JP7159774B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の気筒から排出された排気を浄化する排気浄化装置と、前記複数の気筒毎に設けられた燃料噴射弁と、を備える内燃機関を制御対象とする内燃機関の制御装置に関する。
たとえば特許文献1には、触媒装置(排気浄化装置)の昇温要求がある場合、一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、残りの気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とするディザ制御処理を実行する制御装置が記載されている。
また、たとえば特許文献2に記載されているように、1燃焼サイクル内に噴射すべき燃料量を複数回に分割して噴射することが周知である。
特開平9-88663号公報 特開2018-115639号公報
ところで、上記のように1燃焼サイクル内に噴射すべき燃料量を複数回に分割して噴射する場合、1回当たりの噴射量が小さくなる。そのため、分割して噴射をするときにディザ制御を実行する場合には、特にリーン燃焼気筒の噴射量が小さくなり、燃料噴射弁の構造から設定される最小噴射量を下回るおそれがある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.複数の気筒から排出された排気を浄化する排気浄化装置と、前記複数の気筒毎に設けられた燃料噴射弁と、を備える内燃機関を制御対象とし、
空燃比を目標空燃比に制御するための1燃焼サイクル当たりの要求噴射量を算出する要求噴射量算出処理と、前記内燃機関の動作点に応じて、1燃焼サイクル当たりの噴射回数を設定する噴射回数設定処理と、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とすべく、1燃焼サイクルにおいて前記一部の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して増量し前記別の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して減量するように前記燃料噴射弁を操作するディザ制御処理と、前記内燃機関の動作点が前記噴射回数設定処理によって噴射回数が複数とされる動作点であるときに前記ディザ制御処理を実行する場合、前記噴射回数設定処理による前記動作点に応じた噴射回数に対して実際の噴射回数を減少させる減少処理と、を実行する内燃機関の制御装置である。
上記構成では、噴射回数が複数とされる動作点でディザ制御処理が実行される場合、噴射回数を減少させる。これにより、噴射回数を減少させない場合と比較して、1回当たりの噴射量を増量させることができ、ひいては、リーン燃焼気筒における1回当たりの噴射量が最小噴射量未満となることを抑制できる。
2.前記内燃機関の動作点に基づき設定される噴射回数に応じた前記リーン燃焼気筒の噴射量が最小噴射量未満であるか否かを判定する判定処理を実行し、前記減少処理は、前記判定処理によって前記最小噴射量未満であると判定される場合に、前記噴射回数を減少させる処理である上記1記載の内燃機関の制御装置である。
上記構成では、判定処理によって最小噴射量未満であると判定される場合に噴射回数を減少させることにより、ディザ制御処理を実行している場合であっても最小噴射量以上と判定される場合には、噴射回数設定処理によって設定される噴射回数を守ることができる。
3.前記減少処理は、1燃焼サイクルにおける噴射回数を1回に減少させる処理を含む上記1または2記載の内燃機関の制御装置である。
4.前記内燃機関は、前記燃料噴射弁から噴射される燃料を貯蔵する燃料タンク内の燃料蒸気を捕集するキャニスタと、前記キャニスタと前記内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路と、前記パージ通路を介して前記キャニスタから前記吸気通路に流入する燃料蒸気の流量を調整する調整装置と、を備え、前記要求噴射量算出処理は、1燃焼サイクルにおいて前記内燃機関の燃焼室内に充填される空気量に対する前記1燃焼サイクル内に前記キャニスタから前記吸気通路を介して前記燃焼室内に流入する燃料の比率が大きい場合に小さい場合よりも前記要求噴射量を減量させる減量補正処理を含み、前記調整装置を操作して前記燃料蒸気の流量を制御するパージ処理と、前記減少処理によって前記噴射回数を減少させても前記リーン燃焼気筒の噴射量が最小噴射量未満である場合に前記燃料蒸気の流量を低減する低減処理と、を実行する上記1~3のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置である。
上記減量補正処理によって要求噴射量が減量補正される場合、減量補正処理による減量補正がなされない場合と比較してリーン燃焼気筒の噴射量が小さくなる。そこで上記構成では、燃料蒸気の流量を低減する低減処理を実行することにより、減量補正処理による要求噴射量の減量補正量を減少させることができ、ひいてはリーン燃焼気筒から噴射される1回当たりの燃料量が最小噴射量未満となることを抑制できる。
5.前記ディザ制御処理は、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を前記リッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を前記リーン燃焼気筒とする期間を含んだ所定期間において、前記リーン燃焼気筒における前記要求噴射量に対する減量比率の前記リーン燃焼気筒の燃焼行程の出現回数分の和と、前記リッチ燃焼気筒における前記要求噴射量に対する増量比率の前記リッチ燃焼気筒の燃焼行程の出現回数分の和とが等しくなるようにする処理であり、前記低減処理を実行しても前記リーン燃焼気筒の噴射量が前記最小噴射量未満である場合、当該最小噴射量未満となった時点における前記リーン燃焼気筒の噴射量から定まる演算上のパラメータとしての前記リーン燃焼気筒における前記要求噴射量の減量比率と前記リッチ燃焼気筒における前記要求噴射量の増量比率とを減少させる振幅制限処理を実行する上記4記載の内燃機関の制御装置である。
