以下、本発明に係る帆立貝供給装置を図面に示す各実施形態により説明する。
本第1実施形態の帆立貝供給装置1は、図1および図2に示すように、主に、貝供給部2、第1搬送部10、貝選別部12、貝転回部19、第2搬送部31、貝分配部34,他装置移載部41とを有している。
本第1実施形態の貝供給部2はロータリー式供給装置であり、図3および図4に示すように、筐体3内においてモータM1により周方向に回転駆動される回転ボウル4と、回転ボウル4内において傾斜状態でモータM2により回転駆動される回転円盤5とを備えており、回転円盤5は回転ボウル4よりも低速で回転されるようになっている。
前記筐体3の上面には、回転ボウル4の上側開口部を臨ませる円形状の開口3aが形成されており、この開口3aの内部に収容された回転ボウル4を支持機構(図示せず)により周方向に回転自在に支持している。
前記回転ボウル4は、その下部がほぼ円筒形状に形成され、この下部に連なる中間部から上部の周面が上方に向かうにつれて外側に拡開する縦断面円弧形状に彎曲されている。さらに、この回転ボウル4の上端縁には、帆立貝Sを載置して回転ボウル4の回転により搬送するための外側に水平に張り出した円環状のフランジ部4aが形成されている。
また、前記回転円盤5は、その外周縁の上面に、下方に向かって傾斜する傾斜部5aが形成され、全体として前記回転ボウル4内に傾斜状態において配設されている。そして、前記回転円盤5の最上位となる外周縁が回転ボウル4のフランジ部4aの高さとほぼ一致するように配設されている。
さらに、前記筐体3の開口3aの外周縁には、回転ボウル4のフランジ部4aの貝搬送路としての最下流位置、すなわち、帆立貝Sを外部に搬出する搬出位置において回転ボウル4の回転によりフランジ部4a上を搬送された帆立貝Sを外部に搬出するための搬出プレート6が配設されているとともに、この搬出プレート6により外部に帆立貝Sを搬出するための開口7aが形成されたガイド壁7が立設され、開口7aの貝搬出位置には、搬出プレート6により搬出される帆立貝Sを第1搬送部10のうちの上流側に配置された上流側ベルトコンベア11A上へ滑降させる傾斜板8が配設されている。なお、前記帆立貝Sの搬出に寄与しない側の搬出プレート6近傍のガイド壁7には、搬出プレート6に近づくにつれて内側に向く傾斜壁7bが連設されている。
本実施形態の搬出プレート6は、回転ボウル4の回転によりフランジ部4a上に平置き状態で載置されて搬送された帆立貝Sを嵌入させる凹状の嵌入部6aが外周縁の周方向に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態においては4つ)形成されており、前記筐体3の側方から延出された支持フレーム(図示せず)により回転ボウル4のフランジ部4a上に配置され、モータ(図示せず)により間歇的に回転駆動されるようになっている。なお、前記搬出プレート6の回転速度は帆立貝Sの供給速度に対応して調整可能とされている。
そして、回転ボウル4内の回転円盤5上に無作為に投入された複数の帆立貝Sが回転ボウル4および回転円盤5の回転により回転円盤5の傾斜部5aおよび回転ボウル4のフランジ部4aにおいて平置き状態で1列に整列されながら搬送されるとともに、回転ボウル4と回転円盤5の回転速度の差により回転円盤5上から回転ボウル4のフランジ部4a上に帆立貝Sが移載される際に各帆立貝Sの間隔が拡げられ、回転ボウル4のフランジ部4a上を搬送された帆立貝Sがフランジ部4a上における貝搬送路としての最下流位置において搬出プレート6の嵌入部6aに嵌入され、搬出プレート6が回動されることによりガイド壁7の開口7aから外部に搬出され、傾斜板8上を滑降されて第1搬送部10上に送出される。
前記貝供給部2の傾斜板8の下流側には、貝供給部2の傾斜板8における帆立貝Sの滑降方向と直交する水平方向に帆立貝Sを搬送する第1搬送部10の上流側の側方が接続されており、貝供給部2において平置き状態で1列に整列された帆立貝Sが傾斜板8から第1搬送部10上へ順次供給されるようになっている。
本実施形態の第1搬送部10は、貝搬送方向に所定の間隙を設けて配置された2つのベルトコンベア11A,11Bから構成されており、上流側に配置された上流側ベルトコンベア11Aと下流側に配置された下流側ベルトコンベア11Bの間隙は、貝供給部2から平置き状態で上流側ベルトコンベア11A上に供給された帆立貝Sが下流側ベルトコンベア11Bへ落下することなく移載される程度とされている。
本第1実施形態の貝選別部12は、図1、図2および図5に示すように、第1搬送部10上を平置き状態で搬送される帆立貝Sの貝殻の不具合の有無を判定する不具合判定手段13と、不具合判定手段13により貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sを第1搬送部10上から排除する排除手段15と、排除手段15により第1搬送部10上から排除された帆立貝Sを排出する排出路としての排出用ベルトコンベア18とを備えている。
前記不具合判定手段13は、第1搬送部10の両ベルトコンベア11A,11B間の間隙に臨むように上下にそれぞれ配設された2つの撮像手段14A,14Bを有しており、各撮像手段14A,14Bにより両ベルトコンベア11A,11B間の間隙を通過する帆立貝Sを上下方向からそれぞれ撮像して図示しない中央演算処理装置(CPU)が帆立貝Sの3次元形状を計測するとともに、この計測された3次元形状から帆立貝Sの貝殻の割れ、ひび割れ、陥没(穴開)、表面への突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無を判定するようになっている。なお、この中央演算処理装置は本実施形態の帆立貝供給装置の前述したあるいは後述するすべての機器の制御を行うようになっている。また、各種ベルトなどを駆動する図示しない複数のモータなども前記中央演算処理装置により駆動を制御されるようになっている。
前記排除手段15は、第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11Bの上方に配設されており、モータ(図示せず)により間歇的に回転駆動される回転支軸16が軸線を第1搬送部10の貝搬送方向に沿って水平方向に配設され、回転支軸16の周面には、それぞれ軸線方向の長さが帆立貝Sの直径程度で周方向外側に突出する複数枚(本実施形態においては4枚)の選別羽根17が周方向に等間隔に配設されている。なお、各選別羽根17の突出長さは、回転支軸16が回転された際に各選別羽根17と下流側ベルトコンベア11Bとの間に僅かに間隙が設けられる程度となっている。
前記排出用ベルトコンベア18は、排除手段15に対応する下流側ベルトコンベア11Bの下方に第1搬送部10の貝搬送方向と直交する方向にベルトを駆動させるように配設されている。
そして、前述した構成からなる貝選別部12においては、まず、貝供給部2から第1搬送部10の上流側ベルトコンベア11A上に平置き状態で供給された帆立貝Sが搬送され、上流側ベルトコンベア11A上から下流側ベルトコンベア11B上へ移載される際に、両ベルトコンベア11A,11B間の間隙を通過する帆立貝Sを不具合判定手段13の各撮像手段14A,14Bが撮像して帆立貝Sの3次元形状を計測し、計測された3次元形状から帆立貝Sの貝殻の割れや突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無を判定する。
つぎに、下流側ベルトコンベア11B上を搬送される各帆立貝Sのうち不具合判定手段13により貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが排除手段15に到達すると、排除手段15の回転支軸16がごく短時間駆動されて選別羽根17により貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが下流側ベルトコンベア11B上から排出用ベルトコンベア18上に掻き落され、排出用ベルトコンベア18により回収容器(図示せず)へ搬送されて回収されるか、あるいは、作業者による手剥き作業台(図示せず)へ搬送される。
なお、本実施形態においては、排除手段15により第1搬送部10上から排除された帆立貝Sを排出する排出路として排出用ベルトコンベア18を備える構成としているが、排出路はベルトコンベアに限定されるものではなく、第1搬送部10上から排除された帆立貝Sを回収容器や手剥き作業台へ滑降させて搬送するようなスロープ等であってもよい。
本第1実施形態の貝転回部19は、図1、図2および図5に示すように、貝選別部12において貝殻に不具合がある帆立貝Sが排除されて第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11B上を平置き状態で搬送される各帆立貝Sの左殻および右殻の配置を識別する識別手段としての撮像手段20と、この撮像手段20により撮像されて識別された帆立貝Sの左殻および右殻の配置に基いて予め設定されたいずれか一方の貝殻が上側に配置されるように一部の帆立貝Sを転回する貝返し装置21とを備えている。
