JP2011132139A - 歯磨組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】グルカナーゼ酵素配合の歯磨組成物において、口腔内へのグルカナーゼ酵素の滞留性を高めることで歯垢除去力が向上し、歯磨組成中での酵素の安定性に優れると共に、歯磨製剤の成形性、歯磨き時の泡立ち及び経時での液分離安定性に優れ、ムシ歯予防効果に優れた歯磨組成物を提供する。
【解決手段】グルカナーゼ酵素配合の歯磨組成物に、(A)カチオン性ポリマーを0.02〜0.2質量%、(B)脂肪酸の炭素数が12〜14の脂肪酸アミドプロピルベタインを0.4〜1.6質量%、(C)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種を0.5〜3質量%配合し、かつ(C)成分/(A)成分の質量比を10〜100とする。更に、(D)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、歯垢分解作用があるグルカナーゼ酵素の口腔内滞留性を高めることにより歯垢除去力を向上させると共に、歯磨組成中での酵素安定性に優れ、歯磨製剤の成形性、歯磨き時の泡立ち及び経時での液分離安定性が良好であり、更に、優れた防腐力を付与することができる歯磨組成物に関する。
グルカナーゼ酵素は、歯垢を形成する非水溶性のグルカンを酵素分解することで歯垢を化学的に除去する作用があり、ムシ歯予防の有効成分として口腔製品に使用されている。酵素反応による分解をより効率的に働かせるには、酵素の作用時間を長くすることが有効であるが、口腔内においては歯磨ブラッシング後の濯ぎで成分の大半が除かれてしまい、必ずしも機能を最大限発揮しておらず、より高い作用性が得られる歯磨組成物が求められていた。
タンパク質からなる酵素は、その機能発現部位である活性中心を含む高次構造を有しているが、温度や界面活性剤などの変性剤の作用により失活しやすい性質がある。歯磨組成物には、歯磨き時の泡立ちを確保するために多くの歯磨組成物でラウリル硫酸ナトリウムを配合しているが、ラウリル硫酸ナトリウムはタンパク質の変性作用が強く、非イオン性の界面活性剤やアミノ酸などの複数の安定化剤を併用する必要があった。また、粘結剤として非イオン性ポリマーを多量に配合した歯磨組成物は、製剤の成形性が悪くなったり、40℃を超える温度変化において製剤の液分離を生じる場合があった。
更に、歯磨組成物の多くには製剤の防腐力を確保するため、メチルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン類(パラオキシ安息香酸エステル)や、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウムなどの4級アンモニウム型の防腐剤を配合しているが、近年、組成の簡便化や環境負荷低減などの観点から、防腐剤を配合しない組成が増えてきている。
また、多くの歯磨組成物で発泡剤としてアニオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムを配合しているが、変性作用の強いラウリル硫酸ナトリウムは細菌に対して殺菌作用を有しており歯磨組成物の防腐効果にも寄与している。一方、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を含まない組成は、酵素を失活させ難いので酵素配合組成として好適であることから、酵素を配合しラウリル硫酸ナトリウムを配合しない組成においては、優れた防腐力の確保が望まれる。
歯垢を分解除去するグルカナーゼ酵素を口腔内に滞留させる技術としては、カチオン性ポリマーとアニオン性水溶性高分子を特定の質量比で配合した液体口腔用組成物(特許文献1参照)、カチオン性ポリマーと有機酸又はその水溶性塩を含有した液体口腔用組成物(特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、これらの技術では、研磨剤などの大量の無機粒子を含み、良好な泡立ちを得ることなどを目的にラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を配合する練歯磨等の歯磨組成物においてグルカナーゼ酵素の十分な口腔内滞留効果を得ることはできず、また、アニオン性界面活性剤を配合しない場合には十分な歯磨き時の泡立ちが得られないという課題が生じた。また、練歯磨等の歯磨組成物には、通常、アニオン性高分子が粘結剤として1〜3質量%程度配合されており、必ずしも特許文献1の特定の質量比で配合することが困難であった。
カチオン性ポリマー、脂肪酸アミドプロピルベタイン、セルロース誘導体を含む口腔用組成物としては、上記の特許文献に加え、例えば、多孔質炭酸カルシウムを配合しても相分離が起こらずレオロジー特性が変わらない口腔用組成物(特許文献3参照)、多孔質炭酸カルシウムを配合しても相分離が起こらずレオロジー特性が変わらない口腔用組成物(特許文献4参照)、保型性、口腔内での分散性、歯磨後のジュースの味を変えずに、しかも固液分離しない等、経時安定性に優れる口腔用組成物(特許文献5参照)、多孔質炭酸カルシウムを配合しても相分離が起こらずレオロジー特性が変わらない口腔用組成物、研磨力に対するステイン除去力の割合が高い口腔用組成物(特許文献6参照)、フッ化物を含有せずに優れた、う蝕予防効果を有するオーラルケア製品(特許文献7参照)などが提案されている。しかし、これら特許文献の技術において、本発明にかかわる必須構成要件の全てを満たす構成の記載はない。これらの記載から、本発明にかかわる構成とすることによって、グルカナーゼ酵素の口腔内滞留性を高めることにより歯垢除去力が向上し、歯磨組成中での酵素安定性に優れ、歯磨製剤の成形性、歯磨き時の泡立ち及び経時での液分離安定性が良好となることは想到し難く、本発明の構成及び技術的思想を想起させる記載もない。
