JP7152921B2 - 特定の地域の生育する椿由来の新規酵母 - Google Patents

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Description

NPMD NITE P-01807 NPMD NITE P-01921
本発明は、特定の地域の生育する椿由来の新規酵母及びその酵母の産生方法に関する。より詳細には、五島列島に生育する椿の葉に由来する新規酵母及びその産生方法に関する。
従来から、発酵食品の製造には酵母が用いられてきている。酵母は、生活史の大部分を球形、卵形等の単細胞で過ごし、出願として出芽によって増殖する真菌類の総称とされている。子嚢胞子を形成する有胞子酵母と子嚢胞子を形成しない無胞子酵母とに大別されるが、射出胞子を形成する種もある。
酵母は、応用微生物学上、極めて重要な微生物群である。有用な酵母は、アルコールの醸造、味噌、甘酒、一夜漬け、べったら漬けその他の漬物等の製造、パンの発酵等に古くから利用されてきたが、一方で、食品の湧きを起こしたり、産膜等で有害なもののほか、病原性の酵母があることも知られている。
ここで、「湧き」とは、上記の味噌、甘酒、一夜漬け、べったら漬けその他の漬物、果汁等を保存する際に、これらに含まれる酵母が増殖してアルコール発酵を起こし、炭酸ガスを発生させる現象をいう。
酵母は、自然界では、果実の表面、樹液、花の蜜腺、土壌、海水中等、幅広く分布しており、こうした酵母は、「野生酵母」と呼ばれる。
我国のワイン酵母の代表菌株であるSaccharomyces cerevisiae OC-2 (以下「OC-2」と略す。坂口によって分離された。)は、こうした野生酵母から分離され、馴養しつつ継代された培養酵母である。そして、葡萄酒酵母協会1号(OC-2)として、日本醸造協会から、明治42年依頼、頒布され広く使用されている(以下、「従来技術1」という。非特許文献1参照)。この酵母は、ワインの醸造のみならず、パン酵母、清酒酵母、焼酎酵母、菊萄酒、又はワインに類似する果実酒醸造に使用されている酵母としても使用されている(従来技術1)。
すなわち、野生酵母は純粋培養された培養酵母とは対極の位置にある。一般に「野生酵母」というと、醸造分野では、コンタミネーション、すなわち、汚染の元凶として忌み嫌われることがある。しかし、野生酵母の多くは極めて特徴的な性質を有しており、様々な分野での利用が期待されている。
The yeast taxonomic Study Third revised and enlarged edition by N. J. W. Kregervan Rij
一方で、野生酵母には、上記のように病原性をもつものもあるため、野生酵母の中から有用な株を分離しようとする場合には、その安全性、特に、病原性についてのチェックが必須である。このため、歴史的に安全性が証明されている特定の種の酵母、例えば、Saccharomyces cerevisiaeに属する酵母、等を選択しなければならないという問題がある。
現在、こうした歴史的に安全性が証明されている酵母としては、分類学上Ascosporogenus yeastに属する33属、Biodiosporogenusに属する10属、Inperfect yeasts胞に属する17属、の計60属、及びこれらの属に属する507種が認められている(The yeast taxonomic Study Third revised and enlarged edition by N. J. W. Kregervan Rijによる)。
現在、市場競争が激しくなっている発酵食品の分野では、従来の酵母では製品の個性化が難しいため、新たな酵母の分離が求められている。具体的には、OC-2が日本の果実酒の主流酵母であるため、OC-2を使用すると、その開発目的であった「アルコールの出を良くすること」から脱却できず、酒質が画一化してしまうという問題があった。
OC-2が開発された当時(明治時代)は、アルコール濃度の高い製品が好まれていたため、「アルコールの出を良くすること」が目的とされていた。しかし、現在では、酒類の消費者の嗜好は、「ソフトでありマイルドである酒」が主流を占めつつある、というように自時代の変化に伴って、求められる酒の味(品質)が変わってきている。このため、地域の特産品として「醸造酒」を製造する場合には、その醸造酒の品質を時代の嗜好に合ったものにしていかなければならないという問題がある。
