JP7162593B2 - ククルビットウリル誘導体の調製のための方法 - Google Patents
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Description
最新技術によると、ククルビットウリルの生成は、高温の強酸性水性条件下でグリコールウリルとホルムアルデヒドとの重縮合を行う、化学的プロセスである。例えば、9Mの硫酸又は5M~9Mの塩酸が反応媒体として使用され、反応温度は、75℃を超え、通常75~90℃である。反応時間は、典型的には24時間のオーダーである。そのような方法は、米国特許第6,793,839号にも記載されている。
ホルムアルデヒドに対する規制上の制限は、この物質の発がん可能性によってますます増加している。したがって消費者用製品において残留ホルムアルデヒドのレベルを減少することが、必要であると認識されている。例えば、果実及び野菜などの植物材料において測定される天然ホルムアルデヒドレベルと同じ低さ(6~35ppm)のものが、極めて望ましい(EFSA Journal 2014;12(2):3550)。
本発明の第3の態様において、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体の調製のための方法であって、酸の存在下かついかなるホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド前駆体も存在させずに、完全アルコキシメチル化グリコールウリルを非置換グリコールウリルと混合するステップを含む、方法が提供される。
一実施形態において、第2及び第3の態様において使用される酸は、鉱酸又は有機酸である。酸は、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸から選択され得る。
本発明の第4の態様において、本発明の第2又は第3の態様に記載されている方法により得られる又は得ることができる、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体が提供される。
本発明は、ホルムアルデヒドを含まない、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体を提供する。
一実施形態において、ククルビットウリルは、CB[5]、CB[6]、CB[7]又はCB[8]化合物である。
一実施形態において、ククルビットウリルは、CB[7]化合物である。
一実施形態において、ククルビットウリルは、CB[8]化合物である。
本発明のククルビットウリルが、CB[5]、CB[6]、CB[7]及びCB[8]から選択される少なくとも2つの異なるククルビットウリルを含む場合、CB[5]、CB[6]、CB[7]及び/又はCB[8]の総濃度は、ククルビットウリルの総重量の75重量%を超える、とりわけ約90重量%を超える、とりわけ約99重量%を超えることができる。ククルビットウリルの残りの構成成分は、CB[4]、CB[9]及び/又は高級ククルビットウリル(すなわち、CB[10]~CB[20])を、単一のサイズのククルビットウリル又はこれらのサイズの混合物として含有することができる。
ククルビットウリル誘導体が、上記に記載された組成物及び用途に提供され、使用が見出される。ククルビットウリルの誘導体は、1、2、3、4個又はそれ以上の置換グリコールウリル単位を有する構造である。置換ククルビットウリル化合物は、下記の構造:
nは、4~20の整数であり、
各グリコールウリル単位では、
各Xは、O、S又はNR3であり、
-R1及び-R2は、-H及び以下の任意選択で置換されている基:-R3、-OH、-OR3、-COOH、-COOR3、-NH2、-NHR3及び-N(R3)2からそれぞれ独立して選択され、ここでR3は、C1~20アルキル基、C6~20カルボアリール基及びC5~20ヘテロアリール基から独立して選択され、又は-R1及び/若しくは-R2は、-N(R3)2であり、両方の-R3は、一緒になってC5~7複素環式環を形成し、又は-R1及び-R2は、ウラシル骨格と一緒になってC6~8炭素環式環を形成する、C4~6アルキレンである]により表され得る。
一実施態様において、nは5、6、7又は8である。
一実施態様において、各XはOである。
一実施形態において、R1及びR2は、それぞれ独立してHである。
一実施形態において、各単位では、R1及びR2の一方はHであり、他方は、-H及び以下の任意選択で置換されている基:-R3、-OH、-OR3、-COOH、-COOR3、-NH2、-NHR3及び-N(R3)2から独立して選択される。一実施形態において、1個の単位では、R1及びR2の一方はHであり、他方は、-H及び以下の任意選択で置換されている基:-R3、-OH、-OR3、-COOH、-COOR3、-NH2、-NHR3及び-N(R3)2から独立して選択される。この実施形態において、残りのグリコールウリル単位は、R1及びR2がそれぞれ独立してHであるようなものである。
