JP7165105B2 - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御に関する。
特許文献1には、ブレーキが踏み込まれていることを含むコーストストップ条件が成立すると、エンジンを停止させるコーストストップ制御が開示されている。
特開2012-52640号公報
コーストストップ制御中はベルト無段変速機への供給油量が少なくなる。このため、車両の再発進に備え、停車までにベルト無段変速機の変速比を最LOWつまり最大の状態に極力近づけることが難しい状況が発生する。
例えば、電動オイルポンプを有するベルト無段変速機においては、駆動源の動力により駆動するメカオイルポンプの吐出油量が駆動源の停止により下がった場合でも、電動オイルポンプにより油量を補填できる。しかしながらこの場合でも、電動オイルポンプのコスト・体格が増加するなどの理由により、電動オイルポンプの吐出量の上限は制約を受ける。このため、変速比のLOW戻しのために電動オイルポンプで補填できる油量には限度がある。
また、電動オイルポンプを有しないベルト無段変速機においては、駆動源の自動停止指示の後で、駆動願の回転が完全に止まるまでの間の油量だけを用いて変速比のLOW戻しを行うことになる。このためこの場合も、変速比のLOW戻しに使用できる油量に限度がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、コーストストップ制御の実行後、停車するまでの間にベルト無段変速機のLOW戻し量を増大させることを目的とする。
本発明のある態様の車両の制御装置は、駆動源と、前記駆動源と駆動輪とを結ぶ動力伝達経路上、前記駆動源の下流に設けられるベルト無段変速機と、を有する車両の制御装置であって、前記駆動源からの入力トルクと、前記車両の減速度に基づき演算されるブレーキ補正値と、余裕率と、に基づき前記ベルト無段変速機の必要油量を演算する制御部を有する。前記制御部は、ブレーキペダルが踏まれているときに前記駆動源が駆動している場合は、前記入力トルク及び前記ブレーキ補正値の双方に前記余裕率を乗じた値を用いて前記必要油量を演算する。また、前記制御部は、前記ブレーキペダルが踏まれているときに前記駆動源が自動停止している場合は、前記入力トルクに前記余裕率を乗じた値と、前記ブレーキ補正値に前記余裕率を乗じない値と、を用いて前記必要油量を演算する。
本発明の別の態様によれば、上記車両の制御装置に対応する車両の制御方法が提供される。
ここで、余裕率は駆動源からベルト無段変速機に送られる入力トルク信号の値にばらつきがある場合を考慮して設定されたものであることから、ブレーキ補正値に余裕率を乗じなかったとしてもベルト滑りが生じないような必要油圧の演算は可能となる。また、駆動源が駆動している場合は、駆動源から実際に伝わる入力トルクの絶対値が大きくなる一方、駆動源が駆動していることから供給油量に余裕ができる。
このためこれらの態様では、総油量に余裕のない駆動源の自動停止中においてはブレーキ補正値に余裕率を乗じないで必要油量を演算する。これにより、ベルト滑りの発生可能性の抑制とLOW戻し量の増大とを両立させることができ、コーストストップ制御の実行後、停車するまでの間にベルト無段変速機のLOW戻し量を増大させることができる。
さらにこれらの態様では、駆動源が駆動している場合は、ブレーキ補正値にも余裕率を乗じて必要油量を敢えて多く見積もる。これにより、ベルト滑りの発生可能性を低減することができる。従って、これらの態様によればさらに、駆動源が駆動している場合にも、ベルト滑りの発生可能性の抑制とLOW戻し量の増大とを両立させることができる。
車両の概略構成図である。 実施形態で行われる制御の一例をフローチャートで示す図である。 伝達トルクの演算方法の説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は車両の概略構成図である。車両は、エンジンENGと、トルクコンバータTCと、前後進切替機構SWMと、バリエータVAと、コントローラ100とを備える。車両では、変速機TMが、トルクコンバータTCと、前後進切替機構SWMと、バリエータVAとを有して構成される。変速機TMは自動変速機であり、本実施形態ではベルトBLTを用いて無段変速を行うベルト無段変速機とされる。変速機TMは例えば、ステップ的な態様で変速を行うステップ自動変速機とされてもよい。
