JP7155194B2 - 化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、天井パネルや壁パネル等として用いられる化粧板に関するものである。
この種の化粧板には、従来では、下記の特許文献1(日本国・特開2014-173227号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
天井面に配置される複数の天井板(化粧板)において、化粧面には一方向に削られた複数の筋部が形成されることを特徴とする。また、この天井板において、隣接する天井板相互は、筋部が形成された方向が交差するようにして張り付けられる。
かかる技術によれば、湿気を吸湿することにより発生する天井板の撓みを視覚的に目立たせないように処理し、天井板の板厚を上げることなく製作コストを抑えた天井板を提供することができる。また、隣接する天井板相互を、筋部が形成された方向が交差するように張り付けることにより、天井を照らす光線の角度や天井を見る角度の違いに応じて天井模様が変化して視認されるようになる。
特開2014-173227号公報
しかしながら、上記の従来技術には次の問題がある。すなわち、天井板の撓みを視覚的により一層目立たなくさせるためには、上述のように隣接する天井板を筋部が形成された方向が交差するように一枚ずつその向きを確かめながら張り付けなければならないが、そのような場合、施工性が劣るようになるという問題があった。また、化粧面に対して、ただ単に一方向に削られた複数の筋部を形成させるだけでは、見た目の印象が単調になるという問題もあった。
それゆえに、本発明の主たる課題は、簡単な模様であるにもかかわらず、複雑な陰影が織りなす印象的な意匠性によって板材のうねりや段違い或いは塗装ムラなどを隠蔽することができると共に、施工性に優れた化粧板を提供することである。
上記の課題を達成するため、本発明は、例えば、図1~2に示すように、天井板用の化粧板を次のように構成した。
すなわち、縦横の長さの比が1:n(但し、nは2以上の整数)で形成された板材12の表面に、互いに平行する畝状凸部14および溝状凹部16が種々の異なる太さにて複数設けられた化粧部18を有する化粧板であって、上記の板材12の表面には、横方向に於いて縦の長さで等分する位置に凹条または凸条からなる境界部20が設けられると共に、その境界部20を境にして隣接する上記の畝状凸部14および溝状凹部16の軸線同士が、45°以上で且つ135°以下の角度で交わるように設けられることを特徴とする。
本発明では、化粧部18が、種々の異なる太さからなり、互いに平行する畝状凸部14および溝状凹部16で形成されているので、その畝状凸部14および溝状凹部16に起因する陰影が、同一光線状態、同一視点においても様々に変化し、意匠性に優れたものとなる。加えて、縦横の長さの比が1:n(但し、nは2以上の整数)で形成された板材12の表面には、横方向に於いて縦の長さで等分する位置に凹条または凸条からなる境界部20が設けられ、その境界部20を境にして隣接する畝状凸部14および溝状凹部16の軸線同士が、45°以上で且つ135°以下の角度で交わるように設けられているので、同一光線状態、同一視点において境界部20を境に視認される陰影(とりわけ明暗)が大きく変化するようになる。なお、境界部20を境にして隣接する畝状凸部14および溝状凹部16の軸線同士の交わる角度が45°未満または135°を超えるようになる場合には、境界部20を境にした同一光線状態、同一視点における陰影の変化が乏しくなる。
また、板材12が、縦横の長さの比が1:n(但し、nは2以上の整数)で形成されているので、天井への施工がし易くなる。ここで、この板材12の縦横の長さの比について、nの上限は特に限定されるものではない。しかしながら、本発明の化粧板天井板として使用するものであることから、nが4を超えると板材12の撓みが大きくなるため、nを4以下とするのが好ましい。
本発明においては、前記の畝状凸部14および溝状凹部16が、長さ方向におけるランダムな長さの複数個所において、幅方向にずれた状態にあるのが好ましい。
この場合、化粧板が与える陰影をより一層複雑で意匠性に優れたものにすることができる。
また、本発明においては、前記の化粧部18の表面全体に、ピン穴22をランダムに設けるのが好ましい。
この場合、化粧板の意匠性の幅がさらに広がって様々なデザインに対応できると共に吸音性に優れたものとなる。
本発明によれば、簡単な模様であるにもかかわらず、複雑な陰影が織りなす印象的な意匠性によって板材のうねりや段違い或いは塗装ムラなどを隠蔽することができると共に、施工性に優れた化粧板を提供することができる。
本発明の一実施形態の化粧板を示す部分拡大正面図である。 本発明の一実施形態の化粧板を天井板として施工した状態を示す図面代用写真である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態の化粧板10を示す部分拡大正面図である。この図が示すように、天井板として使用される本実施形態の化粧板10は、ロックウール板や石膏ボードなどの無機質基板からなる板材12の表面に、化粧部18が形成されたものである。
板材12は、上述の通り無機質基板で形成されるが、その寸法は、縦横の長さの比が1:2となるように形成される。なお、この板材12の厚さについては、特に限定されるものではなく、10mm前後のものが好適に用いられる。本実施形態では、縦303mm×横606mm×厚さ9mmのロックウール板をこの板材12として採用している。
また、図示実施形態のものでは、板材12の周縁部全体に亘って、予め四方本実加工が施されており、施工性の更なる向上が図られている。なお、板材12の周縁部に施される加工は、この四方本実加工に限定されるものではなく、例えば、相じゃくり加工などであってもよいし、必要がなければそのような加工を施さなくてもよい。
