JP7155943B2 - 液体口腔用組成物及び口腔用スプレー製剤 - Google Patents

液体口腔用組成物及び口腔用スプレー製剤 Download PDF

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本発明は、口腔内で使用直後から使用後においても高い口臭抑制実感が持続し、かつ刺激感が抑制された液体口腔用組成物及びこれを用いた口腔用スプレー製剤に関する。
一般的に口臭は、自覚しにくい疾患であると言われている。そのため、口腔内清掃を怠り、口臭を発症しているにもかかわらず、それを自覚していない人が存在する一方で、入念に口腔内清掃を行っており、実際に口臭がないにもかかわらず、自分が口臭を発症しているかもしれないという不安を抱えている人も存在する。そのため、口臭抑制では、口臭を抑制する生理的な効果が求められる一方で、口臭不安を心理的に取り除く口臭の抑制実感が効果感として求められている。
しかし、例えば、特許文献1(特許第3961140号公報)には、口臭予防成分のメントールや溶剤のエタノールを配合した液体口中清涼剤等の液体口腔用組成物にキシリトールを配合すると使用中、使用後の刺激等が減少し、口臭予防性と清涼感が維持され嗜好性が良くなることが提案されているが、使用直後には清涼感やすっきり感等が得られても持続せず、使用後までも口臭抑制実感を持続させることができなかった。
一方、ポリグルタミン酸又はその塩には唾液分泌促進作用があり、これらの口腔用組成物への応用として、特許文献2、3(特許第5233399号公報、特許第5397181号公報)には、ポリグルタミン酸塩を配合した口腔スプレー用組成物が提案されている。この特許文献2では、ポリグルタミン酸塩、クエン酸及びその塩、及びグリセリンをそれぞれ特定量、更には特定割合で組み合わせて配合し、特許文献3はポリグルタミン酸塩、有機酸やその塩、l-メントール、グリセリン、界面活性剤及びモノメンチルサクシネートをそれぞれ特定量、更には特定割合で組み合わせて配合し、これら成分の組み合わせによって適用直後から長期間にわたって口中を潤わせて口腔乾燥を抑制できることを開示しているが、口臭抑制に関する言及はない。口臭抑制にポリグルタミン酸又はその塩を応用したものとして、特許文献4(特許第5526751号公報)は、ポリグルタミン酸又はその塩とシソ科植物又はその抽出物とラッカーゼとによって口臭抑制効果を速攻的かつ持続的に与える口中ケア組成物、特許文献5(特許第5845882号公報)は、サイクロデキストリン及びポリグルタミン酸塩からなる口臭抑制剤を提案しているが、生理的な口臭抑制効果は得られるものの、口臭抑制実感としては満足できるものではなかった。
特許第3961140号公報 特許第5233399号公報 特許第5397181号公報 特許第5526751号公報 特許第5845882号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔内で使用直後から使用後においても高い口臭抑制実感が持続し、かつ刺激感が抑制され、製剤の外観安定性も良い液体口腔用組成物及びこれを用いた口腔用スプレー製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、液体口腔用組成物に(A)l-メントール、(B)エタノール、(C)ポリグルタミン酸及びその塩から選ばれる1種以上、及び(D)グリセリンをそれぞれ特定量で組み合わせて配合すると、高い口臭抑制実感を口腔内で使用直後から時間が経過後においても持続させることができ、かつ刺激感を抑制でき、また、製剤の外観安定性を保つこともできること、しかも、この液体口腔用組成物をスプレー容器に充填して口腔用スプレー製剤として使用すると、上記作用効果がより優れ、高い効果感を与えることができることを知見し、本発明をなすに至った。
本発明では、(A)、(B)、(C)及び(D)成分を組み合わせると、これら成分の配合量がそれぞれ特定範囲内において、上記のように使用後も持続する優れた口臭抑制実感を、刺激感を抑制して付与することができる。
