JP7164684B2 - 時計を制御するためのデバイス - Google Patents

Description

本発明は、腕時計、詳細には機械式ムーブメントを含む腕時計などの時計を制御するためのデバイスに関する。

機械式小型時計の調整および／または巻付けは、従来、回転および引張りで操作することができる、一般的には小型時計の円周の周りの３時の位置に置かれている制御クラウンによって実施されている。クラウンは、ムーブメントの手動巻付け、時間の設定、日付けの設定、および／または小型時計文字盤の上方または下方で変位する他の指示器の調整などの、操作すべき個々の機能に対応するいくつかの軸方向の位置で軸方向に変位させることができる制御ロッドと一体である。

小型時計ケースから突出している制御クラウンは、例えば引っ掛かりに起因する機能の突然の係合、またはさらに悪いことには巻付けロッドの劣化を回避するために、時によっては保護する必要がある。この欠点を克服するために、クラウンがさらされる衝撃の危険からクラウンを保護するべく、ケースの壁の中に埋め込まれたクラウンを備えた小型時計が設計されている。しかしながらこのタイプのクラウンへのアクセスは、使用者にとっては必ずしも容易ではなく、とりわけ様々な機能を制御するためにクラウンを引っ張ってクラウンをその様々な軸方向の位置へ変位させることになると、それは使用者にとって容易ではない。

本発明の目的は、上で言及した問題を解決することである。

そのために、本発明は、時計であって、ケースと、ケースの中に配置された機械式または電子式ムーブメントと、ケースの壁を貫通している制御ロッドに回転可能に結合されたクラウンであって、制御ロッドをその中心軸の周りに回転させることによって時計の少なくとも１つの機能を作動させるようにしており、前記回転はクラウンを回転させることによって実施される、クラウンとを備える時計を提供し、時計は、
－ ケースが、中心軸の中心に中心軸と同軸の穴を備え前記中心軸の周りに回転動作させることができる回転ローレット・ローラーを備え、ローレット・ローラーは、軸方向に静止するようにケースの上に取り付けられており、
－ クラウンが管の内側に配置された円筒状クラウン・ボディーと一体であり、クラウン・ボディーおよび管は中心軸と同軸であり、
－ 管が、ローレット・ローラーの穴を貫通し、かつ回転ローレット・ローラーに結合されており、したがってローレット・ローラーが回転すると管が中心軸の周りに回転し、さらに、管が軸方向に並進し、
－ クラウンが管に対して自由に回転し、
－ クラウンが、軸方向に管と一体で並進するように配置されており、
したがってローレット・ローラーが回転するとクラウンが中心軸の方向に並進し、管の並進によって、ケースの前記壁の中に提供された空洞にクラウンが収納される静止位置と、クラウンが前記壁から突出している少なくとも１つの制御位置との間でクラウンが駆動され、したがって前記少なくとも１つの機能を作動させることができることを特徴とする。

したがって本発明による時計はクラウンを備えており、このクラウンは、時計のケースの中に提供され外側に向かって開いている空洞であって、腕時計のケースの側壁の空洞などの空洞に収納することができ、したがってクラウンは、使用されていない場合、空洞の中に完全に収納されるか、あるいは側壁と同一平面になり、すなわちクラウンの静止位置に留まる。

クラウンをその静止位置から出すためには、使用者は、固定回転ローレット・ローラーをクラウンの軸方向に回転させることになる。ローレット・ローラーは、ケースの頂部からアクセスすることができることが好ましい。

ローレット・ローラーは、クラウンと一体の円筒状クラウン・ボディーが挿入される管に結合される。ローレット・ローラーが回転すると、管が回転ならびに並進し、管は、並進においてのみ前記シリンダーにリンクされている。言い換えると、管は、クラウンをその中心軸の周りに回転させることなく、クラウンを軸方向に変位させる。

知られている制御デバイスの場合と同様、クラウンは制御ロッドに回転可能に結合されており、ロッドの軸方向の位置に応じて、時計のムーブメントの１つまたは複数の機能を作動させる。

