JP6737209B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の気筒から排出された排気を浄化対象とする触媒を備えた内燃機関を制御対象とする内燃機関の制御装置に関する。
たとえば特許文献1には、4つの気筒の排気が流入する三元触媒を備えた内燃機関の制御装置が記載されている。この制御装置は、触媒の暖機(昇温)制御として、内燃機関の1つの気筒の空燃比を理論空燃比よりもリッチとするリッチ燃焼気筒とし、残りの3つの気筒の空燃比を理論空燃比よりもリーンとするリーン燃焼気筒とする、パータベーション制御(ディザ制御)を実行する。これは、リッチ燃焼気筒から排出された排気中の未燃燃料成分や不完全燃焼成分をリーン燃焼気筒から排出された排気中の酸素によって酸化させ、その酸化熱によって三元触媒の温度を上昇させることを狙ったものである。
特開2012−57492号公報
ところで、上記ディザ制御を実行すると、ディザ制御に起因して各気筒における混合気の燃焼が不安定となるおそれがある。これに対し、燃焼が不安定化した場合に、燃焼を安定化させるためにディザ制御を停止するなら、触媒の温度を早期に上昇させることができない。また、触媒の温度が活性温度に達した後にディザ制御がなされるなら、燃焼が不安定化した場合に、燃焼を安定化させるためにディザ制御を停止することにより、触媒の温度を早期に上昇させることができないおそれ以外にも、触媒の温度が低下するおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒の温度を早期に上昇させることと、燃焼の安定化との好適な両立を図れるようにした内燃機関の制御装置を提供することにある。また、本発明の目的は、ティザ制御の停止による触媒の温度低下を抑制しつつ燃焼の安定化を図ることができるようにした内燃機関の制御装置を提供することにある。要するに、本発明の目的は、触媒の昇温性能と燃焼の安定化との好適な両立を図れるようにした内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.内燃機関の制御装置は、複数の気筒から排出された排気を浄化対象とする触媒を備えた内燃機関を制御対象とし、前記触媒の昇温要求が生じた場合、前記複数の気筒のうちの一部の気筒であるリーン燃焼気筒における空燃比を前記複数の気筒における空燃比の平均値に対する目標値よりもリーンに制御し、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒であるリッチ燃焼気筒における空燃比を前記目標値よりもリッチに制御するように前記各気筒に対応する燃料噴射弁を操作するディザ制御処理と、前記ディザ制御処理がなされているときのクランク軸の回転変動が所定以上となることを条件に、前記リーン燃焼気筒の空燃比を前記目標値よりもリーンとし前記リッチ燃焼気筒の空燃比を前記目標値よりもリッチとし前記複数の気筒における空燃比の平均値を前記目標値に維持しつつ、前記リーン燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差を減少させる減少処理と、を実行する。
上記構成では、ディザ制御処理がなされているときに回転変動が所定以上となることを条件に、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いを減少させることにより、燃焼状態の改善を図る。しかも、このとき、ディザ制御自体は継続されるため、ディザ制御を停止する場合と比較すると、触媒の温度を早期に上昇させることや、触媒の温度の低下を抑制することができる。このため、上記構成では、触媒の温度を早期に上昇させることと、燃焼の安定化との好適な両立を図ることや、触媒の温度低下を抑制しつつ燃焼の安定化を図ることができる。すなわち、上記構成によれば、触媒の昇温性能と燃焼の安定化との好適な両立を図れる。
2.上記1記載の内燃機関の制御装置において、前記減少処理を実行した後、前記回転変動が所定以上となることを条件に、前記減少処理を再度実行する。
上記構成では、クランク軸の回転変動が所定以上となることを条件に、都度、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いを段階的に減少させるために、1度のみ減少させる場合と比較すると、1度の減少量を小さく設定しやすい。このため、燃焼の安定化を図りつつもリーン化度合いおよびリッチ化度合いが過度に減少補正されることを抑制できる。
3.上記1または2記載の内燃機関の制御装置において、前記減少処理は、前記回転変動が所定以上となることを条件に前記差を減少させるときの前記差の減少量を、前記回転変動が所定以上となる頻度が高い場合に低い場合よりも大きくする処理である。
上記構成では、リーン燃焼気筒のリーン化度合いの減少量およびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いの減少量を、回転変動の上記頻度が高い場合に低い場合よりも大きくするため、頻度によらずに減少量を一律に設定する場合と比較すると、燃焼状態の改善を図りつつも、減少量を極力小さくすることが可能となる。これは、頻度が高い場合には低い場合よりも燃焼の不安定化度合いが大きい傾向があり、燃焼の安定化を図る上では、減少量をより大きくすることが望まれる傾向があるためである。
4.上記1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置において、前記減少処理が実行された後、所定期間内に前記所定以上の前記回転変動が検知されないことを条件に、前記複数の気筒における空燃比の平均値を前記目標値に維持しつつ、前記リーン燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差を増加させる増加処理を実行する。
上記構成では、所定以上の回転変動が検知されないことを条件に、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いを増加させることにより、増加させない場合と比較すると、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いを大きくすることができる。このため、増加処理を実行しない場合と比較して、燃焼の安定化を図りつつも、触媒の温度の上昇速度を高くするなど、昇温性能を高くすることができる。