上記構成では、低減処理を実行してもリーン燃焼気筒の噴射量が最小噴射量未満となる場合には、最小噴射量未満となった時点における演算上のパラメータとしてのリーン燃焼気筒における要求噴射量の減量比率とリッチ燃焼気筒における要求噴射量の増量比率とを減少させる。これにより、リッチ燃焼気筒およびリーン燃焼気筒が存在しない状態となるか存在するにしてもリーン燃焼気筒となる気筒における噴射量を増量することができ、ひいては、燃料噴射弁から噴射される燃料量が最小噴射量未満となることを抑制できる。また後者の場合、リッチ燃焼気筒における要求噴射量の増量比率をも減少させることにより、リーン燃焼気筒における要求噴射量に対する減量比率のリーン燃焼気筒の燃焼行程の出現回数分の和と、リッチ燃焼気筒における要求噴射量に対する増量比率のリッチ燃焼気筒の燃焼行程の出現回数分の和とを等しくすることができる。
一実施形態にかかる内燃機関の制御装置および内燃機関を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の一部を示すブロック図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。
以下、内燃機関の制御装置にかかる一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す内燃機関10において、吸気通路12から吸入された空気は、スロットルバルブ14を介して各気筒の燃焼室16に流入する。燃焼室16には、燃料を噴射する燃料噴射弁18と、火花放電を生じさせる点火装置20とが設けられている。燃焼室16において、空気と燃料との混合気は、燃焼に供され、燃焼に供された混合気は、排気として、排気通路22に排出される。排気通路22には、酸素吸蔵能力を有した三元触媒24が設けられている。
燃料噴射弁18は、デリバリパイプ30内の燃料を噴射する。デリバリパイプ30には、燃料タンク32に貯蔵されている燃料が燃料ポンプ34によって汲み上げられて供給される。燃料タンク32内に貯蔵された燃料の一部は気化して燃料蒸気となる。この燃料蒸気は、キャニスタ36によって捕集される。キャニスタ36によって捕集された燃料蒸気は、開口度を電子操作可能なパージバルブ38を介して吸気通路12に流入する。
制御装置40は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量(トルク、排気成分比率等)を制御するために、スロットルバルブ14や、燃料噴射弁18、点火装置20、燃料ポンプ34、パージバルブ38等の内燃機関10の操作部を操作する。すなわち制御装置40は、スロットルバルブ14、燃料噴射弁18、点火装置20、燃料ポンプ34、およびパージバルブ38のそれぞれに操作信号MS1~MS5を出力することによってそれら操作部を操作する。この際、制御装置40は、三元触媒24の上流側の空燃比センサ50によって検出される空燃比Afや、クランク角センサ52の出力信号Scr、エアフローメータ54によって検出される吸入空気量Ga、水温センサ56によって検出される内燃機関10の冷却水の温度(水温THW)を参照する。制御装置40は、CPU42、ROM44、および周辺回路46を備えており、それらが通信線48を介して互いに接続されている。ここで、周辺回路46は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路や、電源回路、リセット回路等を含む。
図2に、制御装置40が実行する処理の一部を示す。図2に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42が実行することにより実現される。
目標パージ率算出処理M10は、充填効率ηに基づき、目標パージ率Rp*を算出する処理である。ここで、パージ率とは、キャニスタ36から吸気通路12に流入する流体の流量を吸入空気量Gaで割った値であり、目標パージ率Rp*は、制御上のパージ率の目標値である。また、充填効率ηは、燃焼室16内に充填される空気量を示すパラメータであり、CPU42により、吸入空気量Gaおよび回転速度NEに基づき算出される。なお、回転速度NEは、CPU42により、クランク角センサ52の出力信号Scrに基づき算出される。
パージバルブ操作処理M12は、吸入空気量Gaに基づき、パージ率が目標パージ率Rp*になるように、パージバルブ38を操作すべく、パージバルブ38に操作信号MS5を出力する処理である。ここで、パージバルブ操作処理M12は、目標パージ率Rp*が同一である場合、吸入空気量Gaが小さいほど、パージバルブ38の開口度を小さい値とする処理となっている。これは、キャニスタ36内の圧力が同一であったとしても、吸入空気量Gaが小さいほど吸気通路12内の圧力が低くなることから、吸気通路12内の圧力よりもキャニスタ36内の圧力が高くなるため、キャニスタ36から吸気通路12に流体が流動しやすいためである。
ベース噴射量算出処理M14は、充填効率ηに基づき、燃焼室16内の混合気の空燃比を目標空燃比とするための燃料量のベース値であるベース噴射量Qbを算出する処理である。詳しくは、ベース噴射量算出処理M14は、たとえば充填効率ηが百分率で表現される場合、空燃比を目標空燃比とするための充填効率ηの1%当たりの燃料量QTHに、充填効率ηを乗算することによりベース噴射量Qbを算出する処理とすればよい。ベース噴射量Qbは、燃焼室16内に充填される空気量に基づき、空燃比を目標空燃比に制御するために算出された燃料量である。ちなみに、目標空燃比は、たとえば理論空燃比とすればよい。