前記撮像手段20は、第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11Bの下流部の側方近傍に配設されており、下流側ベルトコンベア11Bの最下流端に搬送された帆立貝Sを撮像して図示しない中央演算処理装置が3次元形状を計測し、この計測された3次元形状(各貝殻の膨らみ大きさ)から帆立貝Sの表裏、すなわち、左殻あるいは右殻のいずれが上側に配置されているかを識別して下流側ベルトコンベア11Bから後述する貝返し装置21の起立搬送手段22上に移載された帆立貝Sの左殻および右殻の配置を識別するようになっている。
本第1実施形態の貝返し装置21は、第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11B上を平置き状態で搬送された帆立貝Sを受容して1対の側壁26A,26Bのうちのいずれかにもたれさせて傾斜したほぼ起立状態で搬送する起立搬送手段22と、撮像手段20により撮像されて識別された起立搬送手段22上における帆立貝Sの左殻および右殻の配置に基づき、予め設定された貝殻が上側に配置されて各側壁26A,26Bのうちのいずれかにもたれさせて傾斜したほぼ起立状態にさせる姿勢制御手段23と、姿勢制御手段23により傾斜された帆立貝Sを各貝殻の上下の配置をそのままに横倒しして平置きとし、下流側に滑降させる拡開傾斜路24とを備えている。
前記起立搬送手段22は、第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11Bの下流端から落下された帆立貝Sを受容しうるように第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11Bの下流端に高低差をもって隣接配置されており、第1搬送部10の貝搬送方向と直交する水平方向にベルトを走行させるベルトコンベア25と、ベルトコンベア25上にベルトコンベア25の貝搬送方向と直交する方向に間隔を隔てて立設された1対の側壁26A,26Bとを備えている。
前記両側壁26A,26Bは、第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11Bから落下されてベルトコンベア25上に移載された帆立貝Sをやや傾斜させた状態で起立させる程度の間隔を設けて立設されており、両側壁26A,26B間に受容された帆立貝Sをいずれか一方の側壁26A,26Bにもたれさせて傾斜したほぼ起立状態にて搬送する貝搬送路25aが形成される(図5(A))。前記両側壁26A,26Bの間隔は、少なくとも一方を他方に対して接離する方向に移動可能にして、帆立貝Sの大きさに応じて間隔調整をできるようにすることが好ましい。
前記姿勢制御手段23は、起立搬送手段22の各側壁26A,26Bにそれぞれ対向して設けられた開口26a,26bを介して貝搬送路25a内に外側から内側に向かってそれぞれ起立搬送手段22の貝搬送方向と直交する水平方向に進退自在に相互に対向するように配設され、予め設定された左殻あるいは右殻が上側に配置されるように貝搬送路25a内の帆立貝Sの下端部を押動する1対の押動手段27A,27Bと、各押動手段27A,27Bの上流側に配置され、各開口26a,26bを介して貝搬送路25a内を搬送される帆立貝Sを検出するセンサ27Cとから構成されており、センサ27Cが帆立貝Sを検出すると、撮像手段20により識別された帆立貝Sの左殻および右殻の配置に基づき、中央演算処理装置が予め設定された側の貝殻が上側に配置されるようにいずれか一方の押動手段27Aまたは押動手段27Bを駆動して各帆立貝Sの下端部を押動するようになっている。
前記各押動手段27A,27Bは、空気圧シリンダ28A,28Bの駆動により突出するシリンダロッド29A,29Bを有しており、このシリンダロッド29A,29Bの先端には、各側壁26A,26Bの開口26a,26bを介して貝搬送路25a内に位置する帆立貝Sの下端部を押動して、帆立貝Sの所定の殻(左殻または右殻)が上側に配置されるように帆立貝Sの姿勢を制御する押動ロッド30A,30Bが突設されている。
前記空気圧シリンダ28A,28Bは、撮像手段20により第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11B上の帆立貝Sの左殻あるいは右殻のいずれが上側に配置されているかを識別することにより、予め設定された側の貝殻が上側に配置されるようにいずれか一方の空気圧シリンダ28A(28B)を駆動させて押動ロッド30A(30B)を突出させ、各帆立貝Sの下端部を押動して、所定の左殻あるいは右殻をいずれかの側壁26A,26Bにもたれさせて傾斜したほぼ起立状態となるように帆立貝Sの姿勢を制御するようになっている。図5(B)は、空気圧シリンダ28Aが駆動してシリンダロッド29Aの伸長を介して押動ロッド30Aが前進している状態を示し、この状態においては、帆立貝Sの下端部が側壁26Bに当接するようにして、帆立貝Sの上端部が側壁26Aに当接するようにしてもたれることになる。一方、図5(C)は、空気圧シリンダ28Bが駆動してシリンダロッド29Bの伸長を介して押動ロッド30Bが前進している状態を示し、この状態においては、帆立貝Sの下端部が側壁26Aに当接するようにして、帆立貝Sの上端部が側壁26Bに当接するようにしてもたれることになる。なお、本実施形態においては、彎曲の小さな左殻が上側に配置されるように帆立貝Sを転回するものとする。
前記拡開傾斜路24は、下流側ほど両側に拡開して幅が漸増されているとともに下流側ほど低位になるように傾斜して配置され、姿勢制御手段23により起立搬送手段22の各側壁26A,26B間においていずれか一方の側壁26A(26B)にもたれて傾斜したほぼ起立状態の帆立貝Sの上側に配置された貝殻(本実施形態においては左殻)がそのまま上側に配置されるように転倒させて平置き状態で下流側に滑降させるようになっている。なお、前記起立搬送手段22の両側壁26A,26Bはこの拡開傾斜路24の両側縁にも連設されており、拡開傾斜路24の拡開に沿ってそれぞれ両側に拡開されている。
そして、前記拡開傾斜路24の下流側には、起立搬送手段22の貝搬送方向と直交する水平方向に帆立貝Sを搬送する第2搬送部としてのベルトコンベア31の上流側の側方が接続されており、貝転回部19において予め設定された一方の貝殻が上側に配置されるように姿勢を制御された平置き状態の帆立貝Sが拡開傾斜路24から順次供給されるようになっている。
前記ベルトコンベア31の下流端には、このベルトコンベア31において平置き状態でほぼ等間隔に搬送されている複数の帆立貝Sをそのままの状態で順次受け入れる貝列搬送手段としての供給ベルトコンベア32が配設されており、この供給ベルトコンベア32は、ベルトコンベア31と直交する水平方向に帆立貝Sをほぼ等間隔に搬送するために、その上流端部をベルトコンベア31の下流端の側方に臨ませるようにベルトコンベア31よりやや下方に位置させて配設されている。前記供給ベルトコンベア32は図示しないモータにより速度が可変となるようにサーボ制御されるようになっている。また、前記供給ベルトコンベア32上を通過する帆立貝Sを後述する貝分配部34の近傍において検出するセンサ33が配設されている。
前記供給ベルトコンベア32は、他装置移載部41へ帆立貝Sを供給する際に整列させるための貝分配部34の一部をなすものであり、この貝分配部34は、本実施形態においては、複数(一例として8個)の帆立貝Sを等間隔で整列するようになっている。そして、前記供給ベルトコンベア32は、8個の帆立貝Sを等間隔で整列させた状態においてサーボ制御により一時停止して、この供給ベルトコンベア32から後述する平置き搬送手段42へ各帆立貝Sを移載するようになっている。
前記貝分配部34は、図1、図2および図6(A)に示すように、供給ベルトコンベア32上において等間隔で整列された複数の帆立貝Sを他装置移載部41に移載するための移載手段たる移載機構35を有しており、この移載機構35は、供給ベルトコンベア32上において等間隔で整列された帆立貝Sのそれぞれに対応して複数(本実施形態においては8つ)配設されている。
前記各移載機構35は、供給ベルトコンベア32の上方に一端部が臨むように保持フレーム36に支持されているガイドロッド36aを有しており、このガイドロッド36aに、アーム36が垂下されたスライダ37が図示しないモータによりガイドロッド36aに沿って往復移動しうるように配設されている。
前記移動アーム38には、空気圧シリンダ39が垂設されており、この空気圧シリンダ39には、鉛直方向に移動しうるシリンダロッド39aを介して押動部材40が取付けられている。この押動部材40は、供給ベルトコンベア32上の帆立貝Sを押動して平置き搬送手段42上に移動させるものであり、供給ベルトコンベア32上から平置き搬送手段42上に移動するときには、シリンダロッド39aが伸長して下降され帆立貝Sを押動するようになっているのに対し、平置き搬送手段42上から供給ベルトコンベア32上に戻るときには、シリンダロッド39aが収縮して上昇され帆立貝Sの上方を通過するようになっている。
