JP7158513B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

この発明は吸収性物品に関し、より詳しくは、軽失禁パッド、パンティライナ、生理用ナプキン、おりもの吸収用パッド、尿吸収パッド、大人用及び子供用の使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
従来、吸収性コアと非肌側シートとの間に有色の消臭シートを配置してある使い捨ての生理用ナプキンは公知である。例えば、特許文献1には、粒状の活性炭を消臭剤として用いた消臭剤含有シートと、このシートの表裏面を被覆する2枚の被覆シートとで消臭シートを形成することが開示されている。
特開2016-120192号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている発明では、消臭シートが、吸収性コアと非肌側シートとに間に配置されているため、肌対向面からナプキンを視たとき、消臭シートの色をほとんど視認することができず、消臭シートの色を有効活用できていない。
また、近年、生理用ナプキン等の吸収性物品に対して安心して使用できる寒天の開発が望まれている。
そこで、本発明は、吸収性物品に使用する化学物質を可及的に減少させることができ、使用している色を有効活用した吸収性物品を提供することを課題とする。
本発明は、肌対向面側に位置する透液性の表面シートと、非肌対向面側に位置する不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを含む吸収性物品に関する。
前記吸収性物品において、前記吸収体は、吸液性コアと、前記吸液性コアの前記肌対向面側及び前記非肌対向面側を被覆するコアカバーシートとを有するとともに、前記吸収体がリグニン成分を有する未漂白パルプ繊維を含み、前記コアカバーシートを2枚の繊維不織布シートで構成し、肌対向面に位置する前記コアカバーシートに、漂白パルプ繊維と前記未漂白パルプ繊維とを含むシートを用い、非肌対向面に位置するコアカバーシートに、前記漂白パルプ繊維のみを含むシートを用いていて、前記表面シートを介して前記吸収体を視たとき、前記経血非吸収領域のLab表色系におけるa値が、0.5≦前記a値≦10.0、b値が7≦前記b値≦15であって、前記表面シートを介して前記吸液性コアに標準経血を滴下したとき、前記肌対向面側から視た経血吸収領域と経血非吸収領域とにおいて、Lab表色系における前記a値の差が50以下であり、前記b値の差が20以下であることを特徴とする。
吸収性物品において、前記表面シートを介して前記吸液性コアに標準経血を滴下したとき、前記肌対向面側から視た経血吸収領域と経血非吸収領域とにおいて、Lab表色系における前記a値の差が50以下であり、前記b値の差が20以下である。このため、a値及びb値における両者の差を小さくして、使用後の吸収性物品を、使用者又は介護者が視たときの嫌悪感を抑えることができる。
吸収性物品において、前記コアカバーシートは、前記吸液性コアの少なくとも前記肌対向面側を被覆する第1被覆部を有し、前記第1被覆部と前記表面シートとが接着剤を介して互いに接合され、前記コアカバーシートのリグニン成分の含有率が、前記吸液性コアのリグニン成分の含有率よりも高く、厚さ方向において、前記表面シートから前記吸液性コアの一部まで連続して延びる複数の凹状部を有する。このため、経血及び尿等の排泄物を凹状部に滞留させることができるとともに、表面シート及びコアカバーシートを介して間接的に、経血に接する吸液性コアの表面積を大きくすることができ、表裏面シートを介して吸液性コアに速やかに排泄物を吸収、保持することができる。
吸収性物品において、前記凹状部は、有底であって、前記表面シート、前記コアカバーシート及び前記吸液性コアの一部が圧縮され、前記凹状部の底部は、前記凹状部の周辺領域に比べて密度が高くなっている。このため、凹状部に溜まった排泄物を速やかに吸液性コアに引き込んで、排泄物を吸収、保持することができる。
本願第1発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。該実施の形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
(1)吸収性物品において、前記凹状部は、前記表面シートと前記吸収体とを前記厚さ方向へ貫通する貫通孔である。このため、凹状部の底部には、不透液性の裏面シートが位置するから、凹状部に溜まった排泄物が吸収体の非肌対向面側に漏れ出ることがなく、凹状部の周面部から吸液性コアに排泄物を吸収・保持することができる。
(2)前記コアカバーシートのリグニン成分の含有率が、0.2~10%である。
(3)前記コアカバーシートのクレープ率が7~20%であって、地合い指数が50-300である。
(4)前記コアカバーシートは、木材又は非木材のパルプ繊維である。
(5)前記吸液性コアが、臭気の吸着性能を有する粒子を含む。
(6)前記表面シートは、コットン繊維を含む。
(7)前記コアカバーシートのクレム吸水度が前記表面シートのクレム吸水度よりも高い。
(8)前記表面シートは、複層構造を有し、肌対向面側に位置する層が主としてコットン繊維から構成されている。
(9)前記コットン繊維が、オーガニックコットンである。
本発明に係る使い捨て吸収性物品によれば、吸収体が、吸液性コアと、吸液性コアの少なくとも肌対向面側を被覆するコアカバーシートとを有するとともに、吸収体を構成する資材がリグニン成分を含む。このため、吸収体に未漂白パルプ繊維を使用し、化学物質の使用を減少させた吸収性物品を提供することができる。しかも、表面シートを介して吸収体を視たとき、Lab表色系におけるL値、a値、およびb値が、0.5≦a値≦50.0、7≦b値≦15、70≦L値≦90のいずれの条件も満たす。構成する資材がリグニン成分を含むと、このリグニン成分によって吸収体の色が薄茶色となる。薄茶色をした吸収体を有する吸収性物品に、経血又は尿等の排泄物が排泄され、吸収体が排泄物を吸収・保持したとき、経血の赤色又は尿の黄色が抑制される。そのため、使用後の吸収性物品を、使用者又は介護者が視たときの嫌悪感を抑えることができる。よって、吸収体に使用している色を有効活用した吸収性物品を提供することができる。