5.上記4記載の内燃機関の制御装置において、前記増加処理を実行した後、前記所定期間内に前記所定以上の前記回転変動が検知されないことを条件に、前記増加処理を再度実行する。
上記構成では、所定以上の回転変動が検知されないことを条件に、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いを段階的に増加させることにより、一度のみ増加させる場合と比較すると、燃焼の安定化を図りつつもリーン化度合いおよびリッチ化度合いを極力大きくすることができる。
6.上記4または5記載の内燃機関の制御装置において、前記増加処理は、前記所定期間内に前記所定以上の前記回転変動が検知されないことを条件に前記差を増加させるときの前記差の増加量を、前記回転変動が所定以上となる頻度が低い場合に高い場合よりも大きくする。
上記構成では、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いの増加量を、回転変動の上記頻度が低い場合に高い場合よりも大きくするため、頻度によらずに増加量を一律に設定する場合と比較すると、燃焼状態の改善を図りつつも、増加量を極力大きくすることが可能となる。これは、頻度が低い場合には高い場合よりも燃焼の不安定化度合いが低い傾向があり、燃焼の安定化を図りつつも増加量をより大きくすることが可能となるためである。
7.上記4〜6のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置において、前記リーン燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、の要求値のベース値であるベース要求値を前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定する要求値設定処理と、前記ベース要求値を入力とし、前記要求値がガード値以下となるように制限するガード処理と、を実行し、前記ディザ制御処理は、前記リーン燃焼気筒の空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒の空燃比と前記目標値との差を、前記要求値に制御するものであり、前記減少処理は、前記ガード値を減少させるものであり、前記増加処理は、前記ガード値を前記ベース要求値に向けて増加させるものである。
上記構成では、ベース要求値を内燃機関の運転状態に応じて可変設定することにより、可変設定しない場合と比較して、各運転状態において、たとえば触媒の温度を早期に上昇させる上で、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いとして適切な値をきめ細かく設定することができる。また、上記構成では、減少処理および増加処理を実行することにより、燃焼の安定化を図りつつも、実際の要求値をベース要求値に極力近づけることができる。
第1の実施形態にかかる制御装置および内燃機関を示す図。 同実施形態にかかる燃料噴射弁の操作信号の生成処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる噴射量補正要求値の算出処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる各種カウンタの更新処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる気筒間回転変動およびサイクル間回転変動を規定するタイムチャート。 同実施形態にかかるガード値の減少処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるガード値の増加処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる噴射量補正要求値の推移を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかるガード値の減少処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる各種カウンタの更新処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるガード値の増加処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、内燃機関の制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、内燃機関10は、第1の気筒#1〜第4の気筒#4の4つの気筒を備えている。内燃機関10の吸気通路12内の空気は、第1の気筒#1〜第4の気筒#4のそれぞれの燃焼室14に吸入される。燃焼室14には、燃料噴射弁16が突出しており、燃料噴射弁16から噴射された燃料と、吸気通路12から燃焼室14に吸入された空気との混合気は、点火装置18の火花放電によって、燃焼に供される。燃焼に供された混合気は、排気として、排気通路20に排出される。排気通路20には、排気を浄化するための三元触媒22が設けられている。
制御装置30は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量(トルク、排気成分)を制御するために、燃料噴射弁16や点火装置18等の各種アクチュエータを操作する。制御装置30は、制御量の制御のために、三元触媒22の上流に設けられた空燃比センサ40によって検出される空燃比Afや、回転速度センサ42によって検出されるクランク軸の回転速度NE、エアフローメータ44によって検出される吸入空気量Ga、水温センサ46によって検出される水温THWを参照する。制御装置30は、中央処理装置(CPU32)およびメモリ34を備え、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が実行することにより、上記制御量を制御する。
図2に、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が実行することにより実現される処理の一部を示す。
ベース噴射量算出処理部M10は、回転速度NEおよび負荷KLに基づき、燃焼室14における混合気の空燃比を目標値Af*に制御するための開ループ操作量として、ベース噴射量Qbを算出する。ここで、本実施形態では、目標値を理論空燃比とする。また、負荷KLとして、本実施形態では、現在の回転速度NEにおける燃焼室14への充填空気量の基準値に対する実際の充填空気量の割合である負荷率を例示する。負荷率は、吸入空気量Gaおよび回転速度NEに基づき算出される。