例えば、地域の特産品として「果実酒」を考えているならば、「フルーティーな香り、さわやかな酸味、甘口傾向でアルコール分の低いもの」を製造することを検討すべきであり、こうした酒を醸造できる酵母が必要とされている。
しかし、現在市販されている酵母にそのようなニーズに合致するものがない以上、その地域に存在するはずの酵母から有用な酵母を分離したいという要請がある。そして、そのような酵母を分離することができれば、地域の産業の振興に貢献することも可能となる。
このため、地域に存在する酵母の中から、有用な酵母を分離したいという強い社会的要請があった。
こうした状況の下、本願の発明者等は、地域に存在する酵母のリソースとして、全国でも有数の椿生産地として名高い五島列島の椿を、有用性の高い酵母を分離するためのリソースとして利用することによって、本願発明を完成したものである。
すなわち、本発明の一の態様は、受託番号P-01807である新規酵母である。本発明の一の態様の新規酵母は、球状の胞子を形成する有胞子酵母であって、グルコース、ガラクトース、スクロース及びマルトースを資化し、硝酸塩及びリジンを資化しないことを特徴とする。
また、本発明の前記新規酵母は、産膜を形成せず、グルコース、ガラクトース、スクロース及びマルトース添加時に発酵することを特徴とし、シクロヘキシミド非耐性であることを特徴とする。
本発明の別の態様は、受託番号P-01921である新規酵母である。本発明の別の態様の新規酵母は、球状の胞子を形成する有胞子酵母であって、グルコース、ガラクトース、スクロースを資化し、マルトース、硝酸塩及びリジンを資化しないことを特徴とする。
本発明の前記別の態様の新規酵母は、産膜を形成せず、グルコース、ガラクトース、及びスクロース添加時に発酵することを特徴とし、シクロヘキシミド非耐性であることを特徴とする。
また、上記2株の新規酵母は、長崎県五島列島に生息する椿の花弁又は雌蕊に由来するものであることを特徴とする。さらに、前記椿は、ヤブツバキであることを特徴とする。
前述の新規酵母は、椿の花弁、雄蕊、雌蕊、萼に付着している酵母の中から、以下のようにして分離されたものである。ここで、椿の花弁、雄蕊、雌蕊、萼を分離源としたのは、以下の理由による。まず、ツバキが五島列島の特産品の一つであり、これらを分離源とする酵母で製品を製造することは、製造された製品が五島列島という地域の素材を用いて特産品を製造することになり、市場で差別化できる特性を持った製品を製造できると考えられるためである。また、椿の花言葉である「控えめな素晴らしさ」、「気取らない優美さ」といった好ましいイメージを、製造された商品に付与することができると考えられたからである。
まず、椿の花を採取し、花弁、雄蕊、雌蕊及び萼に分け、冷凍又は冷蔵して試料とし保存する。各試料を、分離用培地を入れた滅菌試験管中に入れ、これらの試料に存在する酵母を所定の条件下に集殖培養する。
分離用の培地としては、例えば、麹エキス、YMA培地(以下、「YM Agar」又は「YMA」ということがある。)等を使用することができる。まず、例えば、デンプン反応を確認するために、所定量のヨード及びヨードカリ含む溶液を調製する。次いで、麹エキスを、以下のようにして調製する。まず、所定量の米麹を布袋に入れて、米広義の重量の4~5倍量の水を加え、所定の温度、例えば、50~63℃に約4~6時間保つ。少量の液を抜き取って、上記のI-K I液と用いて澱粉の反応を確認し、澱粉の反応が消失するのを待って袋を引き上げて、軽く絞り、この絞り液を煮沸する。
上記絞り液が清澄にならないときは、卵白を加えて良く撹搾し、上記の絞り液を煮沸し、その後、濾過する。検糖計を用いて、Ballg.を所定の値になるように水を加えて調整し、麹エキスとする。ここで、 Balling (Ballg.)示度は、17.5℃においてショ糖水溶液100g中に含まれるショ糖グラム数を示す。
細菌の繁殖を防ぐために、それぞれの培地に所望量の抗生物質を添加する。ここで、前記抗生物質は、クロラムフェニコールとすることが好ましい。