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本発明の吸収性物品の一例として示す、第1実施形態に係る生理用ナプキンを表面側から見た平面図。 吸収体を裏面側から見た平面図。 図1のIII-III線断面図。 吸収体の平面図。 図4のV線で囲んだ領域の一部拡大図。 図3の一点鎖VI-VI線で囲んだ領域の一部拡大図。 第2実施形態に係る生理用ナプキンの平面図。 (a)第2実施形態に係る吸収体の図3と同様の断面図。(b)第2実施形態に係る吸収体の変形例の一例における、図8(a)と同様の断面図。 第3実施形態に係る吸収性物品の平面図。
下記の実施の形態は、添付の図面に示す吸収性物品に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。
<第1実施形態>
以下、添付の図面を参照して、この発明に係る吸収性物品の一例である生理用ナプキン10の実施形態を説明する。生理用ナプキン10は、互いに交差(直交)する縦方向Yと、横方向Xと、厚さ方向Zとを有する。
図1~3を参照すると、生理用ナプキン10は、その幅方向における寸法を2等分する縦中心線P及びその長さ寸法における寸法を2等分する横中心線Qとを有し、肌対向面(内面)側及びその反対側の非肌対向面(外面)側と、凸曲状の第1及び第2端縁10a,10bと、横中心線Qの位置する中央部において凸曲する第1及び第2側縁10c,10dと、肌対向面側に位置する透液性の表面シート11と、非肌対向面側に位置する不透液性の裏面シート12と、これら両シート11,12間に位置する吸液性の吸収体20とを含む。表面シート11と吸収体20とは、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって互いに接合され、吸液層13が形成される。
なお、図示していないが生理用ナプキン10の柔軟性を向上させるために、表面シート11と吸収体20との間に比較的に嵩高の繊維不織布製の中間シートを配置してもよい。また、吸収体20と裏面シート12との間において、体液の漏れを抑制するために、好ましくは通気性を有する、不透液性の繊維不織布又はプラスチックフィルムからなる防漏シートを配置してもよい。
吸収体20は、第1端縁10aと対向する第1端縁20aと第2端縁10bと対向する第2端縁20bと、第1及び第2端縁20a,20b間において縦方向へ延びる第1及び第2側縁20c,20dとを有する。表裏面シート11,12は、吸収体20の外周から外方へ延出している。表面シート11の肌対向面側には、横方向において互いに対向するように縦方向Yへ延びる一対のサイドシート14が配置される。一対のサイドシート14は、表面シート11に公知の接着手段又は溶着手段からなるサイド接合部(図示せず)を介して接合される。図示していないが、サイドシート14には、着用状態において身体側へ起立する防漏壁を形成するために、縦方向Yへ延びる弾性材料を伸長状態で収縮可能に配置してもよい。また、サイドシート14を固定するためのサイド接合部は、花柄や幾何学模様等の意匠要素を有する、縦方向Yへ延びるシールラインであってもよい。
生理用ナプキン10は、表面シート11、裏面シート12及びサイドシート14から形成された、吸収体20の第1及び第2端縁20a,20bの縦方向Yの外側において横方向Xへ延びる両端部16と、吸収体20の第1及び第2側縁20c,20dの横方向Xの外側において縦方向Yへ延びる両側縁部17とを有する。生理用ナプキン10の縦方向Yの中央部分には、横方向Xの外側へ凸となる、両側縁部17の一部によって形成されたウイング部18が位置する。また、互いに積層されたシート11,12,14は、ナプキン10の外周縁に沿って位置する外周シール部19を介して互いに接合されている。
図2を参照すると、生理用ナプキン10の裏面側には、複数の止着域30を配置してある。止着域30は、生理用ナプキン10を下着等の被服に止着するためのものであって、縦方向Yへ延びる複数のライン状に塗布された粘着剤や感圧性接着剤から形成される。止着域30は、吸収体20と重なる領域において縦方向Yへ延びる中央域31と、ウイング部18に位置するサイド域32と有する。止着域30は、プラスチックフィルム製のセパレータ(図示せず)によって被覆される。
表面シート11には、透液性を有する各種の繊維不織布、例えば、質量約15~45g/mのエアスルー繊維不織布、多孔プラスチックフィルム、それらのラミネートシート等から形成することができる。また、裏面シート12は、不透液性及び透湿性のプラスチックフィルム、不透液性の繊維不織布、それらのラミネートシート等から形成することができる。サイドシート14には、表面シート11と同様のシート材を用いることができる。但し、体液の横漏れを効果的に防止するには、疎水性もしくは撥水性を有するシート材を用いることが好ましい。
表面シート11として、表面側が凹凸状を有するシートを使用することもできる。かかるシートの表面は、縦方向Y又は横方向Xに交互に配置された複数条の凹部と複数条の凸部とから形成されており、かかる複数条の凸部と凹部とを形成する方法としては、たとえば、繊維量をコントロールして嵩低部分と嵩高部分とを形成する方法、エンボス/デボス加工によって凹部を形成する方法、凹凸状に賦形する方法等が考えられる。凸部と凹部とは、互いに繊維密度が異なるように、一方が疎であって他方が密となるように繊維が配置されている。繊維が疎に配置された部分(第1部分)と後記のコアカバーシート22の高リグニン域52とが接合されることによって接合強度がより高くなる一方、繊維が密に配置された部分(第2部分)と低リグニン域51とが接合されることによって、吸液性をより高くすることができる。
また、比較的短時間に繰り返して経血が排泄された場合であっても、凹部に経血を一時的に溜めることで、表面シート11の表面及び表面シート11とコアカバーシート22との間から経血が横漏れするのを抑制することができる。また、表面シート11の凹部の一部は、圧搾条溝を形成する圧搾部やエンボス加工によって形成された圧縮凹部等によって実質的に(連続的又は非連続的に)囲まれていることが好ましい。かかる場合には、凹部に溜まった体液が横方向X及び縦方向Yへ漏れ出るのを抑制することができる。加えて、表面シートの表面が凹凸状の場合には、表面視において、薄茶色のコアカバーシート22が凹部において凸部に比べて濃く視認されることから、色のグラデーションによる装飾的効果を生じる。
