JP7156773B2 - 可撓性包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、開封を手指による切り裂きで行う樹脂フィルム材により構成された可撓性包装袋に関するものである。
樹脂フィルム材の外周縁をヒートシールにより密封した可撓性包装袋は、各種の食品、飲料、日用品、洗剤、医薬品などを収容する包装袋として、広く使用されている。このような可撓性包装袋は、開封の際に、ハサミなどの工具を用いること無く、手指で簡易に開封できることが求められており、ヒートシール部分の一部にノッチを設けたり、開封予定箇所のフィルム表面に易開封加工を施したりすることが一般になされている。
このような可撓性包装袋は、フィルム表面が平滑であることから、開封箇所(摘み部分)の表面が濡れた状態になると、ノッチが設けられ或いは易開封加工が施されている場合にも、手指が滑って円滑に開封を行うことができなくなる。特に、風呂場、台所、洗面所など、水を扱う場所で開封を行う場合には、手指自体が濡れた状態になることが多いので、このような問題がより顕在化する。これに対しては、摘み部分のフィルム表面の手指で摘む部分にエンボス加工を施したり、摘み部分の表面に滑り止め層を設けたりして、表面の滑りを抑止することを試みた従来技術が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2005-96778号公報
手指が滑るという現象は、摘み部分のフィルム表面が平滑で摩擦抵抗が小さく、また、手指或いは摘み部分のフィルム表面が濡れているとより摩擦抵抗が小さくなり、手指と摘み部分の滑りが増大することが主な原因である。更に、このような摩擦抵抗だけでは無く、可撓性包装袋の開封は人的行為であるが故に、手指或いは摘み部分のフィルム表面が濡れていたりすると、開封時の手指の皮膚感覚から開封が困難であると察知し、開封のモチベーションが低下して、手指による摘み部分の摘みが雑になり、その結果、開封時に滑ってしまうことも考えられる。
また、前述した従来技術によると、摘み部分のフィルム表面にエンボス加工や滑り止め層により表面に凹部が形成されるが、単純な凹部の形成だけでは摩擦抵抗は大きくならず、手指の滑り止め効果は少ない。また、摘み部分のフィルム表面に形成した凹部に水が溜まりやすくなり、その結果指が濡れた状態を感知しやすくなり、滑り止めを効果的に抑止することができなくなる。
本発明は、このような事態に対処することを課題とするものである。すなわち、摘み部分の摩擦抵抗を大きくして滑り止めを行うと共に、皮膚感覚によって滑り止めを意識させることで、開封時の手指の滑りを効果的に抑止すること、が本発明の課題である。
このような課題を解決するために、本発明による可撓性包装袋は、以下の構成を具備するものである。
樹脂フィルム材の外縁に密封部を有する可撓性包装袋であって、前記密封部を手指によって切り裂いて開封するための開封摘み部を備え、前記開封摘み部は、前記密封部に形成した切り込みを切り込み線の一端と他端を結ぶ折り返し線で折り返した折り返し突片と、前記切り込み線および折り返し線のみで囲まれた折り返し孔とを備えるとを特徴とする可撓性包装袋。
このような特徴を備えた本発明の可撓性包装袋は、密封部に形成した切り込みを折り返した折り返し突片が指腹に食い込むことで、摘み部分の摩擦抵抗が大きくして滑り止めを行うと共に、滑り止めを意識する効果的な刺激を与えることができる。これによって、摘み部分の滑り止め効果が向上すると共に、開封のモチベーションの低下を抑えて、開封時の手指の滑りを効果的に抑止することができる。このような本発明の可撓性包装袋は、手指や開封摘み部が濡れた場合にも、滑りを抑えて良好な開封性を得ることができる。
本発明の実施形態に係る可撓性包装袋の要部を示した説明図である。 本発明の実施形態に係る可撓性包装袋の開封摘み部の形成例を示した説明図((a)が切り込み線の平面図、(b)が折り返し突片の断面図)である。 本発明の実施形態に係る可撓性包装袋の開封摘み部の形成例を示した説明図(切り込み線の平面図であり、(a)がコの字形状、(b)が三角形状、(c)が凹凸形状(波形状)、(d)が放射線(交差線)形状を示している)である。 本発明の実施形態に係る可撓性包装袋の具体例を示した説明図(平面図)である。 具体例の可撓性包装袋における開封摘み部の構成例を示した説明図((a)が部分平面図、(b)がA-A断面図)である。 