JP5625704B2 - 歯磨剤組成物 - Google Patents
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請求項1:
研磨剤無配合の歯磨剤組成物に、(A)カチオン性殺菌剤を配合すると共に、(B)カラギーナン、(C)アルギン酸ナトリウム、及び(D)脂肪酸アミドプロピルベタインを配合してなり、(B)成分/(A)成分の質量比が10〜100、かつ(B)成分/(C)成分の質量比が1〜3であることを特徴とする歯磨剤組成物。
請求項2:
(A)カチオン性殺菌剤が第四級アンモニウム塩である請求項1記載の歯磨剤組成物。
請求項3:
(A)成分を0.005〜0.1質量%、(B)成分を0.1〜2質量%、(C)成分を0.1〜2質量%、(D)成分を0.1〜3質量%配合した請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
請求項4:
アニオン性界面活性剤を含有しない請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。
請求項5:
ジェル状の歯磨剤組成物である請求項1乃至4のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
このようなカラギーナンとしては、三昌(株)から販売されているものを使用することができる。
アルギン酸ナトリウムとしては、1質量%水溶液の粘度が20〜1,100mPa・s、特に80〜400mPa・sであることが好ましい、粘度が20mPa・s未満では、曳糸性が生じ使用感が悪化する場合があり、1,100mPa・sを超えると高温保存後の外観の悪化を抑制できない場合がある。
なお、上記粘度は、B型粘度計、特にBM型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、20℃、測定時間1分による値である。
このようなアルギン酸ナトリウムとしては、(株)キミカから販売されているキミカアルギンIシリーズ等を使用することができる。
ラウリン酸アミドプロピルベタインは、主としてラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸からなり、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインは、主としてヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸からなる。中でも、泡立ちの点からヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸が好ましい。
また、本発明組成物には、その剤型に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記必須成分に加えて下記のような成分を任意に配合できる。例えば液状歯磨の場合は、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、更には必要に応じて甘味剤、色素、防腐剤、香料、各種有効成分等を配合でき、これら成分と水とを混合し、常法に従って製造できる。
本発明の歯磨剤組成物は研磨剤を配合しないもので、研磨剤は含有しない。
従って、界面活性剤を配合する場合は、ノニオン性界面活性剤を配合することが好ましく、例えば、アルキル基の炭素数が16〜18のポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキシドの付加モル数が40〜80のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
アルギン酸ナトリウムの粘度は、BM型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、20℃、測定時間1分による値である。
表1,2に示す組成の歯磨剤組成物(ジェル状歯磨剤組成物)を下記に示す製造法により調製した。得られた歯磨剤組成物について、カチオン性殺菌剤の保存後の安定性、殺菌力、高温保存後の歯磨剤の外観安定性、歯磨ブラッシング時の泡立ち、歯磨ブラッシング時の使用感(曳糸性)、更には苦味の無さを下記方法により評価した。結果を表1,2に示す。
(i)精製水中に水溶成分(粘結剤、プロピレングリコール等を除く)を常温で混合溶解させたA相を調製した。
(ii)プロピレングリコール中に粘結剤及び防腐剤を常温で分散させたB相を調製した。
(iii)攪拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製した。
(iv)C相中に、香料、界面活性剤等の水溶性成分以外の成分を、5kg真空乳化装置(みづほ工業株式会社製)を用い常温で混合し、減圧(2,666Pa)による脱泡を行い、歯磨剤組成物5kgを得た。
歯磨剤組成物を調製後、容器に充填し、充填直後の組成物中のカチオン性殺菌剤(塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム)を定量(%)した値を初期値とし、40℃の恒温槽に1ヶ月間保存した後の各カチオン性殺菌剤の組成中濃度を評価サンプル値(%)とし、下記の式にて残存率を計算した。90%以上の残存率を示すものを保存安定性に問題ないと判断した。
なお、カチオン性殺菌剤の定量は、歯磨剤組成物を2.5g分取し(チューブからの押し出した最初の2.5gを使用)、分散溶液10mlを加え、均一に分散した後、エタノール30mlを加え、更に均一に分散後、遠心分離を行い、上清を0.45μmの液体クロマトグラフ用フィルターでろ過した後、試料溶液とした。なお、分散溶液は、無水過塩素酸ナトリウムとリン酸の混合液を用いた。別に、各カチオン性殺菌剤の標準品を上記の分散溶液に溶かした後、組成物の濃度にあわせて希釈し、標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液50μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、絶対検量線法により測定した。
カラム温度:35℃
移動相:メタノール/無水過塩素酸ナトリウム溶液