-R1及び/又は-R2が-OR3、-NHR3又は-N(R3)2である場合、-R3は、好ましくはC1~6アルキルである。一部の実施形態において、-R3は、置換基-OR4、-NHR4又は-N(R4)2で置換されている。各-R4はC1~6アルキルであり、好ましくはそれ自体が置換されている。
一実施形態において、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体は、300ppm未満のホルムアルデヒドを含み、すなわち、ホルムアルデヒドとククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体との重量比は、300:1,000,000又は3:10,000であり、とりわけ200ppm未満のホルムアルデヒド、さらにとりわけ100ppm未満のホルムアルデヒド、例えば50ppm未満のホルムアルデヒド、好ましくは25ppm未満のホルムアルデヒドを含む。
低いホルムアルデヒド含有量を有するククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体は、非置換グリコールウリル及び/又はその誘導体を酸の存在下でメチレン架橋剤と混合することによって調製され得る。
非置換グリコールウリル及び/又はその誘導体と試薬の反応は、酸の存在下で実施されることが必要である。酸は、実施される反応を触媒するように作用する。酸を使用しないと、非置換グリコールウリル及び/又はその誘導体と試薬は反応しない。
一実施形態において、非置換グリコールウリル及び/又はその誘導体と酸は、同時に一緒に混合される。酸は過剰量で存在してもよく、そのことは非置換グリコールウリル及び/又はその誘導体が酸に溶解するのを可能にする。次に試薬が、非置換グリコールウリル及び/又はその誘導体と酸の混合物に少量ずつ又は滴加にて添加される。
一旦全ての構成成分が添加されると、次に反応混合物は、40℃~200℃の温度に加熱される。或いは、非置換グリコールウリル及び/又はその誘導体、及び酸は、試薬が添加される前に加熱反応容器内で混合され得る。加熱反応容器も40~200℃の温度であり得る。
最後に、本明細書に記載されている方法は、精製ステップをさらに含むことができる。一実施形態において、精製ステップは洗浄ステップである。代替的な精製ステップは再結晶化を含む。反応混合物の洗浄は、あらゆる適切な溶媒により実施され得る。そのような溶媒は、当業者に周知であり、例はアセトン及びメタノールを含む。反応混合物の洗浄は、あらゆる残りの試薬及び酸を除去するために多くの場合に必要である。しかし、よりクリーンな反応の結果、本発明の方法における洗浄及び乾燥ステップは、従来技術の方法と比較して煩雑さがはるかに少ない。
グリコールウリル
グリコールウリルは、ククルビットウリルを構成するモノマー単位である。グリコールウリルは、非置換グリコールウリル、アルコキシメチル化グリコールウリル、これらの他の誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択される。
R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つが-CH2-O-C1~C4アルキル基である場合、グリコールウリルは、アルコキシメチル化グリコールウリルと呼ばれ得る。R1、R2、R3及びR4がそれぞれ水素である場合、グリコールウリルは非置換グリコールウリルと呼ばれ得る。
モノアルコキシメチル化グリコールウリルでは、R1、R2、R3及びR4基の1つは-CH2-O-C1~C4アルキル基を表すが、残りの基は水素を表す。ジアルコキシメチル化グリコールウリルでは、R1、R2、R3及びR4基の2つは、それぞれ独立して-CH2-O-C1~C4アルキル基を表すが、残りの基は水素を表す。トリアルコキシメチル化グリコールウリルでは、R1、R2、R3及びR4基の3つは、それぞれ独立して-CH2-O-C1~C4アルキル基を表すが、残りの基は水素を表す。最後にテトラアルコキシメチル化グリコールウリルでは、R1、R2、R3及びR4基の4つは、それぞれ独立して-CH2-O-C1~C4アルキル基を表す。
本明細書に記載されているある特定の方法は、試薬とグリコールウリルとの反応を伴う。試薬は、グリコールウリル単位間にメチレン架橋を形成することができる化合物でなければならない。試薬は、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド前駆体、例えば、パラホルムアルデヒド若しくはトリオキサンであり得ない。
R1及びR2は、水素、非置換又は置換の、直鎖、分岐鎖又は環状の、飽和又は不飽和の炭化水素ラジカルからそれぞれ独立して選択され、
Rは、水素を表す]である。
