JP7160186B2 - 樹脂被覆金属板並びに樹脂被覆絞りしごき缶およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
すなわち、金属板の両面に、ポリエステル樹脂を含む樹脂の内面被覆層を備える、樹脂被覆金属板であって、前記金属板の両面のいずれか少なくとも一方の面の前記被覆層は、21μm以上38μm以下の厚みを有し、ワックス化合物を0.01質量%以上2.00質量%以下含有し、表面の押し込み弾性率が2000MPa以上3400MPa以下である。
被覆層を構成する樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とする。ここで、「ポリエステル樹脂を主成分とする」とは、樹脂中のポリエステル樹脂が90質量%以上であることをいう。すなわち、前述のワックス化合物や衝撃吸収樹脂等のポリエステル樹脂以外の樹脂の合計が10質量%より多くは含まれない。
[ワックス化合物]
前記内面被覆層は、ワックス化合物を0.01質量%以上2.00質量%以下含有することを特徴とする。ワックス化合物を添加する目的は、樹脂層の表面自由エネルギーを低下させることにある。ワックス化合物を0.01質量%以上で添加することにより、缶としたときの内面被覆層に内容物が付着し難くなり、内容物取り出し性が向上する。一方、ワックス化合物の含有量が2.00質量%を超えると、下地金属との間の密着性が劣化する可能性が高くなる。また、内面被覆層の成膜そのものも困難となり、生産性が低下してしまう。
被覆層の厚みは、21μm以上38μm以下とする。この厚みが21μm未満であると、高加工度のしごき加工において、被覆層が薄く延ばされたときに被覆層表面のワックス量が不足する可能性が高くなる。一方、38μmを超えると、内容物取り出し性およびその他食品缶詰用素材に求められる機能に対して、さらなる改善が望めないばかりか、樹脂コストの上昇のみを招いてしまう。よって、被覆層の厚みは、21μm以上38μm以下とする。さらに好ましくは、26μm以上である。さらに好ましくは、32μm以下である。
さらに、前記被覆層は、表面の押し込み弾性率が2000MPa以上3400MPa以下であることが重要である。上述のとおり、ポリエステル樹脂中にワックスを添加し、樹脂層の表面にワックスを存在させることによって、良好な内容物取り出し性を確保する技術はすでに実用化されている。しかし、そのような技術は絞り缶やDRD缶のような加工度の低い缶が対象であった。これらの缶に比べて加工度の高いDI缶では、しごき加工において金属板表面は非常に高い面圧の下で金型との摺動に晒され、また金属板は加工発熱する。そのため、ワックスの融点を超える高温下で金属板が加工されて缶に成形される。従って、被覆層表面の機械特性が適切でないと、被覆層の表面からワックスが脱離することになる。
外面被覆層を構成する樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とする。ここで、「ポリエステル樹脂を主成分とする」とは、樹脂中のポリエステル樹脂が90質量%以上であることをいう。すなわち、前述のワックス化合物や衝撃吸収樹脂等のポリエステル樹脂以外の樹脂の合計が10質量%より多くは含まれない。
グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS 等の芳香族グリコール等が挙げられる。なかでもこれらのグリコール成分のうち、エチレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
外面被覆層の厚みは、10μm以上であることが意匠性の観点から好ましい。また、ワックスを添加した場合の効果の点からも10μm以上が好ましく、さらには15μm以上である。一方、30μmを超えると、フィルム厚が厚くなってもこれ以上の性能、外観の向上は見込めないことから製造コストの点で不利であり、30μm以下とすることが好ましい。
[ワックス化合物]
