JP7152936B2 - トンネル掘削機及びトンネル掘削方法 - Google Patents

トンネル掘削機及びトンネル掘削方法 Download PDF

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Description

本発明は、地盤を掘削する際にカッタヘッドに発生した振動を抑制するようにしたトンネル掘削機及びトンネル掘削方法に関する。
一般的に、トンネル掘削機においては、カッタヘッドを回転させ、そのカッタヘッドの前面に装着された複数のカッタが前方の地盤に切羽を形成することにより、トンネルを掘削することができる。
このとき、掘削する地盤が岩盤等の硬質地盤となる場合には、カッタヘッドに大きな振動が発生する。このようにして大きな振動がカッタヘッドに発生すると、その振動が地中を伝わり、地表の住宅や地下施設等の周辺地域に振動被害を及ぼすおそれがある。
そこで、地盤を掘削する際にカッタヘッドに発生した振動を抑制するトンネル掘削機が提供されている。このようなトンネル掘削機としては、例えば下記特許文献1に開示されている。
下記特許文献1のようなトンネル掘削機においては、掘削機本体及びカッタヘッド等に、複数の加振器を設けるようにしており、これらの加振器を駆動させることにより、カッタヘッドに発生した振動に対して、その振動の位相と逆位相になる振動を出力するようにしている。これにより、カッタヘッドに発生した振動を、出力した逆位相振動によって相殺し、その振動を抑制するようにしている。
特開2015‐155597号公報 特開2017‐172162号公報
しかしながら、従来のトンネル掘削機においては、加振器が逆位相振動を与える面に、当該加振器を設置しているため、その出力させた逆位相振動が、カッタヘッドに伝達され難くなっている。
すなわち、加振器の設置面と、加振器が逆位相振動を与える面とが同じになっているため、加振器が逆位相振動を出力しても、その振動によって加振器自体が振れてしまうことになり、出力した逆位相振動をカッタヘッドに対して適切に伝達させることができない。このようなトンネル掘削機においては、カッタヘッドに発生した振動を十分に抑制させることができないおそれがある。
上述の問題を解決するため、上記特許文献2では、掘削時においてカッタヘッドに発生した振動を抑制することにより、周辺地域への振動被害を防止することができるトンネル掘削機が開示されている。
しかしながら、上記特許文献2においては、掘削機本体の外周に沿って設けられた方向制御ジャッキを制振用ジャッキとしても用いるため、掘削機本体のうち前胴側に取り付けられた構成全て、例えば、カッタヘッドの制振と関係ないスクリューコンベア等にまで、制振のための振動を与えてしまうことになる。
さらに、上述の方向制御ジャッキ兼制振用ジャッキは、掘削機本体の軸方向における前胴と後胴との境に設けられているため、そもそも掘削機本体が前胴と後胴に分かれていないようなトンネル掘削機においては、上記特許文献2の技術は適用することができない。
上記技術的課題に鑑み、本発明は、制振対象範囲を振動発生源近傍に限定することで、カッタヘッドの制振と関係ない構成に影響を与えることなく、カッタヘッドの制振を行うことができ、かつ、掘削機本体が前胴と後胴に分かれていない場合にも適用することができる、トンネル掘削機及びトンネル掘削方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明に係るトンネル掘削機は、
筒状の掘削機本体、及び、該掘削機本体の軸方向前端において回転支持部に連結し回転可能であり、地盤を掘削するカッタヘッドを備えるトンネル掘削機であって、
前記カッタヘッドよりも軸方向後方側において前記回転支持部を支持する内側隔壁部、及び、内周面によって該内側隔壁部を、水密状態を維持しながら、軸方向にスライド可能に支持し、外周面が前記掘削機本体の内周面に嵌合するようにして配される、環状の外側隔壁部を有し、前記掘削機本体の内部において前記カッタヘッドとの間に空間を形成するように配される隔壁と、
前記回転支持部及び前記内側隔壁部のうち任意の位置に対して一端が配され、前記掘削機本体に対して他端が配され、伸縮可能な制振用ジャッキと、
前記カッタヘッドに発生する振動を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づき、前記カッタヘッドに発生する振動の位相に対して逆位相となる逆位相振動を出力するように前記制振用ジャッキの制御を行う制御手段とを備える