上記の各試料を、所定量の滅菌済培地、例えば、上記の麹エキス培地、を入れた大型試験管中に、所定量の試料を接種して酵母を集殖させるために集殖培養を行なう。
集殖培養した麹エキス培養液を適宜希釈し、その後、コロニーを出現させるために、寒天培地、例えば、YMA平板培地に塗抹し、所定の温度で所定の期間培養する。出現したコロニーのうち、形態の異なるものをそれぞれ分離して採取し、純粋酵母とする。
集殖培養のときに酵母の増殖を確認できた試験管から、例えば、パスツールピペットで所定量の培養液をサンプリングする。経時観察を行ない、培養している試験管中の培地の濁りの程度は、試験管内に入れた上記試料の形状及び培地の透明度の低下で判別し、4段階程度に分類する。濁りの確認された試験管の培養液をサンプリングし、培養最終日に全ての培養試料から培養液をサンプリングする。
その後、サンプリングした培養液を適宜希釈して、寒天培地にコンラージ等で塗抹し、所定の温度で所定の時間培養してコロニーを出現させ、外観の異なるものを選んで、複数の寒天培地に植菌し、所定の温度で所定の時間培養して増殖させる。
増殖させた後に、顕微鏡を用いて増殖した細胞の形態、胞子形成の有無、及び胞子の形状を観察する。
次の段階として、最も重要な分類指標の一つである胞子の形成を指標として、酵母の同定を行なう。純粋分離された酵母は、速やかに、下記の胞子形成培地に接種して胞子を形成させる。
培地としては、NBRC(IFO)培地リストに掲載されているものの中から、酵母の培養にしばしば使用される、No. 108 YM Agar、No. 112 YPD Medium等を使用することができる。これらの外に、V8ジュース寒天培地等を使用することもできる。これらの組成については、後述する。
集殖した酵母のうち、無胞子酵母及び射出酵母を、醸造酵母として安全性が確保されていない酵母として除外する。胞子を形成する有胞子酵母によって形成された胞子の形状は、下記表1のように分類されている。
球状の胞子及び円形胞子を培養的性質の試験、又は生理学的性質の試験に供する。球状の胞子及び円形胞子は、Saccharomyces属及びその他の属に含まれる酵母が形成するものであるが、このような形状の胞子を形成する酵母は、醸造用として安全性の高いものが多いからである。
Figure 0007152921000001
次いで、培養的性質の試験に上記のようにして得られた酵母を供して、Saccharomyces属以外の酵母をさらに除く。こうして得られた酵母を、その後、さらに生理学的試験に供して、その他の酵母をさらに除く。最後に、残った酵母についてのDNA分析を行ない、醸造用として安全性が確認されている、Saccharomyces cerevisiaeであることを確認する。
図2に、発酵性又は資化性試験の手順の一例を示す。酵母を以下のように前培養する。まず、所定量の培地を試験管に入れてオートクレーブ滅菌し、滅菌した培地に分離した酵母を適量、例えば、1白金耳、接種する。所定の温度で所定の期間培養し、遠心分離して集菌し、洗浄して、適宜希釈し、発酵性又は資化性試験用試料とする。
発酵性試験用培地として、例えば、Difco社が販売しているYeast Nitogen Baseを作製し、所望の量の糖、例えば、グルコースを加える。グルコースに代えて、他の所望の糖、例えば、ガラクトース、スクロース等を加えた培地を調製する。
以上のようにして調製した培地を個別に濾過滅菌し、乾熱滅菌した試験管に所定量を分注する。シリコ栓等で栓をした後に、試験管内を減圧し、ダーラム管(気泡試験で微生物が発生させたガスを溜めるための試験管)内に培地が入るようにする。炭酸ガスの産生を確認するためである。ここに、上記のように前培養した酵母を所定量添加して静置培養し、所定の時間ごとに観察する。
次に、資化性試験用の培地として、例えば、Difco社が販売しているYeast Carbon Base溶液を作製し、所望の量の糖、例えば、グルコース、硝酸塩及びリジンを添加した培地を調製する。グルコースに代えて、他の所望の糖、例えば、ガラクトース、スクロース等を加え、所望の量の糖、硝酸塩、L-リジンを溶解させた培地を調製し、これらを個別に濾過滅菌する。
