JP7156127B2 - 二次電池用積層体 - Google Patents

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Description

本開示は、二次電池用積層体、特に第一活物質層及び第二活物質層並びに集電体を有している二次電池用積層体に関する。
近年、携帯電子機器の発達などに伴って、繰り返し充放電が可能な二次電池が使用されている。特に、リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度を有しており、携帯電話や携帯用パソコン等などのモバイル用途において使用されているだけではなく、社会インフラ等の定置用途においても利用されている。また、二酸化炭素の増加に伴う地球温暖化防止の観点から、電気自動車への関心が高まっており、車載用途としてもリチウムイオン二次電池の使用が検討されている。
さらに、近年、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いた全固体リチウムイオン電池が注目されている。全固体リチウムイオン電池は、装置の簡素化の観点及び出力特性の向上の観点等において優れていると考えられている。
このような全固体リチウムイオン電池は、例えば、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層を、この順で積層することによって、構成されている。
このような正極活物質層及び負極活物質層の製造方法として、活物質、導電剤及びバインダを含むペースト状の合剤を集電体に塗布し、乾燥することが、知られている。
ここで、バインダは、活物質粒子と、導電剤と、集電体との間での接着のために働く。バインダは、電池反応には寄与せず、かつリチウムイオン及び電子の伝導を阻害することによってリチウムイオン電池の内部抵抗を増加させるおそれがある。したがって、バインダの使用量を抑制することが、電池性能の向上の観点から望ましい。一方で、バインダの使用量を過度に抑制すると、集電体からの活物質層の剥離などの問題が生じうる。そこで、バインダの量を抑制しつつ電池性能を確保するための技術開発が行われてきた。
特許文献1は、集電体の表面にバインダにより接着された電極膜において、集電体側のバインダ濃度と集電体と反対側のバインダ濃度との比が、0.5~2であることを特徴とするリチウムイオン電池について、記載している。
特許文献2は、集電体と、この集電体の表面に形成されており活物質、導電助剤、及びバインダを含有している電極合剤と、からなる電極を有するリチウムイオン電池について記載している。当該文献によれば、電極合剤が、電極合剤の厚み方向において、集電体側のバインダ量が集電体と反対側のバインダ量よりも多いバインダ分布を有する部分を、含んでいる。
特開2013-171643号公報 国際公開第2016/067428号
活物質層を製造するために、二つの活物質層を重ね合わせて積層する方法がある。この方法によって製造される活物質層及び集電体の積層体は、図1に示すような構造を有している。すなわち、集電体16上に第一活物質層12が積層され、かつこの第一活物質層12の、集電体16の反対側に面している面に、第二活物質層14が積層されて、積層体100が形成されている。
従来技術では、重なり合って積層された活物質層の間での剥離などが、生じるおそれがあった。
このような背景において、本開示は、互いに重なり合って積層されている複数の活物質層及び集電体を含む二次電池用積層体であって、バインダ量が抑制されており、かつ活物質層の間及び集電体と活物質層との間の接着性が向上している積層体を提供することを、目的とする。
本目的は、下記の二次電池用積層体によって達成される。
第一活物質層及び第二活物質層、並びに集電体を有している二次電池用積層体であって、
前記第一活物質層及び前記第二活物質層が、いずれも、活物質及びバインダを含有しており、
前記第一活物質層及び前記第二活物質層が、いずれも、正極活物質層又は負極活物質層であり、
前記第一活物質層が、前記集電体上に積層されており、
前記第二活物質層が、前記第一活物質層の、前記集電体の反対側に向いている面に積層されており、かつ、
前記第一活物質層及び前記第二活物質層を、それぞれ、積層方向において2つに等分して考慮し、この等分によって生じる4つの層を、前記集電体側から出発して、第一活物質層下層(D)、第一活物質層上層(C)、第二活物質層下層(B)、及び第二活物質層上層(A)とし、かつそれぞれの層の積層方向断面における前記バインダの存在面積をそれぞれd、c、b及びaとした場合に、
0.61≦(b+c)/(a+b+c+d)≦0.69、及び
1.0≦c/d≦2.0
の関係が成立している、
積層体。
本開示によれば、互いに重なり合って積層されている複数の活物質層及び集電体を含む二次電池用積層体であって、バインダ量が抑制されており、かつ活物質層の間及び集電体と活物質層との間の接着性が向上している積層体を、提供することができる。
