JP7163944B2 - 基板保持装置およびイオン注入装置 - Google Patents
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Description
ホルダは、四つの長尺状の板材が一端部で連結されることで全体が櫛状を成す形状に構成されており、両端に位置する板材には一対の回転軸が接合されている。また、回転機構は、一対の回転軸の一方にのみ回転力を与えることでホルダを回転動作させる構成とされている。
また、基板が規定の位置または姿勢でホルダに保持されていない場合には、基板に対して所定の処理を適正に施すことができないおそれがある。
基板を保持するホルダと、
前記ホルダに接合され、前記ホルダの回転軸を規定する軸部材と、
前記ホルダの前記回転軸方向の両端より外方で前記軸部材を回転可能に支持しつつ、前記軸部材の前記回転軸方向の移動を規制する一対の支持板を有するホルダ支持部材と、を備え、
前記ホルダが前記回転軸を中心とする回転動作により倒伏位置と起立位置との間を移動できるよう構成された基板保持装置であって、
前記ホルダは、
前記回転軸上で互いに離間して配置され、前記基板を支持する複数の基板支持部材と、
各前記基板支持部材の前記起立位置における下方側または上方側の端部に接合され、前記複数の基板支持部材を連結する第一の連結部材と、を有し、
前記軸部材は、前記回転軸に沿って各基板支持部材に接合されている構成とされている。
また、一対の支持板が変形しようとする場合であっても、一対の支持板と各基板支持部材が軸部材を介して支え合うため、一対の支持板および各基板支持部材の変形が抑制され、その結果、ホルダの変形が抑制される。
したがって、本発明の基板保持装置によれば、基板を保持するホルダの変形を抑制できる。さらに、各基板支持部材の変形量にばらつきが発生することを抑制でき、基板を規定の位置および姿勢で保持することができる。
前記複数の基板支持部材のうち少なくとも一つは、
前記基板が支持される側の支持面を有する長尺状の板材から成り、
前記軸部材が接合される接合位置と前記起立位置における上方側または下方側の端部との間の少なくとも一部の領域において、前記支持面からの厚さ寸法が前記接合位置側から前記端部側にかけて次第に小さくなる構成としてもよい。
前記ホルダは、各前記基板支持部材の前記起立位置における下方側または上方側の端部のうち、前記第一の連結部材により連結される側と異なる側の端部を連結する第二の連結部材をさらに備える構成としてもよい。
前記ホルダの前記回転動作を駆動させる駆動装置をさらに備え、
前記駆動装置は、前記軸部材の前記ホルダの前記両端より外方の両側に、前記軸部材を同一方向に回転させる回転力を与えるよう構成されていてもよい。
基板にイオン注入処理が施される処理室と、前記処理室内に配置された基板保持装置と、を備えるイオン注入装置であって、
前記基板保持装置は、
基板を保持するホルダと、
前記ホルダに接合され、前記ホルダの回転軸を規定する軸部材と、
前記ホルダの前記回転軸方向の両端より外方で前記軸部材を回転可能に支持しつつ、前記軸部材の前記回転軸方向の移動を規制する一対の支持板を有するホルダ支持部材と、を備え、
前記ホルダが前記回転軸を中心とする回転動作により、倒伏位置と起立位置との間を移動できるよう構成されており、
前記ホルダは、
前記回転軸上で互いに離間して配置され、前記基板を支持する複数の基板支持部材と、
各前記基板支持部材の前記起立位置における下方側または下方側の端部に接合され、前記複数の基板支持部材を連結する第一の連結部材と、を有し、
前記軸部材は、前記回転軸に沿って前記複数の基板支持部材に接合されている構成とされている。
また、一対の支持板が変形しようとする場合であっても、一対の支持板と各基板支持部材が軸部材を介して支え合うため、一対の支持板および各基板支持部材の変形が抑制され、その結果、ホルダの変形が抑制される。
したがって、本発明の基板保持装置によれば、基板を保持するホルダの変形を抑制できる。さらに、各基板支持部材の変形量にばらつきが発生することを抑制でき、基板を規定の位置および姿勢で保持することができる。その結果、基板に対して適正にイオン注入処理を施すことができる。
本実施形態におけるイオン注入装置100は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの製造工程において使用され、基板Sに対してイオン注入処理を施す装置であり、本実施形態における基板Sは矩形状のガラス基板である。
また、ホルダ支持部材40は、駆動装置50および駆動装置50に連結されたリンク機構52の一部をイオンビームIBから保護するための保護板43をさらに備えている。
図3に示すように、本実施形態におけるホルダ20の倒伏位置P1は、基板Sを水平面上に置く位置である。つまり、倒伏位置P1は、処理室101と搬送室102との間で基板Sの受け渡しを行う場合に使用されるホルダ20の位置である。
尚、倒伏位置P1および起立位置P2は、ホルダ20の回転動作における相対的位置関係を単に表しているものであり、前述の位置は一例であって倒伏位置P1および起立位置P2を限定するものではない。