更に、歯磨組成物に縮合リン酸塩が配合されることが、例えば、特許文献1〜3、5〜7に記載されているが、これら技術は酵素配合組成の防腐力確保を目的とするものではなく、これら技術は、防腐力の課題を改善するための本発明にかかわる構成及び技術的思想を想起させるものではない。
従って、グルカナーゼ酵素を含有する歯磨組成物において、歯垢分解作用があるグルカナーゼ酵素の口腔内滞留性を高め歯垢除去力を向上させると共に、歯磨組成中での酵素安定性に優れ、かつ歯磨製剤の成形性、歯磨き時の泡立ち及び経時での液分離安定性も良好となる技術が求められるが、従来の技術ではこれら全ての効果を満足することはできないのが現状であった。
特開2001−240523号公報 特開2001−316235号公報 特開平10−330233号公報 特開2002−179540号公報 特開2004−2476号公報 特開2004−10576号公報 特開2009−143874号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、グルカナーゼ酵素を配合した歯磨組成物において、歯垢分解作用があるグルカナーゼ酵素の口腔内滞留性を高めることにより歯垢除去力を向上させると共に、歯磨組成中での酵素安定性に優れ、歯磨製剤の成形性、歯磨き時の泡立ち及び経時での液分離安定性が良好な歯磨組成物を提供することを目的とする。更に、優れた防腐力を付与した歯磨組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を進めた結果、グルカナーゼ酵素配合の歯磨組成物に、(A)カチオン性ポリマーを0.02〜0.2質量%、(B)脂肪酸の炭素数が12〜14の脂肪酸アミドプロピルベタインを0.4〜1.6質量%、(C)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種を0.5〜3質量%配合し、かつ(C)成分/(A)成分の質量比を10〜100とすることにより、口腔内でのグルカナーゼ酵素の滞留性が高まり歯垢除去力が向上し、歯磨組成中での酵素の安定性に優れると共に、歯磨製剤の成形性、歯磨き時の泡立ち及び経時での液分離安定性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
更に、(D)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%配合することにより、上記特性に加え、製剤の防腐力が高まり、優れた防腐力をも備えた歯磨組成物を完成するに至った。
更に詳述すると、本発明者らは、ムシ歯予防機能に優れたグルカナーゼ酵素を配合した歯磨組成物について鋭意検討した結果、上記(A)〜(C)成分を組み合わせて配合し、(C)成分/(A)成分の配合比を特定範囲にすることにより、ムシ歯の原因である歯垢を分解除去する機能を有するグルカナーゼ酵素を口腔内に十分に滞留させることで歯垢除去力を格段に高めることに成功し、また、界面活性剤や多くの無機塩が含まれる歯磨組成中においても十分な酵素の安定性を確保し、歯磨製剤の成形性が高いことで歯ブラシ上に採取するときの使用性も良好となり、歯磨き時のブラッシングにおいても良好な使用感に繋がる歯磨き時の泡立ちが良く、更に製品の品質維持において濃厚な乳化分散系である歯磨製剤は経時で乳化分散系が崩れることによって生じる液分離発生も良好に抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、防腐剤を配合しない歯磨組成物においては、殺菌効果を有するアニオン性界面活性剤の配合量を増やしたり、組成の水分活性を低減することが有用であるが、本発明によれば、上記(A)〜(C)成分を適切に配合し、かつ(D)成分を配合することによって、これら技術によらなくても、例えば、防腐剤を配合しない組成であっても、あるいはラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を配合しなくても、十分な防腐力を確保することもできる。
従って、本発明は、下記の歯磨組成物を提供する。
請求項1:
グルカナーゼ酵素配合の歯磨組成物に、(A)カチオン性ポリマーを0.02〜0.2質量%、(B)脂肪酸の炭素数が12〜14の脂肪酸アミドプロピルベタインを0.4〜1.6質量%、(C)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種を0.5〜3質量%配合し、かつ(C)成分/(A)成分の質量比を10〜100としたことを特徴とする歯磨組成物。
請求項2:
(A)カチオン性ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、及び/又は塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースである請求項1記載の歯磨組成物。
請求項3:
更に、(D)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%配合した請求項1又は2記載の歯磨組成物。
本発明によれば、グルカナーゼ酵素配合の歯磨組成物において、口腔内でのグルカナーゼ酵素の滞留性を高めることで歯垢除去力が向上し、歯磨組成中での酵素の安定性に優れると共に、歯磨製剤の成形性、歯磨き時の泡立ち及び経時での液分離安定性に優れ、ムシ歯予防効果に優れたものとすることができる。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨組成物は、練歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、特にペースト状、ジェル状の練歯磨剤として調製されるもので、グルカナーゼ酵素を含有する歯磨組成物に、(A)カチオン性ポリマー、(B)脂肪酸の炭素数が12〜14の脂肪酸アミドプロピルベタイン、(C)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種を配合し、(C)成分/(A)成分の質量比が10〜100であるものである。