一実施形態において、直鎖、分岐鎖又は環状、飽和又は不飽和の炭化水素ラジカルは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、オキソ、ニトロ又はC1~C3アルコキシで置換されている。
ジアルコキシメタンは、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジプロポキシメタン(1-(プロポキシメトキシ)プロパン)、ジイソプロポキシメタン(2-(イソプロポキシメトキシ)プロパン)、ジブトキシメタン(1-(ブトキシメトキシ)ブタン)、ジ(tert-ブトキシ)メタン(2-メチル-2-{[(2-メチル-2-プロパニル)オキシ]メトキシ}プロパン)及びこれらの混合物から選択され得る。
他の適切な試薬は、1,3-シクロケタールを含む。
1,3-シクロケタールは、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン、グリセロールホルマール、1,3-ジオキセパン、1,3-ジオキソパン、ポリ(ビニルホルマール)などを含む。
本発明の一態様において、低レベルの残留ホルムアルデヒドを有する、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体を含む組成物が提供される。
組成物は、防腐剤、色素、顔料、金属イオン封鎖剤、界面活性剤及び酸化防止剤などの賦形剤をさらに含むことができる。
本発明の消費者用製品は、洗剤、クレンジング組成物(cleansing composition)、シャンプー、ソフナー(softener)、ソフナーシート、コンディショナー、リフレッシャー(refresher)、エアーフレッシュナー(air freshener)、脱臭組成物(deodorizing composition)、パーソナルデオドラント、触媒用の担体、薬物送達デバイス、医療デバイス、制汗剤、化粧料、ファインフレグランス(fine fragrance)、ボディミスト(body mist)、ろうそく、硬質表面クリーナー、クレンジングワイプ又はモップ、石けん、スタイリングゲル、吸湿剤、空気ろ過デバイス(air filtration device)、仕上剤、おむつ又は生理用品などであり得る。
上記に記載された実施形態の適合性のあるあらゆる組合せは、あらゆる組合せが個別及び明示的に列挙されているかのように、本明細書に明示的に開示されている。
態様1
300ppm未満のホルムアルデヒドを含む、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体。
態様2
200ppm未満のホルムアルデヒド、100ppm未満のホルムアルデヒド、50ppm未満のホルムアルデヒド、25ppm未満のホルムアルデヒド、10ppm未満のホルムアルデヒドを含む、又はホルムアルデヒドを含まない、態様1に記載のククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体。
態様3
ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体の調製のための方法であって、酸の存在下かついかなるホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド前駆体も存在させずに、グリコールウリルをメチレン架橋剤と混合するステップを含み、グリコールウリルが、非置換グリコールウリル、アルコキシメチル化グリコールウリル、これらの他の誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはグリコールウリルが非置換グリコールウリルである、方法。
態様4
グリコールウリル、メチレン架橋剤及び酸が、同時に混合される又は順次に混合される、態様3に記載の方法。
態様5
アルコキシメチル化グリコールウリルが、モノアルコキシメチル化、ジアルコキシメチル化、トリアルコキシメチル化又はこれらの混合物から選択される、態様4に記載の方法。
態様6
メチレン架橋剤が、式(IV):
R 1 及びR 2 は、水素、非置換又は置換の、直鎖、分岐鎖又は環状の、飽和又は不飽和の炭化水素ラジカルからそれぞれ独立して選択され、
Rは、水素を表し、
好ましくは、電気陰性原子は、酸素、窒素、硫黄及びリンから選択される]の化合物である、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
態様7
メチレン架橋剤が、ジアルコキシメタン試薬であり、好ましくはジアルコキシメタン試薬が、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジプロポキシメタン(1-(プロポキシメトキシ)プロパン)、ジイソプロポキシメタン(2-(イソプロポキシメトキシ)プロパン)、ジブトキシメタン(1-(ブトキシメトキシ)ブタン)、ジ(tert-ブトキシ)メタン(2-メチル-2-{[(2-メチル-2-プロパニル)オキシ]メトキシ}プロパン)及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはジアルコキシメタン試薬が、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン及びジプロポキシメタンからなる群から選択される、態様3~6のいずれかに記載の方法。