したがって、ホルダ20は、基板支持部材21a~21fの支持面22a~22fおよび下側連結部材23の支持面23aによって基板Sを支持することができ、各基板支持部材21a~21fの間に形成される間隙から、基板Sに所定の処理を施すことで発生する熱を放出することができる。
尚、本実施形態においては、基板支持部材21a~21fの支持面22a~22f上、および、下側連結部材23の支持面23a上には、基板Sを支持するためのピン(不図示)が配置されており、基板支持部材21a~21fと下側連結部材23は、前述のピン(不図示)を介して基板Sを支持する構成とされている。
尚、本実施形態においては、各基板支持部材21a~21fと軸部材30は、ボルト(不図示)により接合されているが、これに接合方法はこれに限定されるものではない。
基板支持部材21a~21fは、上側テーパ領域25a~25fを有することによって、
剛性が確保され、基板支持部材21a~21fが軽量化される。
基板支持部材21a~21fは、下側テーパ領域26a~26fを有することによっても、剛性が確保され、基板支持部材21a~21fが軽量化される。
尚、本実施形態においては、基板支持部材21a~21fは側面視においては同一の形状を成しており、すべての基板支持部材21a~21fに上側テーパ領域25a~25fと下側テーパ領域26a~26fがそれぞれ形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、基板支持部材21a~21fが、上側テーパ領域25a~25fと下側テーパ領域26a~26fのいずれか一方のみを備える構成でもよく、基板支持部材21a~21fごとに、上側テーパ領域25a~25fと下側テーパ領域26a~26fの形成の有無をそれぞれ変えてもよい。
図6に斜線で示すように、基板支持部材24aの内部には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により形成された補強部材29が埋設されており、基板支持部材21aの剛性を確保しつつ軽量化されている。また、他の基板支持部材21b~21fにおいても同様に補強部材29が埋設されている。
尚、補強部材29は必ずしも必要となるものではない。また、基板支持部材21b~21fの一部にのみ補強部材29を埋設する構成であってもよく、各基板支持部材21b~21fの剛性や重量によって補強部材29の使用の有無を決定すればよい。
図8に示すように、上側連結部材28は長尺状の板材を折り曲げるように形成されており、各基板支持部材21a~21fとの接合領域28aと、各接合領域28a間に形成された連結領域28bを有する。上側連結部材28は、ホルダが倒伏位置P1にある状態について、連結領域28bが接合領域28aより下方に位置するよう形成されており、後述するように基板Sを載置するためのフィンガー104bとの干渉を避ける構成とされている。
尚、本実施形態においては、第一の連結部材を下側連結部材23、第二の連結部材を上側連結部材28としたが、反対に、第一の連結部材が各基板支持部材21a~21fの起立位置P2おける上方側の端部を連結し、第二の連結部材が各基板支持部材21a~21fの起立位置P2おける下方側の端部を連結する構成としても良い。
したがって、本実施形態における基板保持装置10は、ホルダ20の変形を抑制でき、さらに、各基板支持部材21a~21fの変形にばらつきが生じることを抑制できる。
これに対し、本実施形態のホルダ20においては、軸部材30が各基板支持部材21a~21fに連結された状態で一対の支持板41、41に回転軸A方向の移動が規制された状態で支持されているため、一対の支持板41、41と基板支持部材21a~21fが軸部材30を介して支え合い、ホルダ20およびホルダ支持部材40の一対の支持板41、41および底板42の変形を抑制できる。
また、仮にホルダ20に大きなねじりが生じると、一対のシャフト31、31が回転軸Aからわずかにずれることが想定される。この場合、軸部材30が回転し難くなることで動力源51に負荷がかかる。これに対し、本実施形態においては、一対のシャフト31,31の双方に回転力を与えることで、ホルダ20および軸部材30のねじりによる変形が抑制され、動力源51へ負荷がかかることも抑制されている。
また、軸部材30は回転軸Aに沿って各基板支持部材21a~21fに接合され、ホルダ支持部材40の一対の支持板41,41に回転軸A方向の移動が規制された状態で支持されている。したがって、一対の支持板41,41と軸部材30が互いに支持し合う状態となり、その結果、軸部材30によって、一対の支持板41,41と基板支持部材21a~21fが互いに支え合う状態となることにより、ホルダ20の変形が抑制される。
つまり、本実施形態における基板保持装置10は、基板Sを保持するホルダ20の変形を抑制できる。さらに、各基板支持部材21a~21fの変形量にばらつきが発生することを抑制でき、規定された位置および姿勢で基板Sを保持することができる。その結果、規定された位置および姿勢で基板Sを保持することができ、基板Sに対して適正に所定の処理を施すことができる。