図1は、本開示に係る二次電池用積層体の1つの実施態様の概略図である。 図2は、本開示に係る二次電池用積層体の1つの実施態様の概略図である。 図3は、本開示に係る二次電池用積層体を製造する方法の1つの実施態様の概念図である。
以下、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、具体的な構成は、この実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
本開示に係る二次電池用積層体は、
第一活物質層及び第二活物質層、並びに集電体を有しており、
第一活物質層及び第二活物質層が、いずれも、活物質及びバインダを含有しており、
第一活物質層及び第二活物質層が、いずれも、正極活物質層又は負極活物質層であり、
第一活物質層が、集電体上に積層されており、
第二活物質層が、第一活物質層の、集電体の反対側に向いている面に積層されており、かつ、
第一活物質層及び第二活物質層を、それぞれ、積層方向において2つに等分して考慮し、この等分によって生じる4つの層を、集電体側から出発して、第一活物質層下層(D)、第一活物質層上層(C)、第二活物質層下層(B)、及び第二活物質層上層(A)とし、かつそれぞれの層の積層方向断面におけるバインダの存在面積をそれぞれd、c、b及びaとした場合に、
0.61≦(b+c)/(a+b+c+d)≦0.69、及び
1.0≦c/d≦2.0
の関係が成立している。
本開示に係る二次電池用積層体においては、図1に示すように、複数の活物質層12,14が、集電体16上に積層されている。すなわち、集電体16上に第一活物質層12が積層されており、この第一活物質層12の、集電体16の反対側に面している面に、第二活物質層14が、積層されている。
従来技術では、このような、互いに重なり合って積層されている複数の活物質層を含む二次電池用積層体に関して、バインダの適切な偏析状態の教示がなかった。そのため、バインダの量及び偏析状態によっては、活物質層の間で剥離が生じるおそれなどがあった。
これに対して、本開示では、積層されている第一活物質層及び第二活物質層それぞれにおいて、バインダの偏析状態が、調節されている。
具体的には、図2に示すように、第一活物質層12及び第二活物質層14を、それぞれ、積層方向において2つに等分して考慮し、この等分によって生じる4つの層を、集電体側から出発して、第一活物質層下層(D)、第一活物質層上層(C)、第二活物質層下層(B)、及び第二活物質層上層(A)とし、かつそれぞれの層の積層方向断面におけるバインダの存在面積をそれぞれd、c、b及びaとした場合に、
0.61≦(b+c)/(a+b+c+d)≦0.69、好ましくは0.63≦(b+c)/(a+b+c+d)≦0.67、より好ましくは0.64≦(b+c)/(a+b+c+d)≦0.66、及び
1.0≦c/d≦2.0、好ましくは1.5≦c/d≦2.0、より好ましくは1.6≦c/d≦1.8
となるように、バインダの偏析状態が調節されている。
第一活物質層及び第二活物質層の積層方向断面におけるバインダの存在面積が等しくてよく、すなわち、a+b=c+dの関係が、成立してよい。例えば、第一活物質層及び第二活物質層が共通の活物質層合剤から形成される場合に、このような関係が成立しうる。
本開示に係る二次電池用積層体の別の実施態様では、上述のバインダの存在面積d、c、b及びaに関して、
3.5≦(b/a)+(c/d)、好ましくは4.0≦(b/a)+(c/d)、より好ましくは4.5≦(b/a)+(c/d)、及び
1.0≦c/d≦2.0、好ましくは1.5≦c/d≦2.0、より好ましくは1.6≦c/d≦1.8
となるように、バインダの偏析状態が調節されている。
第一活物質層下層(D)、第一活物質層上層(C)、第二活物質層下層(B)、及び第二活物質層上層(A)の積層方向断面におけるそれぞれのバインダの存在面積d、c、b及びaに関して、b/aが、第二活物質層のマイグレーション指数として言及されることがあり、かつc/dが、第一活物質層のマイグレーション指数として言及されることがある。
b/a、すなわち第二活物質層のマイグレーション指数が、好ましくは、1.5以上、若しくは2.0以上であってよく、かつ/又は、10以下、7.5以下、5.0以下、若しくは2.5以下であってよい。
バインダの存在面積は、上述の上層又は下層の積層方向断面に関して、走査型電子顕微鏡(SEM)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いてフッ素(F)マッピングによって積算することで、決定される。バインダの存在面積は、第一及び第二活物質層の上層又は下層に含まれるバインダの量に対応する。
本開示に係る二次電池用積層体では、バインダが上述のような分布を有していることによって、活物質層と集電体層との境界領域だけではなく、積層されている複数の活物質層の境界領域においても、接着性確保のために十分な量のバインダが確保されていると考えられる。