フィードバック処理M18は、フィードバック制御量である空燃比Afを目標値Af*にフィードバック制御するための操作量である補正比率δに「1」を加算したフィードバック補正係数KAFを算出する処理である。フィードバック補正係数KAFは、ベース噴射量Qbの補正係数である。ここで、補正比率δが「0」である場合、ベース噴射量Qbの補正比率は、ゼロである。また、補正比率δが「0」よりも大きい場合、ベース噴射量Qbを増量補正し、補正比率δが「0」よりも小さい場合、ベース噴射量Qbを減量補正する。本実施形態では、目標値Af*と空燃比Afとの差を入力とする比例要素および微分要素の各出力値の和と同差に応じた値の積算値を出力する積分要素の出力値との和を補正比率δとする。
空燃比学習処理M20は、空燃比学習期間において、補正比率δと「0」とのずれが小さくなるように空燃比学習値LAFを逐次更新する処理である。空燃比学習処理M20には、補正比率δの「0」からのずれ量が所定値以下となる場合、空燃比学習値LAFが収束したと判定する処理が含まれる。
係数加算処理M22は、フィードバック補正係数KAFに空燃比学習値LAFを加算する。
パージ濃度学習処理M24は、上記補正比率δに基づき、パージ濃度学習値Lpを算出する処理である。パージ濃度学習値Lpは、キャニスタ36から燃焼室16への燃料蒸気の流入に起因した、目標空燃比に制御する上で必要な噴射量に対するベース噴射量Qbのずれを補正する補正比率を、パージ率の1%当たりに換算した値である。ここで、本実施形態では、目標パージ率Rp*が「0」よりも大きい値に制御されているときのフィードバック補正係数KAFが「1」からずれる要因を、すべてキャニスタ36から燃焼室16に流入した燃料蒸気によるものとみなす。すなわち、補正比率δを、キャニスタ36から吸気通路12への燃料蒸気の流入に起因した、目標空燃比に制御する上で必要な噴射量に対するベース噴射量Qbのずれを補正する補正比率とみなす。しかし、補正比率δは、パージ率に依存するものであることから、本実施形態では、パージ濃度学習値Lpをパージ率の1%当たりの値「δ/Rp」に応じた量とする。具体的には、パージ濃度学習値Lpを、パージ率の1%当たりの値「δ/Rp」の指数移動平均処理値とする。なお、空燃比学習値LAFが収束したと判定されていることを条件に、目標パージ率Rp*がゼロよりも大きい値とされ、パージ濃度学習処理M24が実行されることが望ましい。
パージ補正比率算出処理M26は、目標パージ率Rp*にパージ濃度学習値Lpを乗算することによって、パージ補正比率Dpを算出する処理である。なお、パージ補正比率Dpは、ゼロ以下の値となる。
補正係数算出処理M28は、係数加算処理M22の出力値に、パージ補正比率Dpを加算する処理である。
要求噴射量算出処理M30は、ベース噴射量Qbに補正係数算出処理M28の出力値を乗算することによってベース噴射量Qbを補正し、要求噴射量Qdを算出する処理である。
噴射回数設定処理M32は、回転速度NEおよび充填効率ηによって規定される内燃機関10の動作点に基づき、要求噴射量Qdの燃料を噴射する回数(噴射回数)を設定する処理である。本実施形態では、噴射回数が1回または2回とされる。噴射回数設定処理M32では、1回目の噴射量の要求噴射量Qdに対する比率(分割比率K)によって、噴射回数を規定する。すなわち、分割比率Kは、「0」よりも大きく且つ「1」以下の値であり、分割比率Kが「1」の場合、噴射回数が1回となり、分割比率Kが「1」未満の場合、噴射回数が2回となる。
詳しくは、内燃機関10の動作点を規定する回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし分割比率Kを出力変数とするマップデータをROM44に記憶しておき、CPU42により分割比率Kをマップ演算する。なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とし、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
分割後第1噴射量算出処理M34は、要求噴射量Qdに分割比率Kを乗算することによって、1回目の噴射量(分割後第1噴射量)を算出する処理である。分割後第2噴射量算出処理M36は、要求噴射量Qdに「1-K」を乗算することによって、2回目の噴射量(分割後第2噴射量)を算出する処理である。
要求値出力処理M40は、クランク軸が2回転する期間において燃焼対象となる混合気である気筒#1~#4のそれぞれにおける混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比としつつも、燃焼対象とする混合気の空燃比を気筒間で異ならせるディザ制御の噴射量補正要求値αを算出して出力する処理である。ここで、本実施形態にかかるディザ制御では、第1の気筒#1~第4の気筒#4のうちの1つの気筒を、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチとするリッチ燃焼気筒とし、残りの3つの気筒を、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンとするリーン燃焼気筒とする。そして、リッチ燃焼気筒における噴射量を、上記要求噴射量Qdの「1+α」倍とし、リーン燃焼気筒における噴射量を、要求噴射量Qdの「1-(α/3)」倍とする。これにより、以下の2つの値(ア)および値(イ)が等しくなる。
値(ア):リッチ燃焼気筒における要求噴射量Qdに対する増量比率(ここでは、「α」)の、クランク軸が2回転する期間におけるリッチ燃焼気筒の燃焼行程の出現回数(ここでは、1回)分の和(ここでは、「α」自体)。