目標値設定処理部M12は、燃焼室14における混合気の空燃比の目標値Af*を設定する。フィードバック処理部M14は、空燃比センサ40によって検出される空燃比Afを目標値Af*にフィードバック制御するための操作量KAFを算出する。本実施形態では、目標値Af*から空燃比Afを減算した値を入力とする比例要素、積分要素、および微分要素の各出力値の和を、操作量KAFとする。
フィードバック補正処理部M16は、ベース噴射量Qbに操作量KAFを乗算することによって、ベース噴射量Qbを補正する。
要求値出力処理部M20は、三元触媒22の昇温要求が生じた場合、内燃機関10の各気筒#1〜#4における空燃比の平均値を目標値Af*としつつも、気筒間で空燃比を異ならせるディザ制御の噴射量補正要求値αを算出する。ここで、本実施形態にかかるディザ制御では、第1の気筒#1を、空燃比を目標値Af*よりもリッチとするリッチ燃焼気筒とし、第2〜第4の気筒#2〜#4を、空燃比を目標値Af*よりもリーンとするリーン燃焼気筒とする。そして、リッチ燃焼気筒における噴射量を、上記フィードバック補正処理部M16の出力値の「1+α」倍とし、リーン燃焼気筒における噴射量を、同出力値の「1−(α/3)」倍とする。
補正係数算出処理部M22では、「1」に、噴射量補正要求値αを加算して、第1の気筒#1に関し、フィードバック補正処理部M16の出力値の補正係数を算出する。乗算処理部M24では、噴射量補正要求値αを「−1/3」倍し、補正係数算出処理部M26では、「1」に、乗算処理部M24の出力値を加算して、第2〜第4の気筒#2〜#4に関し、フィードバック補正処理部M16の出力値の補正係数を算出する。
ディザ補正処理部M28は、フィードバック補正処理部M16の出力値に補正係数「1+α」を乗算することによって、第1の気筒#1の噴射量指令値Q*を算出する。ディザ補正処理部M30は、フィードバック補正処理部M16の出力値に補正係数「1−(α/3)」を乗算することによって、第2〜第4の気筒#2〜#4の噴射量指令値Q*を算出する。
操作信号生成処理部M32は、噴射量指令値Q*に基づき、各燃料噴射弁16の操作信号MS1を生成して、対応する燃料噴射弁16に出力し、各燃料噴射弁16から噴射される燃料量が噴射量指令値Q*となるように各燃料噴射弁16を操作する。
次に、図3〜図7を用いて、要求値出力処理部M20の処理について説明する。
図3は、噴射量補正要求値αの算出処理の手順を示す。図3に示す処理は、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、ステップ番号を表現する。
図3に示す一連の処理において、CPU32は、まずフラグF1が「1」であるか否かを判定する(S10)。フラグF1は、ディザ制御を実行するときに「1」となり、実行しないときに「0」となる。CPU32は、フラグF1が「0」であると判定する場合(S10:NO)、水温THWが所定温度Twth以下であることと、内燃機関10の始動からの吸入空気量Gaの積算値InGが第1閾値InthL以上であることとの論理積が真であるか否かを判定する(S12)。この処理は、ディザ制御の実行条件が成立したか否かを判定するためのものである。ここで、水温THWが所定温度Twth以下である旨の条件は、内燃機関10の冷間始動時であって三元触媒22の昇温要求があると判定するための条件である。一方、積算値InGが第1閾値InthL以上である旨の条件は、三元触媒22の上流側の端部の温度が、触媒活性温度に達していることを判定するための条件である。これは、リッチ燃焼気筒からの排気中の未燃燃料成分や不完全燃焼成分と、リーン燃焼気筒からの排気中の酸素との反応を三元触媒22によって促進し、効果的に三元触媒22を昇温するための条件である。ちなみに、積算値InGは、内燃機関10の始動時以降において燃焼室14において混合気が燃焼することにより生じた熱エネルギの総量と相関を有する量として利用されている。
CPU32は、論理積が真であると判定する場合(S12:YES)、フラグF1を「1」とする(S14)。そしてCPU32は、上記噴射量補正要求値αのベース値であるベース補正要求値α0を算出する(S16)。具体的には、CPU32は、回転速度NE、負荷KL、および水温THWに応じて、ベース補正要求値α0を可変設定する。ここで、CPU32は、水温THWが低い場合には高い場合よりも、ベース補正要求値α0を大きい値とする。これは、水温THWが低い場合には、高い場合よりも三元触媒22の昇温速度を高くする要求が生じるためである。また、CPU32は、回転速度NEが低い場合に高い場合よりも、ベース補正要求値α0を大きい値に設定する。これは、回転速度NEが低い場合には、単位時間当たりの燃焼サイクル数が小さくなることから、高い場合と比較して、ディザ制御による三元触媒22の温度上昇速度が低くなることに鑑みたものである。また、CPU32は、負荷KLが高い場合には低い場合よりも、ベース補正要求値α0を大きい値に設定する。これは、負荷KLが低い場合よりも高い場合の方が、燃焼の安定性が高いため、リーン燃焼気筒のリーン化度合いとリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いとを大きくしやすいためである。
そしてCPU32は、後述する気筒間変動カウンタCanが閾値Canthに到達した履歴があることと、サイクル間変動カウンタCacが閾値Cacthに到達した履歴があることと、の論理和が真であるか否かを判定する(S18)。そしてCPU32は、論理和が偽であると判定する場合(S18:NO)、噴射量補正要求値αのガード値αthを、ベース補正要求値α0とする(S20)。この処理は、ディザ制御の開始直後において、クランク軸の回転変動が大きくならない場合、噴射量補正要求値αをベース補正要求値α0とするためのものである。
CPU32は、S20の処理を完了する場合や、論理和が真であると判定する場合(S18:YES)には、ベース補正要求値α0がガード値αthよりも大きいか否かを判定する(S22)。そしてCPU32は、ガード値αth以下であると判定する場合(S22:NO)、噴射量補正要求値αに、ベース補正要求値α0を代入する(S26)。一方、CPU32は、ガード値αthよりも大きいと判定する場合(S22:YES)、噴射量補正要求値αに、ガード値αthを代入する(S24)。
CPU32は、S24,S26の処理が完了する場合、噴射量補正要求値αの急激な変化を抑制すべく、噴射量補正要求値αに徐変処理を施す(S27)。なお、CPU32は、フラグF1が「0」から「1」に切り替わることにより、噴射量補正要求値αが初めて算出される場合、噴射量補正要求値αの初期値をゼロとみなす。