すなわち、本開示では、活物質層と集電体との間の剥離を回避するために必要なバインダの偏析状態に加えて、従来技術では考慮されていなかった、積層されている活物質層間での接着性を確保するために必要なバインダの偏析状態が、明確に規定されている。結果として、これら境界領域における剥離の問題が生じないようになっていると考えられる。
また、本開示に係る二次電池用積層体では、バインダの偏析状態が最適化されているため、無駄なバインダを排除することが可能であり、結果として、使用するバインダ量を抑制することが可能となっている。
以上のように、本開示によれば、互いに重なり合って積層されている複数の活物質層及び集電体を含む二次電池用積層体であって、バインダ量が抑制されており、かつ活物質層の間及び集電体と活物質層との間の接着性が向上している積層体を、提供することができる。
以下、本開示の二次電池用積層体を詳細に説明する。
≪二次電池用積層体≫
本開示に係る二次電池用積層体は、第一活物質層及び第二活物質層、並びに集電体を、有している。
〈活物質層の積層〉
本開示に係る二次電池用積層体では、図1に関して上述したように、集電体上に複数の活物質層、すなわち第一活物質層及び第二活物質層、が積層されており、そのようにして、集電体上に、正極活物質層又は負極活物質層が形成されるようになっている。すなわち、本開示に係る実施態様では、第一活物質層及び第二活物質層が、いずれも、正極活物質層又は負極活物質層である。
本開示に係る1つの実施態様では、第一活物質層が、集電体上に積層されており、かつ第二活物質層が、第一活物質層の、前記集電体の反対側に向いている面に、積層されている。
このような二次電池用積層体は、例えば図3に示すような方法によって製造される。図3の方法では、まず、活物質及びバインダを分散媒に分散させた活物質層合剤40を調製する。活物質層合剤40は、随意に、固体電解質及び導電剤を含んでいてよい。そして、集電体16及びアルミ箔18上に、それぞれ、この活物質層合剤40を塗布し、乾燥させる。そして、集電体16上の活物質層合剤40と、アルミ箔18上の活物質層合剤40とを、互いに重ね合わせるようにして積層し、この積層体の押圧加工を行う。そして、この積層体から、アルミ箔18を除去する。このようにして、集電体16上に第一活物質層12及び第二活物質層14が積層されている積層体100を、得る。
この方法によって、活物質層合剤の乾燥を抑制し、かつ端部における液だれに伴う成形不良を防ぐことが、可能となる。このような積層体の製造方法は、特には、厚膜の活物質層を含む積層体の作製に関して、有利である。例えば、活物質としてチタン酸リチウム(LTO)を使用する場合には、電池全体としての十分な容量の確保のために、活物質層の十分な膜厚を確保することが重要である。
なお、活物質層におけるバインダの偏析状態は、積層体の製造時に、定率乾燥区域における温度及び熱風条件を変動させることによって、制御することができる。
例えば、集電体に塗布した活物質層合剤の表面における分散媒の蒸発を促進するような加熱条件、例えば、赤外線ランプなどによる表面のみの放射加熱条件では、当該表面における蒸発の進行に伴って活物質層合剤内部のバインダ、特に分散媒に溶解しているバインダが、表面方向に移動し、その結果として、活物質層の表面側におけるバインダの偏析が促される。
一方で、例えば、集電体に塗布した活物質層合剤の表面だけではなく活物質層合剤の内部も一様に加熱されるような加熱条件、例えば、加熱炉による全体的な加熱条件では、活物質層表面におけるバインダの偏析を抑制することができる。
本発明の有利な実施態様では、互いに重なり合って積層されている活物質層の合計の厚み、すなわち第一活物質層の厚みと第二活物質層の厚みの合計が、好ましくは、50μm以上である。積層されている活物質層の合計の厚みが、好ましくは、40μm以上、50μm以上、75μm以上、若しくは100μm以上であってよく、かつ/又は、200μm以下、175μm以下、150μm以下、若しくは120μm以下であってよい。
代替的な実施態様では、上記の製造方法において、集電体の両面に活物質層合剤40を塗布し、乾燥し、かつ2つのアルミ箔上の活物質層合剤を、集電体の両面にそれぞれ塗布された活物質層合剤に、それぞれ積層してもよい。
さらに別の実施態様では、図3のように共通の活物質層合剤40を使用するのではなく、第一活物質層及び第二活物質層それぞれに対応する活物質層合剤を別個に調製し、これらを、集電体及びアルミ箔に、それぞれ適用してもよい。この場合には、第一活物質層と第二活物質層との組成が、異なっていてよい。
活物質層合剤を調製するための分散媒として、酪酸ブチルを使用してよい。また、活物質層合剤を調製するための分散媒として、例えば、無極性分散媒、例えばトルエン及びヘプタンを使用してもよい。
〈第一活物質層及び第二活物質層〉
本開示の実施態様では、第一活物質層及び第二活物質層が、いずれも、活物質及びバインダを含有している。
(活物質)
活物質としては、正極活物質及び負極活物質が挙げられる。
