Mpの小型化が可能となり、大幅なコスト削減を実現できるとともに、小型の可塑化装置Mpであっても小型成形品のみならず、かなりの大型成形品Gmまで成形を行うことができる。
また、例示のように大型成形品Gmを成形する場合、直前に行った成形処理に伴う冷却工程が長引いている可能性がある。したがって、射出工程を行う前に、直前における成形品取出工程が終了し、次の型締工程が終了していることを確認する(ステップS2)。そして、型締工程が終了していることを確認したなら、射出駆動部12を駆動制御し、予め設定した射出速度によりスクリュ3sを前進移動させる射出工程を実行する(ステップS3)。射出工程では、プランジャ2pの前方に蓄積された樹脂Rは、射出ノズル2nから金型Cに射出充填される。この際、プランジャ2pは、予め設定した射出終了位置Aeに到達したなら射出工程を終了させる(ステップS4)。図11は、射出終了位置Aeに到達したプランジャ2pを示している。
射出工程が終了したなら(ステップS4)、金型Cに充填された樹脂Rに対しては保圧工程が行われる(ステップS5)。なお、保圧工程では金型Cに充填した溶融樹脂Rに対して、予め設定した保圧力を付加する必要があるため、前述したように、射出終了位置Aeであってもプランジャ2pの前方には所定量の溶融樹脂Rが残留している(図11)。保圧工程に移行した後は、冷却工程が行われる(ステップS6)。これにより、金型C内の樹脂Rが固化するため、設定した冷却時間が経過したなら、冷却工程を終了する。この後、型開工程により金型Cを開くとともに、成形品Gmを取り出す成形品取出工程を行う(ステップS7,S8)。即ち、可動型Cmを型開方向へ移動させることにより型開きを行い、金型Cから成形品Gmの取出しを行う。そして、次の成形(生産)が有る場合には、型締工程により金型Cに対する型締めを行う(ステップS9,S10)。
他方、可塑化工程(ステップS1)が終了し、切換バルブ6を第一ポジションP1へ切換えた時点では、図10に示すように、供給路4が遮断されるため、次の成形が有る場合には、直ちに、次の可塑化工程(ステップS1)を行うことができる(ステップS11,S12)。即ち、上述した可塑化装置MpにおけるN回の還流処理を含む還流処理工程及び射出装置Miにおける複数回の蓄積処理を含む可塑化工程を行うことができる(ステップS102-S109)。この状態を図12に示す。
ところで、図11に示すように、射出工程(ステップS3)が終了した時点では、プランジャ2pの前方に所定量の樹脂Rrが残留する。このため、このタイミングにおいて、直ちに、次の可塑化工程(ステップS1)を行うことなく、残留した樹脂Rrを可塑化装置Mpに還流させる残留樹脂還流工程を行なうことができる(ステップS12)。残留樹脂還流工程を行なう場合には、保圧工程(ステップS5)が終了したことを確認(ステップS13)し、このタイミングで切換バルブ6を第二ポジションP2に切換える(ステップS14)。この後、プランジャ2pを最前進位置Afまで移動させる(ステップS15)。これにより、残留した樹脂Rrを加熱シリンダ3cに戻すことができる。この場合、プランジャ2pを前進移動させて樹脂Rを加圧するとともに、同時に、スクリュ3sを逆回転させることにより、より円滑に還流させることも可能である。そして、以上の残留樹脂還流工程が終了したなら、切換バルブ6を第一ポジションP1に切換え(ステップS16)、次の可塑化工程(ステップS1)を行うことができる。
このように、射出工程(S3)後の保圧工程(S5)が終了した後、切換バルブ6により、射出ノズル2n側を遮断し、プランジャ2pを最前進位置Afまで前進移動させることによりプランジャ2pの前方に残留した樹脂Rrを、供給路4を逆流させて可塑化装置Mpに還流させる残留樹脂還流工程(S12-S16)を一回又は複数回の射出工程(S3)毎に行うようにすれば、プランジャ2pの前方に残留した樹脂Rrを、可塑化装置Mpに戻して再可塑化処理を行うことができるため、射出シリンダ3c内に滞留する樹脂を排除し、長時間にわたり残留する不具合を解消することができる。この結果、残留により劣化した樹脂が成形品に混入するのを回避できるため、成形品の品質をより高めることができるとともに、成形品の品質のバラツキを低減することができる。加えて、射出シリンダ内のクリーニングを行うメンテナンスを軽減できるなど、生産時における、作業工数及び作業労力の削減、更には、これに伴う生産能率(生産効率)の向上を図ることができるとともに、樹脂(資源)の無駄を削減することができる。
