JP7158211B2 - ビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法及びビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量の低減方法 - Google Patents

ビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法及びビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量の低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法及びビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量の低減方法に関する。
特許文献1には、従来、原料として小麦麦芽を使用し、上面発酵酵母であるヴァイツェン酵母を用いて発酵させる製造方法により得られるヴァイツェンビール又はヴァイツェンビール様の香気を持った麦芽発酵飲料において、4-ビニルグアイアコールに由来するクローブ様の特徴香は、その含有量が多い場合や、他の香気、特にフルーティな香気とのバランスによっては、薬品臭や消毒臭と称される好ましくないフェノリックな香気が強調され、ビールの嗜好性や、ドリンカビリティー(飽きずに何杯も飲み続けられる性質)が低下するといった問題があったことが記載された上で、4-ビニルグアイアコールの含有量が1000ppb以上であり、かつVDK値が0.05ppb以下であることを特徴とする、麦芽発酵飲料について記載されている。
特開2017-046627号公報
一方、本発明の発明者は、ビールテイスト小麦麦芽飲料における4-ビニルグアイアコールの含有量を低減するための技術的手段について、鋭意検討を重ねた。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、4-ビニルグアイアコールの含有量が効果的に低減されたビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法及びビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量の低減方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法は、コングレス麦汁のpHが6.27以下である小麦麦芽を使用すること、及び前記小麦麦芽を使用して調製された原料液を使用して、4-ビニルグアイアコールの含有量が0.51mg/L以下のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造すること、を含む。本発明によれば、4-ビニルグアイアコール含有量が効果的に低減されたビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法が提供される。
また、前記製造方法においては、大麦麦芽をさらに使用することとしてもよい。また、前記製造方法においては、ホップをさらに使用することとしてもよい。また、前記製造方法は、前記原料液に下面発酵酵母を添加してアルコール発酵を行うことを含むこととしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量の低減方法は、小麦麦芽を使用するビールテイスト小麦麦芽飲料の製造において、前記小麦麦芽としてコングレス麦汁のpHが6.27以下である小麦麦芽を使用することにより、前記ビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量を0.51mg/L以下に低減する。本発明によれば、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量を効果的に低減する方法が提供される。
また、前記低減方法は、前記小麦麦芽を使用して調製された原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行う前記ビールテイスト小麦麦芽飲料の製造において、前記コングレス麦汁のpHが6.27以下である前記小麦麦芽を使用することにより、前記アルコール発酵に使用する前記酵母を変えることなく、前記ビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量を0.51mg/L以下に低減することとしてもよい。この場合、前記酵母は下面発酵酵母であることとしてもよい。
本発明によれば、4-ビニルグアイアコールの含有量が効果的に低減されたビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法及びビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコールの含有量の低減方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る実施例において、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量を評価した結果を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本実施形態に係る方法(以下、「本方法」ということがある。)は、その一側面として、コングレス麦汁のpHが6.27以下である小麦麦芽を使用すること、及び、当該小麦麦芽を使用して調製された原料液を使用して、4-ビニルグアイアコール(4-vinlyguaiacol)(CAS登録番号:7786-61-0)(以下、「4VG」という。)の含有量が0.51mg/L以下のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造すること、を含む、ビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法を含む。
