JP7157965B2 - 線路保守用車両 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されている線路保守用車両は、先行する事前設定装置が検知した情報を用いて枕木の状況を確認し、事前設定装置に追従して走行しながら、事前設定装置が確認した枕木の状況に応じてタンピング作業を行う。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、独立してタンピング作業を行うことが可能な線路保守用車両を提供することを目的とする。
これにより、線路保守用車両に先行する構成を必要とせずに、独立してタンピング作業を行うことが可能な、線路保守用車両を提供することが可能となる。
さらに、以下に示す第一実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1から図6を用いて、第一実施形態の構成を説明する。
線路保守用車両1は、砕石(バラスト)を突き固めるタンピング作業を行う車両である。砕石は、レールを支持する枕木の下に敷き詰められている。
また、図1中に表すように、線路保守用車両1は、走行部10と、リフティング部20と、タンピング部30と、コンパクタ部40と、種別記憶部50と、制御部60を備えている。
また、走行部10は、車輪Wの回転数を含む情報信号を、制御部60へ送信する。
リフティング部20は、制御部60から入力を受けた情報信号に応じて、レール2と枕木3を持ち上げる機能を有している。
また、タンピング部30は、制御部60から入力を受けた情報信号に応じて、図4中に示すように、砕石4を突き固める機能を有している。なお、図4中では、タンピング部30の構成を簡略化して図示している。
具体的に、タンピング部30は、リフティング部20が持ち上げた(こう上させた)状態の枕木3に対し、振動させることで砕石4の突き固めを行い、砕石4によって枕木3を保持させる作業を行う。
コンパクタ部40は、制御部60から入力を受けた情報信号に応じて、枕木3の端部を締め固めることで、枕木3が横方向に動かない様に、砕石によって枕木3に横方向の抵抗を与える機能を有している。
種別記憶部50は、予め設定したレール2上の基準位置からの距離に関連付けて、枕木3の種別に関する情報を記憶している。
基準位置からの距離は、例えば、走行部10による走行距離に応じて算出する。
第一実施形態では、一例として、枕木3の種別に関する情報が、枕木3の厚さと、タンピング作業が不可能であるか否かの情報と、曲線のレール2を支持する枕木3と、伸縮継目を形成する枕木3を含む。
基準位置からの距離に関連付けて記憶している枕木3の種別は、例えば、図5中に示すテーブルで表される。
また、図5中に示すように、種別記憶部50が記憶している枕木3の種別に関する情報によって、「0」から「4」の分類を設定している。
分類「0」は、厚さが通常の枕木3(PC3号、PND用)を示す分類である。
分類「1」は、タンピング作業が不可能である枕木3(支障:地上子、横断ケーブル、踏切、継目等)を示す分類である。
分類「2」は、曲線のレール2を支持する枕木3を示す分類である。
分類「3」は、分類「2」よりも湾曲度合いが大きい曲線のレール2を支持する枕木3を示す分類である。
分類「4」は、伸縮継目を形成する枕木3を示す分類である。
なお、種別記憶部50が、基準位置からの距離に関連付けて、枕木3の種別に関する情報を記憶する際には、DOGGシステムと呼称される機能を用いる。
リフト量制御部61は、リフティング部20に対し、レール2と枕木3を持ち上げる高さ(こう上量、リフト量)を含む情報信号を送信する。
なお、図示を省略しているが、線路保守用車両1は、レール2の高低に追従した三種類の検測輪(フロント検測輪、ミドル検測輪、リヤ検測輪)を備えている。
フロント検測輪は、リフティング部20よりも、線路保守用車両1の進行方向で前方に配置されている。ミドル検測輪は、リフティング部20とタンピング部30との間に配置されている。リヤ検測輪は、タンピング部30よりも、線路保守用車両1の進行方向で後方に配置されている。
また、リフト量制御部61は、具体的に、フロント検測輪を架空(電気的)に動かすことで、リフティング部20を制御している。
深さ制御部62は、種別記憶部50が記憶している枕木3の種別に関する情報に応じて、枕木3に対するタンピング深さを算出する。そして、算出したタンピング深さを含む情報信号を、タンピング部30に送信する。これにより、深さ制御部62は、種別記憶部50が記憶している枕木3の種別に関する情報に応じて、枕木3に対するタンピング深さを制御する。
また、タンピング深さは、例えば、枕木3の下面から10[mm]以上15[mm]以下の範囲内に設定する。
深さ制御部62は、種別記憶部50が記憶している枕木3の種別に関する情報に応じて、枕木3に対するタンピング深さを算出する際には、例えば、分類「2」の枕木3に対し、分類「1」以外の枕木3よりも、タンピング深さを大きくする。
また、分類「1」の枕木3に対しては、タンピング作業を行わないため、タンピング深さを、分類「0」、分類「2」、分類「3」、分類「4」よりも少ない値(0[mm]を超える値)に算出する。
コンパクタ制御部63は、コンパクタ部40に対し、枕木3の端部を締め固める強さを含む情報信号を送信する。
