以下、本開示の一実施形態が、図面を参照して説明される。本実施形態に係る通信装置10(図1等参照)は、IoT(Internet of Things)向けに用いられうる。通信装置10は、IoT向けに限定されず、他の種々の用途でも用いられうる。
図1及び図2に示されるように、一実施形態に係る収容システム100は、第1収容システム110を備える。第1収容システム110は、車両70と、第1通信装置10aとを備える。収容システム100は、登録されている利用者を宛先とする物品30を収容する。収容システム100は、利用者と関連づけられている人物を宛先とする物品30を収容してもよい。利用者と関連づけられている人物は、関係者とも称される。関係者は、例えば、利用者の家族等を含んでよい。
収容システム100は、利用者又は関係者を宛先とする物品30を第1収容システム110の車両70に収容可能か判定する。収容システム100は、車両70に物品30を収容可能と判定した場合、車両70をアンロックする。配送業者42は、アンロックされた車両70に、物品30を搬入する。
車両70は、収容システム100の利用者の所有物であってよい。利用者は、車両70を所有している場合、車両70をキー又はスマートキー等によってアンロックできる。
配送業者42は、配送を業としない人物に置き換えられてもよい。この場合、物品30は、配送を業としない人物が別の人物に届ける荷物を含んでよい。
収容システム100は、第2収容システム120をさらに備えてよい。第2収容システム120は、収容ボックス20と、第2通信装置10bとを備える。第1通信装置10a及び第2通信装置10bは、通信装置10と総称される。
収容システム100は、第1収容システム110及び第2収容システム120を備える場合、物品30を第1収容システム110の車両70及び第2収容システム120の収容ボックス20のうち少なくとも一方に収容可能か判定する。収容システム100は、物品30を車両70に収容できない場合に、物品30を収容ボックス20に収容可能か判定してもよい。収容システム100は、物品30を収容ボックス20に収容できない場合に、物品30を車両70に収容可能か判定してもよい。配送業者42は、車両70及び収容ボックス20のうち、物品30を収容可能と判定された方に、物品30を搬入してよい。つまり、配送業者42は、車両70及び収容ボックス20のうちアンロックされた方に物品30を搬入してよい。
通信装置10は、物品30の情報を取得してよい。通信装置10は、例えば、RF(Radio Frequency)タグから物品30の情報を取得してよい。RFタグは、物品30に取り付けられていてよい。つまり、通信装置10は、物品30と通信可能に接続されてよい。
通信装置10は、端末40と通信可能に接続されてよい。端末40は、配送業者42が所持しているとする。端末40は、配送業者42に限られず、物品30を収容システム100に収容しようとする人物が所持していてもよい。端末40は、配送業者42が配送している物品30の情報を格納してよい。通信装置10は、端末40から物品30の情報を取得してよい。
本実施形態において、第1通信装置10aは、物品30及び端末40の少なくとも一方と通信可能に接続されるとする。第2通信装置10bは、物品30及び端末40と接続されないとする。第1通信装置10aと第2通信装置10bとは、互いに通信可能に接続される。第2通信装置10bは、第1通信装置10aから物品30の情報を取得してよい。
第1収容システム110は、第1通信装置10aが車両70をアンロックした場合に、車両70の車室又はトランクの中に物品30を収容できる。第1通信装置10aは、物品30の情報に基づいて車両70に物品30を収容可能か判定する。物品30の情報は、例えば、物品30の外形の大きさを含んでよい。第1通信装置10aは、物品30の外形の大きさに基づいて、物品30を車両70に収容可能か判定してよい。第1通信装置10aは、物品30を車両70に収容可能と判定した場合、車両70をアンロックする制御情報を、車両70に出力する。車両70をアンロックする制御情報は、車両アンロック情報とも称される。