ここで、本発明の発明者らは、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を低減するための技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、意外にも、コングレス麦汁のpHが所定値以下である特定の小麦麦芽を使用することにより、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が効果的に低減されることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
このため、本方法は、他の側面として、小麦麦芽を使用するビールテイスト小麦麦芽飲料の製造において、当該小麦麦芽としてコングレス麦汁のpHが6.27以下である小麦麦芽を使用することにより、当該ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を0.51mg/L以下に低減する、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量の低減方法を含む。
本方法において使用する小麦麦芽は、そのコングレス麦汁のpHが、例えば、6.20以下であることとしてもよく、6.16以下であることが好ましく、6.10以下であることがより好ましく、6.05以下であることが特に好ましい。なお、小麦麦芽のコングレス麦汁のpHの下限値は、本発明による効果が得られる範囲内であれば特に限られないが、当該pHは、例えば、5.50以上であることとしてもよい。
また、本方法において、コングレス麦汁のpHが上述した上限値以下である小麦麦芽を使用して製造されるビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量は、例えば、0.48mg/L以下であることとしてもよく、0.44mg/L以下であることが好ましく、0.43mg/L以下であることがより好ましく、0.37mg/L以下であることが特に好ましい。
具体的に、本方法においては、例えば、コングレス麦汁のpHが6.20以下である小麦麦芽を使用して、4VG含有量が0.48mg/L以下のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造することとしてもよく、コングレス麦汁のpHが6.16以下である小麦麦芽を使用して、4VG含有量が0.44mg/L以下のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造することが好ましく、コングレス麦汁のpHが6.10以下である小麦麦芽を使用して、4VG含有量が0.43mg/L以下のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造することがより好ましく、コングレス麦汁のpHが6.05以下である小麦麦芽を使用して、4VG含有量が0.37mg/L以下のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造することが特に好ましい。
なお、コングレス麦汁は、文献(「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂、ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編、公益財団法人日本醸造協会発行」の「4.3 コングレス麦汁」)に記載の方法に従い調製される。概略的には、上記文献に記載された条件にて、小麦麦芽と水とを混合し、糖化を行い、さらにろ過を行うことにより、当該小麦麦芽のコングレス麦汁が調製される。
本方法においては、小麦麦芽に加えて他の麦芽を使用してもよい。すなわち、本方法においては、小麦麦芽を含む麦芽を使用する。麦芽の総使用量に対する小麦麦芽の使用量の割合は、特に限られないが、例えば、5重量%以上であってもよく、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることが特に好ましい。
より具体的に、麦芽の総使用量に対する小麦麦芽の使用量の割合は、例えば、5重量%以上、100重量%以下であってもよく、10重量%以上、90重量%以下であることが好ましく、15重量%以上、85重量%以下であることが特に好ましい。
他の麦芽は、ビールテイスト飲料の製造に使用され得るものであれば特に限られないが、例えば、大麦麦芽、燕麦麦芽及びライ麦麦芽からなる群より選択される1以上であることが好ましい。
すなわち、本方法においては、大麦麦芽をさらに使用してもよい。小麦麦芽及び大麦麦芽を含む麦芽を使用する場合、麦芽の総使用量(例えば、麦芽として小麦麦芽及び大麦麦芽のみを使用する場合には、当該小麦麦芽の使用量と当該大麦麦芽の使用量との合計)に対する、小麦麦芽の使用量の割合、及び大麦麦芽の使用量の割合は、特に限られないが、例えば、小麦麦芽5重量%以上、且つ大麦麦芽5重量%以上であってもよく、小麦麦芽10重量%以上、且つ大麦麦芽10重量%以上であることが好ましく、小麦麦芽15重量%以上、且つ大麦麦芽15重量%以上であることが特に好ましい。
より具体的に、麦芽の総使用量に対する、小麦麦芽の使用量の割合、及び大麦麦芽の使用量の割合は、例えば、小麦麦芽5重量%以上、100重量%以下、且つ大麦麦芽0重量%以上、95重量%以下であってもよく、小麦麦芽5重量%以上、95重量%以下、且つ大麦麦芽5重量%以上、95重量%以下であることが好ましく、小麦麦芽10重量%以上、90重量%以下、且つ大麦麦芽10重量%以上、90重量%以下であることがより好ましく、小麦麦芽15重量%以上、85重量%以下、且つ大麦麦芽15重量%以上、85重量%以下であることが特に好ましい。
また、麦芽の総使用量に対する大麦麦芽の使用量の割合は、50重量%以上であってもよい。この場合、麦芽の総使用量に対する、小麦麦芽の使用量の割合、及び大麦麦芽の使用量の割合は、例えば、小麦麦芽5重量%以上、且つ大麦麦芽50重量%以上であってもよく、小麦麦芽10重量%以上、且つ大麦麦芽50重量%以上であることが好ましく、小麦麦芽15重量%以上、且つ大麦麦芽50重量%以上であることが特に好ましい。
より具体的に、麦芽の総使用量に対する、小麦麦芽の使用量の割合、及び大麦麦芽の使用量の割合は、例えば、小麦麦芽5重量%以上、50重量%以下、且つ大麦麦芽50重量%以上、95重量%以下であってもよく、小麦麦芽10重量%以上、50重量%以下、且つ大麦麦芽50重量%以上、90重量%以下であることが好ましく、小麦麦芽15重量%以上、50重量%以下、且つ大麦麦芽50重量%以上、85重量%以下であることが特に好ましい。