化粧部18は、板材12の表面において装飾加工が施された部分であり、図示実施形態では、種々の異なる太さからなり、互いに平行する畝状凸部14および溝状凹部16からなる化粧部18が、板材12の表面全体に設けられている。また、この化粧部18は、板材12を横方向にて二分する位置に形成された凹条または凸条からなる境界部20を境にして、畝状凸部14および溝状凹部16の軸方向が直交するように設けられる。
さらに、図1に示す本実施形態の化粧板10では、化粧部18を形成する畝状凸部14および溝状凹部16が、境界部20を境にして正面視右側ではランダムな長さ(幅)で設けられた段部t1~t6に分割された状態で形成されており、正面視左側では同じくランダムな長さ(幅)で設けられた段部y1~y6に分割された状態で形成されている。つまり、化粧部18を形成する畝状凸部14および溝状凹部16が、長さ方向におけるランダムな長さの複数個所において、幅方向にずれた状態にある。こうすることで、化粧板10が与える陰影をより一層複雑で意匠性に優れたものにすることができる。
そして、本実施形態の化粧板10では、化粧部18の表面全体に、不規則な径・深さ・密度で点在する無数のピン穴22が設けられる。
以上のように構成された化粧板10を製造する際には、板材12として所定サイズのロックウール板を準備し、その表面に、化粧部18を構成する畝状凸部14,溝状凹部16およびピン穴22を転写可能な金型を配置してプレスを行う。そして、板材12の表面に化粧部18を完成させた後、その板材12の周縁部に四方本実加工を施して化粧板10が完成する。
また、本実施形態の化粧板10を、天井板として使用する際には、この化粧板10を、その縦方向および横方向にて隣接する化粧部18の柄が重ならないように配置しながら馬目地に貼る(レンガ貼り)だけで、図2に示すように、天井面に市松模様状の意匠を効率よく簡単に施工することができる。なお、天井面への化粧板10の貼付けには、(図示しないが)ビスやステープルなどの公知の方法を用いることができる。
本実施形態の化粧板10によれば、化粧部18が、種々の異なる太さからなり、互いに平行する畝状凸部14および溝状凹部16で形成されているので、その畝状凸部14および溝状凹部16に起因する陰影が、同一光線状態、同一視点においても様々に変化し、意匠性に優れたものとなる。加えて、縦横の長さの比が1:2で形成された板材12を横方向にて二分する位置に凹条または凸条からなる境界部20が設けられ、その境界部20を境にして化粧部18を形成する畝状凸部14および溝状凹部16の軸方向が直交するように設けられているので、同一光線状態、同一視点において境界部20を境に視認される陰影(とりわけ明暗)が大きく変化するようになる。また、特に、板材12の表面に設けられる化粧部18の全体が畝状凸部14および溝状凹部16で構成されているので、天井に市松模様状の意匠を効率よく簡単に施工することができるようになる。
なお、上述の実施形態では、化粧部18の全体を、種々の異なる太さからなり、互いに平行する畝状凸部14および溝状凹部16で形成する場合を示したが、この化粧部18は、その少なくとも一部に上記の畝状凸部14および溝状凹部16が含まれていればよく、例えば円形模様などの他の模様と組み合わせてもよい。但し、畝状凸部14および溝状凹部16と他の模様とを組み合わせた場合であっても、境界部20を境にして、化粧部18を形成する畝状凸部14および溝状凹部16の軸方向が直交するように設けることが必要なのは言うまでもない。
また、上述の実施形態では、化粧板10の表面に形成された化粧部18が、金型を型押して製作する場合を示したが、この金型に替えてエンボスロールなどを用いるようにしてもよいし、型押しに替えて鋭利なカッターやルーターで化粧部18の模様を切削して形成するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、化粧板10表面の化粧部18が、金型を型押して完成されたものであるが、そのように形成させた化粧部18の表面を、さらに着色塗料や機能性樹脂などで塗装するようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態では、境界部20を境にして化粧部18を形成する畝状凸部14および溝状凹部16の軸方向が直交する場合を示しているが、この化粧部18を形成する畝状凸部14および溝状凹部16は、(図示しないが)上述したように、境界部20を境にして隣接する畝状凸部14および溝状凹部16の軸線同士が、45°以上で且つ135°以下の角度で交わるように設けられていればよい。
そして、上述の実施形態では、化粧板10を構成する板材12が、縦横の長さの比が1:2となる寸法で形成される場合を示しているが、この板材12の寸法も、上述したように、縦横の長さの比が1:n(但し、nは2以上の整数)で形成され、その板材12の表面に、横方向に於いて縦の長さで等分する位置に凹条または凸条からなる境界部20が設けられていればよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
10:化粧板,12:板材,14:畝状凸部,16:溝状凹部,18:化粧部,20:境界部,22:ピン穴.

Claims (2)

  1. 縦横の長さの比が1:n(但し、nは2以上の整数)で形成された板材(12)の表面に、互いに平行する畝状凸部(14)および溝状凹部(16)が種々の異なる太さにて複数設けられた化粧部(18)を有する天井板用の化粧板であって、
    上記の板材(12)の表面には、横方向に於いて縦の長さで等分する位置に凹条または凸条からなる境界部(20)が設けられると共に、
    その境界部(20)を境にして隣接する上記の畝状凸部(14)および溝状凹部(16)の軸線同士が、45°以上で且つ135°以下の角度で交わるように設けられ、
    上記の畝状凸部(14)および溝状凹部(16)は、長さ方向におけるランダムな長さの複数個所において、幅方向にずれた状態である、ことを特徴とする天井板用の化粧板。
  2. 請求項1の化粧板において、
    前記の化粧部(18)の表面全体に、ピン穴(22)がランダムに設けられている、ことを特徴とする化粧板。
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