エンジンENGは、車両の駆動源を構成する。エンジンENGの動力は、トルクコンバータTC、前後進切替機構SWM、バリエータVAを介して駆動輪DWへと伝達される。換言すれば、トルクコンバータTC、前後進切替機構SWM、バリエータVAは、エンジンENGと駆動輪DWとを結ぶ動力伝達経路に設けられる。
トルクコンバータTCは、流体を介して動力を伝達する。トルクコンバータTCでは、ロックアップクラッチLUを締結することで、動力伝達効率が高められる。
前後進切替機構SWMは、エンジンENGとバリエータVAとを結ぶ動力伝達経路に設けられる。前後進切替機構SWMは、入力される回転の回転方向を切り替えることで車両の前後進を切り替える。前後進切替機構SWMは、前進レンジ選択の際に係合される前進クラッチFWD/Cと、リバースレンジ選択の際に係合される後進ブレーキREV/Bとを備える。前進クラッチFWD/C及び後進ブレーキREV/Bを解放すると、変速機TMがニュートラル状態、つまり動力遮断状態になる。
バリエータVAは、プライマリプーリPRIと、セカンダリプーリSECと、プライマリプーリPRI及びセカンダリプーリSECに巻き掛けられたベルトBLTとを有するベルト無段変速機構を構成する。プライマリプーリPRIにはプライマリプーリPRIの油圧であるプライマリ圧Ppriが、セカンダリプーリSECにはセカンダリプーリSECの油圧であるセカンダリ圧Psecが、後述する油圧制御回路11からそれぞれ供給される。
変速機TMは、メカオイルポンプ21と、電動オイルポンプ22と、モータ23とをさらに有して構成される。
メカオイルポンプ21は、油圧制御回路11に油を圧送する。メカオイルポンプ21は、エンジンENGの動力により駆動される機械式オイルポンプである。
電動オイルポンプ22は、メカオイルポンプ21とともに、或いは単独で油圧制御回路11に油を圧送する。電動オイルポンプ22は、メカオイルポンプ21に対して補助的に設けられる。モータ23は、電動オイルポンプ22を駆動する。電動オイルポンプ22は、モータ23を有して構成されると把握されてもよい。
変速機TMは、油圧制御回路11と、変速機コントローラ12とをさらに有して構成される。
油圧制御回路11は、複数の流路、複数の油圧制御弁で構成され、メカオイルポンプ21や電動オイルポンプ22から供給される油を調圧して変速機TMの各部位に供給する。
変速機コントローラ12は、変速機TMを制御するためのコントローラであり、エンジンENGを制御するためのエンジンコントローラ13と相互通信可能に接続される。エンジンコントローラ13から変速機コントローラ12には例えば、エンジンENGのトルクを表すトルク信号が入力される。
変速機コントローラ12は、エンジンコントローラ13とともに、車両の制御装置であるコントローラ100を構成する。コントローラ100は例えば、変速機コントローラ12、エンジンコントローラ13等の統合制御を司る統合コントローラをさらに有した構成とされてもよい。
コントローラ100には、各種センサ・スイッチを示すセンサ・スイッチ群40からの信号が入力される。センサ・スイッチ群40は例えば、車速VSPを検出する車速センサ、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ、エンジンENGの回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ、ブレーキ液圧を検出するブレーキセンサを含む。
センサ・スイッチ群40はさらに例えば、プライマリ圧Ppriを検出するプライマリ圧センサ、セカンダリ圧Psecを検出するセカンダリ圧センサ、トルクコンバータTCのタービン回転速度Ntを検出するタービン回転速度センサ、プライマリプーリPRIの入力側回転速度である回転速度Npriを検出するプライマリ回転速度センサ、セカンダリプーリSECの出力側回転速度である回転速度Nsecを検出するセカンダリ回転速度センサ、変速レバーの操作位置を検出する位置センサ、変速機TMの油温を検出する油温センサを含む。本実施形態では、回転速度NpriはプライマリプーリPRIの入力軸の回転速度とされ、回転速度NsecはセカンダリプーリSECの出力軸の回転速度とされる。