本方法においては、ホップをさらに使用してもよい。ホップは、特に限られないが、例えば、ホップパウダー、ホップペレット、プレスホップ、生ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ローホップ、テトラホップ及びヘキサホップからなる群より選択される1以上であることが好ましい。また、本方法においては、小麦麦芽に加えて、上記他の麦芽及びホップを使用してもよい。
本方法においては、他の副原料をさらに使用してもよい。他の副原料としては、澱粉原料(例えば、コーン、コーンスターチ、コーングリッツ、米及びこうりゃんからなる群より選択される1以上)、及び/又は糖質原料(例えば、液糖、及び/又は砂糖)が挙げられる。
本方法においては、小麦麦芽を含む麦芽を使用して調製された原料液を使用して、ビールテイスト小麦麦芽飲料を製造する。原料液は、小麦麦芽を含む麦芽と水とを混合して調製される。
原料液は、小麦麦芽を含む麦芽を使用し、糖化を行って調製されてもよい。この場合、原料液は、例えば、小麦麦芽を含む麦芽と水とを含む混合液の糖化を行って調製される。糖化は、麦芽を含む混合液を、多糖類分解酵素及び/又はタンパク質分解酵素で処理することにより行う。多糖類分解酵素及び/又はタンパク質分解酵素は、麦芽に含まれる酵素であってもよいし、及び/又は、当該麦芽とは別に外的に添加される酵素であってもよい。糖化は、多糖類分解酵素及び/又はタンパク質分解酵素が働く温度(例えば、30℃以上、80℃以下)で行う。
原料液は、小麦麦芽を含む麦芽を使用し、糖化を行い、さらに煮沸を行って調製されてもよい。この場合、原料液は、例えば、小麦麦芽を含む麦芽と水とを含む混合液の糖化を行い、その後、煮沸を行って調製される。
ホップを使用する場合、原料液は、小麦麦芽を含む麦芽を使用し、煮沸を行って調製されてもよい。この場合、原料液は、例えば、小麦麦芽を含む麦芽と水とを含む混合液にホップを添加して煮沸することにより調製される。他の副原料を使用する場合、原料液は、小麦麦芽を含む麦芽と、当該他の副原料とを使用し、煮沸を行って調製されてもよい。
また、原料液は、小麦麦芽を含む麦芽を使用し、糖化を行い、さらにホップを添加し煮沸を行って調製されてもよい。この場合、原料液は、例えば、小麦麦芽を含む麦芽と水とを含む混合液の糖化を行い、さらに糖化後の混合液にホップを添加して煮沸することにより調製される。
本方法は、アルコール発酵を行うことを含んでもよい。この場合、小麦麦芽を含む麦芽を使用して調製された原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行う。酵母は、アルコール発酵を行う酵母であれば特に限られないが、例えば、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母及び清酒酵母からなる群より選択される1以上であることが好ましい。
酵母は、下面発酵酵母であることが好ましい。すなわち、本方法は、原料液に下面発酵酵母を添加してアルコール発酵を行うことを含んでもよい。なお、本方法においては、例えば、コングレス麦汁のpHが異なる小麦麦芽を使用することにより、及び/又は、アルコール発酵に使用する酵母を変えることにより、最終的に製造されるビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を調整することができる。具体的には、小麦麦芽として、コングレス麦汁のpHが6.27以下であって、より小さいものを使用することで、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を低下させることができる。また、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を上述した上限値以下とする上で、アルコール発酵において下面発酵酵母を使用することは、上面発酵酵母を使用する場合に比べて一般的に好ましい。
ただし、アルコール発酵に使用する酵母を変えることができない場合もある。すなわち、例えば、ビールテイスト小麦麦芽飲料の特性や、その製造条件の観点から、アルコール発酵に使用する酵母株が予め決定された場合には、当該酵母株を使用しながら、当該ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を低減する必要がある。この点、上述のとおり、本方法によれば、コングレス麦汁のpHが所定の上限値以下である小麦麦芽を使用するだけで、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を効果的に低減することができる。
すなわち、本実施形態に係るビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量の低減方法においては、小麦麦芽を使用して調製された原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うビールテイスト小麦麦芽飲料の製造において、当該小麦麦芽として、コングレス麦汁のpHが上述した上限値以下である小麦麦芽を使用することにより、当該アルコール発酵に使用する当該酵母を変えることなく、当該ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を上述の上限値以下に低減することができる。この場合、アルコール発酵に使用する酵母が下面発酵酵母であれば、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量をより効果的に低減することができる。
アルコール発酵の条件は、原料液中において酵母によるアルコール発酵が行われる条件であれば特に限られない。アルコール発酵は、例えば、原料液を0℃以上、40℃以下の範囲内の温度で、1日以上、14日以下の時間維持することにより行う。アルコール発酵開始時の原料液における酵母数は、特に限られないが、例えば、1×10個/mL~3×10個/mLであることが好ましい。
本方法は、アルコール発酵後に、熟成を行うことを含んでもよい。なお、本方法において、アルコール発酵は、ビールの製造における主発酵又は前発酵に相当し、熟成は、ビールの製造における貯酒又は後発酵に相当する。