一方、CPU32は、フラグF1が「1」であると判定する場合(S10:YES)、積算値InGが、第1閾値InthLよりも大きい第2閾値InthH以上であるか否かを判定する(S28)。この処理は、ディザ制御の終了条件が成立するか否かを判定するものである。ここで、第2閾値InthHは、三元触媒22が全体に渡って活性状態となるときの値に設定されている。CPU32は、第2閾値InthH未満であると判定する場合(S28:NO)、S16の処理に移行する一方、第2閾値InthH以上であると判定する場合(S28:YES)、フラグF1をゼロとする(S30)。
なお、CPU32は、S27,S30の処理が完了する場合や、S12において否定判定する場合には、図3に示す一連の処理を一旦終了する。
図4に、気筒間変動カウンタCanや、サイクル間変動カウンタCac等の各種カウンタの更新処理の手順を示す。図4に示す処理は、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が、たとえば180°CA周期で繰り返し実行することにより実現される。
図4に示す一連の処理において、CPU32は、まず、最も最近(以下、今回)圧縮上死点となった気筒の「0〜30°CA」の区間の回転に要した時間T30(n)と、1つ前に圧縮上死点となった気筒の「0〜30°CA」の区間の回転に要した時間T30(n−1)との差の絶対値が閾値Tth1以上であるか否かを判定する(S30)。図5には、今回、圧縮上死点となった気筒を第1の気筒#1とする場合の時間T30(n),T30(n−1)を例示している。図4のS30の処理は、燃焼行程が時系列的に前後する気筒間で燃焼に起因した回転速度に所定以上の相違(気筒間回転変動)が生じるか否かを判定する処理である。CPU32は、閾値Tth1を、回転速度NEおよび負荷KLに基づき可変設定する。ここで、回転速度NEに応じて閾値Tth1を可変設定するのは、気筒間回転変動を定量化する上では、時間T30(n),T30(n−1)同士の差の大きさというより、それらのうちの一方と他方との比の大きさを評価した方が適切であるためである。このため、CPU32は、回転速度NEが高い場合に低い場合よりも閾値Tth1を小さい値に設定する。また、負荷KLに応じて閾値Tth1を可変設定するのは、ディザ制御をしていない前提で、負荷KLが高い場合に低い場合よりも燃焼の安定性が高くなることに鑑みたためである。すなわち、CPU32は、負荷KLが低い場合に高い場合よりも閾値Tth1を大きい値とすることにより、ディザ制御に起因しない燃焼の不安定性によって、気筒間回転変動を検知することを抑制する。
CPU32は、閾値Tth1以上であると判定する場合(S30:YES)、気筒間回転変動の検知回数をカウントする気筒間変動カウンタCanをインクリメントするとともに、回転変動が検知されなかった回数をカウントする正常燃焼カウンタCnを初期化する(S32)。
CPU32は、S32の処理を完了する場合や、S30において否定判定する場合には、S34の処理に移行する。CPU32は、S34の処理において、今回、圧縮上死点となった気筒における「0〜90ATDC」の区間の回転に要した時間T90(n)と、同気筒における1燃焼サイクル前における「0〜90ATDC」の区間の回転に要した時間T90(n−1)との差の絶対値が閾値Tth2以上であるか否かを判定する。図5には、今回、圧縮上死点となった気筒を第1の気筒#1とする場合の時間T90(n),T90(n−1)を例示している。図4のS34の処理は、時系列的に前後する燃焼サイクルのそれぞれにおける特定の気筒での燃焼に起因した回転速度に所定以上の相違(サイクル間回転変動)が生じるか否かを判定する処理である。CPU32は、閾値Tth2を、回転速度NEおよび負荷KLに基づき可変設定する。ここで、閾値Tth2を可変設定する理由は、閾値Tth1を可変設定する理由と同じである。
CPU32は、閾値Tth2以上であると判定する場合(S34:YES)、サイクル間回転変動の検知回数をカウントするサイクル間変動カウンタCacをインクリメントするとともに、正常燃焼カウンタCnを初期化する(S36)。
CPU32は、S36の処理を完了する場合や、S34において否定判定する場合には、図4に示す一連の処理の今回の制御周期において、気筒間回転変動が検知されないこととサイクル間回転変動が検知されないこととの論理積が真であるか否かを判定する(S38)。そして、CPU32は、論理積が真であると判定する場合(S38:YES)、正常燃焼カウンタCnをインクリメントする(S40)。
なお、CPU32は、S40の処理を完了する場合や、S38において否定判定する場合には、図4に示す一連の処理を一旦終了する。
図6に、上記ガード値αthの減少処理の手順を示す。図6に示す処理は、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が所定の時間周期で繰り返し実行することにより実現される。
図6に示す一連の処理において、CPU32は、まず、気筒間変動カウンタCanが閾値Canth以上であることと、サイクル間変動カウンタCacが閾値Cacth以上であることとの論理和が真であるか否かを判定する(S50)。この処理は、ガード値αthを減少させる条件が成立したか否かを判定するものである。CPU32は、論理和が真であると判定する場合(S50:YES)、ガード値αthを、所定量Δ1だけ減少補正する(S52)。そして、CPU32は、減少補正後のガード値αthが、下限値αthLよりも小さいか否かを判定する(S54)。ここで、下限値αthLは、ゼロよりも大きい値に設定されている。CPU32は、下限値αthLよりも小さいと判定する場合(S54:YES)、ガード値αthに下限値αthLを代入する(S56)。
CPU32は、S56の処理が完了する場合や、S54において否定判定する場合には、気筒間変動カウンタCanおよびサイクル間変動カウンタCacを初期化する(S58)。なお、CPU32は、S58の処理を完了する場合や、S50において否定判定する場合には、図6に示す一連の処理を一旦終了する。
図7に、ガード値αthの増加処理の手順を示す。図7に示す処理は、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が所定の時間周期で繰り返し実行することにより実現される。