具体例の可撓性包装袋における開封摘み部の構成例を示した説明図((a)が部分平面図、(b)がA-A断面図)である。 具体例の可撓性包装袋における開封摘み部の構成例を示した説明図((a)が部分平面図、(b)がA-A断面図)である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る可撓性包装袋の要部を示している。可撓性包装袋1は、樹脂フィルム材10を重ねて外周縁にヒートシールによる密封部1Aを形成し、密封部1Aの内側に内容物収容部1Bを形成したものであり、内容物収容部1Bには、液体、粉体、粒体などの内容物が収容される。収容される内容物は特に限定されるものではなく、食品、飲料、日用品、洗剤、医薬品など、各種の内容物を収容することができる。可撓性包装袋1の用途は、詰め替え用包装袋、食品用レトルトパウチなどであり、特に限定されない。
可撓性包装袋1は、密封部1Aを手指によって切り裂いて開封するための開封摘み部2を備えている。開封摘み部2は、密封部1Aに形成した切り込みを折り返した折り返し突片3を備える。
可撓性包装袋1は、開封摘み部2に折り返し突片3を備えることで、手指や樹脂フィルム材10が濡れた状態であっても、開封摘み部2を摘む手指の指腹に折り返し突片3が食い込むことで摩擦抵抗が大きくなり、良好な滑り止め効果を得ることができる。
従来技術のように、表面にエンボス加工などを施したものは、樹脂フィルム材の表面に凹部が形成されている。しかしながら、この凹部は、樹脂フィルム材の表面から緩やかなR曲線状の傾斜部を経て凹部中心部へ連なっており、樹脂フィルム材の表面の摩擦抵抗は小さい。このため、表面が濡れてしまうと良好な滑り止め効果は得られなくなる。これは、エンボス加工などで得られる凹部に水が溜まり摩擦力が低下して開封時に滑ってしまうだけでなく、凹部に溜まった水に指が触れて皮膚感覚で濡れを感じて滑りを察知し、開封のモチベーションが低下してしまい、手指による摘み部分の摘み方が雑になることが1つの要因であると考えられる。
これに対して、本発明の実施形態に係る可撓性包装袋1は、開封摘み部2における樹脂フィルム材10に折り返し突片3を設けているので、摩擦抵抗が大きくなって滑り止めが行われるだけでなく、指の皮膚に食い込む折り返し突片3が指腹の皮膚表面内側に位置する感覚受容器(マイスナー小体)を効果的に刺激して、開封をしようとして開封摘み部2を摘んだ際に、滑り止めを実感させることができる。これによって、開封を行う際に、多少濡れを感じていてもモチベーションの低下が抑えられ、手指による摘み部分の摘みが雑にならず、その結果、開封時の滑りが防止されてスムースな開封を実現することができる。折り返し突片3によって皮膚感覚の効果的な刺激を得るためには、折り返し突片3の折り返し高さは、1mm~5mm程度であることが好ましい。折り返し突片3の高さが1mm未満の場合は折り返し突片3の形成が難しく、良好な滑り止め効果が得にくい。また、折り返し突片3の高さが5mmを超えると、搬送時や販売陳列時に折り返し突片3が引っ掛かり易くなってしまう。
折り返し突片3の形成は、図2(a)に示すように、開封摘み部2における密封部1Aに切り込み線(スリット)3Aを形成し、切り込み線3Aの一端と他端を結ぶ折り返し線3Bに沿って切り込み線3Aの内側を樹脂フィルム材10の一面側に折り返すことで形成することができる。図2(b)は、折り返した後の折り返し突片3の断面形状を示している。折り返し突片3を折り返すことで、切り込み線3Aと折り返し線3Bに囲まれた折り返し孔3Pが形成される。
折り返し突片3と折り返し孔3Pの上を手指で摘むと、折り返し突片3が指腹に食い込み、折り返し孔3Pを介して開封行為を行っている2本の指(親指と人差し指)の指腹が接触する。これによって、摩擦抵抗を大きくして滑り止めを行うと共に、前述したように折り返し突片3が皮膚表面内側に位置する感覚受容器を刺激し、更に2本の指の指腹が相互に接触して、摘み部分の摘み感覚を実感することができる。
このような折り返し突片3は、一つの開封摘み部2に複数設けることが好ましい。折り返し突片3を複数設けると、手指の複数箇所に折り返し突片3が食い込んで摩擦抵抗が更に大きくなり、より効果的に滑り止めを行うことができる。