値(イ):リーン燃焼気筒における要求噴射量Qdに対する減量比率(ここでは、「α/3」)の、クランク軸が2回転する期間におけるリーン燃焼気筒の燃焼行程の出現回数(ここでは、3回)分の和(ここでは、「α」自体)。
値(ア)と値(イ)とを等しくすることにより、1燃焼サイクルにおいて気筒#1~#4のそれぞれに充填される空気量が同一であるなら、内燃機関10の気筒#1~#4のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比と同一とすることができる。
三元触媒24の暖機要求が生じる場合や、三元触媒24に堆積した硫黄の被毒回復処理の実行要求が生じる場合、要求値出力処理M40により、噴射量補正要求値αがゼロよりも大きい値とされる。ここで、三元触媒24の暖機要求は、内燃機関10の始動からの吸入空気量Gaの積算値InGaが第1規定値Inth1以上である旨の条件(c1)と、積算値InGaが第2規定値Inth2(>Inth1)以下であって且つ水温THWが所定温度THWth以下である旨の条件(c2)との論理積が真である場合に生じるものとする。なお、条件(c1)は、三元触媒24の上流側の端部の温度が活性温度となっていると判定される条件である。また、条件(c2)は、三元触媒24の全体が未だ活性状態とはなっていないと判定される条件である。また、硫黄被毒回復処理の実行要求は、三元触媒24の硫黄被毒量が予め定められた値以上となる場合に生じるとすればよく、また硫黄被毒量は、たとえば回転速度NEが高いほど、充填効率ηが高いほど被毒量の増加量を多く算出し、増加量を積算することによって算出すればよい。ただし、ディザ制御が実行される場合、実行されない場合と比較して被毒量の増加量は低減される。
詳しくは、要求値出力処理M40は、回転速度NEおよび充填効率ηに基づき、噴射量補正要求値αを可変設定する処理を含む。具体的には、ROM44に、入力変数としての回転速度NEおよび充填効率ηと出力変数としての噴射量補正要求値αとの関係を定めたマップデータを記憶しておき、CPU42がこれを用いて噴射量補正要求値αをマップ演算すればよい。
補正係数算出処理M42は、「1」に、噴射量補正要求値αを加算して、リッチ燃焼気筒に関し、要求噴射量Qdの補正係数を算出する処理である。リッチ側第1ディザ補正処理M44は、分割後第1噴射量「K・Qd」に補正係数「1+α」を乗算することによって、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wの1回目の噴射量指令値Q1*を算出する処理である。ここで、「w」は、「1」~「4」のいずれかを意味する。リッチ側第2ディザ補正処理M46は、分割後第2噴射量「(1-K)・Qd」に補正係数「1+α」を乗算することによって、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wの2回目の噴射量指令値Q2*(#w)を算出する処理である。
乗算処理M48は、噴射量補正要求値αを「-1/3」倍し、補正係数算出処理M50は、「1」に、乗算処理M48の出力値を加算して、リーン燃焼気筒に関し、要求噴射量Qdの補正係数を算出する処理である。リーン側第1ディザ補正処理M52は、分割後第1噴射量「K・Qd」に補正係数「1-(α/3)」を乗算することによって、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの1回目の噴射量指令値Q1*を算出する処理である。ここで、「x」,「y」,「z」は、「1」~「4」のいずれかであって、且つ、「w」,「x」,「y」,「z」は、互いに異なるものとする。リーン側第2ディザ補正処理M54は、分割後第2噴射量「(1-K)・Qd」に補正係数「1-(α/3)」を乗算することによって、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの2回目の噴射量指令値Q2*を算出する処理である。
ちなみに、気筒#1~#4のうちのいずれがリッチ燃焼気筒となるかは、クランク軸が2回転する期間よりも長い周期で変更されることが望ましい。
噴射弁操作処理M56は、噴射量指令値Q1*(#w),Q2*(#w)に基づき、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wの燃料噴射弁18の操作信号MS2を生成して、同燃料噴射弁18に出力する処理である。また、噴射弁操作処理M56は、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z),Q2*(#x,#y,#z)に基づき、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの燃料噴射弁18の操作信号MS2を生成して、同燃料噴射弁18に出力する処理である。
CPU42は、図2に示した処理を基本としつつも、燃料噴射弁18から噴射される燃料量が最小噴射量Qmin未満とならないように、図2に示した処理を変更する。ここで、最小噴射量Qminは、燃料噴射弁18の構造によって定まるものである。すなわち、燃料噴射弁18の構造上、噴射量が過度に小さい場合には、噴射量の制御精度が低下することから、噴射量の誤差が許容範囲に収まるように、燃料噴射弁18には最小噴射量Qminが設定されている。
図3に、図2に示した処理に対する変更処理の手順を示す。図3に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42が、たとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」を付与した数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図3に示す一連の処理において、CPU42は、まずリーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満であることと2回目の噴射量指令値Q2*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満であることとの論理和が真であるか否かを判定する(S10)。そしてCPU42は、論理和が真であると判定する場合(S10:YES)、分割比率Kが「1」未満であるか否かを判定する(S12)。この処理は、内燃機関10の動作点が、噴射回数設定処理M32によって設定される噴射回数が複数とされる動作点であるか否かを判定する処理である。