第2収容システム120は、第2通信装置10bが収容ボックス20をアンロックした場合に、収容ボックス20の中に物品30を収容できる。第2通信装置10bは、物品30の情報に基づいて収容ボックス20に物品30を収容可能か判定する。第2通信装置10bは、物品30を収容ボックス20に収容可能と判定した場合、収容ボックス20をアンロックする制御情報を、収容ボックス20に出力する。収容ボックス20をアンロックする制御情報は、ボックスアンロック情報とも称される。第2通信装置10bは、第1通信装置10aから物品30の情報を取得し、物品30の情報に基づいてボックスアンロック情報を収容ボックス20に出力してもよい。
第1通信装置10aは、物品30の情報に基づいて、収容ボックス20に物品30を収容可能か判定してもよい。第1通信装置10aは、収容ボックス20に物品30を収容可能と判定した場合、第2通信装置10bにボックスアンロック情報を出力させるための制御情報を、第2通信装置10bに出力してよい。第2通信装置10bは、第1通信装置10aから取得した制御情報に基づいて、ボックスアンロック情報を収容ボックス20に出力してもよい。
図3に示されるように、通信装置10は、制御部13と、通信部14とを備える。通信装置10の制御部13は、通信制御部とも称される。
通信部14は、車両70と通信可能に接続される。通信部14は、物品30及び端末40の少なくとも一方と通信可能に接続されてよい。通信部14は、無線通信をはじめとする各種の機能を実現することができる。通信部14は、LPWA(Low Power Wide Area)技術に基づく通信を実現してよい。通信部14は、LAN(Local Area Network)等の通信インターフェースを備えてよい。通信部14は、赤外線通信又はNFC(Near Field communication)方式を含むRFID(radio frequency identifier)方式等の非接触通信の通信インターフェースを備えてよい。通信部14は、非接触通信によって、物品30に取り付けられているRFタグから物品30の情報を取得してもよい。通信部14は、LTE(Long Term Evolution)又は4G若しくは5G等の種々の通信方式による通信を実現してよい。通信部14は、アンテナを介して、外部機器と無線通信してよい。
通信部14は、GNSS(Global Navigation Satellite System)技術等に基づいて、通信装置10の位置情報を取得してよい。つまり、通信装置10は、自機の位置情報を取得可能であってよい。GNSS技術は、GPS(Global Positioning System)、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)等の衛星測位システムを含んでよい。通信装置10の位置情報は、緯度、経度、高度情報を含んでよい。
制御部13は、通信装置10の各構成部に制御指示を出力したり、各構成部から種々の情報を取得したりする。制御部13は、コントローラともいう。制御部13は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。プロセッサは、コントローラとして機能しうる。プロセッサは、制御部13の種々の機能を実現するプログラムを実行しうる。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。
制御部13は、記憶部を備えてもよい。記憶部は、半導体メモリ又は磁気メモリ等を含んでよい。記憶部は、各種情報及び制御部13で実行されるプログラム等を格納する。記憶部は、制御部13のワークメモリとして機能してよい。通信装置10は、制御部13と別体の構成として記憶部を備えてもよい。
通信装置10は、検出部11をさらに備えてよい。検出部11は、所定の対象に関する情報を検出する。第1通信装置10aの検出部11は、車両70に関する情報を検出してよい。第2通信装置10bの検出部11は、収容ボックス20に関する情報を検出してよい。検出部11は、各種のセンサを含んでよい。検出部11は、センサとして、例えば、加速度センサ、照度センサ、近接センサ、気圧センサ、温度センサ、湿度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、紫外線センサ又はガスセンサ等を含んでよい。検出部11は、センサとして、ToF(Time of Flight)センサ等の測距センサを含んでもよい。検出部11は、カメラ等の撮像素子を含んでもよい。