グルカナーゼは、歯垢の構成成分であるグルカンを分解し、歯垢形成を抑制する酵素であって、グルカナーゼとしてはデキストラナーゼ、ムタナーゼが好適に使用でき、歯垢除去効果の点からデキストラナーゼがより好適である。
デキストラナーゼとしては、ケトミウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、スピカリア属、ラクトバチルス属、セルビブリオ属等に属する公知のデキストラナーゼ生産菌より公知の方法により得られるデキストラナーゼを好適に使用できるが、他の微生物より生産されたデキストラナーゼも使用することができ、市販品としては第一三共プロファーマ(株)製のデキストラナーゼなどを用いることができる。
ムタナーゼとしては、シュードモナス・エス・ピー、トリコデルマ・ハルジアヌム、ストレプトマイセス・ヴェレンシス、アスペルギルス・ニドランス、フラボバクテリウム・エス・ピー、バシラス・エス・ピー等の公知のムタナーゼ生産菌より公知の方法により得られるムタナーゼを好適に使用できるが、他の微生物より生産されたムタナーゼも使用することができ、市販品としては天野エンザイム(株)製ムタナーゼなどを用いることができる。
これらデキストラナーゼ、ムタナーゼは単独でも2種を組み合わせても使用可能であり、その合計配合量は組成中1〜200単位/g(U/g)、特に2〜50単位/gであることが、かかる配合量の範囲で酵素の口腔内滞留性、歯垢除去力、酵素安定性を高め、良好な製剤を得るのに好適である。1単位/g未満であると、十分な歯垢除去効果が得られない場合があり、200単位/gを超えると、経時での変色が生じ、外観安定性が十分でなくなる場合がある。
通常、デキストラナーゼ、ムタナーゼは10,000〜14,000単位/gのものが好ましく、13,000単位/gのものを使用する場合、その配合量は組成物全体の0.0077〜1.54%(質量%、以下同様。)が好適である。0.0077%未満であると歯垢除去効果が十分に得られず、1.54%を超えると経時での変色が生じ外観安定性に劣る場合がある。
ここで、デキストラナーゼ1単位とは、デキストランを基質として酵素反応を行った場合に、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量であり、ムタナーゼ1単位とは、ムタンを基質として酵素反応を行った場合に、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるムタナーゼの量である。
上記グルカナーゼ酵素を含有する歯磨組成物に配合される(A)成分のカチオン性ポリマーとしては、カチオン基としてジメチルジアリルアンモニウム、2−ヒドロキシ−3(トリメチルアンモニオ)プロピルなどを、セルロース、デキストランなどの誘導体に付加したものや、塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマーや塩化ジメチルジアリルアンモニウムと少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和炭化水素を有する重合可能なモノマーとのコポリマーなどが挙げられる。
このようなカチオン性ポリマーとしては、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]デキストラン、塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とのコポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとのコポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とアクリルアミドとの3成分のコポリマーなどが挙げられ、窒素含有量が0.1〜3%であるものが好ましい。
具体的に、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドは、ヒドロキシエチルセルロースにジメチルジアリルアンモニウム塩をグラフト重合したものであり2%(質量%、以下同様。)水溶液の粘度が50〜2,000mPa・s(BHブルックフィールド型粘度計、ローターNo.2、20回転、21℃)のものが使用でき、例えばアクゾノベル(株)製のセルコートL−200(2%水溶液粘度:35〜350mPa・s、BH型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、21℃、測定時間1分)、セルコートH−100(2%水溶液粘度:500〜2750mPa・s、BH型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、21℃、測定時間1分)等が挙げられる。
塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースとしては、1%又は2%水溶液で粘度測定ができ、2%水溶液で粘度5〜800mPa・s(BL型粘度計、ローターNo.2、30回転、25℃)のものとして、例えばライオン(株)製のレオガードKGP(2%水溶液粘度:5〜50mPa・s)、レオガードG(2%水溶液粘度:100〜600mPa・s)、レオガードGP(2%水溶液粘度:100〜600mPa・s)、レオガードLP(2%水溶液粘度:300〜800mPa・s)など、1%水溶液で粘度500〜2,600mPa・s(BHブルックフィールド型粘度計、ローターNo.2、20回転、25℃)のものとして、例えばライオン(株)製のレオガードMGP(1%水溶液粘度:500〜1,200mPa・s)、レオガードMLP(1%水溶液粘度:1,000〜2,600mPa・s)などが使用できる。
