JP5625818B2 - 歯磨剤組成物 - Google Patents
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本発明では、更に非イオン性界面活性剤を配合することで、上記製剤特性に優れる上、低温保存後の押し出し固さにも優れた製剤を提供できる。
請求項1:
(A)水を20〜50質量%含有し、(B)カルボキシビニルポリマーと(C)キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース塩から選ばれる1種又は2種以上の粘結剤とを(C)/(B)の質量比が1.0〜5で含有し、かつ(D)吸油量150〜300g/100gの無水ケイ酸を1〜10質量%、(F)アルギン酸プロピレングリコールエステルを含有してなり、25℃でのpHが6〜9であることを特徴とする歯磨剤組成物。
請求項2:
(B)成分を0.2〜0.5質量%、(C)成分を0.4〜1.5質量%、(F)成分を0.05〜1質量%含有する請求項1記載の歯磨剤組成物。
請求項3:
更に、(E)非イオン性界面活性剤としてエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜20モルでアルキル基の炭素数が14〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はエチレンオキサイドの平均付加モル数が5〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.3〜5質量%含有する請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
請求項4:
練歯磨剤として調製された請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。
本発明の歯磨剤組成物は、適切量の水分量を有するもので、(A)成分の水は、成形性及び液分離安定性の点から組成物全量に対して20〜50%(質量%。以下同様。)であり、好ましくは40〜48.5%である。20%未満では練りが固く、成形性、口腔内分散性も悪くなる。50%を超えると良好な成形性が保てない。また、液分離安定性が劣る場合がある。
このような具体的には、カーボポール980、カーボポール940(ルーブリゾール(株)製)、HV505E(住友精化(株)製)などが挙げられる。
具体的には、アルギン酸としてはダックアシッド((株)紀文フードケミファ)、アルギニックアシッド(大日本住友製薬(株))、アルギン酸カリウムとしてはカリアルギン((株)紀文フードケミファ)、コスケルプ(ISPジャパン(株))、アルギン酸ナトリウムとしてはキミカアルギン((株)キミカ)、サンアルギン(三晶(株))、ダックアルギン((株)紀文フードケミファ)などが挙げられる。
例えばカルボキシメチルセルロースカルシウムとしては、ECG(ダイセル化学工業(株))、カルボキシメチルセルロースアンモニウムとしては、DN(ダイセル化学工業(株))、カルボキシメチルセルロースナトリウムとしては、フィンフィックス、セコール(三晶(株)式会社)、CMCダイセル(ダイセル化学工業(株))、セロゲン(第一工業製薬(株))などが挙げられる。
また、2種類以上を組み合わせる場合は、キサンタンガムと、カラギーナン及び/又はアルギン酸もしくはその塩との併用が好ましい。
上記無水ケイ酸のDBP吸油量は、DIN 53601に準じて測定した場合、150〜300g/100gである。DBP吸油量が上記範囲であるものを用いることで、十分な配合効果を得ることができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリン酸デカグリセリル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、特にエチレンオキサイド(以下、E.O.と略記。)の平均付加モル数が2〜20モルで、アルキル基の炭素数が14〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はE.O.の平均付加モル数が5〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、効果発現に有効である。
(F)成分のアルギン酸プロピレングリコールエステルは細菌付着抑制剤として配合されるもので、(F)成分を配合することで、上記優れた製剤特性を有すると共に、歯周病原因菌の歯面への付着抑制効果に優れた製剤を提供できる。
粘度測定法((株)フードケミファ製 ダックロイド)
アルギン酸プロピレングリコールを4g採取し600mL容量のビーカーに入れ、そこに攪拌棒で攪拌しながら精製水396gを少しずつ加える。初めに少量の水でよく溶解し、ある程度溶けたら全量の水を入れる。その後1時間膨潤させ、1時間後、高速攪拌機(ホモミキサー)により12,000回転/分で1分間攪拌する。この溶液を300mLトールビーカーに入れて、20℃水槽に静置させておく。泡が上に上がり、ビーカーの溶液の色が透明になったら、上の泡を薬さじ等で取り除く。温度計をビーカーの中に入れて検液が20℃に達したことを確認し、粘度測定を行う。