そしてCPU42は、分割比率Kが「1」未満であると判定する場合(S12:YES)、分割比率Kを「1」とする(S14)。この処理は、リーン燃焼気筒において1燃焼サイクルの間に噴射が要求される燃料量「{1-(α/3)}・Qd」の燃料を1回で噴射するように変更するための処理である。そしてCPU42は、噴射回数を1回として再算出したリーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満であるか否かを判定する(S16)。なお、ここでの1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)は、1燃焼サイクルにおいて噴射される全噴射量である。
CPU42は、1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満であると判定する場合(S16:YES)や、S12の処理において否定判定する場合には、目標パージ率Rp*にゼロを代入する(S18)。この処理は、パージ補正比率Dpをゼロとすることによって、要求噴射量Qdを増加させることを狙った処理である。
次にCPU42は、パージ補正比率Dpがゼロであるとして再算出したリーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満であるか否かを判定する(S20)。なお、ここでの1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)は、1燃焼サイクルにおいて噴射される全噴射量である。
CPU42は、S20の処理において肯定判定する場合には、噴射量補正要求値αに、「{3・(Qd-Qmin)}/Qd」を代入する(S22)。この処理は、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)を最小噴射量Qminとする処理である。ここでの1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)は、1燃焼サイクルにおいて噴射される全噴射量である。そのため、リーン燃焼気筒の1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)は、「{1-(α/3)}・Qd」である。したがって、噴射量補正要求値αを上記のように変更することにより、1回目の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)は、最小噴射量Qminとなる。
なお、CPU42は、S22の処理が完了する場合や、S10,S16,S20の処理において否定判定する場合には、図3に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU42は、内燃機関10の動作点に応じて、噴射回数を1回または2回に設定する。CPU42は、ディザ制御を実行する場合において、動作点に応じた噴射回数からリーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z),Q2*(#x,#y,#z)を算出する。CPU42は、噴射回数が2回であるときに、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)や噴射量指令値Q2*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qminである場合、噴射回数を1回に変更する。ここで、動作点に応じて設定される噴射回数が2回の場合、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)は、「K・{1-(α/3)}・Qd」となり、噴射量指令値Q2*(#x,#y,#z)は、「(1-K)・{1-(α/3)}・Qd」となる。これに対し、噴射回数を1回に変更する場合、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)は、「{1-(α/3)}・Qd」となることから、リーン燃焼気筒用の燃料噴射弁18から1回で噴射される燃料量を大きくすることができる。そしてこれにより、燃料噴射弁18から噴射される燃料量が最小噴射量Qmin未満となることを抑制できる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(1)噴射回数が1回の場合に算出されたリーン燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満である場合、目標パージ率Rp*にゼロを代入した。これにより、パージ補正比率Dpがゼロとなることから、目標パージ率Rp*がゼロよりも大きい場合と比較して要求噴射量Qdが大きくなる。そのため、燃料噴射弁18から噴射される燃料量が最小噴射量Qmin未満となることを抑制できる。