また、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]デキストランとしては、2%水溶液の粘度が1〜1,000mPa・s(BL型粘度計、ローターNo.2、30回転、25℃)のものが使用でき、例えば名糖産業(株)からCDC、CDC−L、CDC−H、CDC−NKの商品名で市販されているものを使用できる。
塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマーは、商品名マーコート100、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とのコポリマーは商品名マーコート280、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとのコポリマーは商品名マーコート550、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とアクリルアミドの3成分のコポリマーは商品名マーコート3330として、いずれもナルコ・ジャパン社から入手できるものを使用することができる。
これらカチオン性ポリマーの中でも、特にヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが、歯垢除去力の点で優れていることから、好適に使用できる。
(A)カチオン性ポリマーの配合量は、組成物全体の0.02〜0.2%であり、好ましくは0.05〜0.10%である。0.02%未満では歯垢除去力や歯磨製剤の成形性が低下する場合があり、0.2%を超えると酵素の安定性や歯垢除去力が低下するおそれがある。
(B)成分の脂肪酸アミドプロピルベタインは、脂肪酸の炭素数が12〜14のものであり、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
これら脂肪酸アミドプロピルベタインは、例えばアンヒトール20AB(花王(株))、アンヒトール55AB(花王(株))、ソフタゾリン LPB(川研ファインケミカル(株))、TEGO BETAIN CK(Goldschmidt社)、NIKKOL AM−3130N(日光ケミカルズ(株)などの商品名で入手可能であり、これらを好適に使用できる。
(B)成分の配合量は、組成物全体の0.4〜1.6%であり、好ましくは0.6〜1.2%である。0.4%未満では、歯磨き時のブラッシングにおいて十分な泡立ちが得られなかったり、酵素の安定性が低下する場合があり、1.6%を超えると歯垢除去力が低下したり液分離安定性に劣る場合がある。
(C)成分のヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びメチルセルロースは、いずれも非イオン性のセルロース誘導体である。
ヒドロキシエチルセルロースとしては、1%水溶液での粘度が50〜10,000mPa・s(B型粘度計、ローターNo.4、30rpm、20℃、2分後)のものが使用でき、特に上記粘度が、成形性を持たせる点で500mPa・s以上のものが好ましく、溶解性の観点から8,000mPa・s以下のものが好ましい。ヒドロキシエチルセルロースとして具体的には、ダイセル化学工業(株)からSE600、SE850、SE900などの製品名で販売されているものが使用できる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、粘度が100〜12,000mPa・s(20℃、2%水溶液、日本薬局方回転粘度計法)のものが使用でき、特に上記粘度が、成形性を持たせる点で1,000mPa・s以上のものが好ましく、溶解性から10,000mPa・s以下のものが好ましい。このようなヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、信越化学工業(株)からMETOLOSE 60SH 4000、METOLOSE 60SH 10000、METOLOSE 65SH 4000などの製品名で販売されているものが使用できる。
メチルセルロースとしては、粘度が100〜10,000mPa・s(20℃、2%水溶液、日本薬局方回転粘度計法)のものが使用でき、特に上記粘度が、成形性を持たせる点で1,000mPa・s以上のものが好ましく、溶解性から5,000mPa・s以下のものが好ましい。このようなメチルセルロースとしては、信越化学工業(株)からMETOLOSE SM 1500、METOLOSE SM 4000などの製品名で販売されているものが使用できる。
(C)成分のヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びメチルセルロースは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせてもよく、その配合量は組成物全体の0.5〜3%であり、好ましくは1.0〜2.5%である。配合量が0.5%未満では歯磨製剤の成形性の低下や、歯磨き時のブラッシングにおいて十分な泡立ちが得られなかったり、液分離安定性に劣る場合がある。3%を超えると歯垢除去力の低下や、液分離安定性に劣る場合がある。
(C)成分のセルロース誘導体と(A)成分のカチオン性ポリマーとの配合比率は、(C)成分/(A)成分の質量比が10〜100、好ましくは20〜50である。配合比率が10未満では酵素の安定性や歯磨製剤の成形性に劣ることがあり、100を超えると歯垢除去力や歯磨製剤の成形性に劣る場合がある。