液体口腔用組成物では、口臭抑制のために、清涼感やすっきり感、さっぱり感を与え、口臭抑制成分でもあるメントールや、エタノールを使用しているが、これらの添加量を増やしても、口臭抑制実感の持続性が十分ではなく、むしろ、これらの添加量が増えるにつれて刺激感が強くなって使用感低下を招くこともあった。また、ポリグルタミン酸又はその塩自身に口臭抑制作用はほとんど認められず、その一方で、液体口腔用組成物にポリグルタミン酸又はその塩を添加すると、製剤粘度の上昇を招き、清涼感やさっぱり感を低下させてしまうこともあった。しかし、本発明によれば、(A)、(B)及び(C)成分をそれぞれ特定量で組み合わせ、更に(D)成分を特定量で併用して配合すると、これら四成分が特異的に相互作用し、口臭を抑制する生理的な効果と共に、上記優れた口臭抑制実感を付与することができた。この場合、(A)及び(B)成分に(C)成分をそれぞれ特定量で組み合わせて配合することで、特に口臭抑制実感の持続性が改善し、口腔内で使用直後から使用後、例えば20分以上の時間が経過後においても持続する高い口臭抑制実感(すっきり感、さっぱり感や清涼感等の感覚によって口臭が十分に抑えられたと感じられる効果感)を付与することができ、更に、(D)成分を特定量で併用して配合することで、上記優れた口臭抑制実感を低下させることなく維持しつつ、(A)成分又は(B)成分の添加量が比較的多くても刺激感を抑制し、また、製剤の外観安定性を保つこともできた。
更に、本発明では、(A)、(B)、(C)及び(D)成分に加えて、(E)有機酸及び/又はその塩を配合することで上記外観安定性をより改善でき、また(F)糖アルコールを配合することで上記口臭抑制実感をより高めることもできた。
本発明の作用効果は、(A)、(B)、(C)及び(D)成分のうちのいずれかが配合されていないと劣り、また、これら四成分が配合されていてもいずれかの成分量が不適切であると劣るものであった。後述の比較例に示すように、特に、(C)成分量が不適切であると口臭抑制実感の持続性が悪く(比較例5、6)、また、(D)成分量が少ないと刺激が抑制されず(比較例7)、多すぎると口臭抑制実感が悪くなった(比較例8)。これに対して、後述の実施例に示すように、本発明の(A)、(B)、(C)及び(D)成分をそれぞれ特定量で配合した液体口腔用組成物は、スプレー容器に充填してスプレー製剤に調製して口腔内に噴霧すると、使用直後の口臭抑制実感が優れ、この口臭抑制実感が使用して20分以上経過しても持続し、口臭抑制実感の持続性も優れ、かつ刺激感が抑制され、また、高温や低温で保存後もオリやニゴリの発生が抑えられ、製剤の外観安定性も良好なものであった。
従って、本発明は、下記の液体口腔用組成物及び口腔用スプレー製剤を提供する。
〔1〕
(A)l-メントール 0.05~2質量%、
(B)エタノール 15~45質量%、
(C)ポリグルタミン酸及びその塩から選ばれる1種以上 0.01~0.5質量%
及び
(D)グリセリン 10~50質量%
を含有してなることを特徴とする液体口腔用組成物。
〔2〕
更に、(E)炭素数4~8の鎖状有機酸及びその塩から選ばれる1種以上を0.17~3質量%含有する〔1〕に記載の液体口腔用組成物。
〔3〕
(E)成分が、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる1種以上である〔2〕に記載の液体口腔用組成物。
〔4〕
更に、(F)糖アルコールを1~20質量%含有する〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔5〕
〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物がスプレー容器に充填された口腔用スプレー製剤。
本発明によれば、口腔内で使用直後から使用後においても高い口臭抑制実感が持続し、かつ刺激感が抑制され、製剤の外観安定性も良い液体口腔用組成物及びこれを用いた口腔用スプレー製剤を提供できる。本発明では、口臭を抑制する生理的な効果と共に優れた口臭抑制実感を付与することができ、高い口臭抑制実感によって口臭不安を心理的に取り除くことも可能であり、口臭ケアを本格的に、しかも外出先等で手軽に行うことも可能である。
本発明にかかわるスプレー容器の一実施例を示す概略部分断面図である。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の液体口腔用組成物は、(A)l-メントール、(B)エタノール、(C)ポリグルタミン酸及びその塩から選ばれる1種以上、及び(D)グリセリンを含有する。
(A)l-メントールは、口臭抑制成分である共に、口臭抑制実感を改善し、使用直後から使用後においても持続する口臭抑制実感を付与する作用を奏する。
l-メントールは、天然物由来でも合成品でも使用でき、例えば高砂香料工業(株)製の商品名「l-メントール」等の市販品を使用することもできる。