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第2の発明に係るトンネル掘削機は、
上記第1の発明に係るトンネル掘削機において、
前記掘削機本体は、その内部において前記隔壁よりも軸方向後方側に配されるビームを備え、
前記制振用ジャッキは、前記ビームと前記内側隔壁部との間に軸方向に延伸するように配される
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第3の発明に係るトンネル掘削機は、
上記第2の発明に係るトンネル掘削機において、
前記ビームには、軸方向前方側に突出する第1突起部が形成され、
前記内側隔壁部には、軸方向後方側に突出する第2突起部が形成され、
前記制振用ジャッキは、前記第1突起部と前記第2突起部との間に設けられる
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第4の発明に係るトンネル掘削機は、
上記第1から3のいずれか1つの発明に係るトンネル掘削機において、
前記制振用ジャッキは、周方向において複数並設される
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第5の発明に係るトンネル掘削機は、
上記第4の発明に係るトンネル掘削機において、
前記制御手段は、全ての前記制振用ジャッキを所定数ずつの複数のグループに分け、前記計測手段の計測結果に基づき、グループごとに制御を行う
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第6の発明に係るトンネル掘削機は、
上記第1から5のいずれか1つの発明に係るトンネル掘削機において、
前記制振用ジャッキには、当該制振用ジャッキの長さが、前記逆位相振動を出力する場合未満に設定された所定長まで縮むと作動する、移動量制限機構が設けられる
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第7の発明に係るトンネル掘削機は、
上記第1から6のいずれか1つの発明に係るトンネル掘削機において、
前記計測手段は、前記内側隔壁部に設けられる
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第8の発明に係るトンネル掘削機は、
上記第1から7のいずれか1つの発明に係るトンネル掘削機において、
前記内側隔壁部の外周面と前記外側隔壁部の内周面との間に、シールを設けることにより、前記水密状態を維持可能なスライド面が形成されている
ことを特徴とする。
上記課題を解決するための第9の発明に係るトンネル掘削方法は、
筒状の掘削機本体、及び、該掘削機本体の軸方向前端において回転支持部に連結し回転可能であり、地盤を掘削するカッタヘッドを備えるトンネル掘削機を用いたトンネル掘削方法であって、
前記トンネル掘削機は、前記カッタヘッドよりも軸方向後方側において前記回転支持部を支持する内側隔壁部、及び、内周面によって該内側隔壁部を、水密状態を維持しながら、軸方向にスライド可能に支持し、外周面が前記掘削機本体の内周面に嵌合するようにして配される、環状の外側隔壁部を有し、前記掘削機本体の内部において前記カッタヘッドとの間に空間を形成するように配される隔壁と、前記回転支持部及び前記内側隔壁部のうち任意の位置に対して一端が配され、前記掘削機本体に対して他端が配され、伸縮可能な制振用ジャッキとを備えるものであり、
前記カッタヘッドに発生する振動を計測し、その計測結果に基づき、前記カッタヘッドに発生する振動の位相に対して逆位相となる逆位相振動を出力するように前記制振用ジャッキの制御を行う
ことを特徴とする。
本発明に係るトンネル掘削機及びトンネル掘削方法によれば、制振対象範囲を振動発生源近傍に限定することで、カッタヘッドの制振と関係ない構成に影響を与えることなく、カッタヘッドの制振を行うことができ、かつ、掘削機本体が前胴と後胴に分かれていない場合にも適用することができる。
本発明の実施例に係るトンネル掘削機を説明する概略図である。 図1のA‐A矢視に相当する概略図である。
以下、本発明に係るトンネル掘削機及びトンネル掘削方法について、実施例にて図面を用いて説明する。