本発明によれば、ローレット・ローラーを回転させることにより、延いてはクラウンを外側に向かって手で引っ張ることなく、クラウンおよびロッドの少なくとも１つの制御位置に到達することができる。

制御位置ではクラウンは壁から突出しており、それにより既存の制御デバイスの場合と同様、クラウンを手で回転させることができる。クラウンをその静止位置へ変位させるためには、使用者は、ローレット・ローラーを反対方向に回転させることになる。

管とローレット・ローラーの間の結合は、ねじ接続によって達成することができる。

いくつかの実施形態によれば、この接続は、時計ムーブメントの様々な機能を調整するために利用することができるすべての制御位置へのクラウンの変位を制御するように構成される。より詳細には、また、好ましい実施形態によれば、ねじ接続は、ローレット・ローラーの中心の穴の長さにわたって延びている雌ねじと、管の長さ全体にわたって延びている、または管の前記長さの一部にわたって延びている雄ねじの間に形成され、したがって管とローレット・ローラーの間の前記ねじ接続による結合を失うことなく、いくつかの制御位置に到達することができる。

他の実施形態によれば、この接続は、一部の制御位置への到達のみを許容し、他の位置は、クラウンを手で引っ張ることによって到達することができる。より詳細には、また、好ましい実施形態によれば、ねじ接続は、ローレット・ローラーの中心の穴の長さの少なくとも一部にわたって延びている雌ねじと、管の長さの限られた部分にわたって延びている雄ねじの間に形成され、したがってクラウンが静止位置から制御位置のうちの１つに到達するとローレット・ローラーと管の間の結合が失われ、また、その結合は、ケースの内側に向かってクラウンを手で押し、次にローレット・ローラーを回転作動させることによって回復することができる。別の実施形態によれば、管とローレット・ローラーの間の接続は、ローレット・ローラーの内側に固定された複数の半径方向のピンと協同する、管の外部表面に提供されたらせん状プロファイルによってなされる。より詳細には、また、好ましい実施形態によれば、管は、その外部表面にらせん状プロファイルを備えており、前記プロファイルは、前記管に沿ってらせんのように延びている溝を画定し、ローレット・ローラーは、ローレット・ローラーの中心の穴の表面に対して半径方向に配向され中心軸に対して垂直な単一の平面に配置された１つまたは複数のピンを備えており、ピンは前記溝に入り、したがってローレット・ローラーがいずれかの回転方向に回転すると、いずれかの軸方向における管の回転ならびに管の並進をもたらす。ピンは、ローレット・ローラーの中心の穴の内側に駆動されるシュラウドの中に取り付けられることが好ましい。

本発明の１つの特徴によれば、シリンダー・クラウン・ボディーは、多角形の形の内部断面を有する中空シリンダーを形成し、また、制御ロッドの端部部分は、前記中空シリンダーの内側に配置され、制御ロッドの前記端部部分は、中空シリンダーの内部断面に対応する多角形断面を有する部分を備え、制御ロッドは、クラウンが静止位置と壁から突出している第１の制御位置の間を並進している間、ロッドがケースに対して静止状態を維持するように配置される。

本発明の１つの特徴によれば、制御ロッドは、クラウンが第１の制御位置を越えて並進で変位すると、ロッドがクラウンと共に１つまたは複数の異なる制御位置へ駆動されるように配置される。

本発明の１つの特徴によれば、制御ロッドのショルダーとクラウン・ヘッドの間にばねが配置される。

本発明の１つの特徴によれば、ローレット・ローラーは、その外部周囲に、それぞれロッドの１つまたは複数の制御位置に対応するローレット・ローラーの１つまたは複数の角位置を示す１つまたは複数のマーキングを備えている。