態様8
メチレン架橋剤が、アルコキシメチルアルカンスルホネート、例えば、メトキシメタンメタンスルホネート、メトキシメチルベンゼンスルホネート、メトキシメチルp-トルエンスルホネート、ベンジルオキシメチルメタンスルホネート及びこれらの混合物である、態様3~5のいずれかに記載の方法。
態様9
ククルビットウリルの調製のための方法であって、酸の存在下かついかなるホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド前駆体も存在させずに、完全アルコキシメチル化グリコールウリルを非置換グリコールウリルと反応させるステップを含み、好ましくは完全アルコキシメチル化グリコールウリルがテトラメトキシメチルグリコールウリルである、方法。
態様10
酸が不均一系酸又は均一系酸であり、酸が不均一系酸である場合、不均一系酸が、酸性樹脂などの固体支持体上にある、態様3~9のいずれかに記載の方法。
態様11
酸が、鉱酸又は有機酸であり、好ましくは酸が、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、トルエンスルホン酸及びアルカンスルホン酸からなる群から選択される、態様3~10のいずれかに記載の方法。
態様12
酸がメタンスルホン酸である、態様3~11のいずれかに記載の方法。
態様13
酸が過剰量で与えられる、態様3~12のいずれかに記載の方法。
態様14
40℃を超える温度で行われる、態様3~13のいずれかに記載の方法。
態様15
グリコールウリル、存在する場合はメチレン架橋剤及び酸を最大18時間反応させる、態様3~14のいずれかに記載の方法。
態様16
態様3~14のいずれかに記載の方法により得られる又は得ることができる、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体。
態様17
態様1、2又は16のいずれかに記載のククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体、並びに適切な担体を含む組成物であって、好ましくはククルビットウリルが、CB[5]、CB[6]、CB[7]、CB[8]、これらの誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
態様18
ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体を含む組成物であって、300ppm以下、好ましくは150ppm以下、より好ましくは50ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体由来のホルムアルデヒドをさらに含む、組成物。
態様19
消費者用又は工業用製品における、態様1、2又は16のいずれかに記載のククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体の使用。
本発明の様々なさらなる態様及び実施形態は、本開示を考慮すると当業者に明白である。
「及び/又は」は、本明細書において使用される場合、2つの特定の特徴又は構成成分のそれぞれの、他方を伴う又は伴わない特定の開示であると考慮されるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、まさにそれぞれ本明細書に個別に記載されているかのように、(i)A、(ii)B、並びに(iii)A及びBのそれぞれの特定の開示であると考慮されるべきである。
ククルビットウリル試料の残留ホルムアルデヒドのレベルを、蛍光検出及びポストカラム誘導体化を伴うHPLCを使用してIntertekにより決定した。試験方法は、EU Directive 82/434/EEC修正90/207/EECに準じた。
パラホルムアルデヒドを使用する塩酸中のククルビット[n]ウリルの合成
非置換グリコールウリル(20g)及び塩酸(37%w/v、30mL)を反応フラスコに入れ、90℃に加熱した。パラホルムアルデヒド(8.87g)を少量ずつ加え、次に反応混合物を100℃(内部)に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、メタノール(150mL)に加えて、ベージュ色の粉末を生じ、これを1H NMRで分析した。
実施例2 ホルマリンを使用する塩酸中のククルビット[n]ウリルの合成
非置換グリコールウリル(20g)及び塩酸(37%w/v、30mL)を反応フラスコに入れ、90℃に加熱した。ホルマリン(40%v/v、21mL)を滴加し、反応混合物を100℃(内部)に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、メタノール(150mL)に加えて、黄色の粉末を生じ、これを1H NMRで分析した。