発酵性試験の準備と同様に、滅菌後の培地を、ダーラム管を入れて乾熱滅菌した試験管中に所定量分注し、シリコ栓等で栓をする。ついで、試験管内を減圧し、ダーラム管内に培地を入れ、上記のように前培養した酵母を所定量添加して静置培養し、所定の時間ごとに観察する。このようにして、分離した酵母の発酵性及び資化性を確認する。また、培養中に、産膜が形成されるか否かも同時に確認する。
図3に、シクロヘキサミド耐性試験の手順を示す。この耐性試験では、異なる濃度のシクロヘキサミドを含有する培地を調製し、そこに上記のようにして分離された酵母を加えて培養し、酵母の増殖を確認する。
この試験に使用する培地としては、例えば、シクロヘキシミドのアルコール溶液を調製し、YM培地に所望の濃度となるように添加する。次いで、この培地を試験管に分注し、オートクレーブ滅菌する。ここに、上記のように前培養した上記酵母を加えて、所望の温度で培養し、所望の時間ごとに観察する。以上のようにして、分離した酵母のシクロヘキシミド耐性を確認する。
以上の試験ようにして、上述した発酵性、資化性を有し、シクロヘキシミド感受性の本発明の新規酵母を得ることができる。
本発明の新規酵母は、安全性が高く、長期保存が可能である。また、各種発酵食品の製造に使用することもでき、製造された食品の種類によって種々の特徴を与える。酒類の場合には芳醇な香気を与え、パンの場合には野生酵母特有の酸臭が抑制される。また、魚醤では魚肉の生臭さを抑制し、味噌の場合には舌を直接に刺激する塩味(いわゆる、塩角)を和らげ(塩角を取り)、味噌の味全体を調和させるというような効果を有している。
図1は、培養前の試料を入れた培地の状態(A)、及び培養後の培地の状態の変化(B)を示す図である。培養後の培地の状態は、濁りの程度によって、*~***に区分けした。 図2は、発酵性試験及び資化性試験の手順の一例を示す図である。 図3は、シクロヘキサミド耐性試験の手順を示す図である。 図4は、発酵性試験、資化性試験及びシクロヘキシミド耐性試験を行なった20株の中から選択された6株の酵母の顕微鏡写真である(200倍)。
以下に、本発明の新規酵母について、より詳細に説明する。
(1)分離源
本発明の酵母は、椿の花弁、雄蕊、雌蕊、及び萼を分離源とする。これらは、冷凍(-40℃)又は冷蔵し、分離源として使用することができる。
(2)酵母の分離
酵母の分離は集殖培養によって行う。まず、酵母の分離用培地として、例えば、麹エキス(Brix 約8.0~12.0、pH 約6.0~6.5)、及びYMA培地(以下、「YM Agar」又は「YMA」ということがある。NBRC medium No. 108))を準備する。麹エキスは、例えば、以下のようにして調製することができる。
まず、例えば、約0.2~0.4 gのヨード及び0.5~1.5 gのヨードカリを蒸留水約80~120 mLに溶解し、I-KI液を調製する。次いで、麹エキスを、以下のようにして調製する。まず、所定量の米麹を布袋に入れて、米広義の重量の4~5倍量の水を加え、所定の温度、例えば、50~63℃に約4~6時間保つ。少量の液を抜き取って、上記のI-K I液と用いて澱粉の反応を確認し、澱粉の反応が消失するのを待って袋を引き上げて、軽く絞り、この絞り液を煮沸する。
この絞り液が清澄にならないときは、煮沸液l Lに対して1個分の卵白を加えて、良く撹搾して液を煮沸し、濾過する。検糖計を用いて、Ballg. が10前後になるように水を加え、麹エキスとする。ここで、 Balling (Ballg.)示度は、17.5℃においてショ糖水溶液100 g中に含まれるショ糖グラム数を示す。各培地に細菌の繁殖を防ぐためにクロラムフェニコールを200 ppm で添加することが好ましい。
YMA培地は、富士フイルム和光純薬(株)製等の市販品を購入して使用してもよく、また、下記表2に示すような成分を混合して使用することもできる。まず、下記表1に示す量のバクトペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、及びグルコースを蒸留水に溶解し、pHを、約5.8~6.2の範囲となるように調製することが好ましい。また、クロラムフェニコールを各培地に約150~250 ppmとなるように添加することが、細菌の繁殖を防ぐ上で好ましい。以上のようにして調製したYMA培地は、オートクレーブ滅菌して使用する。