このような開封摘み部2は、易開封処理が施された箇所の近傍に設けることが好ましい。図1に示した例では、易開封処理として、密封部1Aの外縁に切欠きによるノッチ4が設けられ、その近傍に開封摘み部2が設けられている。ノッチ4の延長が切り裂き予定線4Aであり、図示の例では、開封摘み部2は、切り欠き予定線4Aの外側に設けられている。この例では、折り返し突片3を備えた開封摘み部2を切り欠き予定線4Aの外側に設けているが、これに限らず、切り欠き予定線4Aの外側と内側の一方又は両方に設けることができる。
このような折り返し突片3は、プレス加工などによる切り込みによって形成することができる。切り込み線3Aと折り返し線3Bから成る折り返し突片3の形状は、図1及び図2に示したような、山形状(湾曲形状)だけでなく、図3(a)に示すような四角形状(コの字形状)、図3(b)に示すような三角形状、図3(c)に示すような凹凸形状(波形状)、図3(d)に示すような放射線(交差線)形状など、各種の形状を採用することができる。また、折り返し突片3は、後述する密封部1Aに形成した穿孔の周りに生じるバリによって形成することもできる。
以下、図4~図7によって、可撓性包装袋として、注出口部を有するスタンディングパウチの例を示して、より具体的な構成を説明するが、本発明の実施形態は、以下の例に限定されるものではない。
図4において、可撓性包装袋11は、ヒートシールによる密封部(サイドシール部)11Aと、同様のヒートシールによる密封部(ボトムシール部)11Bと、密封部11A,11Bの内側の内容物収容部(胴部)11Cを備えている。また、可撓性包装袋11の上方角部には、注出口部12が設けられている。図示の例では、可撓性包装袋11は、スタンディングパウチを構成するための底部13が設けられており、折り畳まれた樹脂フィルム材の底部13を介して密封部(ボトムシール部)11Bが形成されている。
可撓性包装袋11の注出口部12は、可撓性包装袋11の角部に設けられる上方係合部14と下方係合部15によって、ノズル状に形成されている。また、内容物収容部(胴部)11Cから注出口部12に至る部分には、Y字状の谷折り線からなる開口補助線16Aと、その開口補助線16Aの両外縁部に山折り線からなる開口補助線16Bが形成され、更に、注出口部12の内側には、中央が凸になる山折り線の開口補助線17Aと、その開口補助線17Aの周囲の上方に逆U字状の谷折り線からなる開口補助線17Bが形成されている。
注出口部12の上方外縁部には、密封部11Aの一部を切り欠いたノッチ4が設けられている。そして、ノッチ4の先端から延長される引き裂き予定線4Aが、注出口部12を横断するように形成される。この引き裂き予定線4Aには、必要に応じて各種の易開封処理を施すことができる。
図4~図7においては、注出口部12におけるノッチ4の外側にタブ5が設けられ、そのタブ5における密封部11A上に、開封摘み部2が設けられている。開封摘み部2は、折り返し突片3を備えている。ここで、図5に示した例は、折り返し突片3の形状が山形状(湾曲形状)の例であり、タブ5において、ノッチ4に近い位置と離れた位置の2箇所に折り返し突片3を設けている。このように、折り返し突片3を山形状とすることにより、折り返し切片3が角のない湾曲形状になるため、ソフトな手指への食い込みとなる。また、図6に示した例は、折り返し突片3の形状が三角形状の例であり、図6と同様に、タブ5において、ノッチ4に近い位置と離れた位置の2箇所に折り返し突片3を設けている。
図7に示した例は、タブ3の密封部11Aに2つの穿孔3Qを形成することで、その穿孔バリによって、折り返し突片3を形成している。この際、2つの穿孔3Qは、その一方がタブ5の一面(表)側から他面(裏)側に向けて穿孔し、他方がタブ5の他面(裏)側から一面(表)側に向けて穿孔しており、穿孔バリによって形成される折り返し突片3は、それぞれ異なる方向に突出している。このように、穿孔バリによって形成される折り返し突片3を異なる方向に突出させることにより、タブ3を手前側、奥側のどちらの方向に引き裂く場合であっても、容易に引き裂くことが可能である。また、折り返し突片3を異なる方向に突出させることで、折り返し突片3の高さを低く設計しても十分な滑り止め効果が得られるため、可撓性包装袋1の搬送時や販売陳列時に、折り返し突片3が引っ掛かり易くなることがなく、折り返し工程も不要になるため生産性が向上する。