外周シール部19は、接着剤による接合、超音波溶着、熱溶着、レーザー溶着、高周波溶着等の公知の溶着手段による接合、及びエンボス加工による接合を、単独又は組み合わせて行うことができる。また、厚さ方向Zにおいて積層されたシート11,12,14は、ホットメルト接着剤等の接着剤を介して互いに接合される。ホットメルト接着剤の塗工方法としては、スパイラル塗工、コーター塗工、カーテンコーター塗工、スプレー塗工などの各種公知の塗工方法が挙げられる。
図3,4を参照すると、吸収体20は、超吸収性ポリマー粒子(SAP)とフラッフ木材パルプ、レーヨン繊維等のセルロース系繊維とを混合して所定の形状に賦型した吸液性コア21と、その保形性及び液拡散性の向上のために吸液性コア21全体を包被する透液性のコアカバーシート22とを有する。
コアカバーシート22は、縦方向Yの寸法が吸液性コア21の縦方向Yの寸法よりも大きく、その両側縁部22a,22bは、吸液性コア21の全体を包被するように、吸液性コア21の横方向Xの中央部分における底面側において互いに重なるように位置する。両側縁部22a,22bが互いに折り重ねられることによって、吸収体20の横方向Xの中央部分には、縦方向Yへ延びる両側縁部22a,22bどうしが互いに積層されてなる重畳部分23が形成される。
コアカバーシート22は、吸液性コア21の肌対向面側を被覆する第1被覆部25と、吸液性コア21の非肌対向面側を被覆する第2被覆部26とを有する。本実施形態において、コアカバーシート22は1枚の連続するシートから形成されているが、第1被覆部25を形成する第1コアカバーシートと、第1コアカバーシートとは別体であって、第2被覆部26を形成する第2コアカバーシートとから構成されていてもよい。
図5を参照すると、コアカバーシート22は、各種公知の繊維不織布又はティッシュから形成されており、主としてパルプ繊維40から構成されている。コアカバーシート22のパルプ繊維40は、脱リグニン処理がなされた漂白パルプ繊維41と、脱リグニン処理がなされていない未漂白パルプ繊維42とを有する。ここで、パルプ繊維40は、針葉樹又は広葉樹を原料として得られる木材パルプ繊維のほかに、リンター、マニラ麻、ケナフ、藁、竹、バナナを原材料とする非木材パルプ繊維を含む。
また、コアカバーシート22は、例えば、レーヨン繊維等の再生セルロース繊維、半合成セルロース繊維等の親水性繊維から構成された第1層(上層又は下層)と、脱リグニン処理がなされていない未漂白パルプ繊維42からなる第2層(下層又は上層)とからなる複層構造を有していてもよい。かかる場合には、後記のとおり、第2層が低リグニン域51と高リグニン域52とからなる海島構造を有する場合であっても、第1層において体液を十分に拡散することができるので、コアカバーシート22全体における体液の拡散のムラを抑制することができる。それによって、複数回に渡って体液を吸収した後であっても、表面シート11との接合性の低下を抑制することができとともに、好適な吸液性を維持することができる。
パルプ繊維40は、一般的に、原料チップ処理工程を経た後に、原料チップに薬品を加えて高温・高圧下で煮沸してリグニンを蒸解する蒸解工程(脱リグニン処理の第1段階)、パルプ中の異物を除去するスクリーン工程、蒸解工程において残存したリグニンを酸素で分解する酸素晒し工程(脱リグニン処理の第2段階)、複数種類の薬品を使用してパルプを漂白する漂白工程を経ることによって、漂白された漂白パルプ繊維41となる。未漂白パルプ繊維42は、これらの各工程のうち、脱リグニン処理の第1段階である蒸解工程とスクリーン工程のみを経たものであって、一定程度の脱リグニン処理を施されたものである。本発明に係る未漂白パルプ繊維42のリグニン含有率は、0.2~10.0%である。
未漂白パルプ繊維42のリグニン含有率は、以下の方法によって測定した。
<リグニン含有率の測定方法>
ADFの定量
試薬: 酸性デタージェント溶液 <セチルトリメチルアンモニウムブロミド(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)10gを500mLの1N硫酸に溶かしたもの>
アセトン
消泡剤としてデカヒドロナフタレン(オプション)
<測定手順>
サンプル300gを秤量し、50mL三角フラスコに入れ、酸性データジェンと溶液を30mL加えた。アルミホイルで蓋をして、沸騰水中に三角フラスコを入れて、60分間分解した。分解後、ガラス繊維濾紙(GA-200)を敷いたグーチルツボに移して吸引濾過し、残査を熱水とアセトンで洗滌した。風乾した後、熱乾燥した。なお、乾燥後恒量し、灰分を差し引いたものの重さがADFであるが、リグニン定量後の灰分をこれに用いることはできない。

リグニン定量
試薬: 72%硫酸
<測定手順>
上記で乾燥させたグーチルツボに72%硫酸を数滴垂らして全体を湿らせた後、ADF量の約2倍の硫酸を加え、一時間毎に硫酸を適宜加えながら3-4時間放置した。その後吸引濾過し、熱水で炉液が酸性を示さなくなるまで洗滌した。風乾した後、熱乾燥して恒量する。グーチルツボを550℃で灰化し、灰分を求めた。
コアカバーシート22の第1被覆部25は、比較的にリグニン成分の含有率が低い低リグニン域(リグニン低含有域)51と、低リグニン域51よりもリグニン成分の含有率が高い高リグニン域(リグニン高含有域)52とを有する。低リグニン域51は、主として漂白パルプ繊維41が集合して形成されており、高リグニン域52は、主として未漂白パルプ繊維42が集合して形成されている。コアカバーシート22の第1被覆部25の平面視において、低リグニン域51は、比較的にコアカバーシート22の外表面の広い範囲に位置する周辺域であるのに対して、高リグニン域52は、低リグニン域51に対して散在するように配置されている。また、かかる配置態様を有することから、コアカバーシート22全体又は少なくとも第1被覆部25は、低リグニン域51を海、高リグニン域52を島とする海島構造を有するともいえる。
コアカバーシート22は、複数の高リグニン域52を有することから、全体的に木材等の植物原料由来の薄茶色を有する。コアカバーシート22以外の他のシート11,12,14は、構成繊維に二酸化チタン等の白色顔料を練り込まれることによって全体的に白色を有することから、コアカバーシート22は、生理用ナプキン10の表面視及び/又は裏面視において、他のシート11,12,14から透過して容易に視認される。
