JP7160210B2 - 処理装置、処理方法、およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、処理装置、処理方法、およびプログラムに関し、特に、加速度から変位を導出するために用いて好適なものである。本願は、2019年8月30日に日本に出願された特願2019-157968号および2020年1月17日に日本に出願された特願2020-006049号に基づき優先権を主張し、特願2019-157968号および特願2020-006049号の内容を全てここに援用する。
軌道上を鉄道車両が走行すると鉄道車両からの荷重により軌道の位置が変化する。このような軌道の変化が生じると、鉄道車両が異常な挙動を示す虞がある。そこで、従来から、鉄道車両を軌道上で走行させることにより、軌条(レール)の不整量(軌道狂い)の測定が行われる。軌道狂いを導出する方法として、特許文献1に記載されている慣性測定法と称される方法がある。一般に慣性測定法では、加速度を2階積分すると変位が計算できるという物理法則を利用して、軸箱や車体に取り付けた加速度センサで測定された加速度データに基づいて、軌道狂いを導出する。
加速度を2階積分する際には積分器を用いる。完全な積分器は0Hzで無限大となる特性を有する。このため、積分器に入力する加速度データにオフセットが存在すると積分値が発散する虞がある。そこで、特許文献2に記載されているように、相対的に低い空間周波数での2階積分値の出力を抑制するフィルタ(ハイパスフィルタ)の特性を積分器に持たせることが行われる。また、特許文献3には、車両の加速度を2階積分することで軌道狂いを導出する際に、車両の走行速度に応じてベッセルフィルタのゲインおよび遮断周波数を調整することが記載されている。
特開2011-156995号公報 特開2001-63570号公報 特開2009-300398号公報
しかしながら、特許文献2、3に記載のように、加速度を2階積分する際にフィルタを適用すると、遮断周波数の設定が必要になる。このため、変位の導出に有用な周波数成分の情報が欠落する虞がある。変位の導出に有用な周波数成分の情報には、例えば、加速度データにおける低周波成分がある。このような課題は、軌道狂いを導出する場合に限らず、加速度から変位を導出する技術における共通の課題である。以上のように従来の技術では、加速度から変位を高精度に導出することが容易ではないという問題点がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、加速度に対し従来の2階積分を行わずに加速度から変位を導出することができるようにすることを目的とする。
本発明の処理装置は、加速度センサで測定された加速度の時系列データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された加速度の時系列データと、変位に対する作用素を行列で表現した作用素行列の逆行列と、に基づいて、変位の時系列データを導出する変位導出手段と、を含み、前記作用素行列は、第1の行列を用いて表され、前記第1の行列は、前記変位の時系列データからなるベクトルである変位ベクトルに対して、周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うためのN行N列の正方行列であり、前記周期境界条件は、前記変位の時系列データの導出対象の期間の前後の期間における変位が当該変位の時系列データと同じ値を有するという条件であり、Nは、前記変位の時系列データの数であることを特徴とする。
本発明の処理方法は、加速度センサで測定された加速度の時系列データを取得する取得工程と、前記取得工程により取得された加速度の時系列データと、変位に対する作用素を行列で表現した作用素行列の逆行列と、に基づいて、変位の時系列データを導出する変位導出工程と、を含み、前記作用素行列は、第1の行列を用いて表され、前記第1の行列は、前記変位の時系列データからなるベクトルである変位ベクトルに対して、周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うためのN行N列の正方行列であり、前記周期境界条件は、前記変位の時系列データの導出対象の期間の前後の期間における変位が当該変位の時系列データと同じ値を有するという条件であり、Nは、前記変位の時系列データの数であることを特徴とする。
本発明のプログラムは、加速度センサで測定された加速度の時系列データを取得する取得工程と、前記取得工程により取得された加速度の時系列データと、変位に対する作用素を行列で表現した作用素行列の逆行列と、に基づいて、変位の時系列データを導出する変位導出工程と、をコンピュータに実行させ、前記作用素行列は、第1の行列を用いて表され、前記第1の行列は、前記変位の時系列データからなるベクトルである変位ベクトルに対して、周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うためのN行N列の正方行列であり、前記周期境界条件は、前記変位の時系列データの導出対象の期間の前後の期間における変位が当該変位の時系列データと同じ値を有するという条件であり、Nは、前記変位の時系列データの数であることを特徴とする。
図1Aは、鉄道車両の概略の一例を示す図である。 図1Bは、鉄道車両の車体の下方の部分の構成の一例を示す図である。 図2は、処理装置の機能的な構成の第1の例を示す図である。 図3は、処理装置における処理の第1の例を説明するフローチャートである。 図4は、加速度の時系列データの一例を示す図である。 図5Aは、比較例における変位の時系列データの第1の例を示す図である。 図5Bは、比較例における変位の時系列データの第2の例を示す図である。 図6は、発明例における変位の時系列データを示す図である。 図7は、処理装置の機能的な構成の第2の例を示す図である。 図8は、加速度センサにより測定された加速度の上下方向成分の時系列データの一例を示す図である。 図9は、加速度の上下方向成分のパワースペクトルの一例を示す図である。 図10Aは、低周波除去後の加速度の上下方向成分の実部の時系列データの一例を示す図である。 図10Bは、低周波除去後の加速度の上下方向成分の虚部の時系列データの一例を示す図である。 図11は、低周波除去後の加速度の上下方向成分の実部の時系列データから導出した変位の時系列データの一例を示す図である。 図12は、変位の時系列データの時間積分値とカット周波数との関係の一例を示す図である。 図13は、処理装置における処理の第2の例を説明するフローチャートである。 図14は、処理装置のハードウェアの構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。
<鉄道車両の概略>
本実施形態で例示する鉄道車両について説明する。図1Aは、鉄道車両の概略の一例を示す図である。図1Bは、鉄道車両の車体の下方の部分の構成の一例を示す図である。尚、図1A、図1Bにおいて、鉄道車両は、x軸の正の方向に進むものとする(x軸は、鉄道車両の走行方向に沿う軸である)。また、x軸は、軌道30(地面)に対し垂直方向(鉄道車両の高さ方向)であるものとする。x軸は、鉄道車両の走行方向に対して垂直な水平方向(鉄道車両の走行方向と高さ方向との双方に垂直な方向)であるものとする。また、鉄道車両は、営業車両であるものとする。尚、各図において、○の中に●が付されているものは、紙面の奥側から手前側に向かう方向を示し、○の中に×が付されているものは、紙面の手前側から奥側に向かう方向を示す。
図1A、図1Bに示すように本実施形態では、鉄道車両は、車体11と、台車12a~12bと、輪軸13a~13dとを有する。このように本実施形態では、1つの車体11に、2つの台車12a~12bと4組の輪軸13a~13dとが備わる鉄道車両を例に挙げて説明する。輪軸13a~13dは、車軸15a~15dとその両端に設けられた車輪14a~14dとを有する。本実施形態では、台車12a~12bが、ボルスタ付き台車である場合を例に挙げて説明する。尚、図1Aでは、表記の都合上、輪軸13a~13dの一方の車輪14a~14dのみを示すが、図1Bに示すように輪軸13a~13dの他方にも車輪が設けられている(図1に示す例では、車輪は合計8個ある)。また、鉄道車両は、図1A、図1Bに示す構成要素以外の構成要素を有するが、表記の都合上、図1A、図1Bでは、当該構成要素の図示を省略する。また、図1Bでは、台車12bにおける輪軸13dに対する構成要素(軸箱17a~17b、軸バネ18a~18bと、軸ダンパ19a~19b等)のみを示すが、その他の輪軸に対する構成要素も図1Bに示すものと同じもので実現される。
各輪軸13a~13dのx軸に沿う方向の両側には、軸箱17a~17bが配置される。台車枠16と軸箱17a~17bは、軸箱支持装置により相互に結合される。図1Bに示す例では、軸箱支持装置は、軸バネ18a~18bと、軸ダンパ19a~19bと、を有する。軸箱支持装置は、軸箱17a~17bおよび台車枠16の間に配置される装置(サスペンション)である。軸箱支持装置は、軌道30から鉄道車両に伝わる振動を吸収する。また、軸箱支持装置は、軸箱17a~17bが台車枠16に対してx軸に沿う方向およびx軸に沿う方向に移動することを抑制するように軸箱17a~17bの台車枠16に対する位置を規制した状態で軸箱17a~17bを支持する。軸箱支持装置は、各輪軸13a~13dのx軸に沿う方向の両側に配置される。