図4に示されるように、車両70は、ロック部71と、収容部77とを備える。車両70は、制御部72と、通信部73とをさらに備えてもよい。車両70の制御部72は、車両制御部とも称される。車両70の通信部73は、車両通信部とも称される。収容部77は、車両70の車室を含んでよい。収容部77は、車両70のトランクルーム等の荷室を含んでよい。
ロック部71は、車両70の収容部77をロックしたりアンロックしたりする。ロック部71は、車両70の車室のドア、又は、荷室のドア若しくはカバーをロックしたりアンロックしたりしてよい。ロック部71は、通信装置10と通信可能に接続されてよい。ロック部71は、通信装置10とペアリングされてよい。ロック部71は、ペアリングされている通信装置10から車両アンロック情報を取得してよい。ロック部71は、通信装置10から車両アンロック情報を取得した場合、車室のドア又は荷室のドア若しくはカバーをアンロックしてよい。ロック部71は、制御部72からの制御指示に基づいて、車室のドア又は荷室のドア若しくはカバーをアンロックしてよい。ロック部71は、車室のドア又は荷室のドア若しくはカバーを自動でロックしてもよいし、ユーザの操作に基づいてロックしてもよい。
制御部72は、車両70の各構成部に制御指示を出力したり、各構成部から種々の情報を取得したりする。制御部72は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部72は、車両70の動作を制御するECU(Engine Control Unit又はElectronic Control Unit)の少なくとも一部として構成されてもよい。制御部72は、記憶部を備えてもよい。
通信部73は、通信装置10と通信可能に接続される。通信部73は、通信装置10の通信部14と同一又は類似の通信機能を有してよい。通信部73は、通信装置10とペアリングされてよい。通信部73は、ペアリングされている通信装置10から車両アンロック情報を取得してもよい。通信部73は、これに限られず、通信装置10から種々の情報を取得したり、通信装置10に種々の情報を出力したりしてよい。通信部73は、通信装置10の通信部14と同一又は類似の手段によって、車両70の位置情報を取得してもよい。車両70の位置情報は、緯度若しくは経度の情報、又は、高度の情報を含んでよい。
車両70は、検出部74をさらに備えてよい。検出部74は、車両70に関する情報を検出してよい。検出部74は、車両70の車室又は荷室を含む収容部77の情報を検出してよい。検出部74は、車両70の周囲の情報を検出してよい。検出部74は、例えば、車両70に搭載されているカメラを含んでもよい。カメラは、車両70の車室若しくは荷室を含む収容部77の内部、又は、車両70の周囲を撮影してよい。検出部74は、車両70の周囲の物体を検出するセンサを含んでもよい。検出部74は、例えば、ToFセンサ等の測距センサを含んでもよい。検出部74は、収容部77の内部の状態を検出するセンサを含んでもよい。検出部74は、例えば、加速度センサ、照度センサ、近接センサ、気圧センサ、温度センサ、湿度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、ガスセンサ、紫外線センサ又は測距センサ等を含んでよい。
カメラの消費電力は、近接センサ等の消費電力よりも大きい。検出部74は、近接センサ等の比較的低い消費電力のセンサによる検出結果に基づいて、カメラを起動してもよい。例えば、検出部74は、近接センサで物体の接近を検出した場合に、カメラを起動して車両70の周囲の撮像を開始し、車両70に人物が接近しているか検出してもよい。このようにすることで、消費電力が削減されうる。
制御部72は、検出部74で検出した収容部77の内部の状態に基づいて、収容部77の空き容量を算出してよい。制御部72は、収容部77の内部の状態に基づいて、収容可能な物品30の形状、容積又は寸法を算出してもよい。制御部72は、例えば測距センサによって収容部77の内部に収容されている物品30又は車室内の構造物までの距離を検出し、その検出結果に基づいて収容部77の空き容量等を算出してもよい。制御部72は、例えばカメラによって収容部77の内部を撮影し、撮影した画像に基づいて収容部77の空き容量等を算出してもよい。カメラは、ルームミラーを代替する車載カメラを含んでもよい。制御部72は、例えば近接センサ又は圧力センサによって収容部77の所定位置に存在する物品30を検出し、その検出結果に基づいて収容部77の空き容量等を算出してもよい。近接センサ又は圧力センサは、測距センサ又はカメラ等よりも低い消費電力で動作できるので、長時間にわたって収容部77の内部の状態を検出しうる。