図7に示す一連の処理において、CPU32は、まずガード値αthが、ベース補正要求値α0よりも小さいか否かを判定する(S60)。そしてCPU32は、ベース補正要求値α0よりも小さいと判定する場合(S60:YES)、正常燃焼カウンタCnが閾値Cnth以上であるか否かを判定する(S62)。S60,S62の処理は、ガード値αthを増加させる条件が成立したか否かを判定するためのものである。そしてCPU32は、閾値Cth以上であると判定する場合(S62:YES)、ガード値αthを、所定量Δ2だけ増加させる(S64)。
次に、CPU32は、ガード値αthが、ベース補正要求値α0よりも大きいか否かを判定する(S66)。そしてCPU32は、ベース補正要求値α0よりも大きいと判定する場合(S66:YES)、ガード値αthに、ベース補正要求値α0を代入する(S68)。CPU32は、S68の処理が完了する場合や、S66において否定判定する場合には、燃焼カウンタCnを初期化する(S70)。
なお、CPU32は、S70の処理が完了する場合や、S60,S62において否定判定する場合には、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
図8に、気筒間変動カウンタCan、サイクル間変動カウンタCac、正常燃焼カウンタCn、および噴射量補正要求値αの推移を示す。
図8に示すように、時刻t1にディザ制御が開始されると、噴射量補正要求値αがベース補正要求値α0に向けて変化する。ここでは、ベース補正要求値α0が大きいために、噴射量補正要求値αの変化を制限する徐変処理によって、噴射量補正要求値αが上限変化量Δmaxずつ段階的に増加している例を示している。なお、図8には、噴射量補正要求値αがベース補正要求値α0に到達する時刻t2まで気筒間回転変動もサイクル間回転変動も検知されない例を示している。
図8には、説明を簡素化するために、時刻t3以降、気筒間回転変動のみが検知される例を示した。これは、気筒#1〜#4のうち特定の1つの気筒においてのみ燃焼サイクル毎に燃焼が不安定となっている場合に起こりうる。ただし実際には、単一の気筒において連続的に失火等に起因した回転変動が生じる場合、何らかのフェールセーフ処理が入りうる。しかし、図8に示した例では、説明の便宜上、フェールセーフ処理等が入らないこととした。
図8に示すように、気筒間回転変動が生じるたびに、正常燃焼カウンタCnは初期化される。一方、時刻t4,t5,t6において例示するように、気筒間変動カウンタCanが閾値Canth以上となると、ガード値αthが所定量Δ1だけ減少補正され、気筒間変動カウンタCanが初期化される。なお、所定量Δ1は上限変化量Δmaxよりも小さい値に設定されている。また、時刻t5においては、気筒間変動カウンタCanが閾値Canthよりも大きい値となっていたのが初期化されている。これは、図6に示す処理の周期が時間周期であることに起因して生じた現象である。
図8には、時刻t7にベース補正要求値α0が減少し、これにより、気筒間回転変動が解消される例を示している。この場合、正常燃焼カウンタCnが増加するものの、時刻t8以前には、ベース補正要求値α0と噴射量補正要求値αとが一致するため、ガード値αthが増加されない。しかし、時刻t8においてベース補正要求値α0が増加すると、噴射量補正要求値α(この場合は、ガード値αth)がベース補正要求値α0よりも小さいため、ガード値αthが所定量Δ2だけ増加補正され、正常燃焼カウンタCnが初期化される。その後、正常燃焼カウンタCnが再度、閾値Cnth以上となることにより、ガード値αthが再度所定量Δ2だけ増加される。
このように、本実施形態では、ディザ制御の実行中に燃焼が不安定化すると、噴射量補正要求値αを段階的に減少させることにより、燃焼状態の改善を図りつつも、ディザ制御によって三元触媒22の昇温処理を継続する。これにより、三元触媒22の温度を早期に上昇させることと、燃焼の安定化との好適な両立を図ることができる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(1)燃焼が不安定化する都度、噴射量補正要求値αを段階的に減少させた。これにより、1度のみ減少させる場合と比較すると、1度の減少量(所定量Δ1)を小さく設定しやすい。このため、燃焼の安定化を図りつつもリーン化度合いおよびリッチ化度合いが過度に減少補正されることを抑制できる。
(2)正常燃焼カウンタCnが閾値Cnth以上となることを条件に、ガード値αthを増加させた。これにより、増加させない場合と比較して、燃焼の安定化を図りつつも、三元触媒22の温度の上昇速度を高くすることができる。
(3)正常燃焼カウンタCnに基づき、ガード値αthを段階的に増加させた。これにより、1度のみ増加させる場合と比較すると、燃焼の安定化を図りつつもリーン化度合いおよびリッチ化度合いを極力大きくすることができる。
(4)ベース補正要求値α0を内燃機関10の運転状態に応じて可変設定し、ベース補正要求値α0にガード値αthによるガード処理を施した。このように、ベース補正要求値α0を内燃機関10の運転状態に応じて可変設定することにより、可変設定しない場合と比較して、各運転状態において、三元触媒22の温度を早期に上昇させる上で、リーン燃焼気筒のリーン化度合いおよびリッチ燃焼気筒のリッチ化度合いとして適切な値をきめ細かく設定することができる。
(5)正常燃焼カウンタCnに基づきガード値αthを増加させるときのガード値αthの増加量(所定量Δ1)を、噴射量補正要求値αの変化速度を制限するための上限変化量Δmaxよりも小さくした。これにより、正常燃焼カウンタCnに基づき噴射量補正要求値αを増加させることによって燃焼が再度不安定となることを抑制することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、リーン化度合いおよびリッチ化度合いの減少速度を、燃焼状態に応じて可変設定する。
図9に、上記ガード値αthの減少処理の手順を示す。図9に示す処理は、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が所定の時間周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、図9において、図6に示した処理に対応する処理については、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