前記平置き搬送手段42は、それぞれ搬送レーンとして1列ずつ帆立貝Sを平置き状態で載置して搬送する複数(本実施形態においては8列)のベルトコンベア42aが並列に配置されて構成されている。前記各ベルトコンベア42aは、それぞれ図示しないモータにより間歇駆動されるようになっており、例えば、4秒停止して1秒走行されるという間歇駆動を繰り返すようになっている。なお、前記各ベルトコンベア42aを間歇駆動でなくトラッキング方式で駆動することも考えられるが、このトラッキング方式は間歇駆動と比較してリスクが多くなる。
前記平置き搬送手段42の上流側の上方には、図2および図6(A)に示すように、供給ベルトコンベア32から平置き搬送手段42の各ベルトコンベア42aに移載された帆立貝Sをそれぞれ一時停止させるためのストッパ43が配設されており、このストッパ43は、鉛直方向に移動しうるシリンダロッド44aを備えた空気圧シリンダ44が保持フレーム36に保持され、シリンダロッド44aの下端にシャッタ板45が取り付けられて構成されている。前記シャッタ板45は、空気圧シリンダ44のシリンダロッド44aを伸長した下降状態において各ベルトコンベア42a上に供給された帆立貝Sがこのシャッタ板45に当接して停止するようになっている。また、この空気圧シリンダ44のシリンダロッド44aを収縮した上昇状態においては各ベルトコンベア42a上に供給された帆立貝Sがこのシャッタ板45に当接することなく、各ベルトコンベア42aの走行により右方向へ前進するようになっている。なお、前記ストッパ43は、平置き搬送手段42の搬送レーンとしての各ベルトコンベア42a毎に各ベルトコンベア42a上に載置された帆立貝Sをシャッタ板45により停止させる構成としてもよいし、全てのベルトコンベア42aに渡って延在するシャッタ板45により全てのベルトコンベア42a上に載置された各帆立貝Sを一括して停止させる構成としてもよい。
前記平置き搬送手段42の上方には、図1および図2に示すように、各ベルトコンベア42a上にそれぞれ載置された各帆立貝Sの周方向の向きを検出する3次元検出手段46が配設されている。この3次元検出手段46は、本実施形態においては2つの撮像手段47,47を有しており、これら2つの撮像手段47,47がそれぞれ4つのベルトコンベア42a上の帆立貝Sを撮像して中央演算処理装置が各帆立貝Sの3次元形状を計測するとともに、計測された3次元形状から各帆立貝Sの周方向の向きを検出するようになっている。また、これらの撮像手段47は、各帆立貝Sの3次元形状から、自動殻剥きに不向きな帆立貝Sをも検出するようになっており、貝選別部12以降で貝殻に割れなどの不具合のある自動殻剥きに不向きな帆立貝Sを検出するようになっている。
また、前記平置き搬送手段42における3次元検出手段46の最下流側の上方には、各ベルトコンベア42aの最下流位置まで搬送された各帆立貝Sの周方向の向きを他の加工装置における加工に適した方向、本実施形態においては、一例として自動殻剥き機48による殻剥きに好適な方向になるように回動させるとともに、向きを矯正された帆立貝Sを自動殻剥き機48に供給する公知の2つのパラレルリンクロボット50,50が配設されている。各パラレルリンクロボット50は、それぞれ各4つのベルトコンベア42a上の帆立貝Sを、制御された動きをする3本のアーム51,51…と、これらのアーム51の各先端部に保持され、制御された動きをするフック52とにより保持して回動させたり、自動殻剥き機48に移載したりするようになっている。
なお、3次元検出手段46において自動殻剥きに不向きと検出された帆立貝Sは、前記各ベルトコンベア42aの最下流位置から手剥き作業台(図示せず)へ向かう排出用ベルトコンベアあるいはスロープといった排出路53上に移載されて排出されるようになっている。
なお、前記貝分配部34の移載機構35をパラレルリンクロボットにすることも可能である。
つぎに、前述した本発明の第1実施形態の作用について説明する。
まず、殻剥きをするための複数の帆立貝Sを貝供給部2の回転ボウル4内の回転円盤5上に投入すると、投入された複数の帆立貝Sが回転ボウル4および回転円盤5の回転により回転円盤5の傾斜部5aおよび回転ボウル4のフランジ部4aにおいて平置き状態で1列に整列されながら搬送される。
ついで、回転ボウル4のフランジ部4a上を搬送されている帆立貝Sがフランジ部4a上における貝搬送路としての最下流位置まで搬送されると、間歇的に回転駆動する搬出プレート6の嵌入部6aに嵌入され、嵌入部6aに嵌入された帆立貝Sが搬出プレート6の回動によりガイド壁3の開口3から外部に搬出され、傾斜板8上を滑降されて第1搬送部10の上流側ベルトコンベア11A上へ順次送出される。
このようにして貝供給部2から第1搬送部10の上流側ベルトコンベア11A上に送出された各帆立貝Sは、第1搬送部10の上流側ベルトコンベア11A上から下流側ベルトコンベア11B上に移載される際に、両ベルトコンベア11A,11B間の間隙において貝選別部12の不具合判定手段13の各撮像手段14A,14Bにより撮像され中央演算処理装置により3次元形状を計測されるとともに、この計測された3次元形状から帆立貝Sの貝殻の割れ、ひび割れ、陥没(穴開)、表面への突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無が判定され、貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが下流側ベルトコンベア132Bにより搬送されて排除手段15に到達すると、回転支軸16が間歇的に回転駆動されて下流側ベルトコンベア11B上に臨んでいる選別羽根17により下流側ベルトコンベア11B上から排除され、排出用ベルトコンベア18により回収容器あるいは手剥き作業台へ搬送される。
一方、不具合が検出されずそのまま下流側ベルトコンベア11B上を搬送された帆立貝Sは、下流側ベルトコンベア11B上の最下流端の近傍において、貝転回部19の撮像手段20により表裏を検出される。この帆立貝Sの表裏とは、帆立貝Sの左殻と、この左殻より周径および膨らみが大きい右殻との一方が表で他方が裏であるが、前述したように便宜上、本実施形態においては左殻を表とする。
このようにして表裏を検出された帆立貝Sは、第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11Bから落下されて貝転回部19の起立搬送手段22のベルトコンベア25上に移載され、ベルトコンベア25および両側壁26A,26Bにより形成される貝搬送路25aにおいていずれか一方の側壁26A,26Bにもたれて傾斜したほぼ起立状態にて搬送される。なお、第1搬送部10の下流側ベルトコンベア11Bから貝転回部25のベルトコンベア25上に落下される際に、落下の加減で各帆立貝Sがもたれる側壁26A,26Bが異なることになる。
このようにして帆立貝Sが、貝搬送路25aのいずれか一方の側壁26A,26Bにもたれて傾斜したほぼ起立状態にてベルトコンベア25上を搬送されている間に、貝転回部19の撮像手段20により撮像され識別された帆立貝Sの左殻および右殻の配置に基づき、貝搬送路25aにおいて帆立貝Sの表を上側に配置するために姿勢制御手段23の各押動手段27A,27Bのいずれかを駆動するという制御信号がその駆動される押動手段27Aまたは押動手段27Bに付与される。
そして、駆動される押動手段27Aまたは押動手段27Bは、対応する帆立貝Sがセンサ27Cにより検出され側壁26Aの開口26aおよび側壁26Bの開口26bに臨んでいるときに空気圧シリンダ28Aまたは空気圧シリンダ28Bに空気が導入され、シリンダロッド29Aまたはシリンダロッド29Bを介して押動ロッド30Aまたは押動ロッド30Bが伸長される。これにより側壁26Aの開口26aまたは側壁26Bの開口26bを介して貝搬送路25a内に臨んだ押動ロッド30Aまたは押動ロッド30Bの先端が帆立貝Sの下端部を反対側の側壁26Bまたは側壁26Aに接触するように押動する。
すると、図5(B),(C)に示すように、押動ロッド30Aまたは押動ロッド30Bにより下端部が一方の側壁26Aまたは側壁26Bに接触するように押動された帆立貝Sは、外周が曲線状でそれ自体で直立できないため、押動ロッド30Aまたは押動ロッド30Bを引くことによりベルトコンベア25に接触している下部を中心として揺動し、下端部が接触していない側の側壁26Bまたは側壁26Aに上端部を接触させて傾斜したほぼ起立状態に転回される。このとき、本実施形態においては帆立貝Sの左殻が上側に配置されることになる。
なお、ベルトコンベア25上に落下した際に左殻が上側に配置されて一方の側壁26Aまたは側壁26B上にもたれたとしても、一方の空気圧シリンダ28Aまたは空気圧シリンダ28Bに空気が導入され、シリンダロッド29Aまたはシリンダロッド29Bを介して押動ロッド30Aまたは押動ロッド30Bが伸長され、帆立貝Sの下端部を反対側の側壁26Bまたは側壁26Aに接触するように押動して左殻が上側に配置された状態を維持することになる。これは、前述したように、ベルトコンベア25上に落下した際に帆立貝Sがどちらの側壁26Aまたは側壁26Bにもたれるかは、各帆立貝Sの個々の状態や第1搬送部10上における向きなどによりそれぞれ異なるからである。