台車枠16の上方には、枕ばり21が配置される。枕ばり21と車体11との間には、空気バネ22a~22bと、左右動ダンパ23とが配置される。
ここで、本実施形態において、右側、左側とは、それぞれ、鉄道車両の進行方向(x軸の正の方向)に向かって右側、左側を意味するものとする。軸箱17a、軸バネ18a、軸ダンパ19a、空気バネ22aは、鉄道車両の左側に配置され、軸箱17b、軸バネ18b、軸ダンパ19b、空気バネ22bは、鉄道車両の右側に配置される。
尚、鉄道車両自体は公知の技術で実現できるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。また、台車は、ボルスタレス台車であってもよい。
鉄道車両が軌道30上を走行すると、車輪14a~14dと軌道30との間の作用力(クリープ力)が振動源となり、輪軸13a~13d、台車12a~12b、車体11に振動が順次伝搬する。
以下の説明では、軌道30に対し垂直な方向を、必要に応じて上下方向と称する。図1Aおよび図1Bに示す例では、上下方向は、x軸に沿う方向である。また、以下の説明では、鉄道車両の走行方向を、必要に応じて前後方向と称する。また、前後方向(鉄道車両の走行方向)と上下方向(軌道30に対し垂直な方向)との双方に垂直な方向を、必要に応じて左右方向と称する。前後方向は、x軸に沿う方向であり、左右方向は、x軸に沿う方向である。
軸箱17aには、加速度センサ24が取り付けられている。本実施形態では、加速度センサ24は、少なくとも加速度の上下方向成分(x軸成分)と左右方向成分(x軸成分)とを測定することができる場合を例に挙げて説明する。
尚、加速度センサが測定する加速度の成分、加速度センサの数、および加速度センサを取り付ける位置は、慣性測定法により軌道狂いを導出するために用いられるものと同様にすることができ、特に限定されない。例えば、加速度の上下方向成分を測定する加速度センサと、加速度の左右方向成分を測定する加速度センサとのそれぞれを軸箱17aに取り付けてもよい。また、左右方向において間隔を有して並ぶ軸箱17a~17bの双方に加速度センサを取り付けてもよい。また、鉄道車両の全ての軸箱に加速度センサを取り付けても、一部の軸箱のみに加速度センサを取り付けてもよい。また、軸箱に加速度センサを取り付ければ輪軸の振動による加速度を可及的に正確に検出することができるので好ましいが、軸箱以外の位置に加速度センサを取り付けてもよい。
また、慣性測定法により軌道狂いを導出するために測定が必要なその他の測定器も鉄道車両に取り付けられる。例えば、変位計を鉄道車両に取り付けてもよい。当該変位計は、当該変位計と、左右の軌条(レール)との間の左右方向および上下方向の変位を測定する。また、加速度センサ(車体11)の傾きを測定するジャイロセンサを鉄道車両に取り付けてもよい。
慣性測定法により軌道狂いを導出するために必要な測定器そのものは、特許文献1~3に記載のように公知の技術で実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
<処理装置200>
図2は、処理装置200の機能的な構成の一例を示す図である。処理装置200のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
<<データ取得部201>>
データ取得部201は、慣性測定法により軌道狂い量を導出するために必要な測定データを所定のサンプリング周期で鉄道車両の走行中に取得する。本実施形態では、データ取得部201は、各サンプリング時刻において、少なくとも、加速度センサ24により測定された加速度の左右方向成分および上下方向成分を取得する。
<<変位導出部202>>
変位導出部202は、データ取得部201により取得された加速度の左右方向成分に基づいて、変位の左右方向成分を所定のサンプリング周期で導出する。ここで、サンプリング周期が経過する間の鉄道車両の移動距離が、検査区間において最大でも50mm以下となるようにサンプリング周期を設定するのが好ましい。変位導出部202は、データ取得部201により取得された加速度の上下方向成分に基づいて、変位の上下方向成分を導出する。以下の説明において、特に断りがない場合、加速度、変位は、左右方向成分および上下方向成分の何れに対しても適用されるものであるものとする。
背景技術の欄で説明したように、加速度の時系列データは、計測に由来するノイズにより、時間積分すると発散することがある。そこで、本発明者らは、加速度の時系列データに対して従来の2階積分を行わずに変位を導出することを指向した。その結果、本発明者らは、以下のように、加速度の時系列データに基づいて、従来の2階積分を行わずに、当該加速度に基づく変位(の時系列データ)を導出することができることに想到した。
<<<変位の導出>>>
サンプリング時刻の数をN(Nは3以上の整数)とする。サンプリング時刻を昇順に並べたときの順番を示す変数をiとする。i番目のサンプリング時刻をtとする。サンプリング周期(時間隔)をΔtとする。2階時間微分を差分法により行うための作用素をhとする。変位をuとする。サンプリング時刻tにおける変位をuとする。2階時間微分を差分法により行うための作用素hは、以下の(1)式により定義される。(1)式では、2階時間微分を差分法により行うための作用素hは、変位uの2階時間微分を差分法により行うための作用素hである。
Figure 0007160210000001
ここで、huは、サンプリング時刻tにおけるhuの値である。本実施形態では、中心差分近似を行う場合を例に挙げて示す。
変位uをベクトルで表現した変位ベクトルuは、以下の(3)式で表される。一般に、変位ベクトルuに対して2階時間微分を差分法により行うための作用素h((1)式におけるh)を行列で表現すると、以下の(2)式のようになる。
Figure 0007160210000002
2階時間微分を差分法により行うための行列hは、(N-2)行N列の行列である(Nは3以上の整数)。そして、行列(作用素)hにスカラー(-1/(Δt))を乗じた行列(作用素)(-1/(Δt))hが、2階時間微分を差分法により行う行列(作用素)である。
本実施形態では、(2)式に対し、周期境界条件を課す。周期境界条件は、変位uの導出対象の期間の前後に続く期間の変位が、当該導出対象の期間における変位uと同じ値を有するという条件である。従って、本実施形態のように中心差分近似を用いる場合は、周期境界条件は、変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tの1つ前のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における最後のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uと等しく、且つ、変位uの導出対象の期間における最後のサンプリング時刻(タイミング)tの1つ後のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uと等しいという条件である。そうすると、最初のサンプリング時刻(タイミング)tおよび最後のサンプリング時刻(タイミング)tにおけるhuの値は、それぞれ以下の(4)式および(5)式で定義される。また、作用素hを行列で表現する式は、以下の(6)式のようになる。周期境界条件を課すことにより、(6)式の行列の1行目とN行目が(2)式の行列に追加される。
Figure 0007160210000003
従来の2階積分では、例えば、最初のサンプリング時刻における速度および変位を用いると共に、(2)式を中心差分近似の行列として用いる。これに対し、本実施形態では、(2)式を用いずに(6)式を用いる。以下の説明では、(6)式を、必要に応じて第1の行列と称する。
ここで、第1の行列hのi行j列の要素をhijと表すものとする。(6)式に示す第1の行列hのi行j列の要素hijは、以下の(7)式で表される。(7)式において、第1の行列hのi行j列の要素hijがifの後に示す要素であるときに、第1の行列hのi行j列の要素hijは、ifの前に示す値であることを示す。(i,j)=(1,N),(N,1)は、それぞれ、第1の行列hの1行N列の要素h1Nであること、第1の行列hのN行1列の要素hN1であることを示す。otherwiseは、第1の行列hのi行j列の要素hijのうち、2または-1の値にならない要素の値は0(ゼロ)であることを示す。
Figure 0007160210000004
変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位ベクトルuの要素uは発散しない。そこで、(4)式および(5)式に示すように、変位uの導出対象の期間における最後のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uの次に、変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uを仮想的に並べるようにすることで、周期境界条件を設定する。
第1の行列hは、2階時間微分を差分法により行うための作用素を行列で表現したものである。従って、第1の行列hの逆行列と加速度の時系列データからなるベクトルとの積により当該加速度に基づく変位ベクトルを導出することができる。ただし、変位ベクトルの導出をより確実に且つ高精度に行うために、本実施形態では、2階微分作用素を表現する行列を以下のようにする。即ち、第1の行列hを用いて表される項に、固有値が0(ゼロ)になることを抑制するための項と、変位の高周波成分を抑制するための項とを付加したものを、2階微分作用素を表現する行列とする。以下の説明では、このような行列を、必要に応じて、作用素行列Hと称する。本実施形態では、作用素行列Hを、以下の(8)式のように定義する。