変速機コントローラ12には、これらの信号が直接入力されるか、エンジンコントローラ13等を介して入力される。変速機コントローラ12は、これらの信号に基づき変速機TMの制御を行う。変速機TMの制御は、これらの信号に基づき油圧制御回路11や電動オイルポンプ22を制御することで行われる。油圧制御回路11は、変速機コントローラ12からの指示に基づき、ロックアップクラッチLU、前進クラッチFWD/C、後進ブレーキREV/B、プライマリプーリPRI、セカンダリプーリSEC等の油圧制御を行う。
変速機TMの制御はコーストストップ制御を含む。コーストストップ制御は走行中駆動源自動停止制御であり、後述するコーストストップ条件が成立した場合に行われる。以下では、コーストストップをCSと称す。
CS制御中は変速機TMへの供給油量が少なくなる。このため、車両の再発進に備え、停車までに変速機TMの変速比IPを最LOWつまり最大の状態に極力近づけることが難しい状況が発生する。変速比IPは、バリエータVAの入力回転を出力回転で除算して得られる値である。
本実施形態では、変速機TMが電動オイルポンプ22を有する。この場合、メカオイルポンプ21の吐出油量がエンジンENGの停止により下がっても、電動オイルポンプ22により油量を補填できる。しかしながらこの場合でも、電動オイルポンプ22のコスト・体格が増加するなどの理由により、電動オイルポンプ22の吐出量の上限は制約を受ける。このため、変速比IPのLOW戻しのために電動オイルポンプ22で補填できる油量には限度がある。
このような事情に鑑み、本実施形態ではコントローラ100が次に説明する制御を行う。
図2は、コントローラ100が行う制御の一例をフローチャートで示す図である。コントローラ100は、本フローチャートの処理を実行するようにプログラムされることで、制御部を有した構成とされる。コントローラ100は本フローチャートの処理を繰り返し実行することができる。
ステップS1で、コントローラ100は、車速センサ及びブレーキセンサからの信号に基づき、走行中にブレーキがONか否か、つまりブレーキが踏まれているか否かを判定する。ステップS1で否定判定であれば、処理は一旦終了する。ステップS1で肯定判定であれば、処理はステップS2に進む。
ステップS2で、コントローラ100はCS条件が成立したか否かを判定する。CS条件は、車速VSPが所定車速VSP1未満であること、アクセルペダルの踏み込みがないこと、ブレーキペダルの踏み込みがあること、変速機TMで前進レンジが選択されていることを含む。所定車速VSP1は低速域の車速VSPであり、例えばロックアップクラッチLUが解放される車速VSPとされる。ステップS2で肯定判定であれば、処理はステップS3に進む。
ステップS3で、コントローラ100はエンジンENGを停止する。これにより、車両走行中にエンジンENGが自動停止される。結果、メカオイルポンプ21の吐出油量は回転速度NEの低下に応じて減少し最終的にゼロになる。
ステップS4で、コントローラ100は第1プーリ必要推力Fs1を演算する。第1プーリ必要推力Fs1は、演算過程においてブレーキ補正値であるトルクTbrkに余裕率Sを乗じずに演算されるプーリ必要推力Fsである。プーリ必要推力FsはセカンダリプーリSECの必要推力であり、必要推力値に相当する。ステップS4ではさらに、プーリ必要推力Fsに基づき変速機TMの必要油量が演算される。第1プーリ必要推力Fs1、トルクTbrk、余裕率Sについては、詳しくは後述する。
ステップS5で、コントローラ100は、第1プーリ必要推力Fs1に応じた必要油量を供給させることにより、主として電動オイルポンプ22で油圧供給を行う。これにより、CS時に必要油量の供給が行われる。ステップS5の後には処理は一旦終了する。
ステップS2で否定判定の場合、処理はステップS6に進み、コントローラ100はエンジンENGの駆動を継続する。このためこの場合は、メカオイルポンプ21の駆動も継続される。
ステップS7で、コントローラ100は第2プーリ必要推力Fs2を演算する。第2プーリ必要推力Fs2は、演算過程においてトルクTbrkに余裕率Sを乗じて演算されるプーリ必要推力Fsであり、詳しくは後述する。
ステップS8で、コントローラ100は、第2プーリ必要推力Fs2に応じた必要油量を供給させることにより、主としてメカオイルポンプ21で油圧供給を行う。これにより、エンジンENG駆動時に必要油量の供給が行われる。ステップS8の後には処理は一旦終了する。
ここで、上述のプーリ必要推力Fsを演算するにあたっては、次の数1が用いられる。
[数1]