(2)目標パージ率Rp*をゼロとしても噴射回数が1回の場合に算出されたリーン燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満である場合、噴射量補正要求値αを減少補正した。これにより、燃料噴射弁18から噴射される燃料量が最小噴射量Qmin未満となることを抑制できる。さらに、リッチ燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#w)を減量することとなり、これにより、クランク軸が2回転する期間において燃焼対象となる混合気を1つに集めたものの空燃比を目標空燃比に制御することが可能となる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]排気浄化装置は、三元触媒24に対応する。ディザ制御処理は、噴射量補正要求値αが「0」よりも大きい場合における、要求値出力処理M40、補正係数算出処理M42,M50、リッチ側第1ディザ補正処理M44、リッチ側第2ディザ補正処理M46、リーン側第1ディザ補正処理M52、リーン側第2ディザ補正処理M54、乗算処理M48、および噴射弁操作処理M56に対応する。減少処理は、S14の処理に対応する。[2]判定処理は、S10の処理に対応する。[3]S14において、分割比率Kを「1」としていることに対応する。[4]調整装置は、パージバルブ38に対応する。パージ処理は、目標パージ率算出処理M10およびパージバルブ操作処理M12に対応する。低減処理は、S18の処理に対応する。[5]振幅制限処理は、S22の処理に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・「噴射回数設定処理について」
上記実施形態では、噴射回数を設定するための内燃機関10の動作点を規定するパラメータとして、回転速度NEおよび充填効率ηを用いたが、これに限らない。たとえば負荷を示すパラメータとして、充填効率ηに代えて要求噴射量Qdを用いてもよい。
上記実施形態では、噴射回数を1回または2回としたが、これに限らず、たとえば3回以上に設定されることがあってもよい。
・「減少処理について」
上記実施形態では、動作点に応じて設定された噴射回数に応じたリーン燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z),Q2*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満となる場合、噴射回数を2回から1回に減少させたが、これに限らない。たとえば「噴射回数設定処理について」の欄に記載したように、噴射回数が3回以上の所定回数となる場合において、噴射回数を示す変数「i(=1,2,3,…)」を用いて表現される第i回目の噴射量指令値Qi*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満となる場合、噴射回数を1回よりも大きい回数であって上記所定回数よりも小さい回数に減少させてもよい。
たとえば下記「ディザ制御処理について」の欄に記載したように、ディザ制御による各噴射量の補正量の比率を、分割比率Kとは異なる比率とする場合などには、必ずしもリーン燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z),Q2*(#x,#y,#z),…の全てについて最小噴射量Qminとの大小の比較処理を行わなくてもよい。すなわちたとえば、分割後第1噴射量「K・Qd」のみ噴射量補正要求値αによる補正対象とする場合、噴射量指令値Q1*と最小噴射量Qminとの大小比較処理のみを実行してもよい。
なお、動作点に応じて設定された噴射回数に応じたリーン燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z),Q2*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満となるか否かの判定処理は必須ではない。たとえば噴射量補正要求値αが規定値よりも大きい場合に、噴射回数を減少させてもよい。ここで、規定値をゼロとする場合、ディザ制御を実行する場合には、噴射回数を常時減少させることとなる。
・「低減処理について」
上記実施形態では、噴射回数を減少させてもリーン燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満となる場合、目標パージ率Rp*をゼロとしたが、これに限らない。たとえば、目標パージ率算出処理M10によって設定される目標パージ率Rp*を所定の割合(<100%)だけ減少補正してもよい。
もっとも、S14の処理によって例示したような低減処理の実行自体、必須ではない。
・「振幅制限処理について」
上記実施形態では、目標パージ率Rp*をゼロとしてもリーン燃焼気筒の噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qmin未満となる場合、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が最小噴射量Qminとなるように噴射量補正要求値αを減少補正する振幅制限処理を実行したが、これに限らない。たとえば、噴射量補正要求値αをゼロに減少させてもよい。
・「要求噴射量算出処理について」
要求噴射量Qdとしては、ベース噴射量Qbが、フィードバック補正係数KAF、空燃比学習値LAFおよびパージ補正比率Dpによって補正されたものに限らない。たとえばフィードバック補正係数KAFおよび空燃比学習値LAFによって補正されたものであってパージ補正比率Dpによっては補正されていないものである等、フィードバック補正係数KAF、空燃比学習値LAFおよびパージ補正比率Dpの3つのパラメータに関しては、それらのうちの2つのパラメータによって補正された値であってもよい。また、たとえば空燃比学習値LAFによって補正されたものであって、フィードバック補正係数KAFおよびパージ補正比率Dpによっては補正されていないもの等、フィードバック補正係数KAF、空燃比学習値LAFおよびパージ補正比率Dpの3つのパラメータに関しては、それらのうちの1つのパラメータによって補正された値であってもよい。
