JP6838013B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

この発明は、吸収性物品に関し、より詳しくは、軽失禁パッド、パンティライナ、生理用ナプキン、おりもの吸収用パッド、尿吸収パッド、大人用及び子供用の使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
従来、ティシュ等の紙を漂白しないで使用することは公知である。例えば、特許文献1には、ティシュペーパー等を漂白しないで使用することが開示されている。
特表2011−505505号公報
ところで、近年、おむつ等の吸収性物品に関して、使用者または介護者の健康に対する意識が高まり、より安全な物の使用する志向、オーガニック等の天然素材を使用する志向が高まり、それらの志向を満たした吸収性物品の開発が望まれている。
そこで、おむつにおいて、吸液性コアを被覆するコアカバーシートに、漂白をしないティシュを用いることが考えられる。
しかしながら、おむつに、漂白をしないティシュを用いると、このティシュが薄茶色であって、尿の色に似ているため、介護等を行う第三者が、排尿が分かりにくくなるおそれがあり、排尿をしていないにもかかわらず、排尿をしていると考えておむつを交換してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、吸収性物品に使用する化学物質を可及的に減少させることができ、第三者が排泄を間違うおそれのない吸収性物品を提供することを課題とする。
本発明は、肌対向面側に位置する透液性の表面シートと、非肌対向面側に位置する不透液性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に位置する吸収体とを含む吸収性物品に関する。
本発明に係る吸収性物品は、前記吸収体が、吸液性コアと、吸液性コアを被覆するコアカバーシートとを含み、コアカバーシートは、吸液性コアの肌対向面側に位置し、第1パルプ繊維を含む第1コアカバーシートと、吸液性コアの非肌対向面側に位置し、第2パルプ繊維を含む第2コアカバーシートとを有し、前記第1パルプ繊維は未漂白パルプ繊維、前記第2パルプ繊維は漂白パルプ繊維であって、前記第1パルプ繊維は前記第1コアカバーシートにおいて他の構成繊維よりも多く含まれていて、前記第2パルプ繊維は前記第2コアカバーシートにおいて他の構成繊維よりも多く含まれており、前記第2コアカバーシートを形成するパルプ繊維のカッパ価が5.8以下であって、第2パルプ繊維のカッパ価が、第1パルプ繊維のカッパ価よりも小さいことを特徴とする。
吸収性物品において、第1パルプ繊維のカッパ価が8〜40であり、第2パルプ繊維のカッパ価と、第1パルプ繊維のカッパ価との差が2.4以上である。このため、第1コアカバーシートの第1パルプ繊維は、比較的にリグニン成分が多いため、化学物質をより減少させることができる。
吸収性物品において、第2パルプ繊維のカッパ価と、第1パルプ繊維のカッパ価との差が7.2以上である。このため、吸収体の肌対向面を、木材由来の色合いにすることができ、天然素材を使用したナチュラル志向の高い物品であるとの印象を与えることができる。
吸収性物品において、第1コアカバーシートは、吸液性コアの非肌対向面と第2コアカバーシートとの間に位置する両側縁部を有する。このため、肌対向面から視認できる第1コアカバーシートの面積を可及的に減少させて白色の面積を広くでき、使用者に清潔性がある物品であるとの印象を与えることができる。
吸収性物品は、横方向と縦方向とを有し、両側縁部の前記横方向の寸法の合計は、吸液性コアの前記横方向の寸法の1/3よりも小さい。このため、非肌対向面から第2コアカバーシートを視認することができ、排尿の有無を間違えることを防止することができる。
吸収性物品において、吸液性コアの両側縁の横方向の外側において、第1コアカバーシートが厚さ方向に重なっている。このため、吸液性コアの両側縁の茶色を濃くすることができ、使用者に吸液性コアの位置を認識させることができる。
吸収物品は、横方向と縦方向とを有し、第1コアカバーシートの両側縁および第2コアカバーシートの両側縁は、吸液性コアの両側縁よりも横方向の外側へ延出し、吸液性コアの両側縁の横方向の外側において、第1コアカバーシートと第2コアカバーシートとが接合してある。このため、肌対向面側から視た第1コアカバーシートの視認できる面積を可及的に広くして、木材由来の色合いを有する部分を大きくでき、天然素材を使用したナチュラル志向の高い物品であるとの印象を与えることができる。
吸収性物品において、第1コアカバーシートと第2コアカバーシートとの接合部の前記縦方向における長さ寸法が50mm以下である。このため、ホットメルト接着剤等の接合剤の使用を可及的に減少させ、資材が無駄になることを抑えることができる。
吸収性物品において、排泄物の有無を裏面シートの外側から識別可能なインジケータが、吸液性コアの非肌対向面側に位置し、インジケータと第2コアカバーシートとが厚さ方向において重なっている。インジケータの周囲の第2コアカバーシートが白色であるため、排尿の有無を間違えることを防止することができる。
吸収性物品は、表面シートと第1コアカバーシートとの間に別部材が位置する。このため、第1コアカバーシートによって、使用者に別部材の位置を把握させることができる。
吸収性物品において、表面シートは、縦方向へそれぞれ延びて横方向において交互に配置してある凸部と凹部とを有し、凹部が吸収体に接触している一方、凸部が吸収体から離れている。このため、凸部では、第1コアカバーシートの茶色を薄くすることができ、使用者に清潔性がある物品であるとの印象を与えることができる。
吸収性物品において、吸液性コアは、縦方向の中央において、吸液性コアの前記横方向の寸法が小さい幅狭域を有し、裏面シートにおける幅狭域と重なる部位が着色部を有する。このため、幅狭域の外側における第1コアカバーシートが、非肌対向面側から視認されることを防止でき、使用者に清潔性がある物品であるとの印象を与えることができる。