このようにしていずれか一方の側壁26Aまたは側壁26Bにもたれて傾斜したほぼ起立状態を維持したままベルトコンベア25上を搬送される帆立貝Sは、ベルトコンベア25の下流端に連設されている拡開傾斜路24に到達すると、下流側ほど両側に幅が漸増する拡開傾斜路24および拡開傾斜路24に沿って拡開される両側壁26A,26Bにより、各帆立貝Sはいずれか一方の側壁26Aまたは側壁26Bにもたれて傾斜したほぼ起立状態から傾斜角度を漸増するようにして平置き状態に姿勢を変えて滑降されるようになっている。このため、各帆立貝Sは、姿勢制御手段23によりいずれか一方の側壁26Aまたは側壁26Bにもたれて左殻が上側に配置されたまま平置きされつつ滑降されることになる。
その後、各帆立貝Sは、拡開傾斜路24の下流側に接続されているベルトコンベア31上に順次供給され、起立搬送手段22の貝搬送方向と直交する水平方向へ搬送される。
そして、貝転回部19により全ての帆立貝Sが左殻が上側に配置されるように制御され、ベルトコンベア31上を平置き状態で搬送される各帆立貝Sがベルトコンベア31の下流端に到達すると、このベルトコンベア31上においてそれぞれ左殻を上側に配置した平置き状態で搬送された各帆立貝Sが、そのまま左殻を上側に配置した状態で貝分配部34の供給ベルトコンベア32上に順次移載される。供給ベルトコンベア32上に帆立貝Sが移載されると、センサ33により各帆立貝Sが検出され、このセンサ33において帆立貝Sが検出された信号に連動して供給ベルトコンベア32の速度がサーボ制御され、各帆立貝Sが供給ベルトコンベア32上に等間隔で整列される。
供給ベルトコンベア32上において等間隔に整列された各帆立貝Sが、図6(B)に示すように、それぞれ他装置移載部41の平置き搬送手段42への移載手段としての各移載機構35に到達すると、それぞれ空気圧シリンダ39のシリンダロッド39aが伸長されて押動部材40が下降された状態で各移載機構35のスライダ37がガイドロッド36bに沿って移動し、図6(C)に示すように、押動部材40が対応する帆立貝Sをストッパ43のシャッタ板45に当接するまで押動し、供給ベルトコンベア32から平置き搬送手段42の各ベルトコンベア42a上に順次移動させる。
供給ベルトコンベア32上から平置き搬送手段42の各ベルトコンベア42a上にそれぞれ帆立貝Sが移載され、各帆立貝Sが各ベルトコンベア42a上においてそれぞれストッパ43のシャッタ板45に当接されると、図6(D)に示すように、各移載機構35の押動部材40は空気圧シリンダ39のシリンダロッド39aが収縮することにより上昇され、図6(E)に示すように、供給ベルトコンベア32上の帆立貝Sの上方を帆立貝Sに接触することなく通過して、供給ベルトコンベア32上の帆立貝Sを押動できる位置まで戻るように移動する。
そして、押動部材40が供給ベルトコンベア32上の帆立貝Sを押動できる位置まで戻ると、図6(F)に示すように、再び空気圧シリンダ44のシリンダロッド44aを伸長して押動部材40を下降させ、ストッパ43の空気圧シリンダ44が駆動してシリンダロッド44aを収縮してシャッタ板45を上昇させて帆立貝Sの移動を阻害しない状態になるとともに、各ベルトコンベア42aが駆動され、各帆立貝Sが同期的にベルトコンベア42a上を図において左から右に移動される。
なお、各ベルトコンベア42aは、各移載機構35により供給ベルトコンベア32から各ベルトコンベア42a上に帆立貝Sが移載され、各帆立貝Sがストッパ43のシャッタ板45に当接して8列のベルトコンベア42a上において並列に整列され、ストッパ43のシャッタ板45が上昇する間には停止されており、ストッパ43のシャッタ板45が上昇されて帆立貝Sの移動を阻害しない状態になると帆立貝Sをシャッタ板45を超える程度下流側へ移動させるように間歇駆動される。
そして、各帆立貝Sが平置き搬送手段42の3次元検出手段46の下方に到達すると、この3次元検出手段46の撮像手段47,47がそれぞれ4つのベルトコンベア42a上の帆立貝Sを撮像して中央演算処理装置が各帆立貝Sの3次元形状を計測するとともに、計測された3次元形状から各帆立貝Sの周方向の向きを検出する。さらに、計測された各帆立貝Sの3次元形状から貝殻に割れなどの不具合のある自動殻剥きに適していない帆立貝Sが検出され、この自動殻剥きに適していないと検出された帆立貝Sは、パラレルリンクロボット50,50により手剥き作業台(図示せず)へ向かう排出路53上に移載されて排出されるようになっている。
一方、3次元検出手段46の撮像手段47,47により自動殻剥きに適していると判定された各帆立貝Sは、パラレルリンクロボット50,50により必要に応じて周方向の向きを変更されたうえで、自動殻剥き機48に移載される。
このように、本第1実施形態の帆立貝供給装置1によれば、貝供給部2に無作為に投入された複数の帆立貝Sが、貝選別部12で貝殻の割れや突起物の付着といった帆立貝Sを供給する自動殻剥き機48における殻剥きの妨げとなり得る不具合の有無を検出されて貝殻に不具合のある帆立貝Sが排除されるとともに、貝転回部19においてすべての帆立貝Sを左殻あるいは右殻のうちの自動殻剥き機48における殻剥きに適した予め設定された一方の貝殻が上側に配置されるように転回させることができ、さらに、他装置移載部41により帆立貝Sの周方向の向きを自動殻剥き機48における殻剥きに適した方向に向けて供給することができるので、効率よく帆立貝Sの殻剥きを行うことができる。
つぎに、本発明に係る帆立貝供給装置の第2実施形態について説明する。なお、本第1実施形態と同様の構成である箇所については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、本第2実施形態の構成を示す図7乃至図13のうち、図7乃至図10、図12および図13においては帆立貝Sの記載は省略する。
本第2実施形態の帆立貝供給装置101は、図7に示すように、主に、貝供給部102、第1搬送部131、貝選別部141、貝転回部161、第2搬送部31、貝分配部34、他装置移載部41とを有している。
本第2実施形態の貝供給部102は、図7、図8および図9に示すように、第1モータ(図示せず)により水平状態で回転駆動される回転円盤103と、この回転円盤103の外周縁に連接するように配置され、第2モータ(図示せず)により回転円盤103と同心状に水平状態で回転駆動される環状体104と、回転円盤103上に帆立貝Sを投入する振動フィーダ115とを備えており、環状体104は回転円盤103よりも高速で回転されるようになっている。
前記回転円盤103上には、回転円盤103上における貝搬送路の内周を規定するガイド板105が立設されているとともに、振動フィーダ115から帆立貝Sが投入される回転円盤103上における貝搬送路の最上流位置において、振動フィーダ115から投入された帆立貝Sが回転円盤103外へ離脱しないように外周縁側を規制して回転円盤103の貝搬送路上に載置させるとともに、回転円盤103上における貝搬送路の最下流位置において回転円盤103上から環状体104上へ移載させるように案内するガイド板106が配設されている。なお、前記ガイド板106は、回転円盤103の回転に干渉しないように、回転円盤103上および環状体104上に環状体104の外側から橋架された支持フレーム107に吊持され、回転円盤103との間にわずかに間隙を設けて配置されている。
また、前記ガイド板106により回転円盤103から環状体104へ帆立貝Sが移載される移載位置における環状体104の外側には、回転円盤103上から環状体104上に移載された帆立貝Sが環状体104外へ離脱しないように規制して環状体104上に載置させるガイド板108が環状体104の外周縁に沿って立設されている。なお、環状体104への移載位置を除く回転円盤103の外周全周、外部への搬出位置を除く環状体104の外周全周にそれぞれガイド板を配設するようにしてもよい。
さらに、前記環状体104上における貝搬送路の最下流位置、すなわち、帆立貝Sを外部へ搬出する搬出位置には、環状体104の回転により搬送された帆立貝Sを外部へ搬出するためのガイドベルトコンベア109が配設されている。
前記ガイドベルトコンベア109は、環状体104の外側から環状体104上における帆立貝Sの搬出位置の上方に臨むように支持台110が配設されており、この支持台110上に載置されたモータ111から垂下された回転軸112と、支持台110に回転自在に支持されて垂下されたプーリ113とに環状のベルト114が巻回されて構成されている。