(A)l-メントールの配合量は、使用直後の口臭抑制実感及び口臭抑制実感の持続性、刺激感の抑制及び製剤外観安定性の点から、組成物全体の0.05~2%(質量%、以下同様)であり、好ましくは0.1~2%、より好ましくは0.5~1%である。(A)成分の配合量が多いほど、使用直後の口臭抑制実感及び口臭抑制実感の持続性が高まるが、その一方で多く配合し過ぎると、刺激感が強く発現する。0.05%未満では、使用直後の口臭抑制実感及び口臭抑制実感の持続性が劣る。2%を超えると、口腔粘膜への刺激感が強く発現して抑制できなくなる。
(B)エタノールは、口臭抑制実感を改善し、使用直後から使用後においても持続する口臭抑制実感を付与する作用を奏する。
エタノールは、例えば日本アルコール産業(株)製の商品名「99% 1級発酵エタノール」等の市販品を使用することができる。
(B)エタノールの配合量は、組成物全体の15~45%であり、好ましくは20~40%である。15%未満では、使用直後の口臭抑制実感及び口臭抑制実感の持続性が劣る。45%を超えると、口腔粘膜への刺激感が強く発現して抑制できなくなり、かつ製剤の外観安定性が悪くなる。
(C)成分は、ポリグルタミン酸及びその塩から選ばれ、これらは、口臭抑制実感の持続性を改善する作用を奏し、また、刺激感を緩和する作用を奏する。
(C)成分としては、ポリグルタミン酸及び/又はポリグルタミン酸塩を使用でき、例えば、α-ポリグルタミン酸、γ-ポリグルタミン酸、これらのナトリウム塩やカリウム塩が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
また、上記ポリグルタミン酸塩としては、化学的に合成される原料と各種菌株から発酵生産物として得られる天然の原料が使用できるが、口腔用として使用することから天然のポリグルタミン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく、特に原料としての生産性の高いγ-ポリグルタミン酸ナトリウムがより好ましい。
具体的には、(株)明治フードマテリア製の「γ-ポリグルタミン酸ナトリウム」等の市販品を使用することもできる。
(C)ポリグルタミン酸及び/又はその塩の配合量は、組成物全体の0.01~0.5%であり、好ましくは0.05~0.3%である。0.01%未満では、口臭抑制実感の持続性が劣り、また、刺激感が抑えられない。0.5%を超えると、使用直後の口臭抑制実感及び口臭抑制実感の持続性が低下して劣る。
(D)グリセリンは、刺激感を緩和すると共に、適度な潤い(しっとり潤った感覚)を与え、マイルドで良好な使用感を付与する。
グリセリンは、例えば阪本薬品工業(株)製の「濃グリセリン」等の市販品を使用することができる。
(D)グリセリンの配合量は、組成物全体の10~50%であり、好ましくは20~40%である。10%未満では、使用時の刺激感が緩和されず抑制できない。50%を超えると、べたつき感が強くなって、使用直後の口臭抑制実感及び口臭抑制実感の持続性が低下して劣り、製剤の外観安定性も低下する。
本発明の液体口腔用組成物には、更に(E)有機酸及びその塩から選ばれる1種以上及び/又は(F)糖アルコールを配合することができる。
本発明では、(A)、(B)、(C)及び(D)成分に加えて、(E)有機酸及びその塩から選ばれる1種以上を配合すると、製剤の外観安定性がより向上する。
(E)成分としては、有機酸及び/又はその塩を使用できる。好ましくは炭素数4~8の鎖状有機酸及び/又はその塩であり、特に外観安定性の点から、クエン酸、クエン酸のナトリウム塩等のアルカリ金属塩を用いることができ、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを併用するとより好ましい。
(E)成分は、例えば扶桑化学工業(株)製等の市販品を使用できる。
(E)有機酸及び/又はその塩を配合する場合、これらの配合量は、組成物全体の0.17~3%が好ましく、より好ましくは0.17~1.7%である。(E)成分として有機酸及び有機酸塩、例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウムを併用する場合、有機酸の配合量は組成物全体の0.02~0.5%が好ましく、有機酸塩の配合量は組成物全体の0.15~2.5%が好ましく、より好ましくは0.15~1.2%である。(E)成分の配合量が0.17%以上であると、十分に緩衝効果が発現して製剤のpHが一定に保たれ、外観安定性を得ることができる。3%を超えると、外観安定性が悪くなる場合がある。
本発明では、(A)、(B)、(C)及び(D)成分に加えて、(F)糖アルコールを配合すると、(D)グリセリンに特有のべたつきや苦味がより抑えられ、使用直後の口臭抑制実感がより高まる。上記(E)成分と(F)成分とを併用して配合することで、使用直後の口臭抑制実感及び製剤の外観安定性をより向上することができる。