本発明の好ましい実施形態によれば、時計は、機械式ムーブメントおよび手動巻付けによる腕時計である。

本発明の好ましい実施形態によれば、第１の制御位置はムーブメントの手動巻付けを許容し、また、第２の制御位置は時間および分の調整を許容する。

本発明の好ましい実施形態によれば、クラウンが静止位置にあるとき、クラウンはケースの壁と同一平面にある。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、ケースの壁は、クラウンを収納しクラウンに面している空洞に対して垂直に延びている貫通ハウジングを備えており、ローレット・ローラーはこのハウジングの中に配置される。

したがって本発明によれば、小型時計ケースの中に提供された空洞の中にクラウンを収納することができ、したがってクラウンは、クラウンがその静止位置にあるとき、小型時計の使用者を妨害することはなく、また、クラウンを外側に向かって手で引っ張ることなく、クラウンをその静止位置から出すことができる。

本発明については、以下で、非制限の例として与えられた添付の図面を使用してより詳細に説明される。

第１の実施形態による小型時計の制御デバイスの３Ｄ断面を示す図である。 第１の実施形態による小型時計に対するクラウンのある位置の２Ｄ断面図である。 第１の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第１の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第１の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第２の実施形態による小型時計に対するクラウンのある位置の２Ｄ断面図である。 第２の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第２の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第２の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第３の実施形態による小型時計に対するクラウンのある位置の２Ｄ断面図である。 第３の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第３の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。 第３の実施形態による小型時計に対するクラウンの別の位置の２Ｄ断面図である。

本発明による腕時計の第１の実施形態は、小型時計のケース１に組み込まれた制御デバイスを示す図１および図２ａ乃至図２ｄに図解されている。ケース１は、図には示されていない機械式時計ムーブメントを含んでいるが、ムーブメントは、従来技術で知られている電子式時計ムーブメントまたは電気機械式時計ムーブメントであってもよい。小型時計のベゼル２の一部およびクリスタルガラス３の一部が同じく示されている。制御デバイスは、クラウン・ヘッド４ａで形成されたクラウン４、および外側に向かって開いている、また、ケース１の側壁１４の中に提供された空洞１０に収納される中空円筒状クラウン・ボディー１８を備えている。図１に示されている状態では、リング４は壁１４の表面と同一平面である。この状態は、デバイスが小型時計使用者によって使用されていない場合の制御デバイスの現在の静止状態を表している。クラウン４は、壁１４と同一平面である代わりに、空洞１０の中に完全に収納することも同じく可能である。

制御デバイスを作動させるためには、使用者は、中心の穴を備えた、クラウン４の回転軸６と同軸で配置された回転ローレット・ローラー５を回転させることになり、使用者は、回転ローレット・ローラー５の上部部分にケース１の頂部からアクセスすることができる。ローレット・ローラー５は、軸６の周りを自由に回転し、また、クラウン４の軸方向には静止している。クラウンの回転軸６は、自ずから知られており、この文脈においては詳細に説明されない方法でムーブメント機構と協同することができる制御ロッド７の中心軸と一致している。制御ロッド７は、固定ショルダー・スリーブ８の内側に案内され、空洞１０の底部で小型時計のケース１の壁にねじ込まれている。シール９は、スリーブ８と制御ロッド７の間のスリーブの内部溝の中に配置されている。

また、図１の位置と同じ位置を示す図２ａの断面でも分かるように、ローレット・ローラー５は、管１５の周りに配置され、ねじ接続１６によってこの管１５に結合されており、したがってローレット・ローラー５が回転すると、管１５の回転ならびに軸方向の並進をもたらし、管１５は、制御ロッド７の中心軸６と同軸である。図２ａに示されている静止位置では、管１５は、空洞１０の内側のショルダー１１まで延びている。管１５はスリーブ８を取り囲んでおり、スリーブ８に対して回転で軸方向に変位することができる。反対側では、管１５は、クラウン４と一体の中空円筒状クラウン・ボディー１８を取り囲んでいる。クラウン・ボディー１８も中心軸６と同じく同軸である。管１５の端部は、クラウン４の背面と接触している。その内部中央部分では、管１５はショルダー１９を備えており、このショルダー１９に対して、円筒状クラウン・ボディー１８の遠位部分の周りに固定されたリング２０がもたれかかっている。したがって軸方向では、クラウン・ボディー１８および管１５は互いに一体である。一方、クラウン・ボディー１８は、管１５に対して自由に回転し、その逆についても同様である。