更に本発明組成物には、上記(A)〜(C)成分に加え、(D)縮合リン酸塩、特にピロリン酸塩、トリポリリン酸塩を配合することが好ましい。(D)成分の配合により防腐力を高めることができる。
縮合リン酸塩としては、下記一般式(1)
n+2n3n+1 (1)
(但し、MはNa又はKを示し、n≧2である。)
で示されるもの、即ち重合度n=2のピロリン酸ナトリウムやピロリン酸カリウム、n=3のトリポリリン酸ナトリウムやトリポリリン酸カリウム、n=4のテトラポリリン酸ナトリウムやテトラポリリン酸カリウム、高重合度のメタリン酸ナトリウムやメタリン酸カリウムなどの直鎖状のポリリン酸塩、並びに下記一般式(2)
(MPO3m (2)
(但し、MはNa又はKを示し、m≧3である。)
で示されるもの、即ち重合度m=3のトリメタリン酸ナトリウムやトリメタリン酸カリウム、m=4のテトラメタリン酸ナトリウムやテトラメタリン酸カリウム、m=6のヘキサメタリン酸ナトリウムやヘキサメタリン酸カリウムなどの環状のポリリン酸塩が使用される。これらポリリン酸塩は、その1種を単独で又は2種以上を混合して使用し得るが、これらの中では直鎖状のポリリン酸塩が好ましく、重合度2≦n≦50のものが使用できるが、特に重合度2≦n≦4のものが溶解性などの点からより好適である。
(D)成分としては、特に口腔粘膜に対する刺激の点からピロリン酸塩、トリポリリン酸塩が好ましい。ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩は、リン酸の脱水縮合によって生じた縮合リン酸塩であり、ピロリン酸塩は2量体、トリポリリン酸塩は3量体である。塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩などが挙げられるが、水溶解性などの点からナトリウム塩が好ましい。
上記縮合リン酸塩は市販品を用いることができ、例えばピロリン酸ナトリウム(無水ピロリン酸ナトリウム(太平化学産業(株)))、トリポリリン酸ナトリウム(ポリリン酸ナトリウム(太平化学産業(株)))などが挙げられる。
(D)成分の縮合リン酸塩を配合する場合、その配合量は組成物全体の0.1〜2%、特に0.5〜1.5%が好適である。配合量が0.1%未満では満足な防腐力が得られないことがあり、2%を超えると防腐力には優れるものの口腔粘膜刺激が強くなり使用感に劣る場合がある。
本発明の歯磨組成物は、上記した構成成分に加えて、任意成分として通常、歯磨組成物に配合されるその他の公知成分、例えば研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味料、着色料、防腐剤、pH調整剤、香料、薬効成分等の適宜な成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。
研磨剤としては、研磨性シリカ、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、二酸化チタン、ポリメチルメタアクリレート、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウムなどが挙げられる。また、(D)成分の縮合リン酸塩を配合する場合には、カルシウムイオンが溶出する可能性のない研磨剤が良好であり、シリカ系研磨剤が好適である。
研磨剤の配合量は、組成物全体の10〜60%、特に15〜40%が好適である。
界面活性剤としては、(B)成分の脂肪酸アミドプロピルベタインに加え、その他の界面活性剤を添加することができ、例えば、両性界面活性剤として、例えばN−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキンエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤として、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマ油等が挙げられる。これらの界面活性剤の配合量は組成物全体の0〜5%程度であることが好ましい。また、アニオン性界面活性剤である、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−ラウロイルタウリン塩、ラウロイルサルコシン塩、α−オレフィンスルホン酸塩等を添加すると、酵素の口腔内滞留性が低下する傾向があり、これらアニオン性界面活性剤は配合しないことが好ましい。
粘稠剤としては、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、エリスリトールなどの糖アルコール、多価アルコールを配合してもよい。粘稠剤の配合量は通常10〜50%、特に20〜40%である。
粘結剤としては、(C)成分のセルロース誘導体以外のもの、例えばポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムなどを配合できる。これら粘結剤の配合量は組成全体の0〜1%が好ましい。
薬効成分としては、グルカナーゼ酵素以外のもの、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、クロルヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン塩類、ソルビン酸塩、ヒノキチオール、アズレンスルホン酸塩等の抗菌性物質、プロテアーゼ、リゾチーム等の分解酵素、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症物質、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化ストロンチウムなどの無機塩類、ゼオライト、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性化合物、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ピリドキシン等の各種ビタミン類、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミッレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の天然抽出物などが挙げられる。これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