正極活物質は、特に限定されない。正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(NCA)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(NCM)、及びマンガン酸リチウムが挙げられる。これらの正極活物質は、それぞれ単独で用いてもよく、又は、2以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質は、特に限定されない。負極活物質が、例えば、チタン酸リチウム(LTO)を含有していてよい。負極活物質としては、例えば、金属活物質、及びカーボン活物質が挙げられる。金属活物質としては、例えば、リチウム、インジウム、アルミニウム、スズ、及びケイ素等の合金、並びにこれらの合金等を挙げることができる。カーボン活物質としては、例えば、人造黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛、及び難黒鉛化性炭素を挙げることができる。これらの負極活物質は、それぞれ単独で用いられてもよく、又は、2以上を組み合わせて用いられてもよい。
(バインダ)
バインダは、特に限定されないが、全固体電池の活物質層に使用可能な公知のバインダ、特に分散媒に対して可溶なバインダを使用してよい。そのようなバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド、及び、ポリエチレンが挙げられる。好ましくは、バインダが、PVdF及び/又はその誘導体を含有している。
活物質層におけるバインダの割合が、1.6重量%以上、2.0重量%以上、若しくは2.5重量%以上であってよく、かつ/又は10重量%以下、6.0重量%以下、若しくは5.5重量%以下であってよい。好ましくは、活物質層におけるバインダの割合が、2.5重量%~5.5重量%である。
本開示に係る実施態様では、第一活物質層及び/又は第二活物質層が、さらに、固体電解質及び導電剤を有していてもよい。
(固体電解質)
本開示に係る実施態様では、固体電解質として、全固体電池に使用可能な公知の固体電解質を使用してよい。そのような固体電解質としては、酸化物形非晶質固体電解質、硫化物系非晶質固体電解質、並びに結晶質酸化物及び結晶質酸窒化物が挙げられる。酸化物形非晶質固体電解質としては、例えば、LiO-B-P、LiO-SiOが挙げられる。硫化物系非晶質固体電解質としては、例えば、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiS-P、LiPSが挙げられる。結晶質酸化物及び結晶質酸窒化物としては、例えば、LiI、LiN、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4-3/2w)(wはw<1)、Li3.6Si0.60.4が挙げられる。固体電解質が、硫化リンリチウムであってよい。
(導電剤)
導電剤は、活物質で発生した電気を集電体に伝達する機能を有する。本開示に係る実施態様によれば、導電剤として、電子伝導性が高く、かつ電池反応における化学的安定性が優れているものを使用してよい。例えば、導電剤としては、炭素材料、及び全固体電池の使用時の環境に耐えることができる金属材料、が挙げられる。炭素材料としては、例えば、炭素繊維、気相法炭素繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、及びカーボンナノチューブを挙げることができる。
〈集電体〉
集電体は、電池内で発生した電気を集電して外部に出力する機能を有する。集電体は、好ましくは、良好な導電性を有する金属からなる導電性部材である。集電体として、例えば、インジウム(In)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、ステンレス鋼、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、リチウム(Li)、又はこれらの合金からなる、板状体又は箔状体を、用いることができる。
以下に実施例を示して、本開示に係る発明をさらに具体的に説明する。
≪接着性評価:比較例1~30、実施例1~6≫
種々のバインダの偏析状態を有している二次電池用積層体について、互いに重なり合って積層されている活物質層の間における接着性、及び集電体と活物質層との間における接着性を評価した。積層体として、硫化物系全固体二次電池用積層体を作製した。
〈積層体の作製〉
まず、表1に示す配合比に従って各材料を分散媒に分散させて、スラリー状の活物質層合剤を作製した。活物質、固体電解質、導電剤、及びバインダの合計と、分散媒との重量比は、100:89であった。分散媒としては、酪酸ブチルを使用した。導電剤として、炭素繊維(気相法炭素繊維、VGCF(登録商標)、昭和電工株式会社)を使用した。そして、この活物質層合剤を、集電体としてのニッケル箔、及びアルミ転写箔に、それぞれ塗布した。ニッケル箔の厚みは18μmであり、アルミ転写箔の厚みは15μmであった。これらを、炉内温度150℃に設定された熱風恒温槽に投入し、乾燥させた。定率乾燥区域における温度及び熱風条件を変動させることによって、活物質層におけるバインダの偏析を調節した。集電体及びアルミ転写箔上における活物質層合剤の厚みは、それぞれ65μmであった。