本実施例に係るトンネル掘削機の構成について図1,2を用いて説明する。
図1は、本実施例に係るトンネル掘削機(トンネル掘削機1)を説明する概略図であり、図2は、図1のA‐A矢視に相当する概略図である。ただし、図2では、トンネル掘削機1の構成のうち、後述するカッタ回転軸11a、ビーム16、制振用ジャッキ18、カッタ旋回用モータ13、及び振動計測器(計測手段)19の位置関係を説明するものであり、それ以外の構成は省略している。
図1,2に示すように、トンネル掘削機1は、主に、円筒状の掘削機本体10、及び、円盤状のカッタヘッド11を備えている。
カッタヘッド11は、円筒状の掘削機本体10の軸方向(すなわちトンネル延伸方向)前端に設けられている。また、カッタヘッド11の中心部には、カッタ回転軸11aの前端が嵌入されている。
掘削機本体10の内周面は、カッタヘッド11よりもトンネル延伸方向後方側において隔壁12が配されている。隔壁12の中心部にはカッタ回転軸11aが、その外周側には、連結部材11bが、ともに回転可能に支持されており、隔壁12の後面には、カッタ旋回用モータ13が設けられている。
カッタ旋回用モータ13を駆動させることにより、図示しないギヤ機構及び連結部材11bを介して、カッタヘッド11を、カッタ回転軸11aを中心として回転させ、地盤(切羽)を掘削することができる。
そして、カッタヘッド11と隔壁12との間には、チャンバ14が区画形成されている。チャンバ14は、掘削土砂を一時的に蓄えるための空間(室)となっており、チャンバ14内には、カッタヘッド11による地盤掘削に伴って発生する掘削土砂が取り込まれる。
また、掘削機本体10の内部には、スクリューコンベヤ15が設けられている。このスクリューコンベヤ15は、トンネル延伸方向前端の開口部が、隔壁12の(鉛直方向における)下方位置を貫通して、チャンバ14内に挿入され、トンネル延伸方向後方側に向かうに従い、鉛直方向上方に位置するように、傾斜して配置されている。
これにより、スクリューコンベヤ15を駆動させることで、チャンバ14内に蓄えられた掘削土砂を掘削機本体10のトンネル延伸方向後方に向けて排出することができる。
さらに、掘削機本体10の隔壁12よりもトンネル延伸方向後方側には、掘削機本体10の内周面10aに略井桁状に配されるビーム16が設けられている。
ビーム16の後面には、エレクタ装置17が掘削機本体10の軸方向、径方向、及び周方向(すなわちトンネル延伸方向、径方向、及び周方向)に移動可能に支持されている。このエレクタ装置17は、覆工部材としてのセグメントSを把持可能となっており、その把持したセグメントSをトンネルTの内壁面(坑壁)に沿って組立可能となっている。
セグメントSは、掘削されたトンネルTの内壁面形状に沿う環片となっている。従って、エレクタ装置17を駆動させることにより、複数のセグメントSをトンネル周方向に沿ってリング状に組み立てることができる。
さらに、掘削機本体10の内周面には、複数のシールドジャッキ(推進ジャッキ)21が、その内周面に沿って、且つ、その周方向において所定の間隔で並設されている。
これらのシールドジャッキ21は、駆動ロッドをトンネル延伸方向に伸縮可能としており、その駆動ロッドの先端には、スプレッダ21aが装着されている。このスプレッダ21aは、トンネル延伸方向において、既設のセグメントSにおける前端面と対向している。
したがって、シールドジャッキ21の駆動ロッドを、トンネル延伸方向後方側に向けて伸長して、スプレッダ21aを、既設のセグメントSに押圧させることにより、掘削機本体10に推進反力を与えることができる。すなわち、掘削機本体10は、シールドジャッキ21がセグメントSを押圧したときに発生する推進反力によって、前進可能となっている。
ところで、本実施例では、隔壁12が、内側隔壁部12a及び外側隔壁部12bによって構成されている。内側隔壁部12aは、カッタヘッド11よりもトンネル延伸方向後方側においてカッタ回転軸11a及び連結部材11bを回転可能に支持し、さらに、カッタ旋回用モータ13、図示しない上記ギヤ機構、そして後述する制振用ジャッキ18等が設けられる円盤状のものである。
また、外側隔壁部12bは、内周面12baによって内側隔壁部12aを外周面12aaにて支持しつつ、外周面12bbが掘削機本体10の内周面10aに嵌合するようにして配される円環状のものであり、スクリューコンベヤ15の掘削土砂取込口等が設けられる。