前記ベルト114は、環状体104の搬出位置において上流側の内側から下流側の外側に向かって走行するように配置されており、環状体104の回転により搬出位置まで搬送された帆立貝Sの側縁に当接して帆立貝Sを外部へ搬出するようになっている。なお、前記ベルト114の走行速度は任意に設定され、設定された走行速度により環状体104上から後述する第1搬送部131上に搬出される各帆立貝S間の間隔を調整することができる。
前記振動フィーダ115は、平置き状態で投入された複数の帆立貝Sを1列に整列させて搬送する搬送路117が形成されたトラフ116と、このトラフ116を振動させて搬送路117の上流側から投入された帆立貝Sを下流側へ前進させて回転円盤103上に投入させる振動機121とを備えている。
前記トラフ116の搬送路117は、帆立貝Sが投入される上流側が複数の帆立貝Sを平置き状態で並列に投入可能とするように形成された広幅部117aとなっており、この広幅部117aから下流にかけて幅が漸減され、上流側の広幅部117aから並列に投入された平置き状態の帆立貝Sを1列に整列させて前進させる狭幅部117bが連続されている。
また、前記搬送路117の狭幅部117bには、貝搬送方向に対して左右方向に屈曲された複数の屈曲部117cが形成されており、より多くの帆立貝Sを1列に整列させて回転円盤103上に順次投入するようになっている。
さらに、前記トラフ116の下流端には、搬送路117の延長線上に、搬送路117を搬送された帆立貝Sを滑降させて貝供給部102の回転円盤103上へ案内する下側ガイド板118と、この下側ガイド板118上を滑降される帆立貝Sの上面に当接して帆立貝Sを回転円盤103上へ案内するように下側ガイド板118の上方に対向して配置された上側ガイド板119とが配設されている。
そして、前記トラフ116は、各ガイド板118,119が回転円盤103の貝搬送路の最上流位置に臨むように配置され、貝供給部102の外側から貝供給部102の上方に延在された支持フレーム120により支持されて貝供給部102の上方に配設されている。
そして、前述した構成からなる本第2実施形態の貝供給部102によれば、まず、トラフ116の搬送路117の上流側から複数の帆立貝Sが平置き状態で投入されると、各帆立貝Sは、振動機121の駆動により震動されたトラフ116の搬送路117を下流側へ向かって前進され、広幅部117aから狭幅部117bへ漸減される幅により1列に整列され、トラフ117の下流端から下側ガイド板118および上側ガイド板119に案内されて回転円盤103上における貝搬送路の最上流位置に順次投入される。
つぎに、貝供給部102の回転円盤103上における貝搬送路の最上流位置に投入された帆立貝Sは、回転円盤103の回転により回転円盤103の貝搬送路における最下流位置に搬送されると、ガイド板106に案内されて環状体104上へ移載される。その際、回転円盤103よりも速い速度で回転される環状体104上へ移載されることにより各帆立貝S間の間隔がさらに拡げられる。
そして、環状体104上に移載された帆立貝Sが環状体104の回転により搬送され、環状体104上における貝搬送路の最下流位置である搬出位置まで搬送されると、その側縁をガイドベルトコンベア109のベルト114に当接させ、ベルト114の走行により案内されて帆立貝Sが環状体104上から第1搬送部131上へ搬出される。
本第2実施形態の第1搬送部131は、図7および図10に示すように、それぞれ帆立貝Sを平置き状態で載置して搬送する2つのベルトコンベア132A,132Bと、各ベルトコンベア132A,132Bとの間に配置されたサーボ制御ベルトコンベア133とが貝搬送方向に連続するように配置されている。なお、各ベルトコンベア132A,132Bのうち下流側に配置された下流側ベルトコンベア132Bは、下流側にかけて緩やかに上方に傾斜するように配置されており、これは、下流側ベルトコンベア132Bの下流端に連設された後述する貝選別部141のシューター150により、下流側ベルトコンベア132Bの下流端から落下された帆立貝Sを確実に転回させるためである。
また、前記各ベルトコンベア132A,132Bのうちの上流側に配置された上流側ベルトコンベア132A上には、上流側ベルトコンベア132A上を搬送される各帆立貝Sの間隔を計測する第1センサ134と、第1センサ134の下流側において各帆立貝Sの位置を検出して当該帆立貝Sがサーボ制御ベルトコンベア133上を搬送されるタイミングを検出する第2センサ135とが配設されており、第1センサ134により上流側ベルトコンベア132A上における各帆立貝S間の間隔を計測し、第2センサ135により検出された各帆立貝Sの位置に基づき、各帆立貝Sが上流側ベルトコンベア132A上からサーボ制御ベルトコンベア133上に移載されたタイミングで各帆立貝S毎に図示しない中央演算処理装置がサーボ制御ベルトコンベア133の搬送速度を調整することにより、サーボ制御ベルトコンベア133上から下流側ベルトコンベア132B上に移載される各帆立貝S間の間隔を予め設定された間隔となるように調整するようになっている。
本第2実施形態の貝選別部141は、図7,図10乃至図12に示すように、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132B上を平置き状態で搬送される各帆立貝Sの上側に配置された貝殻の不具合の有無を判定する第1不具合判定手段142と、第1不具合判定手段142により貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sを下流側ベルトコンベア132B上から排除する第1排除手段144と、第1排除手段144により下流側ベルトコンベア132B上から排除された帆立貝Sを排出する第1排出路としての第1排出用ベルトコンベア147と、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132Bの下流端の下方にその上流端を交差させて配置され下流側ベルトコンベア132Bの貝搬送方向と直交する方向に帆立貝Sを平置き状態で搬送する貝選別部ベルトコンベア148と、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132Bの下流端と貝選別部ベルトコンベア148の上流端との間に配設され、下流側ベルトコンベア132B上を平置き状態で搬送された帆立貝Sを上下反転させて貝選別部ベルトコンベア148上へ平置き状態で移載させるシュータ150と、貝選別部ベルトコンベア148上を平置き状態で搬送される各帆立貝Sの上側に配置された貝殻の不具合の有無を判定する第2不具合判定手段154と、第2不具合判定手段154により貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sを貝選別部ベルトコンベア148上から排除する第2排除手段156と、第2排除手段156により貝選別部ベルトコンベア148上から排除された帆立貝Sを排出する第2排出路としての第2排出用ベルトコンベア159とを備えている。
前記第1不具合判定手段142は、図7および図10に示すように、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132Bの上方に配置された撮像手段143を備え、この撮像手段143により下流側ベルトコンベア132B上を平置き状態で搬送される帆立貝Sの上側に配置された貝殻を撮像して図示しない中央演算処理装置が撮像された帆立貝Sの上側に配置された貝殻の3次元形状を計測し、この計測された3次元形状から帆立貝Sの上側に配置された貝殻の割れ、ひび割れ、陥没(穴開)、表面への突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無を判定するようになっている。
前記第1排除手段144は、周面に周方向にそれぞれ間隔を隔てて複数の開口145aが筒状体145を備えている。
前記筒状体145は、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132Bの上方に、第1搬送部131の貝搬送方向と平行に配置されて図示しないモータの回転軸に取り付けられて周方向に回転自在に配設されているとともに、図示しない昇降機構により下流側ベルトコンベア132Bの上面に対して鉛直方向に昇降自在に配設されている。
また、前記第1排除手段144は、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132B上を搬送される帆立貝Sの位置を検出するセンサ146を備えており、このセンサ146は、第1不具合判定手段142の撮像手段143により下流側ベルトコンベア132B上を搬送される帆立貝Sの上側に配置された貝殻が撮像されるタイミングで各帆立貝Sの位置を検出し、この検出された位置情報と下流側ベルトコンベア132Bの搬送速度に基づいて中央演算処理装置が各帆立貝Sが第1排除手段144に到達するタイミングを算出し、撮像手段143により撮像されて上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが第1排除手段144に到達するタイミングで第1排除手段144を駆動させて排除するようになっている。