中空円筒状クラウン・ボディー１８の内部の断面は非円形であり、例えば正方形であるか、または別の多角形の形を有している。制御ロッド７は、中空クラウン・ボディー１８に挿入され、回転で前記クラウン・ボディー１８に結合されており、したがってクラウン・ボディー１８の内部の断面に対応する多角形断面を有する部分２５によってクラウン４に結合されている。圧縮ばね２６は、多角形部分２５と中空クラウン・ボディー１８の底部の間に取り付けられている。前記多角形部分２５は、クラウン・ボディー１８に対して、２つの停止、すなわちばね２６によって一方の側に表されている停止と、クラウン・ボディー１８の遠位端の内側に形成されたショルダーに対して駆動されるリング２７によってもう一方の側に表されている停止の間で、並進で変位することができる。

ローレット・ローラー５を図１および図２ａに示されている位置から手で回転させることにより、使用者は、クラウン・ヘッド４ａを回転させることなく、それを引き出すことができる。ねじ接続１６を介したローレット・ローラー５の回転によって作動させると、管１５は、中心軸６の周りの回転によって外側へ向かって変位し、クラウン・ボディー１８、延いてはクラウン・ヘッド４ａを駆動し、クラウン・ヘッド４ａは、図２ｂに示されているように空洞１０の内側のそのハウジングから出て、ケース１から突出している第１の制御位置に到達することになる。クラウン４は管１５から回転結合が解除されるため、この運動の間、クラウン４は中心軸６の周りを回転しない。制御ロッド７は、リング２７が前記第１の制御位置に対応するロッド７の多角形部分２５と接触するまで静止状態を維持する。クラウン４の引出しは、シリンダー１８が外側に向かって運動している間は弛緩しているばね２６によっても作動される。

この時点で使用者は、クラウン４をその中心軸６の周りに、静止状態を維持している管１５に対して回転させることができ、それによりロッド７を回転させてムーブメントの第１の機能、例えば前記ムーブメントの手動巻付けを作動させることができる。

第１の制御位置から同じ方向にローレット・ローラー５を継続して回転させることにより、クラウン４は、図２ｃに示されているように第２の制御位置に向かって軸方向に変位する。リング２７は、この時点ではロッド７の多角形部分２５と接触しているため、前記ロッド７はクラウン４と共に並進し、すなわちロッド７は、スリーブ８から、第２の機能、例えば時間および分の調整の作動を許容する軸方向の位置まで後退する。

最後に、図２ｄは、ローレット・ローラー５の手動回転を継続することによって到達した、クラウン４の第３の制御位置を示したものである。制御ロッド７は、第３の機能の作動、例えば日付けの調整の作動を許容する位置へ軸方向に変位している。

クラウン４を（ケースの中に埋め込まれる）その初期静止位置へ戻すためには、使用者は、ローレット・ローラー５を反対方向に回転させることになる。管１５は内側に向かって変位し、したがってショルダー１９およびリング２０を介してクラウン４およびロッド７を駆動する。ロッド７がその初期静止位置に到達すると、クラウン４は、静止位置に到達するまで、ばね２６の力に対抗して変位し続ける。

ローレット・ローラー５の周囲、すなわちローレット・ローラー５の横方向の外部表面には、１つまたは複数のマーキング（図示せず）が存在していることが好ましい。このマーキングは、ロッド７の制御位置に対応するローレット・ローラー５の角位置を示す。ローレット・ローラーのマーキングが例えばケース１の上部表面に固定されたマーキングの正面に到達すると、その瞬間に前記位置に到達する。