Figure 0007160210000005
(8)式の右辺第1項は、第1の行列hに(-1)を乗算したものである。(8)式の右辺第1項は、前述したように、変位に対して前述した周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うための計算を行う項である。本実施形態では、(8)式の右辺第1項により、第1の項の一例が実現される。
(8)式の右辺第2項は、第1の行列hに対する正則化項であり、第1の行列hに依存しない。δは、当該正則化項における正則化定数であり、所定の第1の値の一例である。正則化定数δは、正の値であり、予め設定される。Iは、N行N列の単位行列であり、第2の行列の一例である。(8)式の右辺第2項は、作用素行列Hの固有値が0(ゼロ)になることを抑制するための項である。
(8)式の右辺第3項は、第1の行列hに対する正則化項であり、第1の行列h(第1の行列hの2乗)に依存する。hは、第1の行列hを2乗した行列であり、第3の行列の一例である。εは、当該正則化項における正則化定数であり、所定の第2の値の一例である。正則化定数εは、0または正の値であり、予め設定される。(8)式の右辺第3項は、変位の時系列データの高周波成分を抑制するための項である。
(8)式の作用素行列Hを用いると、加速度ベクトルyは、以下の(9)式で表される。従って、(9)式に対して左から作用素行列Hの逆行列H-1とスカラー(Δt)とを掛けることにより、以下の(10)式が得られる。
Figure 0007160210000006
ここで、加速度ベクトルyは、以下の(11)式で表される。
Figure 0007160210000007
(11)式において、y(i=1,2,・・・,N)は、データ取得部201で取得された加速度の時系列データのサンプリング時刻tにおける加速度である。変位uとして変位の左右方向成分を導出する場合、y,y,・・・,yには、加速度の左右方向成分の時系列データが与えられる。変位uとして変位の上下方向成分を導出する場合、y,y,・・・,yには、加速度の上下方向成分の時系列データが与えられる。データ取得部201では、加速度がサンプリング周期Δt毎に取得される。例えば、最新のサンプリング時刻tで取得された加速度を加速度ベクトルyの最終行に格納する。加速度ベクトルyにおいて、或る行の加速度は当該行の1つ下の行の加速度よりも1つ前のサンプリング時刻で取得されたものとなるように、加速度ベクトルyに加速度が格納される。この場合、加速度ベクトルyの1行目には、最新のサンプリング時刻tの(N-1)個前のサンプリング時刻tで取得された加速度が格納される。
前述した(3)式に示す変位ベクトルuは、(11)式の加速度ベクトルyに、作用素行列Hの逆行列H-1(=(-h+δI-εh-1)とスカラー(Δt)とを掛けることにより得られる。
<<<変位の計算方法の具体例>>>
変位導出部202は、データ取得部201により取得された加速度の左右方向成分を、(11)式のy,y,・・・,yとして、変位の左右方向成分u,u,・・・,uを導出する。
前述した例では、最新のサンプリング時刻tにおける変位の左右方向成分は、uである。それより前のサンプリング時刻における変位の左右方向成分は、u,u,・・・,uN-1である。従って、最新のサンプリング時刻tよりも前のサンプリング時刻における変位の左右方向成分u,u,・・・,uN-1は、最新のサンプリング時刻tにおいて既に導出されている。このため、変位導出部202は、例えば、最新のサンプリング時刻tにおいて(11)式により導出される変位の左右方向成分u,u,・・・,uのうち、最新のサンプリング時刻tよりも前のサンプリング時刻における変位の左右方向成分u,u,・・・,uN-1を破棄し、最新のサンプリング時刻tにおける変位の左右方向成分uのみを採用する。
変位導出部202は、データ取得部201により取得された加速度の上下方向成分を、(11)式のy,y,・・・,yとして、変位の上下方向成分u,u,・・・,uを導出する。変位の上下方向成分u,u,・・・,uの導出は、例えば、変位の左右方向成分u,u,・・・,uの説明において、「左右方向」を「上下方向」に置き換えることにより実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
<<軌道不整量導出部203>>
軌道不整量導出部203は、変位導出部202により導出された変位に基づいて、軌道不整量(軌道狂い量)を導出する。本実施形態では、軌道不整の一例として通り狂いおよび高低狂いを導出する場合を例に挙げて説明する。通り狂いとは、日本工業規格(JIS E 1001:2001)に記載されているように、レールの長手方向の左右の変位である。通り狂い量は、その変位の量である。高低狂いとは、日本工業規格(JIS E 1001:2001)に記載されているように、レールの長手方向の上下の変位である。高低狂い量は、その変位の量である。
軌道不整量導出部203は、変位導出部202により導出された変位の左右方向成分を用いて、通り狂い量を導出する。また、軌道不整量導出部203は、変位導出部202により導出された変位の上下方向成分を用いて、高低狂い量を導出する。軌道不整量導出部203は、当該通り狂い量および高低狂い量が導出されたサンプリング時刻t(最新のサンプリング時刻t)における鉄道車両の走行位置を特定する。軌道不整量導出部203は、特定した走行位置と、当該通り狂い量および高低狂い量とを相互に関連付ける。鉄道車両の走行位置は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて特定される。また、鉄道車両の走行位置は、鉄道車両の各時刻における速度の積算値等から求めてもよい。
このとき、軌道不整量導出部203は、ジャイロセンサで測定された加速度センサ(車体11)の傾きを用いて、変位導出部202により導出された変位に対して、傾きを補正することができる。また、軌道不整量導出部203は、左右の軌条(レール)と変位計(車体11)との間の左右方向および上下方向の変位から、軌条(レール)と車体11との相対的な変位の変化を導出し、導出した変化を、変位導出部202により導出された変位に対して加算することができる。このとき、左右の軌条(レール)と変位計(車体11)との間の左右方向および上下方向の変位に対してハイパスフィルタ処理を行ってもよい。尚、軌道不整量の導出方法は、特に限定されず、公知の慣性測定法で用いられる技術を適用することができる。例えば、特許文献1、2に記載の技術において、積分器からの出力を、変位導出部202により導出された変位に置き換えることにより、軌道不整量を導出することができる。
<<出力部204>>
出力部204は、軌道不整量導出部203により導出された軌道不整量(軌道狂い量)の情報を出力する。軌道不整量(軌道狂い量)の情報には、例えば、軌道不整量と鉄道車両の走行位置とが相互に関連づけられた情報が含まれる。出力の形態は、例えば、コンピュータディスプレイへの表示、処理装置200の外部の装置の送信、および、処理装置200の外部または内部の記憶媒体への記憶のうち、少なくとも1つを採用することができる。また、出力部204は、軌道不整量導出部203により導出された軌道不整量(軌道狂い量)の情報に代えてまたは加えて、変位導出部202により導出された変位の情報を出力してもよい。この場合、例えば、変位導出部202により導出された変位と、当該変位が得られた鉄道車両の走行位置とが相互に関連づけられた情報が出力される。
<<正則化定数δ、ε>>
ここで、(8)式の正則化定数δ、εの値の設定方法の一例を説明する。正則化定数δは正の値である。正則化定数δを大きくすると、作用素行列Hの固有値が0(ゼロ)になることを抑制することができる。しかしながら、正則化定数δを大きくし過ぎると、本来の変位の時系列データから乖離する虞がある。また、正則化定数εは0または正の値である。正則化定数εを大きくすると高周波成分を抑制する効果が高まる。しかしながら、正則化定数εを大きくし過ぎると、本来の変位の時系列データから乖離する虞がある。そこで、正則化定数δ、εの値を予め調整する必要がある。
正則化定数δ、εの値は、例えば、以下のようにして決められる。
まず、正則化定数δの値を決める際には、(8)式において、正則化定数εを0(ゼロ)に設定する。また、正則化定数δを0(ゼロ)にすると作用素行列Hの固有値が0(ゼロ)になるように、作用素行列Hの行数および列数(=N)を設定する。
そして、軌道不整量が既知の軌道30において、鉄道車両を走行させながら、加速度センサ24により加速度の時系列データを取得する。尚、軌道不整量が既知の軌道30は、軌道不整量が0(ゼロ)の軌道30であってもよい。そして、当該加速度の時系列データと、正則化定数εを0(ゼロ)とした(8)式を用いて変位を導出し、当該変位を用いて軌道不整量を導出する。以下の説明では、このようにして導出された軌道不整量を、必要に応じて軌道不整量の推定値と称する。
このような軌道不整量の推定値の導出を、正則化定数δの値を異ならせて行う。そして、既知の軌道不整量と軌道不整量の推定値との差が、実用上要求される精度以下になる正則化定数δを探索する。本発明者らは、複数の条件で正則化定数δを探索した結果、正則化定数δが1.0×10-12以上1.0×10-9以下の範囲内であれば、既知の軌道不整量と軌道不整量の推定値との差の絶対値を実用上要求される精度以下(1.0×10-4m以下)にすることができることを確認した。
