JP7152921B2 - 特定の地域の生育する椿由来の新規酵母 - Google Patents
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Description
我国のワイン酵母の代表菌株であるSaccharomyces cerevisiae OC-2 (以下「OC-2」と略す。坂口によって分離された。)は、こうした野生酵母から分離され、馴養しつつ継代された培養酵母である。そして、葡萄酒酵母協会1号(OC-2)として、日本醸造協会から、明治42年依頼、頒布され広く使用されている(以下、「従来技術1」という。非特許文献1参照)。この酵母は、ワインの醸造のみならず、パン酵母、清酒酵母、焼酎酵母、菊萄酒、又はワインに類似する果実酒醸造に使用されている酵母としても使用されている(従来技術1)。
しかし、現在市販されている酵母にそのようなニーズに合致するものがない以上、その地域に存在するはずの酵母から有用な酵母を分離したいという要請がある。そして、そのような酵母を分離することができれば、地域の産業の振興に貢献することも可能となる。
このため、地域に存在する酵母の中から、有用な酵母を分離したいという強い社会的要請があった。
細菌の繁殖を防ぐために、それぞれの培地に所望量の抗生物質を添加する。ここで、前記抗生物質は、クロラムフェニコールとすることが好ましい。
増殖させた後に、顕微鏡を用いて増殖した細胞の形態、胞子形成の有無、及び胞子の形状を観察する。
球状の胞子及び円形胞子を培養的性質の試験、又は生理学的性質の試験に供する。球状の胞子及び円形胞子は、Saccharomyces属及びその他の属に含まれる酵母が形成するものであるが、このような形状の胞子を形成する酵母は、醸造用として安全性の高いものが多いからである。
以上の試験ようにして、上述した発酵性、資化性を有し、シクロヘキシミド感受性の本発明の新規酵母を得ることができる。
(1)分離源
本発明の酵母は、椿の花弁、雄蕊、雌蕊、及び萼を分離源とする。これらは、冷凍(-40℃)又は冷蔵し、分離源として使用することができる。
(2)酵母の分離
酵母の分離は集殖培養によって行う。まず、酵母の分離用培地として、例えば、麹エキス(Brix 約8.0~12.0、pH 約6.0~6.5)、及びYMA培地(以下、「YM Agar」又は「YMA」ということがある。NBRC medium No. 108))を準備する。麹エキスは、例えば、以下のようにして調製することができる。
酵母の同定において、胞子の形成は最も重要な分類指標の一つである。酵母は、胞子を形成するか否かによって、子嚢酵母類、無胞子酵母類、及び射出酵母類の3群に大別される。
以上のようにして分離した有胞子酵母が形成する胞子の形状を確認し、球、円形胞子を形成する酵母を分離する。このような形状の胞子を形成する酵母には、Saccharomyces 属に属する酵母及び他の属に属する酵母が含まれるが、醸造用酵母として安全性の高いものが多いことが経験上知られていることによる。
次いで、生理学的試験を行う。酵母は、形態学的性質及び培養学的性質に基づいて、属、種を同定することができず、これらの決定には、生理学的性質及び生化学的性質の同定が不可欠だからである。
Saccharomyces属の酵母の同定に際しては、例えば、下記表4に示す以下の項目について、約28~32℃で1週間培養をすることにより、生理学的試験を行うことができる。
以上のようにして、本発明の新規酵母を得ることができる。
(1)分離源
まず、下記表5に示す花弁、雄蕊、雌蕊、及び萼を椿の木から採取し、冷凍又は冷蔵保存し、これらを酵母の分離用試料とした。
酵母の分離には、下記の培地を使用した。
(2-1)麹エキス
0.3gのヨード及び1 gのヨードカリを蒸留水 100 mLに溶解し、I-KI液を調製した。
麹エキス(Brix 10.0、pH 6.26)は、以下のようにして調製した。まず、米麹1 kgを布袋に入れて4~5 Lの水を加え、50~63℃に約5時間保った。少量の液をとり、I-K I液で澱粉の反応を確認した。澱粉の反応が消失するのを待って袋を引き上げ、軽く絞り、絞り液を煮沸した。この絞り液が清澄にならないときは、煮沸液l Lに対して1個分の卵白を加え、良く撹搾して液を煮沸し、濾過した。検糖計にてBallg. 10°前後になるように水を加えて麹エキスとした。各培地に細菌の繁殖を防ぐためにクロラムフェニコールを200ppm で添加した。
下記表6に示す量のバクトペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、及びグルコースを蒸留水に溶解し、pH 6.0に調製した。その後、1.5%の寒天を添加し、121℃にて20分、オートクレーブ滅菌してYMA培地(NBRC medium No. 108)とした。滅菌後、シャーレに分注して固化させ、YMA平板培地とした。各培地に細菌の繁殖を防ぐためにクロラムフェニコールを200 ppmで添加した。
V8エキス培地は、V8ジュース(キャンベル・スープ・カンパニー製のV8野菜ジュース)を、5,500 rpmで5分間遠心分離し、上澄みのpHを6.0に調整し、1.5%の寒天を添加して調製し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌して使用した。
まず、直径24 mm、長さ200 mmの大型試験管を乾熱滅菌し、上述した麹エキス(Brix 10.0, 200 ppmのクロラムフェニコールを含む、pH 6.26(無調整))を20 mLずつ分注し、シリコ栓で蓋をして、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌した。
発酵性試験及び資化性試験に供した20株のうち、発酵性、資化性の異なる6株を選択し、A株~F株と命名した。これらの株の顕微鏡写真を図3(A)~(F)に示す。
また、野生酵母をパンの発酵に使用すると、通常であれば、特有の酸臭が出る。しかし、本発明の候補では、この特有の酸臭が抑制されていた。
さらに、本発明の酵母を使用して味噌を製造した場合には、舌を直接に刺激する塩味(いわゆる、塩角)を和らげる効果が確認された。いわゆる塩角が取れ、味噌の味全体も向上していた。
Claims (10)
- 受託番号P-01807である新規酵母。
- 球状の胞子を形成する有胞子酵母であって、グルコース、ガラクトース、スクロース及びマルトースを資化し、硝酸塩及びリジンを資化しない、ことを特徴とする請求項1に記載の新規酵母。
- 産膜を形成せず、グルコース、ガラクトース、スクロース及びマルトース添加時に発酵する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の新規酵母。
- シクロヘキシミド非耐性である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の新規酵母。
- 受託番号P-01921である新規酵母。
- 球状の胞子を形成する有胞子酵母であって、グルコース、ガラクトース、スクロースを資化し、マルトース、硝酸塩及びリジンを資化しない、ことを特徴とする請求項5に記載の新規酵母。
- 産膜を形成せず、グルコース、ガラクトース、及びスクロース添加時に発酵する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の新規酵母。
- シクロヘキシミド感受性である、ことを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の新規酵母。
- 請求項1又は5に記載の新規酵母は、長崎県五島列島に生息する椿の花弁又は雌蕊に由来するものである、ことを特徴とする新規酵母。
- 前記椿は、ヤブツバキであることを特徴とする、請求項8に記載の新規酵母。
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ツバキ酵母で麦焼酎を製造,西日本新聞 朝刊,p.22,2017年 |
ツバキ酵母活用、麦焼酎の新商品 五島列島酒造/長崎県,朝日新聞 朝刊,p.31,2017年 |
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