本実施形態に係るコアカバーシート22は、その抄紙工程において、漂白パルプ繊維41と未漂白パルプ繊維42との混合物を絡合させてシート状に形成したものであって、低リグニン域51は主として漂白パルプ繊維41、高リグニン域52は主として未漂白パルプ繊維42が配置されてなるものであるから、両域51,52の境界は不明瞭なものであって、明確に区分できるものではない。また、このように、コアカバーシート22の外表面全体において、低リグニン域51内に高リグニン域52を散在的に形成する方法としては、例えば、各パルプ繊維41,42の混合方法、混合率、製造時の搬送コンベアの搬送速度、コンベア上に複数のノズルから噴射される空気を介してパルプ繊維40を堆積させる際のノズル径、吹付空気の風量、風速等を適宜調整することが考えられる。
製造工程における諸条件を調整することによって、両域51,52を形成するものであるから、低リグニン域51の一部に未漂白パルプ繊維42、高リグニン域52に漂白パルプ繊維41がそれぞれ含まれることもあるといえる。したがって、低リグニン域51と高リグニン域52とは、それぞれ、漂白パルプ繊維41、未漂白パルプ繊維42のみから形成されるものではなく、また、パルプ繊維以外の他の繊維を含むこともあり、例えば低リグニン域51におけるパルプ繊維中の漂白パルプ繊維41の含有率は50~100%、高リグニン域52のパルプ繊維中の未漂白パルプ繊維42の含有率は50~100%である。
高リグニン域52は、コアカバーシート22における周辺域である低リグニン域51よりもリグニン成分の含有量が高い領域を意味することから、漂白パルプ繊維41と未漂白パルプ繊維42とを混在したシートを用いなくても形成することができる。例えば、レーヨン繊維や合成繊維からなる繊維不織布シートにリグニン成分の含有液を散点的に滲入させることによって、周辺域よりもリグニン成分の含有量の高い高リグニン域52を形成することができる。
コアカバーシート22は、主として未漂白パルプ繊維42からなる複数の高リグニン域52を有することから、未漂白パルプ繊維のみからなるコアカバーシートを使用する場合に比べて、表面視において、植物原料由来の薄茶色(ウッド色)を有し、着用者又は着用補助者に対して、天然材料を使用した肌に優しい製品であるとのイメージを与えることができる。また、コアカバーシート22が薄茶色を有することから、排泄された経血が表面シート11を透過して、吸収体20に吸収、保持されたときに、経血の赤味が抑制される。それによって、経血を直接的に視認することによる嫌悪感を抑えるとともに、例えば、月経初期の着用者等に対して、経血の赤味を視認することによる精神的な不安を和らげることができる。加えて、リグニン成分は抗菌作用を有することから、使用後の雑菌の繁殖を抑えて衛生的に廃棄処理することができる。
コアカバーシート22が、かかるナチュナルな外観、経血の赤味の抑制及び一定の抗菌作用を発揮するためには、コアカバーシート22のリグニン成分の含有率は、0.2~10%であることが好ましい。コアカバーシート22のリグニン成分の含有率が0.2%未満の場合には、コアカバーシート22の薄茶色の色味が白色を有する他のシート11,12,14と視覚上区別できない程度に薄くなるおそれがある。一方、コアカバーシート22のリグニン成分の含有率が10%を超える場合には、リグニン成分による色味が濃くなって、天然材料によるナチュラルな外観を損ねるおそれがあるとともに、経血の赤味が視認され難くなって経血量を正確に把握することができなくなるおそれがある。
通常、コアカバーシートは、吸液性コアの保形のほかに、表面シートを透過した体液を吸収、拡散しながら吸液性コアに移行させる役割を有するものであるから、親水性のシートが好適に使用されている。高リグニン域52の未漂白パルプ繊維42は、リグニン成分を多く含むことによって親水度合いが低く、比較的に疎水性といえることから、例えば、第1被覆部25全体が高リグニン域52から形成されている場合には、表面シート11を透過した経血が高リグニン域52で吸収、保持することができずに、速やかに経血を吸液性コア21に移行させることができない。
図6を参照すると、コアカバーシート22の第1被覆部25は、低リグニン域51とその周辺に散在する複数の高リグニン域52とを有することから、断面視において、それらの両域51,52が横方向Xに交互に現われている。高リグニン域52は、低リグニン域51内に散在して配置されていることから、横方向Xのみならず、縦方向Yにおいても低リグニン域51と高リグニン域52とは交互に配置されているといえる。
このように、第1被覆部25の断面視において、低リグニン域51と高リグニン域52が横方向X及び縦方向Yへ交互に位置することによって、表面シート11を透過した経血を親水性の低リグニン域51において引き込むようにして速やかに吸液性コア21に移行して、吸収、保持させることができ、所要の吸収速度を有する。
また、親水性の低リグニン域51では、経血を吸収して漂白パルプ繊維が膨潤することによって、表面シート11とコアカバーシート22とのホットメルト接着剤を介した接合界面において接合部分が剥離して接合強度が低下するおそれがある。一方、高リグニン域52は、低リグニン域51よりも親水性が低く、疎水性であることから、経血を吸収して膨潤し難く、接合部分が剥離することはなく、コアカバーシート22と表面シート11との接合界面における接合強度が、低リグニン域51に比べて高くなる。
したがって、コアカバーシート22全体が低リグニン域51から形成される場合に比べて、コアカバーシート22と表面シート11との接合強度が高くなって、着用中における表面シート11の吸収体20からの剥離や浮き上がりを抑制することができる。また、両シート11,22の接合強度を上げるために接着剤量を増やす場合には、シート剛性が高くなって柔軟性及び透液性が低下するおそれがあるが、かかる不利益を生じることない。
加えて、吸液性コア21は、主としてSAP粒子と漂白処理したフラッフパルプを含み、オプションとしてセルロース系繊維を有することがあるが、未漂白パルプ繊維42を含むものではなく、コアカバーシート22に比してリグニン含有量が低くなっている。そのために、表面シート11を透過してコアカバーシート22に吸収、拡散された経血は、コアカバーシート22に比べて親水度合いの高い吸液性コア21に引き込まれるように速やかに移行されやすくなる。