缶製造における成形性を高めるため、外面被覆層にもワックス化合物を0.01質量%以上2.00質量%以下含有させ、外面被覆層表面の押し込み弾性率を2000MPa以上3400MPa以下とすることが好ましい。すなわち、上記した缶内面の場合と同様に、しごき加工時に外面被覆層の表面に生成した窪みにワックスが残留する。それにより、しごき加工における被覆層表面での潤滑性が向上し、該しごき加工による表面傷等の発生を抑制できると考えられる。ワックス化合物の含有量が0.10質量%以上であれば、より良好な潤滑性が得られ、より好ましい。一方、含有量が2.00質量%以下であれば、外面被覆層の強度や製膜性がより良好であり、好ましい。
外面被覆層の表面の押し込み弾性率も2000MPa以上3400MPa以下であることが好ましい。内面被覆層と同様に、外面被覆層の表面の押し込み弾性率を3400MPa以下にすることにより、しごき加工時に被覆層表面が弾性変形して表面に凹みが発生し、ワックスがその凹みに入り込み脱離しにくくなる。一方、外面被覆層表面の押し込み弾性率を2000MPa以上に制御すれば、より良好な表面性状に保つことができる。より好ましくは、2500MPa以上である。
次に、本発明に係る樹脂被覆金属板の製造方法の一例を以下に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
ここで、樹脂フィルムラミネート金属板は、被覆層が熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを熱圧着により金属板に接着して形成されていることが好ましい。金属板に樹脂被覆層を形成する方法として、金属板を熱可塑性樹脂フィルムの融点を超える温度まで加熱し、圧着ロールを用いて樹脂フィルムを接触させ、熱融着させる方法(熱圧着フィルムラミネート法)がある。この熱圧着フィルムラミネート法は、安価、且つ省エネルギーで製造できる点、被覆層への機能付与を樹脂フィルムに容易に持たせられる点で好ましい。
ラミネートに際し、前記樹脂フィルムが圧着ロールを通過する時間(熱圧着時間)を10msec以上40msec以下の範囲内にすることが好ましく、15msec以上30msec以下の範囲内であるとより好ましい。熱圧着時間が10msec未満である場合、フィルム樹脂の配向が残存しやすいためフィルム樹脂被覆層表面の押し込み弾性率が上述した所期する範囲より高くなる場合がある。一方、熱圧着時間が40msecより長い場合には、フィルム樹脂の配向が崩れやすくなるため、樹脂被覆層表面の押し込み弾性率が上述した所期する範囲より低くなる場合がある。
本発明に係る樹脂被覆金属板を絞りしごき成形することで樹脂被覆DI缶が得られる。このDI缶は、DRD缶同様に、缶胴と底の部分につなぎ目の無い2ピース缶の一つであり、金属板を絞り成形(カッピング)して作製した絞り缶をしごき成形または再絞り・しごき成形による加工が施されて得られる缶である。
ここで、絞り成形とは、カッピングプレスと称される絞り成形機を用いて、円盤状に切り抜いた金属板をしわ押さえ機構により固定し、ポンチとダイスで底付きのカップ状に成形する加工方法である。また、しごき成形とは、絞り成形により得られたカップの側壁を薄く伸ばす加工である。
上記した樹脂被覆金属板を用いて、上記した製造条件に従って絞りしごき加工することによって樹脂被覆絞りしごき缶が得られる。缶の内面を構成する被覆層に適切な量のワックスが残存する結果、缶内面側の被覆層表面の水との接触角が80°以上100°以下となり、優れた内容物取り出し性が得られる。この被覆層表面の水との接触角(単に接触角ともいう)が80°以上100°以下であれば、DI缶として優れた内容物取り出し性を具備することになる。すなわち、接触角が80°未満では、内容物取り出し性が十分ではなく、一方、接触角が100°を超えると、フィルム表面のワックス量が過剰のため、ワックスが成形ツールに堆積するなどするため好ましくない。
前述の樹脂被覆金属板をDI加工して缶成形した後に樹脂層の応力緩和や殺菌処理のために熱処理を行う結果、本発明の缶内面の樹脂被覆層は、10μm以上25μm以下の厚みを有し、表面の押し込み弾性率は2000MPa以上3400MPa以下となる。
前述の樹脂被覆金属板をDI加工して缶成形した後に、樹脂層の応力緩和や殺菌処理のために熱処理を行う。その結果、本発明の缶内面の樹脂被覆層は、10μm以上25μm以下の厚みを有し、表面の押し込み弾性率は2000MPa以上3400MPa以下となる。