制御部72は、収容部77の空き容量等の算出結果に基づいて、物品30を収容可能か判定してもよい。制御部72は、収容部77の内部の状態に基づいて、収容部77に少なくとも1つの物品30が収容されているか判定してもよい。
制御部72は、例えば近接センサ又は圧力センサによって、収容部77の所定位置に収容されている物品30を検出し続けてよい。制御部72は、物品30の検出結果に基づいて、物品30が所定位置にとどまっている時間を算出してもよい。制御部72は、物品30の検出結果に基づいて、物品30が所定位置から移動されたり持ち出されたりしたか判定してもよい。
制御部72は、検出部74で検出した収容部77の内部の状態に基づいて、収容部77に物品30を収容した場合に、収容部77の内部の環境によって物品30が損傷を受ける可能性があるか判定してよい。制御部72は、例えば、収容部77の内部の温度が所定温度以上又は所定温度以下である場合、物品30が損傷を受ける可能性があると判定してよい。制御部72は、例えば、収容部77の内部の湿度が所定湿度以上又は所定湿度以下である場合、物品30が損傷を受ける可能性があると判定してよい。制御部72は、収容部77に入射する光の照度が所定照度以上である場合、物品30が損傷を受ける可能性があると判定してよい。制御部72は、例えば物品30が収容部77に収容された場合に直射日光が物品30に当たる可能性がある場合、物品30が損傷を受ける可能性があると判定してよい。制御部72は、物品30が損傷を受ける可能性があると判定した場合、収容部77に物品30を収容できないと判定してよい。
制御部72は、物品30を配送する人物を特定する配送人物情報を取得してよい。制御部72は、配送人物情報を予め記憶部に格納しておいてよいし、物品30の配送時に通信装置10から取得してもよい。検出部74は、車両70から所定範囲内に位置する人物に関する情報を検出してよい。制御部72は、検出結果と配送人物情報とに基づいて、車両70から所定範囲内に位置する人物を、物品30を配送する人物として認証してよい。認証を条件として制御部72が車両70をアンロックすることで、収容システム100の安全性が高まる。
制御部72は、車両70に収容されている物品30を回収する人物を特定する回収人物情報を取得してよい。物品30を回収する人物は、物品30の宛先となっている利用者を含む。物品30を回収する人物は、関係者を含んでもよい。制御部72は、回収人物情報を予め記憶部に格納しておいてよいし、物品30の配送時に通信装置10から取得してもよい。検出部74は、車両70から所定範囲内に位置する人物に関する情報を検出してよい。制御部72は、検出結果と回収人物情報とに基づいて、車両70から所定範囲内に位置する人物を、物品30を回収する人物として認証してよい。制御部72は、後述の生体情報センサの検出結果に基づき、車両70の近傍にいる人物を、物品30を回収する人物として認証してよい。生体情報センサとして指紋センサを用いる場合、指紋センサは車両70のドアに設けられてよい。認証を条件として制御部72が車両70をアンロックすることで、収容システム100の安全性が高まる。
制御部72は、カメラの撮像画像に含まれる人物の顔、又は、虹彩等の情報に基づいて、人物を認証してよい。検出部74は、指紋又は静脈等の生体情報を読み取るセンサを含んでよい。制御部72は、人物の生体情報の読み取り結果に基づいて、人物を認証してもよい。
通信装置10の制御部13は、車両70の制御部72から判定結果を取得してもよい。制御部13は、車両70の制御部72から種々の情報を取得し、取得した情報に基づいて車両70に物品30を収容可能か判定してもよい。
車両70は、環境制御部75をさらに備えてよい。環境制御部75は、例えば、収容部77の温度又は湿度を制御するエアコンディショナを含んでよい。環境制御部75は、例えば、収容部77内の空気を脱臭するデオドライザを含んでよい。環境制御部75は、車室内に入射する日光を遮ったり減光したりするサンシェードを含んでもよい。サンシェードは、自動で開閉したり移動したりできるように駆動機構を含んでよい。