図9に示す一連の処理において、CPU32は、S50において肯定判定する場合、ガード値αthを、気筒間変動カウンタCanおよびサイクル間変動カウンタCacのうちの大きい方の値に応じて可変設定される所定量Δ1に応じて減少補正する(S52a)。ここで、CPU32は、気筒間変動カウンタCanおよびサイクル間変動カウンタCacのうちの大きい方の値が大きい場合に小さい場合よりも、所定量Δ1を大きい値とする。そしてCPU32は、S52aの処理が完了する場合、S54の処理に移行する。
なおCPU32は、S56の処理が完了する場合や、S54において否定判定する場合に加えて、S50において否定判定する場合にも、S58の処理に移行する。これにより、S52aの処理が実行されるときにおける気筒間変動カウンタCanおよびサイクル間変動カウンタCacは、図9の一連の処理の制御周期内における、気筒間回転変動やサイクル間回転変動の頻度を示す。
本実施形態によれば、ガード値αthの減少速度を上記のように可変設定することにより、燃焼の安定度の低さに応じて、リーン化度合いおよびリッチ化度合いを減少させることができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第2の実施形態との相違点を中心に、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、リーン化度合いおよびリッチ化度合いの増加速度についても、燃焼状態に応じて可変設定する。
図10に、気筒間変動カウンタCanや、サイクル間変動カウンタCac等の各種カウンタの更新処理の手順を示す。図10に示す処理は、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が、たとえば180°CA周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、図10において、図4に示した処理に対応する処理については、同一のステップ番号を付与してその説明を省略する。
図10に示す一連の処理において、CPU32は、S30において肯定判定する場合、気筒間変動カウンタCanをインクリメントするものの、正常燃焼カウンタCnを初期化しない(S32a)。また、CPU32は、S34において肯定判定する場合、サイクル間変動カウンタCacをインクリメントするものの、正常燃焼カウンタCnを初期化しない(S36a)。こうした変更は、正常燃焼カウンタCnによって気筒間回転変動やサイクル間回転変動が検知されない頻度を定量化するためのものである。
図11に、ガード値αthの増加処理の手順を示す。図11に示す処理は、メモリ34に記憶されたプログラムをCPU32が所定の時間周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、図11において、図7に示した処理に対応する処理については、同一のステップ番号を付与してその説明を省略する。
図11に示す一連の処理において、CPU32は、S62において肯定判定する場合、正常燃焼カウンタCnによって可変設定した所定量Δ2によって、ガード値αthを増加補正する(S64a)。ここで、CPU32は、正常燃焼カウンタCnが大きい場合に小さい場合よりも、所定量Δ2を大きい値に設定する。なお、CPU32は、S68の処理が完了する場合や、S66において否定判定する場合に加えて、S60,S62において否定判定する場合においても、S70に移行する。これは、S64aの処理が実行される時点における正常燃焼カウンタCnを、図11の一連の処理の制御周期内における気筒間回転変動やサイクル間回転変動が検知されない頻度とするための設定である。
本実施形態によれば、ガード値αthの増加速度を上記のように可変設定することにより、燃焼の安定度の低さに応じて、リーン化度合いおよびリッチ化度合いを増加させることができる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。
[1]ディザ制御処理は、噴射量補正要求値αが「0」ではないときにおける、補正係数算出処理部M22,乗算処理部M24,補正係数算出処理部M26、ディザ補正処理部M28,M30、操作信号生成処理部M32の処理に対応する。減少処理は、S52,52aの処理に対応する。[2]減少処理は、S52,52aの処理に対応する。[3]減少量の可変設定は、S52aの処理によって実現されている。[4]所定期間は、時系列的に隣り合う燃焼行程の出現間隔に、換言すれば、180°CAの回転期間に対応する。すなわち、図4の処理は、180°CA毎になされており、その期間内に気筒間回転変動およびサイクル間回転変動が検知されない場合、正常燃焼カウンタCnがインクリメントされ、これに基づき、ガード値αthが所定量Δ2だけ増加補正されている。これは、180°CAの回転期間に気筒間回転変動およびサイクル間回転変動が検知されないことを条件に、ガード値αthを増加させることに対応する。増加処理は、S64,64aの処理に対応する。[5]増加処理は、S64,64aの処理に対応する。[6]増加量の可変設定は、S64aの処理によって実現されている。[7]要求値設定処理は、S16の処理に対応し、ガード処理は、S22〜S26の処理に対応する。なお、リーン燃焼気筒における空燃比と目標値との差の要求値は、「1−(α0/3)」に対応し、リッチ燃焼気筒における空燃比と目標値との差の要求値は、「1+α0」に対応する。ここで、それら差の要求値は、S16の処理においてベース補正要求値α0を設定する処理によって設定されると見なせる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。
「減少処理について」
減少処理としては、気筒間変動カウンタCanが閾値Canth以上となることと、サイクル間変動カウンタCacが閾値Cacth以上となることとの論理和が真となることを条件に、ガード値αthを減少させるものに限らない。たとえば、気筒間変動カウンタCanを用いることなくサイクル間変動カウンタCacが閾値Cacth以上となることを条件にガード値αthを減少させるものであってもよい。またたとえば、サイクル間変動カウンタCacを用いることなく、気筒間変動カウンタCanが閾値Canth以上となることを条件にガード値αthを減少させるものであってもよい。またたとえば、気筒間変動カウンタCanとサイクル間変動カウンタCacとを各別に備えることなく、気筒間回転変動とサイクル間回転変動との合計値が閾値以上となることを条件にガード値αthを減少させるものであってもよい。