Figure 0007152921000002
上記(1)で保存していた花弁、雄蕊、雌蕊、及び萼を、適切な量で取り出し、上記の麹エキス培地を入れた大型試験管中に、所定量接種して酵母を集殖させるために、約28℃~32℃に3~4日間保ち、酵母の集殖を図る。
次に、集殖培養した麹エキス培養液を取り、これを適宜希釈してYMA平板培地に塗抹する。この資料が塗抹されたYMA平板培地を約28~約32℃で約3~4日間培養し、コロニーを出現させる。出現したコロニーのうち、形態の異なるものをそれぞれ分離して採取し、純粋酵母とする。
(3)胞子形成試験
酵母の同定において、胞子の形成は最も重要な分類指標の一つである。酵母は、胞子を形成するか否かによって、子嚢酵母類、無胞子酵母類、及び射出酵母類の3群に大別される。
子嚢酵母類(分類学上Saccharomycetaceae科に属する酵母)では、胞子の形状、形成の方式、胞子の数、発芽形成等が、種の決定のための重要な特性となる。このため、純粋分離された酵母は、速やかに、下記の胞子形成培地に接種して胞子を形成させる。
胞子形成試験では、上記表2に示すYMA培地又は下記表3に示すV8エキス培地(以下、「V8ジュース培地」ということがある。)を調製し手使用することができる。こうした培地に上記のようにして分離された純粋酵母を植菌する。その後、約28~約32℃にて2~3週間培養し、顕微鏡を用いて、形成された胞子の形状を観察し、Saccharomyces cerebisiae科に属する酵母によって形成された胞子の有無を確認する。
Figure 0007152921000003
上記表3中、V8ジュースエキスは、キャンベル・スープカンパニーのV8野菜ジュースを、室温にて4,000~6,000 rpmで約4~6分間遠心した上清を取り、pH 5.5~6.5に調整したものである。上記表3に示す培地は、例えば、約120℃で15~25分間オートクレーブ滅菌して使用する。
上記の培地で培養し、胞子が形成されるか否かを指標として、無胞子酵母、射出酵母、有胞子酵母に分類し、有胞子酵母を分離する。無胞子酵母及び射出酵母は、醸造酵母としての安全性が確認されていない酵母となるため、使用しない。
以上のようにして分離した有胞子酵母が形成する胞子の形状を確認し、球、円形胞子を形成する酵母を分離する。このような形状の胞子を形成する酵母には、Saccharomyces 属に属する酵母及び他の属に属する酵母が含まれるが、醸造用酵母として安全性の高いものが多いことが経験上知られていることによる。
(4)生理学的試験
次いで、生理学的試験を行う。酵母は、形態学的性質及び培養学的性質に基づいて、属、種を同定することができず、これらの決定には、生理学的性質及び生化学的性質の同定が不可欠だからである。
Saccharomyces属の酵母の同定に際しては、例えば、下記表4に示す以下の項目について、約28~32℃で1週間培養をすることにより、生理学的試験を行うことができる。
Figure 0007152921000004
以上の項目についての試験結果に基づいて、Saccharomyces属以外の酵母を除く。次いで、残った酵母についてのDNA分析を行ない、醸造用として安全性が確認されている、Saccharomyces cerevisiaeであることを確認する。
以上のようにして、本発明の新規酵母を得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されることはない。
(実施例1)酵母の分離
(1)分離源
まず、下記表5に示す花弁、雄蕊、雌蕊、及び萼を椿の木から採取し、冷凍又は冷蔵保存し、これらを酵母の分離用試料とした。
Figure 0007152921000005
(2)培地
酵母の分離には、下記の培地を使用した。
(2-1)麹エキス
0.3gのヨード及び1 gのヨードカリを蒸留水 100 mLに溶解し、I-KI液を調製した。