制御部72は、収容部77の内部の温度又は湿度が所定範囲外である場合、収容部77の内部の温度又は湿度が所定範囲内となるようにエアコンディショナを動作させてよい。制御部72は、収容部77に内部に日光が入射している場合、日光を遮ったり日光の入射光量を減らしたりできるようにサンシェードを閉じさせたり移動させたりしてもよい。制御部72は、収容部77の内部の温度若しくは湿度、又は収容部に入る紫外線量が所定の条件を満たした場合、サンシェードを閉じさせたり移動させたりしてもよい。制御部72は、収容部77に物品30を収容できるように、環境制御部75に収容部77の内部の環境を制御させてよい。制御部72は、収容部77に物品30を収容している状態において、収容部77の環境が変化して物品30に損傷を与えないように、環境制御部75に収容部77の内部の環境を制御させてよい。
検出部74がガスセンサを含むとする。ガスセンサは、収容部77の内部のガスの成分又は濃度を検出してよい。制御部72は、ガスセンサの検出結果に基づいて、車両70の車室内において利用者が臭いを感じる可能性があるか判定してよい。車室内に物品30が収容されている場合、物品30が発する臭いが車室内に充満することがある。制御部72は、ガスの所定成分の濃度が所定値以上となった場合に、利用者が臭いを不快に感じる可能性があると判定してよい。制御部72は、ガスの所定成分の濃度が所定値以上となった場合に、デオドライザを動作させてよい。
車両70は、報知部76をさらに備えてよい。報知部76は、例えば、車両70の外部に向けて音声を出力するスピーカ、又は、ブザー音を出力する圧電ブザー若しくは電磁ブザー等のブザーを含んでよい。報知部76は、警告音を出力するホーンを含んでもよい。報知部76は、スピーカ又はホーン等の音声を出力する構成を含む場合、制御部72からの制御指示に基づいて、所定の情報を表す音声を出力してよい。例えば、報知部76は、情報の意味をそのまま伝達できるように発話する音声を出力してもよい。報知部76は、情報の内容に対応づけられている所定のメロディを出力してもよいし、所定パターンで鳴動するブザー音又は警告音を出力してもよい。報知部76は、例えば、車両70の外部に光を照射するライトを含んでよい。ライトは、ヘッドライト、ハザードランプ若しくはウインカー、テールランプ、又はブレーキランプ等を含んでよい。ライトは、LED(Light Emission Diode)又はハロゲンランプ等の光源を含んでよい。報知部76は、ライトを含む場合、制御部72からの制御指示に基づいて、情報の内容に対応づけられている所定パターンでライトを点灯させたり点滅させたりしてよい。
制御部72は、報知部76によって収容システム100の利用者に対して情報を報知してよい。制御部72は、例えば、利用者が車両70から所定範囲内に接近した場合に、物品30が車両70に収容されていることを報知部76に報知させてよい。所定範囲は、報知部76による報知を利用者が気付くことができるように設定されてよい。
通信装置10の制御部13は、通信部14を介して、収容システム100の利用者に対して情報を報知してよい。通信部14は、利用者が所持している端末に、車両70に物品30が収容された情報を送信してよい。端末は、例えば、スマートフォン若しくはフィーチャフォン等の携帯電話、又は、タブレットPC(Personal Computer)若しくはノートPC等の携帯端末を含んでよい。
以上述べてきたように、収容システム100は、車両70を宅配ボックスとして機能させうる。車両70の車室又は荷室の容積は、収容ボックス20等の宅配ボックスの容積よりも大きいことがある。これによって、配送業者42が物品30を宅配ボックスに搬入できる確率が高まる。つまり、配送業者42が物品30を配送先から持ち帰るリスクが低下する。その結果、配送時の無駄、及び、配送コストが削減されうる。
車両70は、道路に面した駐車場に停められていることが多い。配送業者42は、配送車両44(図1参照)で物品30を配送することがある。配送業者42が配送車両44を道路に駐車して車両70に物品30を搬入する場合、配送先の人物の自宅の玄関まで物品30を運搬する場合よりも、配送時間が短縮されうる。その結果、配送コストが削減されうる。
収容システム100は、車両70をアンロックできるものの、車両70のエンジン又はモータを始動させないように構成されてよい。つまり、車両70のエンジン又はモータは、通信装置10から取得する制御指示に基づいて始動できないようにされてよい。このようにすることで、車両70が盗難されるリスクが減少する。その結果、収容システム100の安全性が高まる。