そして、内側隔壁部12aの外周面12aaと外側隔壁部12bの内周面12baとの間には、図示しない軸受ブッシュ及びシール等が設けられることによってスライド面が形成されている。すなわち、外側隔壁部12bは、内周面12baによって内側隔壁部12aを、(隔壁としての)水密状態を維持しながら、トンネル延伸方向にスライド可能に支持している。
これにより、内側隔壁部12aに配されている、カッタ回転軸11a、連結部材11b、カッタ旋回用モータ13、図示しない上記ギヤ機構、及び制振用ジャッキ18等は、掘削機本体10に対して、水密状態を維持しながら、トンネル延伸方向にスライド可能となっている。
また、制振用ジャッキ18は、トンネル延伸方向に延伸し、基端がトンネル延伸方向後方側、先端がトンネル延伸方向前方側となる向きに配されている。さらに制振用ジャッキ18は、周方向において所定の間隔で複数並設されている。
制振用ジャッキ18の基端はビーム16に支持されている。詳述すると、ビーム16にはトンネル延伸方向前方側に突出する突起部16aが形成されており、制振用ジャッキ18の基端はこの突起部16a(第1突起部)に支持されている。
一方、制振用ジャッキ18の先端には、トンネル延伸方向に伸縮可能とする伸縮ロッド18aが設けられており、伸縮ロッド18aの先端は内側隔壁部12aに連結されている。詳述すると、伸縮ロッド18aは、内側隔壁部12aの上記スライド面の近傍においてトンネル延伸方向後方側に突出するように形成された突起部12ab(第2突起部)に、連結されている。
上述のように制振用ジャッキ18の基端及び先端を設置することにより、制振用ジャッキ18は、掘削機本体10に対してトンネル延伸方向に伸縮可能となっている。
そして、制振用ジャッキ18は、伸縮ロッド18aを小刻みに繰り返し伸縮させることにより、振動を発生させることができる。この制振用ジャッキ18の微伸縮によって発生された振動は、地盤の掘削に伴ってカッタヘッド11に発生した振動の位相と逆位相となる逆位相振動となっている。
カッタヘッド11と(制振用ジャッキ18が配された)内側隔壁部12aとは、カッタヘッド回転軸11a及び連結部材11bによって接続しているため、カッタヘッド11に発生した振動に対して、制振用ジャッキ18による逆位相振動が干渉し、その振動を抑制することができる。
ただし、制振用ジャッキ18は、カッタヘッド11に対し(逆位相)振動を伝達可能であれば良いため、上述した内側隔壁部12aとビーム16との間に限らず、カッタヘッド11を回転支持するカッタ回転軸11aと連結部材11b(総じて回転支持部と呼称)、及び内側隔壁部12aのうち、任意の位置に対し、制振用ジャッキ18の基端及び先端のうちいずれか一端が配されるようにすればよい。
さらに、制振用ジャッキ18は、例えばローラーカッタの交換時にカッタヘッド11を移動させるなど、制振以外の目的のため、上記逆位相振動に必要なストローク以上のストロークを有するものとする場合がある。このような場合、制振用ジャッキ18のストローク(長さ)が、上記逆位相振動を出力する場合未満に設定された所定長まで縮むと作動する、移動量制限機構(図示略)を設けるようしてもよい。これにより制振用ジャッキ18は、カッタヘッド11が後退することを防止する効果を奏することができる。
また、上述のごとく、制振用ジャッキ18が内側隔壁部12aとビーム16との間に配される場合、隔壁12のトンネル延伸方向後面における制振用ジャッキ18よりも径方向内側に、振動計測器(計測手段)19が配される。
振動計測器19は、カッタヘッド11が地盤を掘削する際に、当該カッタヘッド11に発生する振動(波形、周期、及び振幅)を計測することを可能とするものである。
すなわち、地盤の掘削に伴ってカッタヘッド11に発生する振動は、カッタ回転軸11a及び連結部材11bを介して、隔壁12に伝達された後、振動計測器19に入力されることになる。
ただし、振動計測器19は、カッタヘッド11に発生する振動を計測することができれば良いため、カッタヘッド11、上記回転支持部、及び内側隔壁部12aのうち、任意の位置に配されるようにすればよい。また、振動計測器19は周方向に複数並設されるようにしてもよい。