本発明に係る吸収性物品によれば、第2コアカバーシート22bの第2パルプ繊維のカッパ価が、第1コアカバーシートのパルプ繊維のカッパ価よりも小さく、第1コアカバーシートは未漂白パルプ繊維を多く含む。よって、未漂白パルプ繊維は、化学物質の使用が少ないため、化学物質の使用を減少させた吸収性物品を提供することができる。しかも、非肌対向面側に位置する第2コアカバーシートは、カッパ価が小さい白色であるため、排泄の有無を間違えるおそれを減少することができる。
本発明の吸収性物品の一例として示す、使い捨ておむつの斜視図。 サイドシーム部を剥離して縦方向および横方向に伸展した状態のおむつを肌対向面から見た一部破断展開平面図。 図2のIII−III線断面図。 吸収体の平面図。 (a)図4のV(a)線で囲んだ領域の一部拡大図。(b)図4のV(b)線で囲んだ領域の一部拡大図。 第2実施形態のおむつの図2と同様の一部破断展開平面図。 表面シートの斜視図。 図6のVIII−VIII線断面図。 第3実施形態のおむつの図2と同様の一部破断展開平面図。 図9のX−X線断面図。 第2実施形態のおむつの図2と同様の一部破断展開平面図。 本発明の吸収性物品の一例として示す、生理用ナプキンの平面図。
下記の実施の形態は、添付の図面に示す使い捨て吸収性物品に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。
<第1実施形態>
以下に添付の図面を参照して、この発明に係る吸収性物品の一例である使い捨ておむつ1を説明する。使い捨ておむつ1は、互いに交差(直交)する横方向Xと、縦方向Yと、厚さ方向Zとを有する。
図1〜3を参照すると、使い捨ておむつ1は、その幅方向における寸法を2等分する縦中心線及びその長さ方向における寸法を2等分する横中心線とを有し、肌対向面(内面)及びその反対側の非肌対向面と、ウエスト回り方向へ延びる環状の弾性ウエストパネル2と、弾性ウエストパネル2の肌対向面側に取り付けられた吸収シャーシ3と、前ウエスト域4と、後ウエスト域5と、前後ウエスト域4,5間に位置するクロッチ域6とを含む。
弾性ウエストパネル2は、ウエスト回り方向へ伸縮する弾性ベルト機能を有し、前ウエスト域4を形成する前ウエストパネル7と、後ウエスト域5を形成する後ウエストパネル8とを含む。
前ウエストパネル7は、内端縁7aと、外端縁7bと、外端縁7bから縦方向Yの内方へ延びる第1両側縁(前ウエスト域の両側縁)7c,7dと、第1両側縁7c,7dから縦方向Yの内方へ斜めに延びる第2両側縁7e,7fとによって画定された略台形状を有する。
後ウエストパネル8は、内端縁8aと、外端縁8bと、外端縁8bから縦方向Yの内方へ延びる第1両側縁(後ウエスト域5の両側縁)8c,8dと、第1両側縁8c,8dから縦方向Yの内方へ斜めに延びる第2両側縁8e,8fとによって画定された略台形状を有する。
互いに対向する前ウエストパネル7の第1両側縁7c,7dと後ウエストパネル8の第1両側縁8c,8dとは、互いに重ね合わされ、縦方向Yへ断続的に並ぶサイドシーム9によって連結(例えば、熱エンボス加工、ソニック等による各種の熱溶着手段によって連結)され、ウエスト開口10と一対のレッグ開口11とが画定される。
前後ウエストパネル7,8は、それぞれ、肌対向面側に位置する内層シート(内面シート)12,13と、非肌対向面側に位置する外層シート(外面シート)14,15とを含む。内外層シート12〜15は、質量10〜30g/mのSMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維不織布、スパンボンド繊維不織布若しくはエアスルー繊維不織布、または、プラスチックシート、開孔プラスチックシート及びそれらのラミネートシートなどを用いることができる。
前後ウエストパネル7,8の内層シート12,13と外層シート14,15との間には、ストリング状又はストランド状の複数条の前後ウエスト弾性体(弾性部材)16,17が横方向Xへ伸縮可能にそれぞれ配設されており、前後ウエストパネル7,8は少なくとも横方向Xへ弾性化されている。
前後ウエスト弾性体16,17は、それぞれ、吸収シャーシ3と重なる前後ウエスト域4,5の中央部においてその一部が切断又は除去されており、前後非伸縮域18,19が画定される。このように、前後非伸縮域18,19が前後ウエスト域4,5の中央部に位置することから、前後ウエストパネル7,8の内面に位置する吸収シャーシ3の中央部(吸液性コアの中央部)に前後ウエスト弾性体16,17の収縮力が直接作用されてギャザー等が形成されないので、その収縮力が作用することによる吸収性能の低下を抑制することができる。
前後ウエスト弾性体16,17としては、例えば、繊度が470〜1240dtexであって,1.5〜3.5倍に伸長された状態で配設されたストリング状又はストランド状の弾性材料を用いることができる。前後ウエスト弾性体16,17の繊度、伸長倍率、各弾性体間の離間寸法(ピッチ)等の条件は適宜変更することが可能である。
前ウエスト域4の内外層シート12,14と後ウエスト域5の内外層シート13,15とは、それらの内面にホットメルト接着剤は塗布されておらず、サイドシーム9による接合部分を除き、それぞれ、前後ウエスト弾性体16,17に塗布されたホットメルト接着剤を介してのみ互いに接合される。ホットメルト接着剤は、前後ウエスト弾性体16,17の全周において、内外層シート12〜15と対向する部分に塗布されていればよい。