Fs=K×T×cosα/2×μ×R
安全率KはベルトBLTの滑りに対する安全率であり予め設定される。シーブ角αはプライマリプーリPRI及びセカンダリプーリSECのシーブ角である。摩擦係数μはベルトBLT及びセカンダリプーリSEC間の摩擦係数である。半径RはプライマリプーリPRI側のベルトBLTの走行半径である。伝達トルクTについては次の通りである。
図3は、伝達トルクTの演算方法の説明図である。図3ではプーリ必要推力Fsを演算するにあたって必要となる伝達トルクTの演算方法を模式的に示す。伝達トルクTはベルトBLTが滑りを生じさせずに伝達すべきトルクであり、変速機TMの伝達トルク演算値に相当する。図3では、減速中にエンジンENG側からバリエータVAに入力されベルトBLTにかかる負荷として演算するために、伝達トルクTをマイナス値で示す。
図3に示すように、伝達トルクTは、トルクTinとトルクTmopとトルクTtcとトルクTinrとトルクTBrkとに基づき演算される。
トルクTinは変速機TMへの入力トルクであり、トルクコンバータTCに入力される。エンジンENG駆動時には、トルクTinにはエンジンコントローラ13から変速機コントローラ12に入力されるトルク信号に基づくエンジンENGのトルクが用いられる。CS時には、トルクTinはベルトBLTに対するトルクコンバータTC分の負荷を表すことになる。但し、CS時でもエンジンENGが完全に停止するまでの間はトルク信号値がゼロにならないので、演算上は安全のため、例えばこの間はトルク信号に基づくエンジンENGのトルクが同様に用いられる。
変速機TMにおいてはトルクTinのほか、トルクTmopがベルトBLTに影響する。
トルクTmopは、メカオイルポンプ21の駆動に用いられるトルクである。エンジンENG駆動時にはトルクTmopの絶対値は、油圧制御回路11へのライン指示圧に基づき算出したメカオイルポンプ21のトルクの絶対値と、メカオイルポンプ21において機械ロスにより減少する分のトルクの絶対値とを加算して演算される。機械ロス分のトルクは、回転速度NEの検出値つまりセンサ値に基づき算出される。CS時にはトルクTmopは例えば、予め設定された所定値とされる。トルクTmopはCS時にゼロとされてもよい。トルクTmopを演算することにより、ベルトBLTに対するメカオイルポンプ21分の負荷が演算される。
トルクTin及びトルクTmopは、トルクコンバータTCで増幅された上でベルトBLTに伝達される。このため、ベルトBLTにはトルクコンバータTCのトルク比に応じた増幅分のトルクTtcがさらに負荷としてかかる。
トルク比は、トルクコンバータTCの入力軸トルクと出力軸トルクとの比(出力軸トルク/入力軸トルク)であり、トルク比と速度比との関係を予め規定したマップデータに基づき、速度比に対応するトルク比を読み込むことにより演算される。
速度比は、トルクコンバータTCの入力回転速度と出力回転速度の比(出力回転速度/入力回転速度)であり、入力回転速度には回転速度NEが、出力回転速度にはタービン回転速度Ntがそれぞれ対応する。このため、速度比は回転速度NEのセンサ値及びタービン回転速度Ntのセンサ値に基づき算出される。
トルクTtcの絶対値は、トルクTin及びトルクTmopの和の絶対値にトルク比を乗算することにより得られた値から、トルクTin及びトルクTmopの和の絶対値を減算することにより演算される。これにより、トルクコンバータTCのトルク増幅機能によりベルトBLTにかかる分の負荷が演算される。
ベルトBLTにはさらに、エンジンENGからプライマリプーリPRIまでのイナーシャトルクであるトルクTinrが影響する。トルクTinrは、回転速度Npriのセンサ値と、エンジンENGからプライマリプーリPRIまでのイナーシャとに基づき演算される。エンジンENGからプライマリプーリPRIまでのイナーシャは、軸周りの慣性モーメントとして予め把握され、トルクTinrはイナーシャに回転速度Npriの変化率を掛けることにより算出される。トルクTinrは、ベルトBLTにかかる負荷を軽減する方向に作用する。
トルクTbrkはブレーキ補正分のトルクであり、駆動輪DWを減速させたときに生じるイナーシャ分のトルクである。トルクTbrkは、回転速度Nsecのセンサ値に基づき算出した車両の減速度Gと変速比IPとに基づき算出される。変速比IPは、回転速度Npriのセンサ値及び回転速度Nsecのセンサ値に基づき算出される。トルクTbrkを演算することにより、ベルトBLTに対するブレーキ分の負荷が演算される。