車両70は、配送業者42が所持する端末40から出力される車両アンロック情報に基づいてアンロックされてもよい。車両アンロック情報は、例えばワンタイムパスワードのように、一時的に使用できるパスコードとして構成されてよい。このようにすることで収容システム100の安全性が高まる。
図5に示されるように、収容ボックス20は、ロック部21と、収容部25とを備える。収容ボックス20は、制御部22と、通信部23とをさらに備えてよい。収容ボックス20の制御部22は、ボックス制御部とも称される。収容ボックス20の通信部23は、ボックス通信部とも称される。収容ボックス20は、例えば、一般消費者の自宅等に設けられているポストであってよいし、宅配ボックスであってもよい。収容ボックス20は、これらに限られず、物品30を収容可能な種々の容器であってもよい。本実施形態において、収容ボックス20は、一般消費者の自宅等に設けられている宅配ボックスであるとする。
ロック部21は、収容部25をロックしたりアンロックしたりする。ロック部21は、収容部25のドア又はカバーをロックしたりアンロックしたりしてよい。ロック部21は、通信装置10と通信可能に接続されてよい。ロック部21は、通信装置10からボックスアンロック情報を取得した場合、収容部25のドア又はカバーをアンロックしてよい。ロック部21は、制御部22からの制御指示に基づいて、収容部25のドア又はカバーをアンロックしてよい。ロック部21は、収容部25のドア又はカバーを自動でロックしてもよいし、ユーザの操作に基づいてロックしてもよい。
制御部22は、収容ボックス20の各構成部に制御指示を出力したり、各構成部から種々の情報を取得したりする。制御部22は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部22は、記憶部を備えてもよい。
通信部23は、通信装置10と通信可能に接続される。通信部23は、通信装置10の通信部14と同一又は類似の通信機能を有してよい。通信部23は、通信装置10とペアリングされてよい。通信部23は、ペアリングされている通信装置10からボックスアンロック情報を取得してもよい。通信部23は、これに限られず、通信装置10から種々の情報を取得したり、通信装置10に種々の情報を出力したりしてよい。第1収容システム110の第1通信装置10aは、第2通信装置10bを介して、収容ボックス20とペアリングされてもよい。第2収容システム120の第2通信装置10bは、第1通信装置10aを介して、車両70とペアリングされてもよい。
収容ボックス20は、検出部24をさらに備えてよい。検出部24は、収容ボックス20に関する情報を検出してよい。検出部24は、収容部25の内部の状態を検出してよい。検出部24は、収容ボックス20の周囲の情報を検出してよい。検出部24は、例えば、カメラを含んでもよい。カメラは、収容部25の内部、又は、収容ボックス20の周囲を撮影してよい。検出部24は、収容ボックス20の周囲の物体を検出するセンサを含んでもよい。検出部24は、例えば、ToFセンサ等の測距センサを含んでもよい。検出部24は、収容部25の内部の状態を検出するセンサを含んでもよい。検出部24は、例えば、加速度センサ、照度センサ、近接センサ、圧力センサ、気圧センサ、温度センサ、湿度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、ガスセンサ、紫外線センサ又は測距センサ等を含んでよい。
制御部22は、検出部24で検出した収容部25の内部の状態に基づいて、収容部25の空き容量を算出してよい。制御部22は、収容部25の内部の状態に基づいて、収容可能な物品30の形状、容積又は寸法を算出してもよい。制御部22は、例えば測距センサによって収容部25の内部に収容されている物品30までの距離を検出し、その検出結果に基づいて収容部25の空き容量等を算出してもよい。制御部22は、例えばカメラによって収容部25の内部を撮影し、撮影した画像に基づいて収容部25の空き容量等を算出してもよい。制御部22は、例えば近接センサ又は圧力センサによって収容部25の所定位置に存在する物品30を検出し、その検出結果に基づいて収容部25の空き容量等を算出してもよい。近接センサ又は圧力センサは、測距センサ又はカメラ等よりも低い消費電力で動作できるので、長時間にわたって収容部25の内部の状態を検出しうる。