図2及び3を参照すると、吸収シャーシ3は、肌対向面側に位置する透液性の表面シート31と、非肌対向面側に位置する不透液性の裏面シート32と、これらの両シート31,32の間に位置し、縦方向Yにおける中央部が幅狭状の吸液性を有する吸収体20とを含む。表面シート31と吸収体20とは、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって互いに接合され、吸液層30が形成される。また、吸収体20と裏面シート32との間において、尿等の排泄物の漏れを抑制するため、好ましくは通気性を有する不透液性の防漏シート36を配置してある。防漏シート36の横方向Xの寸法及び縦方向Yの寸法は、吸液性コア21の横方向Xの寸法及び縦方向Yの寸法よりも大きく、吸液性コア21の非肌対向面の全域を防漏シート36で被覆している。
裏面シート32は、吸収体20の両側縁から横方向Xの外側に位置する両側部34を有する。両側部34は、縦方向Yへ延びる折曲ライン35に沿って肌対向面側へ折り曲げられ、表面シート31に固定されて縦方向Yへ互いに離隔する両端固定部33と、表面シート31の両側縁部に固定され、横方向Xの外側に位置する近位縁部37と、両端固定部33の間において縦方向Yへ延び、かつ近位縁部37と平行する遠位縁部(自由縁部)38とを有する。
遠位縁部38は、裏面シート32の横方向Xの外側の縁部を折り曲げて固定することによって形成したスリーブ状をなし、縦方向Yへ延びるストリング状またはストランド状のカフ弾性体28が伸長状態で収縮可能な態様で裏面シート32に固定してある。カフ弾性体28が収縮することによって、遠位縁部38が表面シート31から離れ、着用者の大腿部に遠位縁部38が接触して防漏カフを形成し、防漏カフが排泄物の漏れを防止する。裏面シート32の両側部34において、カフ弾性体28の横方向Xの外側には、縦方向Yへ延びるストリング状またはストランド状のレッグ弾性体29が伸長状態で収縮可能な態様で裏面シート32に固定してある。レッグ弾性体29が収縮することによって、裏面シート32の両側部34が着用者の大腿部に接触する。
表面シート31には、透液性を有する各種の繊維不織布、例えば、質量約15〜45g/mのエアスルー繊維不織布、多孔プラスチックフィルム、それらのラミネートシート等から形成することができる。また、裏面シート32は、不透液性及び透湿性のプラスチックフィルム、不透液性の繊維不織布、それらのラミネートシート等から形成することができる。
図3および図4を参照すると、吸収体20は、超吸収性ポリマー粒子(SAP)とフラッフ木材パルプ、レーヨン繊維等のセルロース系繊維とを混合して所定の形状に賦型した吸液性コア21と、その保形性及び液拡散性の向上のために吸液性コア21全体を包被する透液性のコアカバーシート22とを有する。
吸液性コア21は、縦方向Yの両端部に位置して横方向Xの寸法が一定である幅広域21cと、縦方向Yの中央に位置して幅広域よりも横方向Xの寸法が小さい幅狭域21dとを有している。おむつ1の着用状態において、幅狭域21dが脚の付け根に位置し、脚を動かす際に剛性の大きい吸液性コア21の両側縁21a,21bに脚が当たるのを防止することができる。また、図示省略するが、裏面シート32は、この幅狭域21dと重なる部位に着色部を有し、幅狭域21dの外側における第1コアカバーシート22aが、非肌対向面側から視認されることを防止でき、使用者に清潔性がある物品であるとの印象を与えることができる。
コアカバーシートは、吸液性コア21の肌対向面側に位置し、第1パルプ繊維を含む第1コアカバーシート22aと、吸液性コア21の非肌対向面側に位置し、第2パルプ繊維を含む第2コアカバーシート22bとを有する。
第1および第2コアカバーシート22a,22bは、横方向Xの寸法が吸液性コアの横方向Xの寸法よりも大きく、吸液性コア21の全体を包被している。吸液性コア21の横方向Xの外側において、第1及び第2コアカバーシートが互いに接触するように積層され、接触した部分においてホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合してある。
第1および第2コアカバーシート22a,22bは、各種公知の繊維不織布又はティッシュから形成されており、主としてパルプ繊維から構成されている。第1コアカバーシート22aは、脱リグニン処理がなされていない未漂白パルプ繊維(第1パルプ繊維)42を多く含んでいる。第2コアカバーシート22bは、脱リグニン処理がなされた漂白パルプ繊維(第2パルプ繊維)41を多く含んでいる。パルプ繊維は、針葉樹又は広葉樹を原料として得られる木材パルプ繊維のほかに、リンター、マニラ麻、ケナフ、藁、竹、バナナを原材料とする非木材パルプ繊維を含む。
パルプ繊維は、一般的に、原料チップ処理工程を経た後に、原料チップに薬品を加えて高温・高圧下で煮沸してリグニンを蒸解する蒸解工程(脱リグニン処理の第1段階)、パルプ中の異物を除去するスクリーン工程、蒸解工程において残存したリグニンを酸素で分解する酸素晒し工程(脱リグニン処理の第2段階)、複数種類の薬品を使用してパルプを漂白する漂白工程を経ることによって、漂白された漂白パルプ繊維41となる。未漂白パルプ繊維42は、これらの各工程のうち、例えば、脱リグニン処理の第1段階である蒸解工程とスクリーン工程のみを経たものであって、一定程度の脱リグニン処理を施されたものである。本発明に係る未漂白パルプ繊維42のリグニン含有率は0.2〜10.0%である。
未漂白パルプ繊維42と漂白パルプ繊維41とのリグニン含有率は、以下の方法によって測定した。
<リグニン含有率の測定方法>
ADFの定量
試薬: 酸性デタージェント溶液 <セチルトリメチルアンモニウムブロミド(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)10gを500mLの1N硫酸に溶かしたもの>
アセトン
消泡剤としてデカヒドロナフタレン(オプション)
<測定手順>
サンプル300gを秤量し、50mL三角フラスコに入れ、酸性データジェンと溶液を30mL加えた。アルミホイルで蓋をして、沸騰水中に三角フラスコを入れて、60分間分解した。分解後、ガラス繊維濾紙(GA−200)を敷いたグーチルツボに移して吸引濾過し、残査を熱水とアセトンで洗滌した。風乾した後、熱乾燥した。なお、乾燥後恒量し、灰分を差し引いたものの重さがADFであるが、リグニン定量後の灰分をこれに用いることはできない。