そして、次の可塑化工程(ステップS1)が終了したなら次の射出工程を行う(ステップS2,S3)。この場合、可塑化工程(ステップS1)の終了後、型締工程(ステップS11)が終了していることを確認する。型締工程が終了していない場合には、型締工程(ステップS11)が終了するのを待って射出工程(ステップS3)を行うとともに、型締工程(ステップS11)が先に終了している場合には、可塑化工程(ステップS1)の終了後、直ちに射出工程(ステップS3)を行うことができる。以下、同様の工程処理が行われる(ステップS4…)。
よって、このような本実施形態に係るプリプラ式射出成形機Mの成形方法によれば、基本的な手法として、可塑化装置Mpの加熱シリンダ3cに内蔵したスクリュ3sを回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂Rを供給路4を通して射出装置Miの射出シリンダ2cに内蔵したプランジャ2pの前方に供給する可塑化工程(ステップS1)と、プランジャ2pを前進移動させることにより前方に蓄積された樹脂Rを射出ノズル2nから金型Cに射出充填する射出工程(ステップS3)と、を備える成形方法であって、スクリュ3sを所定長さLsに選定し、かつスクリュ3sのスクリュヘッド3shと加熱シリンダ3cの内壁3ci間に所定の隙間Gsを設けるとともに、当該スクリュ3sを進退移動させる進退移動駆動部5を有する可塑化装置Mpと、供給路4を少なくとも開閉可能な切換バルブ6とを設け、可塑化時に、加熱シリンダ3c側を遮断し、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行った後、スクリュ3sを前進移動させて当該スクリュ3sの前方に蓄積された樹脂Rを後方へ相対的に還流させる還流処理工程(ステップS102)を少なくとも一回行い、この後、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行う可塑化工程(ステップS1)を設けたため、可塑化時に、加熱シリンダ3c側を遮断し、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行った後、スクリュ3sを前進移動させて当該スクリュ3sの前方に蓄積された樹脂Rを後方へ相対的に還流させる還流処理工程(ステップS102)を少なくとも一回行い、この後、スクリュ3sを回転させて可塑化処理を行うことができる。この結果、加熱シリンダ3c内において繰り返し可塑化処理することが可能となり、混練度の高い、より均質性に優れた溶融樹脂を得ることができ、不良品の削減により最終成形品の歩留率をより高めることができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、切換バルブ6は、少なくとも、加熱シリンダ3c側を遮断し、かつ射出シリンダ2cと射出ノズル2n間を連通させる第一ポジションP1,又は射出ノズル2n側を遮断し、かつ加熱シリンダ3cと射出シリンダ2c間を連通させる第二ポジションP2に切換可能に構成した場合を示したが、必須の構成要素となるものではなく、供給路4を少なくとも開閉可能な切換バルブ6であれば足りる。また、切換バルブ6は、第一ポジションP1と第二ポジションP2に切換える機能を有するものであれば、各種タイプの切換バルブ6を利用可能である。したがって、複数のバルブの組合わせにより構成する場合であってもよい。さらに、可塑化工程(S1)は、プランジャ2pが予め設定した目標位置Atに到達するまで繰り返し行うことが望ましいが、必須の構成要素となるものではなく、繰り返すことなく一回で終了させる場合を排除するものではない。