減少処理としては、噴射量補正要求値αを段階的に減少させるものに限らない。たとえば、回転変動が所定以上となることにより、噴射量補正要求値αを、下限値αthLに減少させるものであってもよい。ただし、この場合、回転変動が所定以上とならないことを条件に、噴射量補正要求値αを段階的に増加させる処理を実行することが望ましい。
図9のS52aの処理では、気筒間変動カウンタCanとサイクル間変動カウンタCacとのうちの大きい方の値に応じて所定量Δ1を可変設定したがこれに限らない。たとえば、気筒間変動カウンタCanとサイクル間変動カウンタCacとの合計値に応じて所定量Δ1を可変設定してもよい。
「増加処理について」
増加処理としては、気筒間回転変動が検知されないことと、サイクル間回転変動が検知されないこととの論理積が真であることを条件にインクリメントされる正常燃焼カウンタCnが閾値Cnth以上となることを条件に、ガード値αthを増加させるものに限らない。たとえば、正常燃焼カウンタCnを、気筒間回転変動を参照せず、サイクル間回転変動が検知されないことを条件にインクリメントされるものとしてもよい。またたとえば、正常燃焼カウンタCnを、サイクル間回転変動を参照せず、気筒間回転変動が検知されないことを条件にインクリメントされるものとしてもよい。
増加処理としては、噴射量補正要求値αを段階的に増加させるものに限らない。たとえば、第3の実施形態において、ベース補正要求値α0に変化がない状態では、噴射量補正要求値αを1度だけ増加させるものであってもよい。
「ベース要求値について」
ベース補正要求値α0を、回転速度NE、負荷KLおよび水温THWに基づき可変設定することは必須ではない。たとえば、回転速度NE、負荷KLおよび水温THWの3つのパラメータのうちの2つのパラメータのみに基づいて可変設定してもよく、またたとえば、3つのパラメータのうちの1つのパラメータのみに基づいて可変設定してもよい。
ベース補正要求値α0を上記パラメータに基づき可変設定すること自体必須ではない。ベース補正要求値α0の上記パラメータによる可変設定処理を行わない場合、ベース補正要求値α0,噴射量補正要求値α、およびガード値αthを区別しなくてよい。すなわちたとえば、上記実施形態におけるガード値αthの減少処理を、噴射量補正要求値αの減少処理とするなどすればよい。
「ディザ制御の実行条件について」
ディザ制御の実行条件としては、上記実施形態において例示したものに限らず、たとえば、三元触媒の温度を検出するセンサを備え、センサの検出値が所定温度以上且つ規定温度以下であることを実行条件としてもよい。もっとも、これに限らず、制御を簡素化することなどを狙って、内燃機関10が冷間始動することを条件に内燃機関10の始動時からディザ制御を実行してもよい。
なお、ディザ制御の実行期間としては、三元触媒が全体に渡って活性温度となるまでの期間に限らない。たとえば、三元触媒が全体に渡って活性温度となった後であっても、硫黄被毒回復処理のためにディザ制御を実行してもよい。またたとえば三元触媒の活性温度よりも高い温度領域のうち硫黄の被毒量が増加しやすい温度領域に入る場合に、その温度領域よりも三元触媒の温度を高温とすべくディザ制御を実行してもよい。またたとえば、排気管への凝縮水の付着を抑制するために排気管を昇温する要求が生じることを実行条件としてもよい。これは、たとえば、外気温が判定値以下であることと、負荷が所定値以下であることとの論理積が真であることを実行条件とすることにより実現できる。またたとえば下記の「触媒について」の欄に記載したように触媒としてGPFを用いる場合において、GPFに詰まった微粒子状物質を除去する要求が生じることを実行条件としてもよい。これは、GPFの上流側の圧力と下流側の圧力との差が閾値以上であることを実行条件とすることにより実現できる。またたとえば、三元触媒の上流側の端部の温度が触媒活性温度に達している場合において、三元触媒の信頼性の低下を招くほどの過度の高温とならない限り、ディザ制御を常時実行してもよい。これらの実施例の場合、燃焼が不安化する場合にディザ制御を停止することは、必ずしも触媒の温度を早期に上昇させることの妨げとなるとは限らず、触媒の温度が低下する要因となる場合もある。そしてその場合、上記実施形態の要領でリーン化度合いやリッチ化度合いを変更することは、燃焼の安定性を確保しつつも触媒の温度の低下を抑制し昇温性能を確保することができるという技術的意義を有する。
「リーン燃焼気筒、リッチ燃焼気筒の数について」
上記実施形態では、リーン燃焼気筒の数をリッチ燃焼気筒の数よりも多くしたが、これに限らない。たとえば、リーン燃焼気筒の数とリッチ燃焼気筒の数とを同一としてもよい。なお、リーン燃焼気筒の数とリッチ燃焼気筒の数との合計が、内燃機関10の気筒数に一致することも必須ではなく、たとえば、特定の気筒を、その燃焼室14における空燃比を理論空燃比とすることにより、リーン燃焼気筒およびリッチ燃焼気筒のいずれでもない気筒としてもよい。ちなみに、下記の「内燃機関について」に記載したように、排気の浄化対象が異なる複数の触媒を備える場合にも、1つの触媒が排気を浄化対象とするリーン燃焼気筒の数とリッチ燃焼気筒の数との合計が内燃機関の気筒数よりも少なくなる。
「ディザ制御について」
ディザ制御処理としては、噴射量の補正量を設定するものに限らない。たとえば、ベース噴射量算出処理部M10を、リッチ燃焼気筒とリーン燃焼気筒とで各別に備えることとしてもよい。この場合、リッチ燃焼気筒用のベース噴射量算出処理部M10は、リッチな目標空燃比とするための開ループ操作量としてのベース噴射量Qbを算出し、リーン燃焼気筒用のベース噴射量算出処理部M10は、リーンな目標空燃比とするための開ループ操作量としてのベース噴射量Qbを算出する。なお、この際、各気筒の燃焼室14内の混合気の空燃比の平均値が目標値Af*となるようにしてもよい。この場合、全気筒の正味の排気成分は、排気空燃比の平均値を目標値とした場合の排気成分からずれうるが、これは空燃比フィードバック制御によって補償すればよい。
ちなみに、対象排気の上記排気空燃比は、仮想混合気を用いて定義される。すなわち、仮想混合気を、新気および燃料のみからなって且つ燃焼させた場合に生成される排気の未燃燃料濃度(たとえばHC)、不完全燃焼成分濃度(たとえばCO)および酸素濃度が対象排気の未燃燃料濃度、不完全燃焼成分濃度および酸素濃度と同一となる混合気と定義し、排気空燃比を、仮想混合気の空燃比と定義する。ただし、ここで仮想混合気の燃焼には、未燃燃料濃度および不完全燃焼成分濃度と酸素濃度との少なくとも一方がゼロまたはゼロと見なせる値となる燃焼に限らず、未燃燃料濃度および不完全燃焼成分濃度と酸素濃度との双方がゼロよりも大きい状態となる燃焼も含まれることとする。また、複数の気筒の排気空燃比の平均値とは、複数の気筒から排出される排気全体を対象排気とした場合の排気空燃比のこととする。ちなみに、上記実施形態では、全気筒の排気空燃比の平均値を目標値に制御している。