リグニン定量
試薬: 72%硫酸
<測定手順>
上記で乾燥させたグーチルツボに72%硫酸を数滴垂らして全体を湿らせた後、ADF量の約2倍の硫酸を加え、一時間毎に硫酸を適宜加えながら3−4時間放置した。その後吸引濾過し、熱水で炉液が酸性を示さなくなるまで洗滌した。風乾した後、熱乾燥して恒量する。グーチルツボを550℃で灰化し、灰分を求めた。
図5(a)を参照すると、第1コアカバーシート22aは、比較的にリグニン成分の含有率が低い低リグニン域(リグニン低含有域)51と、低リグニン域51よりもリグニン成分の含有率が高い高リグニン域(リグニン高含有域)52とを有する。低リグニン域51は、主として漂白パルプ繊維41が集合して形成されており、高リグニン域52は、主として未漂白パルプ繊維42が集合して形成されている。第1コアカバーシート22aの平面視において、低リグニン域51は、比較的に第1コアカバーシート22aの外表面の広い範囲に位置する周辺域であるのに対して、高リグニン域52は、低リグニン域51に対して散在するように配置されている。また、かかる配置態様を有することから、第1コアカバーシート22aは、低リグニン域51を海、高リグニン域52を島とする海島構造を有するともいえる。また、第2コアカバーシート22bは、例えば、漂白パルプ繊維41のみによって形成してある。
第1コアカバーシート22aは、未漂白パルプ繊維42を多く含むため、全体的に木材等の植物原料由来の薄茶色を有する。第2コアカバーシート22bは、未漂白パルプ繊維42を含まずに漂白パルプ繊維41のみを含むため、白色を有する。また、第1及び第2コアカバーシート22a,22b以外の他のシート31,32は、構成繊維に二酸化チタン等の白色顔料を練り込まれることによって全体的に白色を有することから、第1コアカバーシート22aは、おむつ1の内面視において、他のシート31,32から透過して容易に視認される。一方、第2コアカバーシート22bは全体的に白色を有するため、おむつ1の外面視において、他のシート31,32と区別して視認することは困難である。
第1コアカバーシート22aは、その抄紙工程において、漂白パルプ繊維41と未漂白パルプ繊維42との混合物を絡合させてシート状に形成したものであって、低リグニン域51は主として漂白パルプ繊維41、高リグニン域52は主として未漂白パルプ繊維42が配置されてなるものであるから、両域51,52の境界は不明瞭なものであって、明確に区分できるものではない。また、第1コアカバーシート22aの外表面全体において、低リグニン域51内に高リグニン域52を散在的に形成する方法としては、例えば、各パルプ繊維41,42の混合方法、混合率、製造時の搬送コンベアの搬送速度、コンベア上に複数のノズルから噴射される空気を介してパルプ繊維を堆積させる際のノズル径、吹付空気の風量、風速等を適宜調整することが考えられる。
製造工程における諸条件を調整することによって、両域51,52を形成するものであるから、低リグニン域51の一部に未漂白パルプ繊維42、高リグニン域52に漂白パルプ繊維41がそれぞれ含まれることもあるといえる。したがって、低リグニン域51と高リグニン域52とは、それぞれ、漂白パルプ繊維41、未漂白パルプ繊維42のみから形成されるものではない。
高リグニン域52は、第1コアカバーシート22aにおける周辺域である低リグニン域51よりもリグニン成分の含有量が低い領域を意味することから、漂白パルプ繊維41と未漂白パルプ繊維42とを混在したシートを用いなくても形成することができる。例えば、レーヨン繊維や合成繊維からなる繊維不織布シートにリグニン成分の含有液を散点的に滲入させることによって、周辺域よりもリグニン成分の含有量の高い高リグニン域52を形成することができる。
第1コアカバーシート22aは、主として未漂白パルプ繊維42からなる複数の高リグニン域52を有することから、漂白パルプ繊維41のみからなる第2コアカバーシート22bに比べて、表面視において、植物原料由来の薄茶色(ウッド色)を有し、着用者又は着用補助者に対して、天然材料を使用した肌に優しい製品であるとのイメージを与えることができる。また、第1コアカバーシート22aが薄茶色を有することから、排泄された尿(排泄物)が表面シート31を透過して、吸収体20に吸収、保持されたときに、尿の黄色が抑制される。それによって、尿の色を直接的に視認することによる嫌悪感を抑えることができる。加えて、リグニン成分は抗菌作用を有することから、使用後の雑菌の繁殖を抑えて衛生的に廃棄処理することができる。
漂白パルプ繊維41および未漂白パルプ繊維42は、リグニン含有率がそれぞれ異なることによって、カッパ価がそれぞれ異なる。未漂白パルプ繊維42は、リグニン含有率が大きいため、カッパ価が大きい一方、漂白パルプ繊維41は、リグニン含有率が小さいため、カッパ価が小さい。このため、両者を比較すると、漂白パルプ繊維41のカッパ価が、未漂白パルプ繊維42のカッパ価よりも小さい。漂白パルプ繊維41のカッパ価は、1〜2である。未漂白パルプ繊維42のカッパ価は、8〜40である。なお、カッパ価の試験方法はJIS8211による。
このおむつ1によれば、第2コアカバーシート22bの漂白パルプ繊維41のカッパ価が、第1コアカバーシート22aの未漂白パルプ繊維42カッパ価よりも小さく、第1コアカバーシート22aは未漂白パルプ繊維42を多く含む。よって、未漂白パルプ繊維42は、化学物質の使用が少ないため、化学物質の使用を減少させた吸収性物品を提供することができる。しかも、非肌対向面側に位置する第2コアカバーシート22bのパルプ繊維のカッパ価が小さく白色であるため、排泄の有無を間違えるおそれを減少することができる。