そして、前記第1排除手段144は、第1不具合判定手段142により貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが搬送されると筒状体145を下降させ、開口145aを当該帆立貝Sの上側に配置された貝殻の膨らみに嵌合させ、筒状体145を回転駆動させることにより当該帆立貝Sを下流側ベルトコンベア132B上から排除するようになっている。
前記第1排出用ベルトコンベア147は、第1排除手段144の筒状体145に対応する下流側ベルトコンベア132Bの下方に第1搬送部131の貝搬送方向と直交する方向にベルトを駆動させるように配設されている。
前記貝選別部ベルトコンベア148は、下流側ベルトコンベア132Bの下流端の下方に上流端を交差させて配置され、第1搬送部131の貝搬送方向と直交する方向にベルトを駆動させるように配設されている。
また、前記貝選別部ベルトコンベア148の後述するシュータ150の下流端が臨む箇所と対向する側縁には貝選別部ベルトコンベア148の貝搬送方向に沿って立設された規制板149が配設されており、この規制板149は、シュータ150を滑降された帆立貝Sが貝選別部ベルトコンベア148外へ脱落するのを防止して貝選別部ベルトコンベア148上に載置させるようになっている。
前記シュータ150は、上下に配置された第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132Bの下流端と貝選別部ベルトコンベア148の上流端との間に配設されており、下流側ベルトコンベア132Bの下流端に対して下流側ベルトコンベア132Bの貝搬送方向に対向するように立設され、下方にかけて貝選別部ベルトコンベア148の上流端に対して側方から臨むように円弧形状に彎曲された傾斜面150aを備え、下流側ベルトコンベア132Bの下流端から落下された帆立貝Sを受容するように配置されている。
また、前記シュータ150の上方には、下方に向かって空気を噴射するエアノズル151と、シュータ150内の帆立貝Sを有無を検出してシュータ150内における帆立貝Sの詰まりを検出するセンサ152が配設されている。
前記エアノズル151は、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132Bにより搬送された帆立貝Sがシュータ150内に落下される際に、帆立貝Sの貝搬送方向における先端部に対して上方から間歇的に空気を吹き付けて下方に押圧し、帆立貝Sの先端側を下方に向け、下流側ベルトコンベア132B上において上側に配置されていた貝殻を傾斜面150aに接触するように落下させ、下流側ベルトコンベア132B上において上側に配置された貝殻を下側に配置して上下を反転した状態で貝選別部ベルトコンベア148上に帆立貝Sを移載するようになっている。なお、前記エアノズル151により空気を噴射するタイミングは、下流側ベルトコンベア132Bの下流部の上方に帆立貝Sを検出するセンサ153を配設し、このセンサ153により帆立貝Sが検出されると中央演算処理装置が下流側ベルトコンベア132Bの搬送速度に基づいて帆立貝Sがシュータ150に到達するタイミングを算出し、エアノズル151の延長線上に帆立貝Sの搬送方向における先端部が位置したタイミングでエアノズル151からの空気を帆立貝Sの上側に配置された貝殻の先端部に噴射して、風圧により帆立貝Sを転回させるようになっている。
前記第2不具合判定手段154は、第1不具合判定手段142と同様の構成であり、図1および図12に示すように、貝選別部ベルトコンベア148の上方に配置された撮像手段155を備え、この撮像手段155により貝選別部ベルトコンベア148上を平置き状態で搬送される帆立貝Sの上側に配置された貝殻を撮像して図示しない中央演算処理装置が撮像された帆立貝Sの上側に配置された貝殻の割れ、ひび割れ、陥没(穴開)、表面への突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無を判定するようになっている。
前記第2排除手段156は、第1排除手段144と同様の構成であり、周面に周方向にそれぞれ間隔を隔てて複数の円形状の開口157aが穿孔された筒状体157を備えている。
前記筒状体157は、貝選別部ベルトコンベア148の上方に、貝選別部ベルトコンベア148の貝搬送方向と平行に配置された図示しないモータの回転軸に取り付けられて周方向に回転自在に配設されているとともに、図示しない昇降機構により貝選別部ベルトコンベア148の上面に対して鉛直方向に昇降自在に配設されている。
また、前記第2排除手段156は、貝選別部141の貝選別部ベルトコンベア148上を搬送される帆立貝Sの位置を検出するセンサ158を備えており、このセンサ158は、撮像手段155により貝選別部ベルトコンベア148上を搬送される帆立貝Sの上側に配置された貝殻が撮像されるタイミングで各帆立貝Sの位置を検出し、この検出された位置情報と貝選別部ベルトコンベア148の搬送速度に基づいて中央演算処理装置が各帆立貝Sが第2排除手段156に到達するタイミングを算出し、撮像手段155により撮像されて上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが第2排除手段156に到達するタイミングで第2排除手段156を駆動させて排除するようになっている。
そして、前記第2排除手段156は、第2不具合判定手段154により貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが搬送されると筒状体157を下降させ、開口157aを当該帆立貝Sの上側に配置された貝殻の膨らみに嵌合させ、筒状体157を回転駆動させることにより当該帆立貝Sを貝選別部ベルトコンベア148上から排除するようになっている。
前記第2排出用ベルトコンベア159は、第2排除手段156の筒状体157に対応する貝選別部ベルトコンベア148の下方に貝選別部ベルトコンベア148の貝搬送方向と直交する方向にベルトを駆動させるように配設されている。なお、本実施形態においては、第1排出用ベルトコンベア147の下流端が第2排出用ベルトコンベア159上に臨むように配置されており、第1排除手段144により第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132B上から排除され第1排出用ベルトコンベア147上を搬送された帆立貝Sが第2排出用ベルトコンベア159上に集約され、第2排除手段156により貝選別部ベルトコンベア148上から排除された帆立貝Sとともに排出されるようになっている。
そして、前述した構成からなる貝選別部141は、まず、第1不具合判定手段142の撮像手段143が第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132B上を平置き状態で搬送される帆立貝Sの上側に配置された貝殻を撮像して3次元形状を計測し、計測された3次元形状から帆立貝Sの上側に配置された貝殻の割れや突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無を判定する。その際、センサ146が、第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132B上を搬送される各帆立貝Sの位置を検出し、各帆立貝Sが第1排除手段144に到達するタイミングが算出される。
つぎに、下流側ベルトコンベア132B上を搬送される各帆立貝Sのうち撮像手段143により撮像されて上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが第1排除手段144に到達すると、筒状体145が下降されて筒状体145の周面に穿孔された開口145aが不具合があると判定された帆立貝Sの上側に配置された貝殻の膨らみに嵌合され、筒状体145が回転駆動されることにより貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが下流側ベルトコンベア132B上から第1排出用ベルトコンベア147上に掻き落とされる。そして、第1排出用ベルトコンベア147上に掻き落とされた帆立貝Sは、第2排出用ベルトコンベア159上へ移載され、第2排出用ベルトコンベア159により回収容器(図示せず)へ搬送されて回収されるか、あるいは、作業者による手剥き作業台(図示せず)へ搬送される。
つぎに、第1排除手段144を通過した帆立貝S、すなわち第1不具合判定手段142により上側に配置された貝殻に不具合がないと判定された帆立貝Sが下流側ベルトコンベア132Bの下流端からシュータ150内へ落下され、下流側ベルトコンベア132B上において上側に配置されていた貝殻を下側に配置して上下を反転した状態で貝選別部ベルトコンベア148上へ移載される。