また、コンパクタ制御部63は、分類「1」の枕木3と、分類「3」の枕木3に対しては、左コンパクタ及び右コンパクタを動作させない制御を行う。
図1から図6を参照して、第一実施形態の線路保守用車両1で行う動作の一例と、作用を説明する。
線路保守用車両1の使用時には、まず、線路保守用車両1を、種別記憶部50が記憶している基準位置に移動させる。なお、線路保守用車両1の基準位置への移動は、人員による運転であっても、GPS等を用いた自動運転であってもよい。
そして、タンピング作業を行う枕木3の位置へ線路保守用車両1を移動させる。なお、基準位置を起点とした線路保守用車両1の移動は、人員による運転であっても、GPS等を用いた自動運転であってもよい。
その後、まず、リフティング部20によって枕木3及びレール2を持ち上げる。そして、リフティング部20が持ち上げた状態の枕木3に対し、この枕木3の種別に関する情報(分類)に応じてタンピング深さを制御して、タンピング部30によってタンピング作業を行う。さらに、タンピング部30によって突き固めを行った砕石4に対し、コンパクタ部40によって、枕木3の端部を締め固める。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
第一実施形態の線路保守用車両1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)砕石4を突き固めるタンピング部30と、予め設定したレール2上の基準位置からの距離に関連付けて枕木3の種別に関する情報を記憶している種別記憶部50と、タンピング部30を砕石4へ挿入するタンピング深さを制御する深さ制御部62を備える。これに加え、深さ制御部62が、種別記憶部50が記憶している種別に関する情報に応じて、枕木3に対するタンピング深さを制御する。
このため、予め設定したレール2上の基準位置からの距離に関連付けて記憶している枕木3の種別に関する情報に応じて、一つ一つの枕木3に対し、タンピング部30を砕石4へ挿入するタンピング深さを、個別に制御することが可能となる。
その結果、線路保守用車両1に先行する構成を必要とせずに、独立してタンピング作業を行うことが可能な、線路保守用車両1を提供することが可能となる。
その結果、リフティング部20が枕木3及びレール2を持ち上げた高さを考慮して、リフティング部20が持ち上げている枕木3に対するタンピング深さを制御することが可能となり、タンピング部30による突き固め能力の低下を抑制することが可能となる。
その結果、枕木3の厚さに応じて、タンピング深さを適切に制御することが可能となる。
(4)種別記憶部50が記憶している枕木3の種別に関する情報に、タンピング作業が不可能であるか否かの情報を含む。
その結果、タンピング作業が不可能である枕木3に、オペレータの指示に関わらず、自動的にタンピング作業を行わないため、埋設ケーブルや地上子等の線路構造物を、オペレータが誤って破損させることを防止することが可能となる。
その結果、レール2の湾曲度合いに応じて、タンピング深さを適切に制御することが可能となる。
(6)種別記憶部50が記憶している枕木3の種別に関する情報に、伸縮継目を形成する枕木3を含む。
その結果、伸縮継目を形成するレール2の構成に応じて、タンピング深さを適切に制御することが可能となる。
Claims (6)
- レールを支持する枕木の下に敷き詰められた砕石を突き固めるタンピング作業を行う線路保守用車両であって、
前記レールの上を走行可能である走行部と、
前記砕石を突き固めるタンピング部と、
予め設定した前記レール上の基準位置からの距離である前記走行部による走行距離に関連付けて前記枕木の種別に関する情報を記憶している種別記憶部と、
前記タンピング部を前記砕石へ挿入するタンピング深さを制御する深さ制御部と、を備え、
前記深さ制御部は、前記種別記憶部が記憶している前記種別に関する情報に応じて前記枕木に対する前記タンピング深さを制御することを特徴とする線路保守用車両。 - 前記枕木及び前記レールを持ち上げるリフティング部を備え、
前記深さ制御部は、前記リフティング部が前記枕木及び前記レールを持ち上げた高さに応じて、前記リフティング部が持ち上げている前記枕木に対して前記種別に関する情報に応じて制御している前記タンピング深さを補正することを特徴とする請求項1に記載した線路保守用車両。 - 前記種別に関する情報は、前記枕木の厚さを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載した線路保守用車両。
- 前記種別に関する情報は、前記タンピング作業が不可能であるか否かの情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した線路保守用車両。
- 前記種別に関する情報は、曲線の前記レールを支持する前記枕木を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した線路保守用車両。
- 前記種別に関する情報は、伸縮継目を形成する前記枕木を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した線路保守用車両。
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