JP7155853B2 - 除電方法及び装置 - Google Patents
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Description
製品の製造にあたり、材料ウェブに静電気が帯電していると悪影響を与えることも周知であり、特に、材料ウェブを切断して複数のブランク材とした際に、静電気の反発力あるいは吸引力により、1枚ずつの切り出しに支障が生じたり、切削屑が付着したりした。
そのため、例えば、ブラシ、ローラ等の導電性部材からなる接地電極を材料ウェブに接触させることで、材料ウェブに帯電した静電気を除電するものが知られている。
また、材料ウェブを両面から金属ローラで挟み、両側の金属ローラ間に電圧を印加することで、材料ウェブに帯電した静電気を除電するものが公知である(特許文献1等参照。)。
特に、表面にポリエチレン等の樹脂の薄膜を有している材料ウェブに静電グラビア印刷を行う場合などは、非常に高い電圧が印加されることから、印刷後の材料ウェブには帯電する静電気も非常に多く、特許文献1のように、積極的に電圧をかけても除電が困難であった。
また、材料ウェブを両面から挟んで電圧を印加するため、電極間の距離が極めて小さく電流リークやスパークが発生する虞があり、高電圧を印加することができず、充分な除電ができないという問題があった。
また、接地部材が接触する位置が、電圧印加部材と反対側の面の材料ウェブの長手方向で前記電圧印加部材が接触する位置とは異なる位置であること、すなわち、電圧印加部材と接地部材の接触位置がオフセットされていることにより、電極間の距離が確保され、電流リークやスパークの発生を抑制し、充分な高電圧を印加することが可能となる。
本請求項2及び本請求項6に記載の構成によれば、電圧印加部材が導電性の表面を有する電圧印加導電性ローラであり、接地部材が導電性の表面を有する接地導電性ローラであることにより、材料ウェブを搬送しながらでも確実に接触を保ち、除電することができる。
また、電圧印加部材及び接地部材が搬送機構の一部を構成することができ、除電のために設備が大型化するのを抑制することができる。
本請求項3及び本請求項7に記載の構成によれば、材料ウェブを、電圧印加導電性ローラ及び接地導電性ローラの少なくとも一方に所定距離掛け回して面で接触させることで、材料ウェブの同一箇所に対して電圧を印加する時間を長くすることができ、より均等に安定的に電圧を印加することが可能となり、さらに効果的に除電可能となる。
特に、材料ウェブが導電性の中間層を持つ多層構成の場合に、中間層が露出する材料ウェブ端部において、中間層と電圧印加導電性ローラの間の電流リークやスパークの発生を効果的に抑制できる。
特に、材料ウェブWは表面にポリエチレン等の樹脂の薄膜Mを有し、薄膜M側に静電グラビア印刷が行われるものにおいては、静電グラビア印刷で非常に高い電圧が印加されることから、印刷後の材料ウェブWには帯電する静電気も非常に多く、特に、薄膜M側が多く帯電する。
薄膜M側に、電圧印加部材120を配置し、積極的に直流電源110から電圧を印加することで除電効果を高めることができる。
また、電圧印加導電性ローラ120および接地導電性ローラ130は、表面が導電性樹脂121、131で形成されている。
また、電圧印加導電性ローラ120および接地導電性ローラ130の表面が導電性樹脂121、131で形成され、導電性樹脂121、131の電気抵抗値を持つことで、除電性能を維持しつつ、電流リークやスパークの発生をさらに抑制できる。
また、電圧印加導電性ローラ120および接地導電性ローラ130は、表面が導電性樹脂121、131で形成されている。
このことで、材料ウェブWが電圧印加導電性ローラ120および接地導電性ローラ130に面で接触し、材料ウェブWの同一箇所に対して電圧を印加する時間を長くすることができ、より均等に安定的に電圧を印加することが可能となり、さらに効果的に除電可能となる。
また、電圧印加導電性ローラ120の材料ウェブWが約180°掛け回された範囲の対向面側に、僅かなギャップを介して接地部材130aが配置されている。
これらの構成により、材料ウェブWが電圧印加導電性ローラ120および接地導電性ローラ130にさらに多くの面で接触し、電圧印加導電性ローラ120と接地部材130aの間で強電界が形成されることにより、材料ウェブWに対してより均等に安定的に電圧を印加することが可能となり、さらに効果的に除電可能となる。
なお、直流電源110が高圧印加導電性ローラ120に印加する電圧は、材料ウェブWの帯電電位を測定する静電気測定器S1、S2の測定値をもとに、印加電圧制御手段(図示せず)により制御することで、除電不足や、過剰な電圧による逆帯電を防ぐことができ、より確実に除電可能となる。制御の方法としては、除電装置に入ってくる材料ウェブの帯電電位を入口側の静電気測定器S1により測定し、測定値に応じて印加する電圧を調整する方法や、除電装置から出てきた材料ウェブの帯電電位を出口側の静電気測定器S2により測定し、測定した値が目標とする値になるよう印加する電圧を調整する方法、もしくはその両方を組み合わせる方法などがある。