また、掘削機本体10内には、制御装置(制御手段)20が設けられている。この制御装置20は、制振用ジャッキ18に対して油圧を給排するためのサーボ弁と、振動計測器19とに電気的に接続されており、振動計測器19の計測結果に基づき、制振用ジャッキ18におけるサーボ弁の弁開度を制御することにより、制振用ジャッキ18に対し、振動的に伸縮させて、逆位相振動を出力するように制御を行う。
詳細には、制御装置20においては、各振動計測器19によって計測された振動が入力されると、それらの振動を解析して、カッタヘッド11に発生した振動の主体となる振動モードを特定した後、その振動モードに応じた制御信号を、各制振用ジャッキ18のサーボ弁に入力するようになっている。
ここで、振動モードとしては、主としてトンネル延伸方向の振動があり、加えて、トンネル径方向(鉛直方向と水平方向)の振動も発生する。制御装置20においては、複数の制振用ジャッキ18に対して、全て一括して制御するようにしても良いが、全ての制振用ジャッキ18を(周方向に)所定数ずつの複数のグループに分け、振動計測器19の計測結果に基づき、このグループごとに制御を行うようにしてもよい。
以上より、トンネル掘削機1によってトンネル構造体を施工する場合には、先ず、カッタヘッド11を回転させながら、複数のシールドジャッキ21を伸長させて既設のセグメントSに押し付ける。これにより、掘削機本体10がその既設のセグメントSから推進反力を得て前進すると共に、回転するカッタヘッド11により、トンネルTが掘削される。
このとき、地盤掘削によって発生した掘削土砂は、カッタヘッド11の掘削土砂取込口を介して、チャンバ14内に充填されることになり、そのチャンバ14は、充填された掘削土砂によって、所定の内圧に維持される。そして、チャンバ14内に充填された掘削土砂は、スクリューコンベヤ15の回転によって、トンネル延伸方向後方側に向けて排出される。
これと同時に、短縮したシールドジャッキ21のトンネル延伸方向後方側においては、エレクタ装置17の駆動によって、これに保持されたセグメントSが、トンネルTの内壁面に沿って、リング状に順次組み立てられる。
すなわち、カッタヘッド11の掘削による掘削量に見合う土砂量を、スクリューコンベヤ15によって円滑に排出して、チャンバ14内を常に掘削土砂によって充満させることにより、切羽の安定化を図りつつ、トンネルTを掘削する。これと同時に、シールドジャッキ21の伸長によって、既設のセグメントSから推進反力を取って掘進しながら、短縮させたシールドジャッキ21のトンネル延伸方向後方側において、新設のセグメントSを組み立てる。
また、カッタヘッド11に発生した振動が振動計測器19によって計測されると、制御装置20においては、その計測された振動の大きさに応じた逆位相振動が発生するように、制振用ジャッキ18の伸縮を制御する。
これにより、その制振用ジャッキ18によって出力された逆位相振動は、カッタヘッド11に伝達された後、そのカッタヘッド11に発生した振動と干渉して、当該振動を減少させる。
このとき、カッタヘッド11に発生する振動モードに応じて、グループごとに制振用ジャッキ18の伸縮を制御することで、カッタヘッド11に発生する振動は逆位相振動によって十分に抑制されることになる。
本実施例によれば、外側隔壁部12bに対してスライドする内側隔壁部12aに、制振用ジャッキ18を設けているので、掘削機本体10を振動させず、振動発生源であるカッタヘッド11近傍に限定した制振が可能となる。
また、本実施例における制振用ジャッキ18で適用するストロークは、逆位相の振動を発生すればよいので、短いストローク(例えば1mm以下)でよく、上記特許文献2のように方向制御ジャッキを制振用として用いる場合に比べ、小型化及び軽量化を図ることができる。
さらに、本実施例では、制振用ジャッキ18に移動量制限機構を設けることで、カッタヘッド11が後退することを防止することができる。
本発明は、地盤を掘削する際にカッタヘッドに発生した振動を抑制するようにしたトンネル掘削機及びトンネル掘削方法として好適である。
1 トンネル掘削機
10 掘削機本体
10a 内周面
11 カッタヘッド
11a カッタ回転軸
11b 連結部材
12 隔壁
12a 内側隔壁部
12aa 外周面
12ab 突起部
12b 外側隔壁部
12ba 内周面
12bb 外周面
13 カッタ旋回用モータ
14 チャンバ
15 スクリューコンベヤ
16 ビーム
16a 突起部
17 エレクタ装置
18 制振用ジャッキ
18a 伸縮ロッド
19 振動計測器(計測手段)
20 制御装置(制御手段)