甘味料としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、アスパルテーム等が配合できる。
着色料としては、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号、雲母チタン、酸化チタン等を挙げることができる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩や、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の4級アンモニウム型の防腐剤などが挙げられる。なお、本発明においては、特に(D)成分を配合した場合は防腐力が満足に高まるので、防腐剤を配合しなくてもよい。
pH調整剤としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、グリセロリン酸やこれらの各種塩、水酸化ナトリウムなどを挙げることができ、所望のpHに応じて適宜選択して使用できる。本発明の歯磨組成物は、pH6〜10、特に7〜9に調整されることが好ましい。
香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これらの天然香料の加工処理(全溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアセデヒド、シトラール、プレゴン、カルビートアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
収容容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器等が使用できる。例えば直径26mm、口部内径8〜12mmのラミネートチューブチューブ(最外層よりLDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30)などを好適に使用できる。なお、上記略号は下記の通りであり、末尾の数字は厚さ(μm)を示す。
LDPE:低密度ポリエチレン 白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実験例1〕
表1〜3に示す組成の歯磨組成物(練歯磨)を下記方法で調製し、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブに充填した。得られた歯磨組成物について、歯垢除去力、デキストラナーゼの安定性、歯ブラシ上での成形性、歯磨き時の泡立ち、製剤の液分離安定性について下記の方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
試験歯磨組成物の調製:
歯磨組成物の調製は、精製水にサッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、(D)成分のピロリン酸塩、トリポリリン酸塩等の水溶性物質を溶解させ、ソルビットを加えた後、別途、ポリエチレングリコール#400に(A)成分のカチオン性ポリマー及び(C)成分のヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースを分散させた液を加え、攪拌した。その後、香料、研磨性シリカ、(B)成分の脂肪酸アミドプロピルベタインを順次加え、更に減圧下(5.3kPa)で攪拌し、歯磨組成物を得た。製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社)を用いた。
これら歯磨組成物の調製に用いた各成分は、デキストラナーゼ(第一三共プロファーマ(株)製)、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(セルコートL−200、2%水溶液粘度:150mPa・s、アクゾノベル(株)製)、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(レオガードGP、2%水溶液粘度:350mPa・s、ライオン(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(SE900、1%水溶液粘度:5,000mPa・s、ダイセル化学工業(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(METOLOSE 60SH 4000、2%水溶液粘度:4,000mPa・s、信越化学工業(株)製)、メチルセルロース(METOLOSE SM 4000、2%水溶液粘度:4,000mPa・s、信越化学工業(株)製)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%水溶液品、TEGO BETAIN CK,Goldschmidt社製)、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(30%水溶液品、アンヒトール20AB(花王(株)製)、ピロリン酸ナトリウム(太平化学産業(株)製)、トリポリリン酸ナトリウム(太平化学産業(株)製)である。更に、その他成分である、無水ケイ酸、増粘性無水ケイ酸、ソルビット(70%水溶液品)、キサンタンガム、ポリエチレングリコール#400、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、水については医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。形態が水溶液の成分については、表中も含めいずれも純分換算の配合量を示した。香料は、表6に示す香料A〜香料Iを、表7〜12に示すフレーバー組成を用い作製し、配合した。