このように、本実施形態においては、コアカバーシート22において低リグニン域51に散在するように複数の高リグニン域52が位置することによって、ナチュラルな外観を有するとともに、経血の隠蔽性や抗菌性に優れ、かつ、コアカバーシート22と表面シート11との適度な接合強度と吸液性とを有する。
また、吸液性コア21は、SAP粒子のみから形成されていてもよい。かかる場合には、吸収体20は、SAP粒子のみからなる吸液性コア21とそれを包被するコアカバーシート22とから構成される。かかる場合には、コアカバーシート22が低リグニン域51を有することによって液保持性が比較的に低い一方、吸液性コア21が高い吸液容量を有するSAP粒子のみから形成されていることによって、吸収体20全体として適度な吸液性を発揮することができる。
低リグニン域51と高リグニン域52とは、漂白パルプ繊維41と未漂白パルプ繊維42とによって形成されていることから、互いの境界ラインの形状が不明瞭であって、平面視においては、少なくとも直線状ではなく波状を有する。したがって、低リグニン域51と高リグニン域52との境界近傍の単位幅(例えば、1.0mm)当たりにおいて、低リグニン域51による所要の吸収面積を保持することができる。
再び、図3および図4を参照すると、吸収体20の横方向Xの中央部分には、コアカバーシート22の両側縁部22a,22bが互いに積層されてなる重畳部分23が位置している。重畳部分23はコアカバーシート22が折り重ねられている部分であるから、吸収体20の他の部分に比べて未漂白パルプ繊維による薄茶色がより濃く視認され、外観視において縦方向Yへ延びるラインとして意匠的なアクセントとなりうる。また、かかる縦方向Yへ延びるラインを吸収体20の中央部分を示す目印として捉えて、生理用ナプキン10を下着等に貼付するときの位置決めに利用することもできる。さらに、吸液性コア21が多量の経血を吸収してその両端縁から経血が滲出する場合であっても、その両端縁の縦方向Yの外側に疎水性の高リグニン域52を比較的に多く含んだ重畳部分23が位置することによって、経血が吸収体20の両側縁20a,20bから外側へ滲出するのを効果的に抑制することができる。
コアカバーシート22の地合い指数は、50~300であることが好ましい。コアカバーシート22の地合い指数が50未満であると、パルプ繊維が高密かつ均一に配置されることによって透液性が低下し、速やかに経血を吸液性コア21に移行させることができない。一方、地合い指数が300を超える場合には、極度に地合いの悪い部分が形成されて引張強度が低下し、使用中に一部が破断するおそれがある。
<地合い指数の測定方法>
コアカバーシート22の地合い指数は、野村商事株式会社製フォーメーションテスターFMT-MIIIを用いて測定した。測定面積は250mm×180mm、測定時間は3秒/サンプルで、3枚のサンプルの表面両面の地合い指数を測定し、その平均値を測定値とした。地合い指数は、測定値が小さいほどに地合いムラが少ないことを意味する。
未漂白パルプ繊維42は漂白パルプ繊維41に比べて剛性が高いことから、コアカバーシートが未漂白パルプ繊維42のみから形成されている場合には、比較的に柔軟性が低くなって、表面シート11の動きに追従することができず、コアカバーシートが表面シート11から剥離するおそれがあるが、高リグニン域52が低リグニン域51に散在することによって大きく柔軟性を損なうことはない。
したがって、コアカバーシート22は所要の柔軟性を有し、具体的には、コアカバーシート22のクレープ率は、7~20%である。コアカバーシート22のクレープ率が7%未満の場合には、コアカバーシート22の剛性が比較的に高くなって表面シート11の動きに追従することができず、一方、クレープ率が20%を超える場合には、コアカバーシート22が柔軟になりすぎて、製造中や使用中にシート破れを生じるおそれがある。
<クレープ率の測定方法>
コアカバーシート22のクレープ率は、水中伸度法により測定した。コアカバーシート22を100mm×100mmに切断して測定試料を作製し、測定試料を水中に10秒間浸漬した後引き上げて、寸法の変化量から次式によりクレープ率を算出する。測定は3回行い(n=3)、平均値を測定値とする。
クレープ率(%)={(水に浸漬した後の寸法)/(水に浸漬する前の寸法)-1}×100
表面シート11には、コットン繊維(オーガニックコットンを含む)を含む親水性のシートを用いることができる。表面シート11としてかかるシートを用いた場合には、クッション性、肌触り性及び吸液性に優れる。また、コットン繊維を含む表面シート11と高リグニン域52を有するコアカバーシート22とによって吸液層を形成することによって、コアカバーシート22では構成繊維の液保持性が比較的に小さい一方、表面シートは高い吸湿性を有するので、吸収体20内の湿気を表面シート11において吸湿することができる。それによって、生理用ナプキンと身体との間における湿気の発生を抑えて、内部の蒸れを抑制することができる。また、表面シート11は、親水性繊維からなる複層構造を有し、肌対向面側に位置する層が、実質的にコットン繊維から形成されていることが好ましい。かかる場合には、肌に近い部分でコットン繊維がより効率的に湿気を吸湿することができる。
ただし、コアカバーシートのクレム吸水度は、コットン繊維を含む表面シート11のクレム吸水度よりも高いことが好ましい。コアカバーシート22のクレム吸水度が、その肌対向面側に位置する表面シート11のクレム吸水度よりも高いことによって、表面シート11において吸収、拡散された経血をコアカバーシート22が引き込むように吸収して速やかに吸液性コア21に移行させることができ、表面シート11上の液残りを効果的に抑制することができる。
<クレム吸水度の測定方法>
コアカバーシート22のクレム吸水度の測定は、クレム吸水試験(JIS-L1907、P8141)に準拠して行った。測定器具として、ものさし、ストップウォッチ、プラスチック容器及び人工尿(青色1号で着色)を用いた。コアカバーシート22から幅25mm、長さ150mmの大きさに切り取ったシートをサンプル(N=3)とした。まず、人工尿をプラスチック容器に人工尿の深さが10mm以上となるまで入れた。次に、採取した試験片を固定チャックで固定し、サンプル先端から5mmの深さで人工尿に浸るようセットした。これをそのままの状態で120秒放置した(環境:温度20℃/湿度60%)。人工尿がサンプルを伝い上昇し、サンプル上における吸い上げ距離を人工尿の表面から測定した。吸い上げ距離の長い方が、クレム吸水度が高いことを示している。