次に、正則化定数εの値を決める際には、(8)式において、正則化定数δを0(ゼロ)とする。また、正則化定数δを0(ゼロ)にしても作用素行列Hの固有値が0(ゼロ)にならないように、作用素行列Hの行数および列数(=N)を設定する。
そして、軌道不整量が既知の軌道30において、鉄道車両を走行させながら、加速度センサ24により加速度の時系列データを取得する。尚、軌道不整量が既知の軌道30は、軌道不整量が0(ゼロ)の軌道30であってもよい。そして、当該加速度の時系列データと、正則化定数δを0(ゼロ)とした(8)式を用いて変位を導出し、当該変位を用いて軌道不整量を導出する。以下の説明では、このようにして導出された軌道不整量も、必要に応じて軌道不整量の推定値と称する。
このような軌道不整量の推定値の導出を、正則化定数εの値を異ならせて行う。そして、既知の軌道不整量と軌道不整量の推定値との差が、実用上要求される精度以下になる正則化定数εを探索する。本発明者は、複数の条件で正則化定数εを探索した結果、正則化定数εが0以上10.0以下の範囲内であれば、既知の軌道不整量と軌道不整量の推定値との差の絶対値を実用上要求される精度以下(1.0×10-4m以下)にすることができることを確認した。尚、正則化定数εを設定する場合には正則化定数εの下限は、「0以上」に代えて「0超」とする。また、本発明者は、多くの場合、正則化定数εを0(ゼロ)としても、実用上、大きな問題が生じないことを確認した。
<フローチャート>
次に、図3のフローチャートを参照しながら、本実施形態の処理装置200における処理の一例を説明する。
ステップS301において、処理装置200は、検査対象の鉄道車両が検査区間に入るまで待機する。鉄道車両が検査区間に入ったか否かは、例えば、鉄道車両の走行位置に基づいて判定される。検査対象の鉄道車両が検査区間に入ると、処理は、ステップS302に進む。処理がステップS302に進むと、処理装置200は、サンプリング時刻が到来するまで待機する。サンプリング時刻が到来すると、処理はステップS303に進む。
処理がステップS303に進むと、データ取得部201は、鉄道車両の走行中に測定される測定データであって、慣性測定法により軌道狂い量を導出するために必要な測定データを取得する。測定データには、加速度センサ24により測定された加速度の左右方向成分および上下方向成分が含まれる。
次に、ステップS304において、データ取得部201は、連続するN回のサンプリング時刻における測定データが得られているか否かを判定する。連続するN回のサンプリング時刻における測定データには、直近のステップS303で取得した測定データが含まれるものとする。この判定の結果、連続するN回のサンプリング時刻における測定データが得られていない場合、処理はステップS302に戻る。一方、連続するN回のサンプリング時刻における測定データが得られている場合、処理はステップS305に進む。
処理がステップS305に進むと、変位導出部202は、データ取得部201により取得された加速度を、(11)式のy,y,・・・,yとして、変位u,u,・・・,uを導出する。尚、本実施形態では、変位導出部202は、変位の左右方向成分および上下方向成分を個別に導出する。
次に、ステップS306において、軌道不整量導出部203は、ステップS305で導出された変位に基づいて、軌道不整量を導出する。尚、本実施形態では、軌道不整量導出部203は、変位の左右方向成分に基づいて通り狂い量を導出し、変位の上下方向成分に基づいて高低狂い量を導出する。
次に、ステップS307において、出力部204は、ステップS306で導出された軌道不整量の情報を出力する。
次に、ステップS308において、処理装置200は、検査対象の鉄道車両が検査区間を出たか否かを判定する。この判定の結果、検査対象の鉄道車両が検査区間を出ていない場合、処理は、ステップS302に戻り、検査対象の鉄道車両が検査区間を出るまで、ステップS302~S308の処理が繰り返し実行される。そして、ステップS308において、検査対象の鉄道車両が検査区間を出たと判定されると、図3のフローチャートによる処理が終了する。
<計算例>
次に、計算例を説明する。ここでは、発明例として、図4に示す加速度の時系列データに対して本実施形態のようにして変位の時系列データを導出した。また、比較例として、図4に示す加速度の時系列データに対して、遮断周波数を5Hz、10Hzとしたハイパスフィルタを適用して、従来の時間積分を行って速度の時系列データを導出した。そして、導出した速度の時系列データに対して、再度同様のハイパスフィルタを適用して、従来の時間積分を行って変位の時系列データを導出した。加速度に対してハイパスフィルタを2回適用したのは、加速度に対してハイパスフィルタを1回適用しただけでは、時間積分の結果が発散するからである。
図5A、図5Bは、比較例における変位の時系列データを示す図である。図5Aは、遮断周波数を5Hzとしたハイパスフィルタを適用した場合の変位の時系列データを示す。図5Bは、遮断周波数を10Hzとしたハイパスフィルタを適用した場合の変位の時系列データを示す。
図6は、発明例における変位の時系列データを示す図である。図6では、正則化定数δ、εを、それぞれ、10-10、0とした場合を例に挙げて示す。
図5Aおよび図5Bに示すように、ハイパスフィルタを適用した場合には、導出される変位の発散を回避することはできるが、図6と比較して、低周波領域の信号がそぎ落とされていることが分かる。ハイパスフィルタは線形位相特性の実現が難しく、遮断波長付近での位相遅れが顕著である。このため、ハイパスフィルタを適用すると、必然的に波形ひずみを生じる。従って、ハイパスフィルタを適用すると、装置の出力波形は実際の軌道の形状と大きく異なるという弊害がある。ハイパスフィルタを2回適用するという前記行為は、この傾向を増幅してしまうという問題がある。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、処理装置200は、変位に対する作用素を行列で表現した作用素行列Hの逆行列H-1と、加速度ベクトルyとに基づいて、変位ベクトルuを導出する。作用素行列Hは、第1の行列hを有する第1の項を用いて表される。第1の行列hは、変位ベクトルuに対して周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うためのN行N列の正方行列である。周期境界条件は、変位uの時系列データの導出対象の期間の前後の期間における変位が、当該変位の時系列データと同じ値を有するとする条件である。従って、加速度に対し従来の2階積分を行わずに加速度から変位を導出することができる。よって、変位が発散することと、変位の特定に有用な周波数成分が欠落することを抑制することができる。前述したように変位の特定に有用な周波数成分には、例えば、低周波成分がある。
また、本実施形態では、第1の行列hに依存しない項であって、作用素行列Hの固有値が0(ゼロ)になることを抑制するための項である第2の項を更に用いて、作用素行列Hを表す。従って、作用素行列Hの固有値が0(ゼロ)になることにより変位ベクトルuが導出されなくなることを確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、第1の行列hに依存する項であって、変位uの高周波成分を抑制するための項である第3の項を更に用いて、作用素行列Hを表す。従って、変位uの高周波成分を確実に抑制することができる。
<変形例>
本実施形態では、第1の行列hが(6)式で表される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、作用素行列Hは(6)式に限定されない。例えば、中心差分近似を用いずに、前進差分近似または後退差分近似を用いて第1の行列を定義してもよい。前進差分近似を用いる場合は、周期境界条件は、変位uの導出対象の期間における最後のサンプリング時刻(タイミング)tの1つ後のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uと等しく、且つ、変位uの導出対象の期間における最後のサンプリング時刻(タイミング)tの2つ後のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における2番目のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uと等しいという条件である。後退差分近似を用いる場合は、周期境界条件は、変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tの1つ前のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における最後のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uと等しく、且つ、変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tの2つ前のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における最後から2番目のサンプリング時刻(タイミング)tN-1における変位uN-1と等しいという条件である。従って、第1の行列hは、(6)式に代えて、以下の(12)式~(13)式の何れか1つで定義されてもよい。尚、(12)式に示す第1の行列hのi行j列の要素hijは、以下の(12a)式で表される。(13)式に示す第1の行列hのi行j列の要素hijは、以下の(13a)式で表される。(12a)式および(13a)式の表記の意味は、(7)式の表記の意味と同じである。