上記のように演算される伝達トルクTに関し、エンジンENG駆動時には、第2プーリ必要推力Fs2の演算に用いられる伝達トルクTである第2伝達トルクT2が次の数2により算出される。
[数2]
T2=(Tin+Tmop+Ttc-Tinr+Tbrk)×S
余裕率Sは、エンジンENGから変速機TMに入力されるトルクTinのトルク信号値にばらつきがある場合を考慮して予め設定される。余裕率Sを設定するにあたってはさらに、トルクTmop自体のばらつき、トルクコンバータTCの流体性能のばらつき、エンジンENGからプライマリプーリPRIまでのイナーシャのばらつきが予め考慮される。
エンジンENG駆動時には、トルクTinが大きくなる一方、メカオイルポンプ21の吐出油量に余裕がある。このためエンジンENG駆動時には、数2に示されるようにトルクTbrkに余裕率Sを乗算して第2伝達トルクT2を算出し、第2伝達トルクT2に基づき第2プーリ必要推力Fs2が算出される。トルクTbrkに余裕率Sを乗算することにより、第2プーリ必要推力Fs2に応じた必要油量として演算される変速機TMの必要油量が意図的に大きく見積もられる。このため、ベルトBLTの滑りの発生可能性が低減し、変速比IPのLOW戻し性も確保される。
CS時には、第1プーリ必要推力Fs1の演算に用いられる伝達トルクTである第1伝達トルクT1が次の数3により算出される。
[数3]
T1=(Tin+Tmop+Ttc-Tinr)×S+Tbrk
前述の通り、余裕率Sは、トルクTinのトルク信号値にばらつきがある場合等を考慮して設定されたものであり、ブレーキにより生じるイナーシャを考慮していない。このため、トルクTbrkに余裕率Sを乗じなかったとしても、ベルトBLTの滑りが生じないような伝達トルクTの演算は可能である。
従って本実施形態では、供給可能な総油量に余裕がないCS時には、トルクTbrkに余裕率Sを乗じない第1伝達トルクT1を算出し、第1プーリ必要推力Fs1を算出する。これにより、変速機TMの必要油量が第1プーリ必要推力Fs1に応じた必要油量として演算されるので、ベルトBLTの滑りを抑制しつつも油量不足になることが抑制される。従って、ベルトBLTの滑りが発生する可能性の抑制、及び変速比IPのLOW戻し量の増大の両立が図られる。
次に、本実施形態の主な作用効果について説明する。
コントローラ100は、エンジンENGと、エンジンENGと駆動輪DWとを結ぶ動力伝達経路上、エンジンENGの下流に設けられる変速機TMと、を有する車両の制御装置を構成する。コントローラ100は、エンジンENGからのトルクTinと、車両の減速度Gに基づき演算されるトルクTbrkと、余裕率Sと、に基づき変速機TMの必要油量を演算する。コントローラ100は、ブレーキペダルが踏まれているときにエンジンENGが駆動している場合は、トルクTin及びトルクTbrkの双方に余裕率Sを乗じた値を用いて演算される変速機TMの必要油量、つまり第2プーリ必要推力Fs2に応じた必要油量を演算する。コントローラ100は、ブレーキペダルが踏まれているときにエンジンENGが自動停止している場合は、トルクTinに余裕率Sを乗じた値と、トルクTbrkに余裕率Sを乗じない値と、を用いて演算される変速機TMの必要油量、つまり第1プーリ必要推力Fs1に応じた必要油量を演算する。
ここで、余裕率SはエンジンENGから変速機TMに送られる入力トルク信号の値にばらつきがある場合を考慮して設定されたものであることから、トルクTbrkに余裕率Sを乗じなかったとしてもベルトBLTの滑りが生じないような変速機TMの必要油量の演算は可能となる。また、エンジンENGが駆動している場合は、エンジンENGから実際に伝わるトルクTinの絶対値が大きくなる一方、エンジンENGが駆動していることから供給油量に余裕ができる。
このため上記構成では、総油量に余裕のないエンジンENGの自動停止中には、第1プーリ必要推力Fs1に応じた変速機TMの必要油量を演算することで、トルクTbrkに余裕率Sを乗じないで必要油量を演算する。これにより、ベルトBLTに滑りが発生する可能性の抑制とLOW戻し量の増大とを両立させることができ、CS制御の実行後、停車するまでの間に変速機TMのLOW戻し量を増大させることができる(請求項1、3に対応する効果)。