また、表面シートとしてコットン繊維を含むシート、その下層に位置するコアカバーシートとして主として漂白パルプ繊維からなるティッシュを使用した場合には、いずれも液保持性が高いことから、速やかに吸液性コアに経血を移行させることができない。本実施形態においては、コアカバーシート22が高リグニン域52を有することによって全体として液保持性が低くなり、経血を下方へスムーズに移行させることができるといえる。
吸液性コア21は、既述のとおり、オプションとして、コットン、パルプ繊維等のセルロース繊維のほかに、アセテート等の半合成セルロース繊維やレーヨン等の再生セルロース繊維を含むセルロース系繊維を有する。コアカバーシート22も吸液性コア21と同様に、漂白パルプ繊維41と未漂白パルプ繊維42からなるセルロース系繊維を有することから親和性が高く、吸収体の外郭に位置する圧搾条溝等において、コアカバーシート22と吸液性コア21とが互いに溶着される場合には、接合強度が向上する。
吸液性コア21は、活性炭やゼオライト等から形成された、経血等の体液の臭気の吸着機能を有する複数の機能性粒子を有していてもよい。吸液性コア21が、臭気の吸着性を備えることによって、コアカバーシート22の抗菌性と相俟って、より衛生的かつ清潔に生理用ナプキン10を使用、廃棄することができる。
本実施形態においては、コアカバーシート22の全体において、低リグニン域51からなる周辺域に散在するように複数の高リグニン域52が位置することから、コアカバーシート22のうちの吸収体20の肌対向面側を被覆する第1被覆部25のみならず、吸収体20の非肌対向面側を被覆する第2被覆部26においても複数の高リグニン域52が散在している。したがって、断面視において、第2被覆部26においても低リグニン域51と高リグニン域52とが横方向Xへ交互に位置している。
高リグニン域52はシートに低リグニン域51に比べてシートに対する接着強度が高いといえるので、高リグニン域52を有しない通常のコアカバーシートを使用する場合に比べて、裏面シート12との接合強度に優れる。したがって、接合強度を上げるために、接着剤の単位面積当たりの質量を高くする必要はなく、接着剤の増加によってシート剛性が高くなり、吸収体20への追従性が低下することもない。
また、コアカバーシート22の全体が、木材等の植物原料由来の薄茶色であるため、表面シート11を介して吸液性コア21に人工経血を滴下(5ml)したとき、肌対向面側から視た経血吸収領域と、吸液性コア21を含む経血非吸収領域とにおいて、L*a*b表色系(L*a*b色空間、以下、単に「Labと省略する。」)のa値、b値及びL値を測定した。実施例1には、中間シートを有しておらず、コアカバーシートの単位面積当たりの質量が14g/mの生理用ナプキン10を用い、実施例2には、中間シートを有しておらず、コアカバーシートの単位面積当たりの質量が20g/mの生理用ナプキン10を用いた。さらに、これらの実施例1~2と比較するため、リグニン成分を含むコアカバーシートとリグニン成分を含まない中間シートを有し、コアカバーシートの単位面積当たりの質量が14g/mの比較例1のナプキン、リグニン成分を含まない白色のコアカバーシートを用いてあって表面シートにコットンを用いてある比較例2のナプキン、及びリグニン成分を含まない白色のコアカバーシートを用いてあって表面シートにコットンを用いてない比較例3のナプキンにも、同様に、表面シートを介して吸液性コア21に標準経血を滴下したとき、肌対向面側から視た経血吸収領域と経血非吸収領域とにおいて、Lab表色系のa値、b値及びL値を測定した。その実験結果を表1~表3に示す。なお、人工経血には、イオン水、グリセリン、カルボメチルセルロースナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、色素赤102号、色素赤2号、色素黄5号(各色素は、株式会社丸紅商会製)を適量混合したものを使用した。
Figure 0007158513000001
(色差の測定方法について)
色差の測定は、日本電色工業株式会社製の色差計ZE6000(標準白板[X=93.19,Y=95.20,Z=112.28]、反射測定径30mm)を用いてJIS Z 8722に準拠して行った。測定は、サンプルごとに5回行い、測定値の平均値を各サンプルのL値、a値及びb値とした。
a値は、主として赤色と緑色に関するものであり、値が大きくなると赤色を帯び、値が小さくなると緑色を帯びる。負の数になると、より緑色が濃くなる。表1を参照すると、比較例2,3のナプキンでは、白色のコアカバーシートを用いてあるため、非吸収領域のa値が負の数である一方、吸収領域のa値が50.0以上であるため、両者の差が大きく、吸収領域の赤色が目立つ。一方、実施例1~2のナプキンでは、薄茶色のコアカバーシート22を用いてあるため、非吸収領域のa値が正の数である0.5以上であり、吸収領域のa値が50.0より小さいため、両者の差が50以下であり、吸収領域の赤色が目立つのを抑えることができる。一方、比較例1のナプキンでは薄茶色のコアカバーシートを用いてあるため、非吸収領域のa値が正の数であるものの、白色の中間シートを用いてあるため、吸収領域のa値が50を超えてしまう。このため、吸収領域の赤色が目立ってしまう。これらを考慮すると、非吸収領域のa値は、0.5≦a値≦10.0であることが好ましい。また、吸収領域のa値は、50以下であることが好ましい。さらに、吸収領域と非吸収領域との差が50以下であることが好ましい。a値に関して、実施例1,2のナプキンが好ましく、比較例1~3のナプキンは好ましくない。
Figure 0007158513000002