本発明において、シートのパルプ繊維のカッパ価Kに関して、単位重量あたり未漂白パルプ繊維42のカッパ価K1と、単位重量あたりの漂白パルプ繊維41のカッパ価K2とを求め、それらの和(すなわちK=K1+K2)をシートのパルプ繊維のカッパ価としてある。表1の最上欄のシートaは、未漂白パルプ繊維42の割合が0.0であり、漂白パルプ繊維41の割合が1.0でシートを形成すると(換言すると、漂白パルプ繊維41のみでシートを形成すると)、そのシートのパルプ繊維のカッパ価が1.0であることを意味する。表1の最下欄のシートkは、未漂白パルプ繊維42の割合が25.0であり、漂白パルプ繊維41の割合が0.0でシートを形成すると(換言すると、未漂白パルプ繊維42のみでシートを形成すると)、そのシートのパルプ繊維のカッパ価が25.0であることを意味する。表1の上から二番目の欄のシートbは、単位重量あたりの未漂白パルプ繊維42のカッパ価K1が2.5であり、単位重量あたりの漂白パルプ繊維41のカッパ価が0.9であるため、シートのパルプ繊維のカッパ価が3.4となる。
Figure 0006838013
吸液性コアと第1コアカバーシートと防漏シートと裏面シートとをこの順に積層し、裏面シート側から肉眼で視たとき、薄茶色が視えるか否かの評価実験を行った。シートd〜シートkは、被験者が薄茶色であることを視認でき、シートa〜シートcは、被験者が白色であることを視認できた。よって、第1コアカバーシート22aのパルプ繊維のカッパ価は、8.2より大きいことが好ましい。さらに、漂白工程を適宜バイパスすることによって、未漂白の程度を大きくし、パルプ繊維のカッパ価が40.0のシートであれば、違和感のない茶色のシートとなることが明らかとなっているため、カッパ価は、40.0より小さいことが好ましい。
また、漂白パルプ繊維41のみで形成したコアカバーシート22のパルプ繊維のカッパ価は、1.0である。このため、第2コアカバーシート22bに、表1のシートaを用い、かつ、第1コアカバーシート22aにシートdを用いると、シートdのパルプ繊維のカッパ価が8.2であるため、両者の差は、7.2となる。また、第1コアカバーシート22aにシートdを用いると、シートdのパルプ繊維のカッパ価が8.2であり、第2コアカバーシート22bにシートcを用いると、シートcのパルプ繊維のカッパ価が5.8であるため、両者の差は2.4となる。これらの結果によって、第1コアカバーシート22aのパルプ繊維のカッパ価が8〜40であって、第2コアカバーシート22bのパルプ繊維のカッパ価と、第1コアカバーシート22aのパルプ繊維のカッパ価との差が2.4以上であることが好ましい。より好適には、第1コアカバーシート22aのパルプ繊維のカッパ価が8〜40であって、第2コアカバーシート22bのパルプ繊維のカッパ価と、第1コアカバーシート22aのパルプ繊維のカッパ価との差が7.2であることが好ましい。これらのシートを用いる理由としては、非肌対向面側に位置する第2コアカバーシート22bに白色のシートを使用し、使用者および介護者に清潔感のある製品であるとの印象を与えることができるため、少なくともシートc、より好適にはシートaを用いるのが好ましい。また、肌対向面側に位置する第1コアカバーシート22aに薄茶色のシートを使用し、天然素材を使用したナチュラル志向の高い物品であるとの印象を与えることができるため、少なくともシートdを用いることが好ましい。
漂白パルプ繊維41の割合[%]と未漂白パルプ繊維42の割合[%]とを変化させて形成したシートのLab表色系におけるL値、a値、b値、ΔE値を表2に示す。測定器および測定方法は、後述と同一である。
Figure 0006838013
また、表2のシートを被験者に見せ、そのシートが薄茶色であるか否かの評価実験をした。すると、シートDでは、被験者の大部分が薄茶色であることを認識でき、シートEでは、ほとんどの被験者が薄茶色であることを認識できた。
このため、第1コアカバーシート22aを肌対向面側から視たLab表色系におけるL値、a値、およびb値が、
82.81≦前記L値≦92.53
−0.24≦前記a値≦1.57
9.08≦前記b値≦17.87
のいずれの条件も満たすことが好ましい。
また、後述する実験結果より、第1コアカバーシート22aを含む吸収体を肌対向面側から視たLab表色系におけるL値、a値、およびb値が、
70.00≦前記L値≦90.00
0.50≦前記a値≦10.00
7.00≦前記b値≦15.00
のいずれの条件も満たすことが好ましい。
また、図3および図4に示すように、第1コアカバーシート22aの両側縁22c,22dおよび第2コアカバーシートの両側縁部22e,22fは、吸液性コア21の両側縁21a,21bよりも横方向の外側へ延出し、吸液性コア21の両側縁21a,21bの横方向Xの外側において、第1コアカバーシート22aと第2コアカバーシート22bとが接合部27で接合してある。このため、肌対向面側から視た第1コアカバーシート22aの視認できる面積を可及的に広くして、木材由来の色合いを有する部分を大きくでき、天然素材を使用したナチュラル志向の高い物品であるとの印象を与えることができる。さらに、第1コアカバーシート22aの横方向Xの寸法よりも第2コアカバーシート22bの横方向Xの寸法が大きく、第1コアカバーシート22aの全域が第2コアカバーシート22bで覆われるため、非肌対向面側からおむつ1を視ると、第1コアカバーシート22aの薄茶色を視認することが困難であり、第三者に、清潔感のある物品であるとの印象を与えることができる。
さらに、接合部27の長さ寸法が50mm以下である。このため、ホットメルト接着剤等の接合剤の使用を可及的に減少させ、資材が無駄になることを抑えることができる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係るおむつ1の図2と同様の展開平面図であり、図7は、そのおむつ1の吸収体20に用いられる表面シート31aの斜視図であり、図8は、図6のVIII−VIII線断面図である。本実施形態に係るおむつ1の基本構成は、第1実施形態のおむつ1と同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