実施例3
パラホルムアルデヒドを使用するメタンスルホン酸(MSA)中のククルビット[n]ウリルの合成
非置換グリコールウリル(20g)及びメタンスルホン酸(未希釈、82mL)を反応フラスコに入れ、90℃に加熱した。パラホルムアルデヒド(8.45g)を少量ずつ加え、次に反応混合物を100℃(内部)に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、メタノール(410ml)に加えて、褐色の粉末を生じ、これを1H NMRで分析した。
実施例4
ホルマリンを使用するメタンスルホン酸中のククルビット[n]ウリルの合成
非置換グリコールウリル(20g)及びメタンスルホン酸(未希釈、82mL)を反応フラスコに入れ、90℃に加熱した。ホルマリン(40%、21mL)を滴加し、次に反応混合物を100℃(内部)に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、メタノール(410ml)に加えて、暗ベージュ色の粉末を生じ、これを1H NMRで分析した。
実施例5
ジメトキシメタン(メチラール)を使用するメタンスルホン酸中のククルビット[n]ウリルの合成
メタンスルホン酸(未希釈、82ml)を反応容器に加えた。これに、メチラール(24.83ml)を反応物に加えた。直後に非置換グリコールウリル(19.94g)を一度に加え、反応混合物を85℃(内部)に18時間加熱した。反応混合物をメタノール(250ml)に加えて、暗褐色のガム状ペーストを生じ、これを1H NMRで分析した。
実施例6
ジエトキシメタン(エチラール)を使用するメタンスルホン酸中のククルビット[n]ウリルの合成
非置換グリコールウリル(19.94g)及びメタンスルホン酸(未希釈、82mL)を反応フラスコに入れ、80℃に加熱した。エチラール(35.21mL)を滴加し、次に反応混合物を100℃(内部温度)に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、アセトン(410ml)に加えて、褐色の粉末を生じ、これを1H NMRで分析した。
実施例7
ジプロポキシメタン(プロピラール)を使用するメタンスルホン酸中のククルビット[n]ウリルの合成
非置換グリコールウリル(19.94g)及びメタンスルホン酸(未希釈、82mL)を反応フラスコに入れ、80℃に加熱した。プロピラール(45mL)を滴加し、次に反応混合物を100℃(内部温度)に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、アセトン(410ml)に加えて、ベージュ色の粉末を生じ、これを1H NMRで分析した。
実施例8
テトラメトキシメチルグリコールウリル(TMMG)を使用するメタンスルホン酸中のククルビット[n]ウリルの合成
非置換グリコールウリル(19.94g)及びメタンスルホン酸(未希釈、82mL)を反応フラスコに入れ、80℃に加熱した。TMMG(44.66g)を滴加し、次に反応混合物を100℃(内部温度)に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、メタノール(410ml)に加えて、ベージュ色の粉末を生じ、これを1H NMRで分析した。
Claims (18)
- 300ppm未満のホルムアルデヒドを含む、ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体の調製のための方法であって、
ククルビットウリルの誘導体は、下記であり:
nは、4~20の整数であり、
各グリコールウリル単位では、
各Xは、O、S又はNR 3 であり、
-R 1 及び-R 2 は、-H及び以下の任意選択で置換されている基:-R 3 、-OH、-OR 3 、-COOH、-COOR 3 、-NH 2 、-NHR 3 及び-N(R 3 ) 2 からそれぞれ独立して選択され、ここで-R 3 は、C 1~20 アルキル基、C 6~20 カルボアリール基及びC 5~20 ヘテロアリール基から独立して選択され、又は-R 1 及び/若しくは-R 2 は、-N(R 3 ) 2 であり、両方の-R 3 は、一緒になってC 5~7 複素環式環を形成し、又は-R 1 及び-R 2 は、ウラシル骨格と一緒になってC 6~8 炭素環式環を形成する、C 4~6 アルキレンである]
前記方法は、酸の存在下かついかなるホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド前駆体も存在させずに、グリコールウリルをメチレン架橋剤と混合するステップを含み、グリコールウリルが、非置換グリコールウリル、アルコキシメチル化グリコールウリル、これらの他の誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択され、