前述した可撓性包装袋1,11に使用する樹脂フィルム材の材料は、特に制限はなく、内容物の性状に応じて選択されればよい。樹脂フィルム材の層構造は、基材層とヒートシール層からなる二層構造の積層フィルム材、基材層と中間層とヒートシール層からなる三層以上の構造の積層フィルム材などを用いることができる。一般に、内容物が洗剤などの詰め替え用包装袋では、低コストが要求されることが多く、二層構造の積層フィルム材が用いられ、また、内容物が食品や調味料などのように、保存性が要求されるものの場合は、目的にあわせた中間層を積層した三層或いはそれ以上の層を積層した積層フィルム材が用いられる。
樹脂フィルム材を構成するのに適した樹脂材料としては、例えば、結晶性ポリプロピレン, 結晶性プロピレン-エチレン共重合体, 結晶性ポリブテン-1,結晶性ポリ4-メチルペンテン-1,低-,中-,或いは高密度ポリエチレン,エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA),イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー) 等のポリオレフィン類;ポリスチレン,スチレン-ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル,塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;アクリロニトリル-スチレン共重合体,アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ナイロン6,ナイロン66,パラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート,ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。また、これらの材料からなる軟包材は、未延伸、一軸延伸、あるいは二軸延伸して用いることができる。
樹脂フィルム材の製造は、キャスト法、Tダイ法、カレンダー法、又はインフレーション法などの通常の方法により行うことができる。積層フィルム材の製造に際しては、予め形成したフィルム材のドライラミネーション、基体フィルムへのコーティング、溶融共押し出しなど、通常の方法を用いることができる。フィルムラミネートによる積層には各層間に必要に応じて接着剤、アンカー剤を介在させることができる。
積層フィルム材の積層例としては、一般的な洗剤などに使用される詰め替え用包装袋の場合は、基材層として、二軸延伸ナイロンを用い、ヒートシール層として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることができる。
また、食品・調味料等の保存性が必要な可撓性包装袋1,11の層構成例としては、基材層、中間層、ヒートシール層からなる積層フィルム材を用いることができる。基材層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体等のポリアミドフィルムであり、一軸又は二軸延伸したフィルムが好適である。
中間層は、例えば、バリア性樹脂層、易引き裂き性樹脂層、耐熱性樹脂層、耐衝撃性樹脂層などがあげられ、必要に応じて単層から二層以上の構成とすることができる。バリア性樹脂層(内容物の保存性や風味の保存性を高める層)としては、ポリアミド樹脂,ポリ塩化ビニデン樹脂,ポリグリコール酸樹脂等のフィルム、ポリビニルアルコール系ポリマー,ポリカルボン酸系ポリマー等のガスバリア性樹脂からなるコーティング剤を塗布したコーティングバリア層を有するコーティングバリアフィルムを用いることができる。
また、ガスバリア性及び水分バリア性を有する層としては、酸化アルミニウム等の金属酸化物蒸着層やケイ素酸化物蒸着層に代表される無機酸化物蒸着層,ダイヤモンドライクカーボン等の炭化水素系蒸着層に代表される無機蒸着層を有する無機蒸着フィルム,金属アルコキシドや金属ハロゲン化合物等の加水分解化合物によるポリメタロキサン結合を有する化合物からなるコーティング剤を塗布したコーティングバリア層を有するコーティングバリアフィルム,アルミニウム等の金属箔などを用いることができる。なお、無機蒸着層やコーティングバリア層を形成するフィルムは、ポリエチレンテレフタレート樹脂脂やナイロン樹脂からなる一軸または二軸延伸フィルムを好適に使用することができる。