・「ディザ制御処理について」
上記実施形態では、噴射回数が複数回であるときにディザ制御を実行する場合、分割後第1噴射量「K・Qd」および分割後第2噴射量「(1-K)・Qd」のそれぞれに噴射量補正要求値αを乗算したがこれに限らず、ディザ制御による各噴射量の補正量の比率を、分割比率Kとは異なる比率としてもよい。これは、たとえば分割後第2噴射量「(1-K)・Qd」については噴射量補正要求値αによる補正を実行しないことによって実現できる。この場合、たとえば上記実施形態のように1つの気筒をリッチ燃焼気筒とし残りの3つの気筒をリーン燃焼気筒とする場合、リッチ燃焼気筒については、噴射量指令値Q1*(#1)が「(K+α)・Qd」となり、リーン燃焼気筒については、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が「{K-(α/3)}・Qd」となる。
噴射量補正要求値αを、回転速度NEおよび充填効率ηに加えて、水温THWに基づき可変設定してもよい。またたとえば、回転速度NEおよび水温THW、または充填効率ηおよび水温THWの2つのパラメータのみに基づいて可変設定してもよく、またたとえば、上記3つのパラメータのうちの1つのパラメータのみに基づいて可変設定してもよい。また、たとえば内燃機関10の動作点を特定するパラメータとして回転速度NEおよび充填効率ηを用いる代わりに、負荷としての充填効率ηに代えて、たとえば負荷としてのアクセル操作量を用いてもよい。また、回転速度NEおよび負荷に代えて、吸入空気量Gaに基づき可変設定してもよい。
噴射量補正要求値αを上記パラメータに基づき可変設定すること自体必須ではない。
上記実施形態では、リッチ燃焼気筒の数よりもリーン燃焼気筒の数を多くしたが、これに限らない。たとえば、リッチ燃焼気筒の数とリーン燃焼気筒の数とを同一としてもよい。またたとえば、全ての気筒#1~#4を、リーン燃焼気筒かリッチ燃焼気筒かにするものに限らず、たとえば1つの気筒の空燃比を目標空燃比としてもよい。さらに、クランク軸が2回転する期間において気筒#1~#4のそれぞれに充填される空気量が同一であるなら、内燃機関10の気筒#1~#4のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比と同一とすることも必須ではない。たとえば、上記実施形態のように4気筒の場合において、5ストロークにおける気筒#1~#4のそれぞれに充填される空気量が同一であるなら、5ストローク内に燃焼行程となる気筒のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比と同一となるようにしてもよい。またたとえば3ストロークにおける充填される空気量が同一であるなら、それら3ストローク内に燃焼行程となる3つの気筒のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比と同一となるようにしてもよい。ただし、リッチ燃焼気筒の燃焼行程とリーン燃焼気筒の燃焼行程との双方が出現する期間が少なくともクランク軸が4回転する期間に1回以上は生じることが望ましい。換言すれば、所定期間において燃焼行程となる気筒に充填される空気量が同一であるなら、それら気筒のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比と同一とする際、所定期間をクランク軸が4回転する期間以下とすることが望ましい。ここで、たとえば所定期間をクランク軸が4回転する期間として4回転する間に1度だけリッチ燃焼気筒の燃焼行程が出現する場合、リッチ燃焼気筒の燃焼行程とリーン燃焼気筒の燃焼行程との出現順序は、リッチ燃焼気筒をR、リーン燃焼気筒をLとすると、たとえば「R,L,L,L,L,L,L,L」となる。この場合、所定期間よりも短いクランク軸が2回転する期間であって「R,L,L,L」となる期間が設けられており、気筒#1~#4のうちの一部がリッチ燃焼気筒であり、別の気筒がリーン燃焼気筒となっている。
・「パージ制御処理について」
上記実施形態では、パージ率を制御するためにパージバルブ38を操作したが、これに限らない。たとえば下記「調節装置について」の欄に記載したように、調節装置がポンプを備える場合、ポンプの消費電力の操作によってパージ率を制御してもよい。
・「調節装置について」
上記実施形態では、キャニスタ36に捕集された燃料蒸気の吸気通路12への流入量を調節する調節装置として、パージバルブ38を例示したがこれに限らない。たとえば下記「内燃機関について」の欄に記載したように、過給機を備える内燃機関10においては、吸気通路12内の圧力がキャニスタ36側と比較して低くならないことがあることに鑑み、パージバルブ38に加えて、キャニスタ36内の流体を吸入して吸気通路12に吐出するポンプを備えたものであってもよい。
・「排気の昇温要求について」
昇温要求としては、上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、「排気浄化装置について」の欄に記載したように、GPFを備える場合、GPFの昇温要求であってもよい。またたとえば、排気通路22への凝縮水の付着を抑制すべく排気通路22を昇温するためにディザ制御による排気の昇温要求を生じさせてもよい。
・「排気浄化装置について」
排気浄化装置としては、三元触媒24のみからなるものに限らない。たとえば、三元触媒24の下流にガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)を備えてもよい。また、たとえば、GPFの下流に三元触媒を備えるものであってもよい。またたとえば、GPFのみを備えるものであってもよい。ただしGPFの上流に酸素吸蔵能力を有する触媒を備えない場合、ディザ制御による昇温能力を高めるうえでは、GPFに酸素吸蔵能力を付与することが望ましい。