21 シールドジャッキ(推進ジャッキ)
21a スプレッダ
S セグメント
T トンネル

Claims (9)

  1. 筒状の掘削機本体、及び、該掘削機本体の軸方向前端において回転支持部に連結し回転可能であり、地盤を掘削するカッタヘッドを備えるトンネル掘削機であって、
    前記カッタヘッドよりも軸方向後方側において前記回転支持部を支持する内側隔壁部、及び、内周面によって該内側隔壁部を、水密状態を維持しながら、軸方向にスライド可能に支持し、外周面が前記掘削機本体の内周面に嵌合するようにして配される、環状の外側隔壁部を有し、前記掘削機本体の内部において前記カッタヘッドとの間に空間を形成するように配される隔壁と、
    前記回転支持部及び前記内側隔壁部のうち任意の位置に対して一端が配され、前記掘削機本体に対して他端が配され、伸縮可能な制振用ジャッキと、
    前記カッタヘッドに発生する振動を計測する計測手段と、
    前記計測手段の計測結果に基づき、前記カッタヘッドに発生する振動の位相に対して逆位相となる逆位相振動を出力するように前記制振用ジャッキの制御を行う制御手段とを備える
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  2. 前記掘削機本体は、その内部において前記隔壁よりも軸方向後方側に配されるビームを備え、
    前記制振用ジャッキは、前記ビームと前記内側隔壁部との間に軸方向に延伸するように配される
    ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
  3. 前記ビームには、軸方向前方側に突出する第1突起部が形成され、
    前記内側隔壁部には、軸方向後方側に突出する第2突起部が形成され、
    前記制振用ジャッキは、前記第1突起部と前記第2突起部との間に設けられる
    ことを特徴とする請求項2に記載のトンネル掘削機。
  4. 前記制振用ジャッキは、周方向において複数並設される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトンネル掘削機。
  5. 前記制御手段は、全ての前記制振用ジャッキを所定数ずつの複数のグループに分け、前記計測手段の計測結果に基づき、グループごとに制御を行う
    ことを特徴とする請求項4に記載のトンネル掘削機。
  6. 前記制振用ジャッキには、当該制振用ジャッキの長さが、前記逆位相振動を出力する場合未満に設定された所定長まで縮むと作動する、移動量制限機構が設けられる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のトンネル掘削機。
  7. 前記計測手段は、前記内側隔壁部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のトンネル掘削機。
  8. 前記内側隔壁部の外周面と前記外側隔壁部の内周面との間に、シールを設けることにより、前記水密状態を維持可能なスライド面が形成されている
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のトンネル掘削機。
  9. 筒状の掘削機本体、及び、該掘削機本体の軸方向前端において回転支持部に連結し回転可能であり、地盤を掘削するカッタヘッドを備えるトンネル掘削機を用いたトンネル掘削方法であって、
    前記トンネル掘削機は、前記カッタヘッドよりも軸方向後方側において前記回転支持部を支持する内側隔壁部、及び、内周面によって該内側隔壁部を、水密状態を維持しながら、軸方向にスライド可能に支持し、外周面が前記掘削機本体の内周面に嵌合するようにして配される、環状の外側隔壁部を有し、前記掘削機本体の内部において前記カッタヘッドとの間に空間を形成するように配される隔壁と、前記回転支持部及び前記内側隔壁部のうち任意の位置に対して一端が配され、前記掘削機本体に対して他端が配され、伸縮可能な制振用ジャッキとを備えるものであり、
    前記カッタヘッドに発生する振動を計測し、その計測結果に基づき、前記カッタヘッドに発生する振動の位相に対して逆位相となる逆位相振動を出力するように前記制振用ジャッキの制御を行う
    ことを特徴とするトンネル掘削方法。
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