この実施例では、冷間圧延、焼鈍、および調質圧延を施した厚さ0.20mm、テンパー度T3の鋼板に対し、脱脂、酸洗、およびクロムめっき処理を行い、クロムめっき鋼板(TFS)を製造した。クロムめっき処理では、CrO3、F-、およびSO4 2-を含むクロムめっき浴でクロムめっきを施し、中間リンス後、CrO3およびF-を含む化成処理液で電解した。その際、電解条件(電流密度・電気量など)を調整して金属クロムおよびクロム水酸化物の付着量を、両面ともCr換算でそれぞれ120mg/m2および15mg/m2に調整した。
(1)樹脂被覆金属板の被覆層表面の押し込み弾性率
ISO14577-1/JIS Z2255に準拠した、株式会社エリオニクス社製の超微小押し込み硬さ試験機ENT-NEXUSの高荷重ユニットを用いて、樹脂被覆金属板の押込み弾性率を測定した。樹脂被覆金属板をサンプルサイズ10mm×10mmにせん断し、ステージ温度30℃、押込み深さ200nm、最大荷重保持時間1000msecの条件で測定を行った。樹脂被覆金属板の両面に対して、各々無作為に選んだ5か所について測定を行い、各面の平均値を内面被覆層および外面被覆層の押し込み弾性率とした。なお、測定位置は相互に15μm以上離して測定を行った。
樹脂被覆金属板をサンプルサイズ30mm×50mmにせん断後、2分間で220℃となるように熱風乾燥炉にて熱処理を行い、その後室温まで冷却した。次いで、25℃および相対湿度が50%の環境内にて、水の接触角を測定した。接触角の測定は、公知の方法により、測定液として水を使用し、接触角計(協和界面科学(株)製CA-DT型)を用いて、樹脂フィルム表面における水の静的接触角を求めた。
樹脂被覆金属板をサンプルサイズ10mm×50mmにせん断後、塩酸に浸漬させて金属板のみを溶解し被覆層を単離した。単離した被覆層5mgを試料としてアルミニウム製パンに採取し、TAインスツルメント社製の示差走査熱量計(DSCQ100)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で-50℃まで冷却し、そこから290℃まで20℃/分で昇温した(1stRun)。1stRun測定にて得られたチャートより融解エンタルピーが5J/g以上の融解ピークのピーク温度を求めた。各試料についてそれぞれ同様の測定を3回行い、その平均値を融点とした。上記測定にて290℃まで昇温した後、液体窒素にて急冷した。その後、再び-50℃から290℃まで20℃/分で昇温した(2ndRun)。2ndRun測定にて得られたチャートより結晶化温度およびガラス転移温度を求めた。各試料についてそれぞれ同様の測定を3回行い、その平均値をそれぞれ結晶化温度とガラス転移温度とした。
絞りしごき成形後に破胴発生したものを×、製缶可能なものを○として、成形後の破胴発生の有無により評価した。そして、製缶可能なサンプルについてのみ、以下の(5)~(9)の評価を実施した。なお、評価の前に缶成形による被覆層の残留応力を解放し鋼板との密着性を高めるため、2分間で220℃となるように熱風乾燥炉にて缶の熱処理を行い、室温まで冷却した。
絞りしごき缶の缶胴中央部をサンプルサイズ30mm×50mmにせん断後、2分間で220℃となるように熱風乾燥炉にて熱処理を行い、室温まで冷却した。その後、25℃および相対湿度が50%の環境内で、水の接触角を測定した。接触角の測定は、公知の方法により、測定液として水を使用し、接触角計(協和界面科学(株)製CA-DT型)を用いて、樹脂フィルム表面における水の静的接触角を求めた。
株式会社エリオニクス社製の超微小押し込み硬さ試験機ENT-NEXUSの高荷重ユニットを用いて、絞りしごき缶の押込み弾性率を測定した。絞りしごき缶の缶胴中央部をサンプルサイズ10mm×10mmにせん断し、ステージ温度30℃、押込み深さ200nm、最大荷重保持時間1000msecの条件で測定を行った。各試料につき無作為に選んだ5か所について測定を行い、平均値をその試料の押し込み弾性率とした。なお、測定位置は相互に15μm以上離して測定を行った。