メチレン架橋剤が、1,3-シクロケタール、アルコキシメチルアルカンスルホネート、及び式(IV):
R 1 及びR 2 は、水素、非置換又は置換の、直鎖、分岐鎖又は環状の、飽和又は不飽和の炭化水素ラジカルからそれぞれ独立して選択され、
Rは、水素を表す]
の化合物からなる群から選択され、
ホルムアルデヒド前駆体が、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンである。 - ククルビットウリル及び/又はその1つ以上の誘導体が、200ppm未満のホルムアルデヒド、100ppm未満のホルムアルデヒド、50ppm未満のホルムアルデヒド、25ppm未満のホルムアルデヒド、10ppm未満のホルムアルデヒドを含む、又はホルムアルデヒドを含まない、請求項1に記載の方法。
- グリコールウリルが、非置換グリコールウリルである、請求項1又は2に記載の方法。
- グリコールウリル、メチレン架橋剤及び酸が、同時に混合される又は順次に混合される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- アルコキシメチル化グリコールウリルが、モノアルコキシメチル化、ジアルコキシメチル化、トリアルコキシメチル化又はこれらの混合物から選択される、請求項4に記載の方法。
- 電気陰性原子は、酸素、窒素、硫黄及びリンから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- メチレン架橋剤が、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジプロポキシメタン(1-(プロポキシメトキシ)プロパン)、ジイソプロポキシメタン(2-(イソプロポキシメトキシ)プロパン)、ジブトキシメタン(1-(ブトキシメトキシ)ブタン)、ジ(tert-ブトキシ)メタン(2-メチル-2-{[(2-メチル-2-プロパニル)オキシ]メトキシ}プロパン)及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- メチレン架橋剤が、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン及びジプロポキシメタンからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
- メチレン架橋剤が、メトキシメタンメタンスルホネート、メトキシメチルベンゼンスルホネート、メトキシメチルp-トルエンスルホネート、ベンジルオキシメチルメタンスルホネート及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- ククルビットウリルの調製のための方法であって、酸の存在下かついかなるホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド前駆体も存在させずに、完全アルコキシメチル化グリコールウリルを非置換グリコールウリルと反応させるステップを含み、ホルムアルデヒド前駆体が、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンである、方法。
- 完全アルコキシメチル化グリコールウリルがテトラメトキシメチルグリコールウリルである、請求項10に記載の方法。
- 酸が不均一系酸又は均一系酸であり、酸が不均一系酸である場合、不均一系酸が、酸性樹脂などの固体支持体上にある、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 酸が、鉱酸又は有機酸である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
- 酸が、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、トルエンスルホン酸及びアルカンスルホン酸からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
- 酸がメタンスルホン酸である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
- 酸が過剰量で与えられる、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
- 40℃を超える温度で行われる、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
- グリコールウリル、存在する場合はメチレン架橋剤及び酸を最大18時間反応させる、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
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