制御部22は、収容部25の空き容量等の算出結果に基づいて、物品30を収容可能か判定してもよい。制御部22は、収容部25の内部の状態に基づいて、収容部25に少なくとも1つの物品30が収容されているか判定してもよい。
制御部22は、検出部24で検出した収容部25の内部の状態に基づいて、収容部25に物品30を収容した場合に、収容部25の内部の環境によって物品30が損傷を受ける可能性があるか判定してよい。制御部22は、例えば、収容部25の内部の温度が所定温度以上又は所定温度以下である場合、物品30が損傷を受ける可能性があると判定してよい。制御部22は、例えば、収容部25の内部の湿度が所定湿度以上又は所定湿度以下である場合、物品30が損傷を受ける可能性があると判定してよい。制御部22は、物品30が損傷を受ける可能性があると判定した場合、収容部25に物品30を収容できないと判定してよい。
通信装置10の制御部13は、収容ボックス20の制御部22から判定結果を取得してもよい。制御部13は、収容ボックス20の制御部22から種々の情報を取得し、取得した情報に基づいて収容ボックス20に物品30を収容可能か判定してもよい。
以上述べてきたように、収容システム100は、車両70を含む第1収容システム110と、収容ボックス20を含む第2収容システム120とを備えることによって、物品30の配送時の収容先を確保しやすくなる。収容先が確保されることによって、配送先の不在によって物品30を持ち帰る回数が減少するとともに、再配達の手間が省ける。その結果、配送時の無駄、及び、配送コストが削減されうる。
収容システム100は、図6及び図7に例示される手順を含む物品30の収容方法を実行してもよい。第1収容システム110の第1通信装置10aは、図6に例示される手順を含む物品30の収容方法を実行する。第2収容システム120の第2通信装置10bは、図7に例示される手順を含む物品30の収容方法を実行する。収容方法は、プロセッサに実行させる収容プログラムとして実現されてもよい。
第1通信装置10aの通信部14は、車両70とペアリングする(図6のステップS1)。通信部14は、車両70のロック部71とペアリングしてもよいし、車両70の通信部73とペアリングしてもよい。
通信部14は、物品30の情報を取得する(ステップS2)。通信部14は、物品30に取り付けられているRFタグから物品30の情報を取得してもよい。通信部14は、配送業者42の端末40から物品30の情報を取得してもよい。
第1通信装置10aの制御部13は、収容システム100の利用者が物品30の宛先に対応するか判定する(ステップS3)。制御部13は、物品30の宛先が利用者である場合、利用者が宛先に対応すると判定する。物品30の宛先が利用者と関連づけられている人物である場合も、制御部13は、利用者が宛先に対応すると判定してよい。制御部13は、利用者が宛先に対応すると判定した場合(ステップS3:YES)、ステップS4の手順に進む。制御部13は、利用者が宛先に対応すると判定しなかった場合(ステップS3:NO)、図6のフローチャートの手順を終了する。この場合、物品30は、収容システム100に配送されない。
制御部13は、物品30が車両70に収容可能であるか判定する(ステップS4)。制御部13は、車両70の制御部72に、物品30が車両70に収容可能であるか判定させ、判定結果を取得してもよい。制御部13は、物品30の大きさに基づいて判定してよい。制御部13は、車両70の収容部77の状態の検出結果にさらに基づいて判定してもよい。
制御部13は、物品30が車両70に収容可能である場合(ステップS4:YES)、通信部14に、車両アンロック情報を出力させる(ステップS5)。通信部14は、車両70のロック部71に車両アンロック情報を出力してもよいし、車両70の通信部73に車両アンロック情報を出力してもよい。
制御部13は、物品30が車両70に収容されたことを確認する(ステップS6)。制御部13は、車両70の制御部72から取得した情報に基づいて、物品30が車両70に収容されたことを確認してよい。制御部13は、車両70の制御部72に、物品30が車両70に収容されたか確認させ、確認結果を取得してもよい。第1通信装置10aは、ステップS6の手順の後、図6のフローチャートの手順を終了する。