粘度計:東京計器 BL型粘度計
ローター:No.1
回転数:60rpm
測定時間:1分
300mLトールビーカーに精製水297gをとり、スターラー又はスリーワンモーターで攪拌しながらこれにアルギン酸プロピレングリコールエステルを3.0g加えて完全に溶解する。次に、20℃恒温水槽に1時間静置後、BL型粘度計を用いて正確に1分後の粘度を測定する。
粘度計:東京計器 BL型粘度計
測定条件
・1%水溶液粘度が10〜80mPa・sの場合:ローター No.1、回転数 60rpm
・1%水溶液粘度が80mPa・sを超えて160mPa・s以下の場合:ローター No.1、回転数 30rpm
・1%水溶液粘度が160mPa・sを超えて400mPa・s以下の場合:ローター No.2、回転数 60rpm
・1%水溶液粘度が400mPa・sを超えて800mPa・s以下の場合:ローター No.2、回転数 30rpm
・1%水溶液粘度が800mPa・sを超えて1,600mPa・s以下の場合:ローター No.3、回転数 60rpm
測定時間:1分
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
表1〜5に示す組成の試験歯磨剤組成物を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜5に示す。
口径8mmのラミネートチューブに試験歯磨剤組成物を充填し、チューブより歯ブラシ上に約1g載せたときの歯ブラシ上での状態を下記基準で評価した
◎:歯ブラシ上でペーストの形状が保たれており、歯ブラシから落ちない
○:歯ブラシ上でのペーストの形状はやや固いが、歯ブラシから落ちず問題ない
×:歯ブラシ上でペーストの形状が固すぎて、歯ブラシから落ち、使用性に問題があ
る
口径8mmのラミネートチューブに試験歯磨剤組成物を充填し、チューブより歯ブラシ上に約1g載せた後、上方向にチューブと歯ブラシを引き離した際の練り切れ(曳糸性)を試験した。曳糸性とは、チューブから取り出した時、歯磨剤組成物が糸を引くように伸びる性状をいい、その長さを測定した。評価は下記基準で行った。
◎:曳糸性が0.5cm未満であり、練り切れが良い
○:0.5cm以上、1cm未満の曳糸性が認められるが使用上問題ない
×:1cm以上の曳糸性が認められ、使用上問題がある
専門パネラー10人を用いた官能試験により評価した。口径8mmのラミネートチューブに充填した試験歯磨剤組成物を歯ブラシ上に約1.0cm載せ、通常歯を磨く方法で使用した。使用中の口腔内での歯磨剤組成物の分散性について以下に示す基準で評価した。
4点:分散性がかなり良い
3点:分散性が良い
2点:分散性が悪い
1点:分散性がかなり悪い
◎:口中での練りの分散性が3.5点以上4.0点以下
○:口中での練りの分散性が3.0点以上3.5点未満
△:口中での練りの分散性が2.0点以上3.0点未満
×:口中での練りの分散性が2.0点未満
歯磨剤組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を50℃、1ヶ月間保存した後、わら半紙上に10cm歯磨剤組成物を押し出し、わら半紙に染み出た液の長さを測定し、下記の4段階で液分離の度合いを評価した。なお、製剤の液分離安定性は温度に依存して液分離が促進される傾向を示し、1ヶ月間の保存期間で評価が可能である保存温度として50℃を選択した。
4点:液分離は全く観察されない
3点:押し出した時、口元に僅かに液分離が認められるが、使用上問題ない
2点:押し出した時、口元に液分離が1〜3cm認められる
1点:押し出した時、口元に液分離が3cmを超えて認められる
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
歯磨剤組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を−5℃、3ヶ月間保存した後、歯磨剤組成物を押し出し、下記の4段階で押し出し固さの度合いを評価した。
◎:スムーズに歯磨剤が出る
○:やや固いが歯磨剤は出せる
×:固くて歯磨剤が出しにくい
歯周病原因菌は、アメリカン タイプ カルチャー コレクション(ATCC)より購入したポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)ATCC33277株を用い、ヘミン及びメナジオンを含むトッドへーウィットブロース培養液(THBHM*1)により37℃で嫌気的条件下(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)で定常状態まで培養し、550nmにおける吸光度が1.0になるようPBS(和光純薬工業社製)に懸濁した液を試験に供した。
付着担体は、直径7mm×厚さ3.5mmのハイドロキシアパタイト(HA)板(旭光学社製)を用い、0.45μmのフィルターでろ過したヒト無刺激唾液に1時間(37℃)浸漬し、HA表面を唾液成分でコートし試験に供した。