b値は、主として黄色と青色に関するものであり、値が大きくなると黄色を帯び、値が小さくなると青色を帯びる。表2を参照すると、比較例2のナプキンでは、白色のコアカバーシートを用いてあるため、非吸収領域のb値が7よりも小さく、吸収領域のb値が27を超え、両者の差が20を超えてしまい、両者の差が大きく、吸収領域の黄色が目立つ。比較例3のナプキンでは、白色のコアカバーシートを用いてあるため、吸収領域のb値が27を超え、両者の差が大きく、吸収領域の黄色が目立つ。一方、実施例1~2のナプキンでは、薄茶色のコアカバーシート22を用いてあるため、非吸収領域のb値が、7以上であって、15以下であり、吸収領域のb値が30以下であって、両者の差が20以下であり、吸収領域の黄色が目立つのを抑えることができる。一方、比較例1のナプキンでは薄茶色のコアカバーシートを用いてあるものの、白色の中間シートを用いてあるため、非吸収領域のb値が7より小さい(b値が0に近くなると青色を帯びる)。このため、吸収領域と非吸収領域との色の差が大きく、吸収領域の色が目立つのを抑えることができない。これらを考慮すると、非吸収領域のb値は、7≦b値≦15であることが好ましい。また、吸収領域のb値は、30以下であることが好ましい。さらに、吸収領域と非吸収領域との差が20以下であることが好ましい。b値に関して、実施例1,2のナプキンが好ましく、比較例1~3のナプキンは好ましくない。
L値は、色の明るさに関するものであり、値が大きくなると白色を帯び、値が小さくなると黒色を帯びる。表3を参照すると、L値に関しては、70以上であって、90以下であることが好ましい。L値に関して、実施例1,2のナプキンが好ましく、比較例1~3のナプキンは好ましくない。
Figure 0007158513000003
ところで、コアカバーシート22の全体が、木材等の植物原料由来の薄茶色であり、吸収体20が薄茶色である一方、ウイング部18は白色である。そこで、吸液性コア21を含む吸収体20と、吸収体20を含まないウイング部18において、Lab表色系のa値を測定した。実施例1には、中間シートを有しておらず、コアカバーシートの単位面積当たりの質量が14g/mの生理用ナプキン10を用いた。さらに、実施例1と比較するため、リグニン成分を含まないコアカバーシートをそれぞれ用いてある比較例1~3のナプキンも、同様に、吸液性コア21を含む吸収体20と、吸収体20を含まないウイング部18において、Lab表色系のa値を測定した。その実験結果を表4に示す。なお、試料であるナプキンの上に標準白板を被せて光線を下からあててa値を測定した。これは、ウイング部18は、光を透過し、ナプキンの背面側の色によって測定結果が異なることを防止するためである。
Figure 0007158513000004
表4に示すように、実施例1のナプキンのみが、両差の差が0.5以上である一方、比較例1~3のナプキンは、両者の差が0.5より小である。両者の差が0.5以上であると、吸収体の周縁と、ウイング部18を含むその他の領域との境界が明確となるため、着用者または介護者が吸収体20の位置を把握できるため、好ましい。
なお、上述した実施形態には、吸液性コア21がリグニン成分を含まないものを説明した。しかし、この発明はそれに限られず、吸液性コア21がリグニン成分を含んでもよい。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係る生理用ナプキン10の平面図、図8(a)は、第2実施形態における図3と同様の断面図である。本実施形態に係る生理用ナプキン10の基本構成は、第1実施形態のそれと同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
本実施形態においては、生理用ナプキン10は、吸液層13において表面シート11から裏面シート12側へ向かって凹となる複数の凹状部60と、複数の凹状部60を囲むように非連続的に環状に延びる圧搾条溝70とを有する。凹状部60は、有底であって、平面視において、縦方向Y及び横方向Xにおいて互いに離間して位置している。凹状部60は、図示した態様のほかに、円形、楕円形、三角形、矩形等の各種公知の形状を有する。
凹状部60は、例えば、加圧加熱処理によって形成することができる。具体的には、公知のエンボス加工において、表面シート11側からエンボスピンを押し当てて表面シート11とともに吸収体20を圧縮することによって形成することができる。したがって、吸収体20のうちの凹状部60が位置する肉薄部分61は、その周辺に位置する凹状部60が位置していない肉厚部分62に比べて繊維密度が高くなっている。コアカバーシート22は、複数の高リグニン域52を有することによって比較的に体液の拡散性が低く、吸液性コア21全体に体液を拡散して吸収させることができないおそれがある。
本実施形態においては、吸液性コア21の内部まで延びる複数の凹状部60を有することによって、体液を凹状部60に直接滞留させることができ、表面シート11及びコアカバーシート22を介して経血に間接的に接する吸液性コア21の表面積が大きくなり、吸液性コア21において両シート11,22を介して速やかに経血を吸収、保持することができる。また、凹状部60の位置する肉薄部分61は、肉厚部分62に比べて繊維密度が高いことから、凹状部60に溜まった体液をより速やかに下方に引き込んで吸収、保持することができる。
図8(b)は、第2実施形態に係る生理用ナプキン10の変形例における、図8(a)と同様の断面図である。
図8(b)を参照すると、本変形例に係る凹状部60は、吸液層13を厚さ方向Zへ貫通する開口から形成される。凹状部60の底面には、不透液性の裏面シート12が位置することから、貫通開口に溜まった体液は外部に漏れ出ることはなく、開口の周面壁から吸収体20に吸収、保持される。
<第3実施形態>
図9は、本発明に係る吸収性物品の使用例の一例を示すものであって、本使用例においては、吸収体20は、使い捨ておむつ(吸収性物品)80に使用されている。使い捨ておむつ80は、前後ウエストパネル84,85の両側縁部を接合するサイドシームを剥離して、横方向及び縦方向へ伸展した状態を示されている。
使い捨ておむつ80は、前ウエスト域81と、後ウエスト域82と、前後ウエスト域81,82間に位置するクロッチ域83とを有する。また、おむつ80は、前ウエスト域81とクロッチ域83の一部を画成する前ウエストパネル84と、後ウエスト域82とクロッチ域83の一部を画成する後ウエストパネル85と、前後ウエストパネル84,85の肌対向面側において縦方向へ延びる吸液構造体86とを備え、前後ウエストパネル84,85の両側縁部どうしが互いに重ね合された状態において、縦方向へ間隔を空けて配置された複数のシーム部を介して互いに接合されることによって、ウエスト開口と一対のレッグ開口とが画成される。吸収体20は、吸液構造体86内においてクロッチ域83から前後ウエスト域81,82に延在している。