表面シート31aは、縦方向Yへそれぞれ延びて横方向Xにおいて交互に配置してある凸部61と凹部62とを有し、凹部62が吸収体20に接触している一方、凸部61が吸収体20から離れている。このため、凸部61では、第1コアカバーシート22aの茶色を薄くすることができ、使用者に清潔性がある物品であるとの印象を与えることができる。
また、第1コアカバーシート22aは、吸液性コア21の非肌対向面と第2コアカバーシート22bとの間に位置する両側縁部22c,22dを有する。このため、肌対向面から視認できる第1コアカバーシート22aの面積を可及的に減少させて白色の面積を広くでき、使用者に清潔性がある物品であるとの印象を与えることができる。
さらに、第1コアカバーシート22aの両側縁部のうちの一方の側縁部22cの横方向Xの寸法W1と、他方の側縁部22dの横方向Xの寸法W2との合計W3は、吸液性コア21の横方向Xの寸法W4の1/3よりも小さい。このため、非肌対向面から第2コアカバーシート22bを視認することができ、排尿の有無を間違えることを防止することができる。
また、図示省略するが、吸液性コア21の両側縁21a,21bの横方向Xの外側において、第1コアカバーシート22aが厚さ方向Zに重なるようにしてもよい。このようにすれば、吸液性コア21の両側縁21a,21bの茶色を濃くすることができ、使用者に吸液性コア21の位置を認識させることができる。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係るおむつ1の図2と同様の展開平面図であり、図10は、図9のX−X線断面図である。本実施形態に係るおむつ1の基本構成は、第1実施形態のおむつ1と同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
このおむつ1は、表面シート31と第1コアカバーシート22aとの間に別部材である中間シート39が位置する。中間シート39は、漂白パルプ繊維で構成してあるか、若しくは構成繊維に二酸化チタン等の顔料を練り込み、白色である。このため、薄茶色の第1コアカバーシート22aによって、使用者に中間シート39の位置を把握させることができる。
また、このおむつ1には、尿等の排泄物の有無を裏面シートの外側から識別可能なインジケータ71が、吸液性コア21の非肌対向面側に位置し、インジケータ71と第2コアカバーシート22bとが厚さ方向Zにおいて重なっている。インジケータ71の周囲の第2コアカバーシート22bが白色であるため、排尿の有無を間違えることを防止することができる。
おむつメーカーのインジケータのLab表色系におけるL値、a値、b値、ΔE値を表3に示す。測定器および測定方法は後述と同じである。
Figure 0006838013
表3に示すように、各社のインジケータのb値は、15.85〜22.72であって黄色である。また、本発明に使用するインジケータ71もこの範囲に含まれる。このおむつ1の第2コアカバーシート22bは白色であるため、インジケータ71の位置を容易に視認することができる。
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態に係るおむつ1の図2と同様の展開平面図である。本実施形態に係るおむつ1の基本構成は、第1実施形態のおむつ1と同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
このおむつ1の吸収体20では、第1コアカバーシート22aと第2コアカバーシート22bとの対向面間に高吸水性ポリマー粒子63を介在させてある。吸収体20は、高吸水性ポリマー粒子63がホットメルト接着剤等の接合剤を介してシート22a,22bに固定してある第1接合域64と、第1接合域64の周囲に配置し、第1コアカバーシート22aと第2コアカバーシート22bとを直接、ホットメルト接着剤等の接合剤を介し接合してある第2接合域65とを有している。第1接合域64は、縦方向Yへ間隔をあけて配置してあり、複数の第1接合域64の間には第2接合域65を配置してある。また、吸液性コア21は、高吸水性ポリマー粒子63のみによって形成してある。
<第5実施形態>
図12は、本発明に係る吸収性物品の使用の一例を示すものであって、本実施例において、吸収体20は、生理用ナプキン(吸収性物品)80に使用されている。
生理用ナプキン80は、肌対向面(内面)側及びその反対側の非肌対向面(外面)側と、凸曲状の第1及び第2端縁80a,80bと、横中心線Qの位置する中央部において凸曲する第1及び第2側縁80c,80dと、肌対向面側に位置する透液性の表面シート31と、非肌対向面側に位置する伸縮性かつ不透液性の裏面シート32と、これら両シート31,32間に位置する吸液性の吸収体20とを含む。
吸収体20は、第1端縁80aと対向する第1端縁20aと第2端縁80bと対向する第2端縁20bと、第1及び第2端縁20a,20b間において縦方向へ延びる第1及び第2側縁20c,20dとを有する。表裏面シート81,82は、吸収体20の外周から外方へ延出しており、表面シート81の肌対向面側には、横方向Xにおいて互いに対向するように縦方向Yへ延びる一対のサイドシート84が配置される。一対のサイドシート84は、表面シート81に公知の接着手段又は溶着手段からなるサイド接合部(図示せず)を介して接合される。
生理用ナプキン80の縦方向Yの中央部分には、横方向Xの外側へ凸となる、両側縁部87の一部によって形成されたウイング部88が位置する。また、互いに積層されたシート81,82,84は、生理用ナプキン80の外周縁に沿って位置する外周シール部89を介して互いに接合されている。