また、下記評価において使用した収容容器は、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブ(大日本印刷(株)製)であり、層構成は最外層よりLDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30、厚さ257μmである。略号の示すところは上記の通りであり、数値は各層の厚さ(μm)を示す。
(1)歯垢除去力の評価
歯磨組成物を人工唾液(最終濃度が50mM KCl,1mM KH2PO4,1mM CaCl2,0.1mM MgCl2となるようにし、KOHでpHを7.0に調整し、蒸留水で1Lにした。)で10倍希釈した遠心上清(2,000G×10分間,20℃)を試料サンプル液とした。ストレプトコッカス ソブリヌス(S.Sobrinus NIDR6715)を1%スクロース含有のTSB培地(Becton、Dickinson company社製)で傾斜培養し(嫌気,37℃)、試験管(KIMBLE社製 13×100mm)壁にプラークを付着させた。0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で2回洗浄後、プラークを上記の試料サンプル液4mL中に37℃で、3分間処置(浸漬)した後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で3回洗浄し、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)4mLを加え、37℃で60分間静置(浸漬)した。0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で2回洗浄して分解剥離したプラークを除去後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)4mLを加え、残存したプラークを超音波ホモジナイザー(BRANSON社製 250)で分散し、プラーク量を濁度として測定した。濁度はOD550nmで測定し、ブランク(歯磨組成物を加えない人工唾液で処置)に対するプラーク量(濁度)の減少率をプラーク除去率とした。実験は繰り返し3回行って3回の平均値を算出し、以下の基準で◎及び○の結果となるものをプラーク除去効果が高い歯磨組成物であると判断した。
評価基準
◎:歯垢除去率80%以上
○:歯垢除去率70%以上80%未満
△:歯垢除去率50%以上70%未満
×:歯垢除去率50%未満
(2)デキストラナーゼの安定性の評価
デキストラナーゼ配合の歯磨組成物を最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26mmのラミネートチューブに50g充填し、45℃で2週間保存した後、歯磨組成物0.6gを0.1Mリン酸緩衝液15mLで懸濁し、その遠心上清を被検液とした。この被検液1mLを1%デキストラン溶液2mLに加え、35℃の恒温槽で正確に10分間反応させ、生じた還元糖量をソモギーネルソン法を用いて測定した。デキストラナーゼ1単位は、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量とし、繰り返し3回の平均値を以下の基準で評価した。
◎:デキストラナーゼ残存率90%以上
○:デキストラナーゼ残存率80%以上90%未満
△:デキストラナーゼ残存率60以上80%未満
×:デキストラナーゼ残存率60%未満
(3)歯ブラシ上での成形性の評価
サンプル(試験歯磨組成物)を上記ラミネートチューブに充填し、歯ブラシ上に1.5g載せたときの歯ブラシ上での形状変化を下記基準で評価した。
4点:型くずれが観察されない。
3点:型くずれが若干観察されるが使用上問題ない。
2点:徐々に型くずれする。
1点:すぐに型くずれする。
5回の評価結果を平均し、歯ブラシ上での成形性を下記の4段階で判定した。◎及び○のものを歯ブラシ上で成形性が確保される歯磨組成物であると判断した。
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
(4)歯磨き時の泡立ちの評価
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を載せ、通常歯を磨く方法で使用し、口腔内での歯磨組成物について、歯磨き時の泡立ちを以下の基準で評価した。
4点:泡立ち量が十分にあり、使用感に優れる。
3点:泡立ち量が適度にあり、使用感は満足できる。
2点:泡立ち量が少なく、使用感がやや劣る。
1点:泡立ちが殆どなく、使用感が悪い。
10名の評価結果を平均し、以下の基準で示し、◎及び○を歯磨き時の泡立ちが確保され、満足できる使用感が得られる歯磨組成物であると判断した。
◎:口腔内での泡立ちが3.5点以上〜4.0点以下
○:口腔内での泡立ちが3.0点以上〜3.5点未満
△:口腔内での泡立ちが2.0点以上〜3.0点未満
×:口腔内での泡立ちが2.0点未満
(5)製剤の液分離安定性の評価
歯磨組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を50℃、1ヶ月間保存した後、わら半紙上に10cm歯磨組成物を押出し、わら半紙に染み出た液の長さを測定し、下記の4段階で液分離の度合いを評価した。なお、製剤の液分離安定性は温度に依存して液分離が促進される傾向を示し、1ヶ月間の保存期間で評価が可能である保存温度として50℃を選択した。