おむつ80は、予め前後ウエスト域81,82の両側縁部が接合された、いわゆるパンツ型であって、生理用ナプキン10と同様に、吸収体20は、吸液性コア21とそれを被覆するコアカバーシート22とから構成されており、コアカバーシート22は、低リグニン域51からなる周辺域と、周辺域に散在する複数の高リグニン域52とを含む。吸収体20は、コアカバーシート22の薄茶色がおむつ80の内面視及び/又は外面視において透視されることによって、天然材料を使用したナチュラル感な製品イメージを与えるとともに抗菌性に優れ、排尿や軟便等の体液をコアカバーシート22から吸液性コア21へ速やかに移行させることができる。なお、本発明に係る吸収性物品としては、パンツ型おむつだけではなく、開放型おむつであってもよい。
各実施形態において、表面シート11とコアカバーシート22との間には、嵩高でクッション性に優れた別体のシートを配置してもよい。別体のシートは、表面シート11と接合されることから、実質的に表面シート11の一部ともいえる。
また、コアカバーシート22を2枚の繊維不織布シートで構成し、肌対向面に位置するコアカバーシートに、上述した漂白パルプ繊維41と未漂白パルプ繊維42とを含むシートを用い、非肌対向面に位置するコアカバーシートに、漂白パルプ繊維41のみを含むシートを用いてもよい。このようなナプキンであれば、肌対向面から視認すると吸収体20が薄茶色であり、非肌対向面から視認すると吸収体20が白色である。よって、複数のナプキンを有する包装体の開口を、非肌対向面側に形成すれば、使用者に清潔感のある物品であるとの印象を与えることができる一方、包装体の開口を、肌対向面側に形成すれば、使用者に天然材料を使用した肌に優しい物品であるとのイメージを与えることができる。
上記に開示した本発明の複数の実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
吸収性物品10,80を構成する各構成部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている、各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書及び特許請求の範囲において使用されている、「第1」及び「第2」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いている。
10 生理用ナプキン(吸収性物品)
11 表面シート
12 裏面シート
20 吸収体
21 吸液性コア
22 コアカバーシート
25 第1被覆部
26 第2被覆部
40 パルプ繊維
41 漂白パルプ繊維
42 未漂白パルプ繊維
51 低リグニン域
52 高リグニン域
60 凹状部
80 使い捨ておむつ(吸収性物品)

Claims (13)

  1. 肌対向面側に位置する透液性の表面シートと、非肌対向面側に位置する不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを含む吸収性物品において、
    前記吸収体は、吸液性コアと、前記吸液性コアの前記肌対向面側及び前記非肌対向面側を被覆するコアカバーシートとを有するとともに、前記吸収体がリグニン成分を有する未漂白パルプ繊維を含み、
    前記コアカバーシートを2枚の繊維不織布シートで構成し、肌対向面に位置する前記コアカバーシートに、漂白パルプ繊維と前記未漂白パルプ繊維とを含むシートを用い、非肌対向面に位置するコアカバーシートに、前記漂白パルプ繊維のみを含むシートを用いていて、
    前記表面シートを介して前記吸収体を視たとき、前記経血非吸収領域のLab表色系におけるa値が、0.5≦前記a値≦10.0、b値が7≦前記b値≦15であって、
    前記表面シートを介して前記吸液性コアに標準経血を滴下したとき、前記肌対向面側から視た経血吸収領域と経血非吸収領域とにおいて、Lab表色系における前記a値の差が50以下であり、前記b値の差が20以下であることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記経血非吸収領域のLab表色系におけるL値が、70≦前記L値≦90である請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記コアカバーシートは、前記吸液性コアの少なくとも前記肌対向面側を被覆する第1被覆部を有し、
    前記第1被覆部と前記表面シートとが接着剤を介して互いに接合され、
    前記コアカバーシートのリグニン成分の含有率が、前記吸液性コアのリグニン成分の含有率よりも高く、
    厚さ方向において、前記表面シートから前記吸液性コアの一部まで連続して延びる複数の凹状部を有する請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記凹状部は、有底であって、前記表面シート、前記コアカバーシート及び前記吸液性コアの一部が圧縮され、
    前記凹状部の底部は、前記凹状部の周辺領域に比べて密度が高くなっている請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記凹状部は、前記表面シートと前記吸収体とを前記厚さ方向へ貫通する貫通孔である請求項3に記載の吸収性物品。
  6. 前記コアカバーシートのリグニン成分の含有率が、0.2~10%である請求項1-5のいずれかに記載の吸収性物品。
  7. 前記コアカバーシートのクレープ率が7~20%であって、地合い指数が50-300である請求項1~6のいずれかに記載の吸収性物品。
  8. 前記コアカバーシートは、木材又は非木材のパルプ繊維である請求項1~7のいずれかに記載の吸収性物品。
  9. 前記吸液性コアが、臭気の吸着性能を有する粒子を含む請求項1~8のいずれかに記載の吸収性物品。
  10. 前記表面シートは、コットン繊維を含む請求項1~9に記載の吸収性物品。
  11. 前記コアカバーシートのクレム吸水度が前記表面シートのクレム吸水度よりも高い請求項1~10のいずれかに記載の吸収性物品。
  12. 前記表面シートは、複層構造を有し、肌対向面側に位置する層が主として前記コットン繊維から構成されている請求項10に記載の吸収性物品。
  13. 前記コットン繊維が、オーガニックコットンである請求項10又は請求項12に記載の吸収性物品。
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