つぎに、第2不具合判定手段154の撮像手段155が貝選別部ベルトコンベア148上を平置き状態で搬送される帆立貝Sの上側に配置された貝殻の割れや突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無を判定する。その際、センサ158が、貝選別部ベルトコンベア148上を搬送される各帆立貝Sの位置を検出し、各帆立貝Sが第2排除手段156に到達するタイミングが算出される。
つぎに、貝選別部ベルトコンベア148上を搬送される各帆立貝Sのうち撮像手段155により撮像されて上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが第2排除手段156に到達すると、筒状体157が加工されて筒状体157の周面に穿孔された開口157aが不具合があると判定された帆立貝Sの上側に配置された貝殻の膨らみに嵌合され、筒状体157が回転駆動されることにより貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが貝選別部ベルトコンベア148上から第2排出用ベルトコンベア159に掻き落とされる。そして、第2排出用ベルトコンベア159上に掻き落とされた帆立貝Sは、第1排除手段144により第1搬送部131の下流側ベルトコンベア132B上から排除され第1排出用ベルトコンベア147から移載された帆立貝Sとともに回収容器(図示せず)へ搬送されて回収されるか、あるいは、作業者による手剥き作業台(図示せず)へ搬送される。
なお、本実施形態においては、第1排除手段144により下流側ベルトコンベア132B上から排除された帆立貝Sを排出する第1排出路として第1排出用ベルトコンベア147、第2排除手段156により貝選別部ベルトコンベア148上から排除された帆立貝Sを排出する第2排出路として第2排出用ベルトコンベア159を備える構成としているが、第1排出路および第2排出路はそれぞれベルトコンベアに限定されるものではなく、下流側ベルトコンベア132B上から排除された帆立貝S、貝選別部ベルトコンベア148上から排除された帆立貝Sをそれぞれ回収容器や手剥き作業台へ滑降させて搬送するスロープ等であってもよい。
本第2実施形態の貝転回部161は、図7および図11に示すように、貝選別部141において貝殻に不具合がある帆立貝Sが排除されて貝選別部ベルトコンベア148上を平置き状態で搬送される各帆立貝Sの左殻および右殻の配置を識別する識別手段162と、この識別手段162により識別された帆立貝Sの左殻および右殻の配置に基づいて予め設定された貝殻が上側に配置されるように転回させる必要のある帆立貝Sについて上下を反転させる貝返し装置163とを備えている。
前記識別手段162は、貝選別部ベルトコンベア148の側方近傍に撮像手段(図示せず)を備えており、この撮像手段により貝選別部ベルトコンベア148上を平置き状態で搬送される帆立貝Sを撮像して図示しない中央演算処理装置が3次元形状を計測し、この計測された3次元形状(各貝殻の膨らみ)から帆立貝Sの表裏、すなわち、左殻あるいは右殻のいずれが上側に配置されているかを識別して当該帆立貝Sが予め設定された貝殻が上側に配置されるために転回させる必要があるかを判定するようになっている。
本第2実施形態の貝返し装置163は、図7、図12および図13(A),(B)に示すように、筐体166内に回転自在に支持され、貝選別部141の貝選別部ベルトコンベア148により平置き状態で搬送された帆立貝Sを受容して、この貝返し装置163の下流側の下方に高低差をもって配置された第2搬送部としてのベルトコンベア31上へ滑降させるとともに、識別手段162により識別された貝選別部141の貝選別部ベルトコンベア148上における帆立貝Sの向きに基づき、予め設定された貝殻を上側に配置するために転回させる必要があると判定された帆立貝Sが滑降されている際に回転駆動されて帆立貝Sを転回させる回転体164を備えている。
前記回転体164は略円柱形状に形成されており、上面から下面にかけて平置き状態の帆立貝Sを滑降させる滑降路164aが連通されているとともに、外周面には、周方向に環状にギア部165が突設されている。
前記筐体166は、貝搬送方向に対して上流側となる前面に回転体164を周方向に回転自在に挿通した状態で支持する開口166aが形成されているとともに、貝搬送方向に対して下流側となる背面に回転体164の滑降路164aの下流側を臨ませる開口166bが形成されている。
また、前記筐体166内には、回転体164のギア部165を両側方から挟持するように配置された1対の回転ローラ170,170を備えた少なくとも3つの支持体169が回転自在に配設されており、これら支持体169と開口166aにより、滑降路164aの一方の開口部を貝選別部141の貝選別部ベルトコンベア148の下流端に下方から臨むように配置させるとともに他方の開口部をベルトコンベア31の上流端に上方から臨むように傾斜させた状態で回転体164が周方向に回転自在に支持されている。
また、前記筐体166には、回転体164を周方向に回転駆動させるためのモータ171が配設されており、このモータ171に取り付けられたギア172(図13(B)参照)が回転体164のギア部165に嵌合され、モータ171の駆動により回転体164が回転駆動されるようになっている。
また、前記筐体166には、回転体164の滑降路164aを滑降された帆立貝Sをさらに滑降させてベルトコンベア31上へ案内する上向きコ字形状に形成された下側ガイド板169と、この下側ガイド板169の上方を覆って下側ガイド板169上を滑降される帆立貝Sが下側ガイド板169上から飛び出すのを防止する上側ガイド板170とが配設されている。
さらに、前記貝返し装置163は、貝選別部141の貝選別部ベルトコンベア148上を搬送される帆立貝Sの位置を検出するセンサ(図示せず)を備えており、このセンサは、例えば識別手段162の撮像手段により貝選別部ベルトコンベア148上を搬送される帆立貝Sが撮像されるタイミングで各帆立貝Sの位置を検出し、この位置情報と貝選別部ベルトコンベア148の搬送速度に基づいて中央演算処理装置が各帆立貝Sが貝返し装置163に到達するタイミングを算出し、識別手段162により予め設定された貝殻を上側に配置するために転回させる必要があると判定された帆立貝Sが貝返し装置163の回転体164の滑降路164a内を滑降するタイミングでモータ171を間歇的に駆動し、回転体164を回転させて帆立貝Sを反転させるようになっている。
そして、前記貝返し装置163の下流側には、貝返し装置163の帆立貝Sの滑降方向、すなわち貝選別部141の貝選別部ベルトコンベア148の貝搬送方向に連続する方向に帆立貝Sを搬送するように第2搬送部としてのベルトコンベア31の上流端が接続されており、貝転回部161において予め設定された一方の貝殻が上側に配置されるように姿勢を制御された平置き状態の帆立貝Sが貝返し装置163から順次供給されるようになっている。
なお、本第2実施形態において、第2搬送部としてのベルトコンベア31以降の構成、すなわち第2搬送部としてのベルトコンベア31、貝分配部34および他装置移載部41は、本第1実施形態と同様構成であるので詳細な説明は省略する。
つぎに、前述した本発明の第2実施形態の作用について説明する。
まず、貝供給部102において、殻剥きするための複数の帆立貝Sを平置き状態で振動フィーダ115のトラフ116の上流側から投入すると、各帆立貝Sは振動機121の駆動により振動されたトラフ116の搬送路117を下流側へ向かって前進され、搬送路117の広幅部117aから狭幅部117bへ漸減される幅により1列に整列され、トラフ117の下流端から下側ガイド板118および上側ガイド板119に案内されて回転円盤103上における貝搬送路の最上流位置に順次投入される。
ついで、回転円盤103上に順次投入された各帆立貝Sは、回転円盤103の回転により回転円盤103上における貝搬送路の最下流位置まで搬送されるとガイド板106に案内されて環状体104上へ移載され、さらに、環状体104の回転により環状体104上における貝搬送路の最下流位置まで搬送されると、各帆立貝Sはその側縁をガイドベルトコンベア109のベルト114に当接させ、ベルト114の走行により案内されて第1搬送部131の上流側ベルトコンベア132A上へ順次送出される。
なお、各帆立貝Sは、回転円盤103上から回転円盤103よりも速い速度で回転される環状体104上へ移載される際に、振動フィーダ115のトラフ116から回転円盤103上へ投入された際の間隔よりも広く間隔が拡げられる。
このようにして貝供給部102から第1搬送部131の上流側ベルトコンベア132Aに送出された各帆立貝Sは、上流側ベルトコンベア132A上を搬送される際に、第1センサ134により各帆立貝S間の間隔が計測されるとともに、第2センサ135により各帆立貝Sの位置が検出され、この各帆立貝S間の間隔と各帆立貝Sの位置に基づき、各帆立貝Sが上流側ベルトコンベア132A上からサーボ制御ベルトコンベア133上に移載されたタイミングで各帆立貝S毎に中央演算処理装置がサーボ制御ベルトコンベア133の搬送速度を調整し、サーボ制御ベルトコンベア133上から下流側ベルトコンベア132B上に移載される各帆立貝S間の間隔が予め設定された間隔に調整される。