また、コアカバーシート22の全体が、木材等の植物原料由来の薄茶色であるため、表面シート81を介して吸液性コア21に人工経血を滴下(5ml)したとき、肌対向面側から視た経血吸収領域と、吸液性コア21を含む経血非吸収領域とにおいて、L*a*b表色系(L*a*b色空間、以下、単に「Labと省略する。」)のa値、b値及びL値を測定した。実施例1には、中間シートを有しておらず、第1コアカバーシート22aの単位面積当たりの質量が14g/m生理用ナプキン80を用い、実施例2には、中間シートを有しておらず、第1コアカバーシート22aの単位面積当たりの質量が20g/m生理用ナプキン80を用いた。さらに、これらの実施例1〜2と比較するため、リグニン成分を含む第1コアカバーシートとリグニン成分を含まない中間シートを有し、第1コアカバーシート22aの単位面積当たりの質量が14g/mの比較例1のナプキン、リグニン成分を含まない白色のコアカバーシートを用いてあって表面シートにコットンを用いてある比較例2のナプキン、及びリグニン成分を含まない白色のコアカバーシートを用いてあって表面シートにコットンを用いてない比較例3のナプキンにも、同様に、表面シートを介して吸液性コア21に標準経血を滴下したとき、肌対向面側から視た経血吸収領域と経血非吸収領域とにおいて、Lab表色系のa値、b値及びL値を測定してみた。その実験結果を表4〜表7に示す。なお、人工経血には、イオン水、グリセリン、カルボメチルセルロースナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、色素赤102号、色素赤2号、色素黄5号(各色素は、株式会社丸紅商会製)を適量混合したものを使用した。
(色差の測定方法について)
色差の測定は、日本電色工業株式会社製の色差計ZE6000(標準白板[X=93.19,Y=95.20,Z=112.28]、反射測定径30mm)を用いてJIS Z 8722に準拠して行った。測定は、サンプルごとに5回行い、測定値の平均値を各サンプルのL値、a値及びb値とした。
Figure 0006838013
a値は、主として赤色と緑色に関するものであり、値が大きくなると赤色を帯び、値が小さくなると緑色を帯びる。負の数になると、より緑色が濃くなる。表4を参照すると、比較例2,3のナプキンでは、白色のコアカバーシートを用いてあるため、非吸収領域のa値が負の数である一方、吸収領域のa値が50.0以上であるため、両者の差が大きく、吸収領域の赤色が目立つ。一方、実施例1〜2のナプキンでは、薄茶色の第1コアカバーシート22aを用いてあるため、非吸収領域のa値が正の数である0.5以上であり、吸収領域のa値が50.0より小さいであるため、両者の差が50以下であり、吸収領域の赤色が目立つのを抑えることができる。一方、比較例1のナプキンでは薄茶色のコアカバーシートを用いてあるため、非吸収領域のa値が正の数であるものの、白色の中間シートを用いてあるため、吸収領域のa値が50を超えてしまう。このため、吸収領域の赤色が目立ってしまう。これらを考慮すると、非吸収領域のa値は、0.50≦a値≦10.00であることが好ましい。また、吸収領域のa値は、50以下であることが好ましい。さらに、吸収領域と非吸収領域との差が50以下であることが好ましい。a値に関して、実施例1,2のナプキンが好ましく、比較例1〜3のナプキンは好ましくない。
Figure 0006838013
b値は、主として黄色と青色に関するものであり、値が大きくなると黄色を帯び、値が小さくなると青色を帯びる。表5を参照すると、比較例2のナプキンでは、白色のコアカバーシートを用いてあるため、非吸収領域のb値が7よりも小さく、吸収領域のb値が27を超え、両者の差が20を超えてしまい、両者の差が大きく、吸収領域の黄色が目立つ。比較例3のナプキンでは、白色のコアカバーシートを用いてあるため、吸収領域のb値が27を超え、両者の差が大きく、吸収領域の黄色が目立つ。一方、実施例1〜2のナプキンでは、薄茶色の第1コアカバーシート22aを用いてあるため、非吸収領域のb値が、7以上であって、15以下であり、吸収領域のb値が30以下であって、両者の差が20以下であり、吸収領域の黄色が目立つのを抑えることができる。一方、比較例1のナプキンでは薄茶色のコアカバーシートを用いてあるものの、白色の中間シートを用いてあるため、非吸収領域のb値が7より小さい(b値が0に近くなると青色を帯びる)。このため、吸収領域と非吸収領域との色の差が大きく、吸収領域の色が目立つのを抑えることができない。これらを考慮すると、非吸収領域のb値は、7.00≦b値≦15.00であることが好ましい。また、吸収領域のb値は、30以下であることが好ましい。さらに、吸収領域と非吸収領域との差が20以下であることが好ましい。b値に関して、実施例1,2のナプキンが好ましく、比較例1〜3のナプキンは好ましくない。
L値は、色の明るさに関するものであり、値が大きくなると白色を帯び、値が小さくなると黒色を帯びる。表6を参照すると、L値に関しては、70以上であって、90以下であること(70.00≦L値≦90.00)が好ましい。L値に関して、実施例1,2のナプキンが好ましく、比較例1〜3のナプキンは好ましくない。
Figure 0006838013
ところで、第1コアカバーシート22aの全体が、木材等の植物原料由来の薄茶色であり、吸収体20が薄茶色である一方、ウイング部88は白色である。そこで、吸液性コア21を含む吸収体20と、吸収体20を含まないウイング部88において、Lab表色系のa値を測定してみた。実施例1には、中間シートを有しておらず、吸収体の単位面積当たりの質量が14g/m生理用ナプキン80を用いた。さらに、実施例1と比較するため、リグニン成分を含まないコアカバーシートをそれぞれ用いてある比較例1〜3のナプキンも、同様に、吸液性コア21を含む吸収体20と、吸収体20を含まないウイング部88において、Lab表色系のa値を測定してみた。その実験結果を表7に示す。
Figure 0006838013