ビールテイスト小麦麦芽飲料は、小麦麦芽を使用して製造されることにより、当該小麦に由来する成分を含み、ビール様の香味を有する飲料である。ビールテイスト小麦麦芽飲料は、その製造時の条件(例えば、アルコール発酵の有無や、大麦麦芽の使用の有無、ホップの使用の有無)に関わらず、ビール様の香味を有する小麦麦芽飲料であれば特に限られない。
ビールテイスト小麦麦芽飲料は、発泡性飲料であってもよい。発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料であることが好ましい。
発泡性飲料は、そのNIBEM値が50秒以上であってもよく、80秒以上であることが好ましく、150秒以上であることがより好ましく、200秒以上であることが特に好ましい。発泡性飲料のNIBEM値は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.29 泡-NIBEM-Tを用いた泡持ち測定法-」に記載の方法により測定される。
発泡性飲料は、その炭酸ガス圧が1.0kg/cm以上であってもよく、2.0kg/cm以上であることとしてもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧の上限値は、特に限られないが、当該炭酸ガス圧は、3.0kg/cm以下であってもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.21 ガス圧」に記載の方法により測定される。
ビールテイスト小麦麦芽飲料は、アルコール飲料であってもよい。アルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の飲料である。アルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1体積%以上、20体積%以下であることとしてもよい。
ビールテイスト小麦麦芽飲料は、発泡性アルコール飲料であってもよい。この場合、ビールテイスト飲料は、ビール、発泡酒、及び、発泡酒と他のアルコール成分(例えば、焼酎、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、その他のスピリッツ、清酒、果実酒、甘味果実酒、雑酒及び粉末酒からなる群より選択される1以上)とを含有する発泡性アルコール飲料、からなる群より選択される発泡性アルコール飲料であってもよい。
ビールテイスト小麦麦芽飲料は、ノンアルコール飲料であってもよい。ノンアルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%未満の飲料である。ノンアルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であってもよく、0.05体積%未満であってもよく、0.005体積%未満であってもよい。なお、アルコール発酵を行う場合、例えば、当該アルコール発酵後の原料液に、アルコール含有量を低減する処理を施すことにより、ノンアルコール飲料を得ることができる。ビールテイスト小麦麦芽飲料は、発泡性ノンアルコール飲料であってもよい。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[コングレス麦汁のpH測定]
市販されている6種類の小麦麦芽(以下、「小麦麦芽A」、「小麦麦芽B」、「小麦麦
芽C」、「小麦麦芽D」、「小麦麦芽E」、及び「小麦麦芽F」という。)を用意した。小麦麦芽A~Fは、品種及び/又は産地が異なる6種類の小麦を発芽させることにより調製されたものであった。
文献(「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂、ビール酒造組合国際技術
委員会(分析委員会)編、公益財団法人日本醸造協会発行」の「4.3 コングレス麦汁
」)に記載の方法に従い、麦芽として、小麦麦芽A~Fのうち1種のみを使用して、コングレス麦汁を調製した。
上述のようにして調製されたコングレス麦汁のpHを、文献(「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂、ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編、公益財団法人日本醸造協会発行」の「4.3 コングレス麦汁」の「4.3.7 pH」)に記載の方法に従い測定した。
[ビールテイスト小麦麦芽飲料の製造]
小麦麦芽として、6種類の小麦麦芽A~Fのうち1種を使用して、6種類のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造した。具体的に、麦芽として、大麦麦芽及び小麦麦芽を使用した。麦芽の総使用量(大麦麦芽の使用量と小麦麦芽の使用量との合計)に対する小麦麦芽の使用量は50重量%であった。
まず麦芽を水と混合して混合液を調製した。次いで、麦芽を含む混合液の糖化を行い、ろ過(いわゆる麦汁ろ過)を行った。さらに、ろ過後の混合液にホップを添加して煮沸を行った。煮沸後の混合液を冷却して、原料液を得た。その後、原料液に下面発酵酵母を添加してアルコール発酵を行い、さらに、熟成を行った。熟成後の原料液の飲料ろ過を行い、発泡性アルコール飲料であるビールテイスト小麦麦芽飲料を得た。なお、ビールテイスト小麦麦芽飲料のアルコール含有量は約5体積%であった。
[成分分析]
上述のようにして得られたビールテイスト小麦麦芽飲料について、4VGの含有量を測定した。4VGの含有量は、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法により以下の要領で測定した。
3gの塩化ナトリウムを入れたSPME用バイアルに試料8mLを入れ密栓した。検量線は標準添加法にて作成した。各バイアルを40℃で15分間振盪した後、SPME用ファイバー(Polydimethylsiloxane/Divinylbenzene65μm:スペルコ社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させた。40℃で15分間、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で3分間脱着させ、GC/MSにより分析を行った。