易引き裂き性樹脂層(易引き裂き性が付与されたフィルム)としては、一軸または二軸延伸ポリプロピレン,高密度ポリエチレン,ポリエステル,ポリアミドを用いることができ、耐熱性樹脂層(レトルト殺菌等にも耐えうる耐熱性を付与したフィルム)としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂,ナイロン等のポリアミド樹脂であり、一軸または二軸延伸されたものが好適である。また、耐衝撃性樹脂層(耐付き刺し製や耐落下衝撃性等を向上させるためのフィルム)としては、延伸ナイロンフィルム等が好適である。
ヒートシール層は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー等の樹脂からなるフィルムが好適である。
可撓性包装袋1,11の形状としては特に制限はなく、使用用途に応じて選択されればよい。例えば、一対のフィルムの2辺~4辺がシールされた平袋パウチ、スタンディングパウチ、ガセットパウチ、ピローパウチ等、各種包装袋に適用可能である。なお、図4に示した例は、樹脂フィルムの軟包材で形成された一対の胴部(内容物収容部)11Cと底部13とで構成され、胴部11Cの側部周縁にサイドシール部である密封部11A、胴部11Cと底部13の間にはボトムシール部である密封部11Bが施された、スタンディングパウチである。また、内容物として食品を包装した可撓性包装袋1,11においては、電子レンジに適用可能な水蒸気排出機構を備えたパウチとしてもよい。さらに、開口部を繰り返し開閉できるように、開口部にジッパーを取り付けたものであってもよい。
このような可撓性包装袋の製造方法の例を説明する。図4に示したようなスタンディングパウチの可撓性包装袋11は、具体的には、フィルムラミネートにより形成された積層フィルム材に対して、開口補助線の山折り線,谷折り線加工を行い、ボトムシール・冷却、サイドシール・冷却、ノッチ加工及び開封摘み部2の切り込み加工、カット加工の手順で製造することができる。
本発明の実施形態に係る可撓性包装袋1,11は、折り返し突片3を備える開封摘み部2を、ノッチ4の近傍に形成しているので、開封摘み部2を摘んで開封をする際、折り返し突片3が指腹に食い込むことにより、摩擦抵抗が大きくなって滑り止めが行われ、また、滑り止めが施されていることを実感することができ、手指による摘み部の摘みが雑とならず、高いモチベーションで開封摘み部2を確りと摘んで開封を行うことができる。これにより、手指や開封摘み部2の表面に多少の濡れがあったとしても、滑りを抑えて良好な開封性を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1,11:可撓性包装袋,1A,11A,11B:密封部,
1B,11C:内容物収容部,
10:樹脂フィルム材,
2:開封摘み部,3:折り返し突片,
3A:切り込み線,3B:折り返し線,3P:折り返し孔,3Q:穿孔,
4:ノッチ,4A:引き裂き予定線,5:タブ,
12:注出口部,13:底部,14:上方係合部,15:下方係合部,
16A,16B,17A,17B:開口補助線,

Claims (6)

  1. 樹脂フィルム材の外縁に密封部を有する可撓性包装袋であって、
    前記密封部を手指によって切り裂いて開封するための開封摘み部を備え、
    前記開封摘み部は、前記密封部に形成した切り込みを
    切り込み線の一端と他端を結ぶ折り返し線で折り返した折り返し突片と、前記切り込み線および折り返し線のみで囲まれた折り返し孔とを備えるとを特徴とする可撓性包装袋。
  2. 前記折り返し突片は、複数設けられることを特徴とする請求項1記載の可撓性包装袋。
  3. 前記折り返し突片が山形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の可撓性包装袋。
  4. 前記開封摘み部は、注出口部に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の可撓性包装袋。
  5. 前記開封摘み部は、前記密封部の外縁を切り欠いたノッチの近傍に設けられることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の可撓性包装袋。
  6. 前記折り返し突片の折り返し高さは1mm~5mmであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項記載の可撓性包装袋。
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