つぎに、サーボ制御ベルトコンベア133により予め設定された間隔に調整された各帆立貝Sが下流側ベルトコンベア132Bにより貝選別部141まで搬送されると、第1不具合判定手段142の撮像手段143により下流側ベルトコンベア132B上を平置き状態で搬送される各帆立貝Sの上側に配置された貝殻が撮像され中央演算処理装置により上側に配置された貝殻の3次元形状が計測され、この計測された3次元形状から各帆立貝Sの上側に配置された貝殻の割れ、ひび割れ、陥没(穴開)、表面への突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無が判定される。また、その際、第1排除手段144のセンサ146が各帆立貝Sの位置を検出して中央演算処理装置により各帆立貝Sが第1排除手段144に到達するタイミングが算出される。
そして、下流側ベルトコンベア132Bにより搬送されて各帆立貝Sが第1排除手段144に到達すると、各帆立貝Sのうち第1不具合判定手段142により上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが第1排除手段144に到達したタイミングで第1排除手段144が駆動され、筒状体145が下降されて筒状体145の開口145aが帆立貝Sの上側に配置された貝殻の膨らみに嵌合され、筒状体145が回転駆動されて上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが下流側ベルトコンベア132B上から排除され、第1排出用ベルトコンベア147から第2排出用ベルトコンベア159上に集約されて回収容器あるいは手剥き作業台へ搬送される。
一方、上側に配置された貝殻に不具合が検出されずそのまま下流側ベルトコンベア132B上を搬送された各帆立貝Sは、下流側ベルトコンベア132Bの下流端においてシュータ150内に落下され、下流側ベルトコンベア132B上において上側に配置されていた貝殻が下側に配置されるように転回されて貝選別部ベルトコンベア148上に移載される。
さらに詳しく説明すると、第1不具合判定手段142により下流側ベルトコンベア132B上において上側に配置された貝殻に不具合が検出されなかった各帆立貝Sが下流側ベルトコンベア132Bによりさらに下流側へ搬送されると、シュータ150の手前の下流側ベルトコンベア132B上に配設されたセンサ153が各帆立貝Sをそれぞれ検出して中央演算処理装置が下流側ベルトコンベア132Bの搬送速度に基づいて各帆立貝Sがシュータ150に到達するタイミングを算出し、各帆立貝Sの搬送方向における先端部がエアノズル151の延長線上に位置したタイミングでエアノズル151から空気が間歇的に噴射される。そして、エアノズル151から噴射された空気の風圧により帆立貝Sはシュータ150内において搬送方向における先端部を下方に向け、下流側ベルトコンベア132B上において上側に配置されていた貝殻を傾斜面150aに接触するように落下され、下流側ベルトコンベア132B上において上側に配置されていた貝殻を下側に配置して上下を反転させた平置き状態で貝選別部ベルトコンベア148上に移載される。
つぎに、シュータ150により上下を反転されて貝選別部ベルトコンベア148上に移載された各帆立貝Sが貝選別部ベルトコンベア148により搬送されて第2排除手段156に到達すると、第2不具合判定手段154の撮像手段155により貝選別部ベルトコンベア148上を平置き状態で搬送される各帆立貝Sの上側に配置された貝殻が撮像されて中央演算処理装置により上側に配置された貝殻の3次元形状が計測され、この計測された3次元形状から各帆立貝Sの上側に配置された貝殻の割れ、ひび割れ、陥没(穴開)、表面への突起物の付着といった帆立貝Sを供給する他の加工装置における加工の妨げとなり得る不具合の有無が判定される。また、その際、第2排除手段156のセンサ158が各帆立貝Sの位置を検出して中央演算処理装置により各帆立貝Sが第2排除手段156に到達するタイミングを算出される。
そして、貝選別部ベルトコンベア148により搬送されて各帆立貝Sが第2排除手段156に到達すると、各帆立貝Sのうち第2不具合判定手段154により上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが第2排除手段156に到達したタイミングで第2排除手段156が駆動され、筒状体157が下降されて筒状体157の開口157aが帆立貝Sの上側に配置された貝殻の膨らみに嵌合され、筒状体157が回転駆動されて上側に配置された貝殻に不具合があると判定された帆立貝Sが貝選別部ベルトコンベア148上から排除され、第2排出用ベルトコンベア159から回収容器あるいは手剥き作業台へ搬送される。
つぎに、第2不具合判定手段154により貝選別部ベルトコンベア148上において上側に配置された貝殻に不具合が検出されなかった各帆立貝S、すなわち両貝殻に不具合が検出されなかった各帆立貝Sが貝選別部ベルトコンベア148により下流側の貝転回部161に搬送されると、識別手段162の撮像手段により各帆立貝Sがそれぞれ側方から撮像されて中央演算処理装置により各帆立貝Sの3次元形状が計測され、この計測された3次元形状に基づいて上下に配置された各貝殻の膨らみから各帆立貝Sの表裏、すなわち左殻あるいは右殻のいずれが上側に配置されているかが識別され、予め設定された貝殻(本実施形態においては左殻)が上側に配置されるために上下を転回させる必要があるかが判定される。また、その際、貝返し装置163のセンサが各帆立貝Sの位置を検出して中央演算処理装置により各帆立貝Sが貝返し装置163に到達するタイミングが算出される。
そして、識別手段162により上下を転回させる必要があるか否か判定された各帆立貝Sは貝選別部ベルトコンベア148によりさらに下流側へ搬送され、貝返し装置163において、識別手段162により転回させる必要があると判定された帆立貝Sの上下が転回されて全ての帆立貝Sが左殻を上側に配置した平置き状態でベルトコンベア31上に移載される。
さらに詳しく説明すると、識別手段162により上下を転回させる必要があるか否かを判定された各帆立貝Sが貝選別部ベルトコンベア148により貝返し装置163に搬送され、貝選別部ベルトコンベア148により搬送された各帆立貝Sのうち、識別手段162により上下を転回させる必要があると判定された帆立貝Sが回転体164の滑降路164a内に送出されると、センサにより検出された帆立貝Sが回転体164の滑降路164a内を滑降するタイミングでモータ171が間歇的に駆動されて回転体167が周方向に180度回転され、滑降路164a内を滑降する帆立貝Sが上下を反転された平置き状態で下側ガイド板169および上側ガイド板170に案内されてベルトコンベア31上に移載される。
一方、識別手段162により上下を転回させる必要がないと判定された帆立貝Sが回転体164の滑降路164a内に送出されると、回転体164は回転駆動せず、滑降路164a内を滑降する帆立貝Sは貝選別部ベルトコンベア148上において上側に配置された貝殻をそのまま上側に配置した平置き状態で滑降され、下側ガイド板169および上側ガイド板170に案内されてベルトコンベア31上に移載される。
そして、ベルトコンベア31以降の構成は本第1実施形態と同様であり、貝転回部161により全ての帆立貝Sが左殻が上側に配置されるように制御されてベルトコンベア31上に移載された各帆立貝Sは、左殻を上側に配置した状態のまま貝分配部34の供給ベルトコンベア32上に順次移載され、つぎに、供給ベルトコンベア32上から各移載機構35により平置き搬送手段42の各ベルトコンベア42a上にそれぞれ移載される。
そして、平置き搬送手段42の各ベルトコンベア42a上を搬送される各帆立貝Sは3次元検出手段46により自動殻剥きに適しているか否かを判定され、自動殻剥きに適していないと判定された帆立貝Sはパラレルリンクロボット50,50により排出路53上に移載されて排出され、自動殻剥きに適していると判定された帆立貝Sはパラレルリンクロボット50,50により必要に応じて周方向の向きを変更されたうえで自動殻剥き機48に移載される。
このように、本第2実施形態の帆立貝供給装置101によれば、貝供給部102に無作為に投入された複数の帆立貝Sが、貝選別部141で貝殻の割れや突起物の付着といった帆立貝Sを供給する自動殻剥き機48における殻剥きの妨げとなり得る不具合の有無を検出されて貝殻に不具合のある帆立貝Sが排除されるとともに、貝転回部161においてすべての帆立貝Sを左殻あるいは右殻のうちの自動殻剥き機48における殻剥きに適した予め設定された一方の貝殻が上側に配置されるように転回させることができ、さらに、他装置移載部41により帆立貝Sの周方向の向きを自動殻剥き機48における殻剥きに適した方向に向けて供給することができるので、効率よく帆立貝Sの殻剥きを行うことができる。
なお、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。