その後に、ニッケル箔上の活物質層合剤、及びアルミ転写箔上の活物質層合剤を、互いに重ね合わさるようにして、積層した。そして、この積層体に対して、25℃で1トン/cmの条件でプレス処理を行い、その後に、アルミ転写箔を剥がして除去した。このようにして、集電体上に第一活物質層が積層され、かつ第一活物質層の、集電体から離れて面している面に第二活物質層が積層されている積層体を得た。第一活物質層及び第二活物質層の合計の厚みは、103μmであった。
Figure 0007156127000001
〈バインダ分布の計測〉
それぞれの試料に関して、第一活物質層又は第二活物質層におけるバインダの偏析状態を、走査型電子顕微鏡(SEM)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDX)によって定量評価した。バインダの存在面積を、フッ素(F)マッピングによって積算することで算出した。各試料における、計測されたバインダの偏析状態を、表2~5に示す。バインダの偏析状態は、集電体側から出発して、第一活物質層下層(D)、第一活物質層上層(C)、第二活物質層下層(B)、及び第二活物質層上層(A)の積層方向断面におけるバインダの存在面積をそれぞれd、c、b及びaとした場合の、(b+c)/(a+b+c+d)の値、第一活物質層におけるマイグレーション指数c/d、第二活物質層におけるマイグレーション指数b/a、及び合計のマイグレーション指数(b/a)+(c/d)によって、表している。
〈接着性評価〉
作成された一連の積層体それぞれについて、第一活物質層と第二活物質層との間における接着性(活物質層間の接着性)、及び第一活物質層と集電体との間の接着性(活物質層-集電体間の接着性)を評価した。
活物質層間の接着性については、10回の評価のうち、接着不良が一度も確認されなかった場合は「◎」、接着不良が1~2回確認された場合は「〇」、接着不良が3回以上確認された場合は「×」として、評価した。
一方で、活物質層-集電体間の接着性に関しては、5回の評価のうち、剥離が一度も確認されなかった場合は「〇」、剥離が1回以上確認された場合は「×」、集電体とニッケル箔との間の接着が不良なため剥離の評価ができなかった場合は「-」として、評価した。
結果を表2~5に示す。
表2~5に示すように、0.61≦(b+c)/(a+b+c+d)≦0.69でありかつ1.0≦c/d≦2.0であるという条件を満たす実施例1~実施例6の積層体では、活物質層の間での良好な接着が観察され、かつ活物質層と集電体との間での剥離が観察されなかった。一方で、上記条件を満たしていない比較例1~比較例30においては、第一活物質層と第二活物質層との間、及び第一活物質層と集電体との間の、いずれか又は両方において、接着不良又は剥離が観察された。また、実施例1~実施例6は、3.5≦(b/a)+(c/d)でありかつ1.0≦c/d≦2.0であるという条件を満たしており、一方で、比較例1~30は、この条件を満たしてない。
Figure 0007156127000002
Figure 0007156127000003
100 積層体
12 第一活物質層
14 第二活物質層
16 集電体
18 アルミ箔
40 活物質層合剤
A 第二活物質層上層
B 第二活物質層下層
C 第一活物質層上層
D 第一活物質層下層

Claims (1)

  1. 第一活物質層及び第二活物質層、並びに集電体を有している全固体リチウムイオン電池用積層体であって、
    前記第一活物質層及び前記第二活物質層が、いずれも、活物質及びバインダを含有しており、
    前記第一活物質層及び前記第二活物質層が、いずれも、正極活物質層又は負極活物質層であり、
    前記第一活物質層が、前記集電体上に積層されており、
    前記第二活物質層が、前記第一活物質層の、前記集電体の反対側に向いている面に積層されており、かつ、
    前記第一活物質層及び前記第二活物質層を、それぞれ、積層方向において2つに等分して考慮し、この等分によって生じる4つの層を、前記集電体側から出発して、第一活物質層下層(D)、第一活物質層上層(C)、第二活物質層下層(B)、及び第二活物質層上層(A)とし、かつそれぞれの層の積層方向断面における前記バインダの存在面積をそれぞれd、c、b及びaとした場合に、
    0.61≦(b+c)/(a+b+c+d)≦0.69、及び
    1.0≦c/d≦2.0
    の関係が成立しており、
    前記バインダが、PVdF及び/又はその誘導体であり、
    前記バインダの前記存在面積は、走査型電子顕微鏡(SEM)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いてフッ素(F)マッピングによって積算することで、決定される、
    積層体。
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