(F)成分としては、例えばソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。中でも、べたつきや苦味の抑制及び良好な使用感(嗜好性の良さ)と口臭抑制実感の点から、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールが好ましく、特にキシリトールが好ましい。
(F)成分は、例えば三菱商事フードテック(株)製等の市販品を使用できる。
(F)糖アルコールを配合する場合、その配合量は、組成物全体の1~20%、特に3~15%が好ましい。
本発明の液体口腔用組成物には、上記(A)、(B)、(C)及び(D)成分、更には(E)及び/又は(F)成分に加え、必要に応じて本発明の効果を妨げない範囲で、上記成分以外の公知成分を配合できる。例えば、保湿成分、湿潤剤、水溶性高分子物質、界面活性剤、香料、有効成分、防腐剤、着色剤、甘味剤、溶剤等を配合可能である。
具体的には、保湿成分としてヒアルロン酸塩等、湿潤剤としてプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等、水溶性高分子物質としてカルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。上記保湿成分の配合量は0.001~1%、湿潤剤の配合量は0.1~10%、水溶性高分子物質の配合量は0.01~1%が好ましい。
界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の配合量は1~8%が好ましい。
香料は、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油及び、l-カルボン、1,8-シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール等の上記天然精油中に含まれる香料成分、また、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンツアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール-l-メンチルカーボネート等の香料成分、更には、いくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなる、アップル、バナナ、ストロベリー、ブルーベリー、メロン、ピーチ、パイナップル、グレープ、マスカット、ワイン、チェリー、スカッシュ、コーヒー、ブランデー、ヨーグルト等の調合フレーバーの1種又は2種以上を配合できる。これら香料は、本発明の効果を妨げない範囲で組成物全体の0.00001~3%配合することができる。
有効成分は、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等の抗う蝕作用があるフッ素含有化合物、デキストラナーゼ等の酵素、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム等の知覚過敏の予防又は抑制成分、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌成分、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、ε-アミノカプロン酸等の抗炎症成分、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の水溶性ポリリン酸塩、ビタミン類、ローズマリー、チョウジ、タイム等の生薬抽出物が挙げられる。これらは、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。
防腐剤は、安息香酸又はその塩、メチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステルが挙げられ、着色剤は、赤色3号、赤色104号、赤色106号、黄色4号、青色1号、緑色3号、雲母チタン、弁柄等が挙げられる。甘味剤は、サッカリンナトリウム等が挙げられる。
溶剤は、通常、精製水が用いられ、更にエタノール等の炭素数3以下の低級アルコールを添加することもできる。
なお、液体口腔用組成物のpH(25℃)は通常の範囲でよく、pH6~8がよい。