管１５とローレット・ローラー５の間のねじ接続１６は、ローレット・ローラー５と管１５の間の結合の一実施形態を表したものにすぎないことに留意されたい。接続１６のねじピッチがローレット・ローラー５の寸法と比較して小さい場合、このデバイスには、第１の制御位置に到達するためにローレット・ローラー５の何回かの回転が必要であり、また、他の制御位置に到達するためにも恐らく何回かの回転が必要である。

図３ａ乃至図３ｄは、管１５とローレット・ローラー５の間の結合の第２の実施形態を示したものである。管１５は、ここではその外部表面にらせん状プロファイル３５を備えており、このらせん状プロファイル３５は、管１５の外部表面全体にわたってらせんのように延びている溝を画定している。シュラウド３６は、ローレット・ローラー５の中心の穴の内側へ駆動される。シュラウド３６は、一定のクリアランスを有する溝に入る複数の半径方向のピン３７を維持している。典型的には数が２本のピンが、好ましくはローレット・ローラー５の長さの中間に（長さは軸６の方向に測定される）、軸６に対して垂直な同一平面に配置される。したがってローレット・ローラー５が回転すると、管１５の回転および並進が作動される。この実施形態の利点は、３つの制御位置に到達するための管１５の軸方向の変位が、ここでは、上で説明した実施形態における事例より短いローレット・ローラー５の角距離にわたる回転によって作動されることである。らせんのピッチは、ローレット・ローラーの完全な１回転未満の回転でクラウンのすべての軸方向の位置に到達するようになされることが好ましい。ローレット・ローラー上のマーキングは、クラウン４およびロッド７の制御位置に対応するローレット・ローラー５の位置を使用者に同じく示すことができる。

図１および図２ａ乃至図２ｄの実施形態では、ねじ接続１６は、ローレット・ローラー５の中心の穴の長さ全体（軸６の方向に見て）にわたって延びている雌ねじ１２と、管１５の長さ全体にわたって延びている雄ねじ１３の間でなされている。その結果、このねじ接続１６により、ローレット・ローラー５と管１５の間の結合を失うことなく、３つの制御位置に到達することができ、また、クラウン４をその静止位置に戻すことができる。したがって使用者は、既存の制御デバイスにおける事例の場合のようにクラウンを手で押す必要も、あるいはクラウンを手で引っ張る必要もない。

別の実施形態によれば、ねじ接続は、すべての制御位置への到達を許容せず、使用者は、クラウンを手で引っ張っていくつかの追加位置に到達することを強いられる。後者の実施形態の例は図４ａ乃至図４ｄに図解されている。この実施形態には、管１５とローレット・ローラー５の間のねじ接続１６が同じく存在しているが、接続は、この事例では、ローレット・ローラー５の中心の穴の長さの長い部分にわたる雌ねじ１２と、管１５の長さの限られた部分のみにわたって延びている雄ねじ１３’の間でなされている。ねじが切られたコネクター１６により、クラウン４は、依然として、先行する実施形態の場合と同様、図４ａに図解されているその静止位置から出ることができる。しかしながら図４ｂに示されているように、クラウン４が第１の制御位置に到達すると、ねじ１２と１３’の間の結合が失われる。クラウンをクラウンの他の位置へ移動させるためには、使用者は、図４ｃおよび図４ｄに示されているように、既存の制御デバイスの場合のようにクラウン４を手で引っ張ってケース１から出さなければならない。クラウンを静止位置に戻すためには、使用者は、ローレット・ローラーと管の間の接続が係合されるまで、クラウン４を第１の位置に戻るまで押し戻さなければならない。ローレット・ローラーのねじが管のねじと係合すると、ローレット・ローラー５を回転させることにより、クラウン４をその静止位置に戻すことができる。

本発明の範囲は、上で説明した実施形態とは異なる代替実施形態を含むことは言うまでもない。例えば制御ロッド７は、クラウン４が静止位置から変位すると、直ちにロッド７が引き出されるよう、クラウン４と一体であってもよい。この場合、シリンダー１８は、中空シリンダーの代わりに中実シリンダーであってもよく、また、ばね２６は省略されることになる。制御位置の数は規定されず、また、１つの制御位置と、特定の時計ムーブメントのために達成可能な任意の数の制御位置の間で変更することができる。