・「制御装置について」
制御装置としては、CPU42とROM44とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
・「内燃機関について」
内燃機関としては、4気筒の内燃機関に限らない。たとえば直列6気筒の内燃機関であってもよい。またたとえば、V型の内燃機関等、第1の排気浄化装置と第2の排気浄化装置とを備え、それぞれによって排気が浄化される気筒が異なるものであってもよい。また、過給機を備えるものであってもよい。ちなみに、過給機を備える内燃機関の場合、排気中の熱が過給機で奪われることによってその下流に位置する排気浄化装置の温度が上昇しにくいことから、ディザ制御を利用することが特に有効である。
・「そのほか」
燃料噴射弁としては、燃焼室16に燃料を噴射するものに限らず、たとえば吸気通路12に燃料を噴射するものであってもよい。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットルバルブ、16…燃焼室、18…燃料噴射弁、20…点火装置、22…排気通路、24…三元触媒、30…デリバリパイプ、32…燃料タンク、34…燃料ポンプ、36…キャニスタ、38…パージバルブ、40…制御装置、42…CPU、44…ROM、46…周辺回路、48…通信線、50…空燃比センサ、52…クランク角センサ、54…エアフローメータ、56…水温センサ。

Claims (5)

  1. 複数の気筒から排出された排気を浄化する排気浄化装置と、前記複数の気筒毎に設けられた燃料噴射弁と、を備える内燃機関を制御対象とし、
    空燃比を目標空燃比に制御するための1燃焼サイクル当たりの要求噴射量を算出する要求噴射量算出処理と、
    前記内燃機関の動作点に応じて、1燃焼サイクル当たりの噴射回数を設定する噴射回数設定処理と、
    前記複数の気筒のうちの一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とすべく、1燃焼サイクルにおいて前記一部の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して増量し前記別の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して減量するように前記燃料噴射弁を操作するディザ制御処理と、
    前記内燃機関の動作点が前記噴射回数設定処理によって噴射回数が複数とされる動作点であるときに前記ディザ制御処理を実行する場合、前記噴射回数設定処理による前記動作点に応じた噴射回数に対して実際の噴射回数を減少させる減少処理と、を実行し、
    前記動作点は、前記内燃機関のクランク軸の回転速度および前記内燃機関の負荷によって規定される内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関の動作点に基づき設定される噴射回数に応じた前記リーン燃焼気筒の噴射量が最小噴射量未満であるか否かを判定する判定処理を実行し、
    前記減少処理は、前記判定処理によって前記最小噴射量未満であると判定される場合に、前記噴射回数を減少させる処理である請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記減少処理は、1燃焼サイクルにおける噴射回数を1回に減少させる処理を含む請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関は、前記燃料噴射弁から噴射される燃料を貯蔵する燃料タンク内の燃料蒸気を捕集するキャニスタと、前記キャニスタと前記内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路と、前記パージ通路を介して前記キャニスタから前記吸気通路に流入する燃料蒸気の流量を調整する調整装置と、を備え、
    前記要求噴射量算出処理は、1燃焼サイクルにおいて前記内燃機関の燃焼室内に充填される空気量に対する前記1燃焼サイクル内に前記キャニスタから前記吸気通路を介して前記燃焼室内に流入する燃料の比率が大きい場合に小さい場合よりも前記要求噴射量を減量させる減量補正処理を含み、
    前記調整装置を操作して前記燃料蒸気の流量を制御するパージ処理と、
    前記減少処理によって前記噴射回数を減少させても前記リーン燃焼気筒の噴射量が最小噴射量未満である場合に前記燃料蒸気の流量を低減する低減処理と、を実行する請求項1~3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記ディザ制御処理は、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を前記リッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を前記リーン燃焼気筒とする期間を含んだ所定期間において、前記リーン燃焼気筒における前記要求噴射量に対する減量比率の前記リーン燃焼気筒の燃焼行程の出現回数分の和と、前記リッチ燃焼気筒における前記要求噴射量に対する増量比率の前記リッチ燃焼気筒の燃焼行程の出現回数分の和とが等しくなるようにする処理であり、
    前記低減処理を実行しても前記リーン燃焼気筒の噴射量が前記最小噴射量未満である場合、当該最小噴射量未満となった時点における前記リーン燃焼気筒の噴射量から定まる演算上のパラメータとしての前記リーン燃焼気筒における前記要求噴射量の減量比率と前記リッチ燃焼気筒における前記要求噴射量の増量比率とを減少させる振幅制限処理を実行する請求項4記載の内燃機関の制御装置。
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