また、上記の各実施形態において、電圧印加導電性ローラ120、接地導電性ローラ130の導電性樹脂121、131は、導電性の中間層を含む多層構成の材料ウェブWに対し+1.5kV印加時に体積抵抗率108Ω・cmでスパーク発生を抑制可能であった。
また、電圧印加導電性ローラ120と接地導電性ローラ130の配置や、それぞれに巻き掛けられる材料ウェブの角度も、設置スペースや除電能力に応じていかなるものであってもよい。
なお、電圧印加部材および接地部材に対向する絶縁部材は、材料ウェブを各電極に押し当てるための押圧部材である。
実験の結果、前記条件ではオフセット距離50mmの場合に最も効果的に除電された。
除電時に印加する電圧が一定の場合、オフセット距離が短すぎると逆帯電し、オフセット距離が長すぎると除電不足となる。
最適な除電をするためには、オフセット位置を最適な距離に調整するか、オフセット距離に応じて印加する電圧を調整することで除電可能となる。
110 ・・・ 直流電源
120 ・・・ 電圧印加導電性ローラ(電圧印加部材)
121 ・・・ 導電性樹脂
130 ・・・ 接地導電性ローラ(接地部材)
131 ・・・ 導電性樹脂
W ・・・ 材料ウェブ
M ・・・ 表面薄膜
P ・・・ 静電グラビア印刷機
ER ・・・ 電圧印加圧胴
V ・・・ 印刷機直流電源
S ・・・ 静電気測定器
Claims (8)
- 静電グラビア印刷された材料ウェブに帯電した静電気を除電する除電方法であって、
前記材料ウェブの帯電した片面に直流電源に接続された電圧印加部材を接触させ、
前記材料ウェブに対して前記電圧印加部材と反対側の面の前記材料ウェブの長手方向で前記電圧印加部材が接触する位置とは異なる位置に接地部材を接触させ、
前記電圧印加部材の幅方向の直流電源接続位置が、前記静電グラビア印刷を実施した静電グラビア印刷機の電圧印加された圧胴ローラの幅方向の電圧源接続位置と同一であり、
前記電圧印加部材に前記静電気の極性と逆極性の直流電圧を印加して、前記材料ウェブに帯電した静電気を除電することを特徴とする除電方法。 - 前記電圧印加部材が、導電性の表面を有する電圧印加導電性ローラであり、
前記接地部材が、導電性の表面を有する接地導電性ローラであり、
前記材料ウェブを搬送しながら前記材料ウェブと前記電圧印加導電性ローラ及び接地導電性ローラとが接触して、前記材料ウェブに帯電した静電気を除電することを特徴とする請求項1に記載の除電方法。 - 前記材料ウェブを、前記電圧印加導電性ローラ及び前記接地導電性ローラの少なくとも一方に所定距離掛け回して面で接触させ、前記材料ウェブに帯電した静電気を除電することを特徴とする請求項2に記載の除電方法。
- 前記電圧印加導電性ローラの表面の、少なくとも前記材料ウェブと接する部分が導電性樹脂で構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の除電方法。
- 静電グラビア印刷された材料ウェブに帯電した静電気を除電する除電装置であって、
前記材料ウェブの帯電した片面に接触する電圧印加部材と、前記電圧印加部材と反対側の面の前記材料ウェブの長手方向で前記電圧印加部材が接触する位置とは異なる位置に接触する接地部材と、前記電圧印加部材に接続される直流電源とを有し、
前記電圧印加部材の幅方向の直流電源接続位置が、前記静電グラビア印刷を実施した静電グラビア印刷機の電圧印加された圧胴ローラの幅方向の電圧源接続位置と同一であり、
前記直流電源は、前記材料ウェブに対して帯電した静電気の極性と逆極性の直流電圧を印加することを特徴とする除電装置。 - 前記電圧印加部材が、導電性の表面を有する電圧印加導電性ローラで構成され、
前記接地部材が、導電性の表面を有する接地導電性ローラで構成され、
前記電圧印加導電性ローラ及び接地導電性ローラが、前記材料ウェブを搬送する搬送機構の一部を構成することを特徴とする請求項5に記載の除電装置。 - 前記電圧印加導電性ローラ及び前記接地導電性ローラの少なくとも一方は、前記材料ウェブが所定距離掛け回されて、面で接触するよう配置されていることを特徴とする請求項6に記載の除電装置。
- 前記電圧印加導電性ローラの表面の、少なくとも前記材料ウェブと接する部分が導電性樹脂で構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の除電装置。
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