唾液コートしたHA板をPBS(和光純薬工業社製)で1回洗浄した後、表1〜5の歯磨製剤に人口唾液(50mmol/L KCl+1mmol/L KH2PO4+1mmol/L CaCl2+0.1mmol/L MgCl2(pH7.0))を2倍質量添加し、分散させた後の遠心上清を試験薬剤液2mLに5分間浸漬した。処置後、PBSで1回洗浄後、HA板を前述したポルフィロモナス ジンジバリス菌液に30分間(37℃)浸漬した。その後、HA板はPBS 1mLで3回洗浄した後、PBS 4mL中で超音波処理(200μA、10秒間)により付着した細菌を分散し、PBSを用いて10倍段階希釈を施した。このものを10%綿羊脱繊血含有血液寒天平板*2に50μL塗沫し、嫌気性条件下で約2週間培養した。生育したコロニー数よりHA板に付着したポルフィロモナス ジンジバリスの菌数を求め、付着菌数をcfu(colony forming unit)/HA板として算出した。コントロールの付着菌数に対する試験組成物の付着抑制率を下記式により求め、下記基準に則り、歯周病原因菌付着抑制効果を判定した。
付着抑制率(%)=((コントロールの付着菌数−試験組成物の付着菌数)/(コントロールの付着菌数))×100
◎:付着抑制効果が80%以上100%以下
○:付着抑制効果が60%以上80%未満
△:付着抑制効果が40%以上60%未満
×:付着抑制効果が0%以上40%未満
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 5mg/L
メナジオン(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップし、121℃で20分間オートクレーブした。)
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
寒天(Becton and Dickinson社製): 15g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップし、121℃で20分間オートクレーブした。)
綿羊脱繊血(日本バイオテスト研究所製) 100mL
カルボキシビニルポリマー
(ルーブリゾール(株)製、商品名 カーボポール980、0.5%粘度45Pa・s)
カルボキシビニルポリマー
(住友精化(株)製、商品名 HV505E、0.5%粘度65Pa・s)
キサンタンガム(大日本製薬(株)製 商品名 エコーガム)
アルギン酸ナトリウム((株)キミカ製、商品名 キミカアルギン)
カラギーナン(CPケルコ(株)製、商品名 GENUTINE)
カルボキシメチルセルロースナトリウム
(ダイセル化学工業(株)製、商品名 CMCダイセル1260)
無水ケイ酸
(DSLジャパン(株)製、商品名 CARPLEX#80、DBP吸油量285g/100g)
ポリオキシエチレンステアリルエーテル
(青木油脂産業(株)製、商品名 BLAUNON SR−705、E.O.付加モル数8)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(青木油脂産業(株)製、商品名 BLUNON PCW−20、E.O.付加モル数20)
アルギン酸プロピレングリコールエステル
((株)キミカ製、 商品名 キミロイドBF、M/G比1.3、エステル化度80%)
アルギン酸プロピレングリコールエステル
((株)フードケミファ製、商品名 ダックロイドPF、M/G比0.8、エステル化度75%)
Claims (4)
- (A)水を20〜50質量%含有し、(B)カルボキシビニルポリマーと(C)キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース塩から選ばれる1種又は2種以上の粘結剤とを(C)/(B)の質量比が1.0〜5で含有し、かつ(D)吸油量150〜300g/100gの無水ケイ酸を1〜10質量%、(F)アルギン酸プロピレングリコールエステルを含有してなり、25℃でのpHが6〜9であることを特徴とする歯磨剤組成物。
- (B)成分を0.2〜0.5質量%、(C)成分を0.4〜1.5質量%、(F)成分を0.05〜1質量%含有する請求項1記載の歯磨剤組成物。
- 更に、(E)非イオン性界面活性剤としてエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜20モルでアルキル基の炭素数が14〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はエチレンオキサイドの平均付加モル数が5〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.3〜5質量%含有する請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
- 練歯磨剤として調製された請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。
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