成形後の缶内面フィルムの健全性(フィルム欠陥の少ないものが良好)により評価した。具体的には、洗浄、乾燥後の絞りしごき缶について、鋼板部分に通電できるように缶口のフィルムに傷をつけ、缶内に電解液(NaCl:1%溶液、温度25℃)を缶口まで満たし、缶体と電解液との間に6Vの電圧を印加した。その際の電流値に基づいて、以下の基準に従って耐食性を評価した。
×:0.5mA超
○:0.1mA超0.5mA以下
◎:0.01mA超0.1mA以下
◎◎:0.01mA以下
成形後の缶外面フィルムの健全性(フィルム欠陥の少ないものが良好)により評価した。具体的には、洗浄、乾燥後の絞りしごき缶について、鋼板部分に通電できるように缶口のフィルムに傷をつけ、上記と同じ電解液を入れた容器の中に缶の底を下にして入れ、缶の外面だけが電解液に接するようにした。その後、以下の基準に従って缶体と電解液との間に6Vの電圧を印加したときに測定される電流値に基づいて、以下の基準に従って外面被覆性を評価した。
△:1mA超
○:0.2mA超1mA以下
◎:0.05mA超0.2mA以下
◎◎:0.05mA以下
絞りしごき缶の内部に、ランチョンミート用の塩漬け肉(固形分中のたんぱく質含有率:60質量%)を充填し、缶に蓋を巻き締めた後、レトルト殺菌処理(130℃、90分間)を行った。その後、蓋を取り外し、缶を逆さまにして内容物を取り出したときに、缶内側に残存する内容物の程度を観察することにより、内容物の取り出し易さを以下の基準に従って評価した。
◎◎:缶を逆さまにしただけで(手で振ることなく)内容物が取り出せ、取り出し後の缶内面を肉眼で観察した際、付着物がほとんど確認できない状態になるもの。
◎:缶を逆さまにしただけでは缶内側にわずかに内容物が残存(付着した面積が全体の10%未満)するが、缶を上下に振動させる(手で缶を振るなどの動作をする)と、内容物が取り出せる。取り出し後の缶内面を肉眼で観察した際、付着物が殆ど確認できない状態であるもの。
以上の評価結果を表2に示す。表2に示すように、比較例では、絞りしごき缶の各性能のうちの少なくとも一つが×(不可)評価であった。これに対して、発明例では、各性能のいずれもが◎◎、◎または○または△(使用可)評価以上であった。このことから、本発明の缶用樹脂被覆金属板によれば、絞りしごき加工により成形されたDI缶において、種々の内容物に対して、優れた取り出し性を確保することができることが確認された。また、容器用素材に要求される各種特性を安定的に満足することができる缶用の樹脂被覆金属板が製造できることが確認された。
Claims (6)
- 金属板の両面に、ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂の被覆層を備える、樹脂被覆金属板であって、前記金属板の両面のいずれか少なくとも一方の面の前記被覆層は、21μm以上38μm以下の厚みを有し、ワックス化合物を0.01質量%以上2.00質量%以下含有し、表面の押し込み弾性率が2000MPa以上3400MPa以下である樹脂被覆金属板。
- 前記被覆層は、前記ワックス化合物の含有率が異なる、少なくとも2層から構成され、かつ最表層が3μm以上10μm以下の厚みを有し、前記最表層にワックス化合物を0.10質量%以上2.00質量%以下含有する請求項1に記載の樹脂被覆金属板。
- 前記金属板の両面のいずれか他方の面の前記被覆層は、ワックス化合物を0.01質量%以上2.00質量%以下含有し、表面の押し込み弾性率が2000MPa以上3400MPa以下である請求項1または2に記載の樹脂被覆金属板。
- 前記ワックス化合物は、カルナウバワックスを含有する請求項1から3のいずれかに記載の樹脂被覆金属板。
- 少なくとも缶の内面にポリエステル樹脂を主成分とする樹脂の被膜層を備える、絞りしごき缶であって、前記被覆層は、21μm以上38μm以下の厚みを有し、ワックス化合物を0.01質量%以上2.00質量%以下含有し、表面の押し込み弾性率が2000MPa以上3400MPa以下であり、表面における水との接触角が80°以上100°以下である、樹脂被覆絞りしごき缶。
- 請求項1から4のいずれかに記載の樹脂被覆金属板に、絞り加工を施してカップ状に成形し、該カップ状の成形体にしごき加工を施して缶胴の最小板厚を元板厚の80%以下とする、樹脂被覆絞りしごき缶の製造方法。
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