Figure 0007160210000008
中心差分近似、前進差分近似、および後退差分近似を考慮すると、周期境界条件は、以下の第1の条件と第2の条件との少なくとも一方を用いて定められる。第1の条件は、変位uの導出対象の期間における最初のサンプリング時刻(タイミング)tのn個前のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における最後からn番目のサンプリング時刻(タイミング)tN-n-1における変位uN-n-1と等しいという条件である。第2の条件は、変位uの導出対象の期間における最後のサンプリング時刻(タイミング)tのn個後のタイミングにおける変位uが、変位uの導出対象の期間における最初からn番目のサンプリング時刻(タイミング)tにおける変位uに等しいという条件である。nは、正の整数である。中心差分近似を用いる場合の周期境界条件は、第1の条件と第2の条件とを用いて定められ、nは1である。後退差分近似を用いる場合の周期境界条件は、第1の条件を用いて定められ、nは1および2である。前進差分近似を用いる場合の周期境界条件は、第2の条件を用いて定められ、nは1および2である。
また、本実施形態では、作用素行列Hが(8)式で表される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、作用素行列Hは(8)式に限定されない。例えば、(8)式の右辺第2項および第3項のうち、少なくとも1つを除いたもの(正規化パラメータδ、εの少なくとも1つを0(ゼロ)としたもの)を作用素行列としてもよい。即ち、作用素行列Hは、(8)式に代えて、以下の(14)式~(16)式の何れか1つで定義されてもよい。
Figure 0007160210000009
また、本実施形態では、変位の左右方向成分u,u,・・・,uをサンプリング時刻が到来するたびに導出する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、軌道30の検査区間の全体、または、軌道30の検査区間を複数に分割した複数の区間毎に、変位の左右方向成分u,u,・・・,uを纏めて導出してもよい。
また、本実施形態では、処理装置200が、鉄道車両の車体11内に配置される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、処理装置200を車体11内に配置せず、鉄道車両の外部に配置してもよい。このようにする場合、鉄道車両で測定されるデータは、例えば、無線通信により、鉄道車両から処理装置200に送信されるようにする。
また、本実施形態では、変位uが、軌道狂いに係る変位である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、加速度の測定データを用いて変位を導出するものであれば、変位uは、軌道狂いに係る変位に限定されない。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。
第1の実施形態では、変位導出部202は、データ取得部201により取得された加速度の左右方向成分・上下方向成分を、(11)式のy,y,・・・,yとして、変位の左右方向成分・上下方向成分u,u,・・・,uを導出する。このようにすれば、第1の実施形態の<まとめ>の項で説明したように、加速度に対し従来の2階積分を行わずに加速度から変位を導出することができる。
ただし、図5に示す変位と図6に示す変位とに一桁の差がある。本発明者らは、このことに着目し、その原因を検討した。データ取得部201により取得されるデータ(加速度の左右方向成分・上下方向成分)は、加速度センサ24による測定データである。このことから、本発明者らは、データ取得部201により取得されるデータ(加速度の左右方向成分・上下方向成分)は、加速度センサ24の特性等に起因して、0Hzを上回る低周波のノイズが測定データに重畳されているという知見を得た。そして、本発明者らは、加速度センサ24による測定データの低周波成分を除去した後に、変位導出部202による処理を実行すれば、測定データに重畳される低周波のノイズの影響を低減することができることを見出した。そこで、本実施形態では、加速度センサ24による測定データの低周波成分を除去した後に、変位導出部202による処理を実行する。このように本実施形態は、第1の実施形態に対し、データ取得部201により取得されるデータ(加速度の左右方向成分・上下方向成分)の低周波成分を除去する点が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については図1~図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
<処理装置700>
図7は、処理装置700の機能的な構成の一例を示す図である。処理装置700のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
本実施形態の処理装置700は、第1の実施形態の処理装置200に対し、加速度導出部701を追加したものである。本実施形態の変位導出部202は、データ取得部201により取得された加速度の左右方向成分・上下方向成分に代えて、当該加速度の左右方向成分・上下方向成分に対して予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分が加速度導出部701により除去された加速度の左右方向成分・上下方向成分を用いる。尚、以下の説明において、上下方向成分についての具体例を説明する。しかしながら、特に断りがない場合、以下の説明は、左右方向成分および上下方向成分の何れに対しても適用されるものであるものとする。つまり、以下の加速度導出部701および変位導出部202の説明において、上下方向成分を左右方向成分に置き換えればよい。
<<加速度導出部701>>
加速度導出部701は、加速度センサ24により測定された加速度の上下方向成分の時系列データから、予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分が除去された加速度の上下方向成分の時系列データを導出する。加速度導出部701は、加速度センサ24により測定された加速度の左右方向成分の時系列データから、予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分が除去された加速度の左右方向成分の時系列データを導出する。加速度導出部701の処理の具体例を説明する。
尚、以下の説明では、時間領域上の関数(時系列データ)をフーリエ変換して得られる周波数領域上の関数を、必要に応じてフーリエ変換関数と称する。
図8は、加速度センサ24により測定された加速度の上下方向成分の時系列データの一例を示す図である。尚、図8は、図4に対し、縦軸のスケールおよび横軸の値(図4の141.0が図8の0.0に対応する)を変えたものであり、図8に示すデータは図4に示すデータと同じである。
まず、加速度導出部701は、第1の加速度導出処理を実行する。本実施形態では、加速度導出部701は、加速度センサ24により測定された加速度の上下方向成分の時系列データをフーリエ変換することにより、加速度の上下方向成分のフーリエ変換関数を導出する。
図9は、加速度の上下方向成分のパワースペクトルの一例を示す図である。図9は、図8に示す加速度の上下方向成分の時系列データから導出された加速度の上下方向成分のパワースペクトルである。パワースペクトルは、フーリエ変換関数の絶対値の2乗で定義され、図9に示すように、各周波数における信号強度を示すものである。
図9に示す加速度の上下方向成分のパワースペクトルには、周波数が0Hzのときだけでなく、加速度センサ24の特性等に起因して、0Hzを上回る低周波数のノイズが重畳されることがある。
そこで、本実施形態では、加速度導出部701は、第2の加速度導出処理を実行する。本実施形態では、加速度導出部701は、加速度の上下方向成分のフーリエ変換関数から、予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分を除去する。以下の説明では、予め設定された0Hzを上回る周波数を必要に応じてカット周波数と称する。本実施形態では、カット周波数の一例として、2.0Hzを採用する。カット周波数として、2.0Hzを採用することについての詳細は後述する。
次に、加速度導出部701は、第3の加速度導出処理を実行する。本実施形態では、加速度導出部701は、以上のようにしてカット周波数以下の周波数成分が除去された加速度の上下方向成分のフーリエ変換関数を逆フーリエ変換することにより、カット周波数以下の周波数成分が除去された加速度の上下方向成分の時系列データを導出する。以下の説明では、カット周波数以下の周波数成分が除去された加速度の上下方向成分の時系列データを、必要に応じて、低周波除去後の加速度の上下方向成分の時系列データと称する。