通信部14は、物品30が車両70に収容可能でない場合(ステップS4:NO)、第2通信装置10bとペアリングする(ステップS7)。
通信部14は、第2通信装置10bに、物品30の情報を出力する(ステップS8)。第1通信装置10aは、ステップS8の手順の後、図6のフローチャートの手順を終了する。
第2通信装置10bの通信部14は、第1通信装置10aから物品30の情報を取得する(図7のステップS11)。
第2通信装置10bの制御部13は、物品30が収容ボックス20に収容可能であるか判定する(ステップS12)。制御部13は、収容ボックス20の制御部22に、物品30が収容ボックス20に収容可能であるか判定させ、判定結果を取得してもよい。制御部13は、物品30の大きさに基づいて判定してよい。制御部13は、収容ボックス20の収容部25の状態の検出結果にさらに基づいて判定してもよい。
制御部13は、物品30が収容ボックス20に収容可能でない場合(ステップS12:NO)、図7のフローチャートの手順を終了する。この場合、物品30は、収容システム100に配送されない。
制御部13は、物品30が収容ボックス20に収容可能である場合(ステップS4:YES)、通信部14に、ボックスアンロック情報を出力させる(ステップS13)。通信部14は、収容ボックス20のロック部21にボックスアンロック情報を出力してもよいし、収容ボックス20の通信部23にボックスアンロック情報を出力してもよい。
制御部13は、物品30が収容ボックス20に収容されたことを確認する(ステップS14)。制御部13は、収容ボックス20の制御部22から取得した情報に基づいて、物品30が収容ボックス20に収容されたことを確認してよい。制御部13は、収容ボックス20の制御部22に、物品30が収容ボックス20に収容されたか確認させ、確認結果を取得してもよい。第2通信装置10bは、ステップS14の手順の後、図7のフローチャートの手順を終了する。
以上述べてきたように、一実施形態に係る収容方法によれば、物品30の配送時の収容先が確保されやすくなる。収容先が確保されることによって、配送先の不在によって物品30を持ち帰る回数が減少するとともに、再配達の手間が省ける。その結果、配送時の無駄、及び、配送コストが削減されうる。
第1収容システム110の車両70は、シェアリングカーであってもよい。車両70がシェアリングカーである場合、収容システム100の利用者は、車両70のアンロック手段をシェアリングカーの管理主体から取得してよい。アンロック手段は、キー又はスマートキー等を含んでよいし、車両70で読み取り可能なICカード等を含んでよい。
シェアリングカーの管理主体は、車両70に物品30が収容された場合、利用者に対して課金してよい。利用者に課金する金額は、例えば、物品30が収容されてから利用者が回収するまでの時間に基づいて決定されてよい。利用者に課金する金額は、利用者が所定時間内に物品30を回収することを条件として、定額とされてよい。利用者が物品30を回収するまでの時間が所定時間を超えた場合、超過料金が課金されてもよい。利用者に課金する金額は、例えば、1ヶ月毎の定額料金であってもよい。シェアリングカーを物品30の収容に利用する場合の課金額は、シェアリングカーを走行させる場合の課金額よりも安くされてよい。
収容システム100の利用者は、配送業者42の端末40にシェアリングカーを配送先に指定する情報を送信してよい。配送業者42は、利用者に指定されたシェアリングカーに物品30を配送してよい。このようにすることで、利用者は、外出先で物品30を受け取ることができる。利用者にとって利便性が向上する。
シェアリングカーが物品30の収容に利用されることによって、シェアリングカーの稼働率が高められうる。
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能である。複数の機能部等は、1つに組み合わせられたり、分割されたりしてよい。上述した本開示に係る各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施されうる。
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1通信装置は、第2通信装置と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。