本発明の液体口腔用組成物は、口腔用の液体製剤であれば各種剤型で使用でき、例えばスプレー製剤、洗口剤等に調製することができるが、スプレー容器に充填して口腔用スプレー製剤として用いることが、特に口臭抑制実感の点から好ましい。
本発明の口腔用スプレー製剤は、上記成分を含有する液体口腔用組成物がスプレー容器に収容され、使用時に口腔内に噴霧して適用される。
この場合、上記収容容器としては、薬剤を噴霧できる構造を有しているものであれば特に制限されない。具体的には、内容物を収容するプラスチックボトル等の容器本体と、ポンプディスペンサー等の噴霧機構を有するスプレー部とを備え、容器本体の上部開口部に密着して装着されたスプレー部の押圧部を押圧することで、容器本体に収容された内容物が、スプレー部の内容物排出機構によって内容物排出口(ノズル)から噴霧、排出されるもの(以下、スプレー容器と略す。)が使用できる。
このようなスプレー容器は、公知のものを使用でき、市販品を使用してもよい。例えば、スプレー容器のディスペンサー部分は(株)吉野工業所製のY-201(1プッシュ約0.03mL排出)、Y-70(1プッシュ約0.07mL排出)、Y-150(1プッシュ約0.15mL排出)等や、(株)三谷バルブ製のZ-155(1プッシュ約0.15mL排出)等のディスペンサーが、また、ボトル部については、(株)吉野工業所製の上記ディスペンサーに対応したポリエチレンテレフタレート製のボトルや、竹本容器(株)製のPEI-30ボトル等が市販品として入手でき、これらを用いることができる。なお、スプレー容器のディスペンサー部については、実公昭55-373号公報、実公昭56-21476号公報、特開昭60-32505号公報等に開示されている。
図1は、本発明に使用し得るスプレー容器の一実施例を示す概略部分断面図である。このスプレー容器のディスペンサー部はY-201、Y-70等、ボトル部は前記ディスペンサー部に対応したポリエチレンテレフタレート製ボトル(いずれも(株)吉野工業所製)として市販されている。
図1の容器は、内容物を収容する容器本体1と噴霧機構を有するスプレー部2とを備え、容器本体1の上部開口部に、スプレー部2がパッキン3を備えたキャップ4によって密着して装着され、かつスプレー部2は、その内容物排出機構5の内容物流入路となるシリンダー6の下部突出部が、その先端開口部にチューブ7が備えられて容器本体1内に挿入されている。この容器は、スプレー部2の押圧部8を押圧することで、ピストン9がシリンダー6内をシリンダーガイド10に沿って上下することによって、容器本体1内の内容物が、チューブ7の下部開口部から、シリンダー6内の流量を調節するボール11を介して吸い上げられ、頭部シリンダー12を通って内容物排出機構のノズル13から噴霧、排出されるものである。なお、必要に応じて、スプレー部2にオーバーキャップ14を被せることができる。
上記スプレー容器を構成するスプレー部の形状や、内容物排出機構、ノズル等の口径や形状は、一般に使用されているものであれば自由に使用でき、特に限定されるものではないが、内容物が排出されるノズル孔の口径は0.1~1mm、特に0.2~0.8mmが好適である。スプレーによる噴霧量は、1プッシュあたり0.01~0.5mLであることが好ましい。また、容器本体は、高さが40~100mm、幅が15~50mmのものが好ましく、容量は3~50mL程度が好適である。
このような容器を使用することは、噴霧性と共に、より優れた口臭抑制実感及びその持続性を発揮させるのに有効である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1~4に示す組成の液体口腔用組成物を下記方法で調製し、これらをサンプルとしてスプレー容器に充填し、試験用の口腔用スプレー製剤を得た。これら製剤を用い、下記方法で評価した。結果を表に併記した。
調製方法:
各成分を量り採り、撹拌機で混合して調製した。調製した液5mLを、スプレー容器((株)吉野工業所製、ディスペンサー;Y-201、ノズル孔0.25mm、噴霧量0.03mL/1プッシュ、ボトル:容量5mLのポリエチレンテレフタレート製ボトル)に充填し、試験用のスプレー製剤を得た。
評価方法
(1)使用直後の口臭抑制実感の評価方法
被験者10名が、スプレー容器に充填したサンプルを口中に2プッシュ(噴霧量0.06mL)した直後の「口臭を抑制できた感じ」について、下記の5段階の評価基準で評価した。10名の平均点を求め、得られた平均点から下記の判定基準で使用直後の口臭抑制実感を判定し、☆、◎、○、△、×で示した。
評価基準
5点:非常に高く感じた
4点:かなり感じた
3点:感じた
2点:あまり感じなかった