「目標値について」
上記実施形態では、内燃機関の空燃比の平均値の目標値を理論空燃比としたが、これに限らない。たとえば、「触媒について」の欄に記載したように触媒として三元触媒を備えたGPFを用いる場合、理論空燃比よりもリーンとしてもよい。なお、この場合、リーン燃焼気筒の空燃比を、理論空燃比および目標値の双方よりもリーンとし、リッチ燃焼気筒の空燃比を、理論空燃比および目標値の双方よりもリッチとする。
「触媒について」
触媒としては、三元触媒22に限らない。たとえば、三元触媒を備えたガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)であってもよい。要は、昇温要求が生じうるものであって、リーン燃焼気筒の酸素によってリッチ燃焼気筒の未燃燃料成分や不完全燃焼成分を酸化させる際の酸化熱を利用して昇温が可能であるものであればよい。
「制御装置について」
制御装置としては、CPU32とメモリ34とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するメモリとを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラムを記憶するメモリと、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびメモリの組や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
「内燃機関について」
内燃機関としては、4気筒の内燃機関に限らない。たとえば直列6気筒の内燃機関であってもよい。この場合、時系列的に隣り合う燃焼行程の出現周期が120°CAであることに鑑み、図4の処理の周期を、たとえば120°CAとすればよい。またたとえば、V型の内燃機関等、第1の触媒と第2の触媒とを備え、それぞれによって排気が浄化される気筒が異なるものであってもよい。
「そのほか」
燃料噴射弁としては、燃焼室14に燃料を噴射するものに限らず、たとえば吸気通路12に燃料を噴射するものであってもよい。ディザ制御の実行時に空燃比フィードバック制御をすることは必須ではない。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…燃焼室、16…燃料噴射弁、18…点火装置、20…排気通路、22…三元触媒、30…制御装置、32…CPU、34…メモリ、40…空燃比センサ、42…回転速度センサ、44…エアフローメータ、46…水温センサ。

Claims (5)

  1. 複数の気筒から排出された排気を浄化対象とする触媒を備えた内燃機関を制御対象とし、
    前記触媒の昇温要求が生じた場合、前記複数の気筒のうちの一部の気筒であるリーン燃焼気筒における空燃比を前記複数の気筒における空燃比の平均値に対する目標値よりもリーンに制御し、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒であるリッチ燃焼気筒における空燃比を前記目標値よりもリッチに制御するように前記各気筒に対応する燃料噴射弁を操作するディザ制御処理と、
    前記ディザ制御処理がなされているときのクランク軸の回転変動が所定以上となることを条件に、前記リーン燃焼気筒の空燃比を前記目標値よりもリーンとし前記リッチ燃焼気筒の空燃比を前記目標値よりもリッチとし前記複数の気筒における空燃比の平均値を前記目標値に維持しつつ、前記リーン燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差を減少させる減少処理と
    前記減少処理が実行された後、所定期間内に前記所定以上の前記回転変動が検知されないことを条件に、前記複数の気筒における空燃比の平均値を前記目標値に維持しつつ、前記リーン燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差を増加させる増加処理と、
    前記リーン燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒における空燃比と前記目標値との差、の要求値のベース値であるベース要求値を前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定する要求値設定処理と、
    前記ベース要求値を入力とし、前記要求値がガード値以下となるように制限するガード処理と、を実行し、
    前記ディザ制御処理は、前記リーン燃焼気筒の空燃比と前記目標値との差、および前記リッチ燃焼気筒の空燃比と前記目標値との差を、前記要求値に制御するものであり、
    前記減少処理は、前記ガード値を減少させるものであり、
    前記増加処理は、前記ガード値を前記ベース要求値に向けて増加させるものである内燃機関の制御装置。
  2. 前記減少処理を実行した後、前記回転変動が所定以上となることを条件に、前記減少処理を再度実行する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記減少処理は、前記回転変動が所定以上となることを条件に前記差を減少させるときの前記差の減少量を、前記回転変動が所定以上となる頻度が高い場合に低い場合よりも大きくする処理である請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記増加処理を実行した後、前記所定期間内に前記所定以上の前記回転変動が検知されないことを条件に、前記増加処理を再度実行する請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記増加処理は、前記所定期間内に前記所定以上の前記回転変動が検知されないことを条件に前記差を増加させるときの前記差の増加量を、前記回転変動が所定以上となる頻度が低い場合に高い場合よりも大きくする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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