麹エキス(Brix 10.0、pH 6.26)は、以下のようにして調製した。まず、米麹1 kgを布袋に入れて4~5 Lの水を加え、50~63℃に約5時間保った。少量の液をとり、I-K I液で澱粉の反応を確認した。澱粉の反応が消失するのを待って袋を引き上げ、軽く絞り、絞り液を煮沸した。この絞り液が清澄にならないときは、煮沸液l Lに対して1個分の卵白を加え、良く撹搾して液を煮沸し、濾過した。検糖計にてBallg. 10°前後になるように水を加えて麹エキスとした。各培地に細菌の繁殖を防ぐためにクロラムフェニコールを200ppm で添加した。
(2-2)YMA平板培地
下記表6に示す量のバクトペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、及びグルコースを蒸留水に溶解し、pH 6.0に調製した。その後、1.5%の寒天を添加し、121℃にて20分、オートクレーブ滅菌してYMA培地(NBRC medium No. 108)とした。滅菌後、シャーレに分注して固化させ、YMA平板培地とした。各培地に細菌の繁殖を防ぐためにクロラムフェニコールを200 ppmで添加した。
Figure 0007152921000006
(2-3)V8エキス培地
V8エキス培地は、V8ジュース(キャンベル・スープ・カンパニー製のV8野菜ジュース)を、5,500 rpmで5分間遠心分離し、上澄みのpHを6.0に調整し、1.5%の寒天を添加して調製し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌して使用した。
(3)酵母の分離
まず、直径24 mm、長さ200 mmの大型試験管を乾熱滅菌し、上述した麹エキス(Brix 10.0, 200 ppmのクロラムフェニコールを含む、pH 6.26(無調整))を20 mLずつ分注し、シリコ栓で蓋をして、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌した。
次に、上記大型試験管に、上記表6に示す各試料を、花弁1~2枚、雄蕊及び雌蕊は各1輪分、萼も7~8個程度を目安として入れ、30℃に3 ~ 4日間保ち、酵母の集殖を図った。
酵母の集殖は、上記の試験管を経時的に観察し、試験管内の培地の濁りで判断した。濁りの程度は、試験管内に入れた上記試料の形状及び培地の透明度の低下で判別し、*~***で判定した。結果を図1に示す。濁りの確認された試験管から、パルツールピペットで培養液をサンプリングした。この作業を繰り返しながら、7日間培養した。培養7日目を最終日とし、最終日には全ての試験管から、培養液をサンプリングした。
以上のようにサンプリングした培養液を適宜希釈して、YMA平板培地にコンラージで塗抹し、30℃で数日間培養してコロニーを出現させた。出現したコロニーのうち、外観の異なるものを選択して釣菌し、YMA平板培地及びV8平板培地に塗抹して、30℃で2週間程度培養した。
以上の培養により、287個の試料を分離した。これらのうち、37個で胞子の形成が確認された。これらのうち、下記表7中、下線を付した20株について糖の発酵性試験及び資化試験を行なった。
Figure 0007152921000007
上記表7中の下線を付した20株について、発酵性試験及び資化性試験を行なった。これらの試験のフローチャートを図1及び図2に示す。発酵性試験の結果を下記表7に、また、資化性試験の結果を下記表8に示す。
下記表8中、(+)は添加した糖の発酵ができたことを示し、(-)は添加した糖の発酵ができなかったことを示す。表8及び表9中、(+)は添加した糖を資化できたことを示し、(-)は添加した糖を資化できなかったことを示す。
発酵性試験及び資化性試験に供した20株のうち、発酵性、資化性の異なる6株を選択し、A株~F株と命名した。これらの株の顕微鏡写真を図3(A)~(F)に示す。
Figure 0007152921000008
Figure 0007152921000009
表8及び9に示されるように、上記20株はいずれも産膜は形成しなかった。また、これらの株は、グルコース、ガラクトース及びスクロースを添加した場合には発酵したが、FW-7(B株)及びRY-25(D株)を除き、マルトースを添加した場合には発酵しなかった。
いずれの株もグルコース、ガラクトース及びスクロースは資化できた。また、RW-18(A株)及びFS-6(F株)はマルトースを資化できなかった。さらに、いずれの株も硝酸塩を資化できず、リジンを資化できたのはRB-14及びFB10の2株だけであった。