1点:全く感じなかった
判定基準
☆:平均点4.0点以上
◎:平均点3.5点以上4.0点未満
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
(2)口臭抑制実感の持続性の評価方法
被験者10名が、スプレー容器に充填したサンプルを口中に2プッシュ(噴霧量0.06mL)した後、「口臭を抑制している感じ」を感じた時間について、下記の4段階の評価基準で評価した。10名の平均点を求め、得られた平均点から下記の判定基準で口臭抑制実感の持続性を判定し、◎、○、△、×で示した。
評価基準
4点:30分以上
3点:20分以上30分未満
2点:10分以上20分未満
1点:10分未満
判定基準
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
(3)刺激感のなさの評価方法
被験者10名が、スプレー容器に充填したサンプルを口中に2プッシュ(噴霧量0.06mL)した時の「刺激感のなさ」について、下記の4段階の評価基準で評価した。10名の平均点を求め、得られた平均点から下記の判定基準で使用時における刺激感のなさを判定し、◎、○、△、×で示した。
評価基準
4点:刺激感を感じなかった
3点:刺激感をやや感じた
2点:刺激感を感じた
1点:刺激感を強く感じた
判定基準
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
(4)製剤の外観安定性の評価方法
スプレー容器に充填されたサンプルを50℃及び-5℃の温度条件下でそれぞれ1ヶ月間静置して保存した。製造直後品を基準とし、これと比較した50℃及び-5℃保存品の外観や性状(透明性や、析出物及びニゴリの状態)について目視にて確認して、下記の判定基準で製剤の外観安定性を判定し、☆、◎、○、△、×で示した。
判定基準
☆:無色透明で析出物は全く認められない
◎:ごく僅かに析出物やニゴリが認められる
○:やや析出物やニゴリが認められるが問題ないレベル
△:析出物やニゴリが認められる
×:顕著に析出物やニゴリが認められる
主な使用原料の詳細を下記に示す。
(A)l-メントール(高砂香料工業(株)製)
(B)エタノール(日本アルコール産業(株)製)
(C)ポリグルタミン酸ナトリウム
(γ-ポリグルタミン酸ナトリウム、(株)明治フードマテリア製)
(D)グリセリン(阪本薬品工業(株)製)
(E)クエン酸(扶桑化学工業(株)製)
(E)クエン酸ナトリウム(扶桑化学工業(株)製)
(F)ソルビトール(三菱商事フードテック(株)製)
(F)キシリトール(三菱商事フードテック(株)製)
(F)エリスリトール(物産フードサイエンス(株)製)
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製)
その他の成分については医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
Figure 0007155943000001
Figure 0007155943000002
Figure 0007155943000003
Figure 0007155943000004
1 容器本体
2 スプレー部
3 パッキン
4 キャップ
5 内容物排出機構
6 シリンダー
7 チューブ
8 押圧部
9 ピストン
10 シリンダーガイド
11 ボール
12 頭部シリンダー
13 ノズル
14 オーバーキャップ

Claims (5)

  1. (A)l-メントール 0.05~2質量%、
    (B)エタノール 15~45質量%、
    (C)ポリグルタミン酸及びその塩から選ばれる1種以上 0.01~0.5質量%
    及び
    (D)グリセリン 10~50質量%
    を含有してなることを特徴とする液体口腔用組成物。
  2. 更に、(E)炭素数4~8の鎖状有機酸及びその塩から選ばれる1種以上を0.17~3質量%含有する請求項1記載の液体口腔用組成物。
  3. (E)成分が、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる1種以上である請求項2記載の液体口腔用組成物。
  4. 更に、(F)糖アルコールを1~20質量%含有する請求項1~3のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項記載の液体口腔用組成物がスプレー容器に充填された口腔用スプレー製剤。
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