4点:液分離は全く観察されない。
3点:押し出した時、口元に僅かに液分離が認められるが、使用上問題ない。
2点:押し出した時、口元に液分離が1〜3cm認められる。
1点:押し出した時、口元に液分離が3cmを超えて認められる。
3本の評価点の平均値を求め、液分離の度合いを下記4段階で判定した。◎及び○となるものを50℃保存時における製剤の液分離安定性に優れる歯磨組成物であると判断した。
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
Figure 2011132139
*:表中の配合量は、純分換算の配合量を示す(以下、同様)。
Figure 2011132139
Figure 2011132139
表1〜3の結果から、本発明の歯磨組成物は、歯垢分解作用があるグルカナーゼ酵素の口腔内滞留性を高めることにより歯垢除去力を向上させると共に、歯磨組成中での酵素安定性に優れ、歯磨組成物の成形性、泡立ち及び経時での液分離安定性が良好であることがわかった。
〔実験例2〕
表4,5に示す組成の歯磨組成物(練歯磨)を上記方法と同様にして調製し、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブに充填した。得られた歯磨組成物について、歯垢除去力、デキストラナーゼの安定性、歯ブラシ上での成形性、歯磨き時の泡立ち、製剤の液分離安定性を上記と同様の方法で評価し、更に、下記方法で製剤の防腐力、製剤の刺激のなさについて評価した。結果を表4,5に示す。
(6)製剤の防腐力の評価
細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地で24時間、酵母、カビはポテトデキストロース培地でそれぞれ48時間、7日培養を行った。培養後、細菌と酵母は、滅菌生理食塩水に約108〜109個/mLとなるように懸濁し、カビは0.005%スルホコハク酸ジオクチルドデシルナトリウム入り生理食塩水入りに約107個/mLとなるように懸濁し、供試菌液とした。
評価試料である歯磨組成物20gに供試菌液0.2mLを添加し、十分混合した後、細菌は20℃、酵母、カビは25℃で保存した。28日後に、各試料1gを無菌的に採取し、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート80液体培地9mLで希釈混合した。その1mLをシャーレにとり細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート80寒天培地、酵母、カビはグルコース・ペプトン・レシチン・ポリソルベート80寒天培地で混釈を行った。細菌は30℃で4日間、酵母・カビは25℃で7日間培養を行い、試料中の生残菌数を測定した。防腐力の評価としての判定基準を下記の用に設定した。以下の基準で製剤の防腐力を評価し、◎及び○のものを歯垢除去力に優れると判断した。
7日以内で菌が死滅 :◎
7日を超え14日以内で菌が死滅 :○
14日を超え28日以内で菌が死滅:△
28日を超えも菌が死滅しない :×
(7)刺激のなさの評価
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯磨組成物約1gを市販品歯ブラシに載せて口腔内で3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた舌及び口腔粘膜刺激について以下の基準で評価した。
評価基準
4点:刺激が全くない
3点:刺激が殆どない
2点:刺激がややある
1点:刺激がある
10名の評価結果を平均し、以下の基準で◎及び○の評価が確保されるものを、刺激のない歯磨組成物であると判断した。
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
Figure 2011132139
Figure 2011132139
表4,5の結果から、本発明の歯磨組成物は、歯垢分解作用があるグルカナーゼ酵素の口腔内滞留性を高めることにより歯垢除去力を向上させると共に、歯磨組成中での酵素安定性に優れ、歯磨組成物の成形性、泡立ち及び経時での液分離安定性が良好であり、更に、優れた防腐力が得られた。
Figure 2011132139
Figure 2011132139
Figure 2011132139
Figure 2011132139
Figure 2011132139
Figure 2011132139
Figure 2011132139

Claims (3)

  1. グルカナーゼ酵素配合の歯磨組成物に、(A)カチオン性ポリマーを0.02〜0.2質量%、(B)脂肪酸の炭素数が12〜14の脂肪酸アミドプロピルベタインを0.4〜1.6質量%、(C)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種を0.5〜3質量%配合し、かつ(C)成分/(A)成分の質量比を10〜100としたことを特徴とする歯磨組成物。
  2. (A)カチオン性ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、及び/又は塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースである請求項1記載の歯磨組成物。
  3. 更に、(D)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%配合した請求項1又は2記載の歯磨組成物。
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