図10A、図10Bは、低周波除去後の加速度の上下方向成分の時系列データの一例を示す図である。図10A、図10Bは、図9に示す加速度の上下方向成分のフーリエ変換関数から2.0Hz以下の周波数成分を除去して逆フーリエ変換することにより導出されたものである。図10Aは、低周波除去後の加速度の上下方向成分の実部の時系列データを示す。図10Bは、低周波除去後の加速度の上下方向成分の虚部の時系列データを示す。加速度の上下方向成分のフーリエ変換関数から2.0Hz以下の周波数成分を除去して逆フーリエ変換すると、低周波除去後の加速度の上下方向成分には、実部だけでなく虚部が含まれる。
一般に、フーリエ変換、逆フーリエ変換により得られる関数は、複素数値関数である。このため、数値計算により低周波除去後の加速度を導出すると、低周波除去後の加速度の上下方向成分に虚部が含まれる。しかしながら、加速度センサ24により測定される加速度の上下方向成分の時系列データ自体は実数値関数である。従って、図10Bに示すように、低周波除去後の加速度の上下方向成分の虚部の値は、低周波除去後の加速度の上下方向成分の実部の値に比べて圧倒的に小さい値であり、無視できる値(略0)である。このため、低周波除去後の加速度の上下方向成分の実部を、変位の導出に用いる加速度としても、実用上要求される精度で、変位を導出することができる。尚、本実施形態では、低周波除去後の加速度の上下方向成分の虚部は、変位の導出に使用されずに破棄される。
加速度導出部701は、以上のようにして低周波除去後の加速度の上下方向成分の時系列データを導出する。低周波除去後の加速度の上下方向成分の時系列データは、予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分が除去された加速度の上下方向成分の時系列データである。同様に、加速度導出部701は、低周波除去後の加速度の左右方向成分の時系列データを導出する。低周波除去後の加速度の左右方向成分の時系列データは、予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分が除去された加速度の左右方向成分の時系列データである。
<<変位導出部202>>
変位導出部202は、加速度導出部701により導出された低周波除去後の加速度の上下方向成分を、(11)式のy,y,・・・,yとして、変位の上下方向成分u,u,・・・,uを導出する。同様に、変位導出部202は、加速度導出部701により導出された低周波除去後の加速度の左右方向成分を、(11)式のy,y,・・・,yとして、変位の左右方向成分u,u,・・・,uを導出する。
図11は、図10Aに示す低周波除去後の加速度の上下方向成分の実部の時系列データから導出した変位の時系列データを示す。図11では、正則化定数δ、εを、それぞれ、10-11、0とした場合を例に挙げて示す。図11に示す変位の時系列データでは、図6に示す変位の時系列データに比較して、低周波のノイズを除去することができていることが分かる。また、第1の実施形態の比較例(図5Aおよび図5B)では、遮断波長(カット周波数)付近での位相遅れが顕著なハイパスフィルタを2回適用する。これに対し、本実施形態(図11)では、ハイパスフィルタを適用しない。図11に示す変位の時系列データでは、時間0.0s~0.75sの範囲および3.0sより後の範囲において顕著に見られるように、図5Aおよび図5Bに示す変位の時系列データに比べ、低周波領域の信号が存在していることが分かる。これは、本実施形態の手法では、ハイパスフィルタを適用することにより生じる波形ひずみを抑制していることに対応する。
<<カット周波数の具体例>>
ここで、加速度導出部701が第2の加速度導出処理で使用するカット周波数の設定方法の一例を説明する。カット周波数は、例えば、図9に示す加速度の上下方向成分のフーリエ変換関数から除去する周波数成分の上限値である。
図12は、変位の時系列データの時間積分値とカット周波数との関係の一例を示す図である。
図12において、縦軸の時間積分値は、変位導出部202により導出される変位の上下方向成分の実部の時系列データの時間積分値を表す。グラフ1201、1202、1203、1204は、それぞれ、台車12aの輪軸13a、台車12aの輪軸13b、台車12bの輪軸13c、台車12bの輪軸13dに取り付けられた加速度センサ24により測定された加速度の上下方向成分を用いて、加速度導出部701および変位導出部202による処理を行うことにより導出された変位の上下方向成分の実部の時系列データの時間積分値を示す。ノイズが十分に除去されれば、当該時間積分値は、略0m・sになると考えられる。
図12に示すように、何れの輪軸13a~13dに取り付けられた加速度センサ24により測定された加速度の上下方向成分を用いた場合でも、カット周波数が2.0Hzにおいて、変位の上下方向成分の実部の時系列データの時間積分値は略0m・sに収束する。従って、0Hzを上回る予め設定された低周波数成分に2.0Hz以下の成分が含まれれば、ノイズが十分に除去される。カット周波数を大きくすると、有効な信号が除去される虞も生じる。このことから、カット周波数は、6.0Hz以下とするのが好ましい。前述したように、本実施形態では、加速度導出部701が第2の加速度導出処理で使用するカット周波数を2.0Hzとする。
このように、本実施形態では、処理装置700を実際に稼働する前に、加速度センサ24により測定された加速度に基づいて、処理装置700(加速度導出部701および変位導出部202)が行う処理と同じ処理で変位の時系列データを導出することを、カット周波数を異ならせて行う。そして、それぞれのカット周波数における変位の時系列データの時間積分値を導出する。変位の時系列データの時間積分値の大きさが0m・sまたは0m・sと同等であると見なせる所定値以下となるカット周波数の最低値を、加速度導出部701で用いるカット周波数とする。前記所定値としては、例えば、8.0×10-9m・s以下の値を設定すればよい。
<フローチャート>
次に、図13のフローチャートを参照しながら、本実施形態の処理装置700における処理の一例を説明する。
ステップS1301において、処理装置700は、検査対象の鉄道車両が検査区間に入るまで待機する。検査対象の鉄道車両が検査区間に入ると、処理は、ステップS1302に進む。処理がステップS1302に進むと、処理装置700は、サンプリング時刻が到来するまで待機する。サンプリング時刻が到来すると、処理はステップS1303に進む。
処理がステップS1303に進むと、データ取得部201は、鉄道車両の走行中に測定される測定データであって、慣性測定法により軌道狂い量を導出するために必要な測定データを取得する。測定データには、加速度センサ24により測定された加速度の左右方向成分および上下方向成分が含まれる。
ステップS1301~S1303の処理は、図3のステップS301~S303の処理と同じである。
次に、ステップS1304において、データ取得部201は、フーリエ変換に必要な所定期間の測定データが得られたか否かを判定する。この判定の結果、所定期間の測定データが得られていない場合、処理はステップS1302に戻る。一方、所定期間の測定データが得られている場合、処理はステップS1305に進む。
処理がステップS1305に進むと、加速度導出部701は、加速度センサ24により測定された加速度の上下方向成分・左右方向成分の時系列データをフーリエ変換することにより、加速度の上下方向成分・左右方向成分のフーリエ変換関数を導出する。
次に、ステップS1306において、加速度導出部701は、ステップS1305で導出された加速度の上下方向成分・左右方向成分のフーリエ変換関数から、カット周波数以下の周波数成分を除去する。
次に、ステップS1307において、加速度導出部701は、ステップS1306においてカット周波数以下の周波数成分が除去された加速度の上下方向成分・左右方向成分のフーリエ変換関数を逆フーリエ変換することにより、低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分の時系列データを導出する。
次に、ステップS1308において、加速度導出部701は、連続するN回のサンプリング時刻における低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分の時系列データが得られているか否かを判定する。連続するN回のサンプリング時刻における低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分の時系列データには、低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分の最新の値が含まれるものとする。低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分の最新の値は、ステップS1307の直近のステップS1303で取得した測定データのサンプリング時刻における、低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分である。この判定の結果、連続するN回のサンプリング時刻における低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分の時系列データが得られていない場合、処理はステップS1302に戻る。一方、連続するN回のサンプリング時刻における低周波除去後の加速度の上下方向成分・左右方向成分の時系列データが得られている場合、処理はステップS1309に進む。