一方、駆動方式として、油圧式射出成形機を例示して説明したが、電動式射出成形機,電動式と油圧式を組合わせたハイブリッド式射出成形機,空圧式射出成形機等、任意の駆動源を利用した射出成形機に適用可能である。なお、本発明では、射出工程と保圧工程を別工程として説明したが、必ずしも別工程として明確に区別されるものではない。例えば、次に記載する成形方式のように、保圧工程が存在しない成形方式或いは射出工程の中に保圧処理を含む場合もあるため、本発明における射出工程には、保圧工程を含む場合と含まない場合の広義の射出工程が含まれる。
他方、実施形態は、ベースとなる成形方式として一般的な成形方式を例示したが、その他、既に本出願人が提案した成形方式、即ち、少なくとも金型C内の樹脂の固化に伴って樹脂の自然圧縮が可能となる型締装置を使用し、予め、射出充填時に可動型Cmと固定型Cc間に所定の型隙間が生じ、かつ良品成形可能な成形射出圧力と良品成形可能な成形型締力を求めて設定するとともに、成形時に、成形型締力により型締装置を型締し、かつ成形射出圧力をリミッタ圧力として設定して成形を行う、本出願人が既に提案した成形方式(国際公開WO2011/161899号公報等参照)をベースとした成形方法も可能である。
本発明に係る成形方法は、スクリュを内蔵する可塑化装置とプランジャを内蔵する射出装置を分離して構成した各種プリプラ式射出成形機の成形方法として利用できる。
M:プリプラ式射出成形機,Mi:射出装置,Mp:可塑化装置,2c:射出シリンダ,2p:プランジャ,2n:射出ノズル,3c:加熱シリンダ,3ci:加熱シリンダの内壁,3s:スクリュ,3sh:スクリュヘッド,4:供給路,5:進退移動駆動部,6:切換バルブ,R:樹脂,Rr:残留した樹脂,C:金型,Ls:所定長さ,Gs:所定の隙間,P1:第一ポジション,P2:第二ポジション,At:目標位置,Af:最前進位置,(S1):可塑化工程,(S3):射出工程,(S5):保圧工程,(S12-S16):残留樹脂還流工程,(S102):還流処理工程

Claims (5)

  1. 可塑化装置の加熱シリンダに内蔵したスクリュを回転させることにより投入された成形材料を可塑化し、かつ可塑化した樹脂を供給路を通して射出装置の射出シリンダに内蔵したプランジャの前方に供給する可塑化工程と、前記プランジャを前進移動させることにより前方に蓄積された樹脂を射出ノズルから金型に射出充填する射出工程と、を備えるプリプラ式射出成形機の成形方法であって、前記スクリュを所定長さに選定し、かつ前記スクリュのスクリュヘッドと前記加熱シリンダの内壁間に所定の隙間を設けるとともに、当該スクリュを進退移動させる進退移動駆動部を有する可塑化装置と、前記供給路を少なくとも開閉可能な切換バルブとを備え、可塑化時に、前記加熱シリンダ側を遮断し、前記スクリュを回転させて可塑化処理を行った後、前記スクリュを前進移動させて当該スクリュの前方に蓄積された樹脂を後方へ相対的に還流させる還流処理工程を少なくとも一回行い、この後、前記スクリュを回転させて可塑化処理を行う可塑化工程を備えてなることを特徴とするプリプラ式射出成形機の成形方法。
  2. 前記還流処理工程は、前記スクリュを、設定した加圧力により加圧することにより設定したストローク量だけ前進移動させることを特徴とする請求項1記載のプリプラ式射出成形機の成形方法。
  3. 前記還流処理工程は、前記スクリュを、設定した加圧力により加圧することにより設定したストローク量だけ前進移動させ、かつ設定した回転数により逆回転させることを特徴とする請求項2記載のプリプラ式射出成形機の成形方法。
  4. 前記可塑化工程は、前記プランジャが予め設定した目標位置に到達するまで繰り返し行うことを特徴とする請求項1記載のプリプラ式射出成形機の成形方法。
  5. 前記射出工程後の保圧工程が終了した後、前記切換バルブにより、前記射出ノズル側を遮断し、前記プランジャを最前進位置まで前進移動させることにより前記プランジャの前方に残留した樹脂を、前記供給路を逆流させて前記可塑化装置に還流させる残留樹脂還流工程を一回又は複数回の射出工程毎に行うことを特徴とする請求項1記載のプリプラ式射出成形機の成形方法。
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