表7に示すように、実施例1のナプキンのみが、両差の差が0.5以上である一方、比較例1〜3のナプキンは、両者の差が0.5より小である。両者の差が0.5以上であると、吸収体の周縁と、ウイング部88を含むその他の領域との境界が明確となるため、着用者または介護者が吸収体20の位置を把握できるため、好ましい。
なお、上述した実施形態には、吸液性コア21がリグニン成分を含まないものを説明した。しかし、この発明はそれに限られず、吸液性コア21がリグニン成分を含んでもよい。
上記実施形態には、予め前後ウエスト域の両側縁部が接合された、いわゆるパンツ型おむつを説明した。しかし、この発明はそれに限られず、開放型のおむつにも適用できる。
上記に開示した本発明の複数の実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
吸収性物品を構成する部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書において使用されている「第1」および「第2」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
21 吸液性コア
21d 幅狭域
22a 第1コアカバーシート(コアカバーシート)
22c 両側縁部
22d 両側縁部
22b 第2コアカバーシート(コアカバーシート)
22e 両側縁部
22f 両側縁部
27 接合部
31 表面シート
31a 表面シート
32 裏面シート
39 中間シート(別部材)
41 漂白パルプ繊維
42 未漂白パルプ繊維
61 凸部
62 凹部
71 インジケータ
80 使い捨てナプキン(吸収性物品)
L1 接合部の長さ寸法
W1 両側縁部のうちの一方の側縁部の横方向の寸法
W2 両側縁部のうちの他方の側縁部の横方向の寸法
W4 吸収体の横方向の寸法
X 横方向
Y 縦方向
Z 厚さ方向

Claims (12)

  1. 肌対向面側に位置する透液性の表面シートと、非肌対向面側に位置する不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを含む吸収性物品において、
    前記吸収体は、吸液性コアと、前記吸液性コアを被覆するコアカバーシートとを含み、
    前記コアカバーシートは、前記吸液性コアの前記肌対向面側に位置し、第1パルプ繊維を含む第1コアカバーシートと、前記吸液性コアの前記非肌対向面側に位置し、第2パルプ繊維を含む第2コアカバーシートとを有し、
    前記第1パルプ繊維は未漂白パルプ繊維、前記第2パルプ繊維は漂白パルプ繊維であって、
    前記第1パルプ繊維は前記第1コアカバーシートにおいて他の構成繊維よりも多く含まれていて、前記第2パルプ繊維は前記第2コアカバーシートにおいて他の構成繊維よりも多く含まれており、
    前記第2コアカバーシートを形成するパルプ繊維のカッパ価が5.8以下であって、
    前記第2パルプ繊維のカッパ価が、前記第1パルプ繊維のカッパ価よりも小さいことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記第1パルプ繊維のカッパ価が8〜40であり、
    前記第2パルプ繊維のカッパ価と、前記第1パルプ繊維のカッパ価との差が2.4以上である請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記第2パルプ繊維のカッパ価と、前記第1パルプ繊維のカッパ価との差が7.2以上である請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第1コアカバーシートは、前記吸液性コアの前記非肌対向面と前記第2コアカバーシートとの間に位置する両側縁部を有する請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 横方向と縦方向とを有し、
    前記両側縁部の前記横方向の寸法の合計は、前記吸液性コアの前記横方向の寸法の1/3よりも小さい請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸液性コアの両側縁の前記横方向の外側において、前記第1コアカバーシートが厚さ方向に重なっている請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 横方向と縦方向とを有し、
    前記第1コアカバーシートの両側縁および前記第2コアカバーシートの両側縁は、前記吸液性コアの両側縁よりも前記横方向の外側へ延出し、
    前記吸液性コアの両側縁の前記横方向の外側において、前記第1コアカバーシートと前記第2コアカバーシートとが接合してある請求項1または2に記載の吸収性物品。
  8. 前記第1コアカバーシートと前記第2コアカバーシートとの接合部の前記縦方向における長さ寸法が50mm以下である請求項7に記載の吸収性物品。
  9. 排泄物の有無を前記裏面シートの外側から識別可能なインジケータが、前記吸液性コアの前記非肌対向面側に位置し、
    前記インジケータと前記第2コアカバーシートとが厚さ方向において重なっている請求項1〜8のいずれかに記載の吸収性物品。
  10. 前記表面シートと前記第1コアカバーシートとの間に別部材が位置する請求項1〜9のいずれかに記載の吸収性物品。
  11. 前記表面シートは、前記縦方向へそれぞれ延びて前記横方向において交互に配置してある凸部と凹部とを有し、
    前記凹部が前記吸収体に接触している一方、前記凸部が前記吸収体から離れている請求項5又は7に記載の吸収性物品。
  12. 前記吸液性コアは、前記縦方向の中央において、前記吸液性コアの前記横方向の寸法が小さい幅狭域を有し、
    前記裏面シートにおける前記幅狭域と重なる部位が着色部を有する請求項5又は7に記載の吸収性物品。
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