処理がステップS1309に進むと、変位導出部202は、加速度導出部701により導出された低周波除去後の加速度を、(11)式のy,y,・・・,yとして、変位u,u,・・・,uを導出する。尚、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、変位導出部202は、変位の左右方向成分および上下方向成分を個別に導出する。
次に、ステップS1310において、軌道不整量導出部203は、ステップS1309で導出された変位に基づいて、軌道不整量を導出する。尚、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、軌道不整量導出部203は、変位の左右方向成分に基づいて通り狂い量を導出し、変位の上下方向成分に基づいて高低狂い量を導出する。
次に、ステップS1311において、出力部204は、ステップS1310で導出された軌道不整量の情報を出力する。
次に、ステップS1312において、処理装置700は、検査対象の鉄道車両が検査区間を出たか否かを判定する。この判定の結果、検査対象の鉄道車両が検査区間を出ていない場合、処理は、ステップS1302に戻り、検査対象の鉄道車両が検査区間を出るまで、ステップS1302~S1312の処理が繰り返し実行される。そして、ステップS1312において、検査対象の鉄道車両が検査区間を出たと判定されると、図13のフローチャートによる処理が終了する。
ステップS1310~S1312の処理は、図3のステップS306~308と同じである。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、処理装置700は、予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分が除去された加速度の左右方向成分・上下方向成分を導出する。そして、処理装置700は、予め設定された0Hzを上回る周波数以下の周波数成分が除去された加速度の左右方向成分・上下方向成分を用いて、加速度ベクトルyを構成する。従って、第1の実施形態で説明した効果に加え、低周波成分のノイズを抑制することができ、これにより、加速度から変位をより高精度に導出することができるという効果が得られる。
このとき本実施形態では、処理装置700は、加速度センサ24により測定された加速度の上下方向成分の時系列データをフーリエ変換することにより、加速度の左右方向成分・上下方向成分のフーリエ変換関数を導出する。本実施形態では、このようにして第1の加速度導出処理が実行される。そして、処理装置700は、導出した加速度の左右方向成分・上下方向成分のフーリエ変換関数から、予め設定された0Hzを上回る周波数(カット周波数)以下の周波数成分を除去する。本実施形態では、このようにして第2の加速度導出処理が実行される。そして、処理装置700は、カット周波数以下の周波数成分が除去された加速度の左右方向成分・上下方向成分のフーリエ変換関数を逆フーリエ変換することにより、カット周波数以下の周波数成分が除去された加速度の左右方向成分・上下方向成分の時系列データを導出する。本実施形態では、このようにして第3の加速度導出処理が実行される。従って、波形ひずみをより一層抑制することができる。
<変形例>
本実施形態では、第2の加速度導出処理において、加速度センサ24により測定された加速度における周波数が0Hzの成分を除去する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、加速度センサ24により測定された加速度における周波数が0Hzの成分を除去しなくても、変位導出部202の処理により変位が発散することを抑制することができる。従って、加速度センサ24により測定された加速度における周波数が0Hzの成分を除去しなくてもよい。このようにする場合、第2の加速度導出処理では、加速度の左右方向成分・上下方向成分のフーリエ変換関数から、0Hzを上回る予め設定された周波数以上、カット周波数以下の範囲の周波数成分が除去される。
また、本実施形態のように、第1~第3の加速度導出処理を実行すれば、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタを用いることがなくなるので波形ひずみを抑制することができ好ましい。しかしながら、例えば、カット周波数以下の周波数を遮断するハイパスフィルタ、または、0を上回る所定の周波数以上、カット周波数以下の周波数帯域以外の周波数を遮断するバンドパスフィルタを用いても、フィルタを適用する回数は1回である。従って、第1の実施形態の比較例のようにフィルタを適用する回数を2回とする場合に比べ、波形ひずみを抑制することができる。よって、第1~第3の加速度導出処理を実行することに代えて、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタによる処理を実行してもよい。
また、本実施形態でも、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
(ハードウェア)
処理装置200のハードウェアの一例について説明する。処理装置700のハードウェアは、処理装置200のハードウェアと同じもので実現することができる。従って、ここでは、処理装置700のハードウェアの詳細な説明を省略する。図14において、処理装置200は、CPU1401、主記憶装置1402、補助記憶装置1403、通信回路1404、信号処理回路1405、画像処理回路1406、I/F回路1407、ユーザインターフェース1408、ディスプレイ1409、およびバス1410を有する。
CPU1401は、処理装置200の全体を統括制御する。CPU1401は、主記憶装置1402をワークエリアとして用いて、補助記憶装置1403に記憶されているプログラムを実行する。主記憶装置1402は、データを一時的に格納する。補助記憶装置1403は、CPU1401によって実行されるプログラムの他、各種のデータを記憶する。
通信回路1404は、処理装置200の外部との通信を行うための回路である。通信回路1404は、処理装置200の外部と無線通信を行っても有線通信を行ってもよい。通信回路1404は、無線通信を行う場合、鉄道車両に設けられるアンテナに接続される。
信号処理回路1405は、通信回路1404で受信された信号や、CPU1401による制御に従って入力した信号に対し、各種の信号処理を行う。
画像処理回路1406は、CPU1401による制御に従って入力した信号に対し、各種の画像処理を行う。この画像処理が行われた信号は、ディスプレイ1409に出力される。
ユーザインターフェース1408は、オペレータが処理装置200に対して指示を行う部分である。ユーザインターフェース1408は、例えば、ボタン、スイッチ、およびダイヤル等を有する。また、ユーザインターフェース1408は、ディスプレイ1409を用いたグラフィカルユーザインターフェースを有していてもよい。
ディスプレイ1409は、画像処理回路1406から出力された信号に基づく画像を表示する。I/F回路1407は、I/F回路1407に接続される装置との間でデータのやり取りを行う。図14では、I/F回路1407に接続される装置として、ユーザインターフェース1408およびディスプレイ1409を示す。しかしながら、I/F回路1407に接続される装置は、これらに限定されない。例えば、可搬型の記憶媒体がI/F回路1407に接続されてもよい。また、ユーザインターフェース1408の少なくとも一部およびディスプレイ1409は、処理装置200の外部にあってもよい。
出力部1408は、例えば、通信回路1404および信号処理回路1405と、画像処理回路1406、I/F回路1407、およびディスプレイ1409との少なくとも何れか一方を用いることにより実現される。
尚、CPU1401、主記憶装置1402、補助記憶装置1403、信号処理回路1405、画像処理回路1406、およびI/F回路1407は、バス510に接続される。これらの構成要素間の通信は、バス1410を介して行われる。また、処理装置200、700のハードウェアは、前述した処理装置200、700の機能を実現することができれば、図14に示すものに限定されない。
(その他の変形例)
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、例えば、加速度センサで測定される加速度から変位を導出することに利用することができる。

Claims (20)

  1. 加速度センサで測定された加速度の時系列データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された加速度の時系列データと、変位に対する作用素を行列で表現した作用素行列の逆行列と、に基づいて、変位の時系列データを導出する変位導出手段と、を含み、
    前記作用素行列は、第1の行列を用いて表され、
    前記第1の行列は、前記変位の時系列データからなるベクトルである変位ベクトルに対して、周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うためのN行N列の正方行列であり、
    前記周期境界条件は、前記変位の時系列データの導出対象の期間の前後の期間における変位が当該変位の時系列データと同じ値を有するという条件であり、
    Nは、前記変位の時系列データの数であることを特徴とする処理装置。
  2. 前記加速度の時系列データのサンプリング時刻を昇順に並べたときの順番を示す変数をi、前記加速度の時系列データのi番目のサンプリング時刻をt、前記加速度の時系列データのサンプリング周期をΔt、前記加速度の時系列データのサンプリング時刻tにおける加速度をy、前記変位の時系列データのサンプリング時刻tにおける変位をu、前記第1の行列をh、前記作用素行列をH、前記変位ベクトルをuとし、