GC/MSの分析条件は次のとおりであった。分析機器:Agilent GC-MS5973N。カラム:HP-1MS 30m×0.25mm、膜厚1.0μm。注入法:スプリットレス注入。コンスタントフロー:1.1mL/min。キャリアガス:He。注入口温度:260℃。トランスファーライン温度:320℃。オーブン温度:40℃(3min)→5℃/min→200℃(0min)→10℃/min→ 320℃(0min)。
[結果]
図1には、小麦麦芽A~Fのいずれかを使用して調製したコングレス麦汁のpHを測定した結果と、当該小麦麦芽A~Fのいずれか使用して製造されたビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を測定した結果とを示す。
図1に示すように、コングレス麦汁のpHが6.28であった小麦麦芽Fを使用した例6においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が0.52mg/Lであったのに対し、コングレス麦汁のpHが6.28未満(具体的には、6.17以下)であった小麦麦芽A~Eのいずれかを使用した例1~例5においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が0.52mg/L未満(具体的には、0.45mg/L以下)であった。
すなわち、コングレス麦汁のpHが6.28未満の小麦麦芽を使用することにより、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を0.52mg/L未満に低減することができた。
また、コングレス麦汁のpHが6.17の小麦麦芽Eを使用した例5においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が0.45mg/Lであったのに対し、コングレス麦汁のpHが6.17未満(具体的には、6.14以下)であった小麦麦芽A~Dのいずれかを使用した例1~例4においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が0.45mg/L未満(具体的には、0.44mg/L以下)であった。
すなわち、コングレス麦汁のpHが6.17未満の小麦麦芽を使用することにより、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を0.45mg/L未満に低減することができた。
また、コングレス麦汁のpHが6.14の小麦麦芽Dを使用した例4及びコングレス麦汁のpHが6.11の小麦麦芽Cを使用した例3においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量がいずれも0.44mg/Lであったのに対し、コングレス麦汁のpHが6.11未満(具体的には、6.06以下)の小麦麦芽A及び小麦麦芽Bのいずれかを使用した例1及び例2においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が0.44mg/L未満(具体的には、0.38mg/L以下)であった。
すなわち、コングレス麦汁のpHが6.11未満の小麦麦芽を使用することにより、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を0.44mg/L未満に低減することができた。
また、コングレス麦汁のpHが6.06の小麦麦芽Bを使用した例2においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が0.38mg/Lであったのに対し、コングレス麦汁のpHが6.06未満(具体的には、5.99)の小麦麦芽Aを使用した例1においては、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量が0.38mg/L未満(具体的には、0.37mg/L)であった。
すなわち、コングレス麦汁のpHが6.06未満の小麦麦芽を使用することにより、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4VG含有量を0.38mg/L未満に低減することができた。

Claims (3)

  1. 「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂」の「4.3 コングレス麦汁」に記載の方法により調製されるコングレス麦汁のpHが6.27以下である小麦麦芽と、大麦麦芽とを含む麦芽を使用すること、及び
    記麦芽を使用して調製された原料液に下面発酵酵母を添加してアルコール発酵を行い、4-ビニルグアイアコールの含有量が0.51mg/L以下のビールテイスト小麦麦芽飲料を製造すること、
    を含
    前記麦芽の総使用量に対する、前記小麦麦芽の使用量の割合、及び前記大麦麦芽の使用量の割合は、小麦麦芽5重量%以上、且つ大麦麦芽50重量%以上である、
    ビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法。
  2. ホップをさらに使用する、請求項1に記載のビールテイスト小麦麦芽飲料の製造方法。
  3. 小麦麦芽及び大麦麦芽を含む麦芽を使用するビールテイスト小麦麦芽飲料の製造において、
    前記小麦麦芽として、「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂」の「4.3 コングレス麦汁」に記載の方法により調製されるコングレス麦汁のpHが6.27以下である小麦麦芽を使用し、前記麦芽の総使用量に対する、前記小麦麦芽の使用量の割合、及び前記大麦麦芽の使用量の割合として、小麦麦芽5重量%以上、且つ大麦麦芽50重量%以上を使用し、前記麦芽を使用して調製された原料液に下面発酵酵母を添加してアルコール発酵を行うことにより、前記ビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量を0.51mg/L以下に低減する、ビールテイスト小麦麦芽飲料の4-ビニルグアイアコール含有量の低減方法。
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