本発明は、手動巻付けによる機械式時計ムーブメントに有利に適用することができるが、クオーツまたは他のタイプの電子式小型時計、とりわけアナログ表示部材を備えた電子式小型時計に同じく適用することができる。

様々な構成要素のために使用される材料は金属であることが好ましい。

１ ケース
２ ベゼル
３ クリスタルガラス
４ クラウン、リング
４ａ クラウン・ヘッド
５ 回転ローレット・ローラー
６ クラウン４の回転軸
７ 制御ロッド
８ 固定ショルダー・スリーブ
９ シール
１０ 空洞
１１ 空洞１０の内側のショルダー
１２ 雌ねじ
１３ 雄ねじ
１３’ 雄ねじ
１４ ケース１の側壁
１５ 管
１６ ねじ接続、ねじが切られたコネクター
１８ 中空円筒状クラウン・ボディー
１９ ショルダー
２０ リング
２５ クラウン・ボディー１８の内部の断面に対応する多角形断面を有する部分、多角形部分
２６ 圧縮ばね
２７ リング
３５ らせん状プロファイル
３６ シュラウド
３７ ピン

Claims (15)

1. 時計であって、ケース（１）と、前記ケースの中に配置された機械式または電子式ムーブメントと、前記ケースの壁（１４）を貫通している制御ロッド（７）に回転可能に結合されたクラウン（４）であって、前記制御ロッドをその中心軸（６）の周りに回転させることによって前記時計の少なくとも１つの機能を作動させるようにしており、前記回転は前記クラウン（４）を回転させることによって実施される、クラウン（４）とを備え、
   － 前記ケース（１）が、前記中心軸（６）の中心に前記中心軸（６）と同軸の穴を備え前記中心軸の周りに回転動作させることができる回転ローレット・ローラー（５）を備え、前記ローレット・ローラーは、軸方向に静止するように前記ケース（１）の上に取り付けられており、
   － 前記クラウン（４）が管（１５）の内側に配置された円筒状クラウン・ボディー（１８）と一体であり、前記円筒状クラウン・ボディーおよび前記管は前記中心軸（６）と同軸であり、
   － 前記管（１５）が、前記ローレット・ローラーの前記穴を貫通し、かつ前記回転ローレット・ローラー（５）に結合されており、したがって前記ローレット・ローラーが回転すると前記管が前記中心軸（６）の周りに回転し、さらに、前記管が前記軸方向に並進し、
   － 前記クラウン（４）が前記管（１５）に対して自由に回転し、
   － 前記クラウンが、前記軸方向に前記管一体で並進するように配置されており、
   したがって前記ローレット・ローラー（５）が回転すると前記クラウン（４）が前記中心軸（６）の方向に並進し、前記管（１５）の前記並進によって、前記ケース（１）の前記壁（１４）の中に提供された空洞（１０）に前記クラウン（４）が収納される静止位置と、前記クラウン（４）が前記壁（１４）から突出している少なくとも１つの制御位置との間で前記クラウン（４）が駆動され、したがって前記少なくとも１つの機能を作動させることができることを特徴とする、時計。
2. 前記ローレット・ローラー（５）および前記管（１５）がねじ接続（１６）によって結合されることを特徴とする請求項１に記載の時計。
3. 前記ねじ接続が、前記ローレット・ローラー（５）の前記中心の穴の長さにわたって延びている雌ねじ（１２）と、前記管（１５）の長さ全体にわたって延びている、または前記管の前記長さの一部にわたって延びている雄ねじ（１３）の間に形成され、したがって前記管（１５）と前記ローレット・ローラー（５）の間の前記ねじ接続（１６）による前記結合を失うことなく、いくつかの制御位置に到達することができることを特徴とする請求項２に記載の時計。