さらに上記構成では、エンジンENGが駆動している場合は、第2プーリ必要推力Fs2に応じた変速機TMの必要油量を演算することで、トルクTbrkにも余裕率Sを乗じて必要油量を敢えて多く見積もる。これにより、ベルトBLTに滑りが発生する可能性を低減することができる。従って、上記構成によればさらに、エンジンENGが駆動している場合にも、ベルトBLTに滑りが発生する可能性の抑制とLOW戻し量の増大とを両立させることができる(請求項1、3に対応する効果)。
コントローラ100は、伝達トルクTと安全率Kとを乗じて演算されたプーリ必要推力Fsに基づき変速機TMの必要油量を演算する。コントローラ100は、トルクTinとトルクTbrkと余裕率Sとに基づき伝達トルクTを演算する。
このような構成によれば、変速機TMの必要油量を演算するにあたり、安全率Kと異なる余裕率Sを適切に演算に用いることができる(請求項2に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上述した実施形態では、変速機TMが電動オイルポンプ22を有する場合について説明した。しかしながら、変速機TMは電動オイルポンプ22を有しない構成とされてもよい。この場合、図2に示すステップS5ではエンジンENGの回転が完全に止まるまでメカオイルポンプ21による油圧供給が行われることになる。
この場合でも、第1プーリ必要推力Fs1に応じた変速機TMの必要油量を演算することで、必要油量はトルクTbrkに余裕率Sを乗じずに演算される。このためこの場合でも、CS制御の実行後、停車するまでの間に変速機TMのLOW戻し量を増大させることができる。
上述した実施形態では、制御部がコントローラ100により実現される場合について説明した。しかしながら、制御部は例えば、単一のコントローラにより実現されてもよい。
21 メカオイルポンプ
22 電動オイルポンプ
100 コントローラ(制御部)
BLT ベルト
DW 駆動輪
ENG エンジン(駆動源)
TM 変速機(ベルト無段変速機)
VA バリエータ

Claims (3)

  1. 駆動源と、前記駆動源と駆動輪とを結ぶ動力伝達経路上、前記駆動源の下流に設けられるベルト無段変速機と、を有する車両の制御装置であって、
    前記駆動源からの入力トルクと、前記車両の減速度に基づき演算されるブレーキ補正値と、余裕率と、に基づき前記ベルト無段変速機の必要油量を演算する制御部を有し、
    前記制御部は、ブレーキペダルが踏まれているときに前記駆動源が駆動している場合は、前記入力トルク及び前記ブレーキ補正値の双方に前記余裕率を乗じた値を用いて前記必要油量を演算し、
    前記制御部は、前記ブレーキペダルが踏まれているときに前記駆動源が自動停止している場合は、前記入力トルクに前記余裕率を乗じた値と、前記ブレーキ補正値に前記余裕率を乗じない値と、を用いて前記必要油量を演算する、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置であって、
    記制御部は、前記ベルト無段変速機の伝達トルク演算値と、安全率と、を乗じて演算された必要推力値に基づき前記必要油量を演算し、
    前記制御部は、前記入力トルクと、前記ブレーキ補正値と、前記余裕率と、に基づき、前記伝達トルク演算値を演算する、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 駆動源と、前記駆動源と駆動輪とを結ぶ動力伝達経路上、前記駆動源の下流に設けられるベルト無段変速機と、を有する車両の制御方法であって、
    前記駆動源からの入力トルクと、前記車両の減速度に基づき演算されるブレーキ補正値と、余裕率と、に基づき前記ベルト無段変速機の必要油量を演算することを含み、
    ブレーキペダルが踏まれているときに前記駆動源が駆動している場合は、前記入力トルク及び前記ブレーキ補正値の双方に前記余裕率を乗じた値を用いて前記必要油量を演算し、
    前記ブレーキペダルが踏まれているときに前記駆動源が自動停止している場合は、前記入力トルクに前記余裕率を乗じた値と、前記ブレーキ補正値に前記余裕率を乗じない値と、を用いて前記必要油量を演算する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
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