測定波長:紫外吸光光度(波長265nm)
流量:1.0ml/分
ポンプ:PU−980(日本分光(株))
試料導入部:AS−950(日本分光(株))
検出器:UV−970(日本分光(株))
記録装置:Chromatocoder21J(システムインスツルメント(株))
カラム恒温槽:CO−966(日本分光(株))
カラム:CAPCELL PAK SCX UG80
(4.6mmφ×150mm)((株)資生堂)
[評価サンプル値(質量%)/初期値(質量%)]×100
◎:残存率が95%以上
○:残存率が90%以上95%未満
△:残存率が85%以上90%未満
×:残存率が85%未満
凍結保存してあったポルフィロモーナス ジンジバリス培養液40μLをそれぞれ5mg/Lヘミン(Sigma社製)及び1mg/LビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM)4mLに添加し、37℃で二晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol二酸化炭素、10vol%水素)し菌液とした。歯磨剤組成物1gにTHBHM培地49mLを加え攪拌した後、更にTHBHM培地を加え、歯磨剤組成物の希釈倍率として400〜2400倍となるように各々の歯磨剤組成物の希釈培地を作成した。各々の歯磨剤組成物の希釈培地3mLに菌液50μLを添加し、37℃で10日間嫌気培養後、菌の生育の有無を、外観、におい、顕微鏡を用いて判定した。
殺菌力は、菌の生育が見られなかった最高希釈度を元に、下記の基準により評価した。
◎:希釈度が1,600倍以上
○:希釈度が1,200倍以上1,600倍未満
△:希釈度が800倍以上1,200倍未満
×:希釈度が800倍未満
歯磨剤組成物をブローチューブに60g充填し、各組成3本を50℃で1ヶ月保存し、室温(25℃)に戻して1日放置した後、わら半紙上に直ちに歯磨剤を15cm押出した場合の歯磨剤組成物の表面状態を以下の基準で評価した。
評価基準:
4点:表面状態に艶があり、しわなどが無く、均一で滑らかな表面である。
3点:表面状態にわずかにしわが認められるが、ほぼ均一で滑らかな表面である。
2点:表面状態にしわが認められ、表面の均一性が無い。
1点:表面状態に著しくしわが認められ、表面が不均一で連続性が無い。
各歯磨剤組成物の3本の評価点の平均値を求め、以下の基準で外観安定性を評価した。
◎:表面状態の平均点が3.5点以上4.0点以下
○:表面状態の平均点が3.0点以上3.5点未満
△:表面状態の平均点が2.0点以上3.0点未満
×:表面状態の平均点が2.0点未満
被験者10名を用い、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨きを行った際の泡立ちについて、以下の基準で評価した。
評価基準:
4点:適度に泡が立ち磨きやすい
3点:わずかに泡が立ち磨きやすい
2点:泡立ちが少なく磨きにくい
1点:泡が立たず磨きにくい
10名の評価結果を平均し、以下の基準で泡立ち感を評価した。
◎:泡立ち評価の平均点が3.5点以上4.0点以下
○:泡立ち評価の平均点が3.0点以上3.5点未満
△:泡立ち評価の平均点が2.0点以上3.0点未満
×:泡立ち評価の平均点が2.0点未満
歯磨剤組成物をブローチューブに60g充填し、更紙上に1cm歯磨剤組成物を出した後、チューブ口元を押し付け、垂直に上へと引き上げた時の糸の引いた高さを曳糸性評価として以下の基準で評価した。
◎:糸の高さが1.0cm未満
○:糸の高さが1.0cm以上2.0cm未満
△:糸の高さが2.0cm以上3.0cm未満
×:糸の高さが3.0cm以上
被験者10名を用い、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨きを行った際の使用中に感じた苦味を、以下の基準で評価した。
評価基準:
3点:苦味を感じない
2点:苦味をやや感じる
1点:苦味を感じる
10名の評価結果を平均し、以下の基準で使用感(苦味の無さ)を評価した。
◎:苦味の評価の平均点が2.5点以上3.0点以下
○:苦味の評価の平均点が2.0点以上2.5点未満
△:苦味の評価の平均点が1.5点以上2.0点未満
×:苦味の評価の平均点が1.0点以上1.5点未満
塩化セチルピリジニウム:和光純薬工業(株)製
塩化ベンザルコニウム:日油(株)製
塩化ベンゼトニウム:和光純薬工業(株)製
カラギーナン:ι−カラギーナン 三昌(株)製
アルギン酸ナトリウム:
粘度(1%水溶液、20℃) 290mPa・s (株)キミカ製
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン:
EVONIK社製(商品名:TEGO BETAIN CK(30%水溶液))
ラウリン酸アミドプロピルベタイン:
花王(株)製(商品名:アンヒトール20AB(30%水溶液))
他成分については、いずれも医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
Claims (5)
- 研磨剤無配合の歯磨剤組成物に、(A)カチオン性殺菌剤を配合すると共に、(B)カラギーナン、(C)アルギン酸ナトリウム、及び(D)脂肪酸アミドプロピルベタインを配合してなり、(B)成分/(A)成分の質量比が10〜100、かつ(B)成分/(C)成分の質量比が1〜3であることを特徴とする歯磨剤組成物。
- (A)カチオン性殺菌剤が第四級アンモニウム塩である請求項1記載の歯磨剤組成物。
- (A)成分を0.005〜0.1質量%、(B)成分を0.1〜2質量%、(C)成分を0.1〜2質量%、(D)成分を0.1〜3質量%配合した請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
- アニオン性界面活性剤を含有しない請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。
- ジェル状の歯磨剤組成物である請求項1乃至4のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
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