4. 前記ねじ接続（１６）が、前記ローレット・ローラー（５）の前記中心の穴の前記長さの少なくとも一部にわたって延びている雌ねじ（１２）と、前記管（１５）の前記長さの限られた部分にわたって延びている雄ねじ（１３’）の間に形成され、したがって前記クラウン（４）が前記静止位置から前記制御位置のうちの１つに到達すると前記ローレット・ローラー（５）と前記管（１５）の間の前記結合が失われ、前記結合が、前記ケースの内側に向かって前記クラウン（４）を手で押し、次に前記ローレット・ローラーを回転作動させることによって回復することができることを特徴とする請求項２に記載の時計。
5. 前記クラウン（４）を手で引っ張って前記ケース（１）から出すことにより、前記結合が失われる前記制御位置から前記クラウン（４）を１つまたは複数の追加軸方向制御位置へ変位させることができることを特徴とする請求項４に記載の時計。
6. － 前記管（１５）がその外部表面にらせん状プロファイルを備え、前記プロファイルが、前記管に沿ってらせんのように延びている溝を画定しており、
   － 前記ローレット・ローラー（５）が、前記ローレット・ローラー（５）の前記中心の穴の表面に対して半径方向に配向され前記中心軸（６）に対して垂直な単一の平面に配置された１つまたは複数のピン（３７）を備えており、
   － 前記ピン（３７）が前記溝に入り、したがって前記ローレット・ローラー（５）がいずれかの回転方向に回転すると、いずれかの軸方向における前記管（１５）の回転ならびに前記管の並進をもたらすことを特徴とする請求項１に記載の時計。
7. 前記ピン（３７）が、前記ローレット・ローラー（５）の前記中心の穴の内側に駆動されるシュラウド（３６）の中に取り付けられることを特徴とする請求項６に記載の時計。
8. 前記円筒状クラウン・ボディー（１８）が多角形の形の内部断面を有する中空シリンダーを形成し、前記制御ロッド（７）の端部部分が前記中空シリンダー（１８）の内側に配置されており、前記制御ロッドの前記端部部分が、前記中空シリンダー（１８）の前記内部断面に対応する多角形断面を有する部分（２５）を備えており、前記制御ロッドが、前記クラウン（４）が前記静止位置と前記壁から突出している第１の制御位置の間を並進している間、前記ロッド（７）が前記ケース（１）に対して静止状態を維持するように配置されることを特徴とする請求項１～７のいずれか一項に記載の時計。
9. 前記制御ロッド（７）が、前記クラウン（４）が前記第１の制御位置を越えて並進で変位すると、前記ロッド（７）が前記クラウン（４）と共に１つまたは複数の異なる制御位置へ駆動されるように配置されることを特徴とする請求項８に記載の時計。
10. 前記制御ロッド（７）のショルダーと前記クラウン・ヘッド（４）の間にばね（２６）が配置されることを特徴とする請求項８または９に記載の時計。
11. 前記ローレット・ローラー（５）が、その外部周囲に、それぞれ前記ロッド（７）の１つまたは複数の制御位置に対応する前記ローレット・ローラーの１つまたは複数の角位置を示す１つまたは複数のマーキングを備えていることを特徴とする請求項１～１０のいずれか一項に記載の時計。
12. 前記時計が機械式ムーブメントおよび手動巻付けによる腕時計であることを特徴とする請求項１～１１のいずれか一項に記載の時計。
13. 前記クラウン（４）が前記壁（１４）から突出している第１の制御位置が前記ムーブメントの手動巻付けを許容し、第２の制御位置が時間および分の調整を許容することを特徴とする請求項１２に記載の時計。
14. 前記クラウン（４）が前記静止位置にあるとき、前記クラウンが前記ケース（１）の前記壁と同一平面にあることを特徴とする請求項１～１３のいずれか一項に記載の時計。
15. 前記壁が、前記クラウンを収納し前記クラウンに面している前記空洞に対して垂直に延びている貫通ハウジングを備えており、前記ローレット・ローラーが前記ハウジングの中に配置されることを特徴とする請求項１～１４のいずれか一項に記載の時計。
    

Images