上記A株~F株について遺伝子解析による同定を行なった。結果を表10~15に示す。
Figure 0007152921000010





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Figure 0007152921000012
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表10~15に示した通り、上記A~F株は、すべてSaccharomyces cerevisiaeであった。これらの酵母のうち、酵母Bは、楕円形の細胞形態を有しており、クリーム色で丸形のコロニーを形成した。10%スキムミルク+1%グルタミン酸ナトリウムを用いて、長期保存が可能である。乾燥又は凍結乾燥して保存が可能であり、復水液として培地を使用し、復元温度を28℃とすることが可能であった。
また、酵母Eも楕円形の細胞形態を有しており、白色で丸形のコロニーを形成した。10%スキムミルク+1%グルタミン酸ナトリウムを用いて、長期保存が可能である。乾燥又は凍結乾燥して保存が可能であり、復水液として培地を使用し、復元温度を28℃とすることが可能であった。
上記の酵母を用いて、従来法に従い、米を原料として清酒を、また、ぶどうを原料としてワインを、それぞれ醸造した。また、米を原料とした焼酎も製造した。本発明の酵母を使用したことにより、芳醇な香気を持つ酒類が得られた。
また、野生酵母をパンの発酵に使用すると、通常であれば、特有の酸臭が出る。しかし、本発明の候補では、この特有の酸臭が抑制されていた。
五島列島近海で獲れた魚を原料に使用した魚醤では、魚独特の香り(魚肉の生臭さや発酵臭)が抑制された。本発明の酵母を魚醤に添加して室温で放置すると、2~3日のうちに魚醤特有のにおいが明らかに減少していた。
さらに、本発明の酵母を使用して味噌を製造した場合には、舌を直接に刺激する塩味(いわゆる、塩角)を和らげる効果が確認された。いわゆる塩角が取れ、味噌の味全体も向上していた。
本願発明は、微生物及び食品に関する技術分野において有用である。

Claims (10)

  1. 受託番号P-01807である新規酵母。
  2. 球状の胞子を形成する有胞子酵母であって、グルコース、ガラクトース、スクロース及びマルトースを資化し、硝酸塩及びリジンを資化しない、ことを特徴とする請求項1に記載の新規酵母。
  3. 産膜を形成せず、グルコース、ガラクトース、スクロース及びマルトース添加時に発酵する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の新規酵母。
  4. シクロヘキシミド非耐性である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の新規酵母。
  5. 受託番号P-01921である新規酵母。
  6. 球状の胞子を形成する有胞子酵母であって、グルコース、ガラクトース、スクロースを資化し、マルトース、硝酸塩及びリジンを資化しない、ことを特徴とする請求項5に記載の新規酵母。
  7. 産膜を形成せず、グルコース、ガラクトース、及びスクロース添加時に発酵する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の新規酵母。
  8. シクロヘキシミド感受性である、ことを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の新規酵母。
  9. 請求項1又は5に記載の新規酵母は、長崎県五島列島に生息する椿の花弁又は雌蕊に由来するものである、ことを特徴とする新規酵母。
  10. 前記椿は、ヤブツバキであることを特徴とする、請求項8に記載の新規酵母。
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ツバキ酵母で麦焼酎を製造,西日本新聞 朝刊,p.22,2017年
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