イオン注入装置100においては、基板Sは、まず外部から一方の内部を大気圧下に置かれたロードロック室103に搬入される。その後、ロードロック室103の内部が真空排気され、基板Sは搬送装置104により搬送室102を経由して処理室101に搬入される。処理室101では、基板Sは基板保持装置10のホルダ20に保持される。このとき、ホルダ20は倒伏位置P1にあり、基板SのイオンビームIBが照射される被処理面Saを上方に向けた状態で基板Sはホルダ20に載置される。
より詳細には、アーム104aが駆動することにより、基板Sはフィンガー104bに載置された状態で処理室101に搬入される。
その後、基板Sが載置されたフィンガー104bをホルダ20の上方から徐々に下降させ、基板支持部材21a~21fの間の間隙に各フィンガー104bが位置付けられるよう動作させることで、基板Sが基板支持部材21a~21fの支持面22a~22f側に載置される。
そして、ホルダ20は、駆動装置50から回転力が与えられて回転動作することにより、起立位置P2に移動する。起立位置P2においては、基板Sの被処理面Saは処理室101に導入されるイオンビームIBに向けられた状態となっている。
尚、本実施形態におけるイオン注入装置100においては、基板保持装置10に保持された基板SがイオンビームIBを一度横切る間にイオン注入される構成としたが、基板保持装置10を一方向Dに沿って往復移動させ、基板SがイオンビームIBを複数回横切る構成としてもよい。
IB イオンビーム
A 回転軸
D 一方向
P1 倒伏位置
P2 起立位置
100 イオン注入装置
101 処理室
102 搬送室
103 ロードロック室
104 搬送装置
105 移送装置
10 基板保持装置
20 ホルダ
21a~21f 基板支持部材
23 下側連結部材
25a~25f 上側テーパ領域
26a~26f 下側テーパ領域
28 上側連結部材
30 軸部材
31、31 シャフト
40 ホルダ支持部材
41、41 支持板
50 駆動装置
Claims (4)
- イオン注入装置に使用され、
基板を保持するホルダと、
前記ホルダに接合され、前記ホルダの回転軸を規定する軸部材と、
前記ホルダの前記回転軸方向の両端より外方で前記軸部材を回転可能に支持しつつ、前記軸部材の前記回転軸方向の移動を規制する一対の支持板を有するホルダ支持部材と、を備え、
前記ホルダが前記回転軸を中心とする回転動作により倒伏位置と起立位置との間を移動できるよう構成され、前記起立位置において前記ホルダに保持された基板にイオンビームが照射される基板保持装置であって、
前記ホルダは、
前記回転軸上で互いに離間して配置され、前記基板を支持する複数の基板支持部材と、
各前記基板支持部材の前記起立位置における下方側または上方側の端部に接合され、前記複数の基板支持部材を連結する第一の連結部材と、を有し、
前記軸部材は、前記回転軸に沿って各基板支持部材に接合されており、
前記ホルダの前記回転動作を駆動させる駆動装置をさらに備え、
前記駆動装置は、前記軸部材の前記ホルダの前記両端より外方の両方に、前記軸部材を同一方向に回転させる回転力を与えるよう構成されている基板保持装置。 - 前記複数の基板支持部材のうち少なくとも一つは、
前記基板が支持される側の支持面を有する長尺状の板材から成り、
前記軸部材が接合される接合位置と前記起立位置における上方側または下方側の端部との間の少なくとも一部の領域において、前記支持面からの厚さ寸法が前記接合位置側から前記端部側にかけて次第に小さくなるよう構成されている請求項1に記載の基板保持装置。 - 前記ホルダは、各前記基板支持部材の前記起立位置における下方側または上方側の端部のうち、前記第一の連結部材により連結される側と異なる側の端部を連結する第二の連結部材をさらに備える請求項1または2に記載の基板保持装置。
- 基板にイオン注入処理が施される処理室と、前記処理室内に配置された基板保持装置と、を備えるイオン注入装置であって、
前記基板保持装置は、
基板を保持するホルダと、
前記ホルダに接合され、前記ホルダの回転軸を規定する軸部材と、
前記ホルダの前記回転軸方向の両端より外方で前記軸部材を回転可能に支持しつつ、前記軸部材の前記回転軸方向の移動を規制する一対の支持板を有するホルダ支持部材と、を備え、
前記ホルダが前記回転軸を中心とする回転動作により、倒伏位置と起立位置との間を移動できるよう構成されており、
前記ホルダは、
前記回転軸上で互いに離間して配置され、前記基板を支持する複数の基板支持部材と、
各前記基板支持部材の前記起立位置における下方側または上方側の端部に接合され、前記複数の基板支持部材を連結する第一の連結部材と、を有し、
前記軸部材は、前記回転軸に沿って前記複数の基板支持部材に接合されており、
前記基板保持装置は、前記ホルダの前記回転動作を駆動させる駆動装置をさらに備え、
前記駆動装置は、前記軸部材の前記ホルダの前記両端より外方の両方に、前記軸部材を同一方向に回転させる回転力を与えるよう構成されているイオン注入装置。
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