    加速度ベクトルyを以下の(A)式のように定義し、且つ、前記変位ベクトルuを(B)式のように定義したときに、
    前記作用素行列Hは、以下の(C)式で定義され、前記変位ベクトルuは、以下の(D)式により導出されることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
    Figure 0007160210000010
  3. 前記作用素行列は、前記第1の行列を有する第1の項と、N行N列の正方行列である第2の行列を有する第2の項とを用いて表され、
    前記第2の項は、前記第1の行列に依存しない項であって、前記作用素行列の固有値が0になることを抑制するための項であることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
  4. 前記第2の行列は、N行N列の単位行列であり、
    前記第2の項は、所定の第1の値と前記第2の行列との積を用いて表されることを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
  5. 前記加速度の時系列データのサンプリング時刻の順番を示す変数をi、前記加速度の時系列データのi番目のサンプリング時刻をt、前記加速度の時系列データのサンプリング周期をΔt、前記加速度の時系列データのサンプリング時刻をtにおける加速度をy、前記変位の時系列データのサンプリング時刻tにおける変位をu、前記第1の行列をh、前記作用素行列をH、前記変位ベクトルをu、N行N列の単位行列をI、前記第1の値をδとし、
    加速度ベクトルyを以下の(A)式のように定義し、前記変位ベクトルuを(B)式のように定義したときに、
    前記作用素行列Hは、以下の(C)式で定義され、前記変位ベクトルuは、以下の(D)式により導出されることを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
    Figure 0007160210000011
  6. 前記第1の値δは、1.0×10-12以上1.0×10-9以下の値であることを特徴とする請求項5に記載の処理装置。
  7. 前記作用素行列は、前記第1の行列を有する第1の項と、N行N列の正方行列である第3の行列を有する第3の項とを用いて表され、
    前記第3の項は、前記第1の行列に依存する項であって、前記変位の高周波成分を抑制するための項であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の処理装置。
  8. 前記第3の行列は、前記第1の行列を2乗した行列であり、
    前記第3の項は、所定の第2の値と前記第1の行列の2乗との積を用いて表されることを特徴とする請求項7に記載の処理装置。
  9. 前記加速度の時系列データのサンプリング時刻の順番を示す変数をi、前記加速度の時系列データのi番目のサンプリング時刻をt、前記加速度の時系列データのサンプリング周期をΔt、前記加速度の時系列データのサンプリング時刻をtにおける加速度をy、前記変位の時系列データのサンプリング時刻tにおける変位をu、前記第1の行列をh、前記作用素行列をH、前記変位ベクトルをu、前記第2の値をεとし、
    加速度ベクトルyを以下の(A)式のように定義し、且つ、前記変位ベクトルuを(B)式のように定義したときに、
    前記作用素行列Hは、以下の(C)式で定義され、前記変位ベクトルuは、以下の(D)式により導出されることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
    Figure 0007160210000012
  10. 前記第2の値は、0以上10.0以下の値であることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
  11. 前記作用素行列は、前記第1の行列を有する第1の項と、N行N列の正方行列である第2の行列を有する第2の項と、N行N列の正方行列である第3の行列を有する第3の項と、を用いて表され、
    前記第2の項は、前記第1の行列に依存しない項であって、前記作用素行列の固有値が0になることを抑制するための項であり、
    前記第3の項は、前記第1の行列に依存する項であって、前記変位の高周波成分を抑制するための項であることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の処理装置。
  12. 前記第2の行列は、N行N列の単位行列であり、
    前記第2の項は、所定の第1の値と前記第2の行列との積を用いて表され、
    前記第3の行列は、前記第1の行列を2乗した行列であり、
    前記第3の項は、所定の第2の値と前記第1の行列の2乗との積を用いて表されることを特徴とする請求項11に記載の処理装置。
  13. 前記加速度の時系列データのサンプリング時刻の順番を示す変数をi、前記加速度の時系列データのi番目のサンプリング時刻をt、前記加速度の時系列データのサンプリング周期をΔt、前記加速度の時系列データのサンプリング時刻をtにおける加速度をy、前記変位の時系列データのサンプリング時刻tにおける変位をu、前記第1の行列をh、前記作用素行列をH、前記変位ベクトルをu、N行N列の単位行列をI、前記第1の値をδ、前記第2の値をεとし、
    加速度ベクトルyを以下の(A)式のように定義し、且つ、前記変位ベクトルuを(B)式のように定義したときに、
    前記作用素行列Hは、以下の(C)式で定義され、前記変位ベクトルuは、以下の(D)式により導出されることを特徴とする請求項12に記載の処理装置。
    Figure 0007160210000013
  14. 前記取得手段により取得された加速度の時系列データから、予め設定された低周波数成分を除去した加速度の時系列データを導出する加速度導出手段を更に有し、
    前記変位導出手段は、前記取得手段により取得された加速度の時系列データに代えて、前記加速度導出手段により導出された加速度の時系列データを用いて、前記変位の時系列データを導出することを特徴とする請求項1~13の何れか1項に記載の処理装置。
  15. 前記加速度導出手段は、前記取得手段により取得された加速度の時系列データをフーリエ変換することにより加速度のフーリエ変換関数を導出する第1の加速度導出手段と、
    前記第1の加速度導出手段により導出された加速度のフーリエ変換関数から予め設定された低周波数成分を除去した加速度のフーリエ変換関数を導出する第2の加速度導出手段と、
    前記第2の加速度導出手段により導出された加速度のフーリエ変換関数を逆フーリエ変換することにより加速度の時系列データを導出する第3の加速度導出手段と、を有することを特徴とする請求項14に記載の処理装置。
  16. 前記加速度導出手段は、予め設定された0Hzを含む低周波数成分を除去した加速度の時系列データを導出することを特徴とする請求項14または15に記載の処理装置。
  17. 前記加速度センサは、鉄道車両に取り付けられており、
    前記変位は、軌道狂いに係る変位であることを特徴とする請求項1~16の何れか1項に記載の処理装置。
  18. 前記加速度センサは、鉄道車両の軸箱に取り付けられていることを特徴とする請求項17に記載の処理装置。
  19. 加速度センサで測定された加速度の時系列データを取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された加速度の時系列データと、変位に対する作用素を行列で表現した作用素行列の逆行列と、に基づいて、変位の時系列データを導出する変位導出工程と、を含み、
    前記作用素行列は、第1の行列を用いて表され、
    前記第1の行列は、前記変位の時系列データからなるベクトルである変位ベクトルに対して、周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うためのN行N列の正方行列であり、
    前記周期境界条件は、前記変位の時系列データの導出対象の期間の前後の期間における変位が当該変位の時系列データと同じ値を有するという条件であり、
    Nは、前記変位の時系列データの数であることを特徴とする処理方法。
  20. 加速度センサで測定された加速度の時系列データを取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された加速度の時系列データと、変位に対する作用素を行列で表現した作用素行列の逆行列と、に基づいて、変位の時系列データを導出する変位導出工程と、をコンピュータに実行させ、
    前記作用素行列は、第1の行列を用いて表され、
    前記第1の行列は、前記変位の時系列データからなるベクトルである変位ベクトルに対して、周期境界条件を課した2階時間微分を差分法により行うためのN行N列の正方行列であり、
    前記周期境界条件は、前記変位の時系列データの導出対象の期間の前後の期間における変位が当該変位の時系列データと同じ値を有するという条件であり、
    Nは、前記